長崎大学工学部研究報告 第15巻』・第25号 昭和60年7月 39
新制御圧延鋼の強度におよぼす セパレーションの影響とその評価(その1)
勝田 順一*・中島 正樹*
河野 和芳*
Effect of Separation on Strengths of
Thermo−Mechanical Control Process Steel(Part 1)
by
Junichi KATSUTA, Masaki NAKASHIMA and Kazuyoshi KAWANO
Recently, Thermo−Mechanical Control Process(TMCP)type 50kgf/mm2−class high−tensile steeI plates are used to welded structures such as large LPG−tank:, ship−hull, etc. for higher efficiency and lower cost. But, in some cases, the occurrence of更更separation in TMCP steel plate becomes aproblem. Last year, it became clear that the TMCP steel plate with high maximum separation index(SImax)was excellent in brittle crack:propagation−arrest characteristic.
In this paper, we had studied the effect of separation on th弓fracture toughlness and fatigue strength of TMCP steel plates. To reiterate the results written in it, they are as follows.
1)The occurrence of separation in TMCP steel plate improve its fracture toughness.
2)The fatigue strength is influenced by the angle between fatigue crack direcion and ferrite−
pearlite layers in the steel plate with』separatiqn apPearance.
1.はじめに
大型のLPG貯槽,橋梁や船舶などの溶接構造物に は,その高性能化,低コ入ト化を図るために多くの箇 所に高張力鋼が使用されている。ところが,従来の高 張力鋼は高強度を得るために合金成分が添加されてお り,炭素当量が高くなっている。そのために,低入熱 溶接時の熱影響部の硬化割れや,大入熱溶接時の熱影 響部の脆化が問題となり,溶接施工時には溶接割れ防 止のための対策が必要であった。
最近,実用化され始めた新制御圧延法により製造さ れた高張力鋼は,ミクロ組織の改善により軟鋼なみの 炭素当量で高強度,高靱駐が得られるようになった。
さらに,低炭素当量であるために良好な溶接性を有し ており,溶接割れ防止対策が不必要となった。また,
高価な合金成分の増加を伴わないことや,熱処理を行 わなくてもよいことなど省工程のために安価で,入手 までの期間が短くなるなどの利点が多い6
ところが,このような新制御圧延鋼は従来の圧延温 度よりも低温域で圧延するために,セパレーションと 呼ばれる圧延面に平行な層状の割れが発生する場合が ある。セパレーションは母材中には存在せず,シャル ピー衝撃試験などのように鋼板を破壊させた時に起こ る主破面に直角な割れである。その発生要因としては 低温加工度の増大や仕上げ圧延温度の低下などの低温 昭和60年5月8目受理
*構造工学科 (Department of Structural Engineering)
圧延条件の強化によって,鉄のへき脹面である〔100〕
面が圧延面に平行な集合組織となることや,非金属介 在物が圧延面に平行に延伸することなど1)があげられ ている。これらの要因により,圧延面平行方向と板厚 方向との靱性差が大きくなる温度域において,板厚方 向に大きな引張応力が作用した場合に発生するとされ ている。現在,実用化されている新制御圧延鋼におい ては必要以上の低温域圧延を避ける傾向にあり,.さら に,A。3変態点付近で圧延を停止し,制御冷却を行う 新しい新制御圧延法により製造された高張力鋼も実用 化されつつある。しかし,セパレーションを発生する 鋼板は脆性亀裂伝播停止特性が非常に優れている2)こ とを著者の1名を含むグループは明らかにしており,
セパレーションが新制御圧延鋼の強度におよぼす影響 を把握し,脆性亀裂に対するクラック・アレスター材『
としてセパレーショソを発生する鋼板の有効利用を図 ることで,溶接構造物の脆性破壊に対する安全性を高 めることができると考えられる。
本研究では,同一化学成分のスラブ材において,セ パレーションの発生量を変化させた3種の新制御圧延 鋼を使用し,破壊靱性および疲労強度におよぼすセパ
レーショソの影響について明らかにした。
2.供試鋼板
今回,実験に供試した鋼板は,同じ化学成分のスラ ブ材をオーステナイト・フェライトの二相域で圧延す る新制御圧延法において,2回行う制御圧延の温度域 を変えてセパレーションの発生量を変化させた3種類
である。制御圧延温度計の概略をFig.1に示す。 A 鋼は,実用化されている新制御圧延法Type Iと同様 に, 2回目の制御圧延をA。3変態点付近までに終えた 鋼板である。 B鋼は,1回目の制御圧延をA,3変態点 直上で,2回目の制御圧延を二相域で行った鋼板であ る。C鋼は,2回の制御圧延とも二相域内で行った鋼 板である。
Table 1に使用する鋼板の化学成分と機械的性質を 示す。これらの供試材は日本工業規格の低温圧力容器 用炭素鋼(SLA33B)相当の鋼板である。
3.静的破壊靱性への影響
供試鋼板それぞれの圧延方向についてCOD試験を 行った。Fig.2に供試した試験片の形状を示す。
Fig.3に圧延方向のCOD試験結果を示す。この 図から,セパレーション発生量の多い鋼板のほうが静 的破壊靱性は優れていることがわかる。また,B鋼と
C鋼の静的破壊靱性はあまり変わらない。
4.動的破壊靱性への影響
供試鋼板それぞれの圧延方向および板厚方向につい てv一ノッチシャルピー衝撃試験を行った。Fig.4に 供試した試験片の形状を示す。なお,板厚方向の試験 片は供試鋼板の板表面にそれぞれ同種の鋼板を電子
ビーム溶接して製作した。
Fig.5に圧延方向と板厚方向のv一ノッチシャル ピー衝撃試験結果を示す。同図には,圧延方向の試験 片破断面に発生したセパレーショソから算出したセパ
Structure Temperαture onventionqlPr㏄eSS Thermo Mechonたd ControUed Rol駈n Processes
RecrystoUized
iEquトAxid》
@Austenite
Nomα1 Slqb geqting丁emp,
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製韓瀞・ C.R.
