弘 前 医 学 37:392‑420,1985
失語症におけ る
CT
局在 と病巣 の大 きさ北 候 敬
抄録 マイクロコンピュータを用いて急性期 をす ぎた右利 き失語症患者127例 のCT所見上の病巣部位 を 重 ね合せ次の結果を得た.① ブローカ失語 :病巣は一般に大 き く島, レンズ核, 中心前回下部 の深部皮質下領 域 に重 な りが多か ったが, この失語症状群に決定的 と思われ る局在部位の定位は困難で あ った. ④ ウェルニ ッケ失語 :ウェルニ ッケ領野を含む上側頭回 と上 ・中側頭 回の皮質下領域に病巣の重 な りが多 く限局 して い た. ④健忘失語 :病巣は小 さ く左半球のほほ全域 に分布 してお り局在 は定め難か った. ④伝導失語 :病巣は ウェルニ ッケ領野 を含む後方言語野 に集 中 し, 特 に上縁回に症例の80%が病巣を有 していた. ㊥全失語 :柄 巣は大 き く症例の70%は ブローカ領野 とウェルニ ッケ領野の両言語野 を包含す るが, 限局 した小病巣で もこ の失語症状群を呈す る ものが認め られた.
この方法 を用い症例 を増やす ことに よ り, 境界例 の位置づけや, 新た な失語症状群の分類 な どに貢献で き るのではないか と期待 され る.
弘前医学 37:392‑420,1985 Eey vords:aphasia computed tomography
localization lesion size
COMPUTER TOMOGRAPEICLOCALIZATION AND LESION SIZE IN APⅡASIA
KEIHoJO
Abstract Usingami crocomputer,thelocusandextentofthelesionsdemonstrated on CT were superimposed on standardizedmatricesin127Caseswithvarioustypesofaphasia,to investigate therelationship betweenlocation ofthelesionsandtypesofaphasia. Mainresultswereasfollows.
①Brocaaphasics:Thelesionsinvolvedratherlargeareasinthedeep structuresofthelower partoftheprecentralgyrus,theinsulaandthelenticularnucleus. Therefore,theh dingwasre‑ gardedasbeing oflittlelocalizingvalue.
㊤W ernickeaphasics:Atleast70罪 ofthe patients had superiortemporallesionsinvolving W ernicke'sareaand thesubcorticallesionsofthesuperiorand middle temporalgyri. The site ofthelesion correspondedroughlywiththatin thepreviousclinico‑pathologicalreports butwas indicated in alittledeeperarea.
㊥ Amnesticaphasics:Thesizeofthelesionwassmallerthan any othertypebutthelesions weredistributedthroughoutthelefthemisphere. Amnesticasphasiawasthoughttobetheleast localizable.
④ Conduction aphasics:Mostpatientshadlesionsin theposteriorspeech areainvolvingpart ofW ernicke'sarea. In particular,in morethan80%oftheconduction aphasicsthelesionswere revealed inthesupramarginalgyrusandit'sadjacentdeep structures.
① Globalaphasics:Ingeneral,thesizeofthelesionwasverylargeand70% ofthe global aphasicshadextensivelesionsinvolvingbothBroca'sandW ernicke'sareas・ However,therewere somepatientsshowingsmallandconGnedlesions.
