令和元年度 修士論文
太陽系外惑星系からのX線放射に関する
Chandra
衛星を用いた研究首都大学東京大学院理学研究科 物理学専攻 宇宙物理実験研究室
博士前期課程
2
年 学修番号18844406
梅谷 翼
2020
年2
月14
日X線光度は
10 − 10 erg s (0.5–7 keV)
と約5
桁の範囲に分布することがわかった。晩期型星の フレアでは、磁気リコネクションで加熱されるプラズマの温度は一定値に近いのに対し、プラズマのemission measure
、特に体積は天体ごとに大きく異なると考えられる。本結果は、habitable zone
に 惑星が存在する場合でも、恒星のフレア活動が生命の誕生・維持に影響を与える可能性を提起するも のである。iii
目次
第
1
章 序論1
1.1
系外惑星とは. . . . 1
1.2
トランジット法について. . . . 2
1.3
星からのX線放射. . . . 2
1.4
X線による系外惑星発見の例. . . . 3
1.5 Chandra
衛星. . . . 4
第
2
章 観測状況のまとめ8 2.1 16 Cyg ABC . . . 13
2.2 2M1207 . . . 15
2.3 51 Eri . . . 17
2.4 51 Peg . . . 19
2.5 55 cnc . . . 21
2.6 AB Pic . . . 27
2.7 AD LEO . . . 29
2.8 Alpha Tauri . . . 31
2.9 beta pic . . . 33
2.10 DH Tau . . . 35
2.11 Epsilon Eri . . . 37
2.12 Fomalhaut . . . 39
2.13 FU Tau . . . 41
2.14 GJ 436 . . . 44
2.15 GJ 581 . . . 47
2.16 GJ 667 C . . . 51
2.17 GJ 876 . . . 52
2.18 GJ 1214 . . . 56
2.19 HAT-P-2 . . . 59
2.20 HAT-P-11 . . . 61
2.21 HAT-P-20 . . . 63
2.32 tau cet . . . 82
2.33 TWA-5 . . . 83
2.34 V830 Tau . . . 84
2.35 V1298 Tau . . . 86
2.36 WASP-8 . . . 88
2.37 WASP-10 . . . 91
2.38 WASP-18 . . . 93
2.39 WASP-19 . . . 95
2.40 WASP-38 . . . 97
2.41 WASP-52 . . . 99
2.42 WASP-59 . . . 101
2.43 WASP-77 . . . 103
2.44 WD 1145+017 . . . 105
2.45 Wolf 1061 . . . 107
第
3
章 データ解析113 3.1
使用したソフトウェア. . . 113
3.2
解析対象について. . . 113
3.3 DS9
を用いた画像の評価. . . 114
3.4
ライトカーブ. . . 114
3.5
ハードネス比. . . 115
3.6
エネルギースペクトル. . . 115
第
4
章 結果116 4.1 DS9
によるX線イメージ. . . 116
4.2
比較的明るい天体のライトカーブ. . . 123
4.3
ライトカーブ. . . 130
4.4
エネルギースペクトル. . . 154
v
4.5
早期型星の結果について. . . 160
4.6
晩期型星の結果について. . . 161
第
5
章 議論164 5.1
X線トランジットについて. . . 164
5.2
X線の強度変化とハードネス比. . . 164
5.3
エネルギースペクトル. . . 165
5.4
惑星系への影響. . . 165
第
6
章 結論166
et al., 2013) . . . . 3
1.3
いろいろなX線天文衛星に搭載されたX線望遠鏡の性能の比較. . . . 4
1.4 ACIS
の配置図. . . . 5
1.5 HRC
の構造. . . . 6
1.6 HRC
マイクロチャネルプレートの構造. . . . 6
2.1 16 cyg Bb
の視線速度の観測。. . . 14
2.2 2M1207
の複数の画像を合成したもの。. . . 16
2.3 51 Eri
