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確定申告が必要なケース

(平成23年分の所得税の確定申告) [1]株式等の譲渡益に係る申告 ① 一般口座で株式等の取引を行った場合 一般口座で譲渡所得等が生じ、所得控 除後も課税譲渡所得等の金額がある場合 には、原則として、確定申告を行う必要 があります。「株式等に係る譲渡所得等 の金額の計算明細書」を記入し、確定申 告書に添付します。 ② 特定口座を利用したケース 爬 特定口座で源泉徴収選択口座を選 択していないケース 特定口座を利用している場合で も、源泉徴収選択口座を選択してい ないケース(簡易申告口座)では一 般口座で取引を行ったケースと同様 に確定申告が必要となります。この 場合は、特定口座取引分については、 証券会社から送られてくる「特定口 座年間取引報告書」を「株式等に係 る譲渡所得等の金額の計算明細書」 に代えて、確定申告書に添付して申 告を行うことができます。特定口座 での売却損を上場株式等の配当所得 と通算したり、売却損益を他の口座 の売却損益と通算したり、さらに翌 年以降に売却損を繰越控除する場合 には確定申告が必要です。 爰 特定口座で源泉徴収選択口座を選 択したケース 特定口座で源泉徴収選択口座を選 択したケースでは、原則としては確 定申告の必要はありません。この口 座内での取引については証券会社等 が税額を計算し、徴収・納付してく れるからです。 ただし、源泉徴収選択口座であっ ても、次のように複数の口座で取引 がある場合には、確定申告を行うこ とができます。 ・特定口座以外に一般口座でも取引 を行っていて、両口座間で損益通 算を行いたいとき ・複数開設している特定口座のうち 年間取引の損益が赤字(マイナス) となる特定口座があって、他の特 定口座と損益通算を行いたい場合 なお、次の場合は特定口座内では 対応できないため、源泉徴収選択口 座を利用している場合でも確定申告 が必要となります。 ■蠢 確 定 申 告 ︵ 証 券 投 資 関 連 ︶ 巻末 付録 巻末 付録

確定申告(証券投資関連)

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■蠢 確 定 申 告 ︵ 証 券 投 資 関 連 ︶ 巻末 付録 巻末 付録 ・特定口座での年間取引の損益がマ イナスとなり、翌年以降に損失の 繰越しを行う場合 ・繰越された上場株式等の譲渡損失 を特定口座内の譲渡益等と通算す る場合など [2]配当に係る確定申告 上場株式等の配当(公募株式投資信託の 収益分配金〈平成16年1月1日以後に支払い を受けるもの〉を含みます)については、 申告不要制度を選択した場合には、源泉 徴収のみで確定申告の必要はありません。 ただし、総合課税を選択した場合や申 告分離課税を選択して、上場株式等の譲 渡損失との損益通算を行う場合、また未 公開株式等の配当を受け取った場合に は、確定申告が必要です(ただし、所得 税については1回当たり10万円に配当の計算 期間月数を乗じてこれを12で除した金額以下 の配当を受け取った場合には、申告不要)。

一般口座での株式等の譲渡につ

いて確定申告をする場合

・株式等の譲渡所得等の申告をする場 合には、確定申告書の「申告書B」 を使用します。 ・「確定申告書B」の「第1表」、「第 2表」および「第3表(分離課税用)」 に記入して提出する必要があります。 確定申告書 確定申告書にはAと Bがあり、「申告書A」は申告す る所得が「給与所得」「配当所得」 「一時所得」「雑所得」のみの人が 使用します。それ以外の人は「申 告書B」を使用することになりま す。さらに、「申告書A」、「申告 書B」以外に、分離課税の所得が ある人の申告に「分離課税用」と 損失を申告する人の「損失申告用」 があります。これらの申告書は税 務署で配布しています。 ・株式等の譲渡所得等の金額は、税務 署に用意されている「株式等に係る 譲渡所得等の金額の計算明細書」に 譲渡金額や取得価額等を記入するこ とにより計算できるようになってい ます。 納税者は、この「株式等に係る譲 渡所得等の金額の計算明細書」で計 算した株式等の譲渡所得等の金額を 確定申告書の必要欄に転記し、その 「株式等に係る譲渡所得等の金額の 計算明細書」を確定申告書に添付し た上で提出することになります。

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Q & A 巻末 付録 巻末 付録 私は専業主婦ですが、本年、公募株式 投資信託の収益分配金を30万円受け取り ました。これ以外に他の収入は一切あり ません。分配金受取時に3万円の税金が 源泉徴収されています。確定申告の必要 はありますか? 確定申告をする必要はありません が、確定申告をすることにより分 配金受取時に源泉徴収された税金が還付 されます。 (所得税の計算) 配当所得(分配金) 30万円 所得控除(基礎控除) ▲38万円 課税総所得金額 0万円 所得税額 0万円 源泉徴収税額 2.1万円 差引税額 ▲2.1万円 還付される所得税 ※原則として住民税も同様の計算になります(基礎控除は33万円です)。 ①公募株式投資信託の収益分配金は、受け取った金額の多寡にかかわらず、申告不要の特例 により確定申告は不要となります。 ②ただし、確定申告をすることもできます。確定申告をした場合には、配当所得として原則総 合課税の方法(申告分離課税も選択可)により税金が計算されます。 ③所得税の計算においては、誰でも38万円の所得控除(基礎控除)があります。 ④よって、確定申告を行うことにより、分配金受取時に源泉徴収された税金が精算されます。 ⑤確定申告をした場合には「合計所得金額」に含まれますので、このケースでは38万円以上 の配当を申告すると夫の所得の金額の計算上配偶者控除等の所得控除等が適用できなくな りますので注意が必要です。 解説

