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Yadokari-XG 1). Yadokari-XG SHELXL 97,,, Windows 1. Model display window of Yadokari-XG showing two disordered components. SHELXL.,., occ 1.0 FVAR AFI

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Academic year: 2021

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プログラム名: Yadokari-XG 2009, (Yadokari-SG, SV, Cavity) 作成者:脇田啓二(Yadokari-XG), 秋根茂久(Yadokari-SG), 根本 隆(Yadokari-XG 2009, SV, Cavity) 使用計算機: Windows PC(XP, Vista) 使用言語: C++, VB Script ほか 連絡先:甲千寿子(e-mail: ckabuto@m.tains.tohoku.ac.jp) 1.はじめに 現在, 諸外国の著名な結晶学関連のソフトウェアは学術 的な教育・研究には無償で配布されている. しかしながら, それらを統合したインターフェイスソフトウェアは高価で ライセンス数も制限された市販品である. さらに, それら の市販ソフトウェアは「自動化・ブラックボックス化」の 傾向が進んでいる. 良質の標準結晶に対しては, 市販の回 折計に付属する自動解析プログラムを使用することで最 終論文まで作成できる満足な解析結果が得られるが, 実際 には, 構造解析を進めるうえで多くのトラブルに遭遇する. 特に, 結晶学を専門としない研究者や学生にとってはそれ らのトラブルの解決策を容易に見出せないのが現状である. これらのトラブルは, 偽対称などの結晶学の特殊問題の場 合もあるが結晶の質が悪いことに起因する場合も多い. し かし, 種々のスペクトルでは構造決定できず, 結晶化の方 法にも限界がある場合は, 解析の精度を問わず, 手持ちの 結晶を用いて「分子の形を明らかにする」だけでも研究の 進展に大きく貢献できる. これらのトラブルは「結晶学」 の基本知識を正しく身につければ解決できることが多い. そのような観点から,「手持ちのパソコンで実際の結晶 構造解析を自由に行い, 実習を通じてその基本原理や複雑 な構造への応用を教育すること」を目的に東北大学 G-COEの支援の下に「教育を目的とした結晶学関連ソフト ウェアの開発」プロジェクト(2008.4-2013.3, 毎年更新) を立ち上げた. 具体的には, 日本で独自に作成されたソフ トウェア(Yadokari-XG と SV-Cavity)の改良および関連 ソフトウェアとの連携の強化である. わが国ではこの無償 ソフトウェアの潜在的な利用者は多いが, 学術的な支援お よびソフトウェア間の連携に向けた整備が求められてい た. 外国には, 同様の無償ソフトウェアとして WinGX(英 国, グラスゴー大学)があるがその開発支援体制はきちん と整備されている. 本プロジェクトのメンバーおよび役割(2009 年度)を 以下に記す. メンバー:役割 山下正廣教授:チームリーダー, 甲千寿子博士:総括, 資料作成, 根本 隆助教: Yadokari-XG 2009 全般の改良, SV, Cavity 関連の整備, 秋根茂久准教授: Yadokari-SG の改良, 權 垠相助教:ホームページ管理, 脇田啓二博士: Yadokari-XG 作成者 われわれは経験豊かな結晶構造解析の専門家として, 既 存のソフトウェアの特徴を活かしつつ, 教育的な観点から プログラムの開発を行った. この 1 年間で大幅な機能拡 充などの更新を行い, 関連プログラムを含めた Yadokari-XG 2009として一般公開する運びとなったのでその紹介 をしたい. 2.Yadokari-XG 2009 について

Yadokari-XG 2009は, 強化した XG と Yadokari-SGおよびそのインストーラで構成されている. また, Yadokari-XG 2009と連携できるよう SV, Cavity の整備 も行った. 以下, 各々のプログラムの特徴を説明する. 2.1 Yadokari-XG まず, 本プロジェクトで公開に至った Yadokari-XG 2009 218

