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事業成果報告書 多様な現場に対応する 県産小麦 ネバリゴシ のブランド化に向けた 収量 子実タンパク向上経営モデル の作成 平成 27 年 3 月 地方独立行政法人青森県産業技術センター農林総合研究所生産環境部研究員須藤弘毅 ( 代表研究者 ) 研究員福沢琢磨 ( 共同研究者 )

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事業成果報告書

多様な現場に対応する

県産小麦「ネバリゴシ」のブランド化に向けた

「収量・子実タンパク向上経営モデル」の作成

平成 27 年 3 月

地方独立行政法人青森県産業技術センター

農林総合研究所 生産環境部

研究員 須藤 弘毅(代表研究者)

研究員 福沢 琢磨(共同研究者)

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目 次

1 はじめに ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 2 青森県における小麦の生産状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 3 国の新たな経営所得安定対策の仕組み ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5 4 本調査研究の背景・目的 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6 5 調査・研究の期間および実施内容・方法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6 (1) 調査・研究期間 (2) アンケート調査の実施 (3) 技術メニューの追加試験 (4) 追加技術の具体的な内容と試験区の設定 (5) 経営モデルの検討・提示 (6) 販売・収入、生産費、所得の試算方法 6 農家アンケート調査の実施結果 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 13 7 収量・品質安定化に向けた技術メニューの試験結果 ・・・・・・・・・・・・ 20 (1) 追肥体系における開花期尿素葉面散布技術 (2) 全量基肥体系 8 「収量・子実タンパク向上経営モデル」の作成 ・・・・・・・・・・・・・・ 25 (1) 技術メニューの経営的評価 (2) 経営モデル作成 9 おわりに ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 31 別紙

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- 1 - 1 はじめに 平成 27 年に変更された我が国の「食料・農業・農村基本計画」※は、小麦の生産量を平 成 25 年の 81 万 t から平成 37 年には 95 万tへと生産増を図るという目標を定めている。 小麦の需要量の約 1 割は国内で生産されており、残りは輸入に頼っている。国産小麦の生 産拡大を図っていくためには、排水対策の徹底や適期防除、病害に強い品種の導入や新し い技術の導入等により収量・品質の安定・向上が課題となる。 日本めん用小麦は需要量の約 1 割を占め、さらにその 7 割が国産である。青森県では、 日本めん用小麦である「ネバリゴシ」が作付されている。本研究は、上記の課題のうち、「ネ バリゴシ」の収量・品質の安定・向上に着目し、新たな栽培技術を導入することで課題解 決を図るものである。 なお本研究は、一般社団法人青森県農業経営研究協会の助成を受けて実施したものであ り、ここにその成果を報告する。そして、助成を受けた時の調査研究課題名としては、『多 様な現場に対応する県産小麦「ネバリゴシ」のブランド化に向けた「子実タンパク向上経 営モデル」の作成』となっているが、後述するように、経営モデルには、子実タンパクの 影響以上に収量の影響が大きかったことから、成果報告書のタイトルおよび内容表記の点 では、「子実タンパク向上経営モデル」の部分を「収量・子実タンパク向上経営モデル」と したことを、予めことわっておく。 ※食料・農業・農村基本法に基づき、食料・農業・農村に関し、政府が中長期的に取り組むべき方針をめ たもの。情勢変化を踏まえ、概ね 5 年ごとに変更することとされている。 2 青森県における小麦の生産状況 青森県の小麦作付面積は米の生産調整の影響を受け、昭和 53 年の「水田利用再編対策」 による生産調整拡大、平成 5 年の「水田営農活性化対策」による生産調整緩和、そして平 成 10 年の「緊急生産調整推進対策」による生産調整再拡大と増減を経てきた。近年では、 備蓄米や加工用米等への転換により、青森県産小麦の作付面積および収穫量は年々減少傾 向にあり、平成 25 年は約 1,400ha となっている(図 1)。作付品種は日本めん・菓子用小麦 として一定の需要がある「キタカミコムギ」の割合が多いものの、日本めん用小麦の「ネバ リゴシ」が約 4 割を占めている(図 2)。また、県の収穫量も平成 5 年から減少傾向がさらに 進み、平成 25 年は 2,980t となった。

