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利子理論と価格可変性

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(1)

利子理論と価格可変性

その他のタイトル Interest Theory and Price Variability

著者 貞木 展生

雑誌名 關西大學經済論集

13

3

ページ 339‑367

発行年 1963‑09‑20

URL http://hdl.handle.net/10112/15436

(2)

研究ノート

利子理論の研究は︑一方では︑底無し沼の如きものであっ

一度びその中に足を踏み入れるならば︑その足を抜き取る

のであって︑一度びその中に入り込んでしまうならば︑自分の

進むべき方向のみならず︑自分の現在時点での位置をすら確認

( 2 )  

できなくさせる性質を持つものである︑と考えられる︒

こでそれの統一的見解を示すのは至難事である︒しかし︑その

干の方向に沿った研究が展開されていることを認めねばならな

い︒それは大別して二つの方向︑即ち実物的利子理論と貨幣的

利子理論と価格可変性︵貞木︶ 混乱は決して無秩序なものではなく︑その分野での研究には若 利子理論の研究は︑そのように混乱そのものであるため︑こ 性質を持つと共に︑他方では︑先人末踏のジャングルの如きも ことができなくなり︑もがけばもがくほど深みにはまって行く て ︑

0

利子理論がある︒実物的利子理論は︑われわれの場合︑それの

( 3 )  

発端をボェーム

11

バヴェルクに求めることができる︒ボェーム

の資本利子論はウィクセルにより更に清楚なものへと展開され

( 4 )  

た︒このように︑ウィクセルは︑

界を結合するための出発点を構築し︑それ以後の貨幣的利子論

( 5 )  

展開のための端緒をなした︒それは︑貨幣的経済理論として︑

ミーゼス︑ハイエック︑更にはケインズヘと発展して来たもの

である︒貨幣的利子論は︑これら貨幣的経済理論の主流と目さ

れるものの中で︑一方では︑ロバートソン及びスェーデン学派

( 6 )  

のいわゆる貸付資金説として︑また他方では︑﹃一般理論﹄の

ケインズによる流動性選好説として発展させられて来ている︒ 子論を発展させると共に︑他方では︑これら実物世界に貨幣世

Lムの資本利

3

(3)

Jo se ph  W .  Co na rd

; 

An 

In tr od uc ti on  

最後にコナードの理論へと進んで行くことを展開せんとする︒ のような位置を占めているか︑またその基本的な立脚点は何処 関西大学﹃経済論集﹄第十三巻第三号

そして︑それ以後の利子理論

(T he or y o f  t he   r at e  o f  in te re

s t)

は︑主としてこの貸付資金説と流動性選好説の綜合として

なこの利子理論の主流に沿うものであるが︑本稿ではコナード

の理論的研究に於ける結論と見倣される部分の説明を目的と

し︑貸付資金説と流動性選好説とを囲ってなされた諸論争ーー'

( 7 ) ( 8 )  

ストック分析対フロ1分析︑及び貨幣方程式対債券方程式とい

った論争ーについての説明には直接関与しないこととする︒

これより︑コナードの利子理論が︑利子理論の研究に於いてど

辺りにあるか︑を中心課題として考察するため︑単純化された

(9) ケインズ理論の説明から始め︑それが段々と昇華されて行き︑

(1

) t o   t he   Th eo ry   of I n  t er e s t  (B er ke le y  a nd   Lo s  A n ge le

s  " 

Un iv er si ty  o f  C ar if or ni a.

 1959), 

Ch . 

X I I I

(2

)

﹁利子理論は長い間経済学での一つの弱点であっ

た︑そして利子率の説明と決定は︑経済理論の他の分 本稿で主として取り上げている

J.

w

.コナードの利子理論 展開されていると考えられる︒ 野以上に︑経済学者の間に意見の不一致をもたらして

Go tt fr ie d vo n  H ab er le r;  P ro sp er it y  an d  De pr es si on ,  ( Ge ne va :  L ea gu e  o f  Na ti on s.  1939), 

p .  

