新製品開発プロジェクト選択のスコアリングモデル
(研究ノート)
新製品開発プロジェクト選沢の
ためのスコアリングモデル
岩田憲明
1.はじめに 2.O'Mearaのモデル 3.Cooperのモデル 4.むすび
は じ め に
新製品開発プロジェクトの選択のための手法としては,内部利益率法,正 味現在価値法,線型計画法〔2〕,動的計画法〔6〕 〔7〕などの各種の数量
(1)
的手法が開発されている。しかしこれらの数量的手法,財務的手法は商業化 という新製品計画の諸段階の中では後期の段階〔3〕においてのみ通用が可 能である。新製品アイデアをはじめてふるい分けるというスクリーニング段 階においては高度な数量的手法を用いるための必要な情報を得ることがで きないために,それらの数量的手法を通用することができない。このような スクリーニングという新製品計画の早い段階において通用可能な手法として
(2)
はチェックリスト法,スコアリング法(評点法)などがある〔1〕。スコア リング法とはチェックリスト法の一つの拡張であり,新製品開発プロジェク ト(新製品アイデア)をいくつかの基準(評価要素)について評価し,評価
(1) Kepler‑Blackman 〔7〕については,拙稿, 「ORによる研究開発プロジェ クトの評価・選択」森俊治,三木信一,大橋岩雄編, 『研究開発管理と体 系』,丸善 昭和54年. pp. 103‑111を参照。
(2) Albala 〔1〕については,拙稿, 「研究開発プロジェクトの評価と選択のため の段階アプロ‑チ」長崎大学『経営と経済』,第53巻第4号,昭和53年. pp.
17‑22を参照。
204
経?:?と経済 要素ごとに点数を与え,それら点数を合計してプロジェクトの総合評点と
し,総合評点の大きいプロジェクトほど価値があると判定する手法である
(9)。
本稿においてはスコアリング法の代表的な手法である
Q'Mearaモデル
(10)
と近年開発された
Cooperモデル
(4)について紹介することにし ょう
O2. Q'Meara
の モ デ ル
Q'Meara
のモデルにおいては評価要系(評価基準)は大きくつぎの
4つ に分けられる
OI
市場性(新製品のけjJ易への没透の容易さ)
E永続性(完上の安定性)
E
生産能力
N成長の可能性
これらの要宗(評価基準)はいくつかの小要采にさらに分けられている
o1
. 市 場 性
A.
現在の流通チャネルとの関係
B.現在の製品ラインとの関係
C.品質と価格の関係
D.
サイズと等級の数
E.商品の特徴
F.
現在の製品の売上への影響
n.
永 続 性
A.安定性
B.市場の広さ
C.
景気変動に対する抵抗力
く
3)Mott1ey = Newton C 9)については小川英次, r生産計画論~,河出書房,
flR和
42年 ,
pp. 83 ‑88を参照。
当賠田富山 NU︒ロ勺
hnwT摘出 SUNuuuq て
uy令市山見守
MOUQ'Meara
モデルの評価要宗と選択肢
│非常に良い 良 し、
立日立通 悪 い 非常に悪い I 市場性
A.現在の流通 市使が現場でう在に とき のチャネりルを 要 ヤ主不ノとレ壱し主ても
Jたるレ!!現一要を
ιう在市部使 Eと新 場均のとう 三 チに せ主る要た不市め場にと現
lは同lZE在流新等な 通しい さ せ使なチ主用いるャ要。 たネし市ルなめ場をにけ主にれは流新ばと通なしして い さ ら せ存チ主るャし張なたネ市ルめけ場れに IC 完IはばE 流新全な通にしら依 いな さ チャネ
Jレとの とによ主 関係 流る通。 する乙と よチ り,ま し チャル のな 使チ し、ャネ 乙 用ャネしルなけとれを にら 流とき によせ り に し、。 通る。 さ で い。
B.現在の製品 関 現在の製も 品ラインを 必ずし在 も必要とし 合る現。 す在るのこラとイがンでに適 き 完在る 全にではないが 合 適現在合の製な 品ライン ラインとの 補なうのでその をな補いがな現う。 のライン 現す のとラインに適 る
l乙しし、。 係 ラインはよとりす 多くの 乙ができ。 製品を必要 る。
