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はじめに 1.PC 構造物の維持管理 2.PC 構造物の変状 3.PC 構造物の調査 4.PC 構造物の診断 5. 対策おわりに 2

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(1)

PC構造物の健康寿命を延ばす

維持管理

(2)

1.PC構造物の維持管理

2

2 .PC構造物の変状

3.PC構造物の調査

4.PC構造物の診断

5.対

はじめに

おわりに

(3)

2013年制定

コンクリート標準示方書

維持管理編

維持管理編:標準

10章「プレストレストコンクリート」として新

設された.

PC構造物特有の劣化に着⽬する.

PC構造物の維持管理においては、構造物の重要度、構造形式、要求性

能、予定供用期間、環境条件および

PC技術の変遷

を考慮する.

診断においては、PC構造物特有の劣化過程を考慮する.

プレストレストコンクリート⼯学に関する知識と経験を有する

PC構造

専門の技術者

が⾏う必要がある.

PC構造物特有の劣化に対応した補修・補強⼯法を選定する.

3

はじめに

(4)

1.PC構造物の維持管理

(5)

プレストレストコンクリート

PRESTRESSED CONCRETE

ひび割れを発生させない(制御できる)

W/Cの低い密実なコンクリートに圧縮⼒を

導入する⇒外部からの劣化因⼦に対し⾼い

抵抗性を有している.【⾼耐久性】

疲労破壊に対しても十分な安全性を有する

5

1.1

PC構造物の維持管理

(6)

PC構造はRC構造とは異なる特性を有するため、PC構造に特有な劣化が

生じることがある.

特徴1:プレストレスの導入

特徴2:PCグラウトの必要性(ポストテンション方式)

特徴3:施⼯⽬地の存在

PC構造に特有な劣化

①PC鋼材と定着部および偏向部に関する劣化

②ポストテンション方式のPCグラウト充填不良等に伴うPC鋼材の劣化

③施⼯⽬地を起点とした劣化

6

1.2

PC構造物に特有な劣化

(7)

プレストレストコンクリートの種類

グラウト

とは、プレスレスコンクリート内のPC鋼材の細かい隙間を充填

するために、注入材料として用いるセメントペーストまたはモルタル。

グラウトが充填されていないと、

PC鋼材の腐食

破断

を引き起こす可能

性がある。

7/56

1.2

PC構造物に特有な劣化

コンクリート

PC鋼材

グラウト

シース

(8)

対象となるPC構造物の建設された時代の技術的特徴を理解した上で維

持管理を⾏う。

PC技術の変遷を考慮

●プレストレストレベル

●技術指針類

●材料

●JIS規格 ●標準設計 ●施⼯技術 ●解析技術

8

1.3

PC構造物の特徴

昭和44年(1969年)制定 昭和55年(1980年)制定 平成6年(1994年)制定 主桁断面 設計⾃動⾞荷重 20tf(195kN),14tf(135kN) 20tf(195kN),14tf(135kN) 245kN 適用支間 14〜40m 20〜40 m 20〜45m PC鋼材 の種類*1 SWPR1 5mm(12本組) SWPR1 7mm(12本組) SWPR1 7mm (12本組) SWPR7A 12.4mm(12本組) SWPR7B 12.7mm(7本組) SWPR7B 12.7mm(12本組) SWPR7B 15.2mm(12本組) 場所打ち床版幅 60cm以下 65cm以下 73cm以下

旧建設省標準設計の変遷(ポストテンション方式PCTげた橋の例)

(9)

9

1.3

PC構造物の施⼯方法

1 2 3 3 2 1 1 2 3 3 2 1 A2 P1 柱頭部 P2 側径間施工 P1張出ブロック P2張出ブロック 閉合部 張出し方向 張出し方向

a) 張出し架設工法

A1 P1 P2 A2 押出し方向 押出しブロック 1 2 3 4 5 6 7 8 9

b) 押出し架設工法

施工目地から判断される架設工法の例

(10)

2.PC構造物の変状

(11)

①PC部材に発生する曲げ、せん断ひび割れ

プレストレスの減少?、

耐荷⼒の低下?

11

2.1

PC構造物の変状

過大な荷重載荷により

生じた曲げひび割れ

せん断ひび割れが生じたPCT桁

(12)

③施⼯⽬地(セグメント⽬地)からの漏⽔

●PC鋼材の腐食~破断の危険性

●プレキャストセグメントの⽬地部は連続鉄筋が配

置されていないため、

PC鋼材の破断により落橋に

至る場合がある

.