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- 2 - 図 1 青森県における小麦の作付面積および収穫量の推移 (農林水産省東北農政局生産振興課「東北地域における麦をめぐる実情」平成 26 年より一部改変) (注) 「ネバリゴシ」以外の品種も含む。 図 2 青森県における小麦の品種別作付面積の推移 (農林水産省東北農政局生産振興課「東北地域における麦をめぐる実情」平成 26 年)

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- 3 - また、青森県の 10a 当たり収量は平成 5 年から減少傾向が進み、平成 25 年は 211kg とな った(図 3)。さらに、農産物検査で被害粒の割合や粒揃いの違いで区分する等級をみると、 1 等比率は全国および東北の平均と同様の水準で東北各県の中では、比較的高いものの(図 4)、子実タンパク質含有率等によって区分する品質ランク(表 1)については、最高ランク の(A)の比率は、全国および東北平均に比べて低い水準にあり、なおかつ年によってその比 率は大きく変動し(図 5)、安定していない状態にある。 図 3 東北地域における小麦の 10a 当たり収量の推移 (農林水産省東北農政局生産振興課「東北地域における麦をめぐる実情」平成 26 年) (注) 「ネバリゴシ」以外の品種も含む。

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- 4 - 図 4 東北地域における小麦検査結果(等級比率) (農林水産省東北農政局生産振興課「東北地域における麦をめぐる実情」平成 26 年) (注) 「ネバリゴシ」以外の品種も含む。 表 1 品質評価項目と基準値 基準値 許容値 た  ん  ぱ  く 9.7~11.3% 8.5~12.5% (8.0~13.0%)※ 灰         分 1.60%以下 1.65%以下 容    積    重 840g/L以上 -フォーリングナンバー 300以上 200以上 日本めん用小麦 評価項目  ○ 左の評価項目の基準値の達成状況により、   上位からA、B、C、Dに区分される。  ○ 例えば、Aは評価項目の基準値を3つ以上   達成し、かつ許容値を全て達成したものである。 品質ランクの格付け 「※」は低アミロース品種「ネバリゴシ」を対象とする。

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- 5 - 図 5 東北地域における日本めん用小麦の品質評価結果 (農林水産省東北農政局生産振興課「東北地域における麦をめぐる実情」平成 26 年) (注) 「ネバリゴシ」以外の品種も含む。 3 国の新たな経営所得安定対策の仕組み 政府はこれまでも、小麦の生産拡大に向けて各種の施策を展開してきたところであるが、 平成 26 年から新たな経営所得安定対策を実施することとした。販売価格が生産コストを恒 常的に下回っている作物を対象として、その差額を交付することにより、農業経営の安定 と国内生産力の確保を図るとともに、麦・大豆等への本作化を促すことを目的としたもの である。この政策により、販売農家や集落営農は、小麦の売上金のほかに 2 つの交付金を 得ることができるようになった。1 つ目は、等級と品質に応じて支払われる「畑作物の直接 支払交付金」である。2 つ目は、対象の作物を水田に作付けすることで支払われる「水田活 用の直接支払交付金」である。 小麦生産の場合では、「畑作物の直接支払交付金」は基本的に数量払い方式であり、収量 が高ければ高いほど農家の収入が多くなり、等級や品質が向上することで、さらに収入が 多くなる仕組みとなっている。

