• 検索結果がありません。

Journal of the Combustion Society of Japan Vol.57 No.182 (2015) FEATURE Supercritical Combustion 超臨界 CO2 サイクル発電システムの開発 Dev

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "Journal of the Combustion Society of Japan Vol.57 No.182 (2015) FEATURE Supercritical Combustion 超臨界 CO2 サイクル発電システムの開発 Dev"

Copied!
6
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

1. まえがき

 地球温暖化対策 (CO2 排出量削減) は,火力発電システム の開発において,継続的に取り組まなくてはならないもっ とも重要な課題のひとつである.従来から実績のある火力 発電方式では効率向上の積み重ねによって燃料消費量を削 減し,CO2 排出量削減をはかっている.さらなる CO2 の大 幅削減を実現する技術として,燃料の燃焼によって発生し た排ガス中の CO2 を分離,回収し,貯留する CCS (Carbon

Dioxide Capture and Storage) がある.CCS の CO2 回収技術

に は 化 学 吸 収 液 を 用 い る 燃 焼 後 回 収 法[1]と Oxy-fuel Combustion 法[2-4]があり,実用化を目指し研究開発が進め られている.  超臨界 CO2 サイクルではクローズドサイクルとして研究 開 発 が 盛 ん に お こ な わ れ て お り, 米 国 Sandia National Laboratory [5]や Echogen 社[6]の例等,多数あるが,何れも 外燃機関となっている.

 米国の 8 Rivers 社,NET Power 社,Chicago Bridge & Iron

社,Exelon 社と東芝が開発を進めている超臨界 CO2 サイク

ル発電システム[7,8]はセミクローズドサイクルの内燃機関

であり,CO2 回収には Oxy-fuel Combustion 法を用いている.

このシステムでは CO2 雰囲気中で燃料の天然ガスを O2 (酸

* Corresponding author. E-mail: [email protected]

■特集/FEATURE■

―超臨界燃焼/Supercritical Combustion―

超臨界 CO

2

サイクル発電システムの開発

Development of a Supercritical CO

2

Cycle Thermal Power System

岩井 保憲

1

*・野本 秀雄

2

・佐々木 隆

2

・筧 敦行

3

・伊東 正雄

4

・佐藤 岩太郎

4

ALLAM, Rodney J.

5

・FETVEDT, Jeremy E.

5

IWAI, Yasunori1*, NOMOTO, Hideo2, SASAKI, Takashi2, KAKEHI, Atsuyuki3, ITOH, Masao4, SATO, Iwataro4, ALLAM, Rodney J.5, and FETVEDT, Jeremy E.5

1 東芝 電力システム社 電力・社会システム技術開発センター 〒230-0045 横浜市鶴見区末広町 2-4

Toshiba Corporation Power and Industrial Systems R&D center, 2-4 Suehiro-cho, Tsurumi-ku, Yokohama 230-0045, Japan

2 東芝 電力システム社 〒230-0045 横浜市鶴見区末広町 2-4

Toshiba Corporation Power Systems Company, 2-4 Suehiro-cho, Tsurumi-ku, Yokohama 230-0045, Japan

3 東芝 電力システム社 火力水力事業部 〒230-0045 横浜市鶴見区末広町 2-4

Toshiba Corporation Thermal & Hydro Power Systems & Services Div., 2-4 Suehiro-cho, Tsurumi-ku, Yokohama 230-0045, Japan

4 東芝 電力システム社 京浜事業所 〒230-0045 横浜市鶴見区末広町 2-4

Toshiba Corporation Keihin Product Operations, 2-4 Suehiro-cho, Tsurumi-ku, Yokohama 230-0045, Japan

5 8 Rivers Capital and NET Power LLC, 406 Blackwell Street, Crowe Building, Durham, North Carolina 27701, USA

Abstract : Carbon dioxide (CO2) emissions from thermal power plants are one of the primary causes of global warming.