HirosakiMed.J.37:392‑420,1985 弘前大学医学部神経精 神 医 学 教 室 (主任 佐藤
時治 郎教 授) 昭和59年11月5日受付
DepartmentofNeuropsychiatry,mirosakiUni‑ versity,SchoolofMedicine (Director:Prof.T. SATO),Hirosaki,Japan
Received forpublication,Nov.5,1984
昭和 60年 6月 弘前医学37巻 2号
Ⅰ.序 論
大脳 の病巣部位 とさまざまな機能障害 との 問に密接な関連があることは以前か ら指摘 さ れていた ことである.失語症,つ ま り情報伝 達 における象徴記号 としての言語 の障害に関 する病理解剖学的研究は伝統的に詳細な臨床 観察 と剖検所見に もとづいた ものであ り,実 際,失語症 の病巣局在の歴史的主唱者 といわ れ るBROCAやW ERNICKEらは19世 紀 後 半 にそのよ うなアプローチを 開 拓 した の で あ る. しか し,症例が塩端に限定 されて しま う こと, また剖検例では病理解剖学的所見が正 確に得 られ る ものの,推移する失語症状 との 関連,その再評価 は不可能 であ り, しか も失 語症 の発現か ら剖検時 までの期 間に他の病巣 が加味 され両者の関連が暖味になることも予 想 される. このため近年,多 くの研究者は失 語症 の解剖学的関連 を神経放射線学的技法 を 用いて生体内で研究することに力 をそそいで お り,脳血管撮影法,気脳撮影法,脳 シンチ スキャニ ングな どを用いた研究は この方向に そ った もの と言 える.脳血管撮影は塵癌 によ る失語症患者 の一部ではある程度局在決定が
1)
可能であるとする報告がみ られるが正確 さに 欠け,特に脳血管障害患者ではその利用価値 が低い. また気脳撮影法 も脳 の萎縮像や塵癌 に よる脳室偏位所見 を証明で きるが失語症 の 病巣局在 にはあま り効果がない と思われる.
また これ らの検査法ではある程度 の リスクが 伴 うことも考慮 され るべ きであろ う.脳 シン チスキ ャニ ングは比較的簡便で生体での病巣 局在決定に有効 な もので あ り,実際,失語症 患者の病巣決定に広 く用い られている. しか し脳血管障害 の場合は, この方法で陽性所見 が得 られるのは通常血液脳 関門が破壊 され放 射性 同位元素が病的脳組織内に取 り込 まれる 発作後2 ・3週 を ピークに して数週間以 内に 限定 され る. このため脳 シンチスキャニ ング では失語症状が固定 した時期 における病巣局 在には適 してお らず, しか も深部病巣や病巣
失語症 におけるCT局在 と病巣の大 きさ 393 の広が りが′トさな ものでは,陽性所見が得 ら れないな どの欠点 もみ られる.そ の 点,CT (コンピュータ断層撮影法) は患者 の リス ク が′トさ く,深部病巣や比較的′トさい病巣 の局 在決定 も可能である. さらに発作後数時間か ら所見が得 られ, しか も慢性期 の所 見 も急性
2)
期 同様に得 られる とい う利点がある. この こ とは動的な変化を示す失語症状 の研究に非常 に適 している といえる.
ところで,社会習慣的要素 を含む複雑で多 肢にお よび しか も個人差 の著 しい脳 の機能障 害 としての失語症状,特にその病理解剖学的 関連 を真に理解するためには,厳密な臨床観 察 は勿論,言語学的理論 に もとづ く客観的で 詳細な言語病理学的検査や病巣 に関するさま ざまな資料の吟味が必要である. さらに同一 部位 に病巣 を有 しなが ら同一症状 を示 さない とい う多 くの陰性例に示 され るよ うに失語症 の解剖学基盤の究明には失語症患者多数例 の 資料の集積 とその統計学的手法 を含む処理分 析が必須である と考 え られ, この作業 を通 し てのみ特定の失語症状群 の正確な規定が可能 になる と考 え られ る.
今回の研究はマイクロコンピュータを使用 して失語症患者多数例 の言語病理学的所見の 集積,保管,形態学的資料 と して の CT所 見の集積,重ね合せを行い この両者の情報 を 質的,量的に関連 させ よ うと試みた ものであ る.