単結晶構造解析ソフトウェア(

Yadokari-XG 2009

)の公開

東北大学大学院工学研究科 G-COE

甲千寿子

筑波大学大学院数理物質科学研究科 

秋根茂久

京都大学化学研究所 

根本 隆

東北大学大学院理学研究科巨大分子解析研究センター 

權 垠相

Chizuko KABUTO, Shigehisa AKINE, Takashi NEMOTO and Eunsang KWON: Release

of Software

(Yadokari-XG 2009)for Crystal Structure Analyses

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のもととなる結晶構造解析ソフトウェア Yadokari-XG1) ついて紹介する. Yadokari-XG は SHELXL 97 の実行およ び解析結果の表示を主目的としており, 中でも, パート設 定に基づくディスオーダー構造の解析における機能を, 軽 快な Windows のグラフィカルユーザーインターフェイス (GUI)から実に巧みに使いこなすことができるのが特徴 である(図1). また, SHELX 形式のファイルをもとに外 部プログラムの入力ファイルを生成して初期位相決定, 構 造精密化, ORTEP による作図などを行うことができる. ソフトウェアの名称“Yadokari(やどかり)”は「基本的に は自分では何もせずほかの優秀なプログラムの機能を借 りて動いている」1) ことに由来している. XG の“X”は X 線を,“G”は Gaussian を表しており, Gaussian 出力の可視 化を行うこともできる. Yadokari-XGは, 2000 年 1 月頃から数年間にわたって, 当時博士課程 3 年の大学院生(専門:有機ケイ素化学)で あった脇田啓二博士(2000 年 3 月東京大学大学院理学系 研究科化学専攻博士課程卒業, 東レ・ダウコーニング㈱に 就職, 現在アメリカに滞在中)によって作成された結晶構 造解析ソフトウェアである. 本ソフトウェアは, 結晶学者 ではなく有機化学者の視点で, 実際に開発者自身が使用し ながら2)設計, 開発されたソフトウェアであり, 複雑な有 機分子の解析に有用な数々の特徴を有している. 2001 年 9月の web 上での公開1) 以降, 有機化学・錯体化学の分野 を中心とした国内の多くの研究者, 学生に使用されている. 2.2 Yodokari-SG Yadokari-SGは, Yadokari-XG 開発当初から組み込まれ た空間群判定のためのプログラムである. 専門家だけでな く, 非専門家にとっても便利となるような設計を随所に施 してある. 本プロジェクト開始以降も, 自動判定機能の追 219 図1 ディスオーダー構造解析の例.(Model display window

of Yadokari-XG showing two disordered components.) SHELXL機能に対応した画面表示とメニュー操作 により複雑な解析も容易に行うことができる. ディ スオーダー構造をパート分類しておくことにより, 余分な結合のない描画ができる. また, 占有率(occ) の合計を 1.0 とする FVAR 命令を介した精密化や ディスオーダーした原子への AFIX 命令による水 素原子の発生も可能である.

図2 空間群決定の画面.(Output window of the space group determination in Yadokari-SG.)hkl ファイルを読み込 み, 自動判定モード ON で判定開始をクリックすると, 複合格子, ラウエ群, 対称心, 結晶点群, 消滅則の判定が順 次実行され, 上部ウィンドウに結果が表示される. 空間群の候補が複数ある場合, 可能性の高い順に上から表示 される. 下部のログウィンドウ(および同内容のログファイル)には,判定の過程も含めた詳細な情報が出力される.

