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劇はしがき 二均衡予算の原則 三政府支出の管理につい  

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Academic year: 2021

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(1)

劇はしがき 二均衡予算の原則 三政府支出の管理につい  

て 四正常時の指針 五緊急時の指針 六伸縮的財政々策  

七自動安定装置 八定式安定装置 九むすび  

劇 は し が き  

わが国経済においては民間事菜が重要な役割を果している  

が︑他面政府の収入支出ほ非筒に大規模なものとなっており︑  

国民の厚生にとって決定的に重要な要因となっている︒たとえ  

ば山九五七年における国民所得は八兆円であったが政府支出ほ  

劇兆円であった︒政府の収入支出は非常に巨額であるから︑そ  

の支出にあたっで正二円仙円をできるだけ効率的につかうこと  

が好ましい︒資源はあり余っているのではないから無駄づかい  

をしてはならない︒たとい政府であってもそうである︒   

しかしこれと同じよう紅重要なことほ︑政府が収入支出のプ  

ログラムを決定しそれを実行するにあたって︑それが民間経済  

の発展および安定と両立するように気をつけねばならないとい  

うことである︒政府の財政々東は雇用所得を高い水準紅保って  

経済安定と財政々策   経済安定と財政々策  

今  川   おくことに有益なしかも積極的な責献をしなければならない︒   政府は予算の収入支出のどちら側においても事業に影響を与え   る︒支出の側︑政府が財嚢を買入れればそれほ壇授事其の収入   になる︒計た公務眉︑国債所有者︑退役軍人︑老人︑貧困者に   対する支払は︑事業から消費財を買うための所得となる︒予算  

の他の側︑収入の側において租税は︑消費者がつかうことが出  

来たはずの貨幣︑事業会社が施設の改善に投資することが出来  

たほずの資金をとりあげる︒租税を徴収することはそれだけを  

とってみると︑民間事業を縮少し︑雇用を少くし︑物価を下げ  

る傾きがある︒それは政府支出が事業を拡張し︑雇用を増し︑  

物価を上げる傾きがあるのとちょうど逆の関係にある︒   

収入支出の大きさだけが重要なのではない︒その効果の評価  

紅あたっては︑その構成がどのよう紅なっているかということ  

も考慮しなければならない︒所得税として徴収された十億円の  

効果は消費税として徴収された十億円の効果とほ異なるであろ  

う︒道路建設に貨幣をつかえほ自動蕃トラック車庫に対する民  

間投資は活発になる︒これと反対に民間投資に対してよくない  

効果を与える支出もある︒全国企画協会の主張を紹介しよう︒  

こ 均衡予算の原則  

財政々策の伝統的な目標といえほ年々の予算を均衡に保つこ  

とであった︒しかしその日標ほ今自実行できるものでないし︑  

また原理的にも重大な欠陥がある︒均衡しているかどうかをみ  

︵五三七︶ 七七   

(2)