c.品質と価格 格同の等競で の品製質品 のすべ 低同ど価等のの合品で質製 あ のほと 製あ品同る等。 と白ほ品ぼ質同由価競格合 で 格白競同で等合あ製のる品。 品質よのり高多価 く 価て格同の競等で合のあ製品る質品。 のよすり高 べ の関係 て 合あ より低 んり 競格 品る。 によ 価る。
D.サイズと等 サイズと等級の数 少ないがしかしい と等。すいで顧己く級しつ客かとががか白し必需の少で要要サなきでをイいる 在 満 ズあ 庫とりい等,が必く級しつ要かがかでも必十のあ要分サるで。 なイ在 ズあ 庫級か多がをも必必かく 要要白なサでとり多すイあズるりく 。,のと等在 し
I級の数 は少ない。 級くつかのサイあ ズと等 が必要でる。 庫fる
こ。 E. 商品の特徴 徴尽告持ーる特を,つあおし競徴て。 よる行企販合びをな製業売デそうが促品白ィべ全進を製スき上力,品プを 特 広 回は レ 比べ競較き特合し製徴う品をる完持とかつりな込。 むり 売持他つり白込。 製む品べとき特同等徴を 白 合てば売少製い品ななり込白いしむ水。 一準べ般にき特達に徴 競し 進徴ま警をを行持告書たな最なう高だい層。 け難 白特
表 l
MOO
蹴球作論部
│
非常に良い
│良い
3tYゴ三2λπ旦
1思い
│非常に悪い
F売. 上現へ在のの影製響 品の を助現長在すの製る品はずの売で上 あ をなはと助現い明っ長。在てら惑す現か白製在でるく な品か白あ売い目るも売上。 としれ 上にと
現を与在の売な 上には影 現げ在との売在るらな上か白あ売いのるも'上 。さ乙しれ ま 上主ろ主現性をう在減。 の少高白いさも製せっ品ると目でも売 収 あ 持えい。 助なたは い。と現な な 白
とる。 明け らかで
A.安定性 基つ本的ね製に使品用であされる。 る し年で当さ初間あ ら心に投少益資をな生をく回むと収 製も 数利るし。 年益当さを初間ら生白に(少投む 5""" 製資なを 1品く 0 回年でと収 ) あも 間あL."利当る。 初益さを白ら生投に資む 1""" 製を品回
5収年で I あE 陳おる。 そ主化らすく近る製い将品来 で 1
日口0 目 利
、空)0 B.市場の広さ っおは全製よさび品国ま的海でざ市外まあ市場なる消。 場, 資をま者 たも 持さ全つま製国ざ的品ま市なで消場あ費まる者。 たを は 持さ企つま製図ざ品的ま市なで場消あ費まる者。 たを は つた製地程域類品市での場消あ費ると者。 限をら持 れ 門ン小製化グ飼品ささ域なれマに市ーおる 場ケけをテる専 持
イつ で T あこ 。
C 対.景す気る抵変抗動力 に 受売上けな ほ景気の影響 小 l と景そさ気しの変影景動響気のは影変わ凱動後 かは に上売下ヒすは景る。 気ととも 大変白景動影台気変. 動の影ててる景
n符も気 はそ 要る景。 は気極変端動にに変よ動り需 す をい。 響後い.ではそなわか しく る。 D
対.す季節る抵変抗動力 に 年安間定をし 通して売上 ば売異上常なは環安境定をし除てい け 問でし季題かき節はるし小在。 変庫動さやはく人,あ解員る。 決 白 題し手が
Z在生
E庫じ変やる動人。 は口大の問 き 大剰られ季在き節庫なく 変白いレ。 動問イ 題はオ非はフ避や ')f; 過 にけ は ている。 る。
E独. デ占性 ザインの 特設許さ により完全に が完なは特全, 許そは白特護与許すえかにられよ E れるとり いま特持 。きく 許模なし倣かは与す優しえそるれ E られ特 はとな のう 業なかい特。,にも詐そ技よしれが術りし模与て力な倣え白いよ。 あ古らり大れれる企 なきる 倣いる特。す。 許そるがし
E与てと誰えがでらでれも模 なき 保 れる。 でにき保ない るもし で いれた徴 L 、。 をつ。
│非常に良い│ 良 い
│普 通
│惑 い │非常に悪い
E生産能力
A.必要な設備 休産中すそののる製設こ備品とはにが現よで在り遊 生き 設