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- 6 - 4 本調査研究の背景・目的 青森県における小麦生産は収量が低く、品質が不安定な状況である。このため、地方独 立行政法人青森県産業技術センター農林総合研究所(以下、当研究所)は、これまで「ネバ リゴシ」の品質向上試験に取り組み、子実タンパク質含有率を向上させる開花期尿素葉面散 布技術等の追肥基準を明らかにし、「ネバリゴシ」の収量・品質の安定化については、研究 分野での技術開発がある程度進み、技術普及へと進みつつある。しかし、開発された技術 が広く普及し成果をあげるためには、技術の特徴を踏まえ、多様な現場に対し最も効果的 な導入技術を明らかにする必要がある。 このため本研究では、まず省力栽培も期待できる新規肥効調節型肥料による新たな研究 を実施し、これまでの開発技術と併せて、「ネバリゴシ」施肥管理の「収量・子実タンパク向 上技術メニュー(以下、技術メニュー)」として現場に示し、それぞれの技術メニューにつ いて経営評価を行い、農家の事情に応じた経営モデルを示すこととした。 5 調査・研究の期間および実施内容・方法 (1) 調査・研究期間 調査・研究は平成 26 年 4 月~平成 27 年 3 月に実施した。 (2) アンケート調査の実施 当研究所において開発された技術を経営形態(経営規模、機械設備、圃場管理実態等) の異なる農家に適切に提案するために、農家の類型化を行う目的でアンケート調査を実施 した(表 2)。 表 2 アンケート調査実施結果(単位:票) 配布票数 回収票数 有効票数 210 106 (50.5%) 79 (37.6%) 県内の「ネバリゴシ」栽培農家を対象に、別紙 1「アンケート回答票記入例」を配布して実施した。 ( )内の数値は配布票数に対する割合を示す。 (3) 技術メニューの追加試験 本研究において、経営モデルを作成するにあたっての、収量・品質向上を目的とした 技術メニューは、当研究所が開発した開花期尿素葉面散布技術に加え、本研究において 成果としてまとめた新規肥効調節型肥料による省力栽培法 3 つの試験を実施し、計 4 種 類とした(表 3)。

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- 7 - 表 3 技術メニュー一覧 技術メニュー 類型 ねらい等 H24開発  ① 開花期尿素葉面散布 追肥体系 品質向上収量向上  ② 全層施肥  ③ V溝接触施肥  ④ 側条施肥 H26開発 肥効調節型 全量基肥体系 品質向上 収量向上 + 追肥省略 (4) 追加技術の具体的な内容と試験区の設定 開花期尿素葉面散布技術と比べて、追肥を省略できる方法として、肥効調節型の肥料を 用いることとし、その肥料の溶出パターンの違いや施肥方法の違いによる収量・品質への 影響を調べることとした(表 4)。

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- 8 - 表 4 追加技術の内容 耕起・施肥・播種方法 施肥・播種後の 作土断面模式図 備考 区A R30:R50 = 5:5 区B R30:R50 = 4:6 区C R30:R70 = 5:5 区A R30:R50 = 5:5 区B R30:R50 = 4:6 区C R30:R70 = 5:5 区A R30:R50 = 5:5 区B R30:R50 = 4:6 区C R30:R70 = 5:5 <参考>対照区 ①施肥  肥料を圃場全体に施用する。 ②耕起  肥料施用後、圃場を耕起する。 ③播種  ロータリーシーダー等を用いて 播種する。 硫安 施肥窒素量     12kg/10a  基肥 8kg/10a  追肥 2kg/10a   (幼穂形成期)  追肥 2kg/10a   (止葉抽出期)   肥料の利用率が優れるため、   窒素分10kg/10aとする。   速効性肥料で窒素分12kg/10aを   施用する栽培に対し、2kg/10a   (16%/10a)減となる。 全層施肥 V溝接触施肥 側条施肥 ①施肥  肥料を圃場全体に施用する。 ②耕起  肥料施用後、圃場を耕起する。 ③播種  ロータリーシーダー等を用いて 播種する。 ①施肥・播種  V溝播種機を用いて、施肥と播種 を同時に行う。 ①耕起  圃場を耕起する。 ②施肥・播種  ロータリーシーダー等を用いて、 種子近傍に播種同時施肥する。 セラコート セラコート セラコート 使用肥料と肥料配合比

