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および受け入れ可能性評定

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奈良教育大学学術リポジトリNEAR

カウンセリング面接ビデオの印象評定、技法評定、

および受け入れ可能性評定

著者 玉瀬 耕治, 乾 信一郎

雑誌名 奈良教育大学紀要. 人文・社会科学

巻 49

号 1

ページ 157‑166

発行年 2000‑11‑10

その他のタイトル Impression Rating, Skills Rating, and

Acceptability Rating of Counseling Videotapes

URL http://hdl.handle.net/10105/1421

(2)

奈良教育大学紀要 第49巻 第1呂つ人文・社会)平成12年

Bull. NaraUniv. Educ, Vol.49, No. 1 (Cult. & Soc.), 2000

カウンセリング面接ビデオの印象評定、技法評定、および受け入れ可能性評定

玉 瀬 耕 治・乾  信一郎*

(奈良教育大学心理学教室) (平成12年4日25円受上里 キーワード: カウンセラー印象評定、技法評定、受け入れ可能性評定

カウンセリングの実践を深めるにあたって、初心者が 優れたカウンセラーの実際のカウンセリング軸接を観察 することは技能を高める上で極めて行意義である。しか し、実際の面接場面を菌二接観察する機会は必ずしも容易 に得られるものではない二.その意味で、熟達した実践家 によるさまざまなオーデfオ・テープやビデオ・テープ が作成され、カウンセラー養成にr臣1られてきたといえ る,また、カウンセリング研究を進めるにあたって、そ れらについての分析も行われてきている(たとえば王 瀬・西川.1992主 カウンセリング面接ビデオでもっとも

よく知られ、かつ研究対象とされてきたものとして、

Shostrom (1966)によって編集されたグローリアの事例 が挙げられる.‑,これは実際のクライエントに対して、 3 人のセラピスト(ロジャーズ、バールズ、エリス)が各 自のカウンセリング・心理療法理論の実例を示す意味で それぞれ約3()分間のカウンセリング面接を行ったもので ある̲ この面接についてはさまざまな角度から多くの研 ノ究が行われている(Barak & Dell, 1977こBarとik&LaCrosse.

1975こGustavson, CunClick. & Lambert. 1981こHill, Th乙imes, 良

Rardin, 1979; Kiesler & Goldston. 1988こLaCrossc & Bこirak.

1976; Meara, Pepinsky, Shannon, & Murray, 1981; Meara.

Sha1‑1‑on. & Pepi】lsky. 1979二Mercier & Johnson, 1984;

Shostrom & Rilcy, 1968こZimmer & Cowles. 1972; Zimmer &

Pcpyn亡, 1971主

これらの恢米における諸研究はカウンセリング研究を 進めていく士で多くの示唆を与えてくれるものである,T しかし、わが国においてグローリアの事例を用いる場合、

それがどのような受けILめ方をされるかについては、文 化の違いも考慮すれば、あらためて検討する必要がある と考えられる二r 最近のカウンセリング研究においてはカ ウンセリングを行うにあたって、カウンセリングの理論 や技法がクライエントの心的状態に適合しているかどう

157

かを問題にするだけではなく、クライエントの所属する 文化やクライエント個人の文化的特質と適合しているか どうかが重要な問題として取り上げられるようになって

きている(ponterotto. Casas. suzuki, & Alexander, 1995二 Sue. Ivey, & Pcdcrsen. 1996) ‑

このような意味で、 W:光1では、わが国において3人の セラピスト(カウンセラー)の面接が、カウンセリング を学んでいる人たちにどのような印象を与えるのかを、

筆者らがm茂したカウンセラ‑印象評定FO珪(玉瀬.育 FFl.1996)を用いて調べることにした。この評定尺度に は、 Rogers (1957)がカウンセラ‑に必要とされる基本 的態度とみなした3つの要匝Iが含まれている.すなわち、

純粋性、尊重性、および共感性の3つである、,ただし、

ここでいう尊重性とは、通常「無条件的の百定的配慮」

などの邦訳で表現されているものを筆者(玉瀬.1998) の考えによってこのように表現したものである,二,研究1 では、この評定尺度によって3人のカウンセラーのビデ オに表現された基本的態度の違いを比較し、合わせてこ の評定尺度そのものの妥当性を検討した‑,すなわち、こ の評定尺度を用いた.場合に、ロジャーズのI的妾が他の2 人の面接よりも評定値が高くなれば、ロジャ‑ズの理論 に合致した評定尺度であるとみなせるであろう̲,

研究2では、研究1の結果に基づいて、グローリアと の面接ビデオに見られる2人のセラピスト(ロジャーズ と′、‑ルズ)の面接技法について、より詳細に検討し、

さらに玉瀬・乾 2000)における受け入れ可能性の問題 との関連についても検討することにした‑ とりわけ導入 部射二おける言語的および非言語的かかわり行動(Key, 1991)に見られる第3音評定に焦点を当てて調べること とした.