As global demand for energy increases while environmental regulations tighten, novel power generation cycles are being developed to meet market needs while accommodating green requirements. To meet this demand in the global market, Toshiba has been engaged in the development of an environmentally conscious thermal power generation system applying a supercritical CO2 cycle (Allam cycle) developed by 8 Rivers in cooperation with U.S. companies: 8 Rivers Capital, NET

Power, LLC; Chicago Bridge & Iron Company; and Exelon Corporation. The Allam cycle is an approach (with high pressure, low pressure ratios, oxy-fuel combustion and CO2 as a working fluid) that efficiently produces power in a compact plant,

avoids NOx emissions, makes efficient use of clean-burning natural gas and can generate high-pressure carbon dioxide for enhanced oil and gas recovery in the field. We have been engaged in the development of a 25 MW-class pilot plant. In this project, Toshiba has been assigned the development of key equipment, including a high-temperature and high-pressure turbine and a combustor, for this thermal power generation system aimed at realizing a 295 MW-class commercial plant. Key Words : Thermal Power System, Supercritical CO2, Oxy-fuel combustion

(2)

素) で燃焼させて,発生した高温高圧の CO2 と H2O (水蒸気) の混合ガスでタービンを回転させることで,タービンと連 結した発電機を駆動して発電するシステムである.以下に 本システムの概要と開発状況について紹介する.

2. 超臨界 CO

2

サイクル発電システムの概要

 超臨界 CO2 サイクル発電システム[7-10]は,既存のガス タービンコンバインドサイクル発電システムと同等の発電 効率が可能であるとともに,CO2 を分離して回収する設備 を別に設置することなく,高純度の高圧 CO2 を回収するこ とができる.また,燃料の燃焼には空気の代わりに空気分 離装置 (ASU) で製造した酸素を用いるため,窒素酸化物 (NOx) の発生量も非常に少ない環境調和型の火力発電シス テムを実現することができる.  本発電システムを実現するために,下記のステップを主 要マイルストーンと位置づけて推進している. 1) 超高圧・高温燃焼器の開発および燃焼試験 2) 25 MW 級 パイロットプラントの設計,建設および実証 試験 3) 295 MW 級 商用機の設計と販売  なお 25 MW パイロットプラントについては 2016 年より 建設を開始する予定である.

 本サイクルは 8 Rivers 社によって開発された Allam Cycle

であり,図 1 に基本システム,図 2 には CO2 の圧力 - エン タルピー線図上の動作点を示す.これらの図に沿って,こ のシステムの特長を以下に述べる.なお東芝は図 1 中の燃 焼器とタービン (図中の CO2 タービン部分) の開発を担当 している.  燃料はメタン (CH4) を主成分とする天然ガスのほかに, 一酸化炭素 (CO) と水素 (H2) を主成分とする石炭ガス化ガ スなども適用可能である.燃焼に必要な酸素は ASU によ り空気から分離される.ASU から送られる酸素で天然ガス や石炭ガス化ガスといった燃料を循環する CO2 雰囲気中で Oxy-fuel Combustion させて,得られた高温高圧の CO2 と水 蒸気をタービンの作動ガスとしている.図 2 において I か ら A が燃焼器部分を,A がタービン入口,B がタービン出 口状態を表している.熱サイクル的には高温高圧の条件の 方が,より高い熱効率が得られるが,機器などの技術的な 成立性を考慮して圧力や温度の条件を設定する必要があ る.圧力と温度の設定を変えてシステム検討を行った結果, 従来のガスタービンコンバインドサイクル発電と同等の発 電効率となる圧力 30 MPa と温度 1150 ℃をタービン入口に おけるガスの圧力・温度条件とした.圧力 30 MPa は蒸気 タービンの,また温度 1150 ℃はガスタービンの稼動範囲 であり,それぞれの技術を融合することができるという技 術的な成立性も勘案されている.タービン入口 (A) でのガ ス組成は天然ガスを燃料とした場合,約 3 %が水蒸気で残 りは CO2 となる.  タービンを出た排ガスは再生熱交換器を通過し (B→C) , さらに気水分離器 (C→D) にてガス中に含まれる水蒸気を 液化して CO2 と分離し系外に排出する.  気水分離器を出た気体の CO2 を圧縮機 (D→E) である程 度の圧力まで加圧した後に,冷却器で冷却 (E→F) 後にポン プにて昇圧 (F→G) する.この状態の CO2 は液体または超 臨界状態であり,気体に比べて高密度であるため,より少 ないポンプ動力で加圧が可能となる.このように,CO2 を 圧縮機とポンプの 2 段階で加圧することで加圧に要する動 力を低減することができ,サイクルの熱効率向上に貢献し ている.  30 MPa まで加圧された CO2 のうち,燃焼により増加し た CO2 と同量の CO2 が系外に回収される.系外に回収さ れる CO2 の割合は,循環する CO2 の 1/30 程度であり,純 度が高くかつ十分に高圧であるため,そのままパイプライ ンで輸送して地中などに貯留したり,EOR (Enhanced Oil Recovery) など,老朽化した油田に注入して石油増産用の

CO2 として利用したりすることも可能である.残りの循環

CO2 は ASU 圧縮機の熱や再生熱交換器の熱により昇温

Fig.1 Basic Allam Cycle natural gas flow diagram [9].

