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目次 1. 事業の目的 背景 1 2. 事業内容 3 3. 体制 4 4. 評価試験の概要 5 5. 試験日時 場所 6 6. 試験手順 6 7. 試験結果 ( 計測結果 ) 9 8. 試験結果の耐震性評価 試験結果のまとめ 考察 50

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(1)

経 済 産 業 省 商 務 流 通 保 安 グ ル ー プ ガ ス 安 全 室 御 中

平成

26 年度ガス工作物設置基準調査委託事業

(異種管継手の技術基準適合試験調査)

事 業 報 告 書

平 成

27 年 2 月 25 日

一 般 社 団 法 人

日 本 ガ ス 協 会

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目 次 1.事業の目的、背景 ··· ··· 1 2.事業内容 ··· 3 3.体制 ··· 4 4.評価試験の概要 ··· 5 5.試験日時・場所 ··· 6 6.試験手順 ··· 6 7.試験結果(計測結果) ··· 9 8.試験結果の耐震性評価 ··· 35 9.試験結果のまとめ ··· ··· 48 10.考察 ··· 50

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- 1 - 1.事業の目的、背景 ガス事業法に基づくガス工作物の技術基準等については、これまで技術の進歩や事故等に起因する保 安上の重要課題に対して、見直しを図ってきた。本事業は、新たに導入されるガス工作物の技術基準等 について、適切な安全性評価や見直しを図るための評価・検討を行うものである。 日本は地震多発国であり、先般の東北地方太平洋沖地震をはじめ、これまでも幾多の大地震によりガ ス導管等に被害が発生したものの、関係者の連携によりガスの早期復旧を図ってきたところである。 しかしながら、ガス導管の復旧(接合)に当たっては、導管の管種(材質)及び口径に応じた専用の 継手が必要となること、導管修理に使用する継手の種類や修理パターンが非常に多くその特定に時間が かかること、また、掘削による管種確認、継手の在庫確認、急な増産対応及び接合作業などの各行程で 多大な時間がかかること等から、ガスの早期復旧の障害の1つとなっていた。 一方、海外のガス事業者においては、同一呼び径であれば様々な管種・外径や地盤変位により位置ず れしたガス導管を接合できる継手(以下、「異種管継手」という。)を使用している例があることが判明 し、これを国内でも活用できれば早期復旧に寄与することが期待できるため、平成23 年度のガス工作物 設置基準調査委託事業において国内での適用に向け調査を実施し、平成25 年度の同委託事業では異種管 継手が耐震性の技術基準を満足するレベルかどうか評価試験を行った。その結果、地盤変異吸収能力に ついて、曲げ試験については、良好な結果が得られたものの引っ張り試験に関しては口径や継手の種別 により結果が異なったことから、更なる検討評価が必要との結論が得られた。 これを受けて、今年度は、接合する直管の材質を変えて試験を行い、鋼管以外と接合した場合の地盤 変異吸収能力を算定し、耐震性に関する技術基準への適合性を確認することとなった。 (参考1)地震時の一都市ガスの復旧状況 過去に発生した大規模地震において、都市ガスの復旧には下表の日数を要しており、各地震における 検討会(昭和 54 年「ガス事業大都市対策調査会」、平成 5 年「ガス地震対策調査会」、平成 7 年「ガス地震 対策検討会」、平成16 年「新潟県中越地震ガス地震対策調査検討会」、平成 19 年「新潟県中越沖地震に おける都市ガス事業・施設に関する検討会」)において、早急復旧に対する検討(技術開発、資機材調達) について提言がなされている。 また、平成23 年 3 月 11 日に発生した東北地方太平洋沖地震における「災害対策ワーキンググループ」 の検討においても、更なる早期復旧に関して言及されている。 発生年月 地 震 供給停止件数 復旧日数 昭和53 年 6 月 宮城県沖地震 約151,000 戸 28 日間 平成5 年 1 月 釧路沖地震 約9,300 戸 23 日間 平成5 年 7 月 北海道南西沖地震 約1,400 戸 8 日間 平成7 年 1 月 兵庫県南部地震 約857,000 戸 94 日間 平成16 年 10 月 新潟県中越地震 約56,800 戸 39 日間 平成19 年 7 月 新潟県中越沖地震 約34,000 戸 42 日間 平成23 年 3 月 東北地方太平洋沖地震 約460,000 戸 54 日間

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- 2 - (参考2)過去の地震における低圧ガス導管(本支管、供内管)の被害箇所数 発生年月 地 震 被害箇所数 平成7 年 1 月 兵庫県南部地震 約27,000 平成16 年 10 月 新潟県中越地震 約3,000 平成19 年 7 月 新潟県中越沖地震 約3,000 平成23 年 3 月 東北地方太平洋沖地震 約8,000 (参考3)現在日本で適用されている主な材料 管種 口径・被覆 接合方法 1 鋼 白・黒 ねじ 2 溶接 3 ASJ ねじ 4 VC(塩化ビニル被覆) ねじ 5 SE メカニカル 6 キーロン(硬質塩化ビニル被覆) ねじ 7 1 層 PL ねじ 8 溶接 9 2 層 PL ねじ 10 溶接 11 その他 その他 12 ねずみ鋳鉄 ミリ管 印籠型 13 ガス型 14 インチ管 印籠型 15 ガス型 16 ダクタイル鋳鉄 ミリ管 ガス型 17 GM 18 TM 19 その他 20 ポリエチレン 1 号管 1 号 U 管 2 号管 MMS 方式 21 IG 方式 22 HM 方式 23 塩化ビニル(PVC) 低圧ガス導管に関しては、上記のように管種が多岐に渡るため、ガス導管の接合には、基本的にそ れぞれに適応した継手が必要となる。