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加, 判定精度の向上, ログ出力の強化など改良を重ねて いる. 結晶の空間群は, 必ずしも回折強度データからだけで確 実に決定できるわけではない. 時には, 複数の空間群での 初期構造決定・精密化を経て最終的な判断を下す必要も 出てくる. この点を踏まえ, 本プログラムは, 空間群を 1つに確定させることを目標にはせず, 可能性のある空間 群を(複数あれば可能性の高い順に)提示してユーザーが 空間群を判断する手助けをするという立場で設計されて いる. Yadokari-SGは Yadokari-XG 2009 のメニューから直接 起動することができ, 終了時に判定結果が Yadokari-XG 2009に反映される. また, 本プログラムを単独で実行す ることもできる. Yadokari-SG を用いた空間群の判定には, 通常の解析に用いる格子定数データ(ins ファイル, 軸変 換マトリックスにも対応)と回折強度(F2)データ(hkl フ ァイル)を準備する. 自動判定モードでは, 判定開始ボタ ンをクリックするだけで, 格子・複合格子, ラウエ群, 対 称心, 結晶点群, 消滅則を順次判定していき, 候補となる 空間群が(複数あれば可能性の高い順に)表示される. 非 専門家にとっては, このように最も可能性の高いものを自 動で表示する機能は不可欠である. 十分な強度の回折が得 られていない結晶でも, 回折角別の強度分布をもとに判定 に使用する回折角範囲を自動で設定し, 判定精度が保てる ようになっている. 一方で, 専門家のユーザーにとっては, 各ステップの判 定でどのような値をもとに, どのような基準で判定を行っ ているかを確認でき, 判定基準を任意に変更できることが 重要である. 本プログラムでは, 画面下部に設けたログウ ィンドウおよびログファイルにこれらの判定の過程が詳 細に出力されるので, 確認は容易である. 自動判定モード を OFF にすると個々のステップの判定を単独で行うこと ができ, ログウィンドウで結果を確認しながら次のステッ プに進むことができる. すでに行った判定については, い ずれのステップにも戻って判定をやり直すことができる. 複合格子, ラウエ群, 消滅則の判定結果は, 上部ウィンド ウのリストに候補が表示される. このウィンドウでは必要 に応じて判定基準を任意に変更することができ, 表示され るリストからユーザーが望みの候補を選択して次のステ ップに進めるようになっている. 最終的に, 空間群の候補が可能性の高い順に表示され る. Yadokari-SG では, この「可能性の高さ」を判定結果に 基づいて数値化することで, この序列化の機能を実現して いる. この「可能性の高さ」の数値を見ることで, ユーザ ーは各空間群にどの程度の可能性があるかを判断でき, こ れをもとに適切な空間群を選択することができる(図2). 2.3 SV, Cavity

SV(Shelx output file Viewer)3) は, Yadokari とは別の

コンセプトの解析支援ソフトウェアで, SHELX の入出力 ファイルの記述法がわかっている人を対象に,「解析対象 ファイルにいっさい手を加えない」ことを前提に解析経 過, 結果の可視化を目的とした解析支援ソフトウェアにな っている(図3). 入出力ファイルの編集は使用者自身が エディタなどで行うことになるが, そのかわり思わぬとこ ろで命令が追加されたり, 数字が書き換わるようなことは なく, SHELX による解析に慣れた人には安心して使用す ることができる. SVの原型は根本が 1992 年頃に作成した SHELX ファイ ルから Postscript ファイルへの変換・可視化ソフトウェア に由来しており, 当初は特定方位からの分子構造のプロッ トと分子構造上への結合距離のプロットだけの機能であ ったが, 順次拡張を重ね, 現在では, Windows, MacOS X, UNIX系の各種 OS で使用することができる解析支援ソフ トウェアとなっている. Yadokari と同様に, ORTEP-III な どの外部ソフトウェアとの連携インターフェイスをもっ ており, 任意の方位から結晶構造図や ORTEP 図を描画 できるほか, ステレオ図による立体表示などに対応してい 220

図3 SVの解析画面.(Screenshot of“SV”on Windows operating system.)Yadokari と比べシンプルな画面 であるが, そのかわり, Windows 以外の OS でもほ ぼ同等の機能を使用できるようになっている.

図4 Cavityの描画(同一データ).(Variations of“Cavity” drawings from the same structural data.)左から 標準(メチル基炭素の可動領域相当), 同 Povray 出 力, 拡大(メチル基水素の可動領域相当).

