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杉 山 和一 ㌦ 北川 圭介 日、棚橋 由彦 *日、松尾 天 日日、全 柄徳

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Academic year: 2021

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(1)

斜面市街地整備計画策定へ向けた住民参加手法 の適用 一長崎市立 山地 区を対象 として ‑

杉 山 和一 ㌦ 北川 圭介 日、棚橋 由彦 *日、松尾 天 日日、全 柄徳

*= **

ApplicationofCitizenParticlpationTechniqueinMakingthePlan forImprovementofaHillsideDistrict

‑CaseStudy ofTateyamaDistrictinNagasakiCity

KazuichiSUGIYAMA' , Keisuke KITAGAWA",Yoshihiko TANABASHI"', TakashiMATSUO ,andByungdugJUN*‥**

Abstract

Wehavesomanydenselybuiltupareaswhicharecomposedofnarrow andsteeproadswithmany stepsinhillsidedistrictsofNagasakiCity.Insuchdistricts,wehavemanyproblemssuchasnarrow and steep community roadswith many stepsand thelack ofopen spaces.These problems cause difficultiesnotonly in thedaily lifeof the inhabitants but also in evacuation activities when disastersoccur.Generally,rightsaresocomplicatedinthesedistrictsthatcitizenparticlpationisan absolutenecessltylnmakingaplanforimprovement.First,wechosetheTateyamadistrictforacase studyandinvestigatedtheconditionsofthedistrict.Second,weanalyzedthequestionnairesto the inhabitantsandgraspedtheconditionsofthisdistrict.Third,Weexaminedtheitemsandcontentsfor improvement.Finally,WefoundtheitemsandcontentsneedingImprovementWhich theinhabitants demandbyapplyingAnalyticHierachyProcess.

1.

は じめに

長崎市 の市街地 は、長崎港か ら北方向及 び北東方 向‑伸 びる狭 い低地沿 いに形成 され、その市街地 を 囲むよ うに標高

200‑400m

級の低山地が連 な って い る。 その平坦地 も事業所や公共施設等 にかな り広 い 部分 を占め られ、 さらに地価 も高 いため

、1960

年代 か ら

70

年代 にかけての高度経済成長期 を中心 に、周 辺 の斜面地が居住 の場 として開発 され るよ うにな っ た。 その開発が比較的短期間の内に急 ピッチで行わ れたため、現在のような都市基盤が未整備 な斜面市 街地が形成 された。 しか しなが ら

、1980

年代以降の 急激なモータ リゼーションの進展に対応できず、徐々

キーワー ド :意識調査分析、市民参加、市街地整備

*工博 長崎大学助教授 環境科学部

(〒8528521長崎市文教町114 TEL&FAX 0958436384)

**工修 日本鋪道㈱本社工務部

***工博 長崎大学教授 工学部社会開発工学科

**** ㈱ ペ ック技術部

*****工博 長崎大学助教授 教育学部 受領年月 日 2001(平成13)914日 受理年月 日 2001(平成13)年11月2

に時代 の流れに取 り残 され ることとな った。 その結 果、若年層を中心 とした人 口が郊外‑流出 し、人 口 の減少及 び高齢化の進展が顕在化 している

1)。

斜面市街地 には、狭 く急 な階段道路 を挟んで住居 が密集 している地区が多 く、生活道路 を始 め とす る 都市基盤 に多 くの課題 を残 している

これ らの都市 基盤整備の遅れは、住民 の 日常生活 に支障を きたす ばか りでな く、災害発生時 における避難活動や救急 医療活動 などに対 して も大 きな障害 とな ってお り、

斜面市街地 の整備が急務 とな っている

高密な斜面市街地が形成 されている地区では、概 し て土地や家屋の権利関係が複雑に絡み合 っている場合 が多 く、市街地整備計画 を策定するにあたり、 住民 参加が不可欠である。本研究では、 長崎市立 山地 区 を対象に設定 し、まず地区の現状を調査 した。次 に、

長崎市都市整備部 まちづ くり課が実施 した住民 を対

象 としたアンケ‑ ト調査の内容を分析 し、地区の居住

環境に対する住民の意識を把握 した。 さらに、現状調

査 とアンケー ト調査の結果から個々の整備項 目とその

内 容 につ い て 検 討 した 後 、 階 層 分 析 法

AHP

(2)

(AnalyticHierarchyProcess)