Q

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株式投資信託の換金と

確定申告

Q

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■蠡 非 課 税 貯 蓄 制 度 巻末 付録 巻末 付録

財形(住宅・年金)貯蓄の非課

税制度

[1]財形貯蓄の非課税制度 財形貯蓄は、勤労者財産形成促進法に 基づいた「勤労者財産形成貯蓄(一般財 形貯蓄)」、「勤労者財産形成住宅貯蓄(財 形住宅貯蓄)」、「勤労者財産形成年金貯蓄 (財形年金貯蓄)」の3制度からなってい ますが、税務上の取扱いは、その利子等 について非課税扱いを受けられるのは、 財形住宅貯蓄と財形年金貯蓄に限られ、 一般財形貯蓄については適用されませ ん。 ① 一般財形貯蓄の利子等 一般財形貯蓄の利子、収益分配金等に ついては、一般の預貯金の利子や公社債 投資信託の収益分配金と同様に、一律 20%(所得税15%、住民税5%)の源泉分 離課税が適用され、非課税措置はありま せん。 ② 財形住宅貯蓄 一定要件を満たす財形住宅貯蓄につい ては、所定の手続き(非課税貯蓄申告書の提 出等)をすることを要件として、財形年 金貯蓄と併せて、1人当たり元利合計550 万円までの利子等について非課税の適用 を受けることができます。この制度を利 用するためには、次の要件が必要です。 爬 非課税貯蓄の対象となる「勤労者 財産形成貯蓄契約」を締結すること なお、契約は、複数の契約をする ことはできず、1人1契約(1金融 機関)に限られます。 爰 非課税の対象となる貯蓄の種類 証券会社(公社債投資信託、一部の 株式投資信託(安定収益の確保を目的 とし、安定運用を行うことが信託約款 に記載されているもの)、国債等の商 品)のほか、銀行、信託会社、信用 金庫、労働金庫、郵便局等を相手方 とする預貯金、合同運用信託などが あります。 爲 非課税の手続き まず、財産形成非課税住宅貯蓄申 告書および財産形成非課税住宅貯蓄 申込書を提出します。これらの書類 には、非課税の適用を受けようとす る最高限度額を記載し、事業主へ提 出します。

非課税貯蓄制度

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■蠡 非 課 税 貯 蓄 制 度 巻末 付録 巻末 付録 この非課税限度額を超えた貯蓄に ついては、以後の利子等は全額課税 扱いとされますが、貯蓄は継続でき ます。 爻 目的外払出し等があった場合の取 戻し課税 財形住宅貯蓄について、目的外の 払出しや中途解約があった場合に は、その払出し日から過去5年以内 に支払われた利子および収益分配金 については、20%(所得税15%、住民 税5%)の税率による源泉分離課税 が行われます。 ③ 財形年金貯蓄 一定要件を満たす財形年金貯蓄につい ては、所定の手続き(非課税貯蓄申告書の 提出等)をすることを要件として、財形 住宅貯蓄と併せて、1人当たり元利合計 550万円まで(郵便貯金、生命保険・損害 保険の保険料、生命共済の共済掛金、郵便年 金の掛け金等に係るものにあっては385万円) の利子等について、非課税の適用を受け ることができます。 適用にあたっては、次の要件を備えて いる貯蓄をいいます。ただし、1人1契 約に限ります。 爬 金融機関等を預入先とする場合 e 契約時において55歳未満であっ て、かつ、その事業主に「給与所 得者の扶養控除等申告書」を提出 していること [ 5年以上の期間継続して定期的 に積立てを行うものであること、 また積立期間と年金支払期間の間 に5年以内の据置期間を設けるこ とができること f 年金の支払いは、契約者が60歳 に達した日以降の契約所定の期間 から5年以上20年以下の期間にわ たって行われること i その契約に基づく預貯金やその 利子については、その支払いは、 上記fの年金のほか、その勤労者 が死亡した場合(重度障害の状態 となった場合を含みます)、および 継続預入等で一定要件を満たす場 合に限り、これら以外の払出し、 譲渡または償還をしないこととさ れていること - 金銭の払込みは、給与からの天 引きで行われるものとすること 爰 生命保険会社等を預入先とする場 上記爬のe、[、f、iに相当す る要件(f の20年以下の要件はありま せん)のほか、次の要件を満たすこと e 契約に基づく保険金等の支払い

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■蠡 非 課 税 貯 蓄 制 度 巻末 付録 巻末 付録 は、前記爬fによる年金のほかは、 年金支払開始日前にその人が死亡 した場合に限り行われ、その場合 の額は一定額以下であること [ 被保険者と、年金の受取人が同 一人であること f 契約に基づく剰余金の分配、ま たは割戻金の割戻しは、利差益に 係る部分に限り行われること なお、財形年金貯蓄の利子等につ いては、前記の契約要件を満たして いれば、退職後であっても年金とし て支払われる期間について非課税と されます。 爲 非課税の手続き 「財産形成非課税年金貯蓄申告書」 を勤務先と金融機関等の店舗を経由 して納税地の所轄税務署に提出し、 預入れに際しては「財産形成非課税 年金貯蓄申込書」を勤務先を経由し て金融機関等の店舗宛に提出しなけ ればなりません。 なお、非課税限度額を超過した貯 蓄(保険を除きます)は、以後の利 子等が全額課税扱いとなりますが、 継続することはできます。 爻 目的外払出し等があった場合の取 戻し課税 財形年金貯蓄を目的以外に払い出し た場合など要件違反に該当した事実が あったときは、その事実が生じた日か ら過去5年以内に支払われた利子、収 益分配金および差益に相当する額につ いて、20%(所得税15%、住民税5%) による源泉分離課税が適用されます。