と51 Eri b
の直接撮像. . . 18
2.4 51 Peg
の視線速度の観測. . . 20
2.5 55 Cnc
の視線速度の観測. . . 22
2.6
ベストフィットのケプラー軌道を差し引いた後の55 Cnc
の速度の残差. . . 23
2.7
他の2
つの惑星の影響を引いた55 Cnc
の視線速度の観測. . . 24
2.8
他の3
つの惑星の影響を引いた55 Cnc
の視線速度の観測. . . 25
2.9
他の4
つの惑星の影響を引いた55 Cnc
の視線速度の観測. . . 26
2.10 AB Pic
の直接撮像. . . 28
2.11 AD Leo
の視線速度の観測. . . 30
2.12 Alpha Tauri
の視線速度の観測. . . 32
2.13 Beta Pic
の直接撮像。. . . 34
2.14 DH Tau
の直接撮像。. . . 36
2.15 Epsilon Eri
の視線速度の観測。. . . 38
2.16 Fomalhaut b
の直接撮像。. . . 40
2.17 Fu Tau a
のスペクトル解析。. . . 42
2.18 Fu Tau b
の直接撮像。. . . 43
2.19 GJ 436
の視線速度の観測。. . . 45
2.20 GJ 436
のトランジットによる減光。. . . 46
2.21 GJ 581
の視線速度の観測。. . . 48
vii
2.22 GJ 581
の視線速度の観測。. . . 49
2.23 GJ 581
の視線速度の観測。. . . 50
2.24 GJ 876
の視線速度の観測。. . . 53
2.25 GJ 876
の視線速度の観測。. . . 54
2.26 GJ 876
の視線速度の観測。. . . 55
2.27 GJ 1214b
のトランジットによる減光。. . . 57
2.28 GJ 1214
の視線速度の観測。. . . 58
2.29 HAT-P-2b
のトランジットによる減光。. . . 60
2.30 HAT-P-11b
のトランジットによる減光。. . . 62
2.31 HAT-P-20b
のトランジットによる減光。. . . 64
2.32 HR 7329
の直接撮像。. . . 67
2.33 HR 8799
の直接撮像。. . . 69
2.34 HR 8799
の直接撮像。. . . 70
2.35 Kapteyn’s
の視線速度の観測。. . . 72
2.36 Kepler-444
のトランジットによる減光。. . . 74
2.37 Lkca 15
の直接撮像。. . . 76
2.38 Tau Boo
の視線速度の観測。. . . 81
2.39 V830 Tau
の視線速度の観測。. . . 85
2.40 V1298 Tau
のトランジットによる減光。. . . 87
2.41 WASP-8
のトランジットによる減光。. . . 89
2.42 WASP-8
の視線速度の観測。. . . 90
2.43 WASP-10b
の可視光によるトランジットデータ。. . . 92
2.44 WASP-18b
の可視光によるトランジットデータ。. . . 94
2.45 WASP-19b
の可視光によるトランジットデータ。. . . 96
2.46 WASP-38b
の可視光によるトランジットデータ。. . . 98
2.47 WASP-52b
の可視光によるトランジットデータ。. . . 100
2.48 WASP-59b
の可視光によるトランジットデータ。. . . 102
2.49 WASP-77b
の可視光によるトランジットデータ。. . . 104
2.50 WD 1145+017 b
のトランジットによる減光. . . 106
2.51 Wolf 1061
の視線速度の観測. . . 108
4.1 Chandra
で観測された系外惑星系のX線イメージ(1)
。. . . 117
4.2 Chandra
で観測された系外惑星系のX線イメージ(2)
。. . . 118
4.3 Chandra
で観測された系外惑星系のX線イメージ(3)
。. . . 119
4.4 Chandra
で観測された系外惑星系のX線イメージ(4)
。. . . 120
4.5 Chandra
で観測された系外惑星系のX線イメージ(5)
。. . . 121
4.6 Chandra
で観測された系外惑星系のX線イメージ(6)
。. . . 122