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- 3 - 2.事業内容 (1)異種管継手の評価試験計画の策定 技術基準として、具体的にはガス工作物技術基準の解釈例で引用されている中低圧ガス導管耐震設 計指針JGA指-209-13の耐震基準を満たすことを確認するための評価試験計画を下表の条件 をもとに策定する。 項目 内容 試験項目 引っ張り試験及び曲げ試験 接合する直管の種類 ガス用ポリエチレン管(50A)、ガス用ポリエチレン管(150A) ダクタイル鋳鉄管(150A)(3種類)

異種管継手の種類 George Fischer WAGA 社製 オールフィッツジョイント (1種類) 評価試験回数 適切に評価可能な回数(条件別に3 回以上) 評価試験計画の詳細については、評価対象の継手の種類、口径及び試験回数などの評価項目や評価 条件を、学識経験者などの専門家1名程度を交えて検討し、ガス安全室に協議のうえ決定する。 (2)評価試験の実施 ガス安全室との協議により決定した評価試験計画に従って、評価試験を実施する。 (3)評価結果総括及び技術基準適合に向けた考察 評価試験結果を取りまとめ、総括したうえで、技術基準の適合に向けた今後の課題抽出等の考察を 行う。

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- 4 - 3.体制 (1)事業実施体制 本事業の実施にあたっては、一般社団法人日本ガス協会が自ら評価試験実施の主体となり、効率的 かつ円滑に実施した。 また、地震防災等にも精通し、ガス事業に関する知識・知見のある専門家を交えた体制とすること で、より磐石な体制とした。 事業実施体制を図で示したものは以下のとおり。 (2)役割分担 ①日本ガス協会 所属 役職 氏名 担当・役割 日本ガス協会 技術部 供給・幹線技術グループ マネジャー 堀内 俊宏 事業全体の統括及び 事業遂行のマネジメント 同上 係長 鈴木 一真 評価試験計画の策定・評価試験遂行 全体事務局 ②コベルコ科研 評価試験作業(事前準備を含む)及び試験結果の取りまとめ 【補足】 本事業は、評価試験を行うための試験設備が必要となることから、評価試験の作業を評価試験会 社へ再委託する。評価試験会社については、ガス導管材料の性能評価試験の実績が多く、過去に国 の事業の中で試験を実施した経験もあり、昨年度の異種管継手の評価試験の再委託先である「コベ ルコ科研」にて作業を実施した。 経済産業省 商務流通保安グループ ガス安全室 評価試験作業(再委託) 理事会 供給委員会 供給小委員会 供給企画WG 地震対策WG 【支援体制】 【実施体制】 専門家(リーダー) 清野 純史 (京都大学大学院 工学研究科 教授) コベルコ科研 日本ガス協会 技術部 供給・幹線技術グループ 全体計画立案・総括

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- 5 - 4.評価試験の概要

(1)継手の種類

国から指定のあった「George Fischer WAGA 社製 オールフィッツジョイント」(1 種類) (2)口径と直管の管種 国から指定のあった「ガス用ポリエチレン管(50A)、 ガス用ポリエチレン管(150A)ダク タイル鋳鉄管(150A)」の 3 種類 (3)試験回数及び試験体 国の仕様書の中では「適切に評価可能な回数(条件別に3 回以上)」とあるが、評価試験項目別の試 験回数については、昨年度の評価試験にて、引っ張り試験が口径や継手の種類により異なる結果とな ったことをふまえ、今回の評価試験では十分な検証結果を得るため5 回実施することとする。 一方、曲げ試験については、昨年度の評価試験にて口径や継手の種類によらず結果が良好であった ことをふまえ、最低限の評価回数である3 回実施することとする。(提案書に記載のとおり。) (4)試験体の組立 試験体は直管-異種管継手-直管の順に接合した下図のような配管とし、接合作業(組み立て)に 関しては継手メーカーの代理店から受領した組み立てマニュアルに従い、指定されたトルク管理によ る締め付け作業により実施した。また、直管の端部にはガス封入加工及び載荷用の加工を行った。 試験項目 管種 口径 試験回数 引っ張り試験 ダクタイル鋳鉄管 150A 5 ポリエチレン管 50A 5 150A 5 曲げ試験 ダクタイル鋳鉄管 150A 3 ポリエチレン管 50A 3 150A 3 ポリエチレン管50A ポリエチレン管150A 試験体概要及び寸法(引っ張り試験) ダクタイル鋳鉄管150A