図1は、本研寵における各評定の位置づけを示したも のである 基本的態度の評定、面接技法の評定、および

* 現在 奈良教育大学大学院教育学研究科

(3)

158 玉 瀬 耕 治・乾  信一郎

カウンセラーの面接態度 [ = 〉 面接技法 [ 二 〉 面接効果

(カウンセラー印象評定) (技法評定) (受け入れ ●再来談可能性評定)

図1本研究における各評定の位置づけ

面接効果の評定を順次行うことによって、それぞれのカ ウンセリング面接の特徴を捉えようとした。評定はいず れも第3者が行ったものでる。研究1におけるカウンセ ラー印象評定はロジャーズの理論における基本的態度に 相当する部分について評定させている。研究2における 技法評定では2人のセラピストに絞って、言語的および 非言語的技法について評定させている。また、ここで用 いた評定尺度は今回新たに作成したものである。カウン セリングの効果性の指標として、受け入れ可能性評定と 再来談可能性の評定を行わせている。これらの尺度の詳 細については後述する。

研 究1

方  法

評定者

訪問看護婦養成講習会の受講者である看護婦28名を評 定者として用いた。

カウンセラー印象評定尺度

玉瀬・石田(1996)のものを使用した。この尺度は、

純粋性、尊重性、および共感性の3要因について、それ ぞれ4項目ずつで評定するように構成されている。純粋 性には「自然な態度で接している」 「ありのままの自分 を出している」などの項目が含まれている。尊重性には

「相手を人間として認め、尊重している」 「相手の役に立 とうとしている」などが含まれている。共感性には「相 手と‑緒になって考えようとしている」 「相手の話の内 容を理解しようとしている」などが含まれている。これ らの各項目について「非常に感じられる」 (4点)から

「全く感じられない」 (0点)までの5段階で評定させる ようになっている。

手続き

上記講習会において、第1著者がカウンセリングの講 義を行い、カウンセリングの諸理論(精神力動的理論、

人間中心的理論、認知行動主義的理論など)について解 説した後、 3人のセラピストによるグローリアとの面接 のビデオテープ(Shostrom, 1966/佐治他訳,1980)を再

生し、受講者にセラピストごとにカウンセラー印象評定 を行わせた。各ビデオは面接の最初の5分間を使用した。

結果と考察

評定結果は3つの尺度ごとに集計し、平均値を求めた。

図2はその結果を示したものである。これらの平均値に ついて繰り返しのある2要因の分散分析を行った。その 結果、セラピストの主効果がF(2,81)=63.47、尺度の主 効果がF(2,162)=7.09、セラピストと尺度の交互作用が F(4,162)=7.15となり、すべて1%水準で有意であっ た。

図2で明らかなように、ロジャーズの面接は、 3人の セラピストのうちでもっとも高い評定値を得ている(各 セラピスト間は1%水準で有意)。尺度ごとに見ても、

純粋性、尊重性、共感性のいずれの尺度においても高い 値を得ていることが分かる。セラピストごとに見れば、

ロジャーズとエリスでは、 3つの尺度のうち、共感性の 評定値がより高く(1%水準)、パールズでは純粋性が

より高くなっている(1%水準)。

^ f   C M   O   0 0   e D   T t   C M   O

rI. 1 ー     iJlil L,LLLLLLLLLL̲

i* 21 a5 i

LJ.,.

■純粋性 田尊重性

□共感性

ロジャーズ  パールズ   エリス 図2 グローリアに対する3人のセラピストの印象評定

今回用いたカウンセラー印象評定尺度は、ロジャーズ の人格変容に関わるカウンセラーの基本的態度としての 3つの要因、純粋性、尊重性、および共感性を含むもの であった。したがって、ロジャーズの面接の評定値が3 つの要因のいずれにおいてももっとも高かったことは、

この尺度がロジャーズ理論からみた評定尺度としての妥 当性を示す証拠になるといえる。また、尺度構成に関し ては、ロジャーズの面接評定におけるα係数を算出した ところ、純粋性ではα=.64、尊重性ではα=.78、共感性 ではα=74となっており、評定尺度としての信頼性もあ

(4)

カウンセリンデ面接ビデオの印象評定

るといえるい しかし、この点に関しては鼻mの基礎とな った標本が小さいので、さらに多くの評;H古による資料 を蓄積して検証を重ねる必要があることは言うまでもな

研 究 2

研究1では3人のセラピストの面接における基本的態 度に関わる印象評定をftったが、その結果として、ロジ ャ‑ズのカウンセリング面接がもっとも高く評定され、

・\l‑ルズの面接がもっとも低く評定されたといえる̲ 次 に、面接技法および面接効果についてはとのような評定 が可能であろうか,‑̲

カウンセラーの面接技法を構成するものとしては、 in 語的および非言語的行動が取り しげらわ、従来からそれ

らについての軒先が盛んに行われてきた(Hill&Corbett, 1993主 言語的応答の分類を行ったElliott. Hi日.