ⅠⅠ. 対象 と方法 1. 対象
対象は蓉明郷 リハ ビ リテーシ ョン病院で入 院治療 を受けた右利 き失語症患者127名であ り,CT所見上,病巣が限局 しその広が り, 範囲を明確にで きた ものに限定 した.従 って 原因疾患は脳硬塞が82例 と最 も多 く,次いで 脳出血33例 とそのほ とん どが脳血管障害に よ る ものであ った. 発 症 か らCT撮影 (2度 以上検査 してある症例では初診時検査 に近い 方 のCT所見 を採用 した) までの 日数 の 中
394 北 保
失 語 症 状 群
ブローカ失語
構 音 失 行 著 明 群 構 音 失 行 軽 度 群
表 1 症 例
症 例 数 年 齢
計 男 女 範 囲 中央値
June,1985 HirosakiMed.∫.37 (2)
暫 数*(芸左 発墓/官 爵撃退
541
422312
963312
16‑76 16‑76 26‑73 ウ ェル ニ ッケ失語
視 理 解 聴 理 解 TokenTest TokenTest
50112
864991
36501211
群群群群
良良好良
不不良不
40‑72 55‑56 41‑53 41‑70 47‑72
49 6116 52 6‑16 48 6‑16
22‑1526 130 27‑696 144 22‑1526 130
54
60 49 51 56
4‑16 10 6‑12 9
8‑12 8
6‑16 11
4‑14 8
健忘 失 語
呼 称 良 好 群 呼 称 不 良 群 伝導失 語
流 暢 群
非 流 暢 群
18 17 1 18‑67
9 9 0 43‑60
9 8 1 18‑67
646111一ll666
5
52.50朗
ll.5 9
18‑870 26‑222 18‑870 23‑173 18‑870
5652564464
18‑2373 112.5 27‑2373 127 ll.5 18‑804 108
11 9 2 24‑63
8 7 1 42‑63
3 2 1 24‑50
9‑15 12 20‑1411 146 9‑14 12 20‑519 116 9‑15 15 203‑1411 803 全 失 語 36 26 10 4ト79 60 4‑16 8 27‑1401 157
構音 とプロソ デ ィ良好群 7 6 1 52‑69 63 6‑16 9 60‑578 191
構音 とプ ロソ デ ィ不良群 29 20 9 41‑79 58.5 4‑16 8 27‑1401 142
央値 は124日であ り,多 くは急性期 をす ぎて 失語症状 が固定 した慢性期 の比較的陳 旧な病 巣 を有す る失語症患者 といえる (表 1).
全症例 に SLTA(標準 失 語 症 検 査 ),To・ kenTest,WAIS知能検査が施行 され てお り, 必要 に応 じて系統的な構音 障 害 検 査,Kohs 立方体 テス ト,Benton視覚記銘 テス トな ど
を含む心理検査が行 われている. さらに診断 を よ り正確かつ客観的にす る 目的 で 情 報 能 力,構音 とプロソデ ィ, 自動的言語,意味性 構造,音素性構造,統辞性構造
3 ・ の6 ‑
5)下位項 目か ら成 るア ‑‑ ン失語症 テス トの自発語評価 基準 (表2)に従 って,録音 された全症例 の 自 発語 を分析評価 してお り, これ らすべ ての資 料が コンピュータに入力 された. 自発語評価 基準 を用いた各失語症状群 に属す る症例 の判 定結果は表3に示す とお りで あ りこの結果か ら各失語症状群 に分類 された対象が どの程度 の情報伝達能力,言語病理学的障害 を有 して いたかについて,その概要 を量的,質的に把 握で きる と考 え られ る.なお失語症状群 の分 類 は古典的分類 に従 い,原則 として診 断は初 診時 の資料 (言語病理学的検査,心理検査は ほ とん どすべ ての症例 で初診時か ら1週 間以
内に施行 され ている) を もとに行 ったが,分 類 困難 な症例や判断 のむずか しい境界例は今 回の対象か ら除外 した. またいわゆる超皮質 性失語 は本病院が脳卒 中 リノ\ど リテ ‑シ ョン 病院で あ り,患者はそのほ とん どが比較的慢 性期 の脳血管障害患者である ことか ら極 めて 稀 であ り,今回の研究では これに該当す る症 例 はみあた らなか った. さらに以下に示す よ
うにそれぞれの失語症状群 において特徴的 と 考 えられ る個 々の症状, または単一の言語課 題 におけ る検査成績 に着 目し,その結果 の良 否 と病巣部位 の関連 を調べ る ことに よって個 々の言語機能 の局在 (性) を検討 してみた.
