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札幌医科大学 医療人育成センター紀要 2(2010) 特集医療人育成センター発足

医療人育成センター発足について

   今井道夫

札幌医科大学医療人育成センター長

 札幌医科大学医療子育成センターは平成20年10,月に発足しました。センターは入学者選抜企画研究部門、

教養教育研究部門、教育開発研究部門の3つの部門からなっています。教員定数は30名であり、独自の教授会 を持っております。学内の組織としては、医学部、保健医療学部に並ぶ部局と位置づけられています。センター 設立にあたって、私たちは「高度な医療技術、医療倫理を備えた人間性豊:かな医療人育成」と「北海道の地域医 療に貢献する医療人育成」をその使命に掲げました。これはしかし、既存の医学部、保健医療学部の使命でもあ

ります。札幌医科大学において私たちのセンターがどのような貢献ができるか、よく考えてみなくてはなりませ

ん。

 入学者選抜企画研究部門、教育開発研究部門の2っは、今回、まったく新たに設置されました。入学者選抜 の業務は、従来、2つの学部がそれぞれ取り組んでおりました。もちろん相互協力はしていたものの、十分とは いえませんでした。今回、入学者選抜企画研究部門を設置することにより、大学として統一的にこの業務に取り 組み、同時にそれを支える調査・研究をすることができるようになりました。さて、従来の大学は研究重視でし た。よい研究をしていればおのずとよい教育につながるという理念が通用していました。それでうまくいけばよ いのですけれど、それが行き詰まってきていて、大学教育の再建が必要になっております。先頭に立ってその課 題に取り組む組織が教育開発研究部門です。この2っの部門の新設の意義は大方の認めるところだと思います。

 教養教育研究部門はどうでしょうか。これは、すでに本学内にあった組織がもとになってできた部門です。す なわち医学部教養教育部門各教室、保健医療学部一般教育科各教室が母体になってできたものです。センター3 部門といいながら、この部門が格段に大きな部門となっています。両学部でばらばらにおこなってきた教養教育

(一般教育)を統一的な観点から実施し、さらには医科系「総合」大学としての展開の拠点となることが期待さ れます。とはいえ、課題も多く、大胆かつ着実な歩みが求められています。

 医学部教養i教育部門は独自の紀要を持っておりました。1960年創刊の『進学課程紀要』に始まり、『札幌医科 大学人文自然科学紀要』(1979年以降)を経て1993年からは『札幌医科大学医学部人文自然科学紀要』として 刊行されました。しかし、このたびの組織改革により、2008年、通巻第49号をもって終了といたしました。最 盛期には10数本の原著論文が並ぶ賑やかさでした。その後、紀要の意義が薄れたことは否めず、論文の寄稿が 減ってまいりました。とはいえ、人文・社会科学系では、枚数にこだわることなく継続的に寄稿できる紀要の意 義は失われていません。自然科学系でも、原著論文に限定しないなら、やはり意義はあるのではないでしょうか。

 そこで、『札幌医科大学医学部人文自然科学紀要』が担っていた役割を継承しつつも、医療人育成センターに ふさわしい総合雑誌の刊行をめざすことにいたしました。高田純教授を長とする編集委員会において構想を練っ ていただき、このたび創刊の運びとなりました。私たちの医療人育成センターは、全国有数の知の拠点(センタ ー)となることをめざしています。また医療にかかわるシンクタンクたることをめざしています。私たちの雑誌 が、これを実現するための強力な手だてとなることを願っています。

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