Friedlander.Mahrer, &Margison (1987)の研究は、研究 者間の分類の不 一致を埋めようとした興味深いものであ る̲,彼らは6人の異なる研究者の応答様式に基づいて、

共通する6種埠の応答様式を示した,,その6種類の応答 様式は、質問、情報、助言、反映、解釈、及び自己開示 であるJ l三瀬・大塚・西川(1991)では、 l司様にカウン セラ‑の言語的応答について、支持、意見、解釈、指示、

質問、反映の6種類に分類している,= ‑一方、非言語的行 動については、視線、音声、表情、姿勢、ジェスチャー、

スキンシップ、空間距離、身体的特徴などが対人関係に 関する非言語的行動として分類されている(荘厳、1993) これらの分類を行うことは、カウンセ1ノングを科学的に 研発する上で重要であると考えられるIvey (1971)は、

意図的な面接を行うための訓練用プログラムとしてマイ クロカウンセリングを開発し、そのL恒二かかわり行動と して非言語的行動を位置づけている̲,

Hill (1985)は言語的な応答様式についての一般的な 定義づけを行っているH しかし、これらの言語的な応答 様式に対するクライエントの受け取り方には個人差があ るはずであり、カウンセラーが意図するものが果たして そのままクライエントに伝わったがどうかを調べること が必要であるといえる一

島木(1996)は、カウンセラー役とクライエント役の 声をオーディオテープに録音し、クライエントの心的状 態に適したカウンセラーの言語的応答の才旨示性について 実験的に検討している,I,被女はクライエントの心的状態 が感情的である場合と理性的である場合を設定し、さら に、それぞれの条件に対応してカウンセラ‑の応答が指 示的である場合と非指示的である場合を設定したL̲,その 結果、第3者から見たカウンセリングの満足度評定にお いて、感情的なクライエントには感情を受容する非指示

lay

的な応答がより高く評定され、理性的なクライエントに は適切な認知的枠組みを提供する指示的な応答がより高

く評定されていることが明らかとなった,̲ これは、感情 の処理が「分になされていないクライエントに対しては 非指示的なカウンセリングが有効であり、感情の高揚が おさまって次になすべき課題に塀り組もうとしているク ライエントに対しては指示的なカウンセリングが有効で あることを示唆している,‑

指示性の聞題に関連して、玉瀬・乾(2000)は面接に おける話題の親密伯(話しにくさの程度:高低)とカウ

ンセラーの指示性(指示・非指示)を変数とする4条件 の実験を行い、これらの条什にそって作成された面接ビ デオについて第3古にクライエントの受け入れ可能性評 定を行わせている その結果、評定者を被験者内要因と する実験1では、親密値の効果は認められず、指>I<、生の 効果のみが認められた[.すなわち、行動面でのクライエ ントの変零封足す意味では指示的応答の方が非指示日加も 答よりも受け入れ可能性の評zE帖が高くなり、効果的で あるとみなされたのである,‑ 評定古を被膜古間要因とし て同 一条件で行った'実験2では、実験1とIul様に行動面 では指示的応答の方が非指示的応答よりも受け入れ可能 性の評定値が高くなり、 ‑・存、認知由では非指示的応答 のIIが指示的応答よりも評定値が高くなった‑,すなわち、

クライエントの偏った考え方を改善するなどの認知的側 面に関しては、指示的応答よりも非指示的応答をした方 が受け入れられやすく、効果的であるとみなされたとい

える̲,

木酢究で取り上げている3人のセラピストのうち、ロ ジャーズはもっとも非指示的であり、パ‑JLズはもっと も指示的であるといえよう(Hill,et.a1., 1979),‑ エリスの 場合は、発言の量はもっとも多tlが説得的(if,1975;井 藤.1999)である,̲,ハl‑)Lズの場合はクライエントの虚 をつくような気づきをさそう指示的な発言が多い̲.これ らのことを考慮して、研究2では、 3人のうち、指示性 において互国二もっとも押酢が違いと考えられるロジャ ーズとパールズを取り上げることにした一