Fig.2 Pressure-Enthalpy diagram for pure carbon dioxide and the natural gas Allam cycle [7].

(3)

(G→I) され,燃焼器へと送られ,酸素と燃料を加え燃焼す ることにより昇温 (I→A) し,タービン作動流体となり循環 する.

3. 超臨界 CO

2

タービン

 東芝が開発を担当している燃焼器・タービンはタービン 入口圧力,温度が約 30 MPa,1150 ℃であり,蒸気タービ ン並みの圧力条件とガスタービン並みの温度条件を同時に 満足し,超臨界 CO2 を作動流体とする今までにない新しい 燃焼器・タービンである.  図 3 に天然ガスを燃料とするパイロットプラント用燃焼 器・タービンの概要を示す.  燃焼器は燃焼ガスを最短経路でタービンに導入するため CO2 タービンのケーシング内で直接タービンと接続する構 造としている.これにより,燃焼ガス通路部の冷却も容易 になる.タービンケーシングは高温高圧ガスに対応するた め蒸気タービンにおいて実績のある 2 重構造 (外部ケーシ ングと内部ケーシング) としている.高温の CO2 ガスが流 れるタービン通路部 (燃焼器,タービン翼,ノズル,ロータ, 内部ケーシング等) はガスタービンの冷却技術を適用する と共に,必要に応じて高温強度の高い Ni 基合金や遮熱コー ティング技術を適用し,信頼性と経済性を確保している. 大型部品の一つであるロータは溶接構造とし,中央の高温 ガス通路部には Ni 基合金を適用,両端の比較的温度の低 い領域には鉄鋼材料を適用することで,製造性や経済性に 配慮した構造としている.  図 4 に商用サイズの出力 250 MW クラスの CO2 タービン のイメージを同クラスの蒸気タービンと比較して示す. CO2 タービンでは作動流体に CO2 を使用することと,ター ビン排気の圧力が蒸気タービンに比べて高いことにより作 動流体の体積流量が小さく,タービンが非常にコンパクト に設計できる.同クラスの蒸気タービンが高中圧部と低圧 部の 2 つのケーシングで構成されるのに対して,CO2 ター ビンは 1 つのケーシングで構成可能であり,タービン全長 は蒸気タービンの 1/3 程度にコンパクト化できる. 3.1. タービン  既に説明したように本 CO2 タービンは,作動媒体である CO2 が 30 MPa と高圧であるため,二重ケーシング構造と しており,内部ケーシングと外部ケーシングの空間は冷却 用 CO2 で満たされている.また,タービンケーシング内部 に燃焼器を備え,トランジションピースでタービンと接続 されている.タービンは 7 段落からなり,1∼5 段までの 静翼・動翼共に冷却翼となっている.これら冷却翼の材料 は,既存ガスタービンで一般に使用されている Ni 基およ び Co 基の耐熱合金であり,また各冷却翼は,全面に遮熱 コーティング (TBC) を設けている.  タービンロータは,冷却 CO2 をタービン動翼に供給する ためセンターボアを有している.またロータは Ni 基の耐 熱合金で構成されるが,両端の温度が低い部位は CrMoV 鋼からなり,これらは溶接により一体構成となっている.  上記技術は,A-USC (Advanced Ultra Supercritical 発電技 術) および既存ガスタービンで既に適用されている技術で あり,本 CO2 タービンにはこれらの技術を融合,改良して 適用している.しかしながら,作動媒体としての超臨界 CO2 については未経験の部分であり,本タービンの実現に 向けては,以下が開発課題として想定されている. ・超臨界 CO2 タービン冷却システム ・シール技術 ・CO2 雰囲気中での材料の表面劣化評価 ・高熱流束下での TBC の耐久性評価  本タービンの入口温度は 1150 ℃であり,静翼,動翼等 の通路部部品は冷却が必要となる.冷却媒体としては,サ イクルを循環する作動用 CO2 の一部を取り出して利用す る.冷却媒体は供給される温度と圧力を考慮すると取り出 す位置は限定され,温度については高すぎると冷却効果が

Fig.3 Cross-section of 25 MWe demonstration plant CO2 turbine [10].

