投資情報室
2015 年 1 月 29 日(木)
Weekly Outlook
週刊投資情報 No.190本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。
CONTENTS
1.日本株見通しとポイント
2.米国株見通しとポイント
3.円相場見通しとポイント
4.国内経済動向
5.新興国市場・経済動向
6.主な国内株価指数とテクニカル指標の推移
7.国内政治・政策動向~通常国会召集、予算審議や安保法制に注目
8.ギリシャ総選挙~最終的には歩み寄りでギリシャ懸念は沈静化へ
9.向こう 3 ヵ月の主な注目スケジュール
10.来週・再来週の主なスケジュール
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1.日本株見通しとポイント~上方修正銘柄優位の展開の裏で
先週末以降の日経平均は、米国株が下落基調にある一方で底堅く推移した。個別銘柄の株価動向をみると、 決算発表が本格化するなか、アナリスト予想が上方修正トレンドにある銘柄は輸出関連業種が多く、比較的 堅調に推移している。一方、下方修正トレンドにある銘柄の株価はさえないが、その中で小売株の一角には 比較的堅調に推移しているものもあり、内需の回復を先取りした動きと言えそうだ。 ◆米国株は軟調となったが、日欧株式は堅調 先週末の日経平均は、22 日の ECB 理事会で事前予 想を上回る規模の量的緩和が決定されたことから上昇 した。週明け以降は、27 日に発表された 12 月の耐久財 受注が予想外の前月比マイナスとなったことなどから、 米国株が下落基調を強める一方で、日本株は下値で の押し目買い意欲が根強く、底堅く推移した。もっとも、 ユーロ安を背景としてドイツ株も堅調に推移するなど、 むしろ米国株の弱さが目立つ 1 週間であった。米国で は原油価格下落で関連業種の業績予想が弱含んでい ることが背景にあるのだろう。 ◆足元では業績上方修正銘柄が優位の展開 10-12 月期決算発表が佳境を迎えつつある。1 月第 2 週(5 日から始まる週)までは、正月明け、決算発表直前 ということでアナリスト予想が修正される銘柄はさほど多 くなかったが、翌週から決算発表シーズンに突入し、個 別銘柄に関するアナリストアクションが増加してきた。そ うしたなか、個別銘柄の業績修正はどの程度相場に織 り込まれているのだろうか。アナリストのコンセンサス予 想を週次で集計し、今期予想売上、営業利益について 1 月第 3 週、第 4 週と連続で上方修正、あるいは下方修 正した銘柄を抽出した(図表 1)。2 週連続としたのは、 複数のアナリストがその銘柄について同一方向への業 績修正をしていると判断されることから、予想の精度が 比較的高いと考えられるとともに、その見方がマーケット コンセンサスとして認知されているとみられるためである。 一見して、上方修正銘柄の多くが電気機器、機械等の 輸出関連業種が多いことがわかる。一方、下方修正銘 柄は内需関連業種が多い。 次に、それぞれのグループのパフォーマンスを見ると、 上方修正銘柄は堅調に推移、下方修正銘柄は軟調な 推移となっている(図表 2)。このことから、日経平均は昨 年来高値近くまで上昇しているものの、投資家の多くは 業績下方修正懸念の残る銘柄に「逆張り」で買いを入 れるほど楽観的になっていないことがうかがえよう。 ◆内需回復の本格化を織り込む動きも 下方修正銘柄の内、小売業種の 5 銘柄を抽出してパ フォーマンスをみると、上方修正グループほどではない ものの、12 月 1 日以降ほぼ横ばいで推移し、下方修正 グループの中では健闘しているようだ。先週号で筆者 は「内需関連株に注目」とした。経済指標は 12 月から好 転するものが見られはじめるなど、国内景気の先行きに 対する強気の見方を裏付ける証拠はまだ出始めたばか りだ。しかし、小売業種銘柄の一角では、すでにそうし た次の動きを先取りし始めていると捉えることもできよう。 図表 1 足元でコンセンサス予想が修正されている銘柄 図表 2 業績修正された銘柄群のパフォーマンス(日次) (注: 2014 年 12 月 1 日時点の株価を 100 として、図表 1 におけるそれ ぞれのグループごとに平均化した。) 長谷川 浩 (出所:Astra Manager よりSMBC日興証券作成) (出所:Astra Manager よりSMBC日興証券作成) コード 銘柄名 東証業種名 コード 銘柄名 東証業種名 2267 ヤクルト 食料品 5713 住友鉱 非鉄金属 2802 味の素 食料品 6753 シャープ 電気機器 4902 コニカミノル 電気機器 6967 新光電工 電気機器 5406 神戸鋼 鉄鋼 7599 ガリバー 卸売業 6146 ディスコ 機械 7606 Uアローズ 小売業 6301 コマツ 機械 8218 コメリ 小売業 6479 ミネベア 電気機器 8282 ケーズHD 小売業 6506 安川電 電気機器 9064 ヤマトHD 陸運業 6762 TDK 電気機器 9766 コナミ 情報・通信業 6770 アルプス 電気機器 9945 プレナス 小売業 6857 アドテスト 電気機器 9989 サンドラッグ 小売業 6976 太陽誘電 電気機器 6981 村田製 電気機器 7240 NOK 輸送用機器 7270 富士重 輸送用機器 8601 大和 証券・商品先物取引業 2週連続上方修正銘柄 2週連続下方修正銘柄 94 96 98 100 102 104 106 14/12/1 14/12/11 14/12/24 15/1/8 15/1/21 上方修正銘柄平均 下方修正銘柄平均 (年/月/日) (2014/12/1=100) 下方修正の内、 小売業5社平均 (注: 2015 年 1 月 17 日、24 日時点のアナリストコンセンサス予想につき、 2 週連続で売上及び営業利益の予想が先週比で上方修正された銘柄と 下方修正された銘柄を抽出。今期決算期は 2015 年 2 月期、あるいは 3 月期。対象は TOPIX 採用銘柄(今期の会計基準が変更されているもの は除く)。予想は QUICK コンセンサス予想。) 2/162015 年 1 月 29 日(木) 投資情報室 Weekly Outlook No.190
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2.米国株見通しとポイント~神経質な動きが続こう
1 月 22 日以降の米国株は、ECB の量的緩和で当初は上昇したが、原油安や一部企業の低調な決算など から調整色が強まった。有力企業の実績あるいは業績見通しが事前予想を下回っており、ドル高が先行き の企業業績に対する懸念を強めていること、雇用統計の発表を控えていること、ギリシャの新政権の財政緊 縮策に対する動きも不透明であることなどから、当面の株価は神経質な動きが続こう。 ◆先週、今週のレビュー~調整色強まる 1 月 22 日の米国株市場は、1 月 17 日終了週の新規 失業保険申請件数が事前予想を上回ったことや、一部 企業の 10-12 月期決算が事前予想を下回ったことなど から、売られる場面もあったが、ECB(欧州中央銀行)が 量的緩和の開始を発表したことが好感され、ダウ工業 株指数(NY ダウ)は前日比+259 ドルの大幅高となった。 23 日は、12 月のシカゴ連銀全米活動指数や、1 月のマ ークイット製造業 PMI(速報値)が事前予想を下回った ことや、原油価格の下落などから利益確定売りが優勢と なり、NY ダウは同▲141 ドルと反落した。週明けの 26 日は、ギリシャの総選挙で財政緊縮反対派の急進左派 連合が勝利したことや、1 月のダラス連銀製造業景況指 数が事前予想を下回ったことなどで売りが先行したが、 OPEC(石油輸出国機構)の事務局長が、石油の供給 問題について非加盟国と協議する可能性を示唆したこ となどから買い戻され、NY ダウは同+6 ドルとなった。