195. ﹁利子理論は︑現状では︑非常な混乱状態にあ

Ve ra an d  Fr ie dr ic h  Lu tz

;  Th e  Th eo ry  o f  In ve st me nt

  o

f  t he   Fi rm .  (P ri nc et on :  Pr in ce to n  Un iv er si ty  P r e ss .

,  1951) 

p .  

237. 

(3

) 

E.

 V•

Bo hm  1 1 

Ba we rk   ;  Th e  P os i t iv e   Th eo ry  o f  C ap i t al ,  t r .   b y  W .  S ma rt , 

New  Y

or k,

 1923. 

ェーム●ゥィクセルの資本利子率決定論にはリンドペ

ルクにより提起されたいわゆる﹁二義性の問題﹂があ

るが︑それが一義解を持つことを別に証明したい︒

(4

)

K. Wi ck se ll

; 

V al u e ,  Ca pi ta l  an d  Rent, 

t r .   by .     S H•

Fr ow ei n,  L on do n,  1

95

4.

 

(5

) 

K.   Wicksell; 

I nt e r es t  a nd  P r i ce s ,  t r .   b y  R.  F .   Ka hn ,  L on do n 

̀ 

19

36

. 

(6

)

コナードによれば︑貸付資金説には︑ロパートソン

的接近とスェーデン学派的接近の二種がある︒ロパー

トソン的接近は︑ロパートソン特有の期間分析的手法

を積極的に取り入れ︑﹁今期の可処分所得は前期の稼

得所得である﹂という命題を基盤とするものであるの

に対し︑スエーデン学派的接近はオーリンにより重視

されたg

nt e

ex po st

の概念を猿極的に駆使する

0

(4)

いものであった︒それの甚本的現実的視点は一九三0年代の大

恐慌の中に見られるとしても︑理論的側面に関しても︑そこに

. 

(7 ) L.  R•

K ie i

n , 

W .  

Fellner•H•

M .  

Somers•

K.

  Br

un

ne

r

Ec

o

me

tr

ic

a V ol .

 18 

(1

95

0)

. 

誌上でな

された論争をさす︒

(8

) 

J.

 R•

Hi

ck

s  ; 

Va

lu

e  a

nd

 Capital•(2nd

e d .  

O x f o

‑ ‑

rd

;  C

la

re

nd

on

  Pr e s s.  

1946)により︑一般均衡体系か

ら︑貨幣方程式であろうと︑債券方程式であろうと︑

どちらを取り除いても︑それは便宜上の問題であると

されたことを囲る論争をさす︒

(9

)

ここで﹁丼華﹂というのは︑﹁内容が段々と加わっ

て行く﹂という意味で用いられている︒それは︑形式

的には︑新らしい変数が加わって行くと言うことであ

るが︑内容的には︑そのような新らしい変数をなぜ考

應しなければならないか︑ということの説明を含むも

( 1 )  

一九三六年﹃一般理論﹄の出現は︑南海の小島を襲った疲病

利子理論と価格可変性︵貞木︶ ﹁ケインズ革命﹂の名のもとで称ばれるにふさわし

10

資が進められ︑そのようにして決定される投資水準は︑消費函 とするならば︑それと資本の限界効率が均等するところまで投 それである︒従って︑今︑利子率がある一定水準に決定された 資本の限界効率と利子率との均等関係

一︑単純化されたケインズモデル

に経済理論上の基本的命題として考慮されざるを得ないもので

( 2 )  

あった︒それは有効需要に対応するだけの供給が真の意味での

有効供給となり得るものであって︑その有効供給の水準こそが

( 3 )  

雇傭水準を決定するものと考えられるからである︒従って︑こ

の有効需要の水準がどのようにして決定されるかの分析は︑正

に、経済理論の枢軸をなすものである。•これについてのケイン

ズによる主張の要点は次のように単純化された形態で説明され

まず有効需要(Y)は消費

(C

)