12

2.1

PC構造物の変状

セグメント目地部の劣化

(13)

②PC鋼材に沿ったひび割れやエフロレッセンス

PCグラウト充填不良?

PC鋼材の腐食~破断への危険性

13

2.1

PC構造物の変状

グラウト充填不良により生じたPC鋼材

に沿ったひび割れとエフロレッセンス

ポストテンション方式T桁の下フランジに

生じたひび割れの事例

(14)
(15)

2018/4/26

2.2

主ケーブルの破断事例

シースに沿って「浮き」が認められる 遊離石灰も多数認められる はつり後 はつり後 損傷状況 損傷状況 破断 破断

15

(16)

2.3

ポステンT桁の上縁切⽋き部と⽔の浸入経路

上縁定着切欠き グラウト未充填部分 漏水,遊離石 灰,浮き等 漏水,遊離石灰,浮き等

16

(17)

2.4

横締めPC鋼材の破断

Prestressing steel strand Prestressing steel bar Prestressing steel bar

Prestressing steel bar

(18)

2.5

PC橋梁の落橋(その1)

18

Ynys-y-Gwas橋(1953年竣工)

1985年10月 落橋 英国南ウエールズ

・ポストテンション方式のセグメント橋(ブロック桁)

・セグメント目地にはモルタルを使用

・凍結防止剤の使用、内在塩分によりPC鋼材が腐食・破断

参考写真3:PC構造物の維持保全 (社)プレストレスト・コンクリート建設業協会

18

(19)

2.5

PC橋梁の落橋(その2)

島田橋(1963年竣工)

1990年7月落橋 岐阜県町道下田瀬1号線

・ゲルバー式PC斜張橋

・PC斜材の腐食・破断により落橋

・点検を実施していなかった

写真:岐阜大名誉教授小柳先生

19

(20)

3.PC構造物の調査

(21)

3.1

PCグラウト調査

削孔法 IEWP法 インパクトエコー法 X線透過法 広帯域超音波法 非破壊/破壊 破壊 非破壊 非破壊 非破壊 非破壊 判定 目視 波形解析 写真 波形解析 適用 主ケーブル・横締めケーブル 横締めケーブル 主ケーブル・横締めケーブ 主ケーブル 主ケーブル・横締めケーブ 長所 • 正確 • 簡便に実施できる • 簡便に実施できる • 判定が正確 • 簡便に実施できる 短所 • ドリル削孔を必要 とする ・判定に技術を要する • 横締めケーブル専用 • 判定に技術を要する • 深さ、シース径に適用限 界がある • 長時間 • 部材厚さに適用限界があ る • 判定に高度な技術を要す る • 装置が大きい • 高コスト 評価 Main

girder Good Notgood Excellent Acceptable Acceptable Cross

beam Good Excellent Acceptable Acceptable Not good Bridge

deck Good Excellent Acceptable Not good Not good

Impact-echo method

X-ray radiography

Impact elastic-wave method

Drilling method Ultrasonic method

(22)

2018/4/26

3.1

PCグラウト調査

X線透過法

X線透過法概念図

IP(イメージングプレート) 対象 PC 鋼材 発電機(200V) X線発生装置 設置台 コントローラー X線装置 X線装置

22

(23)

グラウト充填

グラウト充填不⾜

3.1

PCグラウト調査

X線透過法

(24)

3.1 PCグラウト調査

インパクトエコー法

受振センサ 入⼒ 調査状況 弾性波 グラウト充填 グラウト未充填 fT 入力 (鋼球) グラウト未充填 による空隙 fT Fvoid 健全部 空隙部 Frequency Frequency Am p li tu d e A mp li t ud e 入力 (鋼球) fT=V/2T fvoid=V/2d (1) (2) 主ケーブル

24

(25)

グラウト充填

グラウト充填不良

卓越したピークが

1

つ認められる

削孔+CCD 充填不良

削孔+CCD 充填確認

Enlarged view Sheath Grout Void Sheath Void Tendons Sheath

Looking down from the drill hole

3.1 PCグラウト調査

インパクトエコー法【評価】

卓越したピークが

2

つ認められる

(26)