27 日は12 月の新築住宅販売件数や 1 月のコンファレンス ボード消費者信頼感指数が事前予想を上回ったものの、 マイクロソフト、キャタピラーなど有力企業の 10-12 月期 決算が低調だったことや 12 月の耐久財受注が事前予 想を下回ったことなどから、NY ダウは同▲291 ドルの大 幅安となった。28 日には、アップルの好決算などを受け て上昇で始まったものの、原油安や FOMC(連邦公開 市場委員会)の結果がドル高観測につながったことなど から、NY ダウは同▲195 ドルと続落した。 ◆不動産市場の動向 27 日に発表された 11 月の S&P/ケース・シラー住宅 価格指数は、全米 20 都市ベースで、季節調整前の前 年比が+4.31%と事前予想(同+4.30%)をわずかに上回 り、前年比では30 ヵ月連続でプラスとなった(図表 1)。 前月比では季節調整前が▲0.1%、季節調整後では +0.8%となったが、総じて住宅価格の回復傾向が続い ている。販売面については、23 日に発表された 12 月の 中古住宅販売件数は前月比+2.4%、年率 504 万件(事 前予想:同508 万件)、27 日に発表された 12 月の新築 住宅販売件数は前月比+11.6%、年率 48.1 万件(事前 予想:45.0 万件)となった。21 日に発表された 12 月の住 宅着工件数は前月比+4.4%、年率 108.9 万件(事前予 想104.0 万件)となった。販売面は強弱入り混じっている が、全体的には増加基調を維持しており、住宅市場の 回復傾向は続いているものと考えられる。 ◆当面の見通し~神経質な動きが続こう 経済指標では、2 月 2 日発表予定の 1 月の ISM 製造 業景況指数(事前予想:55.0)、6 日発表予定の 1 月の 雇用統計(事前予想:非農業部門雇用者数、前月比 +23.1 万人、民間部門雇用者数、同+22.0 万人、失業率、 5.6%)などが注目される。S&P500 採用企業の 10-12 月 期決算は、157 社が発表済みの時点(28 日)で、1 株当 り利益が前年比+4.0%と直前予想(同+2.0%)を上回っ ている。しかし、大幅減益が予想されているエネルギー 大手の決算が今後発表されることなどから、次第に増益 率は低下していくものとみられる。また、ドル高による海 外収益の伸び悩みなどから、シティグループ、モルガ ン・スタンレー、キャタピラー、マクドナルド、プロクター・ アンド・ギャンブル、ファイザー、デュポンなど海外に幅 広く展開する有力企業の実績あるいは業績見通しが事 前予想を下回っており、ドル高が先行きの企業業績に 対する懸念を強めている。雇用統計の発表を控えてい ることや、ギリシャの新政権の財政緊縮策に対する動き も不透明であることから、当面の株価は神経質な動きが 続こう。 60 80 100 120 140 160 180 200 220 -20 -10 0 10 20 30 40 50 60 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 住宅価格指数(20都市) (右軸) 前年同月比(左軸) 河田 剛 図表 1 S&P/ケース・シラー住宅価格指数の推移 (注:事前予想はBloomberg、2015 年 1 月 29 日 10 時時点のもの) (出所:Bloomberg よりSMBC日興証券作成) (年) (%) (ポイント) 3/162015 年 1 月 29 日(木) 投資情報室 Weekly Outlook No.190
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3.円相場見通しとポイント~相次ぐ米重要経済指標の発表に注目
円相場は、対ドルでレンジ推移となった一方、対ユーロでは ECB が市場予想を大きく上回る規模の量的緩 和を発表したこと等を受けて円高ユーロ安が進んだ。例年通りの傾向ではあるものの、年明け以降発表され た米経済指標は、その多くが市場予想を下回る結果に留まっており、ドル円の上値を抑える要因となってい る。来週にかけて発表される米国の重要経済指標が米景気への過度な不安を払拭できるかが注目される。 ◆この 1 週間(1/22~)のレビュー ドル円は、ギリシャ総選挙を巡る不透明感や冴えない 米経済指標、低調な米企業決算を受けた米株安等から ドルが売られる場面もあったが、下落局面では押し目を 拾う動きも強く、週を通してみると 117~118 円台後半の ボックス推移となった。ユーロ相場では、22 日に ECB (欧州中央銀行)が市場予想を大きく上回る規模の QE (量的緩和)を発表したことを手掛かりにユーロ売りが加 速。ギリシャ総選挙において、反緊縮派である SYRIZA (急進左派連合)の躍進が伝わった 26 日には、対円で 2013 年 9 月以来の安値となる 130.15 円を付け、対ドル では約 11 年ぶりの低水準である 1.109 ドルまで一時下 落した。(東京時間 1/29 正午時点) ◆ドル円の見通しと来週にかけての注目材料 ◇FOMC を受けた市場の反応は三者三様 27~28 日開催の FOMC(連邦公開市場委員会)では、 主に原油安により物価の判断が下方修正された一方、 雇用や景気の判断は上方修正され、金融政策判断に おいて新たに「国際情勢」を考慮するとの表現が加えら れた。捉え方によってゼロ金利解除に前進とも後退とも 取ることが可能な内容に、市場は三者三様の反応を示 した。為替市場では FOMC 後にドルインデックスが上昇 した一方、米株安・債券高を受けたリスクオフ的な円買 いも進行。ドル円は差し引きでやや円高方向に傾いた。 FRB(連邦準備制度理事会)は、ゼロ金利解除に向け て「データ次第」の姿勢をより強めている。今後発表され る米経済指標の内容に市場は一段と神経質となろう。 ◇米経済指標の予想比下振れがドル円の上値を抑制 昨年 12 月の米経済指標は、その多くが市場予想を 下回る低調な結果に留まっている。企業景況感は、エ ネルギーセクターからの受注減や西海岸のスト長期化 等の影響を受けて総じて予想を下回った。一方家計部 門に関しては、消費者信頼感が原油安や雇用改善等 を背景に数年来の水準まで上昇したが、賃金は前月か ら予想外に減少した。また、クリスマス商戦は堅調が伝 えられたものの、小売売上高は予想を大幅に下回る結 果に終わっている。こうした中、経済指標が市場予想を どの程度上回ったか(下回ったか)を数値化した経済サ プライズ指数はマイナスに転換。同指数は年末年始前 後にピークアウトする傾向があるが、今年も例年通りの 推移を辿っている。米景気の先行きやゼロ金利の解除 時期に不透明感が漂い始めており、足元のドル円相場 の上値を抑制する要因となっている。 来週にかけて、10-12 月実質 GDP(速報値、1/30)、 12 月個人消費及び 1 月 ISM 製造業景況指数(2/2)、1 月雇用統計(2/6)等、米国で重要経済指標の発表が目 白押しとなる。良好な結果が示されれば、米景気に対 する過度な不安が後退し、米ドル上昇のきっかけとなる ことも考えられる。一方、市場が動意づかないようであれ ば、次回 3 月 18 日の FOMC あるいは春闘といった内外 の重要イベントがある初春頃にかけて、概ね 115 円台半 ばから 120 円でのレンジ相場が続いてしまう展開も想定 され、要注目である。 -150 -100 -50 0 50 100 150 10/1 11/1 12/1 13/1 14/1 15/1 ※サプライズ指数:経済指標結果と事前予 想とのかい離幅を数値化したもの。ゼロ(予 想通り)を挟んで、上下(プラス・マイナス) で示している。 (年/月) (ポイント) 田中 浩介 図表 2 米経済サプライズ指数 図表 1 昨年 12 月の米経済指標 (注:前回値と結果は発表時点、予想は Bloomberg より) 93.9 92.6 91.0 93.5 93.6 93.8 57.5 55.5 58.7 58.0 56.2 59.3 24.0 25.2 35.3 5.7 5.6 5.8 2.2 1.7 1.9 小売売上高(MoM、%) -0.1 -0.9 0.4 CPI(YoY、%) 0.7 0.8 1.3 CPIコア(YoY、%) 1.7 1.6 1.7 予想 結果 前回 コンファレンスボード消費者信頼感 ミシガン大学消費者信頼感 非農業部門雇用者数(前月比、万人) 失業率(%) 平均賃金(YoY、%) ISM製造業景況指数 ISM非製造業景況指数 (出所:図表 1、2 とも Bloomberg よりSMBC日興証券作成) 4/16本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。 2015 年 1 月 29 日(木) 投資情報室
