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函館市認知症ケアパス

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Academic year: 2021

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2.認知症を理解しよう

(1)認知症とは?

認知症とは,脳の細胞が壊れることにより,日常生活に支障をきたす 身近な病気です。 いろいろな原因で脳の細胞が死んでしまい,神経のネットワークが壊 れてしまうことによって脳の働きが悪くなり,記憶障害や理解・判断力 の低下など様々な症状が現れます。 認知症を正しく理解することにより,早期発見・早期診断につながり, 早期から適切な治療や介護サービスを受けることで,認知症の症状の進 行を遅らせることが期待できます。 ○老化による物忘れと認知症の違い 老化による物忘れ 認知症の物忘れ ・ご飯のメニューなど体験の一部を忘れる。 ・ご飯を食べたことなど体験したこと自体を 忘れる。 ・物忘れを自覚している。 ・物忘れの自覚に乏しい。 ・時間,場所,人との関係がわかる。 ・時間,場所,人との関係がわからなくなる。 ・判断力の低下はみられない。 ・判断力が低下する。 ・日常生活に支障はない。 ・日常生活に支障が出る。 ○認知症のサイン(例) ・同じことを何度も言ったり聞いたりする。 ・物の置き忘れ,紛失が多くなった。 ・以前にはあった関心や興味が失われている。 (例:毎週見ていたドラマのストーリーが理解できず,見なくなった) ・慣れているところで道に迷った。 ・今までできていた仕事や家事がこなせなくなった。

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(2)認知症の主な特徴と病名(脳の病変によるもの)

認知症は,大きく分けて治るものと治らないものがあります。 治る認知症の代表例は,甲状腺機能低下症やビタミンB12の欠乏症,慢性 硬膜下血腫等による認知症があげられます。このような治療可能な認知症は 1割程度と言われています。 治らない認知症としては,アルツハイマー型認知症が一番多く,全体の約 6割,次に脳血管性認知症が約2割,続いてレビ-小体型認知症,前頭側頭 葉型認知症などがあります。 ○アルツハイマー型認知症 ・脳の神経細胞が少なくなり,脳全体が萎縮します。 ・物忘れから始まり,進行していくうちに物事の判断が難しく なり,ミスが重なったり,時間や人,場所がわからなくなる など,生活で支障が出てくるようになります。 ・比較的女性に多く見られます。 ○前頭側頭葉型認知症(ピック病) ・脳内で理性をつかさどる前頭葉と,記憶に重要な関わりを持つ海馬と結びつ いている側頭葉に萎縮が見られます。 ・初期には物忘れが目立ちませんが,隣家の花を盗んだり,店の食品をその 場で食べてしまうなどの驚くような行動のほか,急に性格が変わったと感 じられることもあります。 ○脳血管性認知症 ・脳梗塞,脳出血,脳動脈硬化などにより脳の血管がダメージ を受け,一部の神経細胞が死んだり,神経細胞のネットワー クが破壊されたりします。 ・一部の記憶が保たれる「まだら」の症状が特徴的ですが,麻 痺などの身体症状が見られることもあります。 ・比較的男性に多く見られます。 ○レビー小体型認知症 ・「レビー小体」と呼ばれる特殊なタンパク質により脳の神経 細胞が死んで脳全体が萎縮します。 ・アルツハイマー型認知症やパーキンソン病に似た症状が見ら れますが,初期には物忘れが目立たないほか,目に見えない ものが見えたり(幻視),薬や環境の変化に非常に敏感であ るという特徴があります。

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(3)認知症の症状

脳の細胞が壊れることによって起こるもので,程度の差はありますがす べての認知症の人に出現する中核症状と,本人がもともと持っている性格 や環境など様々な要因が絡み合って出たり出なかったりする行動・心理症 状(BPSD)があります。 これも知っておこう! 軽度認知障害(MCI) 認知症ではない方と認知症の方の中間にあたる症状に,軽度認知障害があります。軽度認 知障害とは,認知機能(記憶,決定,理由づけ,実行など)のうち1つの機能に問題が生じては いますが,日常生活には支障がない状態のことです。放置すると,認知機能の低下が続き,5 年間で約50%の人は認知症へ進行すると言われています。一方,この状態に長期間とどまっ たり,正常に戻る人もいます。 この段階で脳の活性化を図ることや,運動習慣を身につけることは認知症の予防に非常に重 要です。 中 核 症 状 行動・心理症状(BPSD) 睡眠障害 興奮・暴力 うつ 外出中に道に迷う 幻覚 異食 理解・判断力の低下 見当識障害 記憶障害 実行機能障害 ・考えるスピードが遅くなる ・段取りが立てられない ・言葉がうまく使えない ・時間や場所がわからない ・近所で迷子になる ・新しいことが覚えられない ・体験や出来事を忘れる ・興味,関心が低下する ・食べられないものを食べようとする ・夜眠れなくなり,昼夜が逆転する ・大声をあげたり暴力をふるう ・現実には起きていない ことを信じて疑わない ・見えないものが見えたり, 聞こえたりする ・本人なりの理由で外出し たが,道がわからなくな ったり外出の目的を忘れ てしまい道に迷う 妄想

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(4)認知症予防のために心がけて欲しいこと

いかに認知症発症のリスクを少なくするかが大事です。 • 生活習慣病の予防と改善 適度な運動と休養 脳の活性化を図る 生活習慣病(高血圧・高脂血症・糖尿病など) の予防・改善は日常生活を見直すことが重要です。 <例えば> ・野菜,魚介類,果物を中心に塩分を控えた栄養 バランスの良い食生活 ・生活習慣病の予防のための適度な運動を継続的 に行う 普段から1日に30分程度のウォ-キングや水泳 などの有酸素運動を行うこと,睡眠のリズムを整え ることが効果的と言われています。 <例えば> ・昼寝をする場合は短く(午後1~3時の間に30 分程度) ・夕方の時間(午後4時前後)に適度な運動を行う 普段から日常の家事や自分の身の回りのことは, できるだけ自分で行うことが大切です。 また,できる限り家族や友人と楽しい会話を毎日 できるように心がけることも大切です。 新しいことをしてみるのもよいとされています。 <例えば> ・計画を立てて行動する(旅行・散歩など) ・植物や動物の世話をする(園芸など) ・頭を使うゲームをする(囲碁・将棋・麻雀・トラ ンプなど) 5

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時間の流れと認知症の症状

加齢による物忘

治療した場合

治療しない場合

(アルツハイマー型認

知症)

時間の流れ

軽 重

(5)認知症の治療

認知症は徐々に進行する病気ですが,早くから認知症に気づき,医療 機関を受診して薬による治療(薬物療法)を受けることにより,進行を ゆるやかにできる場合があります。 また,デイサービス等での他人とのコミュニケーションやゲームなど により,家庭生活にはない刺激を与え,頭や心の活性化を図る方法(非 薬物療法)もあります。 いずれにしても,早期から適切な治療を受けて病気の進行を遅らせる ことにより,ご家族と一緒に過ごす時間を長くすることや,介護者の負 担を軽減することが期待できます。

認知症は,早期診断・早期治療が大切です!

①治療すれば治る認知症があります。

②認知症発症後のことを本人の意思や希望により決めることができ

ます。

③家族の方が介護についての情報を集めるなど,早くから準備する

ことができるため,本人の生活の質を維持できます。

参照

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