技術室に設置されている機械に関する整備マニュアルの作成
教科・領域教育専攻
生活・健康系コース(技術・工業・情報) 元 田 卓 志
1 はじめに
中学校の技術室には,動かない機械がかなり多く存 在する。また,整備が十分に行き届いていないために,
異常な動きをする機械も存在する。機械は,教員が 授業準備や教材開発のために活用されるべきもので、
あるし,歯車やボールねじ,
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ベルトなど動力伝達機 構や潤滑油の機能を提示する格好の教材でもある。機械の有用性は非常に高いのだ、が,授業で使用 するとなると,安全性の確保が必要である。そのため には,正しい操作方法や使用中の危険性を知ってお く必要があるとともに,機械が安全に使用できる状態 にあることが前提条件となる。本研究では,機械に付 属している取扱説明書に記載されている内容を調べ,
機械の現状及び生徒の様子を考慮しながら比較を行 い,それを元に機械の操作及び、整備マニュアルを作 成する。
指導教員 宮 下 晃 一
であった。
生徒の実態としては,ものづくりには非常に興味を示 しており,新しい工具や機械の説明を行うと,積極的 に自らの作品作りに取り入れようとしている。機械の使 用経験は出身小学校によって異なるが,図面工作の 授業において糸のこ盤やボール盤を使用したことがあ ると答えた生徒が大半であった。しかし,授業での様 子を見ていると,使用に伴う危険性についての認識は 甘く,注意の徹底が必要である。
3機械の操作及び、整備マニュアル作りのポイント 技術室にある機械が有効に活用されていない原因 として,
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機械が安全に使用できない状態にあるJ,「技術科担当教員が機械の操作方法を熟知していな いJ,
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旋盤や鈎盤等の大型の機械は,台数が少なく 授業に取り入れにQリといったことが考えられる。そ れらの問題を解決するために,本マニュアルは,r
正 しい使用方法と整備方法を身につけるJ,r
現場で起 きる問題に対処する方法を身につけるJ,r
作業手)1慎 は図解で、示すJrこ留意し作成を行った。また,本マニ ュアルは,技術室に設置されている全ての機械を 1 冊にまとめ,各機械の項目を大きく「問題の対処法と 危険性Jと「操作及び整備方法Jの2つに分ける。2生徒及び機械の実態
私の勤務校の木工室に設置されている機械の現状 として作動状況の調査を行ったところ,作動する糸の こ盤は7台中3台,ボール盤は3台中2台で、あった。
また,作動している機械についてさらに調べてみると,
必要部品の紛失や破損が多く,生徒が安全に使用で きる状態の機械は,糸のこ盤,ボール盤ともに 1台づ
つで、あった。金工室に設置されている機械についても 4取扱説明書の分析
同様の調査を行ったのだが,木工室に設置されてい 同じ糸のこ盤でもメーカーや機種により,機能は るものと同じような結果となった。金工旋盤に至つては, 様々であるため,説明書の内容も機械ご、とに異なる。
心押し台のハンドルが折れて使えなくなっている状態 しかし,その中の共通項目を見つけることで,使用す
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るにおいて最低限知っておかなければならない内容 を確認することができる。説明書を比較していて気付 いたことは,古い機械の説明書には分解図や問題が 起こった時の対処法が記載されており,自らで対処が 行える。それに対し,新しい機械の説明書には新しい 機能が増えたためか,修理は自らで行わず,業者に 依頼するとしづ流れに変わってきている。さらに安全 に使用するための注意事項が書かれているページが 増えていることである。
5機械の操作及び、整備マニュアルについて
5.1問題の対処法及び危険性
実際に起こった問題を元に,対処法,安全面,整備 法等を項目ごとにまとめた。
5.1.1ボール盤(コードの断線)
起こりうる可能性が高い問題である。中学校では,
生徒がプラグ部を持たずにコードを引っ張って抜く光 景や,作業中にコードが椅子や机の下敷きになってい る光景を自にするプラグをさしても電源が入らない 場合は,テスターを使用し導線が繋がっているかを確 認する必要がある。
コードの断線が確認できた場合,まず断線している 箇所をニッパーで、切り取り,コードを 2本に分ける。次 にコードの両側のピ、二一ル部分を剥ぎ取り,切れてい る部分間士を絡めほどけないようにはんだを流し込 み固める。最後に熱収縮チューブ、やビニルテープで、
絶縁を確保する。
図 1コードの修繕例
5.2操作及び整備方法
操作方法については,金工旋盤を例に挙げると,
「外面削りJや「穴あけjといった項目ごとにページを分 けると,実際の作業において必要なページを探すのに 時間がかかってしまう。そのため代表的な作品例を紹 介し,それを作る流れを追いながら手順をまとめた。
整備方法については,整備箇所ごとにその方法を まとめた。一例として以下に,金工旋盤を使用しての ボルト作りを通した操作方法のページを紹介する。
5.2.1ボルトの製作工程22:溝削り①
スローアウェイバイトを外し,突っ切りバイトの右端を 基準面に合わせる。バイトの先端が工作物に均等に 当たるように調節して固定する。
注意点:バイトの付け替えは,切削速度変更と同様 に回転を止めてから行う。
図2金工旋盤(ボルトの製作)
6おわりに
機械に付属の取扱説明書の比較により,機械の修 理を自らで、行っていた時代から,修理は業者に委託 していくとしヴ時代に変わりつつあることが分かった。し かし安全性を確保するためにも,日常の整備や簡 単な修理方法及び正しい使用法は身につけておかな ければならない。修理や整備等の作業を通じて新た な授業づくりができる可能性もある。今はまだ作成途 中であるが,自らの経験とともに充実したマニュアルの ページを増やしてし1く予定である。
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