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- 9 - (5) 経営モデルの検討・提示 調査で得られたアンケートをクラスター分析により 4 つのグループに類型化した。これ らの中から、極端に単位面積当たりの収量が低いグループを除いたものについて経営モデ ルを作成することとした。経営モデルの作成にあたっては、圃場管理の面から追肥体系に 着目し、追肥回数と当研究所が開発した「ネバリゴシ」施肥管理の技術メニュー(追肥体 系 1 種類、全量基肥体系 3 種類の計 4 種類)の組合せから、農家の現状に合った経営モデ ルを検討した。 (6) 販売・収入、生産費、所得の試算方法 収入面では、収量を全て販売量とみなした。この値に、「ネバリゴシ」の販売単価(平成 26 年契約価格 32,044 円/t)を乗じた金額、畑作物の直接支払交付金(表 5、農林水産省) を乗じた交付金額、水田活用の直接支払交付金(35,000 円/10a)を加えて収入とした。収 量は、アンケート調査から得られた値から、グループ毎に平均した値を用いた。畑作物の 直接支払交付金については、アンケート及び関係機関への聞き取りから個人毎の小麦の等 級及びランクデータが得られないため、以下、数式①のように平均額を算出した。青森県 の「ネバリゴシ」の等級割合は、過去 6 年間(平成 20 年~25 年)の平均である、1 等 66.0%、 2 等 27.9%、等級外 6.1%を試算に用いた(青森県農林水産部農産園芸課)。ランク割合は過 去 6 年間(平成 20 年~25 年)の平均から、A ランクを 80.1%(農林水産省)とし、残りの 19.9%は B ランクとして試算した。ここから、後述するグループ A、B、D について、各々 の栽培面での特徴を強調するために、等級、品質ランク割合に差をつけた(表 6)。なお、 本研究では交付金が得られない等級外を除いた。 表 5 作物直接支払交付金 等級 ランク A B C D A B C D 交付額(円/60kg) 6,410 5,910 5,760 5,700 5,250 4,750 4,600 4,540 1 2 (注) 等級外の小麦には作物直接支払交付金は支給されない。

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- 10 - 畑作物の直接支払交付金(円/60kg) =1 等 A ランク交付額(円/60kg)×1 等割合×A ランク割合 +1 等 B ランク交付額(円/60kg)×1 等割合×B ランク割合 +2 等 A ランク交付額(円/60kg)×2 等割合×A ランク割合 +2 等 B ランク交付額(円/60kg)×2 等割合×B ランク割合 =6,410×0.660×0.80 +5,910×0.660×0.2 +5,250×0.279×0.8 +4,750×0.279×0.2 =5,601(円/60kg)・・・・・・・・・・・・・・・数式① 表 6 グループ毎の等級・ランク割合の設定 1等 2等 A B グループA 66 27.9 80 20 5,601 グループB 76 17.9 90 10 5,764 グループC 56 37.9 70 30 5,439 平均 66 27.9 80 20 5,601 ランク割合(%) 等級割合(%) 交付金額(円/60kg) 支出面では、「農業経営統計調査平成 25 年産麦類生産費(農林水産省)」を基にして算出 した。この中の項目のうち、肥料費(表 7)、農機具の減価償却費、家族労働費については、 技術メニューに必要な費用を試算して設定した。肥料や農機具の価格は過去の購入実績お よびメーカー資料を基に設定した。(表 8)。施用肥料は追肥体系(技術導入前も含む)では、 基肥に「尿素入燐加安 484 号」、追肥に「尿素」を使用することとした。全量基肥体系では、 基肥に「セラコート(R)」および「PK46」を用い、追肥は無施用とした。ここで用いる「PK46」 の施用量は、追肥体系で用いる「尿素入燐加安 484 号」とカリウムが同量になるように合 わせた。農機具は、「青森県特定高性能農業機械導入計画(青森県(自平成 20 年度至平成 25 年度))」を参考に、播種機の使用に対応できる馬力を有するもの設定した。なお、V 溝 播種機の施肥および播種作業速度を、ロータリーシーダーの 2 倍とした。また、側条施肥 技術でも施肥および播種を同時に行うことから、作業速度をロータリーシーダーの 2 倍と した。ただし、農機具は経営面積全体で使用するものとし、減価償却費は、経営面積に対 する小麦作付割合を乗じた値とした。グループ A、D は、それぞれ 1 台の農機具をそれぞれ 2 戸、4 戸(適正稼働面積相当分)の農家で共有することとし、農機具の減価償却費をそれ