Fig.4 Comparison of overall size of 250 MW-class CO2 and steam

(4)

小さく,低すぎると熱応力の問題がでてくるため,適度な 温度部分より抽出する必要がある.  冷却 CO2 はケーシング内に供給され,静翼冷却用と動翼 冷却用に分岐されてそれぞれに供給される.動翼冷却用 CO2 はタービンロータ内のセンターボアから各段落の動翼 に供給され,またこの冷却 CO2 は,グランドシールとして も使用される共に一部はケーシング冷却用としても利用さ れる.  本サイクルでは既存コンバインドサイクルと比較して, 冷却媒体の増加によるプラント効率への影響が大きく,試 算によると冷却媒体の増加による効率低下は,コンバイン ドサイクルの 1.5 ∼ 2.0 倍程度である.従って,プラント 効率向上のためには,冷却 CO2 の消費量削減が必須である.  25 MW 機向けの第 1 段静翼,第 1 段動翼,それぞれの冷 却構造を図 5 に示す.第 1 段静翼の翼有効部前方はインピ ンジメント冷却構造となっており,冷却後の冷却 CO2 は, 内外輪の側壁を冷却した後に翼外に吹き出す.翼中央部の 冷却通路から流入した冷却 CO2 は,内輪側側壁でその一部 を吹き出して冷却し,更に後縁側に設けた多孔の冷却通路 を通って後縁部を冷却する.その後,外輪側壁から吹き出 して同様に側壁を冷却する.また一部は,動翼チップに対 向する静止側壁面を冷却した後にガス通路面に吹き出す. このように翼有効部および側壁部を一体で冷却し,冷却 CO2 を有効に使用する冷却構造としている.  第 1 段動翼は,基本的に多孔式対流冷却方式であるが, 冷却 CO2 消費量を抑えるために,前縁側→中央部→後縁部 と折り返して対流冷却する構造としている.更に翼チップ カバーを最終的に冷却して通路部に吹き出す,一体冷却構 造となっている.  静翼,動翼共に燃焼ガスと接する翼面には TBC が設け られており,この遮熱効果により冷却側の対流熱伝達率を 大きくとる必要がなくなる.このため単純な冷却方式でか つ少ない冷却流量で所定のメタル温度に冷却可能となって いる.図 6 に本冷却構造におけるメタル温度分布の計算値 を示す.  本検討結果より,既存ガスタービン冷却翼に対して大幅 な冷却流量低減の見通しが得られた.しかしながら,冷却 翼の段落数が通常より多く 5 段落であることとプラント効 率のさらなる向上を考慮すると,冷却およびシール流量を 更に削減することが今後の課題となる.また本冷却翼は TBC 適用が必須であり,このため TBC の耐久性向上とそ の確認が課題となる. 3.2. 燃焼器  超臨界 CO2 サイクル発電システムにおけるガスタービン 燃焼器の特徴は,定格運転時の作動入口圧力が 30 MPa と 高いことである.このような超高圧状態で作動する燃焼器 はロケットエンジンなどで見られるが,空気を吸入し加圧 して燃焼させる通常の発電用ガスタービン燃焼器では,最 新鋭のものでも入口圧力は 2 MPa 程度である.  この高圧燃焼器に対する主要な開発課題としては次が挙 げられる. (1) 30 MPa かつ超臨界 CO2 雰囲気での燃焼特性の把握 (着 火点や吹消え点などの燃焼可能範囲,未燃排ガス成分 量,圧力変動量など) (2) 燃焼器壁の冷却特性の把握  そこで,実圧燃焼試験を計画,実施したが,30 MPa と いう実際の圧力条件での燃焼試験を行うには膨大な量の CO2 が必要になる.そのため,実圧燃焼試験用に出力が 25 MW パイロットプラントの 1/5 の燃焼器を製作した.試験 用燃焼器の断面図を図 7 に示す.燃焼器は筒状の形状をし ており,左端から燃料,O2,及び CO2 が供給されて燃焼し, その燃焼ガスは右端の出口から排出される.実際はこの出 口にタービンがあるが,今回は燃焼試験だけのため,燃焼 ガスは出口から大気へ放出される.  実圧燃焼試験は 30 MPa の超高圧 CO2 を大量に使用する ため,実施できる施設が限られる.今回は米国カリフォル ニア州にある試験機関の設備を利用して実施した.実圧燃 焼試験装置の概略の系統を図 8 に示す.高圧タンクに貯蔵 された CO2 の一部は O2 と共にヒータを通って燃焼器へ,