ζ備そとのに製でよ製品調きり生品整はる現。産がとす在し生 由 盟 かる 入企てと現大が業し在半なではの追はけき設生れ加る産設備。ばす備なにしをよかるら購 なと っ し 企をら業購なか入はい 白 多しなくの新れ設 ば 備な企をら業購な入はいす。 しべなてけ新れ設 ば 備なきもくつ 現。る在しか由け 設がし備 い る。 産でし,計あ他画が る。 の自 必の 使る用。 す 乙と で い。
B識. 必と要人員 な生産知 す
lと現よる在こり新のと製が知識品でをとき人生る産 。員 を識品で除をほきと人生んける。 ば民産の少す,に現よるし在白とり新例のと製 知が 外 産が員る。 若す.に干現よる在のり乙新例のと外製知が識品はでをあと生 人るき 白よと現新必そ要半在し性のい々知知ので割識識あ合る人人。 は員 目 お た新め製 i 知あ
E品は識る をほ生人と産ん民すど新 必る 要しい と が で。
C可. 原能性 材料の入手 良
lき
E企購由る業業入。 者すは原かる材
Eら独料とをが占最 的 で 部数でできら企分購,白きも業入企購をそる最す入業。 はし原良て白する 材町
Fこどる
2業料と己こり 者のがかはと大 かで多がら 分購れをきと企入を多かが, 業最数でそかす良のはきしらる購原企てのるこ入材業業。 他と料者白すのが半由いかる子 で 分ず
ζ り外半ずと企れを由と業,多がか最数ではか原良白きら購材企白る料業入。 業者すの白大 以いる 良半白け企企れ由ま業業た業ば者ははかな原す以らら購材べ外な入料て白いを少。 のし数 大最な 百成長の可能性
A地.市位 場における 新現なで 在は尚たされ硝 て 品製
1を品
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tf場白かなりつす白製 部 る 品え現にた小製在品市さ場なで改にあ良ある。 をる製 加 品何り現,とも類新在な市似いし。 場白い製にと品あ
Eでろる製 あは い いニーズをプ 製た アッピー
Jレ す品 あしいる。 タイ の い特る 徴を持 あ
B競加. 争予価状想値 況さーれ付 る 制加製競限価品争す値で相がある手非たる常。 をめかにに,高な付 いり 品追に己他が加,と適申設を付企備欲し加業なにし価投はいな値場資い己がの合すた 7 製めはる
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Zい加他,利ほ競白で価ど企市合な 値 業場す でほ強と白企 な 企おに大業よ,付企びが力業競い日 両,
Aく 立中つすが企かる低業白たい小 , め 。 場す
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l乙品, 価る。 均三 い。 し
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uにで MO吋MO∞
非常に悪い
はあ 数で のる 者す 費少 消滅 終り︒
最なう かろ はろ 数あ ので 者る 費す 消少 終減 最し︒ 少う 悪 通 最終消費者の数 は,ほんの少し増加 するであろう。
3lf.
主 同 し、
はあ 数で のる 者す 費加 消増 終に︒
最度'つ 適ろ
良 非常に良い
はあ 数で のる 者す 費加 消増 終り︒
最なう かろ
c.
最終消費者の 数
0' Meara(1
0) pp. 84‑850(出所) 評価表の使用例 表
2 9 8ジョンスミス
7非常に悪い (2) 確率期待値
評価者:
6悪い (4) 確率期待値
5
普通 (6) 確率期待値
4
良い (8) 確率期待値
J‑... • ガミ
川一値 い一待 l 良一期
︐
f﹂一常一率 非一確 提案製品: 要
2 1小評価 要素評点 期待値 合計 重み
6.46 .4
0.8 0.2 3.0 0.51.
6 0.21.
0 0.11. 0
前時作商務
6.0 23
.4
6.4 17.6 11.6合計
71.
46.0 7.8
6 .4
8.8 5.80.2 0.1 0.8 0
.4
0.80.2 0.1 0.2
2.4
1. 2
3.0 0.6 3.。0
.4
0.2 0.5 0.1 0.51. 6
3.21. 6
3.21.