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4.国内経済動向~輸出数量は緩やかな回復基調
12 月の貿易収支は、輸出金額の伸びが輸入金額の伸びを大きく上回った結果、前年同月比、前月比(季節 調整値)共に赤字が3 ヵ月連続で減少した。また、輸出数量は緩やかな回復基調に転じつつある。10-12 月 では前期比+2.0%と 2 四半期連続のプラス。当面も米国経済を牽引役に海外経済の持ち直しが期待され、 輸出数量も足元の緩やかな回復基調を維持する公算が大きい。 ◆12 月貿易収支:輸出数量は緩やかに回復 12 月の貿易収支は▲6,607 億円(原数値)となり、30 ヵ月連続の赤字。比較可能な 1979 年以降で最長記録 を更新し続けている。輸出金額は自動車(前年同月比 +12.5%)、半導体等電子部品(同+17.8%)等が増加し、 同+12.9%と 4 ヵ月連続のプラス。輸出金額は 6 兆 8,965 億円で、2008 年 10 月(6 兆 9,148 億円)以来の高水準 を記録した。また、輸入金額は同+1.9%と 2 ヵ月ぶりのプ ラスで、12 月としては過去最大。但し、原油価格の下落 を反映し、原粗油が同▲22.0%と大幅に落ち込んだこと から輸入金額全体は伸び悩んだ。輸出金額の伸びが 輸入金額の伸びを大きく上回った結果、貿易赤字は前 年同月比、前月比(季節調整値)共に 3 ヵ月連続で縮小 した。 輸出数量は緩やかな回復基調に転じつつある。輸出 数量を前期比(季節調整値)でみると 10-12 月は+2.0% と 2 四半期連続のプラス。地域別でみても対米国を中 心に対 EU、対アジアいずれの地域でもプラス(2013 年 4-6 月以来)となった。本邦企業の海外生産シフト等から 円安効果が従来ほど効かない中、今後の輸出数量の 増勢を占う上でカギを握るのが海外経済の動きだ。米 国経済は、家計部門の堅調さが企業部門に波及する 中、足元の原油安も個人消費に追い風となり、内需主 導で 10-12 月以降も 3%前後の成長を維持する公算が 大きい。中国経済は製造業部門における過剰設備問 題や不動産市場の調整が下押し圧力となり、かつての 高成長は見込めない。現在は安定した労働市場を前提 に「意図した景気減速局面」にある。構造改革を進める 中国政府は「新常態」と呼ぶ安定成長(7%成長)を目指 している。一方、欧州経済はウクライナ問題等、地政学 リスクの影響で回復のモメンタムは弱いものの、ECB(欧 州中央銀行)によるオープンエンドの QE(量的緩和)導 入に伴う金利低下、ユーロ安が一定の下支え役となろう。 以上から米国経済を牽引役に中国を含めたアジア経済 の持ち直しが期待され、今後の輸出数量は足元の緩や かな回復基調を維持する公算が大きい。 ◆12 月小売業販売額:実態は底堅い 12 月の商業販売統計の小売業販売額指数(季調値) は前月比▲0.3%(11 月同▲0.2%)と 3 ヵ月連続のマイナ ス。12 月は気温低下で冬物衣料が好調だったことに加 え、株高等で百貨店での高額品販売も上向き始めた。 一方で、消費増税の影響等で不振が続く家電等の機械 器具、原油安の影響で燃料小売が足を引っ張っている。 ただ小売業全体を四半期ベースでみると、10-12 月は前 期比+0.9%(7-9 月同+3.5%)と 2 四半期連続のプラスで、 実態は底堅いとの評価が妥当であろう。 ◆当面の注目点 30 日に 12 月の鉱工業生産が発表される。弊社では、 前月比+1.5%(11 月同▲0.5%)と 2 ヵ月ぶりの増産を見 込む。昨夏以降の回復トレンドを維持する公算大。 野村 真司 図表2 小売業販売額指数の推移 図表1 輸出数量指数(地域別)の推移 (出所:内閣府「輸出入数量指数」よりSMBC日興証券作成) (出所:経済産業省「商業販売統計」よりSMBC日興証券作成) 40 60 80 100 120 140 160 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 (2010年=100、季節調整値) (年) 全 アジア EU 米 米国 全体 60 70 80 90 100 110 120 130 140 1 2 3 4 5 6 7 8 9 101112 1 2 3 4 5 6 7 8 9 101112 1 2 3 4 5 6 7 8 9 101112 12 13 14 小売業計 各種商品 織物・衣服 等 飲食料品 自動車 機械器具 (月) (年) (2011年2月=100、季節調整値) エコカー 補助金終了 消費増税前の 駆け込み需要 のピーク 5/16本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。 2015 年 1 月 29 日(木) 投資情報室
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5.新興国市場・経済動向
新興国株式市場は、ECB による予想を上回る規模の QE 決定等を支えに総じて堅調となった。新興国通貨 は、米株安などを背景とした円高を受けて対円ではやや軟調となった。ユーロ圏の注目イベント通過で市場 の関心は米国に移り、来週にかけては雇用統計等の米経済指標が新興国市場へも影響を及ぼす可能性が あろう。新興国のスケジュールでは、インドやトルコの金融政策決定、中国の製造業 PMI 等が注目される。 ◆最近の新興国市場の動向 足元の新興国株式市場は総じて堅調となった。22 日 に ECB(欧州中央銀行)が市場予想を上回る規模の量 的緩和(QE)を決定したことに加え、原油価格の下落も アジアなどの原油輸入国では好材料になったと考えら れる。直近 1 週間の株価指数騰落率(図表 1、28 日時 点)をみると、総じて上昇となる中、ブラジル(▲3.1%)は 大幅安。鉄鉱石価格の下落や中銀のタカ派的な姿勢 に加え、国営石油会社が汚職問題の影響で監査済み 決算の発表を再度延期したことなどが嫌気された。 新興国通貨は、対米ドルではまちまちとなったが、ド ル円相場が米株安などを背景に円高方向に振れたこと から、対円では総じてやや軟調となった。直近 1 週間の 通貨騰落率(図表 1、28 日時点、対円)では、ブラジル レアル(+0.6%)が上昇。財政再建策に対する期待感に 加え、中銀が利上げ決定時(21 日)の声明文でタカ派 的な姿勢を示唆したことなどから買われた。一方、ロシ アルーブル(▲4.3%)は、26 日に米大手格付け機関が ロシアの信用格付けを投機的等級へ引き下げたことか ら大幅安となった。