• 検索結果がありません。

心因のかかわる健康問題の改善・解決について

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "心因のかかわる健康問題の改善・解決について"

Copied!
20
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

茨城大学教育学部紀要(教育科学)38号(1989)173−192 173

心因のかかわる健康問題の改善・解決について  一学級担任と養護教諭との連携を中心に一

中村 朋子*・小淵 美保**

  (1988年9月12日受理)

On the Solution of Psychogenic Health Problems with Special Reference to the Cooperation between

the Class Teacher and the School Nurse−teacher

Tomoko NAKAMuRA and Miho OBucHI

   (Received September 12,1988)

1 は じ め に

 最近保健室を訪れる児童・生徒の健康問題の中で,学業成績,友人関係,家庭環境等の心理的・

精神的要因(以下,心因とする)のかかわるものが増加してきているといわれている1)2)。このよ うな健康問題の中には,いわゆる心身症(「身体症状を主とするが,その診断や治療に,心理的因 子についての配慮がとくに重要な意味をもつ病態」一日本心身医学学会による一)と呼ばれるもの がある。医師による治療を要するものの他,養護教諭や学級担任,保護者等の支援によって,心因が 除かれると,身体症状も改善したり,なくなっていくものがある。

 子どもたちは学校生活や家庭での心配ごとや悩み等がある場合,言葉より,身体症状で訴えてく ることも多いといわれている。2)

 心因のかかわる健康問題を把握し,改善・解決していくために,養護教諭は児童・生徒が訴えて きた症状の処置のほかに,その症状が何を訴えているのかを把握し,心理的・精神的な面からの支 援も必要である。あわせて,関係者とも相互に連携をとりながら,改善・解決に努めていく必要が

ある。

 学校において,児童・生徒の最もかかわりの深いのは学級担任である。養護教諭はこれらの健康 問題をもつ児童・生徒の改善・解決を支援をしていく上で,学級担任との連携は必要不可欠であり,

重要である。

 そこで本研究では養護教諭,学級担任を対象に調査を行い,学校における心因のかかわる健康問 題の実態を明らかにしようとした。このような健康問題をもつ児童・生徒を把握するために,学級

、担任が,日常,健康観察等で気をつけていること,養護教諭が学級担任に健康問題の発見,把握,

*茨城大学教育学部教育保健学科.

**群馬県北群馬郡伊香保小学校.

(2)

改善等で依頼していること,両者がどのように情報交換し,連携をとっているのかを明らかにしよ うとした。連携を行っていく上で,配慮していることや,困難点,学級担任への要望,あるいは養 護教諭への要望を明らかにし,心因のかかわる健康問題の把握から改善・解決のために,両者の望 ましい連携のありかたを検討したい。

ll 研究対象と方法

1 調査対象

 1都,4県の小学校,中学校,高等学校の養護教諭300名と養護教諭と同一校の学級担任2名を 対象とした。学級担任は小学校では4年,6年,中学校,高等学校は1年,3年の学級担任に依頼

した。回収は小学校41校,中学校33校,高等学校38校で回収率は38.4%だった。養護教諭の有効回 答数は110部(小40部,中32部,高38部)学級担任の有効回答数は197部,(小77部,中66部,高 58部)だった。

2 調査方法と調査期間

質問紙郵送調査法を用いた。 調査期間 昭和62年9月〜10月

皿 調査結果と考察

1 学校における心因のかかわる健康問題の実態について

1)養護教諭が経験した心身症と,増加していると思われる心身症について

 学校において,心身症の児童・生徒が増加しているといわれているが,実際に,養護教諭が経験 している心身症には,どのようなものがみられるだろうか。6年前,養護教諭を対象に,同様な調 査を行っており,その結果3)と文献4)において多くみられる心身症を参考に,30種類選び,その

経験頻度と増加傾向の有無について調査した。経験頻度は1・2回経験したものと,3回以上経 験したものにわけて記入してもらった。また,現在校に限らず,いままでの経験から校種別に 記入してもらった。はっきり心身症と診断されないものでも養護教諭(学級担任が回答の場合

は学級担任)が心因が絡んでいると思われる症状や,または,心身症らしいと判断したものも含

めた。

(1)経験頻度順

 今までに,心身症の児童・生徒を扱ったことがないと回答したのは62年度新採用の養護教諭1名 のみで,ほとんどの養護教諭はなんらかの心身症を経験していた。(図1参照)

(2)校種別経験頻度

 小学校,中学校,高等学校なるにつれて頻度の高くなる心身症を表1に示した。過敏性大腸症 候群,胃・十二指腸潰瘍,神経性下痢,自律神経失調症,等で有意差があり,その他12例あげら

れた。

(3)

中村・小淵:心因のかかわる健康問題の改善・解決について 175

表1 小・中・高につれて経験頻度の高くなる心身症 校種

小 n=52   中 n=48   高 nニ42 疾病異常

過敏性大腸症候群

4 ( 7.7)        16 (33.3)       31 (73.8)

胃・十二指腸潰瘍

6  (11.5)        25 (52.1)       32 (76.2)

神経性下痢

9 (17.3)     . 19 (39.6)      30 (7玉.4)

自律神経失調症

15 (28.8)       29 (60.4)       34 (81.0)

神経性胃炎

15 (28.8)        41 (85.4)       37 (88.1)

L***_」

腰  痛  症

3 ( 5.8)        20 (41.7)       23 (54.8)

L***一」

神経性食欲不振症 12 (23.1)       19 (39.6)      31(73.8)       L***」

過呼吸症候群 22 (42.3)       39 (81.3)       37 (88.1)