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- 6 - 試験体概要及び寸法(曲げ試験) 5.試験日時・場所 試験期間:2014年12月8日~2014年12月12日 試験場所:コベルコ科研 尼崎事業所 第1実験棟 6.試験手順 (1)引っ張り試験 試験は最大3MN まで載荷が可能な構造物試験機を用いて行った。載荷は、試験体の両端に試験機に チャックした治具とボルト締結し、約5mm/min の速度で一方向引っ張りを行った。なお、引っ張り 試験中の漏えい確認として、試験体内部にはあらかじめ50kPa の内圧(圧力媒体:空気)を負荷した。 試験手順及び計測項目、使用計測機器、試験状況及び計測位置を以下に示す。 引っ張り試験手順 ①試験体の両端部に載荷するための治具(フランジ付き鋼棒)をボルトにて締結する。 ②試験体を試験機に取り入れる。 ③試験体に空気を封入する配管、空気抜き配管、圧力計を取り付ける。 ④試験体内に空気圧を封入し、50kPa まで昇圧する。 ⑤圧力を一定時間(1 分程度)保ち、気密性の確認を行う。 ⑥引っ張り一方向に約5mm/min の速度で載荷を開始する。 ポリエチレン管50A ポリエチレン管150A ダクタイル鋳鉄管150A

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- 7 - ⑦破壊が発生(荷重低下・著しい変形等)、漏えいとみられる著しい圧力低下、もしくは、治具 の許容荷重(500kN)に達した時点で、載荷は中止する。 ⑧破壊箇所の確認及び写真撮影を実施する。 ⑨荷重をゼロにし、試験を終了する。 計測項目及び使用計測機器(引っ張り試験) 計測項目 計測箇所 型番 メーカー 荷重 試験機荷重 REH-300 島津製作所 ロードセル RCT-50kN 昭和測器 全体変位 フランジ間変位量 SDP-300 東京測器研究所 変位(上) 継手-フランジ間変位量(上部) SDP-100 変位(下) 継手-フランジ間変位量(下部) SDP-100 内圧 試験体内空気圧 PW-100kPA 試験状況及び計測位置(引っ張り試験)

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- 8 - (2)曲げ試験 試験は最大3MN まで載荷が可能な構造物試験機を用いて行った。 4 点曲げ試験(支持点 2 点、加力点 2 点)とし、試験体を支持点上に置き、上部から載荷した。載 荷は一方向に約20mm/min で実施した。なお、曲げ試験中の漏えい確認として、試験体内部にはあら かじめ50kPa の内圧(圧力媒体:空気)を負荷した。 試験手順及び計測項目、使用計測機器、試験状況及び計測位置を以下に示す。 曲げ試験手順 ①試験体を支持点上に継手の軸方向中心が試験治具の中心になるように設置する。 ②試験体に空気を封入する配管、空気抜き配管、圧力計を取り付ける。 ③試験体内に空気圧を封入し、50kPa まで昇圧する。 ④圧力を一定時間(1 分程度)保持することで、気密の確認を行う。 ⑤載荷を一方向に約20mm/min で開始する。 ⑥破壊が発生(荷重低下・著しい変形等)、漏えいとみられる著しい圧力低下、もしくは、治具 に接した時点で、載荷を中止する。 ⑦破壊箇所の確認及び写真撮影を実施する。 ⑧荷重をゼロにし、試験を終了する。 計測項目及び使用計測機器(曲げ試験) 計測項目 計測箇所 型番 メーカー 荷重 ロードセル SH-10kN 昭和測器 SH-20kN 曲げ変位 載荷治具押し込み量 DP-500E 東京測器研究所 角度計 1 直管部曲げ角度(北) RSOC30 Jewel 角度計 2 直管部曲げ角度(南) 内圧 試験体内空気圧 PW-100kPA 東京測器研究所 試験状況及び計測位置(曲げ試験)

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- 9 - 7.試験結果(計測結果) (1)引っ張り試験 管種・ 口径 試験体名 最大荷重時 漏えい時 備考 荷重 全体 変位 変位 (上) 変位 (下) 荷重 全体 変位 変位 (上) 変位 (下) (kN) (mm) (mm) (mm) (kN) (mm) (mm) (mm) ポリエ チレン 管 50A PEH-50-1 18.2 52.2 25.2 28.2 - - - - 直 管 (ポ リエ チ レン 管)が変形(伸び)し、 所定の変位量(100 ㎜) に て 漏え いが 発 生し なかったため、終了と した。異種管継手部分 に 目 視で 確認 で きる 変形等はなし。 PEH-50-2 17.8 48.4 28.1 22.3 - - - - PEH-50-3 17.5 51.8 31.3 22.4 - - - - PEH-50-4 18.2 57.1 30.6 28.2 - - - - PEH-50-5 17.9 54.0 29.7 26.0 - - - - ポリエ チレン 管 150A PEH-150-1 77.6 50.5 26.1 24.4 0.5 96.7 12.4 84.2 管の抜け出しにより 漏 え い。 フィ ク サー (抜け止め金具、SUS 製)とフレックスコア ( フ ィク サー を 固定 している部品、合成樹 脂製)の割れあり。 PEH-150-2 82.3 47.1 27.8 18.8 0.8 95.7 91.6 4.6 PEH-150-3 76.7 37.9 19.7 19.2 4.5 101.3 91.6 10.5 PEH-150-4 65.4 40.7 15.0 26.1 1.8 91.9 8.0 85.3 PEH-150-5 85.8 62.5 30.5 33.5 5.6 110.5 68.5 46.5 ダクタ イル鋳 鉄管 150A CH-150-1 156.5 17.3 1.0 16.3 5.4 86.2 0.0 86.1 管の抜け出しにより 漏 え い。 フィ ク サー (抜け止め金具、SUS 製)とフレックスコア ( フ ィク サー を 固定 している部品、合成樹 脂製)の割れあり。 CH-150-2 147.1 15.6 7.4 8.2 3.3 81.7 74.8 6.9 CH-150-3 76.9 13.2 1.7 11.5 43.3 86.7 1.9 84.9 CH-150-4 155.9 16.3 1.1 15.2 1.8 81.5 73.1 8.4 CH-150-5 175.0 16.1 7.7 8.5 0.1 75.4 2.4 73.0

