埼玉県説明資料 埼玉県説明資料
2008.6.16
山本 良一
東京大学 生産技術研究所
幾何級数的成長と環境負荷の増大
「成長の限界( 2004 )」(メドウズらによる)
• 人口の急激な増加、工業生産量の増大
• それに伴う、大気中炭酸ガス濃度の増加
20 世紀型経済成長を続けるとどうなるか?
• 人口と工業生産量は枯渇性資源へのアクセスの限界まで増加する。
• 資源フローを維持するためにどんどん多額の投資をすることが要求される。ついに他 のセクターにおける投資資金の欠如によって、工業製品とサービスの生産が減少する。
それによって、食料と健康サービスが減少し、平均寿命も減少し、平均死亡率が増大 する。
シナリオ1:枯渇性資源の限界を考慮に入れる。 シナリオ2:枯渇性資源の量を2倍と仮定
「成長の限界(2004)」(メドウズらによる)
5
環境破局の予想
(1)エコロジカル・フットプリント分析から
Ecological Footprint of Nations 2004, www.Redefining Progress.org Dr.Venetoulis et al
2000年の時点における世界138ヶ国のEFは13.2×109 ha
Biocapacity を既に20%オーバーしている。147万Km2/年増加している。
Biocapacity を50%オーバーする(恐らく環境破局が生ずる)のは
2022年と予測される。
(2)食糧供給能力から
(a)地球の限界(水谷広編、日科技連、1999年)より
江戸時代の日本の平均人口~2600万人、日本の純生産 1.7×1018cal/年 1人あたりのエネルギー要求量1.0×1010cal/年で、純生産の15.2%を利用 純生産の15.2%で暮らすとすると世界の定員は78億人(2020年の予測人口) (b)世界の穀物生産量~約20億トン/年、扶養可能な世界人口は80億人
80億に達するのは2025年(三菱商事 山口寛治)
Factor 8 の理由
包括的資源耐用年数
出所:原田幸明(2007)
持続可能な資源利用には資源使用総量の1/8化が必要
Factor 8 の理由
累積関与物質総量
出所:原田幸明(2007)
持続可能な資源利用には資源使用総量の1/8化が必要
資源生産性にFactor 8向上の必要な理由
図:ファクター1からファクター16のシナリオ設定と関与物質総量
ファクター 2 では年間消費が停滞させられる程度、ファクター 4 でも年間 消費は現在より高いレベルで累積の増加も鈍化しない。ファクター 8 で 累積の鈍化が認められ年間消費も現在のレベルとなる。ファクター 16 も 8 とほとんど替わらない。
出所:原田幸明(2007)持続可能な資源利用には資源使用総量の1/8化が必要
脱物質化度合いの計算・山本による
B/A=16 現在の途上国(A)と先進国(B)の1人平均の年間資源消費量の比
(人口20%の先進国が世界の80%のエネルギー資源を消費している というデータより)
現在の時点で経済 は持続不可能
48A+12B=1.4S
人類全体の資源消費は持続可能 水準を40%オーバーしている(エコロジカルフットプリント分析、持続可能エネルギー分析より)
2050年の時点で経済 を持続可能にする。
78C+12C=S
途上国で更に30億人の人口増加を 仮定。2050年には平等の原則に基 づき南北で同一の年間資源消費量(C)を仮定。
C / A = 240 / 126 ~ 2
C / B = 15 / 126 ~ 1 / 8
途上国は2倍までの消費量を増加 させて、持続可能経済へ移る。
先進国は1/8倍まで消費量を減少 させて、持続可能経済へ移る。
ファクター 8 の必要性
地球温暖化についての世界の識者の認識
これは新たな世界大戦である チャールズ皇太子
このままでは今世紀末に生き残れる人口は5億人
程度だろう。地球は既にティッピングポイントを越えた
ジェームズ・ラヴロック 我々は惑星的非常事態にいる アル・ゴア
文明を救うために総動員せよ!
2020年までに温室効果ガスの80%削減を(planB3.0)
レスター・ブラウン
このままでは今世紀末までに海面上昇5mもあり得る。
先進国は炭酸ガスの捕集貯蔵設備(CCS)の付かない 新たな石炭火力発電所の建設を中止せよ。
CO2濃度を350ppmへ低下させよ。(現在384ppm)
ジェームス・ハンセン
地球温暖化の加速が起こっている
IPCC -AR4(2007)
*この100年で地球の表面温度は0.74℃上昇(1906-2005)
*1901-2000で0.6℃上昇(IPCC-TAR)なので温暖化は加速している
*過去50年間については0.13℃/10年間上昇、この値は過去100年 間についての値の2倍
*ヒートアイランドの効果は陸地について0.006℃/10年、海について は零。
*海面水位上昇は1.8mm/年(1961-2003)に対して3.1mm/年
(1993-2003)であり、加速している。
*科学は常に発展している。
もはや知の巨人はいない
*その時々の科学者の多数意見が 常に真実であるとは限らない。
*しかし圧倒的多数の科学者の意見 には耳を傾ける必要があるだろう。
個々の科学者の意見より専門家集団、
科学アカデミーのコンセンサスを尊重
するべきである。
地球温暖化問題について Q&A
特に懐疑論への解答
日本、国立環境研究センター;ココが知りたい温暖化
http://www-cger.nies.go.jp/index-j.html
東北大学 明日香寿川他、地球温暖化問題化議論へのコメント
http://www.cir.tohoku.ac.jp/~asuka/
Royal Society : Guide to facts and fictions about climate change
http://royalsociety.org/page.asp?id=29
The IPCC AR4:Freguently Asked Questions
http://ipcc-wg1.ucar.edu/wg1/wg1-report.htm
Coby Beck’s How to talk to Global Warming Sceptic
http://gristmill.grist.org/skeptics
スイスでは気候変動に関する最新の科学的知見を社会に提供するシステムが存在
ProClim(www.proclim.ch)スイス科学アカデミーとその気候変動に関するアドバイザリーボードによる“ 人為的な地球温暖化の進行を 認め憂慮する声明 ”
米国 The National Academy of Science
The American Meteorological Society The American Geophysical Union
The American Association for the Advancement of Science (AAAS)
25 名の著名なエコノミストによる声明 ( 2005 年 12 月)
86 名のキリスト教指導者 ( 2006 年 2 月)
日本、米国、英国、中国、インド、フランス、ドイツ、ロシア など 11 カ国の学術会議会長による共同声明 ( 2005 年 6 月)
カナダ カナダ首相に対する公開書簡 (2006 年 4 月 )
( 123 名の科学者が署名)
アメリカ国防総省報告
An Abrupt Climate Change Senario and Its Implications for the United States National Security, October 2003
by Peter Schwartz and Doug Randall
著者 ピーター・シュワルツ(CIA 顧問、前ロイヤル・ダッチ・シェルの政策トップ)
ダグ・ランドール(カリフォルニアに本部を置くグローバル・ビジネス・
ネットワークのエキスパート)
ペンタゴン・レポート「地球温暖化が暴動と核戦争を招くと警告」
深層代大海流が現在の