L***一」

睡 眠 障 害      20 (41.7)       23 (54。8)7(13.5)  L***_」

便     秘

18 (34.6)        18 (37.5)       29 (69,0)

L***」

不 定 愁 訴

24 (46.2)       31 (64.6)       32 (76.2)

筋     痛

7 (13,5)       14 (29.2)       16 (38.1)

緊張性頭痛

8 (15.4)       11 (22.9)       17 (40.5)

偏  頭  痛

20 (38.5)       23 (47.9)       27 (64.3)

心臓神経症

5 ( 9.6)        5 (10.4)       12 (28.6)

L−  * 一一」

反復する腹痛 25 (48.1)        31 (64.6)       29 (69.0)

()内は%

  注) Z2検定  *** 0.5%

         **   1%の危険率 で有意差あり          *    5%

     ※にっいては小・中・高において有意差あり(以下同じ)

 つぎに,逆に,小,

中,高なるにつれて頻 度の低くなる心身症に はチック,気管支喘息 rがあった。全体的に小 学校よりは中,高校の 方が,経験頻度が高い ようである。中,高校 生という時期は思春期 で,子どもから大人へ 移行していく時期であ るので,精神的,心理 的な変化による心の不 安定さが大きく関係し ているのではないかと 思われる。

(3)増加している心身 症について

 養護教諭の今までの

経験から,ここ4〜5

年の間に増えてきてい ると思われる心身症に ついて回答してもらっ た。気分不良,不定愁 訴,神経性胃炎等,約 3割の養護教諭が,増 加傾向にあると回答し ている。

 また,経験頻度について,6年前に同様の調査を行っており,それと比較し,図1にまとめた。

気管支喘息,過呼吸症候群,神経性胃炎,起立性調節障害,円形脱毛症,視力障害,筋痛,におい て有意差が認められ,今回の方が経験頻度が高くなっている。

2)学級担任が経験した心身症と増加していると思われる心身症

 学級担任がいままでに経験した心身症にはどのようなものがあるか,養護教諭と同様に経験頻度 と増加傾向の有無について調査した。

(1)経験頻度

 今までに,心身症の児童・生徒を扱ったことのない学級担任は29名14.7%で,8割以上の学級担 任はなんらかの心身症の児童・生徒を受け持った経験があるといえる。

 経験頻度の高いものは,気管支喘息47.O%,チック症32.6%,気分不良32.6%,神経性胃炎29.3

(4)

胃。十二指腸潰瘍 自律神経失調症 気管支喘息 過呼吸症候群 神経性胃炎 起立性調節障害 偏頭痛

神経性食欲不振症 過敏性大腸症候群 慢性奪麻疹 神経性頻尿 腰痛症 心臓神経症 円形脱毛症 筋けいれん 緊張性頭痛 神経性嘔吐 視力障害 皮膚廣痒症 筋痛

9)

09)

   0    10    20   30    40    50    60    70    80    90   100(%)

図1 養護教諭が経験した心身症 一6年前との比較一   」

%,神経性下痢28.7%,

発熱22.7%の順になっ ている。

 校種別にみて経験頻 度が高くなるものは神 経性胃炎,腰痛症,過 敏性大腸症候群,自律 神経失調症で有意差が 認められた。逆に頻度 の低くなるものはチッ ク症,気管支喘息,神 経性頻尿,の3例のみ だった。

2 学級担任と養護教 諭との連携について  以上のように,養護 教諭,学級担任とも心 身症の児童・生徒を扱っ た経験があることから,

両者はこのような児童・

生徒の健康問題の発見 から改善・解決まで支 援を行うにあたり,連 携をとっていると思わ れる。そこで,実際に どのような連携が行わ れているかまとめた。

1)学級担任との連携

     一養護教諭の回答から一

(1}心身障を発見するために学級担任に依頼していること

 児童・生徒が頭痛,腹痛を訴えて保健室にきた場合,養護教諭はその背景にある心理的・精神 的な問題を短時間の聴取,検診等で把握するのは困難なことが多い。学級担任は1日の多くを児 童・生徒と過ごすので子どもの態度や行動を知っており,それらの変化に気がつくことが多いと 思われる。養護教諭は心因のかかわる健康問題を発見するために,児童・生徒とかかわりの深い 学級担任にどのようなことを依頼しているかを表2にまとめた。

(5)

中村・小淵:心因のかかわる健康問題の改善・解決について 177

依頼      校種 小n=27 中n=20 幽高nニ23 計n=70

観察を糖にし情総、してもらう

15(55.6) 10(50.0)

10(43.5)

35(50.0)

朝の健康観察

7

3 1

11(15.7)

行動・態度

2

1 3 6(8.6)

欠席・遅刻・早退

3

0 2 5(7.1)

表情 1

1 2

4(5.7)

友人関係

1

2 0 3(4.3)

そ の 他

1 3 2

6(8.6)

調査の依頼や結果の報告 1(3.7) 0

4(17.4)

5(7.1)

心身症の理解の依頼 2(7.4) 0 2(8.7) 4(5.7)

子ども〜の触れ翻移くもってもらう

1(3.7) 0 2(8。7) 3(4.3)

家庭での様子を教えてもらう

0 2(10.0)

0 2(2.9)

そ の 他

3(11.1)

0 1(4.3) 4(5。7)

特に依頼はしていない

12(44.4) 13(65.0) 13(56.5) 38(54.3)