① ブローカ失語 :付随す る構音失行 (ア ナル トリー要 因) の程度か らブローカ失語39 例 を構音失行著 明群 と,構音失行 を認 めない か, あるいは軽微 な構音失行軽度群 の二群 に 大別 して比較検討 した.構音失行 の診断は械 黙傾向,主 として語音 の探索 に もとづ く努力 性発語, プロソデ ィーの障害 を参考 に,浮動 的で置換,脱落, 同化に代表 され る構音 の誤 り,その一貫性,再現性 のな さな ど特 に発話 面 におけ る音声言語学的症状 に注 目して行 っ
た .
昭和 60年 6月 弘前医学 37巻 2号
㊤ ウ ェルニ ッケ 失語 :SLTA の 成 績 を もとに聴覚的理解 と視覚的理解 との間に解離 のみ られ る症例 を選 び出 し,視覚的理解が聴 覚的理解 よ り不良な視理解不良群 と逆 に聴覚 的理解が よ り不良 な聴理解不良群 の二群 に分 類 し比較検討 した.SLTAの下 位 項 目1の 単語 の理解 (10課題),2の短 文 の 理 解 (10 課題) の合計点 を聴覚的理解 の得点 とし,下 位項 目16の仮 名単語 の理解 (内容は下位項 目 1と全 く同 じ),17の短文 の理解 (下 位 項 目 2と全 く同 じ) の合計点 を視覚的理解 の得点 としてそれ らの差が±6点以上 の症例 をそれ ぞれ視理解不良群,聴理解 不 良 群 と定 め た が, この判定基準に よる視 理 解 不 良 群 は6 例,聴理解不良群 は5例であ った. さらに, TokenTestの成績 に もとづいて ウ ェルニ ッ ケ失語患者 を二群 に大別 しそれ らの病巣 を比 較検討 した.TokenTestには 種 々の改定版 が あるが, 本研究ではNCCEA (Neurosen・
sory Cente6r Compr) ehensive Examination forAphasia)の 日本語改定版 を用 い, 採 点 法 としては部 分 点 を認 め るWeightedScO‑
r
ingを採用 し,正答率が35%以上の10例 を 良好群,25%以下 を11例 を不良群 と定めた.
④ 健忘失語 :呼称能力 の程度 に よって健 忘失語患者18例 を二群 に大別 し,それ らの病 巣 を比較検討 した.SLTAの下 位 項 目5の 呼称 (20課題) の成績 を もとに正答 が13以上 の良好群9例 とそれ以下の不良群9例に分類 した.
④ 伝導失語 :伝導失語 の診断は他 の言語 機能 の障害 と不釣合 な強い 復 唱 障 害 と錯 語 (特 に字性錯語) の存在 を重視 して 行 った.
この中には表3に示 した よ うにア ー‑ ン失語 症 テス トの 自発語評価基準 中の統辞性構造が 段階2と不 良であ り,発語速度や プロソデ ィ ーの障害 な どか らもいわゆ る非 流 暢 型 失 語
7)
(non‑fluentaphasia)に属する と判断 され た ものが3例認 め られたので, これ を非流暢群 とし,他 の流暢群8例 と比較検討 した.
① 全失語 :全失語36例 中 7例では 自発語
失語症 におけ るCT局在 と病巣の大 きさ 395 評価基準 の下位項 目構音 とプロソデ ィーで段 階 3, 4と比較的良好 な結 果 が 得 られ た の で, これ を構音 とプロソデ ィー良好群 とし, 他 の構音 とプロソデ ィー不良群 とそれ らの病 巣 を比較検討 した.各群 に属する症例数,年 齢,教育年数,発症か らCT撮影 ま で の 日 数 とそれ らの中央値 を表1に示 した.