を適 用 し、 住民が 要望する地 区の整備項 目とその内容を明 らかにした。

2000

1500

芸1000

500

0

4000

3500

3000台 2500

2000 1

9 6 5

1

9 7 01 9 7 51 9 8 01 9 8 51 9 9 01 9

951999

‑1

立山地区の世帯数および人 口の推移

日日日日目︻日TTTTT12345

立 山全体

0% 20% 40㌔ 60% 80% 100%

‑ 2

立 山地区の年齢階膚別の人口構成

(1995

年)

‑ 1

立 山地 区の歩道 の状況

延長

(∩)

割合 ( %)

W

1.0m≦W<2.W<1.0m0m 4′255686 74.6.35 W≧2.0m 1.145 19.2

勾 l 配

J<5.l≧5.0%0% 2′657050 43.10.11

階段区間

2.794 46.8

等高線 角 との 度

0 0 ‑30 0

( 横断)

1.434 24.0 30 0 ‑600

( 中間)

1.140 19.1 60 0 ‑900

( 縦道)

3′395 56.9

2.

対象地区の現状

立 山地区 は中心市街地 に近接 した長崎市中央東部 に位置 し、

1

丁 目

〜 5

丁 目に分かれている。地区内 で は大部分 の土地が住宅地 と して利用 されてお り、

主 に平屋 や二階建 ての一戸建 て住宅が等高線 に沿 っ て建 ち並 んでいる。

‑1

に立山地区の世帯数 および人 口の推移 を示 す

。1985

年 までは世帯数、人 口 ともに増加 している が、 その後世帯数 は横 ばい状態、人 口は減少傾向に あ る

また、図

‑2

に地区の年齢階層別 の人 口構成 を示す。立 山地区全体 の高齢者人 口比率 は

17.5%

と 長崎市平均

15.6%

2%

程度上回 っているに過 ぎな いが、 これ は最 も人 口の多 い

5

丁 目の

9.1%

とい う 低 い値 に影響 されていることによるものである

1

2

丁 目で は

20%

を超え る高 い高齢者人 口比率 を示 し ている。

次 に、地区の生活道路 の状況 につ いて述べ る

地 区内 には

28

本の市道が配置 されているが、全市道延 長 の

59.6%

の区間が自動車が進入できない状況 となっ ている。特 に、

1‑ 4

丁 目でその傾向が著 しい。里 道 も含 めた歩道 の状況 を表 ‑

1

に示す。幅員 につ い てみ ると

2.0m

未満 の歩道 が圧倒 的 に多 く、 全般 に 狭陰 であ ることが明 らかであ る。勾配 につ いてみれ ば、高齢者等 にとって も比 較 的楽 に歩 け る

5.0%

未 満 の勾配 の歩道 は全歩道 の総延長 の

10.1%

にすぎず、

ほとん どの歩道 が階段道 路

(46.8%)

も しくは

5.0

%以上 の勾配が急 な道路

(43.1%)

とな って いる。

立 山地区内にお いて人 口の高齢化が急速 に進行 し ている状況 につ いて前述 した。 このよ うな状況下 で は、同 じ歩道で も比較的勾配が緩 い歩道 と階段 を多 く含 む勾配が急 な歩道 とでは、地区内の徒歩 による 移動 とい う観点か ら大 きな違 いがあ る。 そ こで本研 究 で は、地区内の歩道 を比較的勾配が緩 い 「 横道」、

階段区間を多 く含 む勾配が急 な 「縦道 」、 及 びそれ らの中間の性質 を もっ 「中間」 に分類 した。 すなわ ち、「 横道」 を等高線 とのなす角度 が

0 0 ‑30 0

「中間」 を

30 0 ‑600

、「縦道」 を

60 0 ‑90 0

と設定 した。以上述べた設定 に基づ き、地区内の歩道 を分 類 した結果、「 縦道」 の割 合 が

56.9%

と半 分以上 の 比 率 を 占め た。 これ に対 して、 「横道」 はわ ず か

24.0%

であ り、比較的徒歩 による移動が容易 な 「横 道」 のネ ッ トワークが未整備 であ る状況が明 らかで ある。従 って、水平方向への徒歩 による移動が困難 であ り、特 に高齢者や身障者 に とって大 きな負担 と な っている状況が、歩道 の分類結果か らも読 み取 る ことがで きる。

‑ 20

(3)

また、 2丁 目か ら4丁 目にか けての標高 の低 い区 域 で は、一応消火栓が設置 されてい るものの、 それ が基準 に適合 していないため、消火活動 が困難 な区 域 にな っている。 この区域 は幅

130m

、長 さ

400m

5.2ha

に も及んでお り、火災 が発生 した場 合 非常 に危険 な状況 にな っている。

3.