障害者等の少額貯蓄非課税制度

(マル優制度)

従来の「老人等の少額貯蓄非課税制度」 は、平成14年度の税制改正により、平成 15年から3年間の経過措置を経て「障害 者等の少額貯蓄非課税制度」に移行しま した。 ① 制度のあらまし 「障害者等の少額貯蓄非課税制度」は、 国内に住所を有する個人で、次の人たち (以下「障害者等」といいます)を適用対 象者とする制度です。 ⃝衢 身体障害者手帳の交付を受けてい る人 ⃝衫 遺族基礎年金受給者である被保険 者の妻である人 ⃝袁 寡婦年金受給者 等 この制度は、平成18年1月1日以後に 障害者等が支払いを受けるべき利子等に ついて適用されています。なお、現在の 制度に移行する前の「老人等の少額貯蓄

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■蠡 非 課 税 貯 蓄 制 度 巻末 付録 巻末 付録 非課税制度」の適用対象であった預貯金 等については、平成18年1月1日以後に 支払いを受けるべき利子等のうちに、そ の利子等の計算期間の初日から平成17年 12月31日までの間に対応する部分に係る 利子等については、改正前の制度が適用 され、非課税とされます。 なお、平成16年1月1日以後に購入 (追加購入を含みます)された公募の国内 株式投資信託については、この非課税制 度の対象から除外されました。 ② 「老人等の少額貯蓄非課税制度」の 適用関係 平成15年1月1日から平成17年12月31 日までの間は、次のような経過措置が設 けられていました。 爬 老人等の郵便貯金の利子所得の非 課税制度の適用関係 老人(年齢が65歳以上である人)等 に該当する人であっても、平成15年 1月1日において非課税郵便貯金申 込書を提出して預入れをした郵便貯 金を有していない人は、平成15年1 月1日以後に預入れする郵便貯金に 貯蓄者の区分 老人に該当する人 障害者等に該当する 人 老人に該当する 人として非課税 貯蓄申告書等を 提出している人 申告書の提出可 障害者等の申告書の提出可 新制度への移行のための手続きは不要 障害者等の申告書の提出可 障害者等の確認を受け新制度への移行可 〈注〉網掛けは非課税適用部分を示し、    は旧制度適用、    は新制度適用です。 申告書の提出不可 利子の計算期間 (障害者等に該当する 人を除きます) (年月日) 平成15年1月1日 平成18年1月1日 (非課税) (課税) 【 参考】「障害者等の少額貯蓄非課税制度」への移行のための経過措置

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■蠡 非 課 税 貯 蓄 制 度 巻末 付録 巻末 付録 ついては非課税の適用を受けること はできません。 爰 老人等の少額預金の利子所得等の 非課税制度と老人等の少額公債の利 子の非課税制度の適用関係 老人等に該当する人であっても、 平成15年1月1日以後においては非 課税貯蓄申告書等を提出することは できないこととされています。 爲 障害者に該当する人で、老人とし て非課税貯蓄申告書を提出している 人の非課税制度の適用関係 障害者等確認申請書を金融機関、 証券会社等に提出して確認を受ける ことにより引き続き非課税の適用が 受けられます。 [1]障害者等の少額預金の利子所得等 の非課税制度 ① 制度の内容 次の3種類の貯蓄を合計し、1人当 たり元本350万円までの利子・収益分 配金について非課税となります。 ⃝衢 一定の有価証券 ⃝衫 預貯金(郵便貯金および当座預金を 除きます) ⃝袁 合同運用信託 ⃝衾 特定公募公社債等運用投資信託 ② 貯蓄の受入機関 証券会社・銀行・信託銀行・信用金 庫・信金中央金庫・労働金庫・労働金庫 連合会・信用協同組合・信用協同組合連 合会・農林中央金庫・商工組合中央金 庫・農業協同組合・農業協同組合連合 会・漁業協同組合・漁業協同組合連合 会・水産加工業協同組合・水産加工業協 同組合連合会等 ③ 制度を利用する際の手続き 証券会社等の受入機関で初めてこの制 度を利用する場合には、「非課税貯蓄申 告書」に必要事項を記入し、その支店を 経由し税務署に提出します。この場合、 一定の確認書類(次ページの表を参照)を 提示して「障害者等に該当する旨」およ び「氏名・生年月日・住所」を告知しな ければなりません。 その後、設定した非課税限度額内で債 券等を購入する都度、証券会社の支店等 に「非課税貯蓄申込書」を提出し、かつ、 前記と同様の確認書類の提示と告知が必 要です。