弾性波 波形収録装置 増幅装置 横締めPC鋼材 受振 AEセンサー 発振 AEセンサー

3.1

PCグラウト調査

IEWP法

【横締め衝撃弾性波法】

26

(27)

-5 -2.5 0 2.5 5 -2000 0 2000 4000 6000 8000 10000 時間(μsec) 受 信 振 幅 (V) -15 -10 -5 0 5 発 信 振 幅 (V) 振 幅: 大 きい 伝播 速 度: 速 い グラウト:未充てん 入力波形 出力波形 -5 -2.5 0 2.5 5 -2000 0 2000 4000 6000 8000 10000 時間(μsec) 受 信 振 幅 (V ) -15 -10 -5 0 5 発 信 振 幅 (V ) 入力波形 出力波形 グラウト:充てん 振幅 :小 さい 伝播速 度: 遅い 0.001 0.010 0.100 1.000 10.000 100.000 2500 3000 3500 4000 4500 5000 5500 伝播速度(m/s) 入 出 力 比 ( × 1 0 -2 ) 充てん 未充てん 充てん範囲 未充てん範囲 グレーゾーン 判定基準 削孔確認

3.1 PCグラウト調査

IEWP法

【横締め衝撃弾性波法】

評価方法

27

(28)

V:圧⼒補正後の空隙部の体積(ℓ)

V

0

:流量計値(ℓ)

P:測定終了時のゲージ圧(MPa)

P

0

:標準気圧(MPa)

ΔP:単位時間当たりの圧⼒上昇(MPa/s)

T:測定時間(s)

圧⼒補正 漏気による補正(漏気が無い場合は“0“) 測定ユニット 気 体 流 量 センサ 吸引口 バッテリー 圧力センサ 真空ポンプ デ ジ タ ル 流量計 真空用フィルタ 波形収録装置

⽬的:グラウト未充填部分の空隙体積を推定する

3.1

PCグラウト調査

真空法

28

(29)

作業状況 吸入口

測定ユニット

⽬的:グラウト未充填部分の空隙体積を推定する

3.1

PCグラウト調査

真空法

(30)

30

3.2

有効プレストレスの推定

調査項⽬ 調査⼿法の例 評価内容の例 プレストレ スの状態 コア切込み法 2方向のひずみゲージを貼り付け,コアを切 り込むことによって解放されるひずみを測定 する. 調査位置における乾燥収縮, クリープひずみの影響を消 去し,応⼒を推定する. スリット法 コンクリートを部分的に切削し,応⼒解放し た際のひずみを光学的ひずみ計測装置により 測定する. 撮影した範囲内の任意の位 置・方向のひずみを画像解 析し,応⼒を推定する. フ ラ ッ ト ジ ャ ッ キ 法 PC部材に切削した溝にフラットジャッキを 挿入し,応⼒の開放によって生じた変形量を 復元させるために要する圧⼒を測定する. 調査位置におけるプレスト レスを直接的に評価する 鉄筋解放ひずみ法 プレストレスが導入されている方向の鉄筋を 切断した時のひずみを測定する. 調査位置における鉄筋解放 ひずみを応⼒に換算してプ レストレスを評価する.

(31)

⽬的:既存PC構造物の応⼒状態を推定する

切り込み深さ=φ50㎜ ×0.36=18㎜ =φ100㎜×0.36=36㎜

2

方向にひずみゲージを貼り付け、コアを切り込むこ

とによって解放されるひずみを測定する

3.2 有効プレストレスの推定

コア切込み法

31

(32)

①鋼材探査及び位置決め ②ケレン及びゲージ貼付 ③配線及び初期値計測 ④配線取り外し ⑤コア切込み ⑥配線及び解放ひずみ計測

⽬的:既存PC構造物の応⼒状態を推定する

3.2 有効プレストレスの推定

コア切込み法

32

(33)

実橋梁における調査 実⾞輌⾛⾏時の挙動測定

荷重-ひび割れ開閉量

0 10 20 30 40 50 60 70 0.000 0.005 0.010 0.015 0.020 0.025 0.030 0.035 ひび割れ開度(mm) 荷   重 ( t f ) G7 A1側

変曲点

※車両重量はBWIMシステムを用いて計測した

3.2 有効プレストレスの推定

33

(34)

3.3 コンクリート内部⽋陥の調査

内部欠陥を非破壊検査で調査する必要がある

超音波透過法により内部欠陥を評価する【可視化する】

Construction joint Depth is unclear. Construction joint Rock pockets Depth is unclear.

