S14 コンクリートの強度管理の基準
に関する検討
日本大学,ものつくり大学,東京都市大学,東京大学大学院
(株)長谷工コーポレーション,三井住友建設(株)
鉄建建設(株),(株)奥村組,五洋建設(株),東洋建設(株)
(共同研究:(独)建築研究所)
平成26年度 建築基準整備促進事業コンクリートの強度管理の基準
国土交通大臣が定める基準に適合するもの
【建築基準法施行令 第74条】
設計基準強度との関係において安全上必要
なコンクリートの強度を確認する場合
【建築基準法施行令 第76条】
現場打ちコンクリートの型枠を取り外す場合
JASS 5 コンクリートの設計基準強度と実強度との関係に関する基準 建設省告示第1102号 (S56) <安全上必要なコンクリートの強度の基準 > 一 現場水中養生供試体の材齢28日圧縮強度 ≧ Fc 二 コア供試体(または現場封かん養生供試体)の 材齢28日圧縮強度 ≧ 0.7Fc & 材齢91日圧縮強度 ≧ Fc
現行基準とその課題
0.7Fc 28 91 Fc 圧 縮 強 度 ( N / m m 2 ) 材齢(日) 構造体コンクリート(コア) 現場水中養生 標準養生 現場封かん養生 ・打込み時期 ・部材寸法 ・セメント種類etc. 乖離するケースの例 ・高強度や部材寸法が大きく 水和熱が高い場合 ・冬期の打込みにおける低発 熱形セメント 建築基準法施行令 第74条 現場水中養生 現場封かん養生 ⇕乖離 構造体(コア)建設省告示第110号 (S46) <現場打ちコンクリートの型枠の取り外しに関する基準 > せき板の取り外しは、 規定の存置日数以上経過または規定の圧縮強度以上 (規定のあるセメントの種類:H,N,混合セメントA種およびB種)
現行基準とその課題
コンクリートの型枠の取り外しに関する基準 ・セメントの種類が限定 ⇒ 低発熱形のセメント & 混合 セメントC種について規定なし ・日数と圧縮強度に基づく以外の 方法について規定なし ⇒ その他の方法の可能性 (積算温度など) せき板の存置期間 脱型 規定の存置日数 or 規定の圧縮強度 ⇑ 建築基準法施行令 第76条 (型枠の設計・施工指針 +) JASS 5■ 構造体コンクリートの強度管理の合理化
■ 近年の環境配慮に伴うセメント種類の多様化への対応
調査目的および検討項目
☑ 調査目的
☑ 検討項目
a.コンクリートの設計基準強度と実強度の関係に関する検討
【せき板の取り外しに関する基準の検討】
b.コンクリートのせき板の脱型におけるセメント種類に関する
区分の見直し
c.積算温度などを用いた強度推定法を型枠の脱型に関す
る判定手法に用いることの実用性の検討
d.せき板の存置期間の相違がコンクリートの耐久性に及ぼす
影響に関する検討
実施体制
最終成果物(調査報告書)作成・提出 詳細実験計画・実験実施 ①コンクリートの設計基準強度と実強度との関係に関する実験 ②積算温度を用いた強度推定手法の実用性に関する実験 ③脱型時期におけるセメントの種類に関する区分見直しに関する実験 ④版下および梁下のせき板の取外しに関する実験 調査研究計画立案 実験計画素案の作成 ② 積 算 温 度 を 用 い た 強 度 推 定 手 法の実用性につい ての実験計画 ③セメントの種類に 関する区分の見直 しについての実験 計画 ④版下および梁下 のせき板の取外し についての実験計 画 <コンクリート型枠の取外しに関する基準についての検討> ① 設 計 基 準 強 度 と実強度との関係 に関する基準につ いての実験計画 実験全体・結果まとめ 報告書作成 ①設計基準強度と実強 度の関係 報告書作成 ②積算温度を用いた強 度推定手法の実用性 報告書作成 ③セメントの種類に関す る区分の見直し④版下 お よ び 梁下 の せき板 の 取外し実験概要
表 実験の要因と水準 要因 水準([]内には略記を示す) 結合材 の種類 セメント 普通ポルトランドセメント[N] 中庸熱ポルトランドセメント[M] 低熱ポルトランドセメント[L] 混和材 高炉スラグ微粉末4000[BF] フライアッシュⅡ種[FA] 水結合材比 W/B=37%,W/B=47%,W/B=60% 打込み時期 夏 期 [H] :2014年08月12日 ~ 08月26日 標準期[S] :2014年10月18日 ~ 11月04日 冬 期 [C]:2014年12月19日 ~ 12月30日 部材の種類 および寸法 模擬柱部材[柱]:W1.0×D1.0×H1.1m 模擬壁部材[壁]:W1.9×D0.205×H0.9m 模擬床部材[床]:W1.0×D1.0×H0.205m せき板の 存置期間 柱 夏期:2日,標準期:3日,冬期:4日 壁 2日(3日),4日,7日,10日,14日 床 7日,14日,28日 管理用供試体の 養生方法 標準養生,現場水中養生,現場封かん養生コンクリートの種類
