Table 1 Laboratory test AST; 19 IU/l WBC; 4,600 /µl
ALT; 11 IU/l Neu; 82.5 %
LDH; 191 IU/l Lym; 10.8 %
TBil; 0.9 mg/dl Mon; 5.6 %
DBil; 0.1 mg/dl Eos; 0.9 %
ALP; 169 IU/dl Bas; 0.2 %
γ GT; 17 IU/dl RBC; 448 × 104 /µl
CPK; 56 IU/dl Hb; 13.2 g/dl
TP; 7.2 g/dl Ht; 39.8 %
BUN; 16 mg/dl Plt; 17.9 × 104 /µl
Cr; 1.2 mg/dl ESR; 55/ hr
Na; 135 mEq/l
PT; 82 %
K; 3.5 mEq/l APTT; 39.0 sec
Cl; 99 mEq/l Fbg; 640 mg/dl
CRP; 15.32 mg/dl
Table 2 Microscopic agglutination test with paired sera
17/
Sep 29/
Aug antigens
serovar species
<10
<10 castellonis
borgpetersenii Leptospira
<10
<10 javanica
borgpetersenii
<10
<10 australis
interrogans
<10
<10 autumnalis
interrogans
<10
<10 canicola
interrogans
<10
<10 hebdomadis
interrogans
<10
<10 icterohaemorrhagiae interrogans
40
<10 kremastos
interrogans
<10
<10 pomona
interrogans
<10
<10 pyrogenes
interrogans
<10
<10 rachmati
interrogans
80
<10 grippotyphosa
kirschneri
症 例
27 歳男性.主訴は発熱,頭痛.既往歴,家族歴 に特記事項なし.平成 15 年 8 月 9 日より 17 日ま で沖縄県西表島にてキャンプを行い,滞在中は川 で泳いだり,海でダイビングを行ったりしていた.
8 月 25 日より 38.6 度の発熱,頭痛が出現し,会社 の医務室を受診.投薬を受けていたが改善を認め な い た め 当 科 紹 介 と な っ た.こ の 時 す で に azithromycin の投与を 2 日間受けていた.
入院時身体所見:意識清明,体温 38.8 度,脈拍 88 回!分,血圧 124!68mmHg,口腔内異常なし,眼球 結膜充血軽度,胸部異常なし,腹部圧痛なし,肝 脾腫なし,下腿圧痛なし,浮腫なし,皮膚発疹な し,神経学的所見異常なし,髄膜刺激症状なし.
検査所見:Table 1 に示す.
入院後経過:補液のみにて第 2 病日に解熱.以 降も 発 熱 の 出 現 は な く,第 9 病 日 に CRP:0.80 まで改善を認めたため退院とした.退院後 2 週目 のレプトスピラ血清抗体価測定(Table 2)にて Leptospira kirschneri血清型 grippotyphosa 抗体価 短 報
回復期抗体価測定により診断に至ったレプトスピラ症の 1 例
東京慈恵会医科大学感染制御部
水野 泰孝 佐藤 文哉 坂本 光男 吉川 晃司 吉田 正樹 柴 孝也 小野寺昭一
(平成 15 年 11 月 13 日受付)
(平成 15 年 12 月 3 日受理)
〔感染症誌 78:288〜289,2004〕
別刷請求先:(〒105―8471)港区西新橋 3―19―18 東京慈恵会医科大学感染制御部
水野 泰孝
Key word: leptospirosis 288
感染症学雑誌 第78巻 第 3 号
の有意な上昇がみられたため,レプトスピラ症と 確定診断した.
考 察
本症例は患者の西表島での行動形態,八重山地 域での流行状況からレプトスピラ症を疑い,検査 を進めた.しかしながら入院中は抗体価の上昇は みられず,確定診断には至らないまま退院となっ た.本症例のように実際にレプトスピラの感染が あったとしても,診断不明のまま抗菌薬の投与が 行われ,自然軽快している症例は少なくはないと 思われる.本症は全国的にはまれな疾患ではある が,気候的に亜熱帯地域に属する沖縄県では現在 も散発的な発生が続いている1).輸入感染症に対 する啓蒙活動も重要であるが,国内において散発
的な発生をみる感染症においても,本症例のよう に現地での流行状況と血清抗体価の推移を追って いくことで確定診断に至ることもある.最近の旅 行形態の変化から,以前は風土病的であった感染 症に対しても,地域住民や観光業者への知識の普 及を啓発し,医療現場への情報提供を行う必要性 があると考える.
謝辞:血清抗体価の測定を行っていただきました,国立 感染症研究所細菌第一部, 小泉信夫先生に深謝致します.
文 献
1)中村正治,平良勝也,糸数清正,久高 潤,安里 龍二,成田 雅:1999 年夏季に沖縄県八重山地域 で多発したレプトスピラ症.病原微生物検出情報 2000;21:165―6.
A Diagnosed Case of Leptospirosis by Antibody Tests with Paired Sera Yasutaka MIZUNO, Fumiya SATO, Mitsuo SAKAMOTO, Koji YOSHIKAWA,
Masaki YOSHIDA, Khoya SHIBA & Syoichi ONODERA Division of Infection Control, Jikei University School of Medicine
回復期抗体価にて診断しえたレプトスピラ症 289
平成16年 3 月20日