34

(35)

トモグラフィ調査

コンクリートの

内部品質

を評価する非破壊試験技術の1つであり、コンク

リート構造物で測定した

伝播速度

を用いて解析し、内部の欠陥位置を可視

化、推定する手法

(36)

■入⼒データの作成

・各センサへの到達時間の決定(AIC法)

・打点,受信センサ位置の座標作成

・調査領域の要素の分割

■波線追跡法による解析上の到達時間の計算

■解析上の到達時間と実際の到達時間との時間残差の計

データ入⼒

■時間残差の評価

■解析データのデータ補完(局所回帰平滑化)

■速度分布の可視化

不可

反復計算

■要素内のスローネス(速度の逆数)の設定

弾性波トモグラフィのフロー

(37)

箱桁ウェブ側面に生じた変状(ジャンカ部)に対し、

部材を透過

するようにセンサを

設置し、伝播速度の計測を行い

トモグラフィ解析

から

内部の状況を確認

した

対象構造物

変状(ジャンカ部)

メッシュ分割

調査状況

発信側

受信側

解析結果

良 悪

変状部を検出

トモグラフィ調査

透過によるトモグラフィー法

-調査事例-発信側 受信側

37/56

(38)

箱桁ウェブ側面に生じた変状(ジャンカ部)に対し、

部材を透過

するようにセンサを

設置し、伝播速度の計測を行い

トモグラフィ解析

から

内部の状況を確認

した

対象構造物

変状(ジャンカ部)

メッシュ分割

調査状況

発信側

受信側

解析結果

良 悪

変状部を検出

トモグラフィ調査

透過によるトモグラフィー法

-調査事例-発信側 受信側

トモグラフィ解析より、内部の状況を確認することが出来た

しかし、

センサを透過できるように、設置できない場所では調査が難しい

38/56

(39)

地下構造物での損傷事例としては、ひび割れやジャンカが対象となるこ

とが多い(塩害やASRといった損傷とは違い)。

地下構造物での調査の特徴としては、片面側からの調査に限られること

である。

図- 地下鉄内

図- ボックスカルバート

地下構造物におけるトモグラフィの適用について

トモグラフィ調査

片面調査によるトモグラフィ技術の適用

(40)

40/56

従来の弾性波トモグラフィやAEトモグラフィでは,主に

透過弾性波

の縦

波に着目して検討していたが,地下トンネルなど片面からの調査しかでき

ず,かつ活荷重が作用しにくい部材への適用が困難である。

透過弾性波

材料から生じるAE

(活荷重を受ける部材)

地上構造物

既往の調査方法では困難である

トモグラフィ調査

片面調査によるトモグラフィ技術の適用

(41)

41/56

調査範囲

AEセンサ 入⼒点 2 0 0 m m 4 0 0 m m

図- ドリル削孔トモグラフィ計測イメージ

ドリル削孔トモグラフィ調査

透過法に対して、

1面からトモグラフィ

調査をおこなう手法である。

ドリル削孔により深部から弾性波を

入力することが特徴である。

調査手順

①表層部にセンサを設置

②弾性波の入力波鋼球を用いる

③内部から弾性波を発生させるために

ドリル削孔を行い、打撃棒を挿入し、

打撃する

④削孔深さを深くし、計測を繰り返す

(削孔深さは表層から200mmピッチ程度)

図-

ドリル削孔状況

図- センサ設置状況

図-

計測状況

トモグラフィ調査

ドリル削孔によるトモグラフィ調査

(42)

42/56

深さ方向における速度分布は⼀定である

深度:約200㎜位置

状況:変状なし

深度:約500㎜位置

状況:変状なし

CCD調査箇所

CCD調査結果

深さ方向における変状は確認されなかった

トモグラフィ調査結果

(43)

–健全部-CCD① CCD②

CCD①

CCD②

深度100mm,変状有り 深度500mm,変状無し 深度100mm,変状有り 深度500mm,変状有り

CCD調査①

CCD調査②

トモグラフィ結果

トモグラフィ調査結果

(44)

–劣化部-弾性波トモグラフィ⼿法の適用事例

PCグラウトの未充填部検知

プレストレストコンクリートのグラウ

トの未充填部の検出のため透過弾性波

を利用した点検⼿法を開発,適用。

着⽬弾性波パラメータ

 到達時間(弾性波速度)

 パワースペクトル比(減衰)

 スペクトル重心

弾性波の初動の特性に着⽬

適用方法

トモグラフィ結果

20 4@75 =30 0 50 150 4@ 75= 300 150 50 A1 A2 A3 A4 A5 C1 C2 C3 C4 C5 C6 C7 B1 B2 B3 B4 B520 4@ 75= 300

充填

未充填

(45)

4.PC構造物の診断

(46)

PC構造は、PC鋼材の腐食が生じると耐⼒の低下

が急激に起きる.