と投資

(I

)

で以って構成

される︑即ち消費的需要と投資的需要がそれであるー

Y1

1c

ち消費函数

C= f( Y)

の示すところである︒他方︑投資的需要

定される︑即ち投資函数又は資本の限界効率曲線

I1

g 1 (r )と ︑ r 11 t  

の示すところが は資本の限界効率

( r )

と利子率(i)の均等するところで決

+I

︒この中︑消費的需要は所得水準に応じて決定される︑即

展開された﹁有効需要の原理﹂はそれまで考慮されていた以上

(5)

限界効率表を示す第一図

(b

)

に等しいi o

ro

でもって

投資量

lo

を決定する︒かくして決定された投資的需要

lo

は︑消

費曲線を示す第一図

( C )

により︑総有効需要典線

(C +I

) す第一図

( a )

により︑利子率は

に決まり︑それは︑資本のi o

まず貨幣供給量が

Mo

であるとすれば︑流動性選好曲線を示

この因果過程をグラフで説明すれば︑第一図のようになる︒ 逃︶←

Yo  

関西大学﹃経済論集﹄第十三巻第三号

( 4 )  

数と結合して所得水準を決定する︒所得水準が決定すれば︑先 に述べたように︑その所得水準に対応して雇傭水準が決定され る、と言うことになる。それでは、•最初に一定水準に決定され たという利子率は何によって決定されるのであろうか︑という 問題が当然生じて来る︒この点の分析こそ︑ケインズ理論での の貨幣の大きさに依存する︑と言うのである︒すなわち︑

M=

L(

i)

以上の説明より︑単純化されたケインズ理論の骨核は次のよ

( 5 )  

うな一連の因果過程を示す図によって示すことができる︒

M

L

9I

それは流動性選好函数が示すように︑利子率は流動資産として ︱つの特徴として挙げられるべき利子の流動性選好説である︒

Mo  M1 

(a) 

(b)  第 一

モデルを代数式で示せば︑ で︑単純化されたケインズ 生みだし︑結果として︑所得水準の減少となる︒ここ した場合には︑逆の効果を る︒逆に貨幣供給量が減少 準は

Y1

へと引き上げられ

増大し︑その結果︑所得水 に対応して利子率は

r1

ある︒まず貨幣供給量

M1

図点線により示される通りで

てみよう︒それは第一図で ろうか︑という問題を考え 水準はどのようになるであ M

1

であったならば︑所得

Mo

Mo

より大きい

交点で所得水準

Yo

を決定

する︒次に貨幣供給量が 45

3  

(6)

利子理論と価格可変性︵貞木︶ は︑内在的な問題点を多く残しながらも︑

上に金融的動機をも取り入れた上での流動性選好函数を設立せ

( 1 0 )  

んとする一連の論究︑がそれである︒しかし︑これらの諸論争

を囲って︑投機的動機だけでなく︑取引及び予備的動機︑その ケインズ理論をこのように単純化するのは︑いささか冒険で

あると共に︑若干の重要な問題点を伏せてしまう結果になる恐

﹃一般理論﹄の出現以後︑それを囲って展開され

て来た多くの論争は︑主として上述の因果関連の各段階を構成

する諸函数の性質についてのものであったと考えられる︒例え

ば︑消費函数を囲るモディリァーニ︑デューゼンベリ︑トービ

( 8 )  

ン︑フリードマン等の一連の消費函数論争︑投資函数に加速度

原理を導入して乗数理論と加速度原理との結婚をなさんとした

( 9 )  

ポスト・ケインジァンの景気変動論︑更には︑流動性選好函数 . 

