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1 目次 1. はじめに 2. 少子化の現状 3. 少子化の原因 4. これまでの少子化対策とその効果 5. 日本の育休休業制度の現状 6. 外国の少子化対策 7. 私たちの提案 8. 最後に

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永ゼミⅡ

STOP!!少子化

チーム末っ子

10831032 伊丹智美

10831058 扇谷速人

10831095 片岡由衣

10831098 金子康平

10831202 田村直子

10831298 松岡秀和

10831357 吉川ちはる

10831362 賴實二慧

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目次

1.はじめに

2.少子化の現状

3.少子化の原因

4.これまでの少子化対策とその効果

5.日本の育休休業制度の現状

6.外国の少子化対策

7.私たちの提案

8.最後に

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1.はじめに

日本では2007 年をピークにして人口の減少がすでに始まっています。その原因というのはさまざま ありますが、1 つの要因としてあげられるのが少子・高齢化問題です。その中でも私たちは少子化にスポ ットを当て、日本の少子化をどうすれば改善できるのか調べてみることにしました。 私たちが少子化について調べようとした動機は、少子化によって様々な問題が生じているからです。 少子化による問題とは、生まれる子供の数が減少して、現人口を維持できないということです。これは、 高齢社会の原因となり、年金問題などの社会保障に大きな影響を与える、といったような深刻な問題を 引き起こすことになります。 2008 年では 3 人の働く現役世代による負担で、1 人のお年寄りの生活を支えていましたが、私たちの 世代がお年寄りとなる2055 年になると、たった 1 人の現役世代が 1 人のお年寄りを支えなくてはいけな くなります。本当に私たちは、年金がもらえるのか、私たち現役世代で高齢者を支えていけるのか、ま た負担が増えてしまうのではないかなど、今後、社会保障制度は成り立っていくのかどうか、とても不 安です(図 1)。 図1 しかし、少子化が改善されれば、将来、多くの現役世代でお年寄りを支えることができます。現役世 代の負担も減少し、多くの不安が解消されるでしょう。そこで、ここでは私たちの少子化対策を提案し ていきたいと思います。私たちが提案したい、少子化問題の改善策は、日本版ワークシェアリングと育 児休業制度の改正の2 つです。この 2 つの提案によって少子化を止めようと考えています。

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2.少子化の現状

少子化を見ていく上でよく出てくる言葉が、合計特殊出生率です。これは、女性が出産可能な年齢を 15 歳から 49 歳までとし、それぞれの年齢の出生率を足し合わせ、その平均を求めたものです。一般的 に、これが2.08 を下回ると少子化とされています。いわば、これは 1 つの国や地域が少子化状態にある か、そうでないか、少子化を判断するために用いられるものです。この2.08 を踏まえたうえで、次に日 本の合計特殊出生率の推移を見ていきましょう。 図2 図2 は、日本の合計特殊出生率の推移を表したものです。横線は合計特殊出生率 2.08 の値を示してい ます。日本は、戦後すぐに第1 次ベビーブーム、昭和 48 年をピークにして第 2 次ベビーブームを迎えま した。しかし翌昭和49 年の数値は 2.07 を記録し、以降、合計特殊出生率は 2.08 を下回り続けています。 よって日本の少子化は昭和49 年から始まっていたということになります。その後は低下の一途をたどり、 平成17 年に、戦後最低となる 1.26 を記録しました。以降は景気の回復により、やや上昇傾向となって います。 では、なぜ出生率は低下しているのでしょうか。次に、少子化の原因を考えていきたいと思います。

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3.少子化の原因

少子化の原因としては、未婚化、晩婚化、晩産化や経済的不安の増大、夫婦の出生力の低下、仕事と 子育ての不安感など様々なことが考えられます。その中でも、私たちは夫婦共働きをしている人に焦点 を当て、女性の社会進出によって仕事と子育ての両立の難しさが一番大きな原因であると考えました。 図3 図3 は 2008 年の女性の就業率を年齢別に表したものです。働き盛りである 30 代女性の労働力が 20 代、40 代に比べて落ち込む M 字カーブになっています。仕事についても結婚や出産、子育てを機に退職 する女性が多いことが原因と考えられます。(M 字カーブをなだらかにしただけで 131 万人、このくぼみ 解消すると445 万人の労働力人口増が期待できると言われています。) このグラフからは、仕事と育児の両立ができず、仕事を辞めてしまう人が多いということが読み取れ ます。そこで、私たちは、仕事と子育てを両立できる環境を整えるために、育児休業制度を充実させる ことが必要ではないかと考えました。 それでは、これらの原因をふまえて、政府はどのような対策を行ってきたのでしょうか。次に、これ までの少子化対策について説明します。