60.2 0
.4
0.2 0.4 0.21.
0 3.01.
0 5.00.1 0.3 0.1 0.5
1. 0
3.01.
0 2.0 2.0 10.0A.
現在の流通チャネ ノレとの関係、
B.現在の製品ライン との関係
c.品質と価格の関係
D.サイズと等級の数
E.商品の特徴
F.現在の製品の売上 への影響
小要采 1. 2 (出所)
0.3 0' Meara
(1
0) p. 860新製品開発プロジェクト選択のスコアリングモデル D. 季節変動に対する抵抗力
E. デザインの独占性 1 I I . 生 産 能 力
A. 必要な設備
B. 必要な生産知識と人員
c. 原材料の入手の可能性 IV. 成長可能性
A. 市場における地位
B. 予想される競争状況‑付加価値
c. 最終消費者の数
209
Q'Mearaのモデノレにおいては4つ の 選 択 肢 (I非常に良いJI良しリ「普 通Jr悪いJI非常に悪いJ)を用意しているO さらに Q'Mearaのモデルに おいては各評価要素の各選択肢ごとに,その内容を示す文章が準備されてい る。表lは Q'Mearaのモデノレの評価要素と各選択肢の内容を示す文であ る。
いまX製品を Y企業が評価すると仮定しよう。 Y企業が X製品の「市場 性」という評価要素について評価した結果を示したものが表
2
であるo表2を見ると「商品の特徴」という要素については「非常に良い」という 選択肢に対応する確率が5096であり I良い」という選択肢に対応する確率
が40%, I普通」という選択肢に対応する確率が10
タ ム
「悪しリ 「非常に思 い」に対応する確率がゼロと評価されているOさて小要素の各選択肢に対応する確率が与えられたならば,それに各選択 肢 の 点 数 (I非常に良い」の場合10点 I良い」の
j
易合8点 I普通」の場 合6
点 I悪い」の場合4
点 I非常に悪い」の場合2
点)を釆じて期待値 を求める。例えばX
製品の場合は「商品の特徴Jが「非常に良い」に対応す る確率は5096であり I非常に良い」の点数は10点であるから期待値は5.0(= 0.5 X 10)となる。同様にして「良いJI普通」についての期待値もそ れぞれ第四列,第五列に示すように3.2および0.6と得ることができる。
これら小要素の期待値を合計したものが,第 8列の数値であるof9
J I
えば X210
経 営 と 経 済
製品については「商品の特徴」の期待値合計は8.8(=5.0十
3.2+0.6)である。
小要素には重要性を考慮して主みが与えられるolli:みは表2の第2列l乙示 されている。
さて前出の期待値合計(第
8
列)と宝み(第2
列)の積が小要素評点とし て第9
列に示されるo例えばX
製品については「商品の特徴」という小要素 評点は 17.6(=2.0X8.8)であるO第
9
列の下欄の合計7 1
.4はX
製品の市f易J性に関する評価要素全体について の評点であるDX
製品は市場性の場合と同様にして永続性,生産能力,成長可能性につい ても評点が得られそれぞれ68.6,91.6, 69.2であったとするo表3は評価総 括表であり,これらの数値は第3列に要素評点として示されているD
さて評価要素は小要采の場合と同様にして重要性を考慮して重みが与えら れる。重みは第
2
列に示すとおりであるO これによると市場性に対する重み が0.4であり,最大であるO第
2
列の重みと第3
列の要素評点の積が第4
列に最終要素評点として示さ れている口市場性については 28.6 (=0.4 X 71.4)であるD
これら最終要素評点の合計は72.2であり,これが
X
製品の総合評点とな 表3 評 価 総 括 表提案製品
x製 品
評 価 者 :ジョンスミス
1 2 3 4
要 素
重 み
要素評点 最終要素評点 1. 市場性 0. 4
71 .
4 28.6I I .
持続性 0.3 68.6 20.6i l l .
生産能力 0.1 91 .
6 9.2I V .
成長可能性 0.2 69.2 13.81 .