11

t

( 7 )  

I1

1 

g(

r)

 

L(

i)

 

(K4) 

( 6 )  

(K,5) 

C1

1f

(Y

) 

Y11C+I 

(K•l)

(K2) 

(K3)  析により一応の綜合化がなされているものと考えられる︒そのため︑次節では︑この単純化されたケインズ体糸の昇華された

形態としての

IS

L

M分析についての考察を展開する︒

(1

) J .   M•

Ke

yn

es

  ; T

he

G 

en

er

al

 Theo

ry

  of m  E

pl

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 ,  

me

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, 

I nt e r es t

 a

nd

  Money, 

(L

on

do

n:

M 

ac

mi

ll

an

 

C o. ,

L t d  

.  

1936) 

( 2 )

﹃一般理論﹄の基本的特徴をあらわすものとしては、貯蓄•投資の所得決定論(又は乗数理論)と利子

の流動性選好説の二つが通常考えられている︒この点

を非常に明瞭に示しているのは︑D.

M.

  Wright; 

Th

e 

Ke

yn

es

ia

n 

Sy

s{

em

, 

1961 

(3

)

ケインズの総供給函数を囲る論争は︑最初︑

E8 no 1 mi cj ou rm al F. J .  

de

  Jong, 

R . 

G•

Ha

wt

re

y,

  D•

H.

  Ro

be

rt

so

n

P.  W e l ls ,  "

Ke

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Su

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es

te

d  I n te r p re t a ti o n ,"  

Ec

on

om

ic

  Jo u r na l ,   V o

l . 

70, 

S ep t

1960 .  uより再びケインズの総供給函数に

ついての説明がなされた︒ウェルズの試論を要約すれ

ば︑次のようになる︒

生産函数は︑労働だけの函数であるとして

( 1 1 )  

ン︑モディリアーニ等による

JS

曲線と

L M

曲線を用いた分

(7)

そのため

( W . 3 )

(W

•• 4 ) 式より I D  

SX

' 

x

となり︑均衡では総供給

PX が総需要に等しい︑即ち PX

 1

1 D ( W

4 )   この式より︑有効需要

(D

)︐に対応する謳傭蘊

(N

)

を決定することができる︒

(W .5

式より︑有効需要と)

厖傭羞との間には︑

dN  

d2

N 

t i v o

9 b

A0

の関係が存在することが判明する︒しかし

(W

ぶ︶式 は︑ケインズが﹃一般理論﹄で述ぺた雇用函数である

と考えられる︒

(4

) 投資水準と所得水準との関係を示すのが乗数理論で

あると考えられるが︑この場合の利子率と所得水準と x ̀   X 両辺にXを乗じたら

PX   1 1 1  

xx

.

.  

関西大学﹃経済論集﹄第十三巻第三号

X1

1  X

( N

)  

( W , l )  

完全競争の仮定のもとでは︑.限界生産力説の命題が成

立して︑労働の実質賃金率

(S

AP

) は労働の限界生産 力に等しい︑即ち

(W2) 

(W•3) (W•5)

( W ‑ 6 )  

の関係を示すのは︑次節で述ぺる

I

S曲線である︒

(5 ) 括弧の中は︑前後にある二つの経済水準の間の因果

関係を示すものである︒

(6

) 投資財市場での均衡が直ちに達成されるものとする (K .4

式は等式よりも恒等式と考えられる︒)

これより︑投資は資本の限界効率により直接的に決製 されるのであるが︑この投資を実現される投資である と解釈するならば︑資本の限界効率が

(K .4 )

式によ

り利子率と恒等であることより︑

(K .3 )

式は次のよ

うに考えることができる︒

I1

1 

g ( i )  

(K3)

(7

) この体系は末知数が

yCIr

︑ ・

1の五個︑方

程式の数も五個であるため︑貨幣供給嚢

Mが外生的に

与えられるならば︑完全である︒

(8

) この消費函数論争については︑篠厚三代平﹃消費函

数﹄が非常に詳しい︒

(9

) 

P .  A.  S am ue ls on ,'

^ I

nt er ac ti on s  be tw ee n  th e  Ac ce le ra ti on   an d  t he  Mu lt ip er ,"