4.これまでの少子化対策とその効果

最初の具体的な計画として1994 年に「エンゼルプラン」が策定されました。これは保育サービスの充 実を中心としたものでした。そして、1999 年に「新エンゼルプラン」が策定されました。これまでの保

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育サービスばかりでなく、仕事と子育ての両立のための雇用環境整備も加えたより幅広い内容となって います。 2002 年には「少子化プラスワン」が策定され、これまでの子育てと仕事の両立支援に加えて、働き方 の見直し、地域における子育て支援という新たなものが加わっています。また2003 年には「少子化対策 基本法」と「次世代育成支援対策推進法」策定されました。「次世代法」とは、政府、地方公共団体、企 業などが一体となって次世代育成支援に取り組むという、より幅の広い政策となっています。 そして、その1 年後の 2004 年に「少子化社会対策大綱」が策定されました。これには、4 つの重点課 題が示されていて、この大綱の具体的実施計画として、取りまとめられたのが「新新エンゼルプラン」 です。これまでのエンゼルプランや新エンゼルプランと比べて、保育関係施設の充実、子育て世代の働 き方や若者自立策にも対策を広げている特徴があります。 このように、政府の少子化対策は、働く女性の両立支援から始まり、子どもを持ちたい夫婦への対策、 さらには結婚前の若者までをも対象とした対策に幅を広げてきたことがわかります。 しかし、図2 を見ても分かるように、出生率に変化は見られませんでした。 では、なぜ出生率に変化が見られなかったのでしょうか。それは、これまで行われた政策が、育児休 業制度やそれを取得する環境、また男性に対しての対策が不十分であったためだと考えられます。 そこで私たちは、育児休業制度の充実が必要であり、充実することにより出生率も回復していくので ないかと考えました。 次は、その育児休業制度を見ていきたいと思います。

5.日本の育休休業制度の現状

育児休業とは、満 1 才までの乳児を養育する労働者が、法律に基づいて取得できる休業制度のことで す。育児休業の対象者は男女を問いません。休業期間は子供が満 1 才に達するまでとなっています。た だし、保育所に入所を希望しても入所できない場合や、養育をしている配偶者がやむをえず養育が困難 な状況の場合、1 才 6 ヶ月まで取得できます。 対象となる雇用形態は2 つあります。①同一事業主に引き続き 1 年以上雇用されている、②子供が満 1 才に達する日を超えて引き続き雇用が見込まれる、この 2 つが満たされていれば、事業所に規定がなく ても申し出て休業できます。 日本の育児休業取得率については、「平成 21 年度雇用均等基本調査(事業所調査)結果」によると、 女性の育児休業取得率は85%で、平成 20 年度調査より 5.0%ポイント低下しています。この数字は一見 高く見えますが、実際はそのうち育児休業を取得した約7割が第1子出産を機に離職し、仕事と子育て の両立が難しくなっています。 一方、男性の育児休業取得率はわずか1.72%でした。こちらは平成 20 年度調査より 0.49%ポイント 上昇しましたが、男性の育児休業取得率は依然として低いのが現状です。 それについては、①休業中の収入や復職後のキャリア形成に不安がある、②職場の同僚や上司に迷惑 がかかる、③休業中の生活において周囲の目が気になる、といった大きく3つの要因が挙げられます。 そこで、少子化対策の観点から、仕事と家庭の両立支援等を一層進めるために、2010 年 6 月 30 日に