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る. また, SV はほぼすべての動作をコマンドにより行う ことができ, また, GUI 操作をコマンドリストとして記 録することができるので, 定型処理をマクロ実行したり, Yadokari-XG 2009などの外部プログラムから操作を行う ことができる. Cavityは結晶中の「空間」の描画, 体積計算を目的とし たソフトウェアである. 結晶構造中の溶媒や官能基の周辺 の空間の状態を簡単に可視化することを目的としている.4) 柳らによって開発された Fortran のプログラムが原型であ るが, 現在のものは完全に C 言語で書き直しており, よ り大きな空間に対応すると同時に, 大幅な高速化と描画系 の改善を行っている(図4). PLATONなどのソフトウェア パッケージ中にも同名の機能があるが, このプログラムの 特徴は,「任意の分子や官能基」のまわりの空間が計算で きることであり, すなわち選択した原子を結晶中から取り 除いてできる空間の形状や体積が計算できるということ で, 結晶中での反応の有無や反応速度を評価するときなど に活用されている. 前述の SV 中に入力ファイルの簡易生 成機能が含まれており, 構造解析結果の SHELX 形式ファ イルがあれば簡単に計算することができる. 本プロジェク トでの整備により Yadokari-XG 2009 から SV を中継する 形で Cavity の計算を行うことが可能になっている. 221 図5 初期設定画面.(Screenshot of initial setup screen.)SHELX + Yadokari による構造解析に必要なソフトウェア群

(Yadokari, SHELX97, ORTEP-III, PLATON)および関連のオプションソフトウェア(SIR2004, SIR97, Dirdif2008, Pwt, Ortep-3 for windows, Povray3.6, enCIFer, Open Babel, SV/ Cavity, WinGX)の簡易インストール環境を 提供する. 結晶学関連ソフトウェアのダウンロード, インストールおよび付随する環境変数の設定などを簡単 に実行し, Yadokari と連動させるための設定を行う. インストール先や解析データの保存ディスクは変更可能 (例えば D :ドライブ)であり, また, SHELX, SIR などのライセンス契約が必要なプログラムには取得までの

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2.4 Yadokari-XG 2009 における改良点 1項で述べたように, 構造解析のトラブルの解決や, そ のための支援ツール作成は, 本プロジェクトの重要な目的 の 1 つである. 非専門家にとって構造解析を進めるうえで 遭遇する主なトラブルは「ディスオーダー あるいは構造 束縛精密化が必要」,「空間群判定の失敗」,「論文投稿時 の CheckCIF による指摘事項の解決」であろうと思われる. 前述のように, Yadokari-XG は SHELX の機能を使いこ なすためのインターフェイスを備えている. ディスオーダ ーに起因するトラブルの多くは, Yadokari-XG の GUI から SHELXのパート機能や FVAR 命令などを駆使することで 解決する. これ以外にも構造束縛精密化などの機能を正し く理解することで解決できるトラブルも多いと思われる が, そのための入力ファイルの記述は難解な手入力に頼っ ており, インターフェイスの強化が必要であった. 以上の観点から, 上記 3 点の「トラブルシューティング」 および関連ソフトウェアとの連携強化を本年度の重点目 標とした. Yadokari-XG の機能強化を行って Yadokari-XG 2009として整備するとともに, 空間群決定の精度向上 (Yadokari-SG)および結晶空間計算のためのソフトウェア (SV-Cavity)など関連ソフトウェアの連携を強化した. ま た, 前述したように Yadokari-XG 2009 は多くの外部ソフ トウェアと連動して動作するが, 外部ソフトウェアはそれ ぞれ異なるライセンス条件で配布されており, また, イン ストール手順が複雑なものもある. そこで, 外部ソフトウ ェアを含めたインストーラを作成し, 容易に連動設定をで きるようにした. また, インストーラでライセンス取得の ための情報提供も行うようにした. 主な改良点は以下のとおりである. 1.現時点における最新の関連ソフトウェアとの連携 2.関連ソフトウェアのライセンス取得とインストールの 支援(図5) 3.ファイル入出力関連のメニューの整理と強化 4.空間群決定の精度向上(2.2 項, 図2) 5.原子の並び替え機能の強化(図6) 6.束縛条件設定の強化(図7) 7.空間群決定のチェック機能(図8) 8.CIF ファイル作成の支援強化(図9) 222

図7 構造精密化メニュー.(Menu on the structure re-finement.)メニューから SHELX の各種束縛条件の 設定を可能にしたほか, 空間群のチェック(図8), CIFファイルの結合を可能にした(図9).