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A13 葡 脚 働 輸 伽 麟 葡 一 凹一 一 ロ 一 駒 一 一@ CR. C.R. CR噂9口 __ _冒
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Ar1 一 一 一 嬬 一
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Stee1A.Steel B.Steel C
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sypeLTypeH ,Type皿
Fig.1 Schematic diagrams of conventional process and thermo−mechanical controlled rclling Process of 50kgf/mm2−class high−tensile steel plates
Table l Chemical compositions and mechanical properties
Chemicd C。mpositions(。 。) Mechαnicαl PropertieS Steel Thick.
imm) CS・M・PSC・NIC・巽1・C・gタ (、g濡品・)(、轟・)昌;
38.5 51.1 28
*kT
ABC
25 Oコ2Q361440,013 0,OO2Q.010ρ20.02O,076 0,366 43.6 55.O 24
42.5 53.8 25
米:丁MCP Type Low Temperqture Appticqtion Stee1(SLA33B Equivdent)
*x:ceq.旨。令Mrゾ6◎(cr専Mo←vンノ5噸(Ni争cQ/15
勝田順一・・中島正樹・河野和芳 41
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Notch Shαpe ュUn聡=mm)
50 50 100 115
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Fig.2 Shape of COD test specimen
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O,001 O.005
0.OOα
Steel Line
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一200 6180 −160 −140 −120 −100 −80 一60 』Temperαture(。C)
Fig.』3 Resuits of COD t6s士
RoUing Direction
Fig.4 Shape of V−notch Charpy test speclmens
Heαt−Affected Zone
(Unit・mm)
Thickness Direction
レーショソ指数(SI)の分布も示してある。セパレー ショソ指数(SI)は一般的に使用されている定量的評 価法であり,次式により求める。
SI=Σli/A
ここに,1i:個々のセパレーショソの長さ ,.A:破断面の断面積
また,セパ レーショマ指数(SI)分布の最大値がその 鋼板の代表値として用いられている。今回,供試した 鋼板の最大セパレーショ シ指数(Slm。x)と,その最 大セパヒーション指数発生温度は次のとおりである。
書3。
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Rd[ing Dlrection
Fig.5
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Results of V−notch Charpy test
A鋼:0。04(一80。C)
B鋼:0.38(一1100C)
C鋼:0。48(一1200C)
これらの図から,セパレーショシ発生量の多い鋼板 のほうが動的破壊靱性は優れていることがわかる。ま た,セパレーショツ発生量の多い鋼板のほうが最大吸 収エネルギーは減少する。これが,セパレーションの 発生が不安視される原因のひとつである。しかし,溶 接構造用圧延鋼板に対するJISの要求は,0。Cにお け・る吸収エネルギーが2.8kgf・m以上であり,現在使 用されている溶接構造用圧延鋼板の0。Cにおける吸 収エネルギーは15〜25kgf・lnであるから,セパレーシ ョン発生による最大吸収エネルギーの減少は実用上問 題とはならないと思われる。
セパレーショソ指数の分布は脆性破面汚が0%とな る温度で最大となる。セパレーショソ発生量が多くな ると,セパレーショソ指数が最大値となる温度付近で 吸収エネルギー曲線に棚ができ,この温度域では,セ パレーショソ発生量の多い鋼板のほうが吸収エネルギ ーは高くなる。これは,主三面方向と板厚方向との靱 性差がセパレーショソが十分発達できる程大きく,し かも,主二面が形成される前にセパレーショソが形成 され,試験片が薄板の積層状態となるために板厚方向 への変形が容易にな って,衝撃力がより多く吸収され るためであると考えられる。
次に,供試鋼板の圧延方向について落重試験を行っ た。Fig.6に試験片形状と試験概要を示す。