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「改正育児・介護休業法」が施行されました。 「改正育児・介護休業法」は、①父母が共に育児休業を取得する場合、1 歳 2 ヶ月までの間に 1 年間 育児休業を取得可能とする、②父親が出産後 8 週間以内に育児休業を取得した場合、再度、育児休業を 取得可能とする、③配偶者が専業主婦(夫)であれば、育児休業の取得不可とすることができる制度を廃止 する、といった3 つのことに重点を置いています(図 4)。 図4 政府は、男性の育児休業取得率を 2017 年までに 10%に引き上げを目標としています。改正されたこ とにより、男性の育児休業取得率が増加する可能性を秘めていると考えられます。しかし、女性も男性 も育児休業制度を取得する環境が整っていません。このままの育児休業制度では不十分と言えます。

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6.外国の少子化対策

図5 ここで、外国での少子化対策について見ていきたいと思います。中でも私たちは、図 5 からも読み取 れるように、1990 年以降出生率が一旦下がりその後 0.3 ポイント以上回復した国である、フランスとス ウェーデンについて調べました。 a.フランス フランスでは1990 年代初頭から、政府が少子化対策に本格的に着手しました。その結果、1994 年の 1.66 を底に出生率が上昇し、2008 年には 2.00 まで回復しました。フランスの主な少子化対策としては 次の3 つがあげられます。それが①家族手当、②育児支援、③雇用制度です。 まず、フランスの①家族手当の特徴は、1 つ目に、子供が 2 人以上の家庭に給付されること、2 つ目に、 子供が3 人以上になるとさらに給付が優遇されること、そして 3 つ目に、収入に関係なく全員が貰える ということです。 次に、②育児支援の特徴は、1 つ目に、子供が 3 歳になるまで片方の親は休職が可能であること、2 つ 目に、給与水準に応じた休業手当が貰えること、3 つ目に、復職後も依然と同等の地位が保障されている ということ、そしてベビーシッターの費用が控除対象となっていることの4 つがあげられます。 そして最後に、③雇用制度については、フランスでは現在、ワークシェアリングを導入しており法定 労働時間が35 時間となっています。フランス型ワークシェアリングの特徴としては、①この政策は立法 によって全ての雇用労働者の週労働時間を短縮し、社会的に雇用の維持や創出を目標としている、②労

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働時間の短縮による賃金カットを行わない、の2 つが挙げられます。週 35 時間法の内容は、今までの法 定労働時間を40 時間から段階的に 35 時間へと移行していくというものです。また、所定労働時間を 10% 短縮した企業、新規採用を行った企業には新規採用者を含む全従業員について社会保障負担費を、一人 当たり年9000 フラン軽減するといった優遇措置を規定しました。この当時の 9000 フランは日本円で約 18 万円になります。 b.スウェーデン スウェーデンの出生率は、1998・99 年の 1.50 を底に上昇し、2008 年には 1.91 まで回復しました。 スウェーデンの高い合計特殊出生率を回復させた主な少子化対策としては、①充実した育児休業制度、 ②保育サービスがあげられます。 まず、①育児休業制度として両親保険があります。これは休業期間中、休業直前の所得の8割が支給 されるものです。また、休業期間については出産 10 日前から 8 歳の誕生日までに、両親合わせて最大 で480 日間にわたり育児休業を取得できます。さらに、この 480 日間のうち、父親、母親にそれぞれ 60 日間ずつ割り当てられ、残りの日数は互いに分け合えるというパパクォーター・ママクォーター、その 他にも事情にあわせて、出勤時間を全日、4 分の 3 日、2 分の 1 日、4 分の 1 日で組み合わせた出勤も可 能となっています。 しかし両親保険は、給付額は休業の直前の収入によって決まりますが、育児休業中に子どもが生まれ た場合、直前の収入は 0 といった場合が出てきます。そこで、特例としてスピードプレミアムという制 度があります。これは2 年半以内に次の子どもが生まれた場合、労働時間を短縮して復職中であっても、 所得の 8 割が育児休業中に再び保障されるという制度になっています。育児休業制度に対し、育児休業 中の代替人員を、ワークシェアリングによって対応し、休業手当を社会保険料によって補うなど、スウ ェーデンでは育児休業を取得しやすい環境が整っていることが分かります。 次に、②保育サービスは、国が枠組みを決定して地方政府(コミューン)が実施するかたちで、地方 政府が子供を預かる義務を法律で負っているため、保育サービスを必要とする全ての1 ~12 歳児に対し てのサービス提供することが可能となっています。また、費用の大部分は国と地方政府が負担している ことから、保育施設が充実し、待機児童が解消されています。 このような育児休業制度や保育サービスによって、スウェーデンでは仕事と家庭の調整を行うことが 可能になり、高い女子労働力率と高い育児休業取得率、女性は7 割以上が 1 年以上の育児休業を取得、 労働時間の短縮と早い帰宅へとつながり、出生率が上昇した要因となっています。 フランスとスウェーデンの少子化対策を見てきて学んだことは、子どもを産み、育てることに伴う様々 な負担やリスクは、社会全体で支えるべきであるという考えから、「国が積極的に介入している!!」と いうことです。これにより雇用の安定や育児休業制度が充実し出生率の上昇につながっていることが分 かりました。 では、フランスとスウェーデンから学んだことをふまえて、今の日本ではどのような少子化政策が必 要でしょうか。少子化の原因である子育てと仕事の両立困難を解消するための私たちの提案を述べたい と思います。