2.方法
頭部 CT撮影 には 東芝 EMI,TCT‑10が 用い られ, ス ライ ス 面 はcanthomeatalline すなわち外眼角 と外耳 口中心 とを結 んだ線 に 平行 な面が用い られ た. まず 各 症 例 のCT 所見上の病巣 をそれぞれのス ライス面 に対応
した10個 のマ トリックス (図1.図にはその うちの4個 を示 す) に記入す る.各 マ トリッ
8)
クスは松井 ・平野 の脳解剖 図譜 を もとに作製 9) した標準化 された ものであ り,BLUNKらの ものを参考に縦 (Y軸)60,横 (Ⅹ軸)50の 計 3,000個 の点 に分割 してある.次 にデ ジタ イザ ー ・マイタ ブレッ トDT IOOO型 を使 用 し,各 マ トリックスに記入 され た病巣 の輪郭 をなぞる ことに よってその病巣 の位置範囲を 読 み取 る.つ ま り,絶対座標磁歪板方式 を用 い, ある点に病巣が ある場合 は 1,ない場合 には0を与 える ことに よって病巣 のⅩ‑Y 座 標 を読 み取 り,それ を一例 ず つ 各 ス ラ イ ス (マ トリックス) ごとに フロ ッピーデ ス ク に 格納 した の で あ る. つ い で コ ン ピ ュ ー タ NEC‑PC 9800を用 いて各 ス ライス ごとの病 巣 を加算 し,その結果‑ つ ま りある点に関 し病巣が共通である症例数一‑ を数字 で表示 した.なお表示 の際,重ね合せ られた症例数 が10例 を こえる場合 はパ ーセ ン ト表示 (例 え は "5〝はその点に関 して病巣 を有す る症例 が重ね合せ を行 った全症例 の50%あ った こと を意味す る) とな り,10例未満 の場合 は該当 する症例数がそのまま表示 され る よ うに し た. また,病巣 の大 きさについては症例 ごと に失語症状 と関連性 の高い と考え られ るス ラ イス3か らス ライス7までの各病巣 内にふ く まれ る点 の数 を加算 し,その合計 をその症例
396 北 傑
June,1985 HirosakiMed.∫.37 (2) 表 2 日発語の評価基準 (ア‑‑ン失語症 デス り
段 階 0 1 2 3
理解可能な言語表出 不完全なあるいは理 非常に慣れ親 しんだ のないもの。ほ とん 解で きない言語表出 テーマで聞き手が援
Ⅰ.情 報 態 度 ど全く理解で きない き終始するもの。聞 助すると会話が可能 もの。 理手が推測 しない と 自分の考えを多 くは
に解で きない もの。 伝え られない。
・・撃 。亨 デラ
ほ とん どすべての 日 常的問題について少
し援助すると会話が 可能。会話は明らか に障害 されている。
全 く発話のない もの。非常に強い構音障害。強い構音障害。そ し あるいは発話が極め そ して/あるいは非 て/ あるいは強い プ て少な く評価できな 常に強い プロソデ ィ ロソデ ィの障害。
い もの。 の障害。
全 く発話のない もの。ほ とんど 言語 自動症 あるいは再帰性発語 だけの も の 。
Ⅲ・自動的言語 姦指 喜品旨9g,F賢覧 評価で きない ものC
矧Trh
動症。
軽度の構音障害。そ して/ あるいは軽度 のプロソデ ィの障害。
そ して/あるいは遅 い発話速度。
のてくし多そこ
いほ非常に多
自る言語あの冒/く
語常同症。そ して/
あるいは非常に強い 反響言語。
多 くの言語常同症。
そ して/あるいは強 い反響言語。そ して /あるいは 2, 3の 言語 自動症。
全 く発話のない もの。ほ とん ど意味のない あるいは再帰性発語,流暢な,あるいは非 言語 自動症,非常に 流暢な語,きまり文
Ⅳ.意味性構造 強い構音障害,音素 旬,言語常同症の羅 性新造語のため評価 列。
で きない もの。
非常に多 くの意味性 錯語。そ して/ある いは意味性新造語。
そ して/あるいは非 常に多 くの内容のな
多 くの意味性錯語。
そ して/あるいは多 くの内容のないきま り文句。そ して/あ るいは非常に強い語 い会話に通 していな 発見の障害 い きまり文句。
全 く発話のない もの。ほ とん ど意味のない 非常に多 くの音素性 多 くの音素性錯語。
あるいは再帰性発語,流暢な,あるいは非 錯1ノIUl一二ク′J■thlUIJty1lヽ■、 語 。そ して/ある そ して音素性新造語 流暢な音素性錯語
新造語の羅列。
・・音素性構造 嘉禁鳥警鮎 ヲF書芸 性新造語のため評価 で きない もの。
Ⅵ .統辞性構造
いは音素性新造語。 がほ とん どない もの。
全 く発話のない もの。ほ とんど1, 2語の あるいは再帰性発語,発話。そ して活用変 言語 自動症,非常に 化あるいは機能語の 強い構音障害,音素 ほ とんどないもの。
性新造語のため評価 で きない もの。
の病 巣 の広 が り, 大 き さの 目安 と した .