(前田、武田) 山本 正樹 白岩 千幸 武田 泰典 前田 佑太 図表 1 主な新興国市場の動向 (注:「直近値」については、当該日付が休場となっている場合は、その前営業日の値を掲載) (出所:Bloomberg よりSMBC日興証券作成) 直 近 値 1 月 2 8 日 20 1 5 年 初 来 20 1 4 年 年 間 過 去 1 週 間 過 去 3 0 日 間 過 去 9 0 日 間 過 去 1 年 間 上海総合指数 3,305.73 2.2 52.9 ▲0.5 4.3 38.3 62.2 香港ハンセン指数 24,861.81 5.3 1.3 2.1 4.6 4.9 13.2 インド SENSEX30種指数 29,559.18 7.5 29.9 2.3 7.9 8.1 42.9 韓 国 韓国総合指数 1,961.58 2.4 ▲4.8 2.1 1.7 0.1 2.3 インドネシア ジャカルタ総合指数 5,268.85 0.8 22.3 1.0 1.7 4.2 21.4 タイ SET指数 1,592.81 6.4 15.3 3.6 6.3 1.8 25.2 マレーシア FBM KLCI総合指数 1,795.88 2.0 ▲5.7 1.5 1.6 ▲2.5 0.8 フィリピン フィリピン総合指数 7,661.18 6.0 22.8 2.5 6.0 6.8 27.2 ロシア MICEX指数 1,647.71 18.0 ▲7.1 1.8 15.0 13.4 12.1 トルコ イスタンブール100種指数 90,341.63 5.4 26.4 0.0 7.4 13.1 42.2 南アフリカ JSE全株指数 51,200.57 2.9 7.6 3.3 1.9 5.2 12.0 ブラジル ボベスパ指数 47,694.54 ▲4.6 ▲2.9 ▲3.1 ▲5.7 ▲8.9 ▲0.3 メキシコ ボルサ指数 42,158.07 ▲2.3 1.0 ▲0.8 ▲2.4 ▲5.5 3.7 中 国 円/人民元 18.81 ▲2.5 10.9 ▲0.9 ▲2.9 5.4 10.6 インド 円/インドルピー 1.91 1.1 11.4 ▲0.1 1.2 7.7 16.7 韓 国 円/韓国ウォン(x100) 10.82 ▲1.0 9.4 ▲0.7 ▲1.3 4.5 13.4 インドネシア 円/ルピア(x100) 0.94 ▲2.6 11.7 ▲0.4 ▲2.9 4.6 11.5 タイ 円/バーツ 3.60 ▲0.8 13.0 ▲0.3 ▲1.4 7.6 15.4 マレーシア 円/リンギ 32.55 ▲4.8 6.5 ▲0.1 ▲5.4 ▲1.9 5.5 フィリピン 円/フィリピンペソ 2.67 ▲0.1 12.8 0.6 ▲0.8 9.9 17.4 ロシア 円/ルーブル 1.73 ▲16.0 ▲35.6 ▲4.3 ▲15.2 ▲34.0 ▲41.5 トルコ 円/トルコリラ 49.27 ▲3.9 4.6 ▲1.8 ▲5.2 ▲0.7 7.8 南ア 円/ランド 10.15 ▲1.9 3.2 ▲0.9 ▲2.2 1.0 8.8 ブラジル 円/レアル 45.61 1.3 1.0 0.6 2.2 0.3 7.3 メキシコ 円/メキシコペソ 7.96 ▲1.8 0.5 ▲0.3 ▲2.5 ▲1.9 2.6 中国 株価指数 為替 ※プラスは外貨高・円安、マイナスは外貨安・円高 騰 落 率 ( % ) 6/16本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。 2015 年 1 月 29 日(木) 投資情報室
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◆新興国市場関連トピック 中国~HSBC 製造業 PMI は若干改善 23 日に発表された 1 月の HSBC 製造業購買担当者 指数(PMI)速報値は前月比+0.2pt の 49.8 と、景況感の 分かれ目である 50 を下回ったものの、3 ヵ月ぶりに改善 した。サブ指数のうち、輸出向け新規受注は同▲0.4pt と低下したが、内需が大幅に回復し新規受注全体では 同+1.1pt の 50.8 となった。その背景としては、春節に向 けての個人消費の盛り上がりや政府によるインフラ投資 拡大等が考えられる。また、原油価格急落の影響を受 けて原材料価格は同▲3.2pt の 39.9 と 2009 年 3 月以来 の低水準にとどまり、製品価格も同▲1.0pt となった。 一方、中国最大の住宅情報サイト「捜房」が 26 日に 発表した週次の新築住宅販売動向によると、1 月 19~25 日の主要 38 都市の新築住宅販売床面積は前年比 +2.3%となった。北京等の 1 級都市は同+54.3%と拡大し たものの、その他では前年割れの都市が出るなど不振 となった。住宅販売は、昨年 11 月末の利下げも支えに 12 月は回復傾向にあったが、依然価格の先安観も根 強いため、購入者が買い控え傾向を強めている可能性 があろう。 このほか、19 日に発表された 12 月末時点の外貨準 備は前月比▲1,289 億元と、過去最大の減少を示した。 金融当局が一段の資本流出を食い止めるために人民 元の買い支え介入をしているとみられる。外貨準備の大 幅な減少が明らかとなった後、人民元の対ドルレートは 軟調となり、26 日には前日比▲0.43%の 1 ドル=6.255 人 民元と大幅に下落した。また 28 日の人民元対ドルレー トは、人民銀行が設定する仲値から▲1.91%となり、過 去最大のかい離率となった。 インド~米印関係が一段と緊密化 米国のオバマ大統領は 25 日、インドを訪問し、モディ 首相との首脳会談に臨んだ後、共同声明を発表した。 声明では、米印間の投資拡大や原子力協力、日米印 の安全保障面の関係強化等が盛り込まれた。26 日には、 共和国記念日(1950 年 1 月 26 日の憲法発布を記念す る日)の式典に主賓として出席。式典には毎年主賓とし て海外の首脳が招待されるが、米国大統領が主賓に招 かれるのは初となった(昨年は日本の安倍首相が主賓)。 なお、今回のオバマ大統領訪印は 2010 年に続いて 2 度目であり、米大統領が在任中にインドを再訪する初の ケースとなった。近年の米印関係は、安全保障面で中 国の脅威が高まる中、前任のシン首相の下で米印原子 力協定が締結(2007 年)・発効(2008 年)するなど緊密 化していた。今回のオバマ大統領訪印によって、両国 関係の一段の緊密化が印象付けられたといえよう。 モディ首相は昨年 10 月の就任以来、積極的な外交 を通じて海外からの投資を呼び込む姿勢を鮮明にして おり、昨年の日本訪問でも 5 年間で 3.5 兆円に及ぶ投 融資の確約を取り付けている。オバマ大統領も今回総 額 40 億ドルの投融資を表明しており、こうした海外から の投融資拡大は、最近の原油安と相まって、インド経済 の回復を後押しする要因として注目される。(山本) インドネシア~投資認可窓口の一本化を開始 ジョコ大統領は 26 日、複数の官庁に分かれていた中 央政府の投資認可窓口を投資調整庁に一本化する「ワ ンストップ・サービス」の開始を発表した。大統領はかね てよりワンストップ・サービスの導入を公約しており、最終 的には地方政府レベルでも導入される見通し。 図表 2 製造業購買担当者指数(PMI)と鉱工業生産 (注:鉱工業生産の 2 月の数値は 1 月と 2 月の累積値) (出所:CEIC、HSBC、中国国家統計局資料よりSMBC日興証券作成) 0 5 10 15 20 45 50 55 12/1 12/7 13/1 13/7 14/1 14/7 15/1 鉱工業生産(右軸) 中国物流購入連合会の 製造業PMI(左軸) HSBCの製造業PMI (左軸) (前年比、%) (年/月) 図表 3 人民元の対ドルレートの推移 (出所:CEIC、中国人民銀行よりSMBC日興証券作成) 6.0 6.1 6.2 6.3 6.4 6.5 12/1 12/7 13/1 13/7 14/1 14/7 15/1 市場レート 人民銀行が 設定した仲値 (元/ドル、逆軸) (年/月) 人民元安 7/16