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7.私たちの提案

まず、育児休業制度の改正によって、子どもを育てるより良い制度をつくり、日本版ワークシェアリ ングによって、子どもを育てる制度を取得しやすい環境をつくる。それによって男女ともに仕事と子育 ての両立ができるようになり、少子化を止めたいと考えています。 先ほども記述しましたが、平成21 年度の日本の育児休業取得率は女性が約 85%、男性が 1.72%とい う状況であり、育児休業を取得した女性のなかでも約7 割が第 1 子出産を機に離職していることから、 仕事と子育ての両立が難しいことが分かります。 その背景には、平成21 年現在の待機児童数が約2万人であり、特に 1・2 歳児の待機児童数はそのう ちの63.7% 、0 歳児も含めた低年齢児の待機児童数(0~2 歳児)は全体の 76.0%を占めているという現 状があります。現在、育児休業期間が短いため、そのような状況から子どもを預けるところがなく職場 に復帰することができないといった状況も出てきて、仕事と子育ての両立が困難となっています。 そこで、私たちは「育児休業期間を長くしよう!」と考えました。 現状(父母が共に取得した場合)は1 歳 2 ヶ月までの間に、1 年間育児休業取得可能 となっており、 これを、3 歳までの間に両親合わせて、最大 450 日取得可能というように改正します。 次に、3 歳までの子を養育する労働者が希望すれば短縮労働時間制度(1 日 6 時間勤務)ができるとい う制度がありましたが、短縮労働時間制度の期間を、3 歳から 6 歳に延長します。 また様々な働き方ができるよう・特定の曜日のみ勤務ができるようにすると改正します。これらの制 度は企業に、努力義務ではなく、義務化させます。 このような育児休業制度の改正を行うことで、育児休業の取得期間を長くし、様々な短縮勤務体系を 作ることにより仕事と家庭の両立ができるようになるでしょう。 しかし、制度の改正により、仕事と家庭の両立ができるような制度は整っていても、実際に育児休業 制度を取得しやすい環境が整っていないため、このままでは制度はあっても使うことができない状態に なってしまいます。 そこで、私たちの考える日本版ワークシェアリングによって育児休業制度を取得しやすい環境を作り ます。ワークシェアリングとは、雇用機会・労働時間・賃金という、3 つの要素の組み合わせを変化させ ることによって、一定の雇用量を多くの労働者の間で分かち合うことですが、私たちは、数あるワーク シェアリングの仕組みの中から、短時間勤務や隔日勤務を導入して勤務体系を多様化し、より多くの労 働者に雇用機会を与えようということを提案します。 労働時間については、現在、日本では時間外労働を行っている人がたくさん存在します。日本の法定 労働時間は週40 時間ですが、週 60 時間以上働いている人は、労働者全体の 10%、特に 30 代の子育て 世代の男性では、20%以上が週 60 時間以上働いています。そこで、サービス残業の罰則を強化し、週 40 時間労働の厳守を徹底させます。それにより、より多くの人に雇用機会を与えることと同時に、働い ている人でも育児に参加できる時間が増えることになります。 勤務体系の多様化については、短時間正社員制度を導入し、労働者が、短時間勤務や隔日勤務など、 様々な働き方を選択できるようにします。これにより、育児休業を行った人でも、容易に現場復帰がで きる環境を作ることができます。