       ① 「子供の観察を綿密 表2 発見する上で学級担任に依頼していること ( )%

       に情報を提供してもらう」

      という回答が一番多く5        割の養護教諭に見られた。

       観察の具体的な内容は       「朝の健康観察を十分に        行ってもうら」「行動・

       態度に注意してもらう」

       等があげられた。養護教        諭は児童・生徒の教室で        の様子は把握できないの        で,学級担任に子どもの        ちょっとした変化にも目        を向け,気づいた情報を        知らせてくれるように依        頼する必要があろう。

② 次いで,「調査の依頼や結果の報告」 「心身症の理解」の依頼となっている。心身症の理解の 依頼とは「保健室ではけがの手当だけでなく, 心の病気・についても扱っているということを知っ てもらう」などである。

③ 「特に依頼はしていない」という回答も54.3%みられた。しかし,この中には「特に依頼はし ていないが,子どもの様子でその日気づいたことや,変わったことを,雑談としてお互いに話して いる。その中で問題が見つかることも多い」等の意見も含まれており,依頼という形をとっていな くても,学級担任との意見交換が行われている場合も多いようである。

(2)学級担任からの相談内容

 養護教諭は学校で健康管理,保健指導の専門家であることから,学級担任から心因のかかわる健 康問題について相談されることが多いのではないかと考え,学級担任から養護教諭に相談された内 容についてまとめた。

 さまざまな相談内容があげられた。「個々の事例(心身症名)について」が51 .7%,「学校での 児童・生徒への対応の仕方について」19.1%,「子どもの相談相手になって欲しい等,依頼的なも の」16.9%等である。

①個々の事例については登校拒否が20例,不定愁訴9例,過呼吸症候群7例,気分不良5例等だっ た。最近登校拒否の児童・生徒が増加しているという報告もあり,また,心身症が引きがねとなっ て,登校拒否に陥るケースもあることから,養護教諭に相談する学級担任が多いのだろう。また,

過呼吸症候群は突然,発作が起きることから,救急処置等専門的知識を養護教諭に求めてくる場合 もあるだろう。

② その他について。他の教員にどう説明したらよいか,全職員の関わり方について,等の回答が あり,学校全体での関わり方について,相談される場合もあるようだ。

(3)連携を行っていく上で配慮していること

(6)

 学級担任と連携を行っ

ていく上で・養護教諭が  表3連携を行っていく上で配慮していること    ()%

配慮していることを表3 にまとめた。

①  「学級担任と情報交 換につとめる」76.3%で 最も多く回答された。具 体的な内容は連携を密に する。気づいた情報は提 供し,報告する。子ども との秘密を保持する。等 であった。特に「秘密の 保持」は小学校より中,

高校において多く回答さ れており,「担任に知って おいて欲しいことは連絡 するが,なるべく生徒と の秘密は守るようにする」

や,「本人の了解を得た 上で,担任に報告ずる」

等の意見が多くみられた。

②次に「指導方針を一

致させる」が40.9%だった。「養護教諭のできる範囲を考える」「担任の立場を尊重する」「担任 を中心にして,あくまでもお手伝いの気持ちを忘れないようにする」等の回答があった。良い連携 をとるには,学級担任に依頼できるところは依頼し,ですぎないようにすることが大切であると思 われる。

③ また,「日頃から,学級担任との人間関係をよくする。」 「子どもと学級担任との関係をよく する(調整役となる)」等にも配慮しているようである。

 学級担任との連携について「子どもの相談を学ぶ会」では,次のような意見を述べている。5)

「学級担任の存在を忘れては,養護教諭の相談活動は効果をあげることができない。平素の人間関 係を大事にし,養護教諭から情報提供をし,かかわりをもつよう努力することが大切である」。今 回の調査からも,同様な意見がうかがえた。

④ その他,「保健室での情報を記録しておく」という意見もあり,これは学級担任と情報交換を する上で,より正確な情報として役立つと思われる。

(4)学級担任と連携を行っていく上での困難点

 養護教諭が学級担任と連携していく時に「とくに困ったことはない」と述べているのは11名

 (11.O%)だった。困難をかかえている養護教諭は多そうだ。連携を行っていく上での困難点を表

4にまとめた。

       校種配慮点

小n=34 中n=27 高n=32 計n=93 情報交換に努める

25(73.5) 22(81.5) 24(75.0) 79(76.3)

連絡を密にする 6 6 8

20(21.5)

情報の提供・報告 9

5

4 18(19.4)

秘密の保持 2 5 10 17(18.3)

よく話し合う 5

3 1

9(9.7)

そ の 他 3 3 1

指導方針を一致させる 16(47.1)

9(33.3)

13(40.6)

38(40.9)

養教のできる範囲を考える 7

2 6 15(16.1)

担任の立場を尊重する 5

6

3

14(15.1)

子どもへの対応が一致するように 3 1

4 8(8.6)

そ の 他

1

0 0 1(1.1)

噸から人間関係をよくする

4(11.8)

0

4(12.5)

8(8.6)

子どもと担任との調整役

2(5.9) 2(7.4) 3(9.4) 7(7.5)

保健室での翻を言瞬にとどめる

3(8.8) 1(3.7) 1(3.1) 5(5.4)

家庭との連絡は担任を通す 0 1(3.7) 1(3.1) 2(2.2)

そ の 他 3(8.8) 1(3.7) 3(9.4) 7(7.5)

(7)

中村・小淵:心因のかかわる健康問題の改善・解決にっいて 179

① 「指導方針が一致しない」という回答が半数を占めている。「学級担任の考え方や,子ども の捉え方にくい違いがある」等教育観の違いがあげられた。

②  「情報交換がしにくい」はお互いに忙しく時間がとれなかったり,養護教諭側は情報交換に努        めても,「情報を聞き流さ    表4連携を行っていく上での困難点       {)%   れてしまう」等,学級担任        の協力が得られない場合も        あるようだ。