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昨年 10 月に就任したジョコ大統領は、「改革派」とし て期待を集める一方、国会では与党が過半数に達して おらず、政権基盤の弱さが不安視されていた。しかし、 就任以来これまでに燃料補助金の大幅な削減を実現し、 浮いた予算でインフラ投資等の拡充を図るなど、矢継ぎ 早に改革を打ち出している。今年は、一部野党議員に よる与党への鞍替えの動きも予想されており、政権基盤 の強化による一段の改革加速も期待されよう。(山本) トルコ~2 月 4 日に緊急利下げも トルコ中央銀行のバシュチュ総裁は 27 日、2 月 3 日 に発表される 1 月の消費者物価指数(CPI)の前年比が 12 月に比べて 1%pt 以上低下することなどを条件に、2 月 24 日開催予定の金融政策決定会合を同 4 日に前倒 しすると表明、緊急利下げの可能性を示唆した。原油 安によるインフレ見通しの大幅な改善や 6 月に総選挙 を控える政権からの圧力も背景として考えられる。 総裁は今回の会見で、慎重な追加利下げと現在の 引き締め的な金融政策スタンスの維持を表明しており、 大幅な利下げは避けるとみている。1 週間物レポ金利は 0.50%pt 程度、翌日物借入金利(市中金利の事実上の 下限)は 0.50~0.75%pt 程度の引き下げにとどまろう。一 方、翌日物貸出金利(市中金利の事実上の上限)につ いては、現時点でも中銀が市中金利を同金利付近に誘 導していることや米国の利上げ観測に伴うリラ安リスクを 考慮すると、引き続き据え置く可能性が高く、引き下げ られる場合も、0.25%pt 程度にとどまるとみている。 上述のようなファンダメンタルズの改善に沿った妥当 な範囲の利下げならば、トルコリラに及ぼす影響は限定 的と予想している。一方、大幅な利下げで政権による圧 力に屈した印象が強まれば、リラ急落も想定されよう。バ シュチュ総裁のこれまでの慎重な姿勢からはその可能 性は低いとみているが、リスクとして要注意であろう。 (前田) ◆来週にかけてのスケジュールと見通し 大きな注目を集めた 22 日の ECB(欧州中央銀行)理 事会では、大方の予想を上回る規模の量的緩和(QE) が決まり、ポジティブサプライズとなった。一方、ユーロ 圏でもう 1 つの大きな注目イベントであった 25 日のギリ シ ャ 総 選 挙 は 、 反 緊 縮 を 主 張 す る 急 進 左 派 連 合 「SYRIZA」の勝利に終わった。市場にとってはネガティ ブな結果ではあるが、事前に予想されていたこともあり、 影響は限定的となった。 注目を集めたユーロ圏の重要イベントが終わり、市場 の関心は米国に移ってこよう。27~28 日の FOMC(連邦 公開市場委員会)では、利下げ時期を巡るコンセンサス に大きな変更を迫るようなサプライズはなかったものの、 市場では、最近の経済指標下振れや企業決算等を受 けて、米国景気の先行きやドル高の悪影響に対する懸 念がくすぶり始めているように見受けられる。来週にか けては、1 月の ISM 製造業景況指数、雇用統計の発表 と重要イベントが控えており、米経済指標が予想を下振 れた場合に市場が敏感に反応することも想定される。 なお米景気の下振れ懸念が強まる場合、為替市場 で想定される反応として、①(リスクオフの)ドル高新興 国通貨安、②ドル安新興国通貨高という相反するパタ ーンが想定されるが、昨年来のドル独歩高が巻き戻さ れる形となる後者の可能性が高いとみている。その場合、 円も対ドルで上昇するとみられ、新興国通貨は対円で は総じて方向感が出にくい展開を予想している。 来週にかけての新興国のスケジュールでは、金融政 策決定が南アフリカ(29 日)、メキシコ(29 日)、インド(2 月 3 日)で予定されている。インドでは、15 日の緊急利 下げから間もないことや、インド準備銀行が 2 月末発表 の政府予算案の内容を見極めたい意向とみられること などから、今回は現状維持と予想している。今後の追加 利下げのタイミング等を巡って声明文の内容が注目さ れよう。また、トルコでは、3 日に発表される 1 月の消費 者物価指数の結果次第で、4 日に緊急利下げを実施す る可能性を中銀が示唆している。 経済指標では、インドの 2014/15 年度(2014 年 4 月 ~15 年 3 月)実質 GDP 実績見込み(30 日)、中国の 1 月製造業購買担当者指数(PMI)(1 日)、インドネシア の 10-12 月実質 GDP(5 日)などが予定されている。イン ドでは、2014 年 7-9 月まで実質 GDP が既に発表されて いるが、残る年度後半の経済動向を見極める上で年度 の実績見込みは注目される。中国では、1-2 月に春節 (旧正月)の休暇がある関係で、鉱工業生産などの経済 指標は 3 月に 1-2 月累計値が発表される。このため、足 元の景況感を探る上で今回の PMI は注目される。 (山本) 図表 4 トルコの政策金利 (出所:Bloomberg よりSMBC日興証券作成) 0 2 4 6 8 10 12 14 12/1 12/7 13/1 13/7 14/1 14/7 15/1 主要政策金利(1週間物レポ金利) 市中金利(翌日物銀行間金利) (%) 金利コリドー(グレー部分) :市中金利の誘導目標、上限が翌日物貸出金利・下限が翌日物借入金利 (年/月) 8/16
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本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。 -10 -5 0 5 10 15 20 10,000 11,000 12,000 13,000 14,000 15,000 16,000 17,000 18,000 19,000 6/18 7/18 8/17 9/16 10/16 11/15 12/15 1/14 (月/日) 2014年 2015年 【日経平均と25日移動平均・乖離率】 (円) (%) 日経平均株価 (左軸) 25日移動平均 (左軸) 25日移動平均乖離率 (右軸) 50 100 150 200 250 300 12,000 13,000 14,000 15,000 16,000 17,000 18,000 19,000 20,000 6/18 7/18 8/17 9/16 10/16 11/15 12/15 1/14 日経平均株価(左軸) 東証一部25日騰落レシオ(右軸) 【日経平均と東証一部25日騰落レシオ】 (円) (月/日) 2014年 2015年 120%ライン 70%ライン (%) -10 -5 0 5 10 15 20 10,000 11,000 12,000 13,000 14,000 15,000 16,000 17,000 18,000 19,000 6/18 7/18 8/17 9/16 10/16 11/15 12/15 1/14 日経平均株価(左軸) 100日移動平均(左軸) 100日移動平均乖離率(右軸) 2015年 2014年 【日経平均と100日移動平均・乖離率】 (円) (%) (月/日) 0 50 100 150 200 250 300 12,000 13,000 14,000 15,000 16,000 17,000 18,000 19,000 20,000 6/18 7/18 8/17 9/16 10/16 11/15 12/15 1/14 日経平均株価(左軸) %D(右軸) Slow %D(右軸) 【日経平均 ストキャスティクス(9日)】 (%) (円) (月/日) 2014年 2015年 80%ライン 20%ライン 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 1,400 1,500 1,600 1,700 1,800 1,900 2,000 2,100 6/18 7/18 8/17 9/16 10/16 11/15 12/15 1/14 (月/日) 2014年 2015年 【東証REIT指数と日本10年物国債利回り】 (%) (pt) 東証REIT指数(左軸) 日本10年物国債利回り(右軸) 80 85 90 95 100 105 110 115 120 125 6/18 7/18 8/17 9/16 10/16 11/15 12/15 1/14 日経平均 東証マザーズ指数 日経JASDAQ指数 (月/日) 2014年 2015年 【国内主要株価指数】 (150日前を100として指数化)
6.主な国内株価指数とテクニカル指標の推移
