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学 位 論 文 の 内 容 の 要 旨

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Academic year: 2021

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学 位 論 文 の 内 容 の 要 旨

久保 憲生 印

(学位論文のタイトル)

Conophylline Suppresses Hepatic Stellate Cells and Attenuates Thioacetamide-induced Liver Fibrosis in Rats

(コノフィリンは肝星細胞を抑制し、ラットにおいてチオアセトアミド で誘導される肝嚢線維化を抑制する)

Liver International 2013 (accepted)

Kubo N, Saito R, Hamano K, Nagasawa M, Aoki F, Takei I, Umezawa K, Kuwano H, Kojima I

(学位論文の要旨)

1) 研究背景と目的

肝硬変は原因に関わらず慢性肝障害の終末像であり致命的な病態で ある。肝星細胞は肝障害時に活性化され、大量のコラーゲンを産生 して肝線維化を進行させる細胞であり、肝星細胞を標的とした抗線 維化療法が注目されている。タイ原産の熱帯植物Ervatamia microph yllaの葉から単離されたコノフィリンは、膵β細胞の分化誘導作用 を持ち、また膵星細胞を抑制し膵β細胞の線維化を抑制する作用を 持つことが報告されている。今回、コノフィリンの投与により肝星 細胞を抑制し、肝線維化が抑制されるか検討した。

2) 研究方法

肝星細胞の細胞株Lx-2とラット肝組織より抽出した肝星細胞に対し てコノフィリンを投与し、肝星細胞の活性化の指標であるαSMA、

線維化の指標であるcollagen-1を定量した。またLx-2細胞のDNA 合成やapoptosisに対するコノフィリンの効果に関しても検討した。

動物実験として、チオアセトアミドの腹腔内投与により肝に線維化 を起こし、コノフィリンを併行投与した群とvehicleのみ投与したco ntrol群とを比較検討した。

3) 結果

コノフィリンの投与により、ラット肝組織由来肝星細胞とLx-2細胞 において、αSMAとcollagen-1の発現低下がwestern blot、Sircol r ed assayにて確認された。またコノフィリンはcaspase-3を活性化さ

(2)

せapoptosisに誘導することがFRET、DNA ladder、TUNEL assayの実 験結果から確認された。チオアセトアミドにより肝線維化を誘導し たラットにおいて、コノフィリンを投与したラットでは、コントロ ール群と比較して、肉眼的に肝表面の凹凸が軽減されており、また 組織切片の検討においても、コントロール群で認める偽小葉構造や 胆管周囲の線維化といった所見が、コノフィリン投与群では減少し ていた。Masson染色を行い、fibrotic areaとして測定して検討した 結果、有意に減少していた。肝組織に含まれるコラーゲン量をSirco l red assayで測定すると含有されるコラーゲン量が著名に低下し ており、コラーゲン量を反映するHydroxyprolineも有意に低下して いた。αSMAの免疫染色にて染色される部位がコントロール群と比較 し、減少していることから、in vivoでも肝星細胞の活性化が抑制さ れていることが示された。

4) 考察

活性化肝星細胞は多量の線維を産生し肝線維化を促進する細胞であ るが、今回の検討で肝星細胞による線維化をコノフィリンが抑制す ることが示された。またコノフィリンにより肝星細胞の活性化が抑 制され、apoptosisに誘導されることが示された。コノフィリンによ りMAPKの活性化が確認されたが、MAPKの活性化は肝星細胞の活性化 に繋がるとの報告があり、コノフィリンはapoptosis誘導等の作用機 序を介し、肝星細胞を抑制することが示唆され今後の検討課題であ る。また動物実験においては、コノフィリンによる副反応等は観察 されず、肝線維化が抑制されることが示された。

5) 結語

コノフィリンはin vitro、in vivoにおいて肝線維化を抑制すること が示された。また肝星細胞の活性化を抑制し、線維の増生を低下さ せるとともに、apoptosisに誘導することが示された。

参照

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