ⅠIl.結 果
全 症 例127例 の病 巣 は島 と レ ンズ核 の後 方 領 域 か ら上 側 頭 回深 部 皮質 下 , お よび そ れ ら の上 方 に位置 す る前 頭 葉 後 部 , 頭 頂葉 前 下 部 の深 部 領 域 を 中心 と して ほ ほ左 半 球 の全 体 に 認 め られ た (図2,A).表4に各 失 語症 状 群 別 に病 巣 の大 き さを表 示 して あ る.
(ヨ ブ ロ ーカ失語
一般 に個 々 の病 巣 の広 が りが か な り大 き
短 く,統辞的に完全 長い複雑な文章で でない文章。そ して くの文章の重複あ 非常に しば しば活用 いは交錯を 変化あるいは機能語 そ して/
の誤 りのあるもの。 て活誤くの文章/用り あ変の る化あ あ中い.る 伴る断は機も ういo多能の もはそく語o 多るの多しのの
く, 前 頭 葉 のみ な らず 頭 頂 葉 前 半 部 ,側 頭 葉 上 半 部 にお よぶ ものが 少 な くなか った.病 巣 の重 な りが 比 較 的 多 く症 例 の50%以 上 に共 通 した病 変 部 位 は島 と弁 蓋 部 ,線 条 体 特 に レ ン ズ核 を 中心 と して第 三 前 頭 回 , 中心 前 回 下 部 の深 部 領 域 か ら よ り上 方 の半 卵 円 中心 に至 る か な り広 範 な もので あ った.症 例 の60%以 上 に共 通 の病 変 部 位 は第 三前 頭 回 に は な く, 島 と レ ンズ核 それ に 中心 回 下 部 の深 部 皮 質 下 に 認 め られ たが ,病 巣 の広 が りが 大 きい に もか か わ らず この部位 で もそ の重 な りが症 例 の70
昭和 60年 9月 弘前 医学 37巻 2号
発 話の流暢性が阻害 されている もの。あ るいは会話が少 し障 害 されているもの。
主観的には困難を感 じているけれども聞 き手は気付かない程 度の軽微な障害 。
全 く構音の障害のな いもの。そしてプロ ソディの障害のない もの。
言語自動症
‑l〉 JHHHllJIJ⊥⊥⊥̲O l.・‑IHHIlプラ′ノ⊥⊥⊥ そして/あるいは軽 いもの。言 い反響言語。 の全くない ごく軽い構音障害O
そして/あるいはご く軽いプロソディの 障害の徴候のみられ るもの。そして/あ るいは軽度の発話速 度の遅延。
2, 3の言語常同症。 の語も 響言語の全く の。
わずかな意味性錯語。
そして/あるいは強 い語発見の障害。そし3nノ ての文 /内旬 あ容o
るいはの な tV きヽ2
2,3の音素性錯語。
そして/あるいは音 素的に不確実なもの。
2, 3の活用変化, 機能語の誤りを伴 う 長い複椎な文章。そ
して/あるいは 2, 3の文章の交錯,中 断あるいは断片的な 文章。
な症反もく同oい全常のな
語選択に障害のない もの。そして語の結 合の障害のないもの。
語発見の障害のない もの。
音素性障害の全 くな いもの。
統辞性の障害のな い
もの。
一部 改変 .
%を越 える ことはなか った (図2,B).