ア ンケー ト調査 による地区の問題点の抽出

1999

7

月、長崎市都市整備部 まちづ くり課 は、

立 山地区の住環境 の実態や今後 の まちづ くりに対す る住民 の意識 を把握す るために、 「立 山地 区 まちづ くりア ンケー ト」 を立 山

5

自治会 の住民 を対象 に実 施 した

2)

。調査票 の配布数 は

983

、回収数 は

679

、 回 収率 は

72.8%

とな っている

「まちづ くりで取 り組 むべ きこと」 とい う設問 に 対 し、要望 の多 い項 目は、多 い順 に 「車 の入 る道路 をつ くること」、「階段 を歩 きやす くす ること」、「人 の通 れ る横道 をっないで、便利 にす ること」 とな っ てお り、次 いで 「 駐車場 ・駐輪場 をっ くる こと」、

「 斜行 エ レベー タ等 を設置す ること」、 「空 家 ・空地 を市が買収 し、 まちづ くりに活用す ること」 な どの 項 目が挙 げ られている

上位 か ら

'5

番 目まで は、 い ずれ も生活道路 の整備や交通手段 に関連す ることが

らとな っている

「 生活施設 の便利 さや周辺 の環境」 の設問項 目の うち、「 買 い物 の便利 さ」、「医院 や病 院 の便 利 さ」

に対す る回答 は、「普通」、「悪 い」、 「大変 悪 い」 の 順 であ った。 また、「通勤 や交通 の便利 さ」、 「学 校 や公民館 につ いて」、「 公園や憩 いの場 につ いて」、

「 生活 の しやす さ」、「防犯 ・防災 の安 全性 」 とい う 項 目に対す る回答 は、 いずれ も 「 普通」 が約半数 を 占め、次 いで 「悪 い」、「 良 い」 の順 にな っている

学校 や公民館、公園が比較的近 くに位 置 しているに もかかわ らず、 このよ うな結果 にな ってお り、地区 の交通環境 の悪 さを表 している

一 方 、 「眺望 ・風 通 し ・日当た りにつ いて」 に対す る回答 は 「良 い」、

「 普通」、「 大変良 い」 の順 であ り、 斜面 地 区が有 す る住宅地 と しての利点 をよ く表 している

「防災 に対す る認識」に関す る設問のうち、「 火災」

につ いての認識 は 「 危険」、「 大変危険」、「不明」 の 順であ った。「台風」 につ いて は 「危険」、「 不明」、

「 大変危険」 の順 で、「 地震」 に対 して は 「不 明」、

「 危険」、「 大変危険」 の順 であ り、 いず れ も危 険 な 状態であることがかな り強 く認識 されている

それ に対 し、「 水害 ( 浸水、土石流、崖 くずれ)」 につ い て は 「危険」、 「 不明」、「 安全」 の順 にな ってお り、

やや危険性 に対す る認識が薄 いという結果であった。

「 現在 の住宅 に今後 も住 み続 けるか」 に対 す る回 答 は、 「 可能 な限 りすむ」 が

58%

、「わか らない」 が

19%

、「いずれ

(3‑ 9

年以内 に) 住 替 え」 が

11%

とな って いる

住 み続 ける理 由 と して 「日当た りが 良 い

」16%

、「 暮 らしやす い

」13%

、「 生 まれ育 った 所

」13%

、「 他 に行 くところがない

」12%

、「 風通 し が よい 」

11%

、「眺望が よ い」

11%

の順 で あ った

一方、住替 え る理 由 と して 「 車が入 らない

」21%

「階段 が多 い

」20%

、「狭 い

」12%

、「買 い物が不便」

10%

の順 にな っていた。以上 の結果か ら、立 山地区 は住宅地 と しての好 ま しい条件 を備 え る一方 で、道 路 を始 め とす る社会基盤 の整備が立 ち遅 れている実 態が明 らかである

4.

地 区の整備項 目 ・整備 内容の設定

本研究で は立 山地区の居住環境 を整備す るための 基本 的な コ ンセプ トをまず設定す る

次 に、地区の 社会資本整備 の項 目を設定 し、先 に設定 した基本 コ

表 ‑2 整備項 目及び整備方法 整備項 目 整備 内容 整備方法

車道

l

道路形態

1

.歩車分離

2.

