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博 士 ( 薬 学 ) 小 松 康 雄

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Academic year: 2021

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博 士 ( 薬 学 ) 小 松 康 雄

学 位 論 文 題 名

ヘ ア ピ ン 型 リ ボ ザ イ ム の 構 造 活 性 相 関 に 関 す る 研 究

学 位 論 文 内 容 の 要 旨

  1980年 代 に 触媒 的 に 作用 す るRNAが 発見 さ れ 、そ れ ら は 、RNA酵素 と いう意味 か らりボザイムと呼ばれ、現在では反応様式および必要配列から幾っかに分類されている.こ の中で、タバコリングスポットウイルスのサテライトRNAの(―)鎖の自己切断活性の中 心部位として見いだされたりボザイムとしてへアピン型リポザイムがある.ヘアピン型リポ ザイ ム は50塩 基 か らな り 、4つ のhelixと2つ の大き な内部ル ープを もつ.特 に内部 ループの配列は、切断活性に必須であり、このりボザイムの切断活性の本質を担うと考えら れている.筆者は、このへアピン型リボザイムの構造と活性の相関性について研究を行ない、

さらに構造に関して得られた知見から、新しいヘアビン型リボザイムを構築したことを報告 する.

  L仝Z璽2型 リ 杢 笠 亙 杢Q仝Zピ ン ル 二Z塗 堕 盆 劃 と り 杢荳 ゴA睦よ 墨RNAa)連鐘 反     応

  まず、ヘアピン型リポザイム(E50)をヘアピンループ部位で分けても切断活性示すか ど う か を 調 べ た . ヘ ア ピ ン ル ー プ で (G30−U31の 間 )E50を2つ の フ ラグ メ ン ト

(E30とE21) に分割 し、切断 活性を調 べた, その結果、天然型よりも若干活性が低下 す る も の の 、 ヘ ア ピ ン ル ー プ で り ボ ザ イ ム を 分 割 で き る こ と を 明 か に し た .   サテラ イトRNA全鎖長では連結活性が存在しているが、切断活性の最小配列部位(E5 O) と、ヘア ピンルー プで2つのフ ラグメ ントに分 けたE30−21が連 結活性をもっかど うかは明かではなかった,そこで、これらのりポザイムの連結活性にうぃて調べた.その結 果、E50とE30−21と もに 連 結 活性 を 示 した が、 切断活 性の低く い2つのフラ グメン トか ら な るE30―21の 方 が、1本 鎖のE50よ り も高い 連結活性 をもっ ことを明 かにし た. そ こ で 高い 連 結 活性 を も つE30―21に よって 、基質RNAの3 側 フラグメ ントを 長さの異なる別のフラグメントで組換える反応が可能であるかどうかを調べた,その結果、

本来の基質の3 側切断断片が切り出され、リボザイムによって異なるRNAフラグメント が連 結 し たRNAが生 成され、 リポザ イムによ るRNAの組換え 反応の可 能性を 示した,

‑ 563 ‑

(2)

  2:仝ZピZ型リ壅荳ゴムのべZと撞造Q鰹蚯  

  ヘアピン型リポザイムは、2つのステムループドメインからなると考えることができる.

各ドメインの内部ル―プが切断及び連結活性に必須であることより、ヘアピン型リポザイム   は折れ 曲がっ た構造( ベント構 造)を とっていると考え、以下の実験を行なった,

  2つのステム間にバルジが存在すると、バルジアウトする塩基の種類によって、ベントの 度合いが異なることがある,そこでそのような影響がないように、塩基部位を含まないりボ ースの誘導体としてプロパンジオールフオスフェイト(PPL)を合成し、ペントのジャン クショ ン部位と 思われ るSlとE50の3 末端の 間に数を変えて導入した,反応の結果、

リンカーを全く含まないものは切断されず、多くのりンカーを含むりポザイムほど高い切断 率が確認された.この結果は、ヘアピン型リボザイムの活性な構造がぺント構造であること を示している.

  3エ竺Z2部位至Q分割二仝Z竺Z型リ7J<笠五杢Q異な2と盆割搓式     丶

  ヘアピン型リポザイムのべント構造のヒンジに相当する部位には、構造的なストレスが生 じていると考えられる.そこで、このヒンジ部位でりボザイムを分け、代わりにヒンジの向 かい側に相当する部位をりンカーでっなげた分子でも切断活性を示すかどうかを調べた.シ チジンリンカーによって連結した3種類の基質RNAを合成し、切断活性を調べたところ、

ヒンジ部位でりポザイムを分割したタイプでも切断反応が生じることが明かとなった.しか しながら、ヒンジ部位で本来存在しない塩基対を形成する場合は、切断反応が生じなかった.

これは、新たに形成された塩基対によって活性なべント構造を形成できなくなったためであ ると思われる.