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■蠡 非 課 税 貯 蓄 制 度 巻末 付録 巻末 付録 [2]障害者等の少額公債の利子の特別 非課税制度(特別マル優制度) ① 制度の内容 この制度は、前記[1]障害者等の少 額預金の利子所得等の非課税制度とは別 枠で、国債および公募地方債の個人消化 を促進するために設けられたものであ り、1人当たり元本350万円までの利子 が非課税とされる制度です。 この非課税の対象となる公債は、本邦 通貨で表示され、かつ、国内において発 行された国債および公募地方債に限られ ます。 なお、公募地方債については、その地 方債の発行に際して、契約により証券会 社がその募集の取扱いをするものをい い、それ以外の地方債は、特別マル優制 度の対象とはされません。 ただし、一般のマル優制度では、地方 債であればすべて非課税の対象とされま す。 ② 制度を利用する際の手続き 最初にこの特別マル優制度を利用しよ うとする際には、「特別非課税貯蓄申告 書」に住所・氏名・生年月日、その証券 会社等の支店で利用しようとする非課税 貯蓄の限度額等を記入して、一般のマル 優制度の場合と同様に、一定の確認書類 を提示し、確認を受けて、取扱いをする 証券会社等を経由して納税地の所轄税務 署長に提出し、初回は、この申告書と 「特別非課税貯蓄申込書」を同時に提出 することが必要です。 なお、購入した国債および公募地方債 は、直ちに購入した証券会社あるいは支 払利子を受け取る証券会社または銀行等 に保管を委託するか、登録しなければな りません。 蘆障害者等の範囲と確認書類 対 象 者 確 認 書 類 手帳・証書等 手帳・証書等と住民票の写し 証書等および妻(母)であることを 証する書類 証書等および妻(母)であることを 証する書類ならびに住民票の写し等 障 害 者 その他の人 手帳・証書等に住所・氏名・生年月日の記載がある場合 手帳・証書等に住所・氏名・生年月日の記載がない場合 証書等または妻(母)であることを証する書類に住所・氏名・生年月日の 記載がある場合 証書等または妻(母)であることを証する書類に住所・氏名・生年月日の 記載がない場合 備     考

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■蠱 金 融 派 生 商 品 と 税 金 巻末 付録 巻末 付録 [1]金融派生商品(デリバティブ)の 基礎知識 代表的な金融派生商品としては、 ① 先物取引 ② オプション取引 ③ スワップ取引 等があります。 ①の先物取引とは、将来の価格を予想 し、前もって決めておいた価格で取引す るもので、その対象は貴金属や穀物等の 商品価格から始まり、現在では、金利、 通貨、株式、債券等へと広がっています。 ②のオプション取引とは、通貨や債券 等を一定価格で売買する権利の取引で、 日経平均株価オプションのように取引所 に上場している一般的な商品もあれば、 相対で取引する店頭オプションもありま す。 ③のスワップ取引とは、通貨、金利、 商品等を交換する取引で、現在では、債 券や株式の指数を対象にしたインデック ス・スワップ、株価上昇率を交換条件に 組み入れたエクイティ・スワップが行わ れ、さらに、スワップとオプションを組 み合わせたスワップションでも行われて います。 [2]先物取引・オプション取引と税金 ① 先物取引の種類 現在、国内の取引所を介して行われて いる先物取引で代表的なものは、次のと おりです。 爬 有価証券先物取引等(証券取引所) e 有価証券先物取引(債券先物取引) 国債先物〈東証〉 [ 有価証券指数等先物取引 東証株価指数(TOPIX)先物〈東 証〉、日経平均株価(日経225)先物 〈大証〉、日経株価指数300(日経300) 先物〈大証〉、S&P/TOPIX 150先物 〈東証〉 f 有価証券オプション取引 TOPIXオプション取引〈東証〉、 日経225オプション取引〈大証〉、日 経300オプション取引〈大証〉、個別 株オプション取引〈東証・大証〉、債 券 先 物 オ プ シ ョ ン 取 引〈 東 証 〉、 S&P/TOPIX 150オプション取引〈東 証〉 爰 金融先物取引(金融先物取引所) 通貨、金利、金融指標等 爲 商品先物取引(商品取引所) 金(Gold)、銀、白金、ゴム、大

金融派生商品と税金

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■蠱 金 融 派 生 商 品 と 税 金 巻末 付録 巻末 付録 豆、コーヒー豆等 ② 有価証券先物取引(債券先物取引) と税金 爬 売買の対象 国債先物等の証券先物取引は、株 式と同様に証券会社が顧客の注文を 受け、それを証券取引所に取り次い で執行します。 売買の対象となるのは「標準物」 と呼ばれる〈架空の国債〉です。債 券先物取引では、現存する多数の国 債の中の1つを先物として売買する のではなく、架空の債券を1つの指 標として取引の対象とします。 この場合の決済は、反対売買によ る差金決済と、現物(現存する国債 と「標準物」を一定比率で交換)によ る受渡決済があります。 爰 売買損益の計算と課税方法 有価証券先物取引の売買損益は、 買建て(または売建て)したその建 玉ごとに個別に計算されます。 売買損益の計算に際しては、委託 手数料は必要経費になりますが、他 の現物の有価証券との損益通算はで きません。 先物取引では、買付けしたものを 転売したり、売付けしたものを買戻 しすることができ、その売買差額だ けを差金決済することができます。 平成15年度税制改正において、平 成15年1月1日以後の商品先物取引 の差金等決済に係る事業所得または 雑所得については、20%(所得税15%、 住民税5%)の税率で申告分離課税 によることとなりました。 さらに、平成16年1月1日以後は、 有価証券先物取引、有価証券指数等 先物取引、有価証券オプション取引 の差金等決済に係る課税は、商品先 物取引と合体されて「先物取引に係 る雑所得等」となり、申告分離課税 が適用されることとなりました。 有価証券先物取引等で損失が生じ た場合には、雑所得(または事業所 得)の損失として扱われます。なお、 先物取引の差金等決済に係る事業所 得、または雑所得の金額の計算上生 じた損失の金額があるときは、その 年の翌年以後3年内の各年分の先物 取引に係る雑所得等の金額から控除 することができる繰越控除制度が創 設されました。 この繰越控除制度は、商品先物取 引の差金等決済に係る損失の繰越控 除については、平成15年分以後の所 得税について適用され、有価証券先