歩車共存 車道 l l 通過交遺 1.排除す る

2. 排除 しない 車道 ‖ 幅鼻

2. 4m1. 4m

未満 以上

6m

未満

3. 6m

以上

8m

未満 車道

lV

配置間隔 1.標高差

40m

2.

標高差

60m

車道

一方通行

1

.実施す る

2.

実施 しない 横道

l

道路形態

.歩行者専用

2. バイク通行可 横道

ll

幅員

1. 2m

未満

2. 2m

以上

4m

未満 横道 ‖ 配置間隔 1.車道間 に 1本

2.

車道間 に

2

懸垂型

昇 降機

設置位置

2.

1.地区内中央部 の縦道 約

200m

間隔の縦道

3.

設置 しない

駐車場

l

設置位置 1.地区内

2. 地 区内の縁辺部 駐車場 l l

規模

1.大型駐車場

2.

小型駐車場 を分散 公園

規模

1 .まとめて 1 つ

2.

分散す る

移転住宅 移転補価 2. 1.地区内代替地 の提供 地区内共 同住宅

(4)

ンセプ トを評価基準 に して、各整備項 目の整備方法 の重要度 を決定す る。

地区の居住環境整備方策 を検討す るに際 し、地区 の現状調査や住民 に対す るア ンケー ト調査 の結果か ら、 ここではまちづ くりの指針 となる基本 コンセプ

トと して、以下 に掲 げる

4

項 目を設定 した。

(

災害 に対 して安全 なまちづ くり ( 防災)

② 利便性の向上 を目指 したまちづ くり ( 利便性)

③ 環境 に配慮 したまちづ くり ( 環境)

④ 地域住民 のつ なが りを大切 にす るまちづ くり ( っなが り)

また、地区の現状調査及 びア ンケー ト調査の結果 を総合的に考慮 し、「車道整備」、「横道 整備」、 「懸 垂型昇降機 の設置」、「 駐車場整備」、 「公園整備」、

「イ ンフラ整備 に伴 う移転住宅」 か らな る合計1

3

の 整備項 目とその具体的な整備方法のオプションを設 定 した。 その結果 を表

‑2

に示 す。 なお、 ここで

「懸垂型昇降機」 と呼んでいる設備 は、 狭 い階段道 路 に も設置す ることが可能 な小規模 な懸垂式 のモノ レールである

1

人か

2

人乗 りの簡便な設備であり、

幅1.

2mのスペースが あれ ば設 置 で き、 車椅子 を直

接乗せ るタイプもすでに開発 されている

また、省 スペースであることに加え、設置費用 も非常 に安価 であることか ら、長崎市内の斜面市街地 において現 在導入す ることが検討 されている

図 ‑ 3 車道 lの階層構造

5.AHP を適用 した整備計画案の検討

本研究では、前述 した

4

つの基本 コンセプ トを評 価基準 に用 い、表 ‑2 に示す整備計画案 に対 して A HP

3)・4)

を適用 し、 それぞれの整備項 目にお ける整 備方法の検討 を行 った。設定 した階層構造 の一例 を

‑3 に示す。 なお、本研究 は地区の整備計画 に対 す る住民の意向を引 き出す ことを目的 としているこ とか ら、月 治会 の代表

15

名か ら、各基本 コンセプ ト の重要度の一対比較及 び各整備方法 の内容の重要度 の一対比較 に関す る意向を取得 し、 その結果 を解析

(1)

基本 コンセプ トの重要度の検討

基本 コンセプ トの‑対比較 の結果算出 した重要度 を表 ‑3 に示す。解析結果か ら ( 防災) の重要度が 他 に比べて著 しく大 きくなっている。 これ は立山地 区が抱 える災害 に弱 いという特性 を強 く意識 した結 果が反映 されていることを示 している

2

番 目に高

表‑3

基本 コンセプ トの一対比結果 と重要度 環 境 防 災 利便性 つながり 重要度 環 境 1

1/5 1/2

1

0.121

防 災

5 1 2 3 0.500

利便性

2 1/2 1 1 0.215

?なかり

1 1/3 1 1 0.164 C.I.‑0.02

い重要度 を示 したのは、 ( 利便性) で あ り、 反対 に ( 環境) につ いては重要度が最 も低 い結果 とな った。

なお、評価結果の首尾一貫性 の尺度 を示す値 とし て コ ンシステ ンシー指数

(consistency index)