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- 11 - ぞれ 2、4 で除した値を用いた。家族労働費については、平成 23 年青森県の統計値より家 族労働費を家族労働時間で除した単価を基に 1 人あたり 1,320 円/時間とした。技術導入前 後の家族労働費は、「主要品目の技術・経営指標(青森県、平成 22 年ほか)」に示されてい る所要時間(表 9)を基にして算出した。作業従事者数はアンケートの結果から、平均 2.3 人とした。支払利子は自動車費、農機具費の合計を対象に 2%とした。自己資本利子は建物 費、自動車費、農機具費の合計を対象に 1%とした。 一般的に家族経営では農業所得の追求が経営の目標となることから、ここでは、総収入 から費用合計を差し引いたものに、家族労働費を加えたものを所得として算出した。技術 導入によって子実タンパク質含有率が変化しない場合(技術導入効果最小の場合)と、す べて基準値まで向上した場合(技術導入効果最大の場合)とに分けて算出した。 表 7 肥料施用量及び小売価格(円/20kg、税込) 肥料名 価格 尿素入燐加安484号 3014 輸入尿素 4,677 セラコート(R) 6,100 PK46 2,624 (注) 価格調査は過去の購入実績、メーカー資料による。 表 8 農機具小売価格(円、税込) トラクタ ブロードキャスター ロータリ ブーム スプレーヤ ロータリー シーダ V溝播種機 コンバイン 大・中規模用 コンバイン 小規模用 価格(円、税込) 3,017,700 365,040 767,880 1,252,800 1,158,840 2,924,000 4,298,400 1,512,000 規格 35PS ホッパー容量(300L) 35PS対応 タンク容量(500L) 10条 10条 3条 2条 (注) 価格調査は過去の購入実績、メーカー資料による。

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- 12 - 表 9 労働時間(h/10a) 追肥0回 追肥1回 追肥2回 施肥 0.5 0.5 0.5 耕起・整地 0.5 0.5 0.5 播種 0.1 0.1 0.1 雑草防除(2回) 0.4 0.4 0.4 病害虫防除(3回) 0.6 0.6 0.6 追肥(幼穂形成期) - 0.6 0.6 追肥(止葉抽出期) - - 0.6 収穫 0.2 0.2 0.2 計 2.3 2.9 3.5 施肥 0.5 0.5 0.5 耕起・整地 0.5 0.5 0.5 播種 0.1 0.1 0.1 雑草防除(2回) 0.4 0.4 0.4 病害虫防除(3回) 0.6 0.6 0.6 追肥(幼穂形成期) - 0.6 0.6 追肥(止葉抽出期) - - 0.6 収穫 0.2 0.2 0.2 計 2.3 2.9 3.5 施肥 0.5 0.5 0.5 耕起・整地 0.5 0.5 0.5 播種 0.1 0.1 0.1 雑草防除(2回) 0.4 0.4 0.4 病害虫防除(3回) 0.6 0.6 0.6 追肥(幼穂形成期) - - - 追肥(止葉抽出期) - - - 収穫 0.2 0.2 0.2 計 2.3 2.3 2.3 施肥 播種 耕起・整地 - - - 雑草防除(2回) 0.4 0.4 0.4 病害虫防除(3回) 0.6 0.6 0.6 追肥(幼穂形成期) - - - 追肥(止葉抽出期) - - - 収穫 0.2 0.2 0.2 計 1.5 1.5 1.5 施肥 0.5 0.5 0.5 耕起・整地 播種 雑草防除(2回) 0.4 0.4 0.4 病害虫防除(3回) 0.6 0.6 0.6 追肥(幼穂形成期) - - - 追肥(止葉抽出期) - - - 収穫 0.2 0.2 0.2 計 2.0 2.0 2.0 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 技術導入後 V溝 全層 葉面 側条 技術導入前 (注)1 開花期尿素葉面散布技術(葉面)の技術導入をする際は、幼形期および止葉抽出期の追肥の有 無は導入前と変更していない。 (注)2 葉面散布は病害虫防除時に、薬剤と混合して散布したこととし、これにかかる時間はないもの とした。