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■蠱 金 融 派 生 商 品 と 税 金 巻末 付録 巻末 付録 物取引等の差金等決済に係る損失の繰 越控除については、平成16年分以後の 所得税について適用されています。 ③ 有価証券指数先物取引と税金 有価証券指数先物取引とは、東証株価 指数(TOPIX)先物取引、日経平均株価 (日経225)先物取引、日経株価指数300 (日経300)先物取引、東証業種別株価指 数先物取引、S&P TOPIX150などのこ とですが、株価や株価指数は抽象的な数 値であり、現物の有価証券が存在しませ んので、転売、買戻しや最終決済はすべ て差金決済となります。 この取引における売買益の扱い、損 益の計算や課税方法および損益通算に ついては、前述「②有価証券先物取引 (債券先物取引)と税金」の扱いと同じ です。 ④ 有価証券オプション取引と税金 爬 オプション取引 オプションとは、「予め定められ た期日(満期日)までに、予め定め られた価格(権利行使価格)で、も ととなる商品(基礎商品=株価指数、 通貨、債券等)を売買する権利」の ことをいいます。 この場合、 ・買い付ける権利=コール・オプシ ョン ・売り付ける権利=プット・オプシ ョン ・予め定められた価格=権利行使価格 ・予め定められた期日=満期日とな ります。 蘆オプション取引の仕組み オプション 取 引 売 り 方 買 い 方 売 り 方 コ ー ル ・ オプション 取 引 プ ッ ト ・ オプション 取 引 買 い 方 [買い付ける権利]を取得し、その対価(プレミアム) を売り方に支払う。 …… …… …… …… [売り付ける権利]を取得し、その対価(プレミアム) を売り方に支払う。 プレミアムを受け取る代わりに、買い方の請求(権利 行使)があれば、基礎商品を権利行使価格で売り渡さ なければならない。 プレミアムを受け取る代わりに、買い方の請求(権利 行使)があれば、基礎商品を権利行使価格で買い向か わなければならない。

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■蠱 金 融 派 生 商 品 と 税 金 巻末 付録 巻末 付録 爰 有価証券オプション取引と税金 有価証券オプション取引による利 益は、その個人がオプション取引を 営業として行っていると認定される 場合(事業所得)以外は、雑所得と して扱われますので、一般投資家の 場合は、大部分が雑所得です。 有価証券オプション取引による損 益は、株式等の現物取引によって生 じた損益と通算することはできず、 「先物取引に係る雑所得等」のなか でのみ通算されます。 有価証券オプション取引における 課税方法は、前述の「②有価証券先 物取引(債券先物取引)と税金」(142 ページ参照)と同じ扱いです。 ちなみに、株券(個別株)オプショ ン取引の損益についての所得税法上 の取扱いの概要は下表のとおりです。 〈注1〉金融先物取引(141ページ参照)も平成 17年7月以後は「先物取引に係る雑所得等」 として申告分離課税の対象とされました。 〈注2〉平成22年1月1日以後に行う上場カバー ドワラント(金融商品取引所に上場されて いるカバードワラントをいいます。)に表示 される権利の行使若しくは放棄又は上場カ バードワラントの一定の譲渡も「先物取引 に係る雑所得等」として申告分離課税の対 象とされます。 〈注3〉上場FX(=外国為替保証金取引)は既 に「先物取引等に係る雑所得等」として申 告分離課税の対象とされていますが、平成 24年1月1日以後に行う店頭FX等の利益 についても「先物取引に係る雑所得等」と して申告分離課税の対象とされます(20ペ ージ参照)。 蘆株券オプション取引の損益についての所得税の取扱い 〈注1〉当初買付け時の支払いオプション料は所得から控除し、当初売付け時の受取オプション料は所得に加算し ます。株式等の譲渡所得等との通算はできません。損失は有価証券先物取引や商品先物取引の雑所得内での み控除できます。 〈注2〉権利行使により取得した株式を譲渡した場合は、株式の譲渡益として課税されます。その際、支払オプシ ョン料は、株式の取得費として取り扱われます。 〈注3〉反対売買時には先物取引に関する調書が提出されます。 区 分 コール・ オプション 買い方 課税関係は発生しな い(オプション料は 損益として認識され ない) 非課税〈注2〉 支 払 オ プ シ ョ ン 料 は 、 申 告 分 離 課 税 に お け る 損 失 と し て取り扱われる 受 取 オ プ シ ョ ン 料 は 雑 所 得 等 と し て 申 告 分 離 課 税 の 対 象となる 支 払 オ プ シ ョ ン 料 は 、 申 告 分 離 課 税 に お け る 損 失 と し て取り扱われる 受 取 オ プ シ ョ ン 料 は 雑 所 得 等 と し て 申 告 分 離 課 税 の 対 象となる 株式の譲渡益として 課税(受取オプショ ン料は株式の譲渡益 に加算する) 株式の譲渡益として 課税(支払オプショ ン料は、株式の譲渡 益から控除する) 非課税〈注2〉 〈注1〉 申告分離課税 売り方 買い方 売り方 プット・ オプション 当初買付け時・売付け時 反対売買〈注3〉 権利行使時 権利放棄