0 総合評点72.2(出所) 0'
Meara( 1
0) p. 86。新製品開発フ。ロジェクト選択のスコアリンクゃモデソレ 211 る 。
O'Mearaの モ デ J レにおいてはこの総合評点の高い新製品プロジェクト の方が選択されるべきであるという乙とになる。
3. Cooperのモデjレ
O'Meara
モデルはスコアリング法の代表的なものであるが, このような 従来のスコアリンクゃモデ
jレにおいては評価要素および主みが怒芯的・主観的 に決められていると
Cooperは欠点を指摘する
Oそ し て
Cooperは新製品 成功・失敗プロジェクトについての調査を行ない,その調査データに対して 因子分析および回帰分析という多変量解析法を適用してスコアリングモデル を導出した。以下その概要を述べよう。
まず
Cooperは 新 製 品 の 成 功 ・ 失 敗 に 関 係 す る と 思 わ れ る 新 製 品 の 性 格 を示す変数のリストを作成した。これら変数はつぎのようにク、ソレープ化され ている口
① 資 源 迎 合 性
②
プロジェクトの特徴
③ 企業にとっての新規性
④ 製 品 の 性 格
⑤ ‑111 J
易の性格
これらの各ク'ループに属する(新製品の性格を示す)変数はつぎのとおり である
D《資源適合性
l① われわれの会社の財務資源はこのプロジェクトについて十分であった。
②
われわれの会社の研究開発の能力と人員はこのプロジェクトについて
‑1・分であった D
③ われわれの会社のエンジニアリングの能力と人民はこのプロジェクトに ついて十分であった。
④ われわれの会社のマーケティングリサーチの能力と人民はこのプロジェ クトについて十分であった。
⑤
われわれの会社のマネジメントの能力はこのプロジェクトについて十分
212
経 営 と 経 済
であったD
⑥ われわれの会社の生産の資源と能力はこのプロジェクトについて十分で あった。
⑦ われわれの会社の販売員および流通の資源と能力はこのプロジェクトに ついて十分であった
D
③ われわれの会社の広告および販売促進の能力と資源はこのプロジェクト について十分であったo
t
プロジェクトの特徴J@ われわれの製品は非常に革新的(市場にとってまったく新しい)であっ T
こ
o⑮
われわれの製品は技術的に高度なものであった。@
われわれの製品は非常に高価なものであった。⑫
われわれの製品は機械的には非常に複雑なものであった。⑬ その製品のアイデアは企業内研究室または技術部門からではなく,市場 からわれわれのところに出て来た(i市場」の場合10点 i企業内」の場合
0点)。
⑭
その製品の仕様はプロジェクトの当初から非常に明らかであったO⑬ 技術的側面(技術的問題の解決方法)は当初から明らかであった。
⑮
われわれの製品は標準品ではなく,特注品(特定の顧客のために設計さ れた)であった(特注品の場合10点,標準品の場合O点)。⑬
われわれの製品はシェアを獲得するためにまたは新しい顧客を獲得する ためにではなく,われわれのマーケットシェアを維持するために防衛的に導 入された(防衛的の場合10点,攻撃的の場合 O点)。⑮
他の新製品導入にくらべて,その製品の最初の販売のための費用と投資 は非常に大きかった(非常に少ない場合10点)。《企業にとっての新規性l
⑬
乙の製品の潜在顧客はわれわれの会社にとってはまったく新しいもので あった。@
その製品クラス自体はわれわれの会社にとってまったく新しいものであ新製品開発プロジェクト選択のスコアリンクーモデル
213っ
fこ
o@ われわれは以前にこのタイフ。の顧客のニーズまたは用途を満足させる製 品を作ったり売ったりしたことはなかった。
⑫
その生産工程の性格はわれわれの会社にとってまったく新しいものであ った。⑫ その製品を開発するために必要な技術(研究開発)はわれわれの会社に とってまったく新しいものであった。
⑫
乙の製品の流通システムおよび(または)販売員のタイフ。はわれわれの 会社にとってまったく新しいものであった。@ 必要な広告と販売促進のタイプはわれわれの会社にとってまったく新し いものであったo
@ われわれがこの製品の市場で直面した競争者はわれわれの会社にとって まったく新しいものであった。
t
製品の性格l
@
競合製品とくらべると,われわれの製品は顧客lに乙多くのユニ一クな属fを提供した0
⑧
われわれの製品は顧客のニーズを満たすという点においては競合製品よ りも明らかに優れていたo⑫
われわれの製品は,顧客がその時に使っていたものとくらべると,顕治:の コ ス ト を 減 少 さ せ た 。
@