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図6 図 6 を用いて説明すると、従来の勤務体系通り、バリバリ働けるフルタイム正社員が短時間・隔日勤 務等を選ぶ事ができる短時間正社員になることもでき、また、短時間正社員からフルタイム正社員に戻 ることができるようになります。また、ワークシェアリングを行うことにより、雇用機会が増えるため、 パートタイムの人も正社員になることができるようになります。 しかし、私たちが考えるワークシェアリングにはデメリットもあります。 企業からみたデメリットは、①雇用管理の複雑化と②社員数増加によるコストの増加であり、労働者 から見たデメリットは、所得が減少してしまうことです。 では、これらのデメリットに対して、どのような改善策を行っていけばいいのでしょうか。 まず、①雇用管理の複雑化に対しては、社内メールの積極的活用により、情報共有を可能にすること によって、無駄なミーティングをなるべく削減し、短時間勤務がしやすい環境を整備します。 次に、②社員数増加によるコストの増加に対しては、新規雇用を行った企業や、育児休暇取得率の高 い企業に対して社会保険料の軽減を行うことで改善します。労働者の所得の減少については、政府から の助成により、残業削減における奨励金や雇用維持助成金を企業に支給することで、所得の減少をなる べく抑えるようにします。この 3 つの改善策によって、政府の財政は圧迫されることになります。しか し、ワークシェアリングを行うことによって、労働者が増加し、消費が増えることにより、消費税が増 加し、税収の増加が見込めます。また、失業者が減ることによって失業保険給付が減少します。長い目 で見ると、将来世代の増加となり、財政への負担は少なくなると考えています。 さらに、経済産業研究所の調査によると、ワークシェアリングに伴う収入減少は、夫婦関係満足度の 上昇によって容易に補えると考えられています。 夫婦関係満足度とは、中年期の夫婦を対象にアンケート調査を行い、夫の夫婦関係の満足度、妻の夫 婦関係の満足度をそれぞれ求めたものです。妻の夫婦関係満足度は、妻の出産意欲と比例関係にあり、

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満足度が高いほど、子供を産んでいることがわかっています。また、夫婦関係満足度は夫の所得が10 万 円下がっても、夫婦の会話が一日16 分増えることによって補えます。つまり、ワークシェアリングによ って収入が減少しても、その分仕事量も減り、夫婦間の会話が増えることによって所得低下のデメリッ トは改善されると考えています。 次に、ワークシェアリングを行うことのメリットは、①ライフスタイルに合わせて労働時間を決定で きること、②失業者が減少すること、そして、一番大きなメリットは、③育児休業制度をとりやすい環 境になり男女ともに育児と仕事の両立が簡単にできるようになるということです。それはつまり、子供 が増えるということを意味します。子供が増えることによって、将来世帯が増加しさまざまな不安が解 消されると考えます。 私たちが考えるワークシェアリングには多くのデメリットが存在します。しかし、失業者の減少、勤 務体系の多様化によるライフスタイルの実現、育児休業制度がとりやすい環境の整備、それによる少子 化の改善など、デメリットを超えるメリットが存在すると私たちは考えます。したがって、私たちは、 少子化対策において、ワークシェアリングを行うべきだと提案します。

8.最後に

私たちは、海外の政策から学んだように、少子化を止めるためには子供を将来の担い手と考え、負担 やリスクを社会全体で支え、国が積極的に介入すべきだと考えました。私たちが提案した育児休業制度 の改正でより育児をしやすい枠組みを作り、日本版ワークシェアリングによって(雇用主や同僚からプ レッシャーを感じたり、不満を言われたり…ということが少なくなり)育児休業を取りやすい環境を整 える、それにより少子化が止まり、日本の抱える問題が少しでも解消されればと思います。

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図 6  図 6 を用いて説明すると、従来の勤務体系通り、バリバリ働けるフルタイム正社員が短時間・隔日勤 務等を選ぶ事ができる短時間正社員になることもでき、また、短時間正社員からフルタイム正社員に戻 ることができるようになります。また、ワークシェアリングを行うことにより、雇用機会が増えるため、 パートタイムの人も正社員になることができるようになります。    しかし、私たちが考えるワークシェアリングにはデメリットもあります。  企業からみたデメリットは、①雇用管理の複雑化と②社員数増加によるコストの増加であ

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