安全性の定量的な評価が難しい.

PCグラウト充填の良否を考慮に入れた評価を⾏う.

46

4.1

PC構造物の診断

(47)

47

4.1

PC構造物の診断

潜伏期 進展期 加速期 劣化期 の過程 耐久性低下 の過程 耐荷性低下 潜伏期 進展期 加速期 劣化期 の過程 耐久性低下 の過程 耐荷性低下 使用期間 使用期間 性 能 性能 鉄筋腐食 耐荷力喪失 曲げひび割れ 腐食ひび割れ PC鋼材腐食 腐食ひび割れ 水しみ, 遊離石灰 鉄筋腐食 はく離,はく落 PC鋼材破断(ポステン) はく離,はく落(プレテン) 曲げひび割れ 耐荷力喪失 (a) RC構造物の場合 (b) PC構造物の場合

RC構造とPC構造の劣化過程の概念図

(48)

48

劣化機構の推定および予測

項⽬の例 影響要因の例 着⽬事項の例 上部構造 構造形式:単純桁,連続桁,ラーメン 断面形式:I桁・T桁・ホロー桁,箱桁,中空床版 断面⼒再分配の違い プレストレス 導入方法:プレテンション方式,ポストテンション方式 PC鋼材配置:内ケーブル方式,外ケーブル方式 グラウトの有無や維持管理の しやすさ 桁製作方法 場所打ち,プレキャスト ⽬地部の有無 PC鋼材 PC鋼線,PC鋼より線,PC鋼棒 腐食破断の違い 定着具の位置 上縁定着,端部定着 ⽔の浸入のしやすさ 橋面防⽔ 有,無 ⽔の供給量の違い 桁支間規模 小支間(30m程度以下),中支間(30〜60m),⻑支間 曲げひび割れの発生時期 損傷部位 プレキャスト桁:桁,間詰め 箱桁:床版,ウェブ,下床版 剛性や耐荷⼒の低下度合い 構造設計 解析方法:棒理論や版理論に基づく方法,静的弾性解析 (微小変形理論による⾻組み解析,FEM解析),静的非 線形解析,動的非線形解析照査方法:PCとPRC,クリ ティカル断面とそれ以外の断面 耐荷⼒の余裕量の違い

構造特性が耐力に及ぼす影響要因の例

(49)

4.2

PC構造物の診断

時間依存性解析】

At completion

After 20 years

Analysis result (side of a web)

Checking the creep and drying shrinkage strain in the web 20 years after the completion

• 持続荷重(プレストレス、死荷重)によるクリープひずみを解析

• 各施⼯ブロックのコンクリート材令の差を考慮した乾燥収縮ひずみを解析

Analysis model Steel tendon model Creep and drying shrinkage settings

(50)

ASR⼤型暴露試験体載荷試験【参考】

42

大 型 試 験 体 ( A S R・ 健 全 ) 0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000 3,500 4,000 4,500 5,000 0.00 2.00 4.00 6.00 8.00 10.00 12.00 14.00 16.00 中央鉛直変位量(mm) 載 荷 荷 重 ( k N ) ASR 1/2L(支点補正)(mm) 健全1/2L(支点補正)(mm) 曲げひび割れ発生計画荷重 初降伏荷重 曲げひび割れ荷重(ASR) 曲げひび割れ荷重(健全) ASR試験体、健全試験体 の曲げ破壊荷重はほぼ同様 「ASR/健全=0.996」 【曲げひび割れ挙動】 ・曲げひび割れ進展不連続 ・ひび割れ本数多い(分散性能) ・ひび割れ間隔狭い( ⇒ASR劣化による水平ひび割れ の影響

切断面】ひび割れはかぶり部のみ

【TPによる物性値結果】 ASR/健全比にて

・圧縮強度≒45~68%

・静弾性係数:軸方向≒60%

:鉛直方向≒18%

(水平ひび割れの影響)