       ③「担任に心身症の知識が        ない」ために, なまけ        と思われてしまう等の回答        があった。知識のないこと        が無理解につながると思わ        れる。

      これらの困難を改善する        ためにどのような働きかけ        をしてるか回答を求めた。

       「情報交換に努める」57.8        %,「指導方針が一致する        よう努める。」25.O%,「心        身症について理解を深める」

       15.6%,「担任との人間関係        をスムーズにする」15.6%

      等だった。例えば,心身症        について理解を深めるは,

      H情報を流すだけでなく,「現       職教育や研修会を行う」

「プリントや資料を配布する」等,積極的な働きかけにより,理解を得るよう努めているとの回答 があげられている。その他,養護教諭自身の働きかけでなく,教育相談部や,教務主任などに連絡

し,調整,等スーパーバイザー的な役割をしてもらう,という回答もあり,他の教師に協力を求め ながら困難点を改善していく方法もとられており,参考にしたい。

(5)学級担任への要望

 養護教諭は学級担任と連携を行っていく上で様々な困難を抱え,また,その困難を改善するため の働きかけも行っているが,学級担任自身に配慮,協力して欲しいことがあると思われる。

 そこで,①,心身症の児童・生徒を発見する上で,②,改善・解決していく上でとに分けて,学 級担任への要望をまとめた。

      校種困難点

小n=25 中n=23 占局n=25 計n=73 指導方針が一致しない 10(40.0) 13(56.5) 15(60.0) 38(52.1)

1考え方・とらえ方の違い

5

6 10 21(28.8)

担任がかかえこんでしまう

2 2 3 7(9.6)

その他

3 5

2 10(13.7)

情報交換がしにくい 5(20.0) 10(43.5) 12(48。0) 27(37.0)

忙しくて話し合う時間がない

2 5

4 11(15.1)

秘密の保持の問題 1 0

5 6(8.2)

担任が情報を提供じζくれない 1

2 3 6(8.2)

情報を提供してもきき流される 1 3

0 4(5.5)

担任に心身症の知識がない

2(8.0) 2(8。7)

4(16.0) 8(11。0)

子どもと担任との関係がよくない 4(16。0) 1(43)

2(8.0) 7(9.6)

養教と担任との人間関係がよ

ュない。

1(4.0) 1(4.3)

4(16.0)

6(8.2)

家庭との連絡について 3(12.0)

1(4.3) 0 4(5.5)

自分自身の力不足

1(4.0)

0

1(4.0) 2(2.7)

その他 5(20.0) 4(17.4)

2(8.0)

11(15.1)

担任の性格 2 1

0 3(4.1)

その他

3 3

12 8(11.0)

(8)

①心身症の児童・生徒を発見する上での要望

 発見する上で要望があると回答したの64名(58.2%)で,その結果を表5に示した。

発見する上でということで,子どもとのかかわりでの要望が多くみられた。「子どもとの観察を綿 密にして欲しい」が多く40.6%の養護教諭が回答している。観察は「欠席,遅刻,早退,等に敏感 になって欲しい」「単に乱暴な生徒とか無口な生徒という見方をせず,一人ひとりをよく観察して 欲しい」等の意見があった。「子どもとの接触を多くもって欲しい」では,「子どもの訴えをよく 聞いて欲しい」「子どもの本心を理解して欲しい」等があった。また,「情報提供をして欲しい」と いう回答も34.4%あり,観

察によって気づいたことを・  表5 学級担任への要望〜発見する上で〜       ()%

養護教諭に知らせて欲しい と願っている。その他,

「常に冷静に物事を見,余 裕をもった気持ちで子ども 達を見つある目をもって欲 しい」という意見があった。

②心身症の児童・生徒を

改善・解決していく上での 要望回答者は49名(44.5%

だった。「情報交換をして欲 しい」が31.7%でこれは前 述の連携を行っていく上で の困難点で,「情報交換がし にくい」が多くあげられて いたこととも関連する。情 報交換をすることによって 共通理解が得られ,指導方 針も一致すると思われる。

 次いで,「子どもとのか かわりで配慮して欲しい」

が29.3%あげられた。この 中には「焦らず,ゆっくり 対処して欲しい。もっと生 徒の中に,はいり込んで欲 しい」等の意見があった。

また,「自分一人だけで抱え込まないで欲しい」が22.O%あり,とくに高校に多かった。その他,

家庭との連絡を密にして欲しい,保健室を利用して欲しい等の意見があった。

      校種

v望 小n=23 中n=22 占局n=19 計n=6

子どもの観察を綿密にしてほしい 9(39。1) 8(36.4) 9(47.4) 26(40.6)

欠席・遅刻・早退 1

2 4

7(10.9)

健康観察

2 3

1

6(9.4)

行動・態度 4

0

5(7.8)

ひとりひとりの子どもに気を配る 1 1

3 5(7.8)

その他 1

2 0 3(4.7)

情報を提供してほしい 4(17.4) 7(31.8)

11(57.9) 22(34.4)

わずかな変化でも知らせてほしい

3 5 5 13(20.3)

その他 1

2

6 9(14.1)

子どもとの接触を多くもってほしい 6(26.1) 3(13.6) 1(5,3)

10(15.6)

子どもの本心などを理解してほしい

2(8.7)

3(13.6) 2(10.5)

7(1α9)