東証一部 25 日騰落レシオが 1/28 時点で 123%となり、買われ過ぎの目安である 120%を超えた。ストキャ スティクスも過熱感を示す水準まで上昇しており、利益確定売りが出やすい状況と言える。ただ、足元では年 金とみられる資金が積極的に下値を買い進めており底堅い推移が続いている。今後の決算動向や海外市 況次第では海外投資家の資金流入も加わって過熱感を帯びつつ上昇基調が続くことも想定されよう。 横山 敦史 図表 1 主な国内株価指数とテクニカル指標の推移 騰落レシオ(25 日):過去 25 日間の値下がり銘柄数に対する値上がり銘柄数の割合。一般的に、120%以上で買わ れ過ぎを、70%以下で売られ過ぎを表す。 ストキャスティクス(9 日):直近の終値が過去のレンジで相対的にどのレベルに位置するのかを見るための指標。 %D=(直近終値と直近 9 日間の安値の乖離の 3 日移動平均)÷(直近 9 日間の高値と安値の乖離の 3 日移動平均) Slow%D は%D の 3 日移動平均。一般的に%D が 80%以上で買われ過ぎ、20%以下で売られ過ぎを表す。 テクニカル指標の見方 (注:データは 2015 年 1 月 28 日まで) (出所:各図表とも Astra Manager よりSMBC日興証券作成) 9/16本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。 2015 年 1 月 29 日(木) 投資情報室
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7.国内政治・政策動向~通常国会召集、予算審議や安保法制に注目
通常国会が召集された。経済対策や地方創生を盛り込んだ予算案や安保法制の審議が注目される。邦人 人質事件は最悪の場合でも、政府に致命的な打撃を与えることはないだろう。国会では規制緩和を中心に 安倍首相肝いりの法案も目白押しである。農業や労働、女性など、成長戦略関連が中心だが、与党内です ら反対が強い内容を含むものもある。地方創生特区や TPP など国会以外でも政策で前向きな動きがある。 ◆通常国会召集、予算審議や安保法制に注目 1 月 26 日、第 189 通常国会が召集された。3.5 兆円 規模の緊急経済対策を盛り込んだ 2014 年度補正予算 案が即日提出され、2 月上旬頃の成立が見込まれる。 その後、過去最大規模(96.3 兆円)の 2015 年度当初予 算案が 2 月中旬頃に提出される予定。衆院通過は 3 月 上中旬頃と見込まれているが、年度内成立は困難視さ れており、10 日間前後の暫定予算が必要となる可能性 が高い。政権の目玉政策である地方創生予算を組み込 んでいることから、遅くとも知事選や道府県議選などの 投開票日である 4 月 12 日までの成立を目指している。 通常国会では、このほか、今年前半と期限を区切っ た日米防衛ガイドラインの改訂に向けて、集団的自衛 権の行使を可能とする閣議決定の法制化作業が焦点 である。現在進行形である中東の過激派組織「イスラム 国」による日本人人質事件での対応も与野党論戦の注 目点となろう。今後の展開次第では、安全保障法制の 審議に大きな影響を及ぼす可能性もある。 日本人人質事件は、その後、新たな動きがあった。 身代金の支払期限が過ぎた後、新たにインターネットに 音声付き画像が掲載され、要求内容が身代金からヨル ダンに収監されている女性死刑囚の解放の要求に変わ った。対応の当事者がヨルダン政府に移ったが、すでに 日本人 1 名が殺害された可能性が高く、もう 1 名も人質 のままである。現在、日本政府は水面下でヨルダン政府 と緊密な連携を図っているが、事態は緊迫化している。 政府の対応は前向きに評価されており、最悪の事態 となっても、安倍政権に致命的な打撃を与えることはな いだろう。ただテレビ番組で安倍総理が、「海外で邦人 が危害にあった時、現在の自衛隊が持てる能力を十分 に生かせない」と指摘。非軍事支援に限ると明言したが、 他党から懸念の声が上がった。安全保障法制への注目 度が高まっており、今後は世論の動向が注目される。 ◆農業、労働など規制緩和関連法案も目白押し 通常国会では、規制緩和を中心とする安倍首相肝い りの法案も目白押しである。ただ与党内ですら反対が強 い内容を含むものも多い。たとえば与党内で抵抗が強 いのが農協改革である。農協を束ねる全国農業共同組 合連合会中央会(全中)が持つ監査・指導権を廃止し、 農協の活動や経営に自由度を持たせる農協法改正が ある。しかし、農協の支持を受ける議員を中心に反発が 強く、与党内調整から難航しそうである。 労働基準法改正案は、特定の能力やスキルを持つ 高年収の労働者には残業や休日・深夜労働の割増賃 金を払わなくてよいとする内容である。成長戦略の成否 は、生産性の高い働き方ができるかにかかっており、成 長戦略の象徴的な法案と位置付けられる。企業に女性 登用の目標などを求める女性活用推進法案など、衆院 解散で先送りされた法案もある。議員立法では、「カジノ 解禁法案」も控えている。これは自民、旧日本維新の会 などが共同で出した法案だが、公明党や民主党で賛否 が分かれているため、提出し、採決にこぎ着けられるか が焦点だ。また、国会以外でも政策関連で地方創生特 区や TPP など最近は前向きな動きが見られる。 司 淳 図表 1 当面の主な政治・政策スケジュール (出所:各種報道よりSMBC日興証券作成) 1月28日 TPP日米自動車事務レベル協議(米ワシントン) 2月2日 TPP日米重要農産品関税事務レベル協議(米ワシントン) 2月上旬 2014年度補正予算成立 〃 与党軽減税率検討委員会初会合(秋までに具体案) 2月12日 2015年度予算案国会提出。施政方針演説 2月中 安全保障関連法案に関する与党協議開始 〃 TPP日米閣僚協議で大筋合意? 年度内 2015年度当初予算の成立目指す(4月にずれ込む可能性も) 3月 九州電力川内原発の再稼働?(3月以降?) 〃 農協法改正案国会提出 〃 TPP12か国閣僚会合で大筋合意? 〃 地方創生特区の指定(33自治体を軸に数ヵ所選定) 4月1日 法人実効税率引き下げ 4月12日 統一地方選(道県知事選、道府県議選、政令市長、市議選) 4月26日 統一地方選(政令市以外の市区町村の首長・議員選) 4月下旬~ 安倍総理訪米、日米首脳会談(調整中) 5月17日 大阪都構想の是非を問う住民投票 5月? 集団的自衛権関連法案を一括提出 〃 日米防衛協力のための指針(ガイドライン)改定(~2015年前半) 6月24日 通常国会閉幕 6月メド 基礎的財政収支の改善目標達成に向けた具体策の計画策定 夏ごろ 関西電力高浜原発(福井県)再稼働 7月4日 北朝鮮の拉致問題特別調査委員会設置から1年 8月6日 人類初の原爆投下(広島)から70周年(オバマ米大統領出席?) 8月15日 戦後70周年記念(安倍談話?) 9月15日 国連総会(~28日、NY) 9月 自民党総裁選(9月末任期満了) 秋口 軽減税率案決定(?) 10月 16年に運用が始まる税と社会保障の共通番号の国民への通知開始 〃 日本が立候補した国連安全保障理事会非常任理事国選挙(任期2016~17年) 12月中旬 2016年度税制改正大綱閣議決定 12月下旬 2016年度予算政府案閣議決定 年内? RCEP(東アジア地域包括的経済連携)の妥結? 10/16
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8.ギリシャ総選挙~最終的には歩み寄りでギリシャ懸念は沈静化へ