次に、面接効果の問題について考えてみよう,,研究2 では受け入れ蝣JfiH叶と再来談可能性の評定によって面接 効果を推測することを試みたJ受け入れ「tfft巨性の問題は、

主に行動療法の枠組みの中で、クライエントの認知を定 量的に捉える方法として研究されてきた(ll三瀬・上 松,1996 :佐藤.1998)了空け入れ可能性の評定については、

筆者らの先の研栗(玉瀬・士私1997,1999;上松・玉 瀬.1998)では不登校の事例に焦点を当てて検討してい る‑,これらの研究では、どのようなカウンセリングが不 登校クライエントの行動、認知、及び感情のどの側面に どの程度受け入れられるかを調べることにより、カウン セラーの面接の効果を調べている。

(5)

160 ]・‑ 廟 ffi一 冶・乾  信 一郎

表1 カウンセラー技法評定尺度 非言語的投法評定頃日

視 線

1 視線の合わせ方は適量である (う  視線の合わせJjのタイミングは良い 11 視線の合わせ方は自然であるこ

動き.三、‑°l.̲‑/‑f、

15  動きやシュスチャ‑は適量である̲.

2  動きやジュスチャーのタイ ミングは良い 7  動きやジェスチャーは自然である,̲

うなずき・相づち

12  うなずきや相づちは適量である̲, 1(う  うなずきや相づちのタイミングは良い

3  うなずきや相づちは自然である.

言語的技法評定項目

8  質問の内'由まわかり和、ものである, 13  質問を行うタイミングは良い,̲

lT  質間し‑1l"lft;お由・i'V」;'る

4  請の内容を分かり易くまとめているL=

9 話の両容をまとめるタイミングは良「

14  話の内容をまとめる回数は適量である 18  指示の内容はわかりやすい

f>  HJx'r与える蝣v f ミニ.蝣nxnい 1O  指示J一与>1 '蝣.<>l"1^;土適量てj'‑ら 註1 :項目番号は実験で用いられた評定糊紙での提示順序を表すLl

註2:評定は「全くそう思わない」から「非常にそう思う」までの6段階評定

研究2では、面接効果を推測するために受け入れ可能 性評定に加えて再来談可能性についても測定し、 2人の セラピストの間にどのような違いが見られるがを検討し たし,次の機会に来談したいと思うがどうかは、カウンセ リング面接が有効であり、クライエントにとって満足な ものであったかどうかを推測する重要な手がかりの1つ であると考えられる一.研ノ究2では第3者評定によってこ のことを捉えようとしたL一

研究2におけるもう1つの問題は、ビデオ視聴に先立 って、カウンセラーの依拠する理論についての説明がな されているかどうかである二,研究1では評定者は事前に カウンセリングの理論に関する講義を受けており、予備 知識があったといえる,̲.ただし、 3人のセラピストのう ち、 J\‑JLズについては彼の提U(1するゲシュタルト療法

(perls, 1973/倉戸監訳.1990)に関する説明は含まれて いなかった1.そのことがL甘究1での印象評定でパールズ に対する評定値がもっとも低くなった原因の1つである 可能性がある,̲ このことを考慮して、研究2では、ロジ ャーズとバールズのそれぞれの理論をビデオ視聴の直前 に講義して視聴させた場合と、全くそのような説明を行 わずに視聴させた場合にどの程度の差異が生じるのかを 検討した,

方  法

実験計画

2×2の要因計画をmいた,̲ 第1の要因はカウンセラ ー(ロジャーズ、 ′、‑ルズ上 第2の要因はカウンセり ング理論の事前説明(説明あり、説明なし)であり、前 者は被験者内要因、後者は被験者間要因であった,二

被験者

教員養成系大学・学部の学生、 67名(男18名、女49名) を被験者として用いた′‑ また、被験者間要因の内訳は、

説明なし群37名(男9名、女28名)、説明あり群30名 (男9缶、女21呂)であった一,

¥imi¥

(1)面接場面を撮影したビデオテープ

「グロリアと3人のセラピスト」 (Shostrom,1966!佐治 他訳.1980)から、 2人のセラピストの面接の最初の部分 約5分間を使JHした,使IIHノた面接は来談者中心療法の

ロジャーズとゲシュタ)L卜療法のバーJLズの2種類であ る.