図6 原子の並び順/原子名の修正画面.(Screenshot of atom ordering and/or renaming editor.)SHELXL の原子の 並び順は, 特に構造束縛精密化や水素原子発生に非常に重要である. ここでは表形式の並べ替え機能を追加し た. 表中の原子名をドラッグ・ドロップすると並べ替えが可能であり, 水素原子は直前の非水素原子とともに 移動する. また, 表中の原子名は編集可能である.

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3.Yadokari-XG 2009 の入手方法 Yadokari-XG 2009は基本的にオンラインダウンロード により提供する. 以下, その具体的な手続きを説明する. 1.http://www.xray.chem.tohoku.ac.jp/にアクセスし, ユー ザー登録手続案内に従って, ユーザー登録を行う. ここ での登録は研究グループ単位ではなく, 利用者個人単 位で行う. 共有のパソコンで利用する場合でも利用者 個人で登録申請するほうが望ましい. 研究室単位や教 育目的用などはまとめて申請することもできる. 223 図8 対称性のチェック画面(PLATON の ADDSYM, NEWSYM を使用).(Screenshot of space-group checking.)空

間群判定プログラムを使っても一義的に決まらず沢山の可能な空間群がリストされる場合がある. そのときは 対称性を下げて解析を始め, ある程度原子座標が定まった時点で, その座標をもとに空間群を決定することが できる. 上記の場合は, 回折計のソフトウェアから得られた三斜晶系の空間群(P-1)であるが単斜晶系(P21/c) への変換を行える可能性を示している.

図9 投稿論文に必要な CIF ファイルの修正および結合の画面.(Screenshot of CIF-file editing.)SHELXL から出力 される CIF ファイルに回折計から得られたファイルを重ね合わせる(Merge)機能を追加した.「*.cif」や「*.pcf」 ファイルの情報を結合して CIF ファイルを作成することができる. また, 手動で入力するデータには入力パラメ ータの例を示しているのでそこから選択できる. 手動で入力したデータは保存されるので次回からは再編集す る必要がない.

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2.ユーザー登録後, 管理者から送られる ID とパスワード を用いて指定サイトから必要なファイルをダウンロー ドする. その際, ライセンス条項への同意が必須であ る. 発行される ID/パスワードには有効期限が設定され ており, その期間内に限って掲示板への参加・閲覧, 修 正版のダウンロードが認められる. 3.ホームページには利用登録者限定の掲示板を設置・運 用し, ソフトウェアに関する最新情報を提供する予定 である. Yadokari-XG 2009の配布開始は 2009 年 7 月 1 日から を予定している. 4.おわりに 本稿プロジェクトは開始から 1 年に過ぎないが, 各々の プログラムは作成開始から, Yadokari は 10 年, SV は 17 年, Cavityは約 30 年の長い年月の更新の積み重ねの産物であ る. 今回, 学術的な支援の下でわが国の結晶関連ソフトウ ェアをまとめて「Yadokari-XG 2009」として一般公開する に至った. 公開ともなると厄介な作業がまた際限なく続く のであるが, われわれとしては「どんな反響があるだろうか」 ということも楽しみの 1 つである. 今後はさらなるプログラ ム開発とともに「実践に基づく解説書」の作成を進め, わ が国の構造化学の分野での教育・研究を支援したいと念じ ている. 皆様の絶大なるご支援とご協力をお願いしたい. 謝 辞 本プロジェクトの設立にご支援をいただいた山口雅彦 教授(東北大学 G-COE リーダー, 薬学部), 山下正廣教授 (G-COE サブリーダー, 理学部), 猪股宏教授(G-COE サブ リーダー, 工学部)に感謝致します. また, 昨年度のプロジ ェクトメンバーであり, この 4 月にご栄転された岩本武 明教授(東北大学)および梶原孝志教授(奈良女子大学) には, 長年の Yadokari-XG 愛好者として本開発に協力して いただきました. この場で御礼申し上げます. 最後に, 本 プロジェクト立ち上げの「構想」から本学会誌への「寄稿」 までご支援をいただいた大橋裕二先生に感謝致します. 文 献 1)http://www.hat.hi-ho.ne.jp/k-wakita/yadokari/

2)K. Wakita, N. Tokitoh and R. Okazaki: Bull. Chem. Soc. Jpn.