25 日にギリシャで行われた総選挙の結果、反緊縮を主張する急進左派連合が勝利を収め、同党を中心とす る連立政権が樹立した。今後は国際支援プログラムの見直し交渉が焦点となるが、支援側は緊縮路線の継 続を要請しており、交渉は難航が予想される。当面は、関係者の発言等が金融市場の波乱材料となる場面 も想定されよう。ただ、最終的には双方歩み寄りにより現実的な落としどころを見出すものと考えている。 ◆ギリシャ総選挙は急進左派連合が勝利 ギリシャで 1 月 25 日に総選挙が実施され、反緊縮を 主張する急進左派連合(SYRIZA)が得票率 36.3%を得 て第一党となり、ボーナス 50 議席と合わせて 149 議席を 獲得した。過半数の 151 議席には 2 議席届かなかった が、13 議席を獲得した右派「独立ギリシャ人」と連立を 組むことで合意。SYRIZA のツィプラス党首が 26 日に首 相に就任した。(得票率、議席数は開票率 99.9%時点) ◆国際支援プログラム見直し交渉は難航の見込み 今後、新政権は IMF(国際通貨基金)、EU(欧州連 合)、ECB(欧州中央銀行)の通称トロイカと、国際支援 プログラムについて交渉を開始する。 まずは 2 月 28 日に期限切れとなる現在の支援措置 の延長交渉だが、解散総選挙で交渉が中断され、政権 も代わったことを踏まえ、半年程度の延長で手が打たれ る見込みである。注目されるのが、その後に控える国際 支援プログラムの見直し交渉である。ツィプラス首相は 反緊縮を訴えて選挙戦を展開。債務の減免や支払金 利の引き下げ等を実現し、そこで確保した資金や税逃 れへの対処により、リストラされた公務員の再雇用や最 低賃金の引き上げ等を実施する考えを表明してきた。 一方、トロイカは緊縮路線の継続をギリシャに要請。現 時点では両者の溝は深く、プログラムの見直し交渉は 難航が予想される。 ◆最終的には両者歩み寄りでギリシャ懸念は沈静化へ ただ、ギリシャは自力での資金調達が依然難しく、選 択の余地はあまりない。仮に反緊縮路線に突き進み、ト ロイカからの支援が打ち切られた場合、債務不履行(デ フォルト)に陥る可能性が高まる。また、ギリシャ国債は 既に投資不適格級まで格下げされている。ECB のオペ の担保や、1 月 22 日に決定した QE(量的緩和)の際に 購入対象となる国債は投資適格級が原則だが、ECB は 国際支援プログラムの下にあることを条件に、ギリシャ国 債を例外的に受け入れている。支援プログラムからの離 脱は、ギリシャ国債の担保価値喪失を招き、同国の金 融機関の資金繰りに深刻な影響を及ぼす可能性がある 他、QE のメリットも享受できなくなるなど、財政再建路線 を転換するにはデメリットがあまりにも大きいというのが 現実である。ツィプラス首相は、こうした事情を踏まえて 最終的に妥協を受け入れざるを得なくなると思われる。 一方で、トロイカは、ギリシャの痛みを伴う財政再建の取 り組みに一定の評価を下している。関係者の発言をみ る限り、債務減免は拒否する公算が大きいが、これまで の実績を踏まえて、返済期限の延長など何らかの譲歩 が見込まれる。 ツィプラス首相は総選挙で有権者の支持を得たことも あり、当面は反緊縮で強硬姿勢を示そう。ギリシャとトロ イカの政治的駆け引きが予想される中、関係者の発言 内容次第では、金融市場のリスクオフ材料となる場面も 想定される。足元では、ギリシャのユーロ離脱への警戒 からか、銀行口座から預金が徐々に流出傾向にあると の不穏なニュースも聞かれる。ただ、最終的には、双方 が一定の譲歩を示し、両者歩み寄りで現実的な落としど ころを見出すことで、ギリシャに対する先行き不透明感 も沈静化に向かうものと考えている。 本間 英至 図表 1 ギリシャ総選挙の開票結果(開票率 99.9%時点) 急進左派連 合, 149 独立ギリ シャ人, 13 新民主主義 党, 76 黄金の夜明 け, 17 ポタミ, 17 共産党, 15 全ギリシャ 社会主義運 動, 13 (出所: 各種報道よりSMBC日興証券作成) 11/162015 年 1 月 29 日(木) 投資情報室 Weekly Outlook No.190
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9.向こう 3 ヵ月の主な注目スケジュール
国内では、2 月に補正予算成立、3 月に 15 年度予算成立、4 月に統一地方選挙投開票などが予定されている。 海外では、2 月にイエレン FRB 議長の半期議会証言、3 月にイラン核協議の最終合意の骨格となる原則のと りまとめ、4 月に IMF・世銀春季総会などが予定されている。4 月の統一地方選挙までの間に「地方創生」関連 法案が多数提出されると思われ、注目が集まろう。原油価格の動向をみる上でイラン核協議にも注意したい。 <向こう 3 ヵ月の主な注目スケジュール①> (出所:各種報道等をもとにSMBC日興証券作成。特に断りがない限り日本。スケジュールは予告なしに変更されることがあります) 溝渕 彩乃 2 月 月内 1日 ・愛知県知事選挙 ・ 2日 ・米国大統領予算教書発表 4日 ・アジア風力発電博覧会2015(~6日、韓国・済州) ・14年度補正予算が成立( 上旬) ・SEMICON Korea 2015(~6日、韓国・ソウル) ・軽減税率を議論する検討委員会初会合(上旬) 9日 ・ ・安保関連法案に関する与党協議 ・TPP日米閣僚協議で大筋合意(?) ・アフリカ鉱業投資会議(~12日、南ア・ケープタウン) ・ 英ウィリアム王子が初来日(下旬) 11日 ・日本市場休場(建国記念の日) ・ 米国大統領経済報告書発表 12日 ・15年度予算案提出(?) ・ イエレンFRB議長による半期議会証言 ・日露次官級協議(ロシア・モスクワ) ・欧州連合(EU)首脳会議 16日 ・米国市場休場(大統領の日) 17日 ・日銀金融政策決定会合( ~18日) ・アフリカエネルギー会議(南ア・ヨハネスブルク) 18日 ・対テロ首脳級会議(米国・ワシントン) 19日 ・ 25日 ・ 26日 ・IETF(~28日、インド国際産業&技術フェア) ・エクスポ・パキスタン(~3月1日) 3 月 月内 1日 ・民主党大会 ・農協改革関連法案提出 ・ 常磐自動車道が全面開通 ・ 国土交通省が公示地価を公表 ・ プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁が退任 ・ ・ ・15年度予算成立( 4月にずれ込む可能性も) 5日 ・ECB( 欧州中央銀行) 理事会 ・春闘の大企業集中回答日( 中旬) ・全国人民代表大会(中国、~中旬) ・ メルケル首相が訪日(上旬?) 7日 ・ ・米国で大統領貿易促進権限(TPA)法案が成立(?) ・イスラエルのネタニヤフ首相訪米、米議会で演説 8日 ・自民党定期大会 ・ ・ 14日 ・北陸新幹線の長野~金沢間が開業 ・JR東日本、東北縦貫線「上野東京ライン」開業 20ヵ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議(トルコ・ イスタンブール、~10日) 中国春節( 中国の旧正月、休みは18~24日の予 定) 首都高速道路の中央環状線(大橋ジャンクション-大井 ジャンクション)開通 カジノを含めた統合型リゾートの整備を政府に促す法 案( IR推進法案)を国会へ再提出 米東部夏時間開始(3月第2日曜日午前2時から11月第1 日曜日午前2時までの期間) イラン核協議の最終合意の骨格となる原則のとりま とめ 東京五輪・パラリンピックの大会組織委員会が開催基本計 画を策定し、オリンピック委員会(IOC)に提出 欧州委員会がEUの財政赤字制限に抵触するリスクのある フランス・イタリア・ベルギーに対し制裁を科すかどうかを判 断 水素・燃料電池展「FC EXPO2015」(~27日、東京ビック サイト) 12/162015 年 1 月 29 日(木) 投資情報室 Weekly Outlook No.190
本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。 <向こう 3 ヵ月の主な注目スケジュール②> (出所:各種報道等をもとにSMBC日興証券作成。特に断りがない限り日本。スケジュールは予告なしに変更されることがあります) 3 月 月内 15日 ・ 米国の法定債務上限適用停止終了 16日 ・ 日銀金融政策決定会合( ~17日) 17日 ・FOMC( 米連邦公開市場委員会、~18日) ・ イス ラエル総選挙 19日 ・フィッシャー・ダラス連銀総裁が退任 ・欧州連合(EU)首脳会議(~20日) 22日 ・ ス ウェーデン総選挙 26日 ・IDB(米州開発銀行)年次総会(~29日、韓国・釜山) 31日 ・ ・ヤマト運輸がメール便廃止 4 月 月内 1日 ・法人課税の実効税率引き下げ ・介護報酬改定 ・ ・ ・会社法改正、社外取締役の導入促す ・ ・「子ども・子育て支援新制度」開始 ・軽自動車税引き上げ ・ 2015年3月期決算発表(下旬~) ・ニューヨーク国際自動車ショー(一般公開は3~12日) ・関西電力、高浜1・2号機の運転延長を申請 ・マレーシアで、物品・サービス税(GST)を導入 ・九州電力川内原発再稼働(4月以降) 3日 ・米国市場休場(聖金曜日) ・安倍首相訪米、日米首脳会談(調整中) 7日 ・ 日銀金融政策決定会合( ~8日) ・ 12日 ・ 15日 ・ECB( 欧州中央銀行) 理事会 17日 ・国際通貨金融委員会(~18日、米国・ワシントンD.C.) ・IMF・ 世銀春季総会( ~19日、米国・ ワシントンD.C.) 19日 ・フィンランド総選挙 26日 ・ 28日 ・FOMC( 米連邦公開市場委員会、~29日) 29日 ・日本市場休場(昭和の日) 30日 ・ 日銀金融政策決定会合( 展望レポート公表) 統一地方選投開票( 政令市以外の市区町村の首 長・ 議員選) 統一地方選投開票( 道県知事選、道府県議選、政 令市長、市議選) オバマ大統領とカストロ国家評議会議長による首脳会談 (?) 近畿日本鉄道を中心とした持ち株会社「近鉄グループ ホールディングス」が発足 全国で電気の過不足をチェックする「広域的運営推進機 関」発足 デジアナ変換サービス・地デジ難視聴対策衛星放送終 了 IMF(国際通貨基金)が世界経済見通し(World Economic Outlook)を発表 13/16