4.12 Proxima Centauri
の5, 6
回目とTWA-5
の観測の0.5–1.5 keV, 1.5–7 keV
のライトカーブとハードネス比の変化。
. . . 128
4.13 Wolf 1061
の観測の0.5–1.5 keV, 1.5–7 keV
のライトカーブとハードネス比の変化。. 129 4.14 0.5-1.5 keV
のライトカーブ. . . 130
4.15 0.5-1.5 keV
のライトカーブ. . . 131
4.16 0.5-1.5 keV
のライトカーブ. . . 132
4.17 0.5-1.5 keV
のライトカーブ. . . 133
4.18 0.5-1.5 keV
のライトカーブ. . . 134
4.19 0.5-1.5 keV
のライトカーブ. . . 135
4.20 1.5–7.0 keV
のライトカーブ. . . 136
4.21 1.5–7.0 keV
のライトカーブ. . . 137
4.22 1.5–7.0 keV
のライトカーブ. . . 138
4.23 1.5–7.0 keV
のライトカーブ. . . 139
4.24 1.5–7.0 keV
のライトカーブ. . . 140
4.25 1.5–7.0 keV
のライトカーブ. . . 141
4.26
ハードネス比(1.5–7.0/0.5–1.5 keV)
の時間変化. . . 142
4.27
ハードネス比(1.5–7.0/0.5–1.5 keV)
の時間変化. . . 143
4.28
ハードネス比とX線強度の相関. . . 144
4.29
ハードネス比とX線強度の相関. . . 145
4.30 HRC
によるライトカーブ。. . . 147
4.31 HRC
によるライトカーブ。. . . 148
4.32
横軸を軌道位相とした0.5–1.5 keV
のライトカーブ. . . 149
4.33
横軸を軌道位相とした0.5–1.5 keV
のライトカーブ. . . 150
4.34
横軸を軌道位相とした0.5–1.5 keV
のライトカーブ. . . 151
4.35
軌道位相に対するHRC
のライトカーブ。. . . 152
4.36
軌道位相に対するHRC
のライトカーブ。. . . 153
4.37 ACIS
のエネルギースペクトルにモデルをフィットした結果。. . . 155
4.38 ACIS
のエネルギースペクトルにモデルをフィットした結果。. . . 156
ix
4.39 ACIS
のエネルギースペクトルにモデルをフィットした結果。. . . 157
4.40 ACIS
のエネルギースペクトルにモデルをフィットした結果。. . . 158
4.41
温度kT
とX線光度L
X の関係. . . 160
2.3
解析対象の惑星のパラメータ. . . 11
2.4
解析対象の惑星のパラメータ. . . 12
4.1
各観測での相関係数. . . 146
4.2
スペクトルフィッティングの結果. . . 159
1
第
1
章序論
1.1
系外惑星とは系外惑星とは、太陽以外の星
(
主星)
のまわりを公転する惑星のことで、太陽系外惑星を略した言 い方である。最初に恒星を周回する系外惑星が発見されたのは1995
年。系外惑星の配置は太陽系と ほぼ同じだと思われていたが、木星に似た巨大ガス惑星がわずか4日で主星のまわりを周回していた ことは当時の科学者に衝撃を与えた(Mayor and Queloz, 1995)
。この惑星を発見したマイヨールとケ ローは2019
年ノーベル物理学賞を受賞した。その後、米国のKepler
衛星(2009
年打ち上げ)
の登場 により惑星の発見数は飛躍的に伸び、地球サイズの惑星も多数発見されるようになった。2018
年に打 ち上げられた後継機のTESS
が活躍している現在では、4000
個以上の多種多様な惑星が発見されて いる。系外惑星の発見方法は
10
以上が報告されているが、ここでは5
つの主な方法を簡単に説明する。1.
トランジット法:次節で説明するが、惑星が主星の手前を通過する際に、典型的に1%
ほど減 光することが周期的に繰り返すことを使って、惑星の存在を見つける。2.
ドップラー法:惑星が周回するために主星がわずかに振り回される。その速度は数10m s
−1 で あるが、主星のスペクトルを観測することで惑星の運動を知ることができる。マイヨールたち の系外惑星発見もこの方法であった。3.