われわれの製品は顧客がその時に既存のものでは不可能であった仕事を 顧客に可能にした。⑧ われわれの製品は競合製品より品質が高度(厳格な仕様,より強問,よ り永持ちがするまたはより信頼性があるなど)であった口
⑨
われわれの製品は競合製品よりかなり高価であった(かなり高価の場合 10点,かなり安価のf易合O点)。⑮
われわれは乙のタイプの製品をもってその市場に入った最初のものであっ
7こ 。
{ (
i有場・の性絡
l
214
経?:?と経済
@
この製品については顧客が一人とか少数ではなく多くの潜在顧客がいた (マスマーケット )
crマスマーケット」の場合
10点
r一人の顧客」の場合
O点)。
⑧ 潜在顧客はこのクラスの製品について大きなニーズを持っていた
o⑧ この製品クラスについては潜在前要しかなかった(導入の時点に市場は なかった)。
⑧ この製品の市場の規模は非常に大きかった口
⑧ この製品の市場は非常に速く成長しつつあった。
⑧ 競合製品(または顧客がその時に使用していたもの)はたがいに非常に 似ていた(高度の製品同質性)。
⑩ その市場は非常に競争的であった
o⑥ その市場は激しい価格競争があった。
@
この市場には多くの競争相手がいた
o@ その市場には強大な競争相手(大きなマーケットシェアを持つ)がい
7こ 口
@
乙の市場では既存の(競争相手の)製品に対する高度なロイヤノレティが あった
O@
潜在顧客はそのときに使用していた(競争相手の)製品にかなり満足し ていた。
@
この市場においては頻繁に競争相手による新製品導入が行なわれた。
@ その市場においてユーザーのニーズがはやく変化する(ダイナミックな 市場状況)。
@ 政府の規制,規則,標準などがこの市場の製品の設計とテストにおいて 重要な役割を演じている。
Cooper
はこのリストをもとに質問書を作成しランダムに選ばれた
177の 企業に郵送し,
103社からの回答を得た
Oすなわち各企業の経営者は最近の 典型的な新製品成功フ。ロジェクトと失敗フ。ロジェクトを選び,両プロジェク トについて前出リストの 48の変数に対して数値(そう思う/そう思わない,
10 点' " " ' 0点)を与え,最後に両プロジェクトを評価する(成功/失敗,
+ 5‑215
新製品開発ジロジェクト選択のスコアリンクーモデル
点 ""'‑5 点 ) よ う に 求 め ら れ た の で あ る
O 結局102 の 成 功 プ ロ ジ ェ ク ト と
93の失敗フ。ロジェクトすなわち総計
195の 新 製 品 プ ロ ジ ェ ク ト に つ い て の ず ー タが得られた。
まず48 の 相 互 に 関 述 の あ る 変 数 を よ り 少 な い 行 理 可 能 な 変 数 ( 因 子 )
1こま そ し て 表
4の
13の 因 子 が 確 認 さ れ た とめるために因子分析が適用された。
(固有値1.0以上)。
表
5は 各 因 子 に つ い て 因 子 負 荷 量 の 大 き い 変 数 を 列 挙 し た も の で あ る D
新製品の性格を示す
48の変数から抽出された因子 表
4寄与率
M N
6 2 3 3 9 1 9 8 6 4 9 7 1 9 7 2
・
8 1 6 4 4 3 3 2 2 2
1 A 1
占τA4
子 企業にとっての新規性
プロジェクトと会社資源、の全体的適合性 製品の優秀性と独自性
市場の競争の程度 製品の技術的複雑性 製品の独自,
tlf:と草新性 強大な競争相手の存在 市場ニーズの成長と規模 製品仕様の確定性 生産および技術的新規性 技術資源の適合性 顧客の特定性 製品の経済的利点
因 1
2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3
ー ム
司
i1A1A
Cooper C 4) p. 560
(出所)
因 子 負 荷 量 表
5変数のタイプ因子負荷量
1.企業にとっての新
規性
0.696 0.759 0.742 0.398 0.413 0.745
0.664 0.732
新規性
"
"
"
"
"
"
数
企業にとって新規の顧客である。
企業とって新しい製品クラスである。
新しいタイプの顧客ニーズである。
企業にとって新しい生産工程である。
企業にとって新しい製品技術である。
企業にとって新しい流通/販売要員であ る 。
企業にとって新しいタイプの広告/販売 促進である。
企業にとって新しい競争者である。
坊て 凸
ι⑬
@
@
@
@
@
@
@
子 因
216
経 営 と 経 済
因 子 変 数 変 数 の タ イ プ 因 子 負 荷 量
2.