R  ev ie w  o f  E co mi c  S ta t i st i c s,   Ma y,

1 

93

9.

 d i

t to ,  

"A 

Sy nt he si s  o f  th e  Pr in ci pl e  of   Acc el er at io n  an d  Mu lt ip li er ,"

  Jo ur na l  of P o  l it i c al   Ec on om y,   D ec . ,  

1939. J. 

R•

Hi ck s;  

Co nt ri bu ti on  t o  t he   Th eo ry   of t h  e  T ra de  C y c le ,  

(8)

定という点に見られる︒ 主張点は︑ケインズ体系での諸函数が先に述べたような単純化されたものでなく︑もっと複雑な諸要因のからみ合いによるものでなければならないという点と︑利子率と所得水準の同時決

三者の間にはそれぞれ若干のニュアンスの相違はあるが︑こ

( 1 )  

こではハンセンに倣い︑IS

LM

分析の骨核をたどることとしよ

利子理論と価格可変性︵貞木︶ ヒックス︑ハンセン︑モディリアーニによるISL

M

分析の |—利子率.所得の同時決定ー|l

二 ︑

(O

xf

ro

d:

C 

la

re

nd

on

  Pr e s s,  

1950) 

( 1 0 )

これについては安田充﹃利子の理論﹄二三一ー八ベ

( 1 1 )

 

J. 

R.

 H i c ks ,   ^ ^  

Mr

. 

Ke

yn

es

 a

nd

 t h e 'C l a ss i c '"  

Su

gg

es

te

d 

I nt e r pr e t at i o n, "

 

Ec

on

om

et

ri

ca

, 

V ol .

  5

, 

19

37

. 

A•H•

Ha

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F is c

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P ol i c y,   (N ew o  Y

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l,

 1953)•

F.  M

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  , 

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Prefere~ce

an

d 

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Th

eo

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o f     I nt e r es t , "

 E

co

no

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ic

a,

V o  

l . 

12

, 

1 9 4 4 .  

. 

II

II

(i

9

A) C1 1  C

(Y

,  A ,  i ) 

-~

(H‑2) 

( 8 )  

(H3) 

Y11c+I 

への要因として考慮に入れなければならないのであるから︑

, 

資産Aの函数でもあろう︒ゆえに 意味において所得

Y

の函数である︒さらに投資はある程度総

( 4 )  

II

II

(i

,Y

,A

)

に流動性選好函数については「第二の流動性函数|—貨幣に対

する投機的・予備的需要︑もしくはハーバラーのいわゆる本来

( 5 )  

の流動性選好﹂だけでなく︑取引動機に基づく要因も貨幣需要

貨幣に対する総需要Lは所得y

1の両者の函数とみな

( 6 )  

される﹂すなわち

LI

IL

(Y

̀i

)

である︒したがって拡張され

( 7 )  

たケインズ体系は︑次の諸方程式体系により構成される︑すな

(H‑1) 

得水準への変動によって影響されるー加速度原理ーという 「投資は……•••投資量が―つの所得水準からもう―つの所 う︒したがって

投資函数について

た資産Aの雨数であり︑またおそらく利子率・ヽの函数でもあろ

(3

) 

C1

1  C

(Y

,A

,i

)

< 

﹁消費支出は主として所得の函数である︒しかし消費はま

( 2 )  

う︒まず︑消費函数については︑単に所得だけの函数ではな

(9)

で︑便宜上︑これら二つの函数を囲る論争は捨象して︑投資函を示す第一図

( a )

をそのまま用いることができるが︑それは 場合︑両者は同じものと考えられる︒したがって方程式

(K .4 )

(H .4 )

を函数の形態から較べてみれば︑所得水準が一定の

LM曲線の構成について説明しよう︒方程式

(K .4 )

うにして規定された

J

S曲線と

LM

曲線との交点こそが︑所

LM

所得水準を示すのである︒ ﹁それは欲求される現金が現実の 一定の場合︑利子率と所得水準との関係を示すものがでて来る︒ 水準との関係を示すのがIS曲線である︒したがって︑