直接撮像:距離が500
光年ほどまでの系外惑星系は直接撮像によって惑星を確認できる場合が あり、惑星の性質をよく知ることができている。4.
その他:惑星による反射光が強い場合は、惑星の運動によって全体的な光度変化が生じ、それ を利用することができる。また惑星による重力レンズ効果を利用する観測も行われている。2019
年8
月にK2-18
を周回する惑星K2-18b
で水蒸気の存在が確認されたように(Tsiaras et al.,
2019)
、惑星の性質をも調べられるようになった。系外惑星の研究は、どんな惑星が見つかるか、惑星同士の比較による知見を得るという段階に入っている。
Time
transit
star – planet shadow
Fig. 1.— Illustration of transits and occultations. Only the combined flux of the star and planet is observed. During a transit, the flux drops because the planet blocks a fraction of the starlight. Then the flux rises as the planet’s dayside comes into view. The flux drops again when the planet is occulted by the star.
as well align theXaxis with the line of nodes; we place the descending node of the planet’s orbit along the+Xaxis, givingΩ= 180◦.
The distance between the star and planet is given by equation (20) of the chapter by Murray and Correia:
r= a(1−e2)
1 +ecosf, (1)
whereais the semimajor axis of the relative orbit andf is the true anomaly, an implicit function of time depending on the orbital eccentricityeand periodP(see Section 3 of the chapter by Murray and Correia). This can be resolved into Cartesian coordinates using equations (53-55) of the chapter by Murray and Correia, withΩ= 180◦:
X = −rcos(ω+f), (2) Y = −rsin(ω+f) cosi, (3) Z = rsin(ω+f) sini. (4) If eclipses occur, they do so whenrsky≡√
X2+Y2is a local minimum. Using equations (2-3),
rsky= a(1−e2) 1 +ecosf
!
1−sin2(ω+f) sin2i. (5) Minimizing this expression leads to lengthy algebra (Kip- ping 2008). However, an excellent approximation that we will use throughout this chapter is that eclipses are centered
aroundconjunctions, which are defined by the condition X = 0and may beinferior(planet in front) orsuperior (star in front). This gives
ftra= +π
2−ω, focc=−π
2−ω, (6) where here and elsewhere in this chapter, “tra” refers to transits and “occ” to occultations. This approximation is valid for all cases except extremely eccentric and close-in orbits with grazing eclipses.
Theimpact parameterbis the sky-projected distance at conjunction, in units of the stellar radius:
btra = acosi R⋆
"
1−e2 1 +esinω
#
, (7)
bocc = acosi R⋆
"
1−e2 1−esinω
#
. (8)
For the common caseR⋆ ≪ a, the planet’s path across (or behind) the stellar disk is approximately a straight line between the pointsX=±R⋆
√1−b2atY=bR⋆. 2.2 Probability of eclipses
Eclipses are seen only by privileged observers who view a planet’s orbit nearly edge-on. As the planet orbits its star, its shadow describes a cone that sweeps out a band on the celestial sphere, as illustrated in Figure 3. A distant ob- server within the shadow band will see transits. The open- ing angle of the cone,Θ, satisfies the conditionsinΘ = 2
図
1.1
トランジットによる減光の模式図。[
惑星が主星の手前と背後を通過するときの2
回減光がおきる。減光量や減光・増光カーブから軌道の 傾き、惑星の大きさ、恒星と惑星の大気の厚さなどを推定できる。(Winn, 2010)]
1.2
トランジット法について系外惑星を発見する上で、
Kepler
衛星などが大きな成果をあげたトランジット法を説明する。X線 で惑星の存在を確認する場合も、現在の観測技術としてはトランジットを探すのが最も現実的である。この方法は主星の明るさを長時間にわたって観測し、日食のように惑星が地球と観測する主星の間を 通り主星の一部分を隠す際の減光を捉えることで、惑星の存在を間接的に証明する方法である。 惑 星が原因で起こる減光は以下の図
1.1
のようにU
字型のカーブを描く。現在最も系外惑星の発見数が 多いだけでなく、ライトカーブの形や性質を利用して、惑星の大きさや惑星大気の有無なども知るこ とができる。さらに、トランジットが1
回しか観測されていない場合でも、別に既知の惑星がわかっ ていれば、その情報を合わせることで未知惑星の公転周期を推定することもできる。(Uehara 2016)
1.3
星からのX線放射本研究では系外惑星系のX線観測による研究を行なった。そこでは恒星からのX線放射を扱うこと になるので、簡単に説明する。恒星からX線が放射されるメカニズムは早期型の星と晩期型の星でそ れぞれ異なり、レビューとしてはそれぞれ
Berghoefer et al. (1997)
とGüdel (2004)
にまとめられて いる。1.