表 コンクリートの調合条件 結合材 の種類 N M L N+BF N+FA 高炉セメント フライアッシュセメント B種相当 C種相当 B種相当 C種相当 混和材 の置換率 - - - 結合材 (kg/m3) ×45% 結合材 (kg/m3) ×70% 結合材 (kg/m3) ×20% 結合材 (kg/m3) ×30% 水結合材比 ([]内は調合 記号を示す) 37%[N37] 47%[N47] 60%[N60] 37% [M37] 47% [M47] 37% [L37] 47% [L47] 47% [N+BF(45)47] 60% [N+BF(45)60] 47% [N+BF(70)47] 47% [N+FA(20)47] 60% [N+FA(20)60] 47% [N+FA(30)47] フレッシュ コンクリート の目標値 【W/B=37%】 スランプフロー:50±7.5cm 空気量:4.5±1.5% 【W/B=47%,60%】 スランプ:18±2.5cm 空気量:4.5±1.5% 打込み時期 夏 期 [H] :2014年08月12日 ~ 08月26日 標準期[S] :2014年10月18日 ~ 11月04日 冬 期 [C]:2014年12月19日 ~ 12月30日打込み時期ごとに全
13調合
について検討
※結合材に混和材を置換する調合はNセメントをベースに 混合セメントのB種およびC種相当となる置換率を定めた模擬柱部材の概要
b)断面図 1,000 200 50 200 200 200 200 50 1,100 200 200 5 4 3 2 1 採取深さ150 採取深さ350 採取深さ550 採取深さ750 採取深さ950 断熱材 中央部 外周部 5 4 3 2 1 a)平面図 コア供試体 採取位置 1,000 500 500 1,000 中央部 外周部 熱電対 1W 8W 4W 8W 1W 13W 13W 4W 表面温度 センサ 50 225 225 r=150 r=400 250 150 150 100 250 100 (単位:mm) 図 模擬柱部材の概要模擬壁部材の概要
475 (単位:mm) 200 2.5 2.5 b)断面図 900 150 450 表面温度 センサ 50 50 102.5 200 表面温度センサ a)立面図 コア供試体 採取位置 950 熱電対 nW nW nW 4W 4W 4W 13W 13W 13W nW nW nW 4W 4W 4W 13W 13W 13W せき板の存置期間n日 せき板の存置期間n日 950 200 200 断熱材 断熱材 100 350 350 100 475 250 図 模擬壁部材の概要 せき板の存置期間:2日(3日),4日,7日,10日,14日(2水準/1部材)模擬床部材の概要
b)断面図 1,000 200 200 2.5 2.5 200 熱電対 表面温度センサ 50 50 102.5 a)平面図 コア供試体 採取位置 1 ,0 0 0 200 200 500 500 1,400 13W 13W nW nW nW 13W 4W 4W 4W 熱電対 断熱材 中央部 外周部 r=150 r=400 2 0 0 2 0 0 250 150 150 100 250 100 (単位:mm) 図 模擬床部材の概要圧縮強度試験の概要
表 管理用供試体およびコア供試体の圧縮強度試験の概要 打込み 時期 試験項目 および方法 対象とする管理用供試体 および模擬部材 試験材齢および採取本数(本) 2d※1 4d※1 7d 10d 2w 4w 6w 8w 13w※2 夏期 [H] 標準期 [S] 冬期 [C] 圧縮強度試験 JIS A 1108:2006 標準養生供試体 - - 3 - - 3 3 - 3 現場水中養生供試体 - 3 3 3 - 3 - - 3 現場封かん養生供試体 3 3 3 3 - 3 - - 3 コアの採取方法 および 圧縮強度試験 JIS A 1107:2012 模擬 柱部材 せき板の 存置期間 H:2日 S:3日 C:4日 - - 10 - - 10 - 10 10 模擬 壁部材 せき板の 存置期間 ※3 2日 3 - - - - 3 - - 3 4日 - 3 - - - 3 - - 3 7日 - - 3 - - 3 - - 3 10日 - - - 3 - 3 - - 3 模擬 床部材 せき板の 存置期間 7日 - - 3 - - 3 - - 3 14日 - - - - 3 3 - - 3 28日 - - - 3 - - 3 ※1 試験材齢2~4日の供試体の端面仕上げは,アンボンドキャッピングとした。 ※2 冬期の試験材齢13wの圧縮強度試験は未実施 ※3 冬期の結合材にLを用いた調合のせき板の存置期間は,3日(試験材齢3d,4w),4日(試験材齢4d,4w), 7日(試験材齢7d,4w),10日(試験材齢10d,4w)とした。 冬期の結合材にBFおよびFAを用いた調合のせき板の存置期間は,4日(試験材齢4d,4w), 7日(試験材齢7d,4w),10日(試験材齢10d,4w),14日(試験材齢14d,4w)とした。耐久性に関する試験の概要
