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BCP概念図を利用した企業の経営診断分析の提案

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Academic year: 2021

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4 BCP

概念図を利用した企業の経曽診断分析の提案

建部言葉治@田村和夫@高橋郁夫@南部世紀夫

1. 企業の経営診断分析の位置づけと経緯 従来の防災力診断は建物や生産設備などの物的被害に関するものが中心で、どのような被害があり、何を優 先して対策そ実施すればよいかの防災対策指針のための判断材料を得ょうとするものであった。しかし、従来の 手法では、物的被害整備に、どれだけ費用がかかるのか、あるいは費用対効果はどうなのか、まで踏み込んだも のではなかった。 本研究が目指すものは、工学的手法に加えて経営的概念を導入した経営者のための判断手法の開発である。 すなわち、経営者が最も知りたい建物被害、建築設備、生産設備などの被害金額に加えて、売上損失や売上高に 影響する経営的なダメージの程度を把握することである。こうした手法整備が進めば、経営者が防災対策に事前 にお金をかけることができるのか、あるいは被災後企業の復旧にどの程度の余力があるかを判断できる仕組みが 整うことになる。このため内閣府が推進する事業継続計画 (BC P : Business Continuity Plan)の導入を行い、 概念図で表される操業率(売上高、縦軸)の発災時から復旧に至る時間的推移(横軸)在、経営的指標を用いて 表現し分析することを試みている。 2. BCP槻念図と乙れを利用した企業の経営診断分析の概要 提 業 率 寺号令 時間 図 1 B C P概念図 BCPとは、地震災害のような緊急事態に有効な対策を早期に打つことによって企業を守ることを経営の戦 略として明確に位置づけ、企業トップの強い指導力により事業の継続を実現することが目的である。図 1のBC P概念図は地震発生を伴う企業の操業の変化を、震災直前を 100%として縦軸で表し、横軸の時間で操業率の 復旧過程在視覚的に表したものである。 Aの企業は時間経過とともに震災前の操業率までに回復し、 Bの企業は なかなか回復できず低迷、 Cの企業は廃業、といったように様々なパターンがあると考えられる。このBCP概 念図をベースに、貸借対照表を使った経営的な概念を導入していき、 A~C の企業のようなパターン分けをして いく。 貸借対照表とは、資産、負債、資本の区分を以って企業の財政状態を示す財務諸表であるが、この貸借対照 表から二つの指標を採り上げる。ここでは売上高を表現するものとして、「長期固定適合率」を、また回復状況 を表現するものとして「当座比率」を選択した。本研究ではこうした2つの項目が企業の事業継続計画にあた って有効な判断指標になるかどうかを検討している。 35

(2)

。長期固定適合率 (y) 固 定 資 産 y

=

x 100(%) 自 己 資 本 十 固 定 負 債 経営分析において、主として企業の安全性分析に用いられ、固定資産の調達が自己資本でどのくらいまかな われているかを示す指標である。比率が 100%以下である企業は、融資可能金額が多いと思われ、それを防災 投資に向けたとき、実際に震災に遭った場合被害が軽くなるのではないか、また、 100%を上回る企業は、防災 投資に限界があるのではないか、と判断する指標である。 @当座比率

(

X

)

当 座 資 産

x

=

X 100(%) 流 動 負 債 即座に支払う能力があるかないか、換金性の高い資産がどれくらいあるか判断する指標のひとつである。 B CP概念図においては復旧の傾きに影響する。理想は 100%以上、標準は 90%、危険信号は80%以下という 目安である。

3

.

三河地域企業を事例にした分析結果 三河地域企業の貸借対照表を集め、長期固定適合率と当座比率の関係を見たところ、表lのように 4つのエ リアに分類することができる。タイプ1であればもっと投資でき、タイプ4であればかなり厳しいということに なる。したがって、前者であれば耐震診断をしっかりと受けて、それなりの対策ができるということになり、後 者であれば費用がかかりにくいソフト的な対応を推奨する、ということになると考えられる。 4つのエリアタイプ分け 長期固定適合率│ 当座比率 良 │ 良 良 1 不 良 不 良

l

良 不 良 │ 不 良 中小企業法により大企業、中堅企業、中小企業、零細企業に分け、長期固定適合率と当座比率の関係を図2 に示した。 36

(3)

関係式としては以下の式が得られた。 y = - 36.68n(X) 十 264.9 y : 長期固定適合率、 X : 当座比率 大企業は飛び抜けた数字はなく密集した形となったが、危険なゾーンに属する企業も多く見られた。中小企 業については値が個々に異なるが、予想に反し安全値をとる企業がほとんどであった。 三 河 企 業93社 200 下寸- ー~ 大 企 叢 ロ 中 堅 企 業 事 中 小 企 諜 警告\~J.,Jol

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<>.<&~<& ~<><>.<& 勺<&匂c宇へ手も中#.1、<&~<& y = -36.68Ln(,)+ 264.9 当 座 比 宰 図2 長期固定適合率と当座比率の規模別相関図 操 業 率 一 一 密 ② ⑧ 事

む%

時間 図3 4つのエリア別BCP概念図 4つのエリアをそれぞれB C P概念図にあてはめると図3のようにパターン分けできる。長期固定適合率が 安全値である企業はαのように、落ち込みを軽減できる。危険値であれば十分な防災対策ができず目のように落 ち込む可能性がある。当座比率の良し悪しにより αは①②、戸は③④のように差が出ると考えられる。 4. 今後の予定 今後は、これまで被災した企業についても同様に長期個的適合率と当座比率在調査し、経営者の判断基準と して有力な指標になりうるかどうかを検討する。 37

参照

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