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■蠶 確 定 拠 出 年 金 に つ い て 巻末 付録 巻末 付録 わが国の企業年金制度は、これまでは 国や企業がその資金を運用してきました が、平成13年10月から「確定拠出年金制 度」が導入(個人型は平成14年1月から導 入)され、この制度に加入すると自分で 拠出資金の運用判断を行うことになりま す。 その結果、将来受け取る年金額は、加 入者自身がどのような運用方法を選択す るかによって、大きく異なってきます。 この点が「確定拠出年金制度」の大き な特徴です。 蘆確定拠出年金の概要 ・「企業型」と「個人型」の2つの タイプがあります。 ・加入者は60歳未満の人が対象であ り、専業主婦・公務員は加入でき ません。 ・掛金は加入者の自己責任で運用す ることになります。 ・毎月の掛金には「上限」がありま す。 ・転退職に際しては、積立金の移管 ができます。 ・年金の受取りは原則60歳からでき ます。 ・掛金の拠出の段階、運用段階、年 金の受取段階にそれぞれ優遇税制 が設けられています。 ・加入者への損失補てん、利益供与 などの禁止規定が設けられていま す。 [1]確定拠出年金の概要 ① 「企業型」と「個人型」 確定拠出年金には「企業型」と「個人 型」があります。いずれも60歳未満の人 が加入できますが、サラリーマン家庭の 専業主婦や公務員は加入できません。 爬 「企業型」 勤務先の会社が確定拠出年金制度 の導入を決定し、労使で合意した サラリーマン (国民年金第2号 被保険者) 企業型年金規約 国民年金基金連 合会 企 業 型 個 人 型 自営業者 (国民年金第1号 被保険者) (企業型がある 場合) (企業型がない場合)

確定拠出年金について

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■蠶 確 定 拠 出 年 金 に つ い て 巻末 付録 巻末 付録 「企業型年金規約」に基づき、基本 的にはすべての従業員が企業型年金 に加入します。ただし、特定の従業 員だけ(例えば、新入社員だけを対象 とするなど)に限定される場合もあ ります。 爰 「個人型」 自営業の人とその配偶者が任意で 加入できます(国民年金に加入してい ることが条件です)。また、会社の従業 員で、勤務先の会社が確定拠出年金 制度も既存の企業年金制度も導入し ていない場合(厚生年金基金、適格退 職年金等の対象となっていない場合)に 加入することができます。この場合、 特別の事情がない限り会社は従業員 が「個人型」に加入することを拒む ことはできませんので、希望すれば この制度に加入することができます。 自営業の人等は、掛金を国民年金 基金連合会に直接払い込みますが、 企業の従業員は、企業を通じて給与 天引きで国民年金基金連合会に払い 込みます。 ② 企業型年金の内容 爬 企業型年金への加入 会社の従業員は、企業型年金規約 に基づき加入者となります。加入資 格として他の従業員に比べて不当に 差別的でなければ、会社の状況によ り多様な設計が可能です(労使の合 意が必要です)。一般的に、加入資格 を設定する場合に、資格条件として 次の4つが認められています。 e 一定の職種(総合職、一般職等就 業規則等で定めるもの) [ 一定の勤続年数(例えば、新規 採用の従業員から) f 一定の年齢(合理的理由がある場 合のみ、例えば、50歳以上の人を除 きます) i 希望する者(希望する人のみに適 用し、希望しない人は前払退職金を 利用) 爰 掛金の拠出 毎月支払う掛金は、会社が負担し ます。 会社は、企業型年金規約に基づき 拠出限度額の範囲内で掛金を拠出し ます。 掛金には、次のように「拠出限度 額」があります。従来は従業員は自 分の資金を積み増すことはできませ んでしたが、法律改正により、平成 24年1月1日から一定限度までの従 業員の拠出が解禁されました(149 ページ参照)。

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■蠶 確 定 拠 出 年 金 に つ い て 巻末 付録 巻末 付録 蘆企業型の拠出限度額(平成23年1月1日施行) 爲 運用商品の選択 確定拠出年金では加入者が運用す る金融商品を選ぶことになっていま す。 従業員が金融商品を選ぶにあたっ ては、事前に勤務先の会社自らまた は会社が委託した運営管理機関等か ら金融商品や貯蓄または経済等につ いての教育・情報提供を受けること ができます。このような機会を与え ることは、会社の責任となっていま す。 運営管理機関 確定拠出年金では、 制度の安定性、加入者および企業 の負担と軽減を図るため、運営管 理機関、資産管理機関、指定団体 (国民年金基金連合会)の3つの機 関を制度上の機関として位置づけ て、運営責任を負わせています。 これらのうち、「運営管理機関」 に関しては、事業主、国民年金基 金連合会は、次の「運営管理業務」 を委託することができます。 記録関連業務 ・加入者ごとの持分に係る記録管 理 ・加入者等が行った運用指図の取 りまとめ ・資産管理機関または国民年金基 金連合会への通知 ・給付を受ける権利の裁定 運用関連業務 ・運用方法の選定と加入者への提 示 ・運用方法に係る情報の提供 爻 運用対象の種類と商品タイプ 対象商品は、商品特性(リスク・リ ターン特性)の異なる3種類以上の品 揃えで、そのうち1種は元本確保型商 品であることが必要です。 ・一般の運用資産 [投資信託、会社型投資信託] [外国の公共債] [変額年金保険] ・元本確保型商品 年金の制度 確定拠出年金と既存 の企業年金制度(厚 生年金基金、確定給 付企業年金等)の両 方を導入している会 社の場合 既存の企業年金がな く確定拠出年金制度 のみ導入している場 合 2万5,500円 5万1,000円 30万6,000円 61万2,000円 月 額 年 額