第三十三巻 欝闇号  

るためにはある条件を定めそれがみたされているかどうかを見  

なければならない︒ところがその条件をあてはめてみるぺき  

﹁予算﹂の概念は決して明確でないし︑また唯仙のものでもな  

い︒たとえば通常われわれが予算とよんでいるものにおいては  

祉会保障基金への会計上の転記が支出に分類されている︒その  

ため︑現金予算において収入が支出を超えているときにも通常  

の予算は一時赤字になることがある︒しかし現金予算さえ財政  

々策の効果をみるに恨適当でない︒たとえば租税はそれを支払  

うときより納税義務が発生したときその衝撃がある︒政府の購  

買は支払をするときより契約を結ぶときに衝撃を与える︒しか  

し安定政策を経済的に分析するに当って仮りにただ一つの予算  

概念を用いるとすれば現金予算が一番よいであろう︒   

また景気変動は通常二循環に数年を斐するであろう︒この周  

期と比べると一年の期間は短かすぎる︒年々均衡しなければな  

らないと主張することは好ましくないし︑またそうすることは  

おそらく不可能であろう︒国民所得が減っているときに税率を  

引き上げるよぅ試みることは︑民間消費投資の拡張が最も必要  

とされるときにそれを妨げるだけである︒地方税収の余剰があ  

るときに税率を切り下げたり︑あるいは政府支出を拡大してそ  

れをなくしょうと試みれば︑インフレの圧力が相当強くなって  

いるときにその圧力の増大を助長することになるであろう︒   

景気のよい年にも患い年にも予算の均衡を保っておこうとす  

れは︑支出計画は大巾に変動し︑また税率ほひとくつむじ曲り   ︵五三.八︶ 七八  

の変化をしなければならない︒このように支出を変えてゆくと  

すれほ︑政府の仕事の遂行サーヴィスの提供ほ妨げられること  

になる︒たとえば教育費転ついていえほ︑好況の年笹教育予算  

を拡大し不況の時にそれを縮少することな意味する︒これほ効  

果的でないしまた無駄でもある︒また政府ほ余裕資源が乏しい  

ときにその使用を増し︑それが豊富なとき切りつめて使わない  

ようにするであろう︒これが豪気変動を悪くすることほいうま  

でもない︒   

王 政府支出の管理について  

予算を年々均衡にしておくことは実際上難かしいしまた原理  

的にも建全でない︒けれどもそれにほよい点が一っある︒議員  

や国民が政府活動の仙つ山つを吟味するに当ってこの原理をつ  

かうことが出来る︒すなわち政府の職務遂行の効率についてみ  

たり︑政府の活動について政府が要求しているだけの費用をか  

ける価値があるかどうかをテストするに当って︑その基準にこ  

れを用いることができる︒政府の企てたプログラムは︑その費  

用を償うものでなければならない︒議会および政府が追加的な  

租税をかけるとき︑それが新しい計画の費用と比べて正当なも  

のであることな示さなければならない︒この原則ほ市民の誰れ  

にも理解出来る︒均衡予静の原則をすてることが︑もし賢明で  

ない効果的でない支出に対する制約をすべて棄てることを意味  

するのであれば︑それほ経済や政治のシステムに対して甚大な   

(3)

損害を与えることになるであろう︒   

も七政肘が支出する紅当って租税をかけねばならないという  

考慮を少しも払わなくてもよくなれば︑支出の拡張に対する政  

治的反対ははとんどなくなるであろう︒政府が吸収する資源の  

数崖は国民が哀に適当と考えるものより大きくなるであろう︒  

早かれ晩かれその経済はインフレ状態になる︒これほ政府が課  

税の準備をすることなしに︑支出にだけ夢中になったことから  

起る︒したがって別の原則を確立して判断の基準をつくり︑そ  

れによれば政府が自分でその活動を監督でき︑均衡予算の原則  

が不完全ながら達成しょうと試みた目標を二僧うまく達成でき  

るようにしなければならない︒   

事業活動が上ったり下ったりすることほ経験の示す通りであ  

る︒このことは好況のときに黒字を出し不況のときに赤字を出  

すことによって︑景気変動をうち消すような財政々策をとるこ  

との有力な論拠となっている︒このような政策はよく考えて採  

用しなければ景気の上下の運動の形を変えるに留まるかもしれ  

ない1均衡予鈴の原則によると政策実施の管理や効率の点が考  

慮できる訳であるが︑いまのべたような政策においてはこれが  

どのようにして達成できるかということが将来の重要な問題と  

して残る︒仮りに伸縮的財政々策を採用するとしても︑支出あ  

るいは課税のプログラムにほそれ自身まいところがなければな  

らないのであって︑それがないときの言い訳にこれを用いてほ  

ならない︒  

経済安定と財政々策   

バW  

民間事業の生産活動ぬおける振動をうち消すの紅財政活動に  

全面的にたよることはできないのでなかろうか︑またそうする  

ことは望ましくないのではなかろうか︑ということが問題とな  

る︒もし財政々策のみに赦るとすればそれほ経済の安定や成長  

を達成するのにただ一つの方策に頼りすぎることを意味する︒  

その過程において租税や支出を実行芥能なほど大きく変えるこ  

と紅なるかもしれない︒またこの政策を行うためには精確な予  

想軋もとづかねばならないが︑現在の知識や技術ではこれほ不  

可能に近い︒   

しかしながら予算ほ現実の出来事の過程な十分に考慮した上  

で︑そのときの経済的判断に慣らして定めなければならない︒  

そして経済の安定を悉くするより良くするようにしなければな  

らないと考えてよいであろう︒予感が不確実であることを考え  

るなら︑計画な実行してゆく過程において︑情況の変化に対し  

て迅速に適応するように財政を操作するよう準備しておかねば  

ならない︒迅速に治療あ手が下せるような自動装置について考  

えておくことほ十分その価値があるであろう︒  

四 正常時の指針  

経済が繁栄しており安定しており良くも悪くもなりそうに思  

えない時にほ︑予算を政府の必要に応じて変えるけれども︑そ  

れが雇用に与える衝撃をなくし︑購買力はそのままにしておく  

ようにすることが財政々幾の目標となる︒このことほ新しく計  

︵五三九︶ 七九   

(4)