早期型星:OB
型星などからのX線光度は大まかにL
X/ L
bol≈ 10
−7で特徴付けられ、L
X の範 囲は10
29− 10
33erg s
−1 に分布する。温度は0.5 keV
以下のものが多い。光球からの強い放射1.4
X線による系外惑星発見の例3
圧で吹く恒星風が衝撃波を形成し、加熱されたプラズマがX線放射の原因であると考えられて いる。2.
晩期型星:K
型M
型星などの晩期型の星は対流層が発達しており、数100
万度のコロナがX 線を出すと考えられる。L
X/ L
bolは10
−3− 10
−6の範囲であり、X線フレアにより強いX線が放 射される。コロナのメカニズムは太陽のX線観測などで詳しく研究されており、主に磁気再結 合により磁気エネルギーが加熱と加速に使われることがわかっている。1.4
X線による系外惑星発見の例HD 189733b
のChandra
による2011
年のX線観測により、トランジットらしきX線の変動が観測された
(Poppenhaeger et al., 2013)
。図1.2
に示すように、可視光(2.41%)
よりも3倍深い食による6–8%
の減光の可能性があり、この惑星には大気があるという先行研究と合わせて、可視光を通過さ せるがX線を吸収する大気があるのではないかという議論がなされている。見かけの半径もX線の方 が遠紫外より大きい可能性がある。また主星HD 189733A
のX線光度は1 . 1 × 10
28erg s
−1(0.25–2 keV)
、L
X/ L
bol≈ 10
−5 であった。非常に興味深い結果を残した研究であるが、現在までに同様の方法 で発見された惑星は他にない。図
1.2 Chandra
衛星で観測されたHD189733 A
を周回する惑星による減光(Poppenhaeger et al., 2013)
を図
1.3
に示す。図
1.3
いろいろなX線天文衛星に搭載されたX線望遠鏡の性能の比較1.5.2 ACIS (Advanced CCD Imaging Spectrometer)
ACIS
はCCD
を用いたX線検出器であり、撮像とともにエネルギースペクトルを得ることができ る。回折格子HETG
の回折像を得る細長い視野のものがACIS-S (1024
ピクセルのチップ6
枚が並 ぶ)
であるが、普通の観測にはイメージングを主体とするACIS-I (1024 × 1024
ピクセルのチップが2 × 2
で配置)
が用いられ、その視野が17
′× 17
′である。打ち上げ後、低エネルギー陽子がACIS
に あたり、エネルギー分解能を劣化させたが、その後は軌道上で進行方向に視野を向けない運用で劣化 を回避している。焦点面上のACIS
の配置を図1.4
に示す。1.5 Chandra
衛星5
図
1.4 Chandra
衛星の焦点面検出器ACIS
の配置図。撮像用のACIS-I
が4
つのチップ、回折格 子HETG
と組み合わされるACIS-S
が6
つのチップからなっている。1.5.3 HRC (High Resolution Camera)
HRC
とは2
つの検出器で構成されたマイクロチャンネルプレート(MCP)
であり、エネルギー分 解能はない。1
つはイメージングに最適化されたHRC-I
であり、もう1つは低エネルギー回折格子(LETG)
の読み出しに使用されるHRC-S
である。HRC-I
は空間分解能が約0.4
秒角と非常に高く、Chandra
のX線望遠鏡の解像度をフルに生かすことができる。またパイルアップの影響もない。HRC
の構造図を図
1.5
に、またマイクロチャネルプレートの断面図を図1.6
に示す。図
1.5 HRC-I
の焦点面での配置とHRC-S
の断面図。図
1.6 HRC
のX線検出器であるマイクロチャネルプレートの断面図。
2
つのプレートが重ねられてお り、壁面から電子群とともに出た正イオンが入射部 まで逆流して壁面をたたき、電子なだれがいつまで も終わらない現象を阻止している。7
参考文献
Mayor, M., and Queloz, D. 1995, nature, 378, 355