構音失行著 明群 (図4,A)では個 々 の 症 例 におけ る病巣 の広が りが一般 に大 き く,そ の80%以上が第三前頭 回か ら弁蓋部, 中心前 回下 部にかけての領域 と島, レンズ核 を含 む 深部皮質下領域 に集 中 してい た.一方,構音 失行軽度群 (図4,B)では著 明群 に 比 較 し て病巣 の広が りは明 らか に小 さ く,島 とレン ズ核 周辺,その上方 の前頭葉後部 白質領域 に やや重 な りが多 く認 め られたが50%台 にす ぎ なか った.
失語症におけるCT局在 と病巣の大きさ 397
㊥ ウ ェルニ ッケ失語
個 々の症例 の病巣 の広が りは ブローカ失語 に比べか な り小 さい ものが多か った.病変部 位 は側頭葉 に限局 した ものが多 く,一部は頭 頂葉前半部に も認 め られ た.症例 の50%以上 に共通 してみ られ る病変部位 はいわゆ る ウ ェ ルニ ッケ領野 (上側頭 回後半部) を含 む上側 頭回 とその皮質下,それ に中側頭回 の深部皮 質 下領域 で あ った.特 に ウ ェルニ ッケ領野 に 隣接 す る上側頭 回皮質下お よび一部 の中側頭 皮質下領域 には症例 の70%が病 巣 を有 してい た (図2,C).
視理解不 良群 (図5,A)では病 巣 の 重 な りが,上側頭 回後半部, 中側頭回,上線回, お よび一部 角回にかけての皮質,皮質下領域 に多 く,特 に中側頭回皮質下領域 には全例が 病巣 を有 していた.聴理解不良群 (図5,B) では全例が ウ ェル ニ ッケ領野 に隣接 す る上側 頭 回の深部皮質下か ら頭頂葉前下部 の深部 白 質領域 に病巣 を有 してお り,全 体的にみ る と 視理解不良群 の病巣が皮質 ,皮質下 の表面領 域 に存在 していたのに対 し,聴理解不良群 で は病巣が よ り深部領域 に存在 してお り注 目さ れ た.病巣 の広が りは両群共 比較的小 さ く差 異 は見出 され なか った.
さ らにToken Test良好群 (図6,A)で は個 々の病巣 の広が りが一般 に小 さ く,その 80%は ウ ェルニ ッケ領野 と上側頭 回深部皮質 下領域, 中側頭 回 の深部領域 に病巣 を有 し, 限局 す る傾 向がみ られ たが,Token Test不 良群 (図6,B)では病巣が良好群 よ り も有 意 に大 き く, 中側頭 回後半部 を中心に前方 あ
るいは後方へ と拡散 していた.
㊥ 健 忘失語
個 々の症例 の病巣 は比較 的小 さい ものが多 か ったが病変部位 は一定 せ ず 前 頭 葉, 頭 頂 葉 ,側頭葉 を含 むか な り広範 な領域 に分布 し てお り,後頭葉 に病巣 を有す る症例 もみ られ た.島か ら線条体にかけての領域 と上側頭 回 特 にその皮質下領域 に症例 の重 な りが多か っ たがいずれ も40%台 にす ぎなか った (図 3,
398 北 傑 June,1985 HirosakiMed.∫.37(2) 表 3 7‑‑ ン失語症 テス TLの 白発語評価基準を用いた各失語症状群の分析結果
段 階
Ⅰ 情 報 態 度
Ⅱ 構音 とプロソデ ィ
0 1 2 3 4 5 平均値
ブ ロ ー カ 失 語 ウ ェ /レニ ッ ケ 失 語 健 忘 失 語 伝 導 失 語
全 失 語
ブウ健伝全
2 22
7 12
1 25 10 1
13 2
4 ‑
7 9
6 4
ロ ー カ 失 語 ェ ル ニ ッ ケ 失 語忘導 失 語 失 語
失 語
872733872321330 534720492424341
一1345一
一7944
035231
2116
8一14
一二一9
Ⅲ 自 動 的 言 語
ブ ロ ー カ 失 語 ウ ェ /レニ ッ ケ 失 語 健 忘 失 語 伝 導 失 語
全 失 語
360056916933430
2一103一
13484一
2115一4一
34二6
13
17
Ⅳ 意 味 性 構 造
ブ ロ ー カ 失 語 ウ ェ ル ニ ッ ケ 失 語 健 忘 失 語 伝 導 失 語
全 失 語
517671663432330
二二一
9一125一
㌘1765一
33一14
一3一一9
23
Ⅴ 音 素 性 構 造
ブウ健伝全
ロ ー カ 失 語 ェ ル ニ ッ ケ 失 語忘導 失 語 失 語
失 語
56870018胡22430
2
251441
211025一
138一22
3ll
22
Ⅵ 統 辞 性 構 造
ブ ロ ー カ 失 語 ウ ェ ル ニ ッ ケ 失 語 健 忘 失 語 伝 導 失 語
全 失 語
979166189313320
1E2
一6122一
41546一
192t32
16一二9
二二25
数値は概当す る症例数 と各失語症状群 の平均値を示す.