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- 13 - 6 農家アンケート調査の実施結果 アンケートはつがる市、五所川原市、十和田市、八戸市、階上町、五戸町の計 210 票を 配布した。106 票の回答が得られ、現在「キタカミコムギ」のみを生産している農家の票を 除いて 96 票の「ネバリゴシ」生産に関するデータが得られた。さらに後述する分析に際し て、必要事項が未記入の票を除外した最終有効票は 79 票であった。 まず、「ネバリゴシ」生産農家を対象とした 96 票から調査項目ごとに集計を行った。現 在「ネバリゴシ」の生産農家は高齢であり、60 歳代が全体の約半数を占める(図 6)。トラ クタ、播種機、スプレヤ、刈取機は個人で所有している農家が多いが、機械に不足を感じ ていることから、機械の老朽化で更新を望んでいることがうかがえる(図 7)。一方で資金 の不足を感じる農家も多く、機械への新たな投資を行うことの難しさもうかがえる(図 8)。 小麦の低収量に悩む農家が多く目立ち、収入に期待を持てない状況であると推測される。 図 6 「ネバリゴシ」生産農家の年齢分布 (注)1 アンケートの一部未記載(収量、作業従事者数)分を含めた 96 件を対象とした。 (注)2 棒グラフ上部の数値は全体に対する人数の割合を示す。

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- 14 - 図 7 「ネバリゴシ」生産農家の機械所有状況 (注)1 アンケートの一部未記載(収量、作業従事者数)分を含めた 96 件を対象とした。 (注)2 棒グラフ上部の数値は全体に対する人数の割合を示す。 図 8 「ネバリゴシ」生産農家の要望等 (注)1 アンケートの一部未記載(収量、作業従事者数)分を含めた 96 件を対象とした。 (注)2 棒グラフ上部の数値は全体に対する人数の割合を示す。

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- 15 - 次に、技術メニューを農家に提案するために、小麦収量、経営面積、小麦作付面積、水 稲作付面積、経営面積に対する小麦作付割合、経営面積当たり従事者数についてクラスタ ー分析を実施し、農家を 4 グループ(A、B、C、D)に類型化した(図 9)。ここでは、必要 事項が未記載分の票を除いた 79 票を対象とした。クラスター分析では、異なる特徴が混在 した集団から、互いに似た性質のものを集め、集団化する方法である。類型化したグルー プの特徴的な項目についてまとめた(図 10、表 10)。 グループ A は、経営面積が 20.4ha と大きく、小麦作付面積が全体の 3 割超の 8.3ha で、 小麦収量は 245kg/10a と並収である。大規模経営かつ適切な生産管理をしていると推測さ れ、技術メニューを導入することで省力化を図ることにより、大豆等の他作物を含めて効 率的な経営をすることが期待できる。 グループ B は、経営面積が 13.2ha と中程度、小麦作付面積が全体の 3 割弱の 3.9ha で、 小麦収量は 313kg/10a と高収である。生産力の高い圃場や高い生産技術を有していると推 測される。 グループ C は、経営面積が 15.4ha と中程度、小麦作付面積が全体の 3 割弱の 6.1ha で、 小麦収量は 79kg/10a と少収である。排水性不良による湿害の出やすい圃場での栽培もしく は粗放栽培をしていると推測される。 グループ D は、経営面積が 10.0ha と比較的小さく、小麦作付面積が全体の 3 割弱の 2.3ha で、小麦収量は 183kg/10a と並収である。統計値に近く、平均的な経営をしていると推測 され、技術メニューを導入することで省力化を図ることにより、グループ A のような大規 模経営を目指すことが期待できる。 これら 4 グループのうち、全体の 81.0%を占める 3 グループ(グループ A、B、D)につい て施肥量、追肥回数(表 11-13)を試算に用いて経営モデル作成を行った。なお、グループ C は本研究での技術とは異なる対策が求められるとして、経営モデルの対象とはしなかった。

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- 16 - 図 9 クラスター分析による農家の類型化 (注)1 赤枠で囲った範囲は類型化された A、B、C、D グループを示す。 (注)2 左軸の番号はアンケートの個票を示す。

A

B

C

D

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