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- 10 - PEH-50-1

荷重-変位量線図

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- 11 - PEH-50-2

荷重-変位量線図

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- 12 - PEH-50-3

荷重-変位量線図

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- 13 - PEH-50-4

荷重-変位量線図

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- 14 - PEH-50-5

荷重-変位量線図

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- 15 - PEH-150-1

荷重-変位量線図

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- 16 - PEH-150-2

荷重-変位量線図

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- 17 - PEH-150-3

荷重-変位量線図

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- 18 - PEH-150-4

荷重-変位量線図

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- 19 - PEH-150-5

荷重-変位量線図

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- 20 - CH-150-1

荷重-変位量線図

(23)

- 21 - CH-150-2

荷重-変位量線図

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- 22 - CH-150-3

荷重-変位量線図

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- 23 - CH-150-4

荷重-変位量線図

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- 24 - CH-150-5

荷重-変位量線図

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- 25 - (2)曲げ試験 管種・ 口径 試験体名 最大モーメント時 漏えい時 備考 モーメント 曲げ変位 曲げ角度 モーメント 曲げ変位 曲げ角度 (kN・m) (mm) (°) (kN・m) (mm) (°) ポリエ チレン 管 50A PEM-50-1 0.16 228.7 48.5 - - - 漏えいなし PEM-50-2 0.18 192.4 41.5 - - - PEM-50-3 0.16 214.6 46.2 - - - ポリエ チレン 管 150A PEM-150-1 4.19 227.4 46.3 - - - 漏えいなし PEM-150-2 4.07 239.7 48.9 3.96 265.2 53.1 継手部(引っ張り 側)から漏えい PEM-150-3 4.12 228.6 47.4 - - - 漏えいなし ダクタ イル鋳 鉄管 150A CM-150-1 4.19 28.0 5.4 3.93 16.4 3.1 継手部(圧縮側と 中立の中間点)か ら漏えい CM-150-2 4.15 20.4 3.7 3.96 24.7 4.5 CM-150-3 4.15 33.0 6.2 3.87 23.3 4.3

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- 26 - PEM-50-1

荷重-変位量線図

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- 27 - PEM-50-2

荷重-変位量線図

(30)

- 28 - PEM-50-3

荷重-変位量線図

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- 29 - PEM-150-1

荷重-変位量線図

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- 30 - PEM-150-2

荷重-変位量線図

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- 31 - PEM-150-3

荷重-変位量線図

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- 32 - CM-150-1

荷重-変位量線図

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- 33 - CM-150-2

荷重-変位量線図

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- 34 - CM-150-3

荷重-変位量線図

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- 35 - 8.試験結果の耐震性評価 (1)耐震性評価方法 中低圧ガス導管耐震設計指針では、理想化された特定の形の地盤変位入力に対して、配管系の地盤 変位吸収能力を求め、それが埋設条件等によって定められた地盤変位の基準値(設計地盤変位)を上 回る場合に、その配管系は所要の耐震性を有するものとしている。 今回の試験結果の耐震性評価については、設計地盤変位として、地域別補正係数を考慮せず、ごく 一般的な埋設条件下の低圧本支管における値(水平方向 U=5cm、鉛直方向 V=2.5cm)を基準値とし、今 回試験により求めた地盤変位吸収能力がこの設計地盤変位を上回るかどうかで判断することとした。 中低圧ガス導管耐震設計指針において、これらの基本的な考え方を示す関連箇所を以下に抜粋する。 【中低圧ガス導管耐震設計指針(JGA指-209-13)第1章 基本編 P9より】 2.2 耐震性評価の要件と方法 〔解 説〕 6)耐震性の評価について ① 「本指針が規定する方法で求めた地盤変位吸収能力が,設計地盤変位を上回るような配管系 であれば,地震時に被害を受ける可能性は十分に小さくなる」という考え方にもとづき,地盤 変位吸収能力によってたわみ性を評価することを耐震設計の基本とした。 ② 水平方向(管軸方向),鉛直方向(管軸直角方向)の配管系の地盤変位吸収能力をそれぞれΔ u,Δvとし,水平方向,鉛直方向の設計地盤変位をそれぞれU,Vとして,配管系に所要の 耐震性は次の条件を満たす場合に得られることとした。 水平方向 Δu>U 鉛直方向 Δv>V ③ 耐震性評価の要件と耐震設計の手順を要約して図2.2 解-1に示す。 (次頁へ続く)

(38)

- 36 -

図2.2 解-1 耐震性評価の要件と耐震設計の手順

(注)〔2.3.1〕等は基本編の対応 する章・節・項を意味する。

(39)