TPによる物性値 切断面の状況 曲げひび割れの進展 ※出典:ASR劣化構造物の力学性能推定技術の確立(京都大学宮川教授他)

(51)

5.対

(52)

52

5.1

補修および補強

対策の種類 対策の方法 予防的な対策 事後的な対策

PC鋼材劣化

に関する対策

塩害対策

表面保護

電気防食

脱塩工法

断面修復

水の浸入対策

防水工

排水工・漏水防止工

モニタリング

塩分モニタリング

腐食(電位等)モニタリ

ング

耐久性に

関する対策

防食対策

表面保護

PCグラウトの再注入

モニタリング

外観観察(コンクリート

の表面状態等)

ひび割れ観測

PC構造物における対策の選定例(その1)

(53)

53

5.1

補修および補強

対策の種類 対策の方法 予防的な対策 事後的な対策

耐荷力に

関する対

コンクリート部材の交換

打換え,取替え工法

コンクリート断面の増加

増厚工法

コンクリート巻立て工法

部材の追加

縦桁増設工法

支持点の追加

支持工法

補強材の追加

鋼板接着工法

連続繊維工法

鋼板巻立て工法

連続繊維巻立て工法

プレストレスの追加

外ケーブル工法

耐震性の確保

落橋防止構造の設置など

支承機能の保全

鋼製支承の補修

支承の取替え

モニタリング

たわみ,振動,支承の移動量,車両

大型化や車両通行量の増大の観測

(54)

PC構造に適切な対策を選定する.

選択した補修・補強⼯法によっては、

プレストレスの分布が⼤

きく変化

する事がある.

施⼯中の十分な管理と施⼯後の適切な検査が必要となる.

54

5.2

対策における留意点

(55)

①塩害対策における留意点

●断面修復⼯法を適用する場合は、プレストレスの再分配に対する安全性の

検討を⾏う.

●電気化学的補修⼯法を適用する場合は、電流量

によるPC鋼材の⽔素脆化に対する考慮が必要.

55

5.2

対策における留意点

はつり後 はつり前 PC鋼材 (SWPR7BN 7本より12.7mm) ①上反り,ひび割れ発生 ③部材の弾性短縮 ②プレストレスの再分配 圧縮応力 引張応力 PC桁(設計基準強度50N/mm2

断面はつりがPC部材の挙動に及ぼす影響

(56)

高機能補修材料の紹介

ひび割れ自己治癒機能を有する補修材料

東京大学生産技術研究所、東京地下鉄(株)、(株)SERIC JAPANで共同開発され

た「自己治癒機能」を有する補修材料の適用を提案。

漏水補修材料「Power-Healing」

漏水補修時に

使用する止水材、急結材、断面修復材料にひび割れ自己治癒機

能を付加した材料。地下鉄トンネル環境下での実績もあり。

簡易ひび割れ補修材「Crackey」

0.2mm以下程度の軽微なひび割れに対し、簡易に補修ができる「スティック状

」の補修材料。点検や調査時に、簡易な補修に使用。

Power-Healing

Crackey

56/56

補修前

補修後

(57)

油類吸着型漏水補修材料

「Power-Healing-AO」:

前述のひび割れ自己治癒補修材料に、油類吸着材を添加した、新たな自己治癒

補修材料

石油タンクや工作機械等の台座など油類が使用されている環境で適用可能

4.⾼機能補修材料の紹介

4.高機能補修材料の紹介

4.2

油類吸着型ひび割れ自己治癒補修材料

Power-Healing-AO イメージ

ひび割れ部の油類漏水試験

2018年3月26日 16:30〜 ⼤成建設 株式会社 会議室

0.25㎜のひび割れに油を浸漬

以降

油分の浸透なし

浸透方向

油類環境

特殊混和材添加 油分のゲル化

(58)

PC構造物の維持管理にあたっては、PC構造特有の劣化の特徴を十分理

解する必要がある.

維持管理に従事する技術者は、PC⼯学に関する知識と経験が必要であ

る.

維持管理には

PC構造専門の技術者

が従事する必要がある?

PC構造専門の技術者とは?

●博士(PC⼯学)

●技術士(鋼構造及びコンクリート)

●コンクリート診断士

●コンクリート構造物診断士(PC⼯学会)

58

おわりに

(59)

END

ご静聴有難うございました

参照

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