Fig.5 Cooling structure of the turbine blades [11].

Fig.6 Metal temperature distribution on the blades [11].

(5)

残りの CO2 もヒータを経て燃焼器に供給される.液化タン クから供給される O2 はポンプで昇圧され,気化器 (図中省 略) でガス化されて,CO2 とともに燃焼器に供給される. 燃料である天然ガスも液化タンクから供給され,ポンプで 昇圧後,気化器 (図中省略) とヒータを経て燃焼器に供給さ れる.また,どの系統にも流量調節弁があり,各ガスは設 定流量に調節されて,燃焼器に供給されている.燃焼試験 時間はタンクの容量と燃焼器への供給量で決まり,30 MPa の圧力条件では数分の試験時間となる.  燃焼器試験装置を図 9 に示す.手前の圧力容器内に燃焼 器が入っており,燃焼ガスは大気に放出され煙道に入る. この燃焼試験はガスを貯蔵するタンクの容量から燃焼時間 は短時間となる.ガスの供給開始から流量が安定したとこ ろで着火し,短時間で各流量を調節しながら 30 MPa まで 昇圧する必要がある.  燃焼試験時の様子を図 10 に示す.左の圧力容器に入っ た燃焼器内で燃焼したガスは大気中に噴き出し,右の煙道 に入っていく.図の中央少し右に白く明るくなっている部 分が高温の燃焼ガスが噴き出している部分である.  各ガスの流量の変化を図 11 に,燃焼器内の圧力と燃焼 器出口温度変化を図 12 に示す.燃焼器に各ガスを流し始 めてから 40 秒後に着火し,55 秒時点から流量を増加させ ることで,圧力を上昇させている.約 100 秒時点,すなわ ち着火から 60 秒後には最大流量に達している.その後, 約 130 秒時点で燃料と O2 を遮断し,消火している.  図 12 の燃焼器内圧力は,流量が増加し始める 55 秒時点 から大きくなり,110 秒時点には定格の 29 MPa (燃焼器入 口圧力 30 MPa) に到達している.燃焼器出口温度は着火と 同時に急激に上昇し,いったん温度は低下しているが,圧 力が大きくなるに従い上昇している.  図 11 の 100 秒時点の燃料流量に変動が見られ,そのた め図 12 の燃焼器出口温度も大きく変化しているが,安定 した燃焼が継続可能なことが確認されている.また図 11 で酸化剤用 CO2 流量がほぼ一定となっている.100∼120 秒時点の各流量と温度から化学平衡計算で求めた燃焼器出 口温度 (図 12 の計算温度) は,計測した燃焼器出口温度と ほぼ同じ値となっている.  また計測した燃焼器壁面温度分布は,設計許容値内と なっていることを確認している.CO や UHC などの排ガス 成分についても現在,各種パラメータ試験を実施しデータ 取得中である.

Fig.8 System diagram of 30 MPa combustion test [12].

Fig.9 Test combustor installed on test stand [12].

Fig.10 Test combustor undergoing combustion test [12].

(6)

4. まとめ

 超臨界 CO2 サイクル発電システムの開発では,システム

のキーコンポーネントである高温高圧タービン・燃焼器の 開発が重要な要素であるが,このシステム自体,新しい技 術を適用しているため,システム全体としての評価が非常 に 重 要 で あ る. そ の た め,8 Rivers 社,NET Power 社, Chicago Bridge & Iron 社,Exelon 社と共同でパイロットプ ラントの建設を計画し,現在,設計を進めている.2016 年 から建設を開始し,実証試験を通して各機器およびシステ ム全体の評価を行った後,出力 295 MW 級の商用プラント の実現を目指している.