- 37 - (2)引っ張り試験 試験結果の評価に入る前に、まず中低圧ガス導管耐震設計指針における考え方を示すべく、同指針 の中から「真直な配管系の管軸方向地盤変位吸収能力」の評価事例として、今回の評価に関連する部 分を以下に抜粋する。 【中低圧ガス導管耐震設計指針(JGA指-209-13)第3章 事例編 P71より】 (3) 継手により接合されたもの(溶接接合、ねじ接合を除く。) メカニカル継手による接合部を有する配管系の場合、入力された地盤変位をすべて接合部の継手 の変位(抜出)で吸収すると考えて、地盤変位吸収能力を評価することにした。この場合能力の基 準は、一つの継手の変位(抜出)が限界に達することである。 <メカニカル接合鋼管> 安全側の評価を行うため、継手が次図に示すように、地盤変位入力の境界部にあるとして、埋 設条件Ⅰ、Ⅱ、Ⅲaの場合の管軸方向地盤変位吸収能力の計算式を与える。 上記のように、地盤変位の位置にある継手を⓪番目とし、 その左右にある継手を近い順に、①番、②番……とする。 図3.2.9のように、ソケット片側における荷重変位特性が与 えられているものとすると、配管を軸方向に引張る力の最 大値は、F(継手の基準荷重)で制限される。 左右の①番目の継手に伝わる力は、それぞれ、長さの直 管表面に作用する地盤拘束力fS及び継手部の張出しに作 用する地盤拘束力fFによって減じられ、F1=F0-(f S+fF)となる。図3.2.9からF1に対する継手の変位(抜 出)は片側でδ1/2、両側でδ1となる。 以降、継手に伝わる力が0になるまで、②番目、③番目と荷重が伝わっていく。 そして、全部の継手の変位の合計が、地盤変位吸収能力となる。なお、(fS+fF)は、等価 地盤拘束力τに総括的に考慮できるため、(π・D・τ・)で表される。 (次頁へ続く) 図3.2.9 継手ソケット片側の 荷重変位特性

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- 38 - Fn=F0-n(π・D・τ・)≧0という範囲内(n番目まで)のすべての継手の変位を加 える。 従って、地盤変位入力別に管軸方向地盤変位吸収能力を示すと、式(3.2.17)及び式(3.2.18) のようになる。 ⅰ)埋設条件Ⅰ、Ⅱ、Ⅲaの場合 Δu=δ0*+2δ1+2δ2+………+2δn 〔㎝〕 (3.2.17) δ0*は、地盤変位入力位置での継手のソケット両側の変位 δ1は荷重F1における継手のソケット片側の変位の2倍(図3.2.9参照) δ2 〃 F2 〃 ( 〃 ) δn 〃 Fn 〃 ( 〃 ) また、F1=F0- (π・D・τ・) F2=F0-2(π・D・τ・) Fn=F0-n(π・D・τ・) ただしnは0、1、2、……で n≦  ・ π・D・τ F 0 を満たす最大の整数。 F0 :継手の基準荷重〔N〕  :継手間長〔㎝〕 τ :等価地盤拘束力〔N/㎝2 同指針にあるとおり、メカニカル継手の場合、管体の伸びは無視し、地盤変位を接合部の継手の変位 (抜出量)で吸収すると考え、さらに隣り合う継手も含めた配管系全体での耐震性の評価を行うのが妥 当であることから、今回この考え方に基づき、計算により求められる管軸方向の地盤変位吸収能力が、 設計地盤変位の基準値である5cm を上回るかどうかで、耐震性を評価することとした。

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- 39 - ①ポリエチレン管 50A 5 回実施した引っ張り試験による荷重変位特性は上図のとおり。 ここで、今回の5 つの試験体では、いずれも異種管継手に接合した直管(ポリエチレン管)自体が大 きく伸びたことが確認されており、ガス漏えいに至らなかった(変位量が100mm 以上となった)のは この直管の伸びによる影響が支配的であったためと推察される。 よって、隣り合う継手における変位吸収能力は考慮しないものとし、地盤変位吸収能力Δuは今回の試 験条件で確認できた変位量以上と判断されることから Δu=100[mm]以上

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- 40 - ②ポリエチレン管 150A 5 回実施した引っ張り試験による荷重変位特性は上図のとおり。 中低圧ガス導管耐震設計指針にある実験結果のモデル化手法より、安全側に解釈(判定が厳しい側の 結果を採用)し、一本の特性曲線を求めたものが、上図の水色の長鎖線(― - ― - ―)となる。 この特性曲線より、地盤変位吸収能力を求めるのに必要な値は以下のとおり。 項目 値 F0:継手の基準荷重 (=漏えいが発生しえる最小荷重→本ケースでは PEH-150-4 の値が該当) 65.4[kN] δ0*:地盤変位入力位置での継手の変位 (=漏えいが発生しえる最小変位量→本ケースでは PEH-150-4 の値が該当) 91.9[mm] ここでまず、同指針より、継手にかかる荷重を算出するが、評価の前提条件を以下のとおりとした。 ■:継手間長[cm] 同指針の中の事例で標準的に採用されているℓ=500cm とする。 ■τ:等価地盤拘束力[N/cm2 同指針にある標準値の中から厳しい側の条件である、管表面が滑らかでないものの値 τ=2.94 N/cm2とする。 ■D:外径[cm] ポリエチレン管のため150A の場合、外径 D=16.5cm 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 0 20 40 60 80 100 120 荷 重 ( kN) 変位量(㎜) PEH-150-1 PEH-150-2 PEH-150-3 PEH-150-4 PEH-150-5 PEH-150-1 漏洩 PEH-150-2 漏洩 PEH-150-3 漏洩 PEH-150-4 漏洩 PEH-150-5 漏洩 91.9[mm]