コア供試体の採取位置 中性化深さの測定 細孔径分布の測定 a)立面図 コア供試体 採取位置 950 nW nW nW 4W 4W 4W 13W 13W 13W nW nW nW 4W 4W 4W 13W 13W 13W せき板の存置期間n日 せき板の存置期間n日 950 200 200 断熱材 275 275 350 (単位:mm) 図 耐久性試験に供するコア供試体の採取位置 せき板の存置期間の相違がコンクリートの耐久性に及ぼす影響 測定項目:中性化深さ,細孔径分布(水銀圧入法)各種養生した供試体の圧縮強度
現場水中養生供試体とコア供試体の圧縮強度の関係 y = 1.0853x y = 0.7532x y = 1.4174x 0 20 40 60 80 0 20 40 60 80 コ ア 供 試 体 の 材 齢 9 1 日 の 圧 縮 強 度 (N / m m 2 ) 現場水中養生供試体の 材齢28日の圧縮強度 (N/mm2) 標準期 95%信頼上限 95%信頼下限 ○柱 △壁 □床 y = 1.0153x y = 0.8034x y = 1.2271x 0 20 40 60 80 0 20 40 60 80 コ ア 供 試 体 の 材 齢 9 1 日 の 圧 縮 強 度 (N / m m 2 ) 現場水中養生供試体の 材齢28日の圧縮強度 (N/mm2) 夏 期 95%信頼上限 95%信頼下限 ○柱 △壁 □床 図 現場水中養生供試体の材齢28日の圧縮強度とコア供試体の材齢91日の圧縮強度の関係 【全体的な傾向】 現水28日強度 ≦ コア91日強度 【模擬床部材の傾向】 結合材の種類によっては、現水28日強度 > コア91日強度 ※一部の模擬柱部材においても同様の傾向が見られた各種養生した供試体の圧縮強度
現場封かん養生供試体の圧縮強度 y = 0.9089x y = 0.7827x y = 1.0351x 0 20 40 60 80 0 20 40 60 80 現 場 封 か ん 養 生 供 試 体 の 材 齢 2 8 日 の 圧 縮 強 度 (N / m m 2 ) 現場封かん養生供試体の 材齢91日の圧縮強度 (N/mm2) 95%信頼上限 95%信頼下限 夏 期 y = 0.6125x y = 0.9496x y = 0.781x 0 20 40 60 80 0 20 40 60 80 現 場 封 か ん 養 生 供 試 体 の 材 齢 2 8 日 の 圧 縮 強 度 (N / m m 2 ) 現場封かん養生供試体の 材齢91日の圧縮強度 (N/mm2) 95%信頼上限 95%信頼下限 標準期 図 現場封かん養生供試体の材齢91日の圧縮強度と 現場封かん養生供試体の材齢28日の圧縮強度の関係 【夏期の傾向】 現封28日強度は、現封91日強度の0.8倍~結合材の種類によって は同等程度を発現している 【標準期の傾向】 現封28日強度は、現封91日強度×0.7以下になる可能性[有]各種養生した供試体の圧縮強度
各模擬部材から採取したコア供試体の圧縮強度 y = 0.9119x y = 0.8047x y = 1.0192x 0 20 40 60 80 0 20 40 60 80 コ ア 供 試 体 の 材 齢 2 8 日 の 圧 縮 強 度 (N / m m 2 ) コア供試体の 材齢91日の圧縮強度 (N/mm2) 夏 期 95%信頼上限 95%信頼下限 ○柱 △壁 □床 y = 0.7731x y = 0.6507x y = 0.8955x 0 20 40 60 80 0 20 40 60 80 コ ア 供 試 体 の 材 齢 2 8 日 の 圧 縮 強 度 (N / m m 2 ) コア供試体の 材齢91日の圧縮強度 (N/mm2) 標準期 95%信頼上限 95%信頼下限 ○柱△壁 □床 【夏期の傾向】 コア28日強度は、コア91日強度の0.8倍~結合材の種類によっては 同等程度を発現している 【標準期の傾向】 現封28日強度は、現封91日強度×0.7以下になる可能性[有] 図 コア供試体の材齢91日の圧縮強度とコア供試体の材齢28日の圧縮強度の関係 現場封かん養生供試体と同様積算温度と圧縮強度の関係