Tsiaras, A., Waldmann, I. P., Tinetti, G., et al. 2019, Nature Astronomy, 3, 1086 Winn, J. N. 2010, Exoplanets, 55
Berghoefer, T. W., Schmitt, J. H. M. M., Danner, R., et al. 1997, aap, 322, 167 Güdel, M. 2004, aapr, 12, 71
Poppenhaeger, K., Schmitt, J. H. M. M., & Wolk, S. J. 2013, apj, 773, 62
本論文でとりあげる天体すべてについて、恒星と惑星に関する情報をまとめて次ページの表に示す。
9
表
2.1
解析対象の星のパラメータst ar na m e di st anc e (pc ) spe ct rum t ype ma ss ( M
◉) ra di us ( R
◉) age ( G yr ) Te ff ( K ) 16 cyg A B C 21. 41 (± 0. 24) G 2. 5 V 1. 01 (± 0. 04) 0. 98 (± 0. 13) 8. 0 (± 1. 8) 5766. 0 (± 60. 0) 2M 1207 52. 4( ±1. 1) M8 0. 024 — 0. 008 (+ 0. 004- 0. 003) — 51 er i 29. 4 (± 0. 3) F 0I V 1. 75 (± 0. 05) — 0. 02 (± 0. 006) — 51 pe g 14. 7 G 2 IV 1. 11 (± 0. 06) 1. 266 (± 0. 046) 4. 0 (± 2. 5) 5793. 0 (± 70. 0) 55 cnc 12. 34 (± 0. 4) K 0I V -V — — 10. 2 (± 2. 5) 5196. 0 (± 24. 0) AB P ic 47. 3 (± 1. 8) K 2 V — — 0. 03 4875 AD L E O 4. 966 (± 0. 002) M 4V 0. 39- 0. 42 0. 39 0. 25- 3 3414 (± 100) A lpha t aur i 20. 43 (± 0. 32) K 5I II 1. 13 (± 0. 11) 45. 1 (± 0. 1) 6. 6 (± 2. 4) 4055. 0 (± 70. 0) be ta pi c 19. 3 (± 0. 2) A 6V 1. 73 (± 0. 05) 1. 732 (± 0. 123) 0. 04 ( -0. 004 + 0. 004 ) 8200 (± 200) DH T au
∼140 M 0. 5V 0. 37 (± 0. 12) — 0. 001 ( ±0. 0009 ) — EP S ILO N ER I 3. 2 K 2 V 0. 83 (± 0. 05) 0. 895 (± 0. 085) 0. 66 5116 F om al ha ut 7. 704 (± 0. 028) A 3 V 1. 92 (± 0. 02) 1. 842 (± 0. 019) 0. 44 (± 0. 04) 8590. 0 (± 73. 0) FU T au 140 M 7. 25 0. 05 — 0. 001 2838 G J 1214 13 M 4. 5V 0. 15 (± 0. 011) 0. 216 (± 0. 012) 6. 0 ( ±3. 0 ) 3026. 0 (± 150. 0) G J 436 10. 2 M 2. 5 0. 452 ( ± 0. 012 ) 0. 464 ( ± 0. 011 ) 6. 0 ( ±5. 0 ) 3684. 0 (± 55. 0 ) G J 581 6. 21 (± 0. 1) M 2. 5V 0. 31 (± 0. 02) 0. 3 (± 0. 01) 8. 0 ( ±1. 0 ) 3498. 0 (± 56. 0) G J 667 C 6. 84 (± 0. 4) M 1. 5V 0. 33 — > 2. 0 3600 G J 876 4. 7 (± 0. 01) M 4V 0. 334 (± 0. 03) 0. 36 2. 5 (± 2. 4 ) 3350. 0 (± 300. 0) HAT -P -2 118. 