Oj9 2
115 115
230 Shαpe of Specimen
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Speclmen
lPhoto=「r(1n5istor
回
(Urlit 3 mm)
§ Suρort回
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Weight Energy 40kgf 200 kgf・m 60kgf 300 kg予m 80kgf 400 kgf乙m
Signαl Amplifier
(Unit=mm)
Counter Fig.6Shape of drop weight test specimen and outline of testing method
諌験は・肇の重油40・、60率燈串0》と傘回 れそれ5mの高さから自然落下させ,200,300および 400kgf・mの衝撃羊ネルギーを試験片に加えることに より行った。なお,試験片に取り付けた銅・コンスタ ンタン熱電対により計測した衝撃直前の温度を試験温 度とした。吸収エネルギーは,10mm間隔で設置した フォト・トランジスターを通過する重錘の速度を計測 し,試験片を置かないで空振りさせた場合の速度より 算出した運動エネノヒギーと,試験片を破断した後の速 度より算出した運動エネルギーとの差によって求あ
た。
Fi琴.7に,. g鋼ρ衝撃エネをギーの建いによる落 重試験の結果を示す。なお,衝撃エネルギーの異なる 試験結果を比較するために,吸収エネルギー高空振り した場合の運動エネルギーで除した吸収エネルギー率 で示してある。この図から,吸収エネルギー曲線は衝 撃エネルギーが大きくなるほど高温側へ移動すること がわかる。また,いずれの場合の衝撃力においても,
吸収エネルギー曲線は120kgf・m付近に棚ができ,そ の棚の発生温度域は衝撃力が大きいほど高温側へ移動
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一120・400−80−60−40 −20 Temperαture(。C)
Fig.7 Results of drop weight test(C steel)
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Fig.8Result60f drop weight test(300kgf・血)・
勝田順一・中島正樹・河野和芳 43
する。脆性破面率曲線も衝撃力が大きくなるほど高温 側へ移動するが,その移動幅は吸収エネルギー曲線の 移動幅よりもかなり小さい。衝撃力が大きくなると,
最大セ強レーショソ指数発生温度よりも高温域におい てセパレーション指数は増加し,最大セパレーショソ 指数の発生温度は高温側へ移動する。ところが,最大 セパレーション指数はほとんど変わらず,その値はシ
・ヤルピー衝撃試験の結果より小さい。
Fig.8に衝撃エネルギー300kgf・mを与えた場合 の供試鋼板それぞれの試験結果を示す。シャルピー衝 撃試験においてはC鋼のほうがB鋼よりセパレーショ ン指数は大きくなり,脆性野面率曲線は低温側にある 炉,この図より,落重試験ではセパレーショソが多く 発生したB鋼のほうがC鋼よりも脆性破断率曲線は低 温側にあることがわかる。B鋼およびC鋼の吸収エネ ルギー曲線にはそれぞれの最大セパレーショソ指数と なる温度域付近に棚が発生している。また,落重試験 においては,セパレーション指数が大きくなると吸収 エネルギー曲線は低温側へ移動しており,一1200C付 近を除いてセパレーション指数が大きくなると吸収エ ネルギー曲線は高温側へ移動するというシャルピー衝 撃試験の結果と相反している。これは,シャルピー衝 撃試験と落重試験の衝撃条件の違いにより,シャルピ ー衝撃i試験では一120。C付近に発生した曲線の逆転域 が落重試験においては試験温度の全域に渡って現われ ているものと考えられる。
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104 105 106 107 Number of Cycles to Fdlure,Nf(cycles)
Fig.10 S−Nf(σR/σB−Nf)curve of rolling direction
1.0
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至 ω 0.7 塗
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5。疲労強度への影響
供試鋼板の圧延方向と板厚方向について完全片振り 引張疲労試験を行った。Fig.9に供試した試験片の 形状を示す。なお,板厚方向の試験片は,供試鋼板の 板表面にそれぞれ同種の鋼板を電子ビーム溶接して製 作し,圧延方向と板厚方向の結果を比較するために同
じ砂時計形試験片を供試した。
、際 HeαトAffected ZOne 覧
¢B
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ROUing Direction IUni量=mm l Thにkness Direction
Fig.9 Shape of fatigue test specimens 試験の結果,試験片の疲労破面には,セパレーショ