が 提案 されている。完全 な整合性 を持っ場合 はこの値

図 ‑4 各基本 コンセプ トが及ぼす影響

義 ‑ 4 基本 コンセプ トの‑対比較結果 と強度( 1 ) 環 境 つ な が り 強 度

環 境

1 7 0.875

C.I.‑0.00

義‑5

基本 コンセプ トの一対比較結果 と強度

(2)

環 境 つなが り 強 度 強 度 防 災

1 7 9 ,0.785

利 便 性

1/7 1 3 0.149

C.I.‑0.08

0

とな り、不整合性 の度合 いが高 くなるはどこの 値 は大 きくなる。 この値が

0.15

以下であれば合格 で

‑ 22‑

(5)

あ るとい うことが経験則 よ り示 されている。今回の 解析で は

0.02

とこの数値 を十分満 た してお り、 結 果 の整合性 は保証 されて いる

(2)

基本 コンセプ トの独立性 の検討

4

つの基本 コ ンセプ ト「 環境」、「防災」 、「 利便性」 、

W*‑M ・W

5780

0 0

0 5

0

78

0 0

0 90141

0

0 561206

0 1

00

「っなが り」につ いて、 それぞれの独立性 につ いて検 討 した

5)

。図

‑4

に各 コ ンセプ トが他 の コ ンセ プ ト に及 ぼす影響 を示す。

次 に、図

‑4

に基づ き、他 の コンセプ トか ら影響 を受 ける 「 環境」 と 「防災」 につ いてその影響 の大 きさの一対比較 を実施 し、 その強度 を算 出 した。一 対比較結果 と得 られた強度 を表

‑4

及 び表

‑5

に示 表

‑6

す。 なお、 この解析 において も

C..≦0.15

の条 件 を 満足 してお り、結果の整合性 は保証 されている

以上 の解析結果か ら、前節 で求 めた各基本 コ ンセ プ トの重要度Wを以下 の式 を用 いて補正す る。

その結果、補正後 の重要度W'は、 次 の よ うに算 出 された。

W'T‑ [0.134 0.463 0.229 0.174]

(3)

整備項 目と整備 内容の検討

今回実施 したすべての整備項 目につ いての解析結 果 を表

‑6

にまとめて示す。また、以下に 「 車道 Ⅰ 」 、

「横道 Ⅱ 」、「懸垂型昇降機」 の整備項 目の解 析結 果 につ いて説明を加 え る

「 車道 Ⅰ」 につ いては、 ( 防災) とい う観 点 か ら は 「 歩車分離」、 ( つなが り) とい う観点 か らは 「 歩 車共存」 の方が高 い評価値 とな っている。 これ は、

両評価基準 の特性 を良 く反映 した結果であ ると考 え られ る

しか し、 ( 環境)、 ( 利便性 ) の観点 か らの 評価結果 は、同 じ評価値 とな っている

総合評価 に 総合評価結果

整備項 目 整備 内容 整備方法 環

0.13

4

0.463

災 利便 性

0.229

つながり

0.174

総 評価 値 合 総 評 合 価 車道

l

道路形態 歩車分稚

0.500 0.667 0.500 0.250 0.534

歩車共存

0.500 0.333 0.500 0.750 0,466

車道 l t 通過交遺 排除す る 排除 しない

0.0.636733 0.0.363367 0.0.257500 0.0.366337 0.0.356419.