(43)

- 41 - 次に、隣り合う継手にかかる荷重Fnの算出方法は中低圧ガス導管耐震設計指針より以下のとおり。 F1=F0- (π・D・τ・) F2=F0-2(π・D・τ・) Fn=F0-n(π・D・τ・) ただしnは0,1,2,……で n≦  ・ π・D・τ F 0 を満たす最大の整数。 F0:継手の基準荷重〔N〕  :継手間長〔㎝〕 τ :等価地盤拘束力〔N/㎝2 n≦  ・ π・D・τ F 0 =

500

2.94

5

.

16

1000

65.4

π

76

,

199

65,400

=0.86… n=0 となるため、隣り合う継手には荷重が伝わらず、地盤変位入力位置の継手単体での地盤変位 吸収能力のみが有効となる。 従って、中低圧ガス導管耐震設計指針より、 Δu=δ0*+2δ1+2δ2+………+2δn 〔㎝〕 (3.2.17) δ0*は,地盤変位入力位置での継手のソケット両側の変位 δ1は荷重F1における継手のソケット片側の変位の2倍(図3.2.9参照) δ2 〃 F2 〃 ( 〃 ) δn 〃 Fn 〃 ( 〃 ) であることから、求める地盤変位吸収能力Δuは Δu=δ0* =91.9[mm]

(44)

- 42 - ③ダクタイル鋳鉄管 150A 5 回実施した引っ張り試験による荷重変位特性は上図のとおり。 中低圧ガス導管耐震設計指針にある実験結果のモデル化手法より、安全側に解釈(判定が厳しい側の 結果を採用)し、一本の特性曲線を求めたものが、上図の水色の長鎖線(― - ― - ―)となる。 この特性曲線より、地盤変位吸収能力を求めるのに必要な値は以下のとおり。 項目 値 F0:継手の基準荷重 (=漏えいが発生しえる最小荷重→本ケースでは CH-150-2 の値が該当) 147.1[kN] δ0*:地盤変位入力位置での継手の変位 (=漏えいが発生しえる最小変位量→本ケースでは CH-150-5 の値が該当) 75.4[mm] ※最大荷重が特異な値を示したCH-150-3 の試験体はモデル化手法の対象外とした。 評価の前提条件については、以下のとおり。 ■:継手間長〔㎝〕=500cm ■τ:等価地盤拘束力〔N/㎝2〕=2.94 N/㎝2 ■D:外径[cm]=17.36cm 75.4[mm]

(45)

- 43 - 次に、隣り合う継手にかかる荷重Fnの算出方法は中低圧ガス導管耐震設計指針より以下のとおり。 F1=F0- (π・D・τ・) F2=F0-2(π・D・τ・) Fn=F0-n(π・D・τ・) ただしnは0,1,2,……で n≦  ・ π・D・τ F 0 を満たす最大の整数。 F0:継手の基準荷重〔N〕  :継手間長〔㎝〕 τ :等価地盤拘束力〔N/㎝2 n≦  ・ π・D・τ F 0 =

500

2.94

36

.

17

1000

147.1

π

8

0

,

171

147,100

=1.83… n=1 となるため、1つ隣りの(両側の)継手まで荷重が伝わることとなり、地盤変位吸収の対象 に含まれる。よって、この隣り合う1つ目の継手の基準荷重は F=F-(π・D・τ・) =147.1×1000-(π×17.36×2.94×500)=147,100-80,171 =66,929[N] となる。ここで、この 1 つ隣りの継手にて期待できる地盤範囲吸収能力を求めるため、先ほどの特 性曲線を参照すると、当該荷重が加わる時の変位量は δ1=約1[mm] 従って、中低圧ガス導管耐震設計指針より、 Δu=δ0*+2δ1+2δ2+………+2δn 〔㎝〕 (3.2.17) δ0*は,地盤変位入力位置での継手のソケット両側の変位 δ1は荷重F1における継手のソケット片側の変位の2倍(図3.2.9参照) δ2 〃 F2 〃 ( 〃 ) δn 〃 Fn 〃 ( 〃 ) であることから、求める地盤変位吸収能力Δuは Δu=δ0*+2δ1 =75.4+2×1 =77.4[mm]

(46)