References

1. 西尾匡弘,CO2 排出削減にかかる CCS の役割とその展 望 GTSJ ガスタービンセミナー (第 41 回) 資料集 . pp.73-78, (2013). 2. 渡部弘達,岡崎健,Oxy-fuel combustion とクリーンコ ールテクノロジー∼CO2 回収型新燃焼技術の展望∼, 日本燃焼学会誌第 57 巻 179 号 8-15(2015).

3. T. Hasegawa, H. Nishida, J. Inumaru, Development of Closed-Cycle Gas Turbine for Oxy-Fuel IGCC Power Generation with CO2 Capture -Emission Analysis of

Gasified-Fueled Gas Turbines with Circulating Exhaust & Stoichiometric Combustion , Journal of Japan Institute of Energy, 91, 134-137, (2012).

4. T. Hasegawa, Development of Semiclosed Cycle Gas Turbine for Oxy-Fuel IGCC Power Generation with CO2 Capture , Progress in Gas Turbine Performance, ISBN 978-953-51-1166-5, (2013).

5. T. Conboy, S. Wright, J. Pasch, D. Fleming, G. Rochau, and R. Fuller, Performance Characteristics of an Operating Supercritical CO2 Brayton Cycle, Journal of Engineering for Gas Turbines and Power, vol. 134, no. 11, (2012). 6. D. Robb, SUPERCRITICAL CO2 - THE NEXT BIG

STEP? , Turbomachinery International, vol. 53, no. 5, pp.22–23, 26, 28, (2012).

7. R.J. Allam, M. R. Palmer, G. W. Brown Jr., J. Fetvedt, D.Freed, H. Nomoto, M. Itoh, N. Okita, C. Jones Jr., High efficiency and low cost of electricity generation from fossil fuels while eliminating atmospheric emissions, including carbon dioxide , Energy Procedia., 37, GHGT-11, P.1135-1149., (2012).

8. R. Allam, J. Fetvedt, B. Forrest, C. Jones, H. Nomoto, M.Itoh, A Novel, High-Efficiency, Oxy-Fuel Power Plant with Low-Cost Electricity Production and 100% Capture of Carbon Dioxide , POWER-GEN International 2013, (2013).

9. 高橋武雄,超臨界 CO2 サイクル発電システム,東芝レ ビュー,68, 11, p.36-39., (2013). 10. 高橋武雄,超臨界 CO2 サイクル発電システムの開発, 火力原子力発電大会論文集,(2014). 11. 伊藤勝康,佐藤岩太郎,鶴田和孝,超臨界 CO2 タービ ン冷却翼の概念設計,第 41 回日本ガスタービン学会定 期講演会,(2013). 12. 岩井保憲,伊東正雄,超臨界 CO2 サイクル発電用ガス タービン燃焼器,東芝レビュー,70, 5, p.16-19., (2015). 13. Y. Iwai, M. Itoh, Y. Morisawa, S. Suzuki, D. Cusano, M.

Harris, Development Approach to the Combustor of Gas Turbine for Oxy-fuel, Supercritical CO2 Cycle, GT2015-43160, (2015).

参照

関連したドキュメント

All (4 × 4) rank one solutions of the Yang equation with rational vacuum curve with ordinary double point are gauge equivalent to the Cherednik solution.. The Cherednik and the

administrative behaviors and the usefulness of knowledge and skills after completing the Japanese Nursing Association’s certified nursing administration course and 2) to clarify

Keywords: continuous time random walk, Brownian motion, collision time, skew Young tableaux, tandem queue.. AMS 2000 Subject Classification: Primary:

– Classical solutions to a multidimensional free boundary problem arising in combustion theory, Commun.. – Mathematics contribute to the progress of combustion science, in

Then it follows immediately from a suitable version of “Hensel’s Lemma” [cf., e.g., the argument of [4], Lemma 2.1] that S may be obtained, as the notation suggests, as the m A

Applications of msets in Logic Programming languages is found to over- come “computational inefficiency” inherent in otherwise situation, especially in solving a sweep of

To derive a weak formulation of (1.1)–(1.8), we first assume that the functions v, p, θ and c are a classical solution of our problem. 33]) and substitute the Neumann boundary

Shi, “The essential norm of a composition operator on the Bloch space in polydiscs,” Chinese Journal of Contemporary Mathematics, vol. Chen, “Weighted composition operators from Fp,