車道 ‖ 幅員

4m

未満

0.105 0.094 0.117 0.200 0.119

4m

以上

6m未満 0.258 0.280 0.268 0.400 0.295 6m

以上

8m未満 0.637 0.627 0.614 0.400 0.586

車道 l V 配置間隔 標高差40m

0.500 0.667 0.750 0.667 0.664

標高差

60m 0.500 0.333 0.250 0.333 0.336

車道

V

一方通行 規

実施す る 実施 しない

0.0.550000 0.0.550000 0.0.275500 0.0.550000 0.0.443557

○ 横道 l 道路形態 歩行者専用 バイク通行可

0.0.550000 0.0.550000 0.0.257500 0.0.550000 0.0.455437

○ 横道 l l 幅員

2m2m

未満 以上

4m

未満

0.0.363367 0.0.280000 0.0.280000 0.0.257500 0.0.227773

○ 横道 ‖ 配置間隔 車道間 に 車道間 に

21

本 本

0.0.550000 0.0.336637 0.0.336637 0.0.336637 0.0.356455

懸垂型

昇降機 設置位置 地区内中央部の縦道 約2

00m間隔の縦道 0.0.472444 0.0.355197 0.0.296413 0.0.354882 0.0.355477

○ 設置 しない

0.084 0.124 0.067 0.069 0.096

駐車場

l

設置位置 地区内

0.667 0.500 0.750 0.667 0.609

地区内の縁辺部

0.333 0.500 0.250 0.333 0.391

駐車場 l l 規模 大型駐車場 小型駐車場 を分散

0.0.275500 0.0.257500 0.0.831673 0.0.183637 0.0.217873

公 園 設置位置 分散す る まとめて

1

0.0.363367 0.0.336637 0.0.336637 0.0.550000 0.0.366328

移転住宅 移転補俳 地区内代替地 の提供 地区内共 同住宅

0.0.621308 0.0.402000 0.0.333333 0.0.493131 0.0.402804

(6)

ついては、「歩車分離」が 「歩車共存」 をやや上 回 る結果 となった。 これは、評価基準 ( 防災)の重要 度が他の評価基準 の重要度 よりかな り高 いことによ

「 横道

Ⅱ」

の評価項 目については、すべての評価 基準 について 「2m 以上 4m 未満」の方が高 い評価 値を得 た。従 って、総合評価 につ いて も同様の結果

とな った。

「懸垂型昇降機」 の評価項 目については、すべて の評価基準 に対 して、「 設置 しない」 は低 い評価 と な っている 。 「 地区内中央部」 と 「 2 0 0 m 間隔」 に対 する各評価基準 に対す る評価 は表

一6

に示す通 りで あるが、総合評価 についてみ ると 「 2 0 0 m 間隔」 と いう地区内に多 く設置す る計画が高い評価 となった。

なお、 すべての整備項 目の検討 にお い てC.

.

0 . 1 5 であ り、整合性 の条件を十分満た している。

6.

まとめ

長崎市の斜面市街地では、人 口の空洞化や高齢化、

災害 に対す る脆弱性、 日常生活 における障害 などの 様 々な都市問題が発生 している

この最大の要因は、

道路 を始 めとす る都市基盤整備の遅れによるもの と 考え られ、その整備が急務 とな っている

しか しな が ら、 このような整備事業 については、市民 の権利 や財産 にか らむ場合が多 く、遅 々 として進 まないの が現状である。 このよ うな現状 を打開す るため、計 画段階か ら住民が積極的に参加で きるよ うな手法の 開発が強 く求 め られている

本研究では、長崎市立山地区を研究 の対象 に設定 し、 この地区における都市基盤整備計画 における住 民参加手法 と して階層分析法

AHP

を適 用 す る こと により、整備計画の検討 を行 った。すなわち、地区 の整備計画 に関す る住民 の意向を、基本 コンセプ ト を評価基準 に して、各整備項 目の内容を導 き出す形 で明 らかにす ることがで きた。 このような一連 の解 析によ り、住民 の意向を反映 した計画案 の策定が十 分可能であるとの結論 に至 った。住民独 自で具体的 な計画案 を策定す ることは困難であるか もしれない が、 い くつかの選択肢か らその地区に適 した計画を 選択す る本手法 は初期 の計画段階か ら住民参加を図 る上で非常 に有効であ り、事業の推進 に大 き く寄与 す ることが可能であると考 える。

本研究 を進 めるにあた り、長崎市都市整備部 まち づ くり課 の関係各位 には様 々な資料 を提供 していた だいた。厚 くお礼 を申 し上 げる次第である。

参考文献

1

)杉山和一 :長崎市内斜面市街地 の居住環境改善 策 の提案 , 土木計画学研究 ・講演集 , N o . 2 2( 2 ) ,

p. 4 3 1 ,1 9 9 9 . 1 0

2)長崎市都市整備部 まちづ くり課 :立山地区 まち

づ くりア ンケー ト ,1 9 9 9.7

3

) 刀根薫 :ゲ ーム感覚意思 決 定 法 , 日科 技 連 ,

1 9 8 6 .3 .

4)木下栄蔵 :わか りやす い意思決定論入門,近代

科学社 ,p p. 5 5‑9 3,1 9 9 6.2

5)木下栄蔵 :マネジメン トサイエ ンス入門,近代

科学社 ,p p.1 6 2‑1 7 2 ,1 9 9 6 .2

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参照

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