- 44 - (3)曲げ試験 真直な配管系の管軸直角(鉛直)方向地盤変位吸収能力に関して、継手により接合されたものに ついては、中低圧ガス導管耐震設計指針の事例編において、「メカニカル接合鋼管、メカニカル接合 鋳鉄管のように、比較的たわみ性のある継手で接合されている配管系は、その継手間隔と地盤変位 入力位置の関係で、継手が有利に働くこともあるが、簡易な計算式で、その場合の地盤変位吸収能 力を与えるのは著しく困難である。従って、本編では、安全側に簡略化を図り、継手を無視し、管 軸方向に一様な曲げ剛性を有する配管系として、管軸直角方向の地盤変位吸収能力の評価を行うこ ととした。」とある。 継手の管軸直角(鉛直)方向の耐震性能を示す指標としては、角度変化が考えられるものの、中 低圧ガス導管耐震設計指針は、配管系全体でのたわみ性評価の体系をとっており、純粋に継手単体 での評価は困難である。 そこで今回の評価試験においては、継手の管軸直角方向の変位量による評価を行うため、標準的 な継手間長である500cmよりも短いスパンにおいて曲げ試験を実施し、判定基準となる2.5cm以上の 変位が可能かどうかを確認する。なお、曲げ試験の加力点と支持点の間の載荷スパンの条件次第で 継手の管軸直角方向の変位量は異なるため、標準的な継手間長における変位量に換算する。

(47)

- 45 - ①ポリエチレン管 50A の場合 評価試験結果においては、漏れが発生することなく試験設備の限界を超えたため、管軸直角(鉛直) 方向の地盤変位吸収能力は、300 ㎜以上となる。 ただし、評価試験後の状況からも明らかなように、直管部(ポリエチレン管)が湾曲したことによ る影響も含む値であることから、継手単体での能力ではなく、直管も含めた能力となる。

(48)

- 46 - ②ポリエチレン管 150A の場合 評価試験結果より、3 つの試験体のうち 1 体のみ漏えいが発生した(本ケースでは PEM-150-2)こ とから、管軸直角(鉛直)方向の地盤変位吸収能力は、最小変位量265.2[mm]となる。 ただし、評価試験後の状況からも明らかなように、直管(ポリエチレン管)部が湾曲したことによ る影響も含む値であることから、継手単体での能力ではなく、直管も含めた能力となる。 265.2[mm]

(49)

- 47 - ③ダクタイル鋳鉄管(150A)の場合 評価試験結果より、漏えいが発生した最小変位量(本ケースではCM-150-1)は 16.4[mm]である。 ここで、標準的な継手間長における変位量に換算すると以下のとおりとなる。 継手間長665[mm]:変位量 16.4[mm]=標準継手間長 5000[mm]:標準的な変位量 x[mm] 標準的な変位量x=123[mm] よって、これが管軸直角(鉛直)方向の地盤変位吸収能力となる。 16.4[mm]

(50)

- 48 - 9.試験結果のまとめ (1)引っ張り試験 直管種別 試験結果 地盤変位吸収能力 判定 結果 ポリエチレン管 50A 100mm 以上(>50mm) ○ ポリエチレン管 150A 91.9mm(>50mm) ○ ダクタイル鋳鉄管 150A 77.4mm(>50mm) ○ 【補足】 中低圧ガス導管耐震設計指針は、配管系が耐震的であるか否かの判別をするための「ふるい」の役割をなすものであり、 地盤変位吸収能力の値を用いて継手や配管系の性能の優劣を直接比較することは、同指針の目的からみて、適当でない とされている。今回の評価試験結果においては、この点について配慮されるべきである。 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 0 20 40 60 80 100 120 荷 重 ( kN) 変位量(㎜) PEH-150-1 PEH-150-2 PEH-150-3 PEH-150-4 PEH-150-5 PEH-150-1 漏洩 PEH-150-2 漏洩 PEH-150-3 漏洩 PEH-150-4 漏洩 PEH-150-5 漏洩

(51)

- 49 - (2)曲げ試験 直管種別 試験結果 地盤変位吸収能力 判定 結果 ポリエチレン管 50A 300mm(>25mm) ○ ポリエチレン管 150A 265.2mm(>25mm) ○ ダクタイル鋳鉄管 150A 123mm(>25mm) ○ 【補足】 中低圧ガス導管耐震設計指針は、配管系が耐震的であるか否かの判別をするための「ふるい」の役割をなすものであり、 地盤変位吸収能力の値を用いて継手や配管系の性能の優劣を直接比較することは、同指針の目的からみて、適当でない とされている。今回の評価試験結果においては、この点について配慮されるべきである。

(52)

- 50 - 10.考察 (1)全体総括 今回の評価試験結果より、管軸方向及び鉛直方向共に地盤変位吸収能力は、中低圧ガス導管耐震 設計指針で規定されている基準を満足することが分かった。 昨年度実施した内容も含め、実験では異種管継手に接合した直管の管種は両側とも同一種のもの 同士を用いて評価し、それぞれ耐震性があると評価された。一方、本継手は異種管(例えばポリエ チレン管とダクタイル鋳鉄管等)の接合も想定している。このようなケースで引っ張りまたは曲げ の力が継手及び直管に加わった場合、相対的に引っ張りに対して伸びやすい、または曲げに対して 曲がりやすい方が大きな変位となる。この変位に関し、昨年度及び今回実験した全ての管種が、中 低圧ガス導管耐震設計指針に照らして耐震性があると評価されたことから、異種管を接合した場合 も耐震性があると評価できる。 (2)引っ張り試験の評価結果 今回試験を実施した、管種(ポリエチレン管・ダクタイル鋳鉄管)と口径(50A・150A)の違い により、各々、破壊形態に違いがあった。 まず、ポリエチレン管50A(試験体名:PEH-50)は異種管継手の強度が、ポリエチレン管の引っ 張り(降伏)強度を上回っていた。このため、変形がポリエチレン管の直管部分にて発生し、異種 管継手では目視による変形は確認されなかった。 ポリエチレン管 50A 引っ張り試験後 ポリエチレン管150A(試験体名:PEH-150)、及びダクタイル鋳鉄管 150A(試験体名:CH-150) は載荷を開始すると最大荷重に至り荷重が低下する。最大荷重到達近傍よりフィクサー(抜け止め 金具、材質:SUS)を固定しているフレックスコア(材質:合成樹脂)が割れる音が発生した。最大 荷重発生後変位量が大きくなると、破壊(割れ)によりフィクサーとフレックスコアの破片が飛散