A).
また,呼称良好群 (図7.A),呼称不良群 (図7,B)共 に レンズ核か ら島後部を経 て上 側頭回深部領域に至 る部位 の病巣 の重 な りが やや多か ったが,いずれ も症例 の半数に満 た ない ものであ った.病巣 の 広 が りに 関 し て は,両群間に有意の差が認め られなか ったが 不良群で広が りが大 きい傾 向を示 した.
④ 伝導失語
個 々の症例 の病巣 の大 きさにはかな りのば らつ きがみ られた.第三前頭回か ら側頭葉, 頭頂葉 のほほ全体 にわた っ て 分 布 し て い た が,症例 の50%以上 に共通 した病変部位は ウ ェ/レニ ッケ領野を含む上側頭回 とその皮質下 領域か ら上線回お よび一部角回に至 る比較的 限局 した領域 であ り,特 に上線 回 とその皮質
下領域 には症例 の80%が病巣 を 有 し て い た (図3,B).
流暢群 (図8,A)では病巣は一般 に 小 さ く, ウ ェ/レニ ッケ領野に隣接する上側頭回皮 質下 と中側頭回お よび上縁回, それ らの深部 皮質下領域に比較的 よ く限 局 し て い た.一 方,非流暢群 (図8,B)では流暢 群 に 比 較 し,病巣 の広が りが有意 に大 き く,第三前頭 回を含む前頭葉か ら上, 中側頭回そ して頭頂 葉 にお よぶ広範囲に分布 し,流暢群 よ りも病 変部位 は前方 に位置 していた. しか し病巣 の 重 な りは流暢群 と同様,上側頭回後部, 中側 頭回お よび上縁 回に多 く,3例 ともこの部位 に病巣 を有 していた.
㊥ 全失語
病巣 は前頭葉,頭頂葉,側頭葉 のほ とん ど
昭和 60年 6月 弘 前医学 37巻 2号
slice4
60
10 20 30 40 50 slice6
失語症 におけ るCT局在 と病 巣の大 きさ
10202030
60
10 20 30 slice5
10 20 30 40 slice7
図 1 CT‑ス ライ スに対 応 した 標 準 化 され た マ トリ ックス ・ス ライ ス4か ら ス ライ ス7 まで を示す.
すべ て と後頭葉の一部 を含む広範な領域 に分 布 し, 中大脳動脈支配領域の全体にお よんで いた.個 々の症例 の病巣の広が りも広範囲に お よぶ ものが多 く,第三前頭回,弁蓋部,良 か ら上側頭回に至 る領域 とそれ らの深部皮質 下領域,その上方に隣接する半卵 円中心にま でお よぶかな り広範 な領域には60%以上の病
399
巣 の重な りが認 め られた.症例 の70%以上に 共通 した病変部位 も第三前 頭 回 後 半 部 か ら 島,弁蓋部,上側頭回,それに頭頂葉前下部 の皮質下領域にお よぶ広範 な もの で あ った (図3,C).
構音 と プロソデ ィー良 好 群 (図9,A)で は上側頭回皮質下,それに中側頭回お よび上