保健室を利用してほしい 3(13.0) 1(4.5) 1(5.3)

5(7.8)

家庭との連絡をしてほしい 1(4.4)

2(9.1) 2(1α5) 5(7.8)

心身症を理解してほしい

2(8.7) 2(9.1)

0

4(6.3)

その他 3(13.0) 2(9.1)

0 5(7.8)

(9)

中村・小淵:心因のかかわる健康問題の改善・解決について 181

2)養護教諭との連携

        一学級担任の回答から一

 以上,養護教諭の回答を中心に述べてきた。次に学級担任を対象に養護教諭との連携について 調査した。

(1)健康問題を発見するために気をつけていること

 学級担任は心身に問題をもつ子どもを発見するために,日頃から気をつけていることがあると思 われる。「特に気をつけていることはない」と回答したものは,小,中,高,各1名だけだった。学 級担任がふだんから心がけていることを表6にまとめた。

       ① 「観察を綿密に行う」の        答が75.3%で多かった。こ   表6 心身に問題のある子を発見するため1と気をつけていること

       れは前述の表2で養護教諭が        心因のかかわる健康問題を発        見するために学級担任に依頼        していることの1位に「観察        を綿密し,情報を提供しても        らう」という回答とも一致し        ている。具体的な観察内容は        以下のようである。「健康観察」

       59.9%,「行動や態度」25.5        %,「欠席,遅刻,早退」23.4        %,「交友関係」19.7%,が        あげられた。その他「休み時        間の過ごし方」 「集団の中で        のかかわり方」「食事の量の        〔担任回答〕(%   変化」等に気をつけている等        があげられている。

② 次いで,「子どもと話したり,面接する機会を多くもつ」「家庭との連絡を密にする」という 答が19.2%ずつみられた。子どもと話すことにより変化に気づいたり,子どもを理解できるように なると思われる。また,健康問題を発見するためには,家庭での様子や家庭環境を知ることも大切 であるので6),家庭との連絡を密接にするよう心がけていると思われる。

③ 「日記,生活記録等を利用して,子どもの心の中を少しでも知るようにしている」という回答 が小、中学校においてあった。これは,学級担任だからこそできることであろう。

④ 「養護教諭,保健室との連絡を密にする」その他「前学年担任との連携をしている」「ふだん から自分の考え,見方を高めておく」等の意見があった。

 また,学級担任が実際に心身症を受け持った時の事例(118例)から,発見した方法を回答して もらったところ「観察」にょるものが70例(59.3%)と多くみられた。中でも,「欠席や遅刻,

早退から」が多く次いで「朝の健康観察」となっていた。「家庭からの連絡」は38例(32.2%)

であった。学級担任が日頃から,観察や家庭との連絡を密にすることによって健康問題が発見され 校種 小n=72 中n=55 高n=55計n=182

項目

観察を綿密におこなう

56(77.8) 35(63.6)

46(83.6)

137(75.3)

子どもと話したり面接する機

会を多くもつ

12(16.7) 12(21.8) 11(20.0)

35(19.2)

家庭との連絡を密にする

12(16.7) 12(21。8) 11(20.0)

35(19.2)

日記・生活記録などを利用する

12(16.7)

8(14.5) 1(1.8) 21(11.5)

子どもと接する機会を多くもつ      一

5(6.9)

8(14.5)

3(5.5)

16(8.8)

調査等の実施や結果を活用する 9(12.5)

4(7.3) 3(5,5)

16(8.8)

養護教諭・保健室との連絡を

密にする

2(2.8)

6(10.9)

4(7.3)

12(6.6)

その他

7(9.7)

2(3.6)

2(3.6)

11(6.0)

(10)

ることが多いようであった。

② 心身症の児童・生徒を発見する上での困難点

 健康問題を把握するために学級担任は種々の配慮をしていることがわかった。ここでは,とくに 心因のかかわる健康問題を発見するために困っていることについて回答してもらった。「発見する 上で,とくに困ったことはない」は33名(16.8%)だった。「困ったことあり」66名についてまと

めた。「心身性のものかどうか判断するのが困難である」が37.9%だった。観察等で異常がありそ うだと思っても,その要因,背景の把握が難しい。専門医でも観察しただけで心身症と判断するこ とはできない。除外診断,様々な検査等により心身症と診断する。しかし,この「判断ができにく い」ということが「発見する時期が遅れる」ことにつながると思われる。次いで,「子どもとの接 触時間が少ないため,子どもの観察や理解が十分にできない」という回答が24.3%みられた。とく に,高校で多く回答された。また,「家庭からの相談がなく,協力が得られない」等「家庭とのか かわりによる困難」も22.7%みられた。

 わずか2例ではあったが「校種間の情報不足」が回答された。心身症だけではないが校種間の情 報交換」については必要性が叫ばれているη。転入学,進学時等,養護教諭の間で健康問題について 情報交換し,必要に応じて学級担任と話あうことが大切である。

(3)心身症の児童・生徒を改善・解決していく上での問題点

 心因のかかわる健康問題がわかってそれらを改善・解決していく上で「問題あり」と回答した のは81名で,その結果を表7にまとめた。

改善・解決していく上では

      表7 心身症の児童・生徒を受けもっての困難点

「家庭とのかかわりによる      〜改善・解決していく上で〜

問題」が48.1%で多かった。

具体的な内容は「保護者の 理解がなく,協力が得られ ない」「家庭に問題がある 場合やりにくい」「家庭に どこまで立ち入ってよいの か」等で悩む学級担任もお り,家庭環境が要因・背景 になって心身症が発生する ことも多いだけに,家庭と の連携は健康問題を改善・