  堊エ新し!:仝7ピZ型!2登荳ゴ杢Q撞墓

  ヘアピ ン型リ ポザイムがベントしている場合、E30の5 末端とへアピンループは、3 次構造 上は接近 してい ると考え られる ,そこでE30の3 末 端(G30)とヘアピンルー プを接続し、ヒンジ部位で分断したドメイン変換型ヘアピン型リポザイムを構築した.この とき、2つのドメイン間の距離が重要であると考え、3〜l8個のシチジンリンカーを導入 し たRNA (RCn、n‑3、6、9、12、18)を 合 成 し 、E19を あ わ せ て 、 基 質RNAを 切 断できるかどうか調べた.反応の結果、このドメイン変換型リポザイムは、天然型と同じ部 位でSlを切断し、シチジンリンカーの数が多いほど切断活性が高くなることが明かと′なっ た興味深いことに、9個以上のシチジンリンカーをもっものは、天然型よりも切断のステッ プ(k2)が速いことが明かとなった.この新しいドメイン変換型リポザイムは、天然型と 同じ切断活性に必要な配列の傾向を示したことより、ドメイン変換型リポザイムは、活性に 必要な高次構造を保存し、天然型と同じ反応機構でRNAの切断を行なう可能性が示された,

‑ 564 ‑

(3)

学位論文審査の要旨 主査

副査 副査 副査

教 授    大 教 授    松 助教授   井 助教授   周

塚 栄 子 田    彰 上 英 夫 東    智

学 位 論 文 題 名

ヘアピン型リボザイム の構造活性相関に関する研究

   申 請 者 は へ ア ピ ン 型 と 呼ば れ る RNA 自 己切 断 酵素 (リ ボ ザイ ム)の構造 と機能について 研究を行って 来たが,今回,高次構造 と活性との相関を明かにした.

   ヘ ア ピ ン 型 リ ボ ザ イ ム は, 4 つ の helix と 2 つ の 大き な 内部 ル ープおよび へアピンループ をもつ.内部 ループの配列は,切断活 性に必須で あり,このりボ ザイムの切断 活性の本質を担うと考え ら れ て い る . 基 質 と な る RNA と塩 基 対を 形成 す るよ う にり ボ ザ イム側を設 計すれば,若干 の配列上の制 約はあるものの,希望す る RNA の 切 断 を 行 う こ と が 基 本的 に 可能 であ る .申 請 者は , こ のヘアピン 型リボザイムの 構造と活性の 相関性について研究を行 い,さらに 構造に関して得 られた知見か ら,新しいヘアピン型リ ボザイムを 構築した.まず ,ヘアピン型 リボザイムをヘアピンル ープ 部 位で 分 けて も切 断 活性 を 示す か どう か 調べ た. E50 の G30

‑ U31 間 で ヘ ア ピ ン 型 リ ボ ザイ ム を 2 つの フラ グ メン ト ( E30 と E2i ) に 分け , 2 つの フ ラグ メ ント をア ニ ーリ ン グし て切断活 性 を調べた.その結果,天然型よりも活性は若干低下するものの,、

切断活性を示すことを 明かにした.また,この実験によってこの りボザイム は,予想されて いた様なへア ピン構造をとっている可 能性が高くなった・

   次 にサ テ ライ ト RNA では確認さ れて′いる連結 活性が,切断 活

(4)

性の 最小配列部位( E50) とヘアピンループで 2 つのフラグメン トに分けられた E30 ― 21 にもそなわっているかどうかを調べた.

その 結果,E50 , E30 − 21 ともに連結活性を有し,さらに 2 つの フラグメントからなる E30 − 20 の方がE50 よりも高い連結活性を 示すことを明かにした.そこで高い連結活性をもつE30 ―21 につ いて,2 種類の基質が存在する場合切断反応後に交差の連結反応 が生 じるか どうか ,また ,基 質の RNA の 3 側フラグメントを 長さの異なる別のフラグメントで組換える反応が,リボザイムで 可能であるかどうかを,連結活性の高いりボザイムについて調べ た.その結果,交差,組換え反応ともに目的の生成物が得られた・

   次に申請者はヘアピン型リボザイムのべント構造の解析を行う ために塩基部位を含まないりボースの類縁体としてプロパンジオ ー ル フォ ス フ ェ イ ト( PPL ) , リ ンカ ー と し て , Sl と E50 の 3 末端の間に数を変えて導入した.その結果,リンカーを全く 含まないものは切断されず,4 個以上のりンカーを含むものから 顕著な切断が確認され,リンカーの数が多いほうが高い切断活性 を示した.これらの結果は,リボザイムがりンカーの数が増すに っれ活性なべント構造をとれるようになったことを反映し,さら には,ヘアピン型リボザイムの活性なコンフォメニションが予想 し た と お り の べ ン ト 構 造 で あ る こ と を 強 く 示 し た ・    次に,この結果を基に新しいヘアピン型リボザイムの構築を計 画した.3 次構造を保存するような1 次構造上の変換を目的にし て, 本来 E50 の 5 末端とへアピンループの G30 に接続してヒン ジ部位で分断した,ドメイン変換型ヘアピン型リボザイムを構築 した .このとき, G30 と 5 末端の A との距離が活性発現のため には重要であると考え,3 ‑‑18 個のシチジンリンカーを導入した RNA ( RCn , n= ニ 3 , 6 , 9 , 12 , 18) を 合 成 し た . こ の ド メイン変換型リボザイム(以下リノヾースリボザイム)はS1 を天 然型と同じ部位で切断し,その活性,シチジンリンカーの数が多 いほど高くなることが明かとなった.

   ここに得られた新しいドメイン変換型リボザイムは予測された

3 次構造を保存し,予想以上に高い切断活性を示すことが明かと

なった.ここで得られた結果は,ヘアピン型リボザイムがべント

(5)

していることの大きな証拠であり,リボザイムの応用にも役立つ 知見である.

   以上の研究は博士(薬学)の学位を受けるのに充分値するもの

と認めた.

参照

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