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■蠶 確 定 拠 出 年 金 に つ い て 巻末 付録 巻末 付録 [預貯金、金融債、金銭信託、貸 付信託] [国債、地方債、政府保証債] [利回保証型生命保険、積立傷害 保険、定期年金保険(簡保)] ・その他の運用商品 [個別企業の社債、個別企業の株 式] ③ 個人型年金の内容 爬 個人型年金への加入 個人型は、国民年金法に基づき国 民年金にのみ加入している自営業者 が対象です。「国民年金基金連合会」 が「個人年金規約」を定めてこの制 度を実施することになります。 また、この個人型には、確定拠出 年金制度の企業型を導入しない会社 (企業年金がない)の従業員も加入で きます。 個人型年金に加入できる人は、い ずれも60歳未満の人です。 国民年金基金連合会は、個人型年 金規約を定め、個人型年金制度を実 施します。 自営業者等は、国民年金基金連合 会に申し出て個人型年金の加入者に なります。掛金は、自営業者は直接 国民年金基金連合会に払い込みます が、企業の従業員は会社を通じて給 与の天引きで国民年金基金連合会に 払い込むことになります。 爰 掛金の拠出 個人型年金の加入者は、拠出限度 額の範囲内で自由に掛金額を決定し 拠出します。この場合、国民年金の 保険料滞納期間は、拠出することは できません。 企業の従業員の掛金は、原則とし て会社を通じて拠出され、事業主は これを拒否することができません。 掛金の拠出限度額は、次のように なっています。 爲 運用商品の選択 ・個人型の場合には、まず、加入者 が国民年金基金連合会が選任した 運営管理機関を選定します。 蘆個人型の拠出限度額(平成23年1月1日施行) 年金の制度 国民年金の第1号加 入者(自営業者)の場 合(ただし、国民年金 基金の掛金との合計額 です) 国民年金の第2号加 入者(確定拠出年金制 度や企業年金制度を導 入していない会社の従 業員)の場合 6万8,000円 2万3,000円 月 額 81万6,000円 27万6,000円 年 額

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■蠶 確 定 拠 出 年 金 に つ い て 巻末 付録 巻末 付録 ・次に、その運営管理機関から金融 商品を選ぶ際に必要な情報提供や 教育を受けることになります。 ・その後、運営管理機関が提示する 金融商品の中から運用する商品を 選びます。金融商品には、預貯金、 公社債、投資信託、株式、保険等 があります。 潺 確定拠出年金制度の拡充(確定拠出 年金法等の改正) 確定拠出年金について、事業主拠出額 を限度とし、かつ事業主拠出と合計して 拠出限度額内で行う個人拠出(いわゆる マッチング拠出)が導入されました。ま た、中途引出し要件の緩和措置や資格喪 失年齢の引上げ(企業型確定拠出年金にお いて年金規約で60歳以上65歳未満の年齢を定 めた場合にはその年齢まで加入が可能)が 行われました。 [2]確定拠出年金の税金 ① 確定拠出年金の掛金に対する税金 爬 企業型年金 企業が拠出した金額は、下記の範 囲内で、従業員には所得税が課税さ れませんし、企業では全額損金に算 入され、法人税が課税されません。 また、個人が拠出した金額につい ては、所得控除(小規模企業共済等掛 金控除)の対象とされます。 爰 個人型年金 年間の収入から掛金額が差し引か れて(所得控除=小規模企業共済等掛 金控除)税金が計算されます。 ② 運用時の税金 利子、配当、株式の売却益、収益分配 金等は、内部留保され引き続き運用され ます。したがって、20%の源泉分離課税 等は差し引かれず全額運用されるため、 その効果は大きくなります。 なお、確定拠出年金に係る税制で注意 しなければならないのが特別法人税です。 この特別法人税の課税は、平成26年3月 末までは凍結(停止)されていますが、 確定拠出年金の積立資産に1.173%の税率 で課税するというものです。この法律に より課税されますと、実質的な運用収益 が低下することになります。