73, 2157 (2000).

3)根本 隆:日本結晶学会誌 43, 275 (2001);

http://eels.kuicr.kyoto-u.ac.jp/%7Etnemoto/sv/

4)Y. Ohashi, K. Yanagi, T. Kurihara, Y. Sasada and Y. Ohgo: J. Am. Chem. Soc. 103, 5805 (1981).

プロフィール

甲千寿子 Chizuko KABUTO

東北大学大学院工学研究科化学・バイオ系 G-COE

G-COE, Department of Biomolecular Engineering, Graduate School of Engineering, Tohoku University

〒 980-8579 仙台市青葉区荒巻字青葉 6-6-07

6-6-07 Aramaki, Aoba-ku, Sendai 980-8579, Japan e-mail: ckabuto@m.tains.tohoku.ac.jp 最終学歴:東北大学大学院理学研究科修士課程 修了 専門分野:結晶構造化学, 計算化学 現在の研究テーマ:教育を目的とした結晶学関連 ソフトウェアの開発と応用 趣味:園芸 秋根茂久 Shigehisa AKINE 筑波大学大学院数理物質科学研究科

Graduate School of Pure and Applied Sciences, University of Tsukuba

〒 305-8571 茨城県つくば市天王台 1-1-1

1-1-1 Tennodai, Tsukuba, Ibaraki 305-8571, Japan e-mail: akine@chem.tsukuba.ac.jp 最終学歴: 2000 年東京大学大学院理学系研究科 化学専攻博士課程修了 専門分野:超分子化学, 錯体化学 現在の研究テーマ:金属錯体部をもつ新規な超分 子の創成 趣味:陸上競技 根本 隆 Takashi NEMOTO 京都大学化学研究所

Institute for Chemical Research, Kyoto University

〒 611-0011 京都府宇治市五ヶ庄

Gokasho, Uji, Kyoto 611-0011, Japan e-mail: tnemoto@eels.kuicr.kyoto-u.ac.jp 最終学歴:東京工業大学大学院理工学研究科博士 課程修了 専門分野:結晶化学 現在の研究テーマ:有機薄膜の結晶成長 權 垠相 Eunsang KWON 東北大学大学院理学研究科付属巨大分子解析研究 センター

Research and Analytical Center for Giant Molecules, Graduate School of Science, Tohoku University

〒 980-8578 仙台市青葉区荒巻字青葉 6-3

6-3 Aramakiazaaoba, Aoba-ku, Sendai 980-8578, Japan e-mail: ekwon@m.tains.tohoku.ac.jp 最終学歴: 東北大学大学院理学研究科博士課程 修了 専門分野:固体化学, 構造化学, 計算化学 現在の研究テーマ:アミノ酸誘導体における結晶 多形の評価と構造解析 224

図 2 空間群決定の画面.(Output window of the space group determination in Yadokari-SG.)hkl ファイルを読み込 み,  自動判定モード ON で判定開始をクリックすると,  複合格子,  ラウエ群,  対称心,  結晶点群,  消滅則の判定が順 次実行され,  上部ウィンドウに結果が表示される
図 4 Cavity の描画(同一データ) . (Variations of“Cavity”
図 7 構造精密化メニュー.(Menu on the structure re- re-finement.)メニューから SHELX の各種束縛条件の 設定を可能にしたほか,  空間群のチェック(図 8), CIF ファイルの結合を可能にした( 図 9)
図 9 投稿論文に必要な CIF ファイルの修正および結合の画面.(Screenshot of CIF-file editing.)SHELXL から出力 される CIF ファイルに回折計から得られたファイルを重ね合わせる(Merge)機能を追加した.「*.cif」や「*.pcf」

参照

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