(2)カウンセラー技法評定項目の作成

カウンセリング・ビデオに関する予備調査(第1著者 のカウンセリングの講義)における自由記述(印象を述

(6)

か17ン七日ンブ面接ヒテ十の印象評定

ぺさせたもの)であげられたカウンセラ‑の投法をもと に、非  的な技法として視線,動き・ジェスチャー

うなずき・机づち、   な技法として質問、要約、指 示の(うつの尺度をf恒'kした,‑ 各尺度の項Llは、非言語的 技法における量,クイミング、自然さを、また言語「層主 法における量、タイミング、内容の難縮まの適切さを測 定するものとして作成し、それぞれ3項目、計18の評定 項目とした.表1は研究2で用いたカウンセラー技法評定 項目を′Kしたものである,

(3)助言の受け入れ可能性評定項R

c。'。oley, Conoley. Ivcv, & Schビel (1991上土瀬・上松 (19鵬)を参考にして評定項目を作成した̲ 評定項Hは、

このカウンセ11ンゲはクライエントの行動に変化を与 えるのに得立っている」などの行動的側面に関する3項 目、 「このカウンセリングはクライエントの偏った考え を改善するのに役立ちそうだ」などの認知的側面に関す る3項「上「二のカウンセ1)ングはクライエントの感情 を安定させるのに役立ちそうだ」などの感情的側面に関 する3Jl廿Iの計9項目からなっている̲ これらの拝項目 に対して、 「全くそう思わない」 (1点)から「非苗にそ う思う (6点)までの6投階で評定させるものである‑, (4)再来談可能性評定項目

クライエントの再来談の日用酎'+.を客観的な視点から検 討することをねらいとして、助言の受け入れ=」一能性評定 項Llの最後に、 「このカウンセリングならばクライエン トはもう・度受けてみてもよいと思うだろう」という質 問項目を追加した(上記と同様の6相帯評定「

手続き

説明なし群では、 Ilf前にL2人のセラピストの理論に関 する説明は受けていない̲ 二の条f‑'臣二関しては、宰朕は 14呂以トの小集団ごとに実施した̲,碑牌者(評/Ti舌)杏 テレビが設置された実験室に案内L、テレビの見える席 にi'i¥ように指示し‑.'‑‑ 軌T播く上 伸症lLi;r¥H¥('iVii計 るのを見計らって、評定用紙を配布した,一 次に、 「これ から皆さんにカウンセリング場面のビデオをおPLiせしま す̲ 全ii>'こ・2シーンありますが、 1シ‑ンごとにお手元 の評定H紙に評定を行っていただきます,結果は統計的 に処理し、個人の結果について公表することはありませ ん」と教′jこした後、評)E方法を碓認し、実験を間姑し

た, 1シ‑ン絡J'ごとにビデオを停正し、評定用紙への 記入を求めた,‑ ビデオの提示順序については小集団ごと

に順序を賓えてカウンターバランスをとった‑,

説日月あり群では、ビデオ提示前にそれぞれのセ=,ビス トの理論m干景について第1苦者が詳細な説明を行い、

その後でビデオの視聴と評定を行わせた̲ ロジャ‑ズに 関しては白己f酎品や人格変容のための必要・十分な条件

について解説した,ノ、‑JLズに関してはナシュ%IVト心

161

理学における図と地の関係.言語的・非言語的メ、ソセー ジ、気づきの重要性などについて解説した,これらの理 論的説[り=ま・度に集l郎']{二講義形式で行い,説明に引き 続いてビデオの視聴と評定を行わせた̲,この点に関して は説明なし群の瑚含と手続き的に甘辛の違いがあるとい える,

結  果

カウンセラー技法評定

カウンセラ‑技法評定の各項目で、 1 Cr>くそう思わ ない> ‑6 (非常にそう思う)までの6投階評定に対し

C、それぞれ1点から6点を与えた,̲視線、動き・ジェ スチャ‑,うなずき・附づち、質問、要約、指示の各尺 度の合計得y!U二ついて、各条件ごとに、'蝣蝣fyと標準偏t」を 算出した 表2はそれらの数値を示したものである,こ れらの伯について、各尺度ごとに2×2の分散分析を行 ったところ、視線に}J¥サてカウンセラーの主効果が1%

水準(f=27.67, ̀昨1.65上動き・ジェスチャーにおいて カウンセラー‑の上効果が1%水準(f'=51.28、華=1.65主 うなずき・相づちにおいてカウンセラーの̲上効果が1%

水準(F=79.74、姫川5上 質問においてカウンセラ‑の i‑:*!/架が1 %水準(F=94.41, df‑1.65主 要拙二おいてカ ウンセラーのf:.効果が1 %水準(F‑115.78、 'lt三1.65)、