ソの発生は認められなかった。Fig.10に圧延方向の 疲労試験結果を,Fig.11に板厚方向の試験結果を示 す。同図の縦軸は引張強さが異なる鋼板を同じ図上で 比較するために,公称応力範囲(σR)をそれぞれの 母材の引張強さ(σB)で除して求めた無次元応力範囲
(σR/σB)で示してある。これらの図より,試験片の
104 105 106 107 Number of Cycles to Fdlure,Nf(cycles)
Fig.11 Results of fatigue test for thickness direction
疲労側面にセパレーションの発生は認められないにも かかわらず,セパレーショソ指数の大きい鋼板のほう が圧延方向の疲労寿命は長くなることがわかる。ま た,板厚方向の疲労試験では,試験した無次元応力範 囲(0.69〜0.75)において20万回〜100万回での破断,
500万回以上での未破断という結果が同じ応力レベル で現われているが,セパレーション指数の大きさの違 いによる差はほとんど見られず,しかも1その応力レ ベルは圧延方向の疲労強度と比較してもあまり変わら なかった。
さらに,供試した圧延方向疲労試験片の圧延面に平 行なフェライト・パーライト層と疲労亀裂進展方向の なす角度(θ)が疲労寿命におよぼす影響について調 べた。この結果より,θが0度となるように修正した 結果をFig.12に示す。 Fig.13には,供試鋼板それ ぞれについて,θが0度から90度まで変化した場合に σR/σB−Nf線図が移動する領域を示してある。これ らの結果によっても,セパレーション指数の大きい鋼 板ほど圧延方向疲労寿命は長くなり,疲労亀裂進展方
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104 「 105 106 107 Number of Cycles to Fα醍ure,Nf(cycles)
Fig.12 Corrected S−Nf、(σR/σB−Nf)curve of rolling direction
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104 105 、 106 107 Number of Cycles to Fd【ure,Nf(cycles)
Fig.13 Assumed range for SヨNfてσR/σB−Nf)
curve gf rolling direction.
向の影響も大きくなることがわかる。
次に,圧延方向疲労試験におけるフェライ,ト・パー ライト層と疲労亀裂進展方向のなす角度(θ)に関す る修正項を含んだσR/⑳とNfの関係式を,それぞ れの供試鋼板について示す。
A鋼1σR/σ8=(1十〇.082sinθ)・1.145Nf−o 0384 (1)
B鋼:σR/σF(1十〇.112sinθ)・0、887Nf−o●0161 (2)
C鋼:σR/σB=(1十〇.125sinθ)・1.047Nf鱒。 0279 (3)
ここに,各式の(1+κ・sinのがθを考慮した項で ある。θは,実際の試験において疲労亀裂が進展した 方向を表し,κは,疲労亀裂進展方向によって亀裂の 進展が遅延することを考慮した疲労亀裂進展抵抗係数 である。
得られた結果は以下のとおりである。 1 1)セパレーショソが多く発生する温度域で限界開口 変位は増加し,静的破壊靱性は向上する。
2)セパレーショソが多く発生すると,脆性破面率に より判断される動的破壊靱性は向上する。・
3)衝撃力の大きさによってセパレーションの発生量 は変わり,その最大値の発生温度も移動するσ
4)試験片の疲労惚面にセパレーショソの発生は認め 圏られないにもかかわらず,セパレーション指数が 大きい鋼板ほど圧延方向の疲労寿命は長くなる。
5)同じ供試鋼板においても,疲労亀裂進展方向と,
フェライト・パーライト層とのなす角度によって 圧延方向の寿命は変わり,セパレーショソ指数が 大きい鋼板ほどその影響は大きいQ
6)板厚方向の疲労強度には,セパレーショγ指数の 相違による影響はほとんど認められない。
なお,疲労亀裂進展方向とフェライト・パーライト 層のなす角度(θ)が圧延方向の疲労寿命におよぼす 影響を考慮する目的で,疲労亀裂進展抵抗係数(κ)
を提案し,このκとθによる修正項を有する無次元 応力範囲と疲労寿命との関係式を示した。
最後に,卒業研究として実験に協力された本学卒業 生前田穂積,湯浅幸嗣両氏に,深く感謝の意を表しま
す。
参 考文 献 1)例えば
・日本造船研究協会第193研究部会:新製造法によ る50キロ級高張力鋼の有効利用に関する研究報告書,
研究資料No.367(昭58.3)
・目本造船学会:新しい製造法による鋼材(TMCP 鋼)の溶接構造物への適用に関するシンポジウムテ キス条(昭58.11)
・福田,国重,杉沢:高靱性熱延コイルのセパレー ションの研究,鉄と鋼,64(1978)6
・杉江,松岡, 秋山,三村,住友:パイプラインの 延性破壊伝播抵抗とこれに及ぼすセパレーショソの 影響,鉄と鋼,69(1983)9
2)多田,矢島,出口,仁藤,勝田:セパレーショソ を発生する鋼板の破壊靱性とその評価,西部造船会
会報,第69号(昭60.3)
6.おわりに
同一化学成分のスラブ材で,,セパレーション発生量 を変えた3種の新制御圧延鋼を使用し,破壊靱性およ び疲労強度に聡よ癒す影響について調査、した。,