社 性資 プ 源 ロ の ジ 全 ェ 体 ク 的 ト 適 と 会 合 ①源をそ持のプつ。ロジェクトについて十分な財務資 資適合源 性
0.563②適当な研究開発資源を持つ。
0.405③ 適当なエンジニアリンクーの能力を持つ。
11 0.427@持必要なマーケティングリサーチの能力を
11 0.790つ 。
⑤ 必要な経営の能力を持つ。
H 0.798@適当な生産資源を持つ。
11 0.4ω⑦ 適当な販売要員/流通資源を持つ。
11 0.785③十分な広告/販売促進の能力を持つ。
11 0.698 3.性製品の優秀性と独 ① 高 あ 度 るに草新的で市場にとって新しい製品 プロジ
0.422自 で 。 ェクト
@
その製品は独自の特徴を持つ。 製 品
0.772@競合製品より優れている。
11 0.845@
その製品は顧客にコストを減少させる。
11 0.431@
その製品は顧客に独自の仕事を可能にす が
0.538る 。
@
その製品は競合製品よりも高品質である。
11 0.745 4.市場の競争の程度@競争の激しい市場である。 市 場
0.780@
市場では激しい価格競争が行なわれてい
11 0.793る 。
@
市場には多くの競争相手がいる。 M
0.7日
@
多くの新製品導入が行なわれる。 が
0.475@
その市場のユーザーニーズは変化する。
11 0.400 5.性 製品の技術的複雑 ⑬ 技術的に高度な製品である。 フ。ロジ
0.845ェクト
@ 高 価 で あ る 。
11 0.616⑫機械的に複雑な製品である。
11 0.877 6.新 最 製 性 初 品 ( 市 白 あ 独 場 る 自 性 と と っ草 ) と
@高 度
IC草新的, 市場にとって新しい。 プロジ
o.倒
2に て ェクト
で こ @ そ の 製 品 は 顧 客 に 独 自 の 仕 事 を 可 能 に す 製 品
0.458る 。
@
その製品は市場にとって最初である。
11 0.676@
潜在需要のみがあり,まだ市場がない。 市 場
0.488 7.競争相手の強さ
@強大な競争相手が存在している。 市 場
0.539@在競す合る製 J 品に対する高いロイヤ
Jレティが存
11 0.843@
顧客は競争相手の製品 l 己満足している。
11 0.534新製品開発プロジェクト選択のスコアリングモデル
217因 子 変 数 変数のタイプ因子負荷量
8.
市場ニーズの成長@顧客は製品タイプについて大きなニーズ市場
0.521の規模 を持つ。
@
市 場 規 模 が 大 き い 。 "
0.673@
高 い 成 長 性 の あ る 市 場 で あ る 。 "
0.704 9.製品仕様の確定性⑬製品の仕様は市場によって明確に定まっ プロジ
0.881ている。 ェクト
⑮当初から技術的問題の解決は明らかであ が
0.698った。
10
新 . 生 規 産 性および技術的 ⑥ 適当な生産資源を持つ。 資 適 合 源 性 ー
0.423@ 企業にとって新しい生産工程である。 新規性
0.702@企業にとって新しい製品技術である。
λア 0.5781 1 技術資源の適合性 ② プロジェクトにとって適当な研究開発資 資適合源 性
0.755源を持つ。
③ 適当なエンジニアリングの能力を持つ。
" 0.71212.