指示においてカウンセラーの‑日射未が1%水準(F=41.17、

姫1調主交互作目が59,rl水準(F=4.30、 ̀//=1.65)てそ れぞれ有意であった,‑

図3と図4で明らかなように、非言語的尺度において も言語的尺度においてもロジャーズのIj‑がハ‑JLズより も高い評定値を得ていることか分かる,また、理論的説 明に関しては、言語的技法の指示においてノ、‑ルズの方 が説明の効果が大きい傾向か認められる1=2.60, dj‑(礼

/フく05)一

助言の受け入れ可能性評定

受け入れ可能性評定の各井目Iで、 1 (全くそう思わな い) ‑6 (非常にそう思う)までの(汗邪皆の評定に対し て、それぞれ1点から6点を与えたニii動、認知、およ び感情の各尺度の合計得点について、各条件ごとに平均 値と標準偏差を算i¥¥した 表3はこれらの数値を示した ものである̲ これらの伯について、行動、認知、感情の 各尺度ごとに2x2の分散分析を行ったところ.行動に おいて説明の主効果が5%恒華(F=5.43、 dt主1.65上 認 知において説明の主効果か5?,b本革(F‑5.77、 #=1湖上 カウンセラーの主効果が1%水準(F=27.52、 (1f‑1.65上 感情において説明の主効果が1%水準 F=19.38、

://=!.65上 カウンセラーの̲主効果が1 %水準 廿=73.83、

#=1,65)でそれぞれ五意であった,

(7)

162 [・蝣:瀬 杵 清・ Lに  信 ‑郎

表2 実験条件ごとのカウンセラー技法評定の平均値と標準偏差

ロジャーズ      パ‑JLズ

説明なし     説明あり      説明なし     説明あり M SD M SD M SD M SD 非言語的技法

視 線 13.05   3.10  13.60   3.06  10.22

動き・ジェスチャー 13.67   2.82 13.53   2.09   9.65 うなずき・相づち  13.46  3.42 13.73  2.58   8.51

3.20  1 1.60   2.92 3.22  10.53   3.33 2.83   8.93   3.04 I Iill川吊と法

質 問 要 約 指'Iサ

13.03   3.16  13.20   2.93   7.51   2.41   9.37   3.48 13.32   3.06  13.40   3.08   6.81  2.65   8.70   2.87 ll.92   3.50  11.40   2.36   7.16   2.64   8.97   2.96

8 S   t   C M   O   C O   t O   f   N   n ) 1 1 1 1 1

評定得点

( O

* N   O   C O   e O   r f   C M   O

r r H 1 1 i J

r L L   i

=

評定得点

視線    動作    うなずき 図3 非言語的技法における評定得点

質問     要約     指示 図4 言語的技法における評定得点

田説明なしロジャーズ J説明ありロジャーズ 田説明なしパールズ 田説明ありパールズ

可説明なしロジヤ‑ズ F説明ありロジャーズ ロ説明なしパールズ 田説明ありパ‑ルズ

(8)

カウンセリング面接ビデオの印象評定

表3 実験条件ごとの助言受け入れ可能性評定の平均と標準偏差

ロ∴\・‑X       ′、‑n X

163

説明なし     説明あり     説明なし     説明あり M SD M SD M SD M SD

8.32   2.42   9.57 10.16   3.54  12.47 ll.46   3.75  14.33

l f

"

W 1

5 C U   n U

hi[<{:

3 7 7 5 6 1 0 1 0 C   0 0 9 5 5

‑f 7. Ifj

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1 9 5 5 4 1

リ] Cl リ︼

n o   t o   T t   c m   o   a   e U 4 1 1 1 1 1

評定得点

行動     認知     感情 図5 受け入れ可能性評定得点

図5で明らかなように、受け入れ可能性の評定に関し ては尺度によって結果が異なっていることが分かる‑.す なわち、行動面では説明の効果のみが行意であるが、認 知面および感情面ではロジャーズの方がバールズよりも 高い評定値を得ている。しかも交互作FIJは有意にはなら なかったが、因で貼る限り説明の効果が大きい傾向が言売 み耳庸tるL

再来談可能性評定

再来談可能性評定項目で、 1 (全くそう思わない) 〜 6 (非常にそう思う)までの6段階の評定に対して、そ れぞれ1点から6点を与え、これらの得点について平均 と標準偏差を糾IPlした‑,表4はこれらの数値を示したも のである.:これらの値について2×2の分散分析を行っ たところ、説明の主効果が1%水準(F=8.55、 #=1,65主 カウンセラーの主効果が1%水準(F=57.12、華=1,65) で有意であった=.図6で明らかなように、ロジャーズの 方がパー]レズよりも面接後における再来談の可能性が高 いと評定されている‑,また、理論的説明をJJHえた方が、