第三十三巻 罪四号  

、、  

画されている支出の増減に対応して租税の計画料均り合うよう  

に変えるなら︑近似的に達成できる︒そうすれば予算の正味の  

拡張的あるいは縮少的効果はいままでと同じままであろう︒こ  

のように繁栄の状態が持続しているとき紅ほ︑均衡予算のルー  

ルを修正したものを指針に用いることができるし︑租税ほ政嘩  

の望む支出の変化に対応しながら増減しなけれぼならない︒こ  

のようにして支出の増加が企てられているときには︑租税で表  

はされた費用だけの価値があるかどうかという伝統的なテスト  

をうけること紅なる︒  

︑しかし︑民間経済の状態や近い将来を見透して失業やデフレ  

の方向にあることがわかれば︑適度転拡張的効果をひき起す方  

向に予算を変えなければならない︒新しい政府支出のプログラ  

ムはその価値に照らして考慮しなければならない︒繁栄のとき  

にほそれに併って租税が追加してかけられるが︑い患ほそれを  

かけることを遅らせねばならない︒このような情況のもとで繰  

延べられる租税ほそれをかけても回復を妨げないような時機が  

来れはすぐにかけねばならない︒政府支出が削減されるときに  

は︑それに対応する減税は少しも遅れずに行ほれなければなら  

ない︒将来もし支出が減ると予想されるときにはそれに見合う  

減税をいま行うことができるであろう︒   

他方もし︑現実の動きがインフレの方向にむいておれば︑及  

対の政策をとらねばならない︒支出の増加に伴って租税を増す  

というルールほ厳密に守らなければならない︒正常な時なら当   ︵五四〇︶ 八〇  

然行われるほずの減税ほこの場合繰延べられる︒また支出の増  

加を予期して増税が行はれる︒  

五 緊急時の指針  

ひとい男気後退あるいはひといインフレになるというほっき  

りした予想︑事実の山墾つけのある予想がたてられるときには︑  

もっと強力な財政々策が必要となる︑上にのべた政策を緊急財  

政活動によって補足し庵ければならない︒   

はげしく景気が後退するときには︑早急紅始めたり終えるこ  

とのできる追加的な雇用計画をたてることが︑政治的に必要で  

あるだけでなく経済的にも望ましい︒副時的に租税を軽減して  

民間支出や雇用に刺戟を与えねばならない︒民間投資な盛んに  

するためにその他に侶入れの保証などを考慮しなければならな  

い︒道路学校病院その他有用な公共支出の対象が沢山あるとき  

に︑大蛍の失業が長期にわたって持続していてもよいといえる  

社会的経済的理由はない︒しかしながら︑これらの計画のどれ  

とも関連のある問題で︑範囲や時期について困難な問題がある  

ことほ承認しなければならない︒欲張りすぎた政府計画は資源  

の配分に適切を欠き︑必要な価格の調整を遅らせて︑経済の民  

間部門における回復を妨げるかもしれない︒他方︑慎譲すぎる  

政府計画ほ︑民間事業の生産物に対する需要を盛んにしないた  

めに︑回復の促進を不必要に遅らせるであろう︒不況から安定  

した繁栄に移るため紅はすぐれた熟練と判断が必要である︒民   

(5)