解決していく上でどうして も必要であるゆえに,困難 点も多いようである。保護 者の方に問題がある場合,

保護者の治療や教育相談,

学級担任との話合で,子ど

もへの理解,接し方がかわ       〔担任回答〕()%

      校種困難点

小n=32 中n二27 高n=22 計n=81 家庭とのかかわりにおいて

17(53.1) 11(40,7) 11(50.0) 39(48.1)

家庭の理解がなく協力が得られ

ネい 8

4 3 15(18.5)

家庭に問題がある場合やりにくい

4 5 3 12(14.8)

連携がとりにくい

4

1

3 8(、9.9)

家庭への介入の程度が難しい 1

1 2

4(4.9)

改善・解決策がみっからない・難しい 7(219) 8(29,6) 5(22.7) 20(24.7)

時間的にゆとりがない

7(21.9) 5(18.5)

2(9.1)

14(17.3)

専門的知識が不足している 1(3.1) 2(7.4)

7(31.8) 10(12.3)

本人が協力的でなく理解がない 3(9.4)

3(11.1) 0

6(7.4)

他の児童・生徒に理解させること 2(6.3)

3(11.1) 0

5(6.2)

教師間の連携・協力が得られない

0 0 4(18.2)

4(49)

身近に専門医等がいない 1(3.1) 1(3.7) 2(9.D 4(4.9)

その他 2(6.3)

0

2(9.1) 4(4.9)

(11)

中村・小淵:心因のかかわる健康問題の改善・解決について 183

り,子どもの症状が改善されることもある。

 次いで「改善・解決策がみつからない・難しい」(24.7%),「時間的にゆとりがないために,

十分な話し合いができない」(17.3%)等が続いている。高校では「教師間の連携・協力が得られ ない」「受験が第一にでて,生徒の個性を尊重していない」等があげられた。

(4}養護教諭から提供されて役だっている情報とさらに提供して欲しい情報について心因のかかわる 健康問題を把握し改善・解決するために学級担任はどの様な情報の提供を望んでいるだろうか。

       図2は養護教諭

心身症の症状

心身症をもつ児童・

生徒の対応のしかた

心身症の原因

学校において多くみら れる心身症について

心身症の治療のしかた

一心身症の診断のしかた

具体的な事例について

保護者への対応のしか たについて

心身症をもつ児童・

生徒の現状

その他

        L−一・一一_「__

0 10203040 5000 70 80 90100(%)

ロ難鶉轟役立・∈ヨ提供してほしい情報

小(n;53),中(n窺46),高(n=・39)小(n= 25),中(n= 22),高(n; 26)

図2 養護教諭から提供されて役立っている情報とさらに提供してほしい情報

から提供されて役 だっている情報,

さらに提供して欲 しい情報について まとめた。

④ 役だっている 情報

「心身症の症状に ついては,55.8%の 学級担任から回答

を得た。次いで

「心身症をもつ児 童・生徒への対応 の仕方」 「心身症 の原因」 「学校に おいて多く見られ る心身症について」

等があげられた。

これらはいずれも 心因のかかわる健 康問題の発見や改 善・解決に欠かす ことのできない内 容である。

 その他,「心身 症と単なる怠惰や 学校不適応等の区 別」 「保健室を訪 れる回数や訴えの 内容を具体的に知 る」 「過去の病歴

(12)

を聞かせてもらう」等があげられた。

② 養護教諭からさらに提供して欲しい情報

 「とくにない」「現在の情報で十分である」が28名(14.2%)あった。欲しい情報で多かったの は「具体的な事例について」 「一般的にみられる心身症と本校との関連について」「心身症をもつ 児童・生徒の対応のしかた」等だった。一般的な心身症の知識や理解の他に自校で実際に発生して いる心身症等を知らせて欲しいというものである。具体的な事例を例にして対応のしかた等の情報 は参考になろう。その他では「児童・生徒の保健室での様子について」「学級担任に入らない情報 が,養護教諭と児童との間で話題になることがあると思うが,児童を傷つけないよう配慮した上で,

学級経営に必要な情報を得たい」という意見もあった。養護教諭と接している時の子どもの様子や,

会話(交友関係,部活動,学校への不満など)等の情報を望んでいる学級担任が多いようである。

 養護教諭は学級担任がどの様な情報を要望しているか理解し必要な情報を提供したい。

(5)養護教諭への要望

 学級担任として,心因のかかわる健康問題をもっ児童・生徒を把握し,改善・解決していく上で,

養護教諭に配慮・協力してほしいことを回答してもらい表8にまとめた。

① 学校・学級担任との かかわりにおいて

 小,中,高校とも6〜

      表8 養護教諭への要望

       〔担任回答〕()%7割の学級担任が要望を もっていた。「気づいた

ことはどんな小さなこと でも知らせてほしい」

「専門的な立場からの適 切な助言がほしい」「連 携を密にしてほしい」等 があげられた。

「情報交換」についての 要望は養護教諭も学級担 任に求めていることから,

お互いに,情報交換の大 切さはわかっていても,

実際に行っていくには大 変なのであろう。

  「生徒が秘密にしたい 事項でも担任へ連絡して ほしい」「症状が見られ たら早めに連絡をとり,

担任が行うべき指導の指 示をしてほしい」「学級

       校種

v望 小n−41 中n−36 湘局n;42計n=119

学校・担任とのかかわりにおいて

29(70.7)

24(66.7)

26(61.9) 79(66.4)

気づいたことを知らせてほしい

12 11 9 32(26.9)