¥H来談の可能性かより高いと評定されたといえるコ

考  察

まず、カウンセラーの面接技法評定についてみていく ことにする。二.非言語的技法に関しては、視線、動作(動 き・ジェスチャー)、うなずきのいずれにおいてもカウ ンセラーの要因が有意であり、図3で明らかなように、

囲説明なしロジャーズ 隅説明ありロジャ‑ズ ロ説明なしパールズ 隠説明ありパールズ

ロジャ‑ズの方がパールズよりも評定値が高かった.1し たがって、ロジャーズの方がより適切な関わり行動をし ていたといえよう言評定は3つの観点から捉えられてお り、ロジャーズの方が非言語的な関わり行動が量的に適 切であり、タイミングもよく、自然さが感じられたとい えるrっ 言語的技法に関しても、質間、要約、指示のいず れにおいてもカウンセラーの要因が存意であり、やはり ロジャーズの方がハ‑ルズよりも評定値が高かった,。し たがって、ロジャーズの万がより適切な言語的技法を附 いていたといえる,評定は量的に適切であり、タイミン グがよく、内容が難易度の点から適切であったことを示

している,I

ビデオ視聴の前に行った理論的説明の効果に関しては どうであろうか,二、図4で見る限りわずかに説明あり群の 方が説明なし群よりも評定帖が高くなっているrしかし、

ほとんどの項目で統計的に有意な結果は得られなかっ た。.ただし、言語的技法の「指示」に関しては交互作間 が見られている。これは、ロジャーズでは説明の効果は 見られないけれどもパールズでは説明あり群が説明なし 群よりも有意に評定値が高いことを示している‑,言語的 技法に関して、 )トルズの技法はロジャーズの場合とは 極めて対照的であり、クライエントの発言を歪定して、

挑戦的に自分の考えに沿って指示を与える場面が見られ る。したがって、そのことの意味を十分理解していない 限り、クライエントにとってはかなり受け入れがたいも のとなることは容易に想像できる′=,第3者の評定におい てもそのことが示されたものと解釈できる。

(9)

164 ド ;K!持 高・工  f:、,蝣・!!;

表4 実験条件ごとのIIf来談可能性証定の平均と標準偏差

I‑'!;・、、,・‑‑x      '\‑‑II 蝣',

説明なし     説明あり     説明なし     説明あり M SD M SD M SD M SD 再来談可能性      3.76  1.44  4.60  0.92  2.11 1.3V1  2.4(1 1.25

4   3   2評定得点

図6 再来談可能性評定得点

次に助言の受け入れ可能性評定についてみていくこと にする.ニ 図5で分かるように、受け入れ可能性評定の結 果は、 3つの尺度によって若干異なることが読み取れるこ, すなわち、行動面ではカウンセラーによる道川まほとん ど見られず、ともに説明あり群の方が説明なし群よりも 評定値が高くなっている̲,他方、認知両と感情面では、

説明の有無による違いとともにカウンセラーによる違い も出ており、ロジャーズの方がパールズよりも評定値が 高いL̲ 交互作用は白J意にはなっていないが、図をみる眠 りでは、言語的投法評定(指示)の場/LTとは逆にバーIV ズよりもロジャーズの方が説明あり肝において評定値が 高い傾向が認められる(‑ 全体をより控えめに表現するな らば、説明の効果はすべての側面において示されており、

事前説明をすることによって、受け入れ可能性の評定値 があがるといえる.‑ ロジャーズの場合、技法に関しては 説明を加えても加えなくても評定値はそれほど変わらな かったが、受け入れ可能性に関しては大き(変わってい るところが興味深い,ニ

次に、再来談可能性評定についてみてみよう、 Il上来談 可能性評定では、説明の効果とカウンセラーの効果がと もに認められており、説明あり郡が説明なし郡よりも評 定値が高く、また、ロジャーズの方が)i‑ルズよりも評 定値が高かった=,再来談の可能性が高いということは、

この場合(初期面接で)はカウンセリングが効果的に行 われていることを′再愛すると角細上してよいであろう,̲ 再 度来談して話を聴いてほしいと願うということは、カウ ンセリングが成功しているとみなせるからである

以上のことを研J光1の結果とも関連づけて総合的に考

El説明なしロジャーズ 出説明ありロジャ‑ズ E]説明なしパ‑ルズ 同説明ありパールズ

察するならば、第3者評定において、ロジャーズの面接 は3人のセラピストの中でもっとも印象がよく(Wf究 1主 拍法的に好ましく、面接効果のあるものであった (研究L))とみなすことができようr わが国においては、