(53)

- 51 - した。ポリエチレン管150A(試験体名:PEH-150)においては、破壊時にフィクサーが管部分にと どまるものが多かった。フィクサーとフレックスコアの破壊により荷重は低下したが、バリオシー ル(パッキン)部の気密性能は保たれるため、この時点での漏えいは発生しなかった。次に、管が 抜けだし、バリオシール(パッキン)部と接触がなくなった時点で気密性能が失われ、漏えいが発 生した。 管種の違い(ポリエチレン管・ダクタイル鋳鉄管)による、最大荷重値及び最大荷重時の変位量 への影響はあるものの、漏えい発生までの経緯と漏えい時変位量への影響はなかった。 ポリエチレン管 150A 引っ張り試験後 ダクタイル鋳鉄管 150A 引っ張り試験後 (3)曲げ試験の評価結果 今回試験を実施した管種(ポリエチレン管・ダクタイル鋳鉄管)と口径(50A・150A)の違いに より、破壊形態に違いがあった。 ポリエチレン管50A(試験体名:PEM-50)、及び、ポリエチレン管 150A(試験体名:PEM-150) は載荷を開始すると、ポリエチレン管(直管)部分で変形が進み、最大荷重に至った後も大幅な荷 重低下を伴うことなく、試験装置の最大許容変位量に至り、試験を終了した。ポリエチレン管150A の2 体目(試験体名:PEM-150-2)のみ、変位量 265.2 ㎜にて引っ張り側(装置の下側)から漏え いが発生したが、試験後に継手を解体したところ、バリオシール(パッキン)部によじれが確認さ れた。恐らく、締結時もしくは試験時にバリオシール(パッキン)部に僅かなよじれが発生し、こ の部分より漏えいが発生したものと考えられる。 ポリエチレン管 50A 曲げ試験後

(54)

- 52 - ポリエチレン管 150A 曲げ試験後①(試験体名:PEM-150-1) ポリエチレン管 150A 曲げ試験後②(試験体名:PEM-150-2) ダクタイル鋳鉄管150A(試験体名:CM-150)は、載荷を開始すると載荷途中にフィクサー(抜 け止め金具、材質:SUS)を固定しているフレックスコア(材質:合成樹脂)が割れる音が発生し、 最大モーメント近傍にて漏えいが生じた。漏えい箇所の周方向位置は、いずれも試験体の上部(圧 縮側)から中立付近であった。圧縮側の漏えいであったことから、フィクサー(抜け止め金具)を 支点にし、直管が回転し、バリオシール(パッキン)とダクタイル鋳鉄管の間に僅かな隙間が生じ ることにより、漏えいが発生したものと考えられる。 ダクタイル鋳鉄管 150A 曲げ試験後

(55)

- 53 - 漏えい発生経緯想定(試験体名:CM-150) (4)現場適用にあたっての提言(案) 今回の評価では、復旧作業の際に使用頻度が高いと考えられる管種・口径に関して確認を行い、評 価結果がいずれも良好であったことから、基本的に耐震基準を満たすものと判断できる。 一方で、現場適用にあたって留意すべき点として、今回実施した試験は、異種管継手のうち現在ラ インナップとして存在する全てのサイズに対して確認したものではないことや、昨年度の評価結果よ り、メーカーによっては基準を満足しない異種管継手が存在すること等も勘案する必要がある。(異種 管継手はメーカーによって構造が異なる他、直管との接合方法についても、例えば被覆鋼管を接合す る際、被覆を剥がしてから接合が必要な継手と、そうでない継手がある等、メーカーにより仕様の違 いが存在する。) また、異種管継手はメーカーによっても異なるが、圧力帯の適用範囲について中圧程度(今回評価 したオールフィツジョイントの場合は0.8MPa)まで適用可能な仕様としているが、今回の評価試験の 目的として、主に低圧ガス導管の復旧を想定していることから、内圧50kPa での確認しか行っていな いことについても留意が必要である。 さらに、異種管継手は現状海外製のものが大半であり、海外メーカーもしくは海外ガス事業者主導 で各種仕様変更が発生する可能性もあることから、海外では基本的に確認を行っていない耐震性能に ついて、日本の技術基準に照らして担保され続けることを確認する必要がある。 以上 直管 直管 直管 直管 フィクサー バリオシール(パッキン) 隙間発生 曲げ荷重負荷

図 2.2 解-1  耐震性評価の要件と耐震設計の手順

参照

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