専門的立場からの適切な助言が 8

3

8 19(16つ)

ほしい

連携を密にしてほしい

4

6

5 15(12.6)

担任には秘密事項も連絡してほ

0 2 3 5(4.2)

しい

資料を提供してほしい 1 1 1 3(2.5)

対策。対応の相談にのってほしい

2 0 0 2(1.7)

その他

2

1

0

3(25)

児童・生徒とのかかわりにおいて

17(41.5) 24(66.7) 22(52.4) 63(52.9)

相談相手になってほしい

9 12

8

29(244)

受け入れ態勢をしてほしい

2 3 6

11(9.2)

カウンセリング的立場をとってほしい 2 3 5

10(8,4)

母親的役割をしてほしい 1

2

1 4(3.4)

直接子どもの指導をしてほしい

0 2 2

4(3.4)

その他

3 2 0

5(42)

そ の 他

3(7.3) 3(8.3)

6(14.3)

12(10.1)

(13)

中村・小淵:心因のかかわる健康問題の改善。解決について 185

としてどう扱うべきかを指導してほしい」等があげられた。

② 児童・生徒とのかかわりについて

 これも52.9%と半数以上の学級担任から要望があった。「相談相手になってほしい」「受け入れ態 勢をとってほしい」「カウンセリング的立場をとってほしい」等があげられた。「担任よりも第三者 的立場,母親的立場で児童の悩み等の良き相談相手になって欲しい」「相談の時間を出来るだけ多 くとってほしい」等があげられた。しかし,「受容するばかりで,働きかけをしないのは問題であ る。」「甘やかし過ぎないように」「よく確認せずに,簡単に大丈夫と言わないで欲しい」等の意見 もあり,参考にしたい。

③ その他

 その他の要望としては「保護者への助言をしてほしい」「医療機関の紹介や医療機関との連携を 図って欲しい」「問題を抱えた子どもの安らぎの場となるような保健室経営をしてほしい」等があ げられた。養護教諭はこのような学級担任の希望や要望を理解して,それらにできるだけ応えてい

くべきであろう。

3)学級担任と養護教諭との望ましい連携のありかたについて

 学級担任と養護教諭,両者の要望(表5 表8)を参考に,両者の望ましい連携のあり方につい てまとめた。

① 「情報交換をしてほしい」という要望が両者とも高率に見られることから,お互いに情報交換 に努めることが必要である。西氏は「担任教師と養護教諭との間に緊密な連絡がないと,子どもに 対する理解が不十分になる。その結果,子どもが迷い,不安に陥ることもあるので,双方が同一の 理解に立って子どもに対してもらいたい」8)と述べている。

子どもに対して共通の理解に立つためにも,養護i教諭は児童・生徒を暖かく受け入れ,心因のかか わる健康問題がありそうな児童・生徒を把握した場合,学級担任に保健室での様子を伝え,学級担 任は日々の観察を綿密にし,養護教諭に学級での情報を提供することが必要であると思われる。さ らに,家庭からの情報は担任のほうが把握しやすいので,健康問題と関係がありそうな場合,養護 教諭に連絡する必要があろう。

② 養護教諭が困難を感じていることに「指導方針が一致しない」という回答が多く見られた。お 互いに忙しくて話し合う時間の確保が難しいこともあるが,話しあい,役割を分担し,児童・生徒 の信頼関係を保ちたい。両者とも,自分が児童・生徒のために何ができ,何ができないのかをわき まえることも大切であると思われる。養護教諭は学級担任とどこまで接し,立ち入るべきかを判断 するζとが大切であろう。

③ 養護教諭は「心因のかかわる健康問題を理解してほしい」,学級担任は「心因のかかわる健康 問題についての情報を提供してほしい」という要望がみられることから,養護教諭が情報を提供し 理解してもらうよう努める必要がある。しかし,担任一人ひとりの要望は異なるので,基本的には 資料の配布等により一般的なことを理解してもらい,それ以外は個別に,各担任の要望に応えてい かなければならないと思われる。

3 心因のかかわる健康問題を理解してもらうための働きかけ

 以上,学級担任と養護教諭との連携について述べてきたが,心因のかかわる健康問題を発見した り,改善・解決する上で学級担任も困難点を抱えていることや,実際に心身症の児童・生徒を受け

(14)

持ったことのある学級担任も多くみられることから,心因のかかわる健康問題を学校全体として認 識・理解してもらうための働きかけを行う必要性もあるかと思われる。ここでは,とくに,個別で はなくて教員全体を対象にして養護教諭はどの様な働きかけを行っているか回答を求めた。

1)働きかけの実際

 働きかけの有無について表9に示した。「働きかけを行っている」と回答した者は25.7%,「とくに 行っていない」は64.8%だった。その他としては全体的には行っていないが「必要に応じて」「個 別的に」働きかけを行っていた。例えば「特別知って欲しい時だけ教師用保健だよりを発行する。」

「必要事項が生じた際,会議の席で報告や連絡をしている」等があった。

2)働きかけを行ったきっかけと働きかけの具体例

(1) きっかけ

 働きかけを行うきっ  表9 働きかけの実際 かけとなったことは次

のようである。

「養護教諭自身の要望 から」 (18校),「心身 症について相談された ことから」(14校)「先 生方からの要望があっ

て」 (6校)「生徒指 導部の活動として」

(2校)等。       (〉内は%

② 働きかけの具体例  表10働きかけの具体例 具体的な働きかけの内

容を表10に示した。

「資料の配布や作成,

書物の紹介」 「事例を 通して全員に情報を伝 える」 「校内研修会を 行う」「専門医による 講演会の実施」等があ げられた。「学年会に 出席し,援助のあり方 を考えあう」などの意 見もみられ,さまざま