ロジャーズの理論は特に受け入れられやすいI二壌があり (村山, 1965上 カウンセラーの態度的側面を捉えた印象 評定のみならず、技法評定、受け入れ可能性評定、再来 談可能性評定においてもより高い値が示されたことは興 味深圧,文化の問題は本軒先では[舶妾扱ってはいないが、

技法や効果の問題と関連づけて、今後は多重文化カウン セリング(Sue. Ivey, & Pedersen, 1996)の理論的枠組み の中で取り上げることも必要とな‑)てくるであろうL

次に.本fltf'党ではビデオ視聴に際して、事前に適切な 説明を加えることが、見る側の理解を深め、面接をより 好ましいものとして受け虐めさせるのに在勤であったL一 二のことから、積極技法(王瀬、 1998)をより多く使関 するゲシュタルト療法や論理療法などでは「:'iな事前説 明を行うことによって、技法への理解を促進することが できると考えられる̲,ただし、本f甘党では事前説明の内 ノ釦二まで踏み込んだ分析はしていないし、手続き的にも それを要因として組み込んではいない 本研究をさらに 発展させるとするならば、事前説明の両膏を要因計l帖二 組み込んで検討することも有益であろう

要  約

乗談音←K、療法の提唱者であるロジャーズ、論理療法 の提唱者であるエリス、およびゲシュタルト療法の提唱

(10)

二′王l・1二.当L廿ここi: ‑蝣‑‑;‑蝣一蝣'亘臣'蝣*'‑.II「王

者である′、l‑jLズが、 1人の実際のクライエントである グローリアに対して行った面接判別はよく知られてい るr一本研寵では、これら3人のカウンセリング面接にお ける基本的態度、面接技法、および面接効果について検 討した,= 研究1では28名の看誰婦を評定者としてmい、

3人のセラピストの基本的態度としての純粋性、尊重性、

具感性についての印象評定を行わせた‑,ビデオ視聴の時 間はいずれも面接の最初の5分間であった‑,その結果、

いずれの尺度においでもロジャーズの評定値がもっとも 高く、 「、‑ >l XVーMi‑'iifii'iかも‑、と封氏p‑こ>S‑)た

研究2では大学′上67名を用い、 2つの条件のもとでロ ジャーズとハ‑ルズについて面接技法と面接効果に関す る評定を行わせたL l屈妾技法に関しては非言語的技法と 言語的技法の2つの側面を評定させた,‑ また面接効果に ついては受け入れ可能性と再来談Ll摘巨性を評定させた‑

37者の評定古は事前にロシャーズの理論とパールズの理 論についての説明を聞いてからそれぞれのビデオに関す る評定をi¥‑った.残りの30名の評定者は事前の説明を受 けずにビデオの評定を行った̲ その結果、面接技法、面 接効果のいずれにおいてもロジャーズの方がバールズよ 日も評定値が高くなった‑,また、事前説明を行うことに よって評定帖が高まる傾向が認められたE‑,とりわけ、バ ールズでは言語的技法評定(指示)に関して事前説明を 受けている場合の方がそれを受けていない場合に比べて 評定値が高かった二,

これらの結果は、事前 説明を行うことによって、ビデ オ視聴の効果を高めることができることを示唆してい る とりわけ′;‑ルズの言語的技法にみられるように、

あまり知られていない技法については事前説明の効果が 大きいといえるこ

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Impression Rating, Skills Rating, and Acceptability Rating of Counseling Videotapes

Koji TAMASE and Shinichiro INUI

[ Department of Psychology, Nara University of Education, Nara 630‑8528, Japan) (Received April 25, 2000)

Counseling interviews of three psychothei・apists, Rogers, Ellis, and Perls, were analyzed in terms of their basic atti‑

tude, nonverbal and verbal skills as well as client's assumed acceptability. In Study 1, 28 nurses served as the rater. They were asked to rate the three psychotherapists in a rating scale in terms of genuineness, positive regard and empathy after watching initial five‑minute interview of each therapist. The results indicated that Rogers was the highest in the rating score of respective basic attitude and Perls was the lowest. In Study 2, 67 undergraduates served as the rater under one of the two experimental conditions. The raters in one of the two groups rated video‑interviews of Rogers and Perls after listening to respective therapist's counseling theory from the experimenter, and the raters in the other group rated the video‑inter‑

views without any explanation of the therapist's theory before watching the video. The results indicated that Rogers was rated higher in every scale than Perls, and that the rating score of verbal skills of Perls was likely to be higher in the group that was explained the theoretical orientation than the other group. The importance of theoretical explanation before show‑

ing the demonstration videotape was discussed.

Key Words: rating of counseling videotapes, verbal‑nonverbal skills, client's assumed acceptability

参照

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