0 (± 8. 0) F8 1. 34 (± 0. 09) 1. 54 (± 0. 12) 2. 7 (± 0. 5) 6414. 0 (± 51. 0) H A T -P -11 37. 89 (± 0. 33) K4 0. 809 ( -0. 03 + 0. 02 ) 0. 683 (± 0. 009) 6. 5 ( -4. 1 + 5. 9 ) 4780. 0 (± 50. 0) H A T -P -20 70. 0 (± 3. 0) K7 0. 756 (± 0. 028) 0. 694 (± 0. 21) 6. 7 ( ±3. 8 ) 4595. 0 (± 80. 0) H D 100546 110 B 9 V 2. 4 (± 0. 1) — 0. 0055 (± 0. 0045) 10500 H D 163296 122. 0 (
-3. 0
+ 17. 0
) A 1V 2. 3 — 0. 005 — H R 7329 48 A 0V 0. 020
−0. 045 — 0. 03 ( -0. 03 + 0. 0 ) 2600 H R 8799 39. 4 (± 1. 0) A 5V 1. 56 1. 5 (± 0. 3) 0. 06 ( -0. 03 + 0. 03 ) — K apt eyn' s 3. 91 (± 0. 01) M 2V 0. 281 (± 0. 014) 0. 29 (± 0. 025) 8. 0 (± 7. 5) 3550. 0 (± 50. 0) K epl er -444 36 (± 1. 0) K 0V 0. 758 (± 0. 043) 0. 752 (± 0. 014) 11. 23 (± 0. 99) 5046. 0 (± 74. 0) L kc a 15 145. 0 (± 15. 0) K 5V 0. 97 (± 0. 03) — 0. 002 4730 L S R 1835 5. 67 M 8. 5 — — 0. 022 (± 0. 004) — PR O X IM A C E N T A U R I 1. 295 M 5. 5V 0. 12 (± 0. 015) 0. 141 (± 0. 021) 4. 85 3050. 0 (± 100. 0) P S R B 1257+ 12 710. 0 (± 40. 0) PSR — — 1. 0 (± 0. 0) —
表
2.2
解析対象の星のパラメータ star namedistance (pc)spectrum typemass (M◉)radius (R◉) Tau Boo15.6 (± 0.05)F7 V1.31.331 (± 0.027) tau ceti3.65 (± 0.002)G8.5 V0.783 (± 0.012)0.793 (± 0.004) TWA-525M1.50.4— V1298 Tau108.5 (± 0.7)K0-K1.51.1 (± 0.05)1.305 (± 0.07) V830 Tau131.0 (± 3.0)M01.0 (± 0.05)2.0 (± 0.2) wasp-887.0 (± 7.0)G61.033 ( ±0.05 ) 0.953 (± 0.058 ) wasp-1090.0 (± 20.0)K50.71 ( -0.071 +0.071 ) 0.783 ( ±0.043) wasp-18100.0 (± 10.0)F61.24 (± 0.04)1.23 (± 0.045) wasp-19250 (-60 +80)G8V0.904 (± 0.045)1.004 (± 0.018) wasp-38110.0 (± 20.0)F81.216 (± 0.041)1.365 ( ±0.041 ) wasp-52140.0 (± 20.0)K2V0.87 (± 0.03)0.79 (± 0.02) wasp-59125.0 (± 25.0)K5V0.719 (± 0.035)0.613 (± 0.044) wasp-7793 (±5)G8V1.002 (± 0.045)0.955 (± 0.015) WD 1145+017174WD0.63(±0.05)0.02 Wolf 10614.29M3V 0.25( ± 0.12)0.307 (± 0.027)11
表