な働きかけが行われて いることがわかる。

 個々の学級担任との 連携のほかに学校全体

     校 種

ュきかけ 小 n−39 中 n−32 高 n−34 計 n=105 行っている

チに行っていない

サの他

12 (30.8)

Q1 (53β)

U (154)

3 (9.4)

Q6 (812)

R (94)

12 (353)

Q1 (61B)

S (2.9)

27 (25.7)

U8 (64B)

P0 て95)

校 種

働きかけ n嵩12

n≡3

n=12 n=27

資料の配布や作成,書物の紹介 3 1

7

11

事例を通して情報を流す 4 1 1

6

校内研修を行う 1 1

3 5

職員会で話題にする

2

0

1 3

専門医による講演の実施 1

0

1 2

保健室での様子を報告する 1 1

0 2

学年会に出席し,援助のあり方を考えあう

0

0

2 2

保健室経営案に心身ともにじょうぶな子を

轤トることをのせる 1

0 0

1

保健室来室者の変化を知らせる 1

0

0 1

健康観察状況を提供する

0

1

0

1

(15)

中村・小淵:心因のかかわる健康問題の改善・解決について 187

として共通理解を図ることも必要である。とくに中,高校では生徒は担任外の先生に接することが 多いので,心因のかかわる健康問題をもつ生徒の対応について行き違いがないようにしたい。

3)働きかけを行っていない理由について

 1)でとくに働きかけを行っていないと回答したものに行っていない,または行いたいが行えない 理由,事情について表11にまとめた。

①  「養護教諭自身に問題がある」 (27.9%)が多かった。 「生徒との対応におわれ,時間的にゆ       とりがない」 「自分自身   表11働きかけを行っていない理由

      の勉強不足で自信がない」

       「必要性は感じているが,

      心身症は原因もはっきり       分からないことが多く難       しいので,検討中である」

      等の意見があった。働き       かけを行う必要性は感じ       ていても実際に行えない       養護教諭も多いといえよ       う。

      ②  「学校・教師側に問        題がある」(11.8%)

       「教師間にゆとりがない」

       「全体に働きかける場合,

      時間の確保が難しい」な       どの意見があった。①の       場合は養護教諭自身の努       力等で働きかけを行うこ       とも可能となるが,②の       場合,たやすく変えるこ       とができないので,働き       かけを行えない原因となっ       ていると思われる。また,

      養護教諭一人では働きか       けはできない場合,管理       者等に協力を求めること       も必要である。

③他の機会で行われているため(11.8%)全体としての働きかけは行っていないが個別に行って  いる養護教諭も多いようだ。

4 心因のかかわる健康問題の事例について

 養護教諭と学級担任に,今まで経験した心因のかかわる健康問題の事例について回答を求めた。

      父種 掾@由

小n=21 中n;26 高n=21 計n=68

養護教諭の要因

3

8 8

19(27.9)

勉強不足,経験不足

叝墲フ執務におわれ,時間的にゆと 閧ェない

K要性は感じているが難しいため検

「中

サ在校に勤務して間もないため

0021 3221 4310 7552

学校・教師側の要因 1

3

4 8(11.8)

時間が確保できない ウ師間にゆとりがない

S身症について理解・関心がない ウ師の考え方がさまざまである

0010 1200 2011 3221

他の機会で行われているため 1 4

3

8(11.8)

担任,相談にみえた先生とは話し合をしている

w年会,校内研修で情報交換をしている日常の話し合いで理解を深あている

100 301 121 521

その他

6 2 2 10(14.7)

目立つほどの事例がないため ウ育相談室やカウンセラー室がある

スめ

キでに担任が自覚している

「つでも連携がとれるので必要性は

ネい

1131 200 020 3331

特になし

2

0 0

2

無回答

8

10

8 26

参照

関連したドキュメント

1~10%未満 じんま疹、めまい、発熱 など 注射部の痒み・出血・不快感、頭痛、発熱 1%未満

(2)事故の主な症状 ➊首~肩の痛み(寝違えたような、筋肉痛のような痛み) ➋首が動かない ➌頭痛・めまい

ヒトの感染症 a)臨床症状と病原性  SFTS ウイルスに感染すると 6 日~ 2 週間の潜伏 期の後、発熱、消化器症状(食欲低下、嘔気、嘔吐、 下痢、腹痛)、頭痛、筋肉痛

26 表2.TTPの臨床像 症 例 数 % 発熱 237/243 98 貧1血 246/256 96 出血傾向 241/251 96 粘神神経症状 250/271 92 腎障害 191/217 88 黄拍.

JOA : Japanese Orthopaedic Association, RDQ : Roland-Morris Disability Questionnaire, STAI : State-Trait

心の病気の全体 脳に原因 体に原因 肝臓 甲状腺 等の病気によるもの 体質・悩みやストレスに原因 原因不明 原因が明らか 機能の障害 統合失調症 気分障害 発達の障害 自閉症

全身麻酔 脳死判定 Ⅶ 救急症候に対する診療 意識障害 失神 めまい 頭痛 痙攣 運動麻簿,感覚消失・鈍麻 胸痛 動棒 高血圧緊急症 呼吸困難 30例

101 三叉神経痛 テグレトール錠100mg、ノイロトロ ピン錠4単位、メチコバール錠 500μg、リリカカプセル75mg 播種状紅斑丘疹型薬疹 支給 102 関節リウマチ アザスルファン腸溶錠500mg