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10.来週・再来週の主なスケジュール
<来週のスケジュール> (注:発表日は現地時間。市場予想と実績は2015 年 1 月 29 日 12 時時点の Bloomberg の値を表示。スケジュールは予告なしに変更されることがあります。) (出所:Bloomberg および各種報道などよりSMBC日興証券作成) 発表日 国・ 地域 市場予想 前月・ 前期・ 前年 1月 新車販売台数(除く軽自動車、前年比) - ▲8.8% - TPP日米重要農産品関税事務レベル協議(米国・ワシントン) - - 12月 個人所得(前月比) 0.2% 0.4% 12月 PCEコア・ デフレータ ( 食品・ エ ネルギ ーを除く 個人消費デフレータ、 前年比) 1.3% 1.4% 12月 個人支出(前月比) ▲0.3% 0.6% 1月 ISM製造業景況指数 55.0 55.5 - 大統領予算教書発表 - - ユーロ圏 1月 製造業PMI(確報、前回値は速報値) - 51.0 英国 1月 製造業PMI - 52.5 中国 1月 HSBC製造業PMI( 確報、前回値は速報値) 49.8 49.8 12月 貿易収支 2.10億ドル ▲4.26億ドル 1月 消費者物価指数(前年比) 7.51% 8.36% タイ 1月 消費者物価指数(前年比) - 0.60% 12月 製造業受注(前月比) ▲2.0% ▲0.7% 1月 自動車販売台数(年換算) 1,685万台 1,680万台 12月 貿易収支 8.75億豪ドル ▲9.25億豪ドル - 政策金利 2.50% 2.50% - 政策金利 (レポレート) 7.75% 7.75% - (リバースレポレート) 6.75% 6.75% トルコ 1月 消費者物価指数(前年比) 6.76% 8.17% ブラジル 12月 鉱工業生産(前月比) - ▲0.7% 日本 12月 毎月勤労統計-現金給与総額(前年比) - 0.1% 1月 ADP雇用統計( 前月比) 22.0万 人 24.1万 人 1月 ISM非製造業景況指数(総合) 56.5 56.2 12月 小売売上高(前月比) - 0.6% 1月 サービス業PMI(確報、前回値は速報値) - 52.3 10-12月期 失業率 5.3% 5.4% 10-12月期 就業者数(前期比) 0.8% 0.8% トルコ - 金融政策決定会合(?) - - 米国 12月 貿易収支 ▲383億ドル ▲390億ドル 1月 ハリファックス住宅価格指数(前月比、発表日未定、~10日) - 0.9% - MPC(金融政策委員会) - - - 政策金利 0.50% 0.50% 豪州 12月 小売売上高(前月比) 0.4% 0.1% 10-12月期 実質GDP( 前年比) 4.95% 5.01% 2014年 実質GDP( 前年比) 5.0% 5.8% フィリピン 1月 消費者物価指数(前年比) - 2.7% ロシア 1月 消費者物価指数(前年比、発表日未定、~6日) - 11.4% 12月 景気一致CI指数(速報) - 109.2 12月 景気先行CI指数( 速報) - 103.9 1月 民間部門雇用者数( 前月比) 22.0万 人 24.0万 人 1月 非農業部門雇用者数( 前月比) 23.1万 人 25.2万 人 1月 失業率 5.6% 5.6% 独 12月 鉱工業生産(前月比) - ▲0.1% ブラジル 1月 IPCA(拡大消費者物価指数、前年比) - 6.41% 2月 7日 (土 ) 1月 貿易収支 - 496.1億 ド ル 1月 輸出( 前年比) - 9.7% 1月 輸入( 前年比) - ▲2.4% 2月 8日 (日 ) 2月 6日 (金 ) 2月 5日 (木 ) 2月 3日 (火 ) 2月 2日 (月 ) 2月 4日 (水 ) 中国 インドネシア 米国 豪州 インド 米国 ユーロ圏 NZ 米国 米国 英国 インドネシア 日本 日本 14/16本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。 2015 年 1 月 29 日(木) 投資情報室
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(注:発表日は現地時間。市場予想と実績は2015 年 1 月 29 日 12 時時点の Bloomberg の値を表示。スケジュールは予告なしに変更されることがあります。) (出所:Bloomberg および各種報道などよりSMBC日興証券作成) <再来週のスケジュール> 発表日 国・ 地域 市場予想 前月・ 前期・ 前年 12月 経常収支( 季調済) - 9,145億 円 1月 景気ウォッチャー調査-現状判断DI - 45.2 1月 景気ウォッ チャー調査-先行き判断DI - 46.7 12月 輸出(前月比) - ▲1.9% 12月 輸入(前月比) - 1.6% 12月 貿易収支 - 179億ユーロ インド 10-12月期 実質GDP( 前年比) - 5.3% メキシコ 1月 消費者物価指数(前年比) - 4.1% 1月 新規銀行融資( 発表日未定、 ~15日) - 6,973億 元 1月 マネーサプライM2(前年比、発表日未定、~15日) - 12.2% 1月 消費者物価指数( 前年比) - 1.5% 日本 - 休場(建国記念の日) - - トルコ 12月 経常収支 - ▲56.4億ドル ブラジル 12月 小売売上高指数(前月比) - 0.9% 12月 機械受注( 船舶・ 電力除く 民需、 前月比) - 1.3% - 15年度予算案提出(?) - - - 日露次官級協議(ロシア・モスクワ) - - 1月 小売売上高( 前月比) - ▲0.9% 1月 小売売上高( 除自動車、 前月比) - ▲1.0% 12月 鉱工業生産(前月比) - 0.2% - 欧州連合(EU)首脳会議 - - 英国 - インフレ報告 - - 1月 新規雇用者数(前月比) - 37,400人 1月 失業率 - 6.1% 12月 鉱工業生産(前年比) - 3.8% 1月 消費者物価指数(前年比) - 5.00% マレーシア 10-12月期 実質GDP(前年比) - 5.6% フィリピン - 政策金利 - 4.00% ブラジル 12月 経済活動指数(前月比) - 0.04% 10-12月期 実質GDP( 前期比、 速報) - 0.2% 12月 貿易収支(季調済) - 200億ユーロ 独 10-12月期 実質GDP(前期比、速報) - 0.1% 2月 14日 (土 ) 2月 15日 (日 ) 2月 13日 (金 ) 2月 12日 (木 ) インド ユーロ圏 2月 9日 (月 ) 日本 独 中国 米国 豪州 2月 10日 (火 ) ユーロ圏 2月 11日 (水 ) 日本 15/16
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