図 積算温度と各模擬部材から採取したコア供試体の圧縮強度の関係 いずれの温度(躯体内部,躯体表面,外気温)を用いた積算温度においても、 部材の種類にかかわらず同調合では、積算温度と圧縮強度に相関[有] 0 10 20 30 40 50 60 10 100 1,000 圧 縮 強 度 (N / m m 2) 積算温度(°D・D) 躯体温度 N37-壁 N37-床 N37-柱 N47-壁 N47-床 N47-柱 N60-壁 N60-床 N60-柱 0 10 20 30 40 50 60 10 100 1,000 積算温度(°D・D) 躯体表面温度 N37-壁 N37-床 N37-柱 N47-壁 N47-床 N47-柱 N60-壁 N60-床 N60-柱 0 10 20 30 40 50 60 10 100 1,000 積算温度(°D・D) 外気温 N37-壁 N37-床 N37-柱 N47-壁 N47-床 N47-柱 N60-壁 N60-床 N60-柱 N N N 0 10 20 30 40 10 100 1,000 圧 縮 強 度 (N / m m 2) 積算温度(°D・D) 躯体温度 N+FA(20)47-壁 N+FA(20)47-床 N+FA(20)47-柱 N+FA(20)60-壁 N+FA(20)60-床 N+FA(20)60-柱 N+FA(30)47-壁 N+FA(30)47-床 N+FA(30)47-柱 0 10 20 30 40 10 100 1,000 積算温度(°D・D) 躯体表面温度 N+FA(20)47-壁 N+FA(20)47-床 N+FA(20)47-柱 N+FA(20)60-壁 N+FA(20)60-床 N+FA(20)60-柱 N+FA(30)47-壁 N+FA(30)47-床 N+FA(30)47-柱 0 10 20 30 40 10 100 1,000 積算温度(°D・D) 外気温 N+FA(20)47-壁 N+FA(20)47-床 N+FA(20)47-柱 N+FA(20)60-壁 N+FA(20)60-床 N+FA(20)60-柱 N+FA(30)47-壁 N+FA(30)47-床 N+FA(30)47-柱積算温度と圧縮強度比の関係
図 積算温度とコア供試体の材齢28日に対する各材齢のコア供試体の圧縮強度比の関係 いずれの温度(躯体内部,躯体表面,外気温)を用いた積算温度においても、 部材の種類にかかわらず同結合材では、積算温度と圧縮強度比に相関[有] y = 0.2285ln(x) - 0.4664 R² = 0.6481 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 10 100 1,000 2 8 日 強 度 に 対 す る 比 率 積算温度(°D・D) 躯体温度 N37-壁 N37-床 N37-柱 N47-壁 N47-床 N47-柱 N60-壁 N60-床 N60-柱 y = 0.2151ln(x) - 0.3786 R² = 0.6214 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.21.E+01 1.E+02 1.E+03 積算温度(°D・D) 躯体表面温度 N37-壁 N37-床 N37-柱 N47-壁 N47-床 N47-柱 N60-壁 N60-床 N60-柱 y = 0.1825ln(x) - 0.179R ² = 0.5548 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 10 100 1,000 積算温度(°D・D) 外気温 N37-壁 N37-床 N37-柱 N47-壁 N47-床 N47-柱 N60-壁 N60-床 N60-柱 N N N y = 0.1996ln(x) - 0.3848 R² = 0.5621 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 10 100 1,000 2 8 日 強 度 に 対 す る 比 率 積算温度(°D・D) 躯体温度 N+FA(20)47-壁 N+FA(20)47-床 N+FA(20)47-柱 N+FA(20)60-壁 N+FA(20)60-床 N+FA(20)60-柱 N+FA(30)47-壁 N+FA(30)47-床 N+FA(30)47-柱 y = 0.216ln(x) - 0.469R² = 0.6294 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 10 100 1,000 積算温度(°D・D) 躯体表面温度 N+FA(20)47-壁 N+FA(20)47-床 N+FA(20)47-柱 N+FA(20)60-壁 N+FA(20)60-床 N+FA(20)60-柱 N+FA(30)47-壁 N+FA(30)47-床 N+FA(30)47-柱 y = 0.193ln(x) - 0.3275R² = 0.5947 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 10 100 1,000 積算温度(°D・D) 外気温 N+FA(20)47-壁 N+FA(20)47-床 N+FA(20)47-柱 N+FA(20)60-壁 N+FA(20)60-床 N+FA(20)60-柱 N+FA(30)47-壁 N+FA(30)47-床 N+FA(30)47-柱