評価1
第4章 カリキュラム評価
学校評価および生徒質問紙調査によるカリキュラム評価
馬淵 哲
1.学校評価 (1)学校評価について
学校評価は,教員のみが行う従来の評価ではなく,保 護者および生徒による質問紙の回答を教員が分析し,そ の資料を学校評議員会,PTA総会に提示し,助言を得て,
今後の学校運営や教育を充実させることに資するもので ある。また,集計結果を保護者,生徒に,学校通信等で 公表する。以上のような学校評価を平成18年度から7年 間継続している。
(2)質問紙の内容と実施方法
①質問紙の内容
質問紙は,生徒,保護者を対象に,「強くそう思う」
「そう思う」「あまり思わない」「思わない」の4段階 の質問項目のほか,自由記述欄を設けている。項目は,
以下の3つのコンセプトで設計した。
ア.保護者質問紙と生徒質問紙の関連性を持たせる 保護者が回答する内容と生徒が回答する内容に,関連 性を持たせ,保護者の思いと生徒の思いを一緒に考察で きるようにした。
イ.教員組織と関連させる
本校教員は,教務部,研究部,生活指導部のグループ
(企画部)のいずれかに属する。加えて,副校長と主幹 教諭で評価,研修などを行う校務部を成している。
目標と成果,課題と対策について,企画部ごとに話し 合うため,学校評価と従来の教員のみが行う教師評価の 質問項目を企画部ごとにまとまめるようにした。
ウ.単年度の評価にしない
年次ごとの変容を調査することができるように,数年 間,おもな質問項目は同じ内容にした。
②実施方法
保護者質問紙,生徒質問紙ともに,A4版の再生紙に,
質問と回答が連続するように26の質問項目をマークシー トで印刷している。保護者質問紙は,回答が生徒の目に 触れないように別に茶封筒を配付し,一週間以上の回答
期間を設けるようにした。
③集計処理
集計は,富士通のシートフィードスキャナ(Scan snap)
とコンピュータで行った。質問紙はシートフィードスキ ャナできちんと読み取ることができる上質紙を使用した。
自動集計ソフトによって,少人数で集計処理を行うこと ができた。
④質問紙の内容
質問紙の26の質問項目のうち,研究部に関連した学習 活動に関する6項目を次表に示す。
(3)調査方法,回答人数
無記名の質問形式,回答のあった保護者329人および,
欠席・無効をのぞく生徒334名。
(4)集計結果とグラフ
校内向けには,年次変化,年度変化,学年別に帯グラ フで示して考察するが,本報告では,研究部に関連した 学習活動に関する質問項目~のみグラフ1に示す。
(5)分析結果
質問紙の結果では,質問項目~ともに保護者の本 校学習活動への大きな期待が明らかになった。一方,生 徒の質問紙からは,必修教科と情報の学習によっても学 力が高まっていると実感していることが明らかになっ た。
2.全国学力・学習状況調査[生徒質問紙]
(1)質問紙の内容
質問紙の86の質問項目のうち,学習活動に関する7項 目のみグラフ2に示す。
(2)回答人数
欠席をのぞく3年生徒117名。
本論の趣旨
本校の教育課程について,保護者および生徒は実際にどのような感想を持っているのか。平成24年11月に実施し た全校生徒・保護者質問紙調査に基づく学校評価において,カリキュラムに関する項目を考察する。
また,本校のカリキュラム全般についてさらに詳しく検証するため,平成24年4月に3年生徒を対象に実施した全 国学力・学習状況調査[生徒質問紙]の結果を考察する。
キーワード 学校評価 質問紙調査 生徒 保護者 カリキュラム
Ⓕ
— 152 —
評価2 (3)集計結果とグラフ
本報告では学習活動に関連する質問項目を本校と全国 データを比較して示す。
(4)分析結果
質問紙の結果では,「普段の授業では,生徒の間で話 し合う活動をよく行っている」,「普段の授業では,本 やインターネットを使って,グループで調べる活動をよ く行っている」,「普段の授業で自分の考えを発表する 機会が与えられている」と答えた生徒の割合が高く,そ れと反比例するように「400字詰め原稿用紙2~3枚 の感想文や説明文を書くことは難しい」,「学校の授業 などで,自分の考えを他の人に説明したり,文章を書い たりすることは難しい」と答えた生徒の割合が本校につ
いては比較的少なく,そういった学習活動に困難を感じ ていない生徒が多いことがうかがえる。
また,総合的な学習の時間は,「普段の生活や社会に 出たときに役に立つ」と答えた生徒の割合が高く,「学 び方を学ぶ」学習は将来に役立ち,十分活用できると実 感をもっていることもうかがえる。
これらの結果から総合的な学習やその基礎となる情報 の時間のような教科横断的な学習活動は“学び方を学ぶ”
学習として重要な役割を担っていることが明らかであ る。それらの学習は,必修教科や普段の生活や社会に出 たときに役に立ち,また活用されることが予想される。
それを“生きる力”ととらえられるならば,総合的・教 科横断的学習は“生きる力”を育む上で,効果的な学習 であると考えられる。
生徒質問紙 保護者質問紙
教科の学習によって,確かな力が身についている。 教科の指導の充実を図り,確かな力を身につけさせたい。
情報の学習を通して,情報モラルとマナーが身についた。
情報の学習を通して,インターネットなどの情報モラルとマ ナーを身につけさせたい。
ビワコタイムを通して,問題解決能力が身についた。
ビワコタイムを通して,問題解決能力を身につけさせたい。
ビワコタイムを通して,郷土や身の回りの環境を大切に思う ようになった。
ビワコタイムを通して,郷土や身の回りの環境を大切にする 心を育ませたい。
韓国の中学校との交流や国際理解学習を通し,国際的な視野 が広がった。
韓国の中学校との交流や国際理解学習により,国際的な視野 を広げさせたい。
職業調べや職業体験,進路学習により,将来の生き方に関心 を持った。
職業調べや職業体験,進路学習により,将来の生き方に関心 を持たせたい。
グラフ1 学校評価[生徒・保護者質問紙]
— 153 —
カ リ キ ュ ラ ム 評 価
評価3
「総合的な学習の時間」の授業で学習したことは,普段の生活や社会に出たときに役に立つと思いますか
普段の授業では,本やインターネットを使って,グループで調べる活動をよく行っていると思いますか
普段の授業で自分の考えを発表する機会が与えられていると思いますか
普段の授業では,生徒の間で話し合う活動をよく行っていると思いますか
400字詰め原稿用紙2~3枚の感想文や説明文を書くことは難しいと思いますか
学校の授業などで,自分の考えを他の人に説明したり,文章を書いたりすることは難しいと思いますか
読書は好きですか
グラフ2 全国学力・学習状況調査[生徒質問紙]
— 154 —