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■蠶 確 定 拠 出 年 金 に つ い て 巻末 付録 巻末 付録 ③ 受給時の税金 爬 受給資格が発生した時点で一時金 として受け取る場合 払込期間を勤続年数とみなして受 取一時金から勤続年数に応じた退職 所得控除額を差し引き、以下、退職 所得に対する課税計算と同様に税金 を計算します。なお、退職所得のよ うに源泉分離課税とされます(地方 税の住民税も同様に課税されます)。 ( 例 ) 払 込 期 間34年、一時金として 2,500万円受け取った場合 ・控除額=70万円×(34−20)+800万円 =980万円+800万円 =1,780万円 ・課税所得=(2,500万円−1,780万円) ×1/2=360万円 ・所得税額=360万円×20%−42.75万円 =29.25万円 なお、退職所得は分離課税扱いとなり ます。 爰 年金として受給した場合 雑所得として課税されますが、公 的年金等控除の適用などによる優遇 措置を受けることができます。 爲 脱退一時金 会社員が専業主婦になるなど、こ の制度に加入していることができな くなった人で、加入期間が1か月以 上3年以下または年金資産が50万円 以下の場合には、脱退一時金を受け ることができます。この場合は所得 税が課税されます。 [3]確定拠出年金と転職 転職しても、それまで積み立ててきた資 金をもとに運用を続けることができます。 ① 「企業型」加入者の場合 ・転職先に確定拠出年金制度がある 場合は、積み立ててきた資産をそ のまま移行することができます。 ・転職先に確定拠出年金制度がない 場合は、「個人型」に移すことが できます。 ・確定拠出年金制度を脱退する場合 や60歳未満で退職した場合も、 「個人型」に移すことができます。 1,800万円超 0万円 課税所得 税率 控除額 5% 9.75万円 10% 42.75万円 20% 63.6万円 23% 153.6万円 33% 279.6万円 195万円以下 330万円以下 695万円以下 900万円以下 1,800万円以下 ― 40% ― 195万円超 330万円超 695万円超 900万円超 蘆 所得税の税額速算表(平成23年分)

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■蠶 確 定 拠 出 年 金 に つ い て 巻末 付録 巻末 付録 ② 「個人型」加入者の場合 ・転職先に確定拠出年金制度がある 場合は、積み立ててきた資産をそ のまま移すことができます。 ・転職先に確定拠出年金制度がない 場合は、そのまま継続します。 ・60歳未満で退職した場合も、その まま継続します。 [4]確定拠出年金の積立金 確定拠出年金で積み立てた掛金の途中 引出しはできません。ただし、次のよう な取扱いがあります。 ・退職して専業主婦になるなど制度に 加入していられなくなった場合、そ の人の加入期間が1か月以上3年以 下で脱退したときは、脱退一時金を 受け取ることができます。 ・「企業型」への加入期間が3年未満 で脱退した場合、会社の規約によっ ては年金資産を会社に返還しなけれ ばならないこともあります。 ・以上の場合以外で脱退した場合は、 国民年金基金連合会に積立金を移 し、運用を続けることになります。 [5]年金の受取り 確定拠出年金の加入者または加入者で あった人が、次の表に示す年齢に達した ときに給付の請求ができます。 [6]確定拠出年金と資産運用 確定拠出年金を資産運用の面に絞って みると、次のような特徴があります。 ① 商品選択は加入者自らが行う 確定拠出年金における資産運用では、 原則として加入者自身が運用指図を行う ことになります。 資金運用のリスクが加入者に転嫁され るため、加入者の自由な選択が必要とい う意味では当然の措置といえます。 蘆 年金給付の請求が可能な年齢 〈注〉「通算加入者等期間」とは、企業型年金および 個人型年金の加入者および適用指図者であった期 間の合計期間です。 ・確定拠出年金を受け取るためには、運営管理 機関に支払いの請求をします。 ・加入している確定拠出年金の規約に「一時金 で受け取ることができる」とある場合は、一 時金でも受け取れます。 ・受取りは遅くとも70歳までに開始することに なっています。 通算加入者等期間 10年以上 8年以上10年未満 6年以上8年未満 4年以上6年未満 2年以上4年未満 1か月以上2年未満 60歳 61歳 62歳 63歳 64歳 65歳 給付の請求が可能 な年齢

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■蠶 確 定 拠 出 年 金 に つ い て 巻末 付録 巻末 付録 したがって、個人の経済や金融商品に 対する知識や運用の仕方によって、将来 受け取る年金額に差が出てくることにな ります。 企業型年金では制度で提示される運用 商品の中から、個人型年金では連合会が 提示する運用商品の中から、加入者個人 が自己の責任で実際の運用商品の組合せ を選択することになります。 もっとも、加入者に対しては最低3つ 以上の運用商品の提示が必要です(その うち1つは元本確保商品、すなわち預金、国 債、地方債、積立型保険を提示する必要があ ります)。また、最低3か月に1度は運 用商品の預替えを認めることが必要にな る点は重要です。 最低3つ以上の運用商品とは、3種類 以上のリスク・リターン特性の異なる運 用商品を意味しており、組合せにより分 散投資が可能となるような商品ラインナ ップを提示することが必要です。 利子や配当金など収益には税金が かからない 通常の預貯金や投資信託の収益、株式 の配当金には税金が課税されています。 また、株式の譲渡益にはやはり課税され ますが、確定拠出年金では、これらの運 用の段階では税金がかかりません。した がって、より多くの運用益を上げた人が、 その利点を最大限に生かしたことになり ます。 ③ 運用期間中は換金できない 確定拠出年金では、運用期間中は原則 として換金できませんので、換金性の高 い短期運用の商品を選択する必要は少な いと考えられます。一般に、運用期間の 長い商品の方が収益性も高いのですが、 現在のような低金利時代には、かえって 運用期間の短い商品の方が向いている場 合もあります。 ④ 長期にわたる運用 老後の資金という大きな目標に向かっ ての長期間の運用になります。住宅資金、 結婚資金、教育資金など、ほかのどのよ うな資金よりも、その利用するまでの期 間が長いことに特徴がある資金です。そ れだけに、運用の仕方によりより大きな 差が生じる資金といえます。

参照

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