S1

1  Y‑C 

11

Y

f

(Y

)1

1

S (r )

 

ハンセンは︑この体系よりI

LM

分析に入って行く︒ま

M= 

L(

Y,

i)

 

関西大学﹃経済論集﹄第十三巻第三号

(H4) 

ず方程式

(H

1

)

H2)

H

,3

),

より﹁それぞれの利子率に対

( 9 )  

応する所得水準を決定することが出来る︒﹂この利子率と所得

IS

線は乗数過程が完全に作用し終ったとき︑すなわち貯蓄と投資

が均衡にあるときの所得と利子率との関係を示すように描かれ

( 1 0 )  

ている﹂のである︒また方程式

(H .4 )

からも︑貨幣供給量が

( 1 1 )  

(L

Mの供給は所与として︶を示す曲線である︒﹂このよ

与とされる貨幣供給量のある水準のもとでの均衡利子率と均衡

先の単純化されたケインズ体系の場合と同様に︑拡張された

ケインズ体系もグラフで示せば第二図のようになる︒消費函数

(H

.2

)

と投資函数

(H

.3

)

は二次元の平面図で表現できないの 数については資本の限界効率だけの︑したがって利子率だけの︑また消費函数については所得水準だけの函数とする︒また貯蓄

(S )

は所得と消費の差として規定されるので

S1

1Y

C

となる︒しかし上述のようにCy

と考えられる︒しかし︑流動性選好函数

(H .4 )

( 1 2 )  

そのままで用いることにする︒

まずIS曲線の構成から説明して行こう︒第二図

( a )

本の限界効率曲線

(M EG

曲線︶を示すものである︒ (H5) 

り︑利子率と投資量との関係を示すことができる︒第二図

(b

)

は︑先に述べた貯蓄函数

(H .5 )

を示すものである︒この図よ

り︑所得水準と貯蓄との関係を示すことができる︒これよりこ

れら二つの図を用いることにより︑貯蓄と投資とを均衡させる

利子率と所得水準との関係を求めることができる︒その関係を

(13) 示すのが第二図

( d )

IS

‑・‑ ‑‑‑‑ ‑、..‑‑,

(10)

と︑資産用の

CD

とに分けられ︑利子率は

i i である︒所得が たのであって︑取所需要は捨象してあった︒それでは︑取引需 の前提の上での説明で あくまで所得水準一定

ならない︒貨幣に対する需要には︑流動資産としての需要だけ

ではなく︑取引のための需要も考慮されねばならない︒単純化

されたケインズ体系での貨幣需要は資産需要のみを考慮に入れ

要も考慮した貨幣需要はどのように示されるのであろうか︒こ

( 1 4 )  

れをハンセンは第三図を用いて次のように説明している︒﹁初

︑ ︑

めに所得が

Y1

であるとすると︑現実の現金は取引用の

A B

利子理論と価格可変性︵貞木︶

( 1 6 )  

率の増加を生ぜしめるであろう︒﹂この関係を示したのが︑第二

( C )

である︒この図より︑所得水準と利子率との関係を一

定の貨幣供給量のもとで求めることができる︒

( 1 7 )   ( d )

L

M

それが第二図

系全体を均衡にする経済諸量の均衡水準を読みとることができ

る︒第三図でいえば︑利子率3

700

( 1 1

250

IS ,L

M両曲線の交点により︑拡張されたケインズ体 函数の上方への移動は利子

凍引」介野・

1. 

濱産冷野

Ba. 

L

c図したがって利子率はi2

( 1 5 )  

三まる︒⁝・:﹂かくして﹁所

第得の増加はすぺてL

もしもいま現実の貨幣供給

b  C  C¥ DLdvk 

は資産分野から引き出され

て示される量に等しい貨幣 Y

2

a

参照

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