問経済紅のみ煉り︑政府の活動で援助することなしにその課題  

を果そうとしてはならない︒政府ほその式任を回避してはなら  

ない︒しかも財政々策はそのもっている一番斬ることの′できる  

道具の一つである︒   

ひどいインフレが予想されるときには︑いつでも︑支出を切  

りつめ︑税税を増すために盟急の方策をとらなければならな  

い︒経験紅よると︑インフレを抑えるのに適当な財政々策をと  

ろうとしても︑それに対する政治的隙碍は非常に大きくて実際  

上それが行きすぎになる危険ははとんどないと考えてよい︒比  

較的自由で安定した価格レステムが引つづいてあるか否か・は︑  

財政上の方策によってインフレと斗おう七するわれわれの意志  

の強さによって左右されるところが大きい︒   

安定した繁栄を維持するのに役立つ政策をとれば︑実際上国  

債ほ増加傾向を示すのでほないかというおそれは否定できる︒  

事実のなりゆきから考えると︑経済が安定しているためには国  

債は一様に減っていかなければならない︒インフレと斗うため  

の予鈴の黒字は国債を減らすが︑それには苦喘が伴うどころか  

むしろ工合よく行はれる︒黒字は不況の時濫は考えられない︒  

黒字を出すことが望ましいのは政府が支出する以上に租税を増  

しても失菓を生ずることがないはど民間経済が強力であるとき  

である︒もし政府がこの政策をとるとき︑景気変動が弱くなら  

ずかえってひどくなるようであれば民間経済転この力があると  

は思えない︒  

経済安定と財政々策   六 伸縮的財政々策   

これらの予鈴の拇針は安定計画にとって不可欠のものであ  

る︒.しかし年々の予算ほ精確な予想にもとづいて定めることほ  

できないし︑またそれはその予鈴の年度内で起る短期の急な意  

気変動をうら消すとは期待できない︒予算は情況の変化に照し  

て修正することができるし︑またそうしなければならないので  

あるが︑立法過程は非常に厄介なものであるので財政々策を微  

細紅わたって時計に合ったものにすることはできない︒それで  

﹁自動安定装置﹂ ﹁定式安定装置﹂とよぶ二つの方策によって  

もっと伸縮的にすることができるかどうか紅つ.いて考えてみる  

ことにしよちノ︒   

﹁自動安定装置﹂とほ失業が増えるときにほ税収入が急に減り  

反対にインフレのときにほ急に増えるような租税体系である︒   

﹁定式安定装置﹂とほ失業がある数値を超えるか︑生産があ  

る水準より下がるなら︑予め定められただけ租税を切り下げ︑  

支出計画をひき上げるように修正し︑また物価指数がある速さ  

より早く上昇するならその反対の方向に予め定められただけ変  

えるよちノなシステムである︒  

七・自動安定装置   

自動安定装露の誹っの例は失業保険制度である︒もし失巣が  

増えると雇用者の負担額は直ちに減少するが︑失業者の失業手  

当受取り額はすぐに増え始める︒政府ほこのように自動的に公  

衆のポケットからとりあげるものを減らし︑それに渡すものを  

︵五四一︶ 八一   

(6)

第三十三巻 罪四骨  

増しているのである︒   

失業保険制皮以外紅もたとえば個人や法人の所得税ほかなり  

の程度同じような働きをしている︒租税にはこのような安定強  

化の要素が沢山ある︒そして予算規模が大きくなる.紅つれてそ  

の重要性は増してきた︒   

自動安定装置は産業活動の減退や価格上昇の速さを遅らせた  

り︑それをなくすることが考えられる︒それは恢復力が作用す  

るまでに時間的な余裕を与えるけれども︑それだけで生産活動  

を完全雇用の水準に引上げたり︑物価をインフレ前の水準にも  

どしたりすることはできない︒   

現在ある日動安定装毘ほ経済の安定にとって重安な窟献をし  

ているように思はれる︒均衡予算のルールにしっかり閻執して  

それをつぶしてしまってはならない︒しかし自動安定装露は防  

衛の第劇線にすぎないと考えることほ決して控え目でほない︒  

深刻な経済変動と斗うためにはこの他に多くの手を打たなけれ  

ばならない︒  

八 定式安定装置  

予め指定した事件が起ったときに︑税率や支出計画を変える  

ためのルールを議会が前もって定めておくことについてほもっ  

と考えておく必要があるであろう︒たとえば失業者が失業保険  

金をうけとることができる期間を失業塩転よって伸縮するよう  

に予定表をつくつておく︒小売物価が蚊近六カ月の水準よりあ   ︵五四二︶ 八二  

る大きさ以上にあがるとき紅ほ︑いつも三カ月間だけ所得税の  

控除を山定額だけ低下し︑生産や雇用の率が定められた水準あ  

るいは傾向僧の水準よりさがるときには控除をあげる︒   

定式安定装置を採用するときにほ政府が規準もっている権  

限︑すなわち財政計画の時期や範囲の変更について現在政府の  

もっている自由裁豊の権限よりもっと広範な権限を政府に与え  

ることになる︒これについては政治原則や行政上の賓任に関す  

る難しい問題が起るであろう︒しかしここではこの点呼対して  

注意を喚起するに留める︒  

九 む  す  ぴ   

ここでほあれわれほ国の財政々策のみについてのぺた︒それ  

は重要でほあるけれども安定政策の副つの要素にすぎない︒地  

方自治体の政策もその狭い領域内でほあるが有益な貢献をする  

ことができる︒金融政策は国債管理とともにその領域において  

活発な役割を果さなければならないし︑また財政々策とうまく  

調整して行はれなければならない︒競争を維持しそれを促進す  

るために必要な手段はすべてとらなければならない︒これらの  

方法に助けられて︑国の財政々策は持続的繁栄を達成するため  

の見込を極めて明るいものにしている︒  

文   献  

丁訂NatiOnal P−anni扁AssOCiatiOn一きき≧ござせ温家彗  

き軋知き垂慧∵苫悪さ∴首ヽ加訂貢ざ訂∽ざ法認首.−盟声   

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