顧客の特定性 ⑬その新製品アイデアは市場より導かれプロジ
0.251T
こ 。 ェクト
⑮ 特 注 品 で あ る 。 "
0.432@ その製品に対して大量市場がある。 市 場 一0
.627 13.製 品 の 経 済 的 利 点 @ その製品は顧客のコストを減少させる。 製 品 ー0
.436@
そ の 製 品 は 競 合 製 品 よ り 高 価 で あ る 。 "
0.613(出所)
Cooper (4) p. 57。つぎに新製品の成功/失敗を従属変数とし,前出の
13の因子を説明変数と して多元回帰分析が適用された。表
6は多元回帰分析の結果を示したもので ある。
表
6によると
13の因子のうちの
7つが新製品の成果と強い関係があった。
それらの因子は,
製 品 の 優 秀 性 と 独 自 性
プロジェクトと会社資源の適合性 市 場 ニ ー ズ の 成 長 性 と 規 模 製 品 の 経 済 的 利 点
企 業 に と っ て の 新 規 性
218
表
6回帰分析の結果(新製品評価モデノレ) 因 子
3.
製品の優秀性と独自性
2.
プロジェクトと会社資源の全体的適合性
8.市場ニーズの成長性と規校
13.
製品の経済的手I J 点
1.企業にとっての新規性
11.技術資源の適合性
4.
市場の競争の程度
12.製品注文の特定性
定 数
決定係数
"=0.420調整済決定係数
=0.395(出所)
Cooper C 4 ) p.. 580技術資源、の適合性 市 場 の 競 争 の 程 度 の七つである
O経 営 と 経 済
回帰係数 標回帰係準 数 F{ 白
1.744 0.463 68.7 1.138 0.307 30.0 0.801 0.199 12.5‑0.772 ‑0.179 10.2
‑0.354 ‑0.956 2.9 0.342 0.088 2.5
‑0.301 0.080 2.0
‑0.225 ‑0.054 0.9 0.328
製品の優秀性,製品の経済的利点が説明変数として回帰分析モデルに入っ ているのに対して,製品の革新性(市場にとって最初の製品であること)が モデルに入っていないこと,すなわち新製品の成功/失敗に大きな影響を与 えないことは興味深い。同様に市場ニーズの成長と大きさ,市場の競争の程 度 が モ デ ル に 入 っ て お り , 強 大 な 競 争 者 の 存 在 が 入 っ て い な い こ と , ま た (マーケティングや経営管理資源に重点をおく)会社資源の全体的適応性,
技術資源、の適合性がモデルに入っており,生産の新規性が入っていないこと も興味深い。
Cooper
のスコアリングモデルの適用手順は,まず
48の新製品の性格を示
す 変 数 に つ い て 数 値 (
0点
‑‑‑‑10点 ) を 与 え , つ ぎ に 表
5を 利 用 し て 因 子 得
点 を 求 め , 最 後 に 表
6の回帰分析を用いて新製品プロジェクトのスコア(評
点)を求める
Oスコアがゼロより大(プラス)であるほど成功の確率は大き
く,小(マイナス)であるほど失敗の確率は大きいと判断される口調査デー
新製品開発プロジェクト選択のスコアリングモデル 219
表
7 モデルの適用結果7 瓦ご竺│成 計
(9820 .6%) 19 109
成 功 (17.4%)
失 敗
12(7846 .05E) 86 (14.0%)
計
102 93 195(出所)
Cooper C 4) p. 580タである 195の新製品開発プロジェクトに対して乙のモデソレを適用した結果 は表7に示すとおりであり,予測成功率は8496であった。
む す
び
本稿においては Q'Mearaモデルと Cooperモデルという 2つの新製品 開発プロジェクト選択のためのスコアリングモデノレ(評点法)を紹介した。
Q'Mearaモデルは従来からあるスコアリンクーモデノレの中で代表的な手法で あるoQ'Mearaのスコアリングモデルにおいては新製品開発プロジェクト は,いくつかの評価要素にもとづいて評価されてそれぞれ点数が与えられ,
その点数と(評価要素に対して与えられている)宝みとの積が求められ,
最後にそれらが合計されてプロジェクトの総合評点が求められる。近年 Cooperはこれら従来のスコアリングモデノレにおいては評価要素および重み が恋怠的・主観的に決められていると批判し,新製品成功・失敗プロジェ クトについての調査を行ない,調査データに対して多変量解析(因子分析と 多元回帰分析)を適用して一つのスコアリングモデルを導出した。
Cooperのモデルは,スクリーニングという新製品計画の早い段階におい て適用可能な手法であるスコアリングモデノレの今後の開発の方向を示唆して いるように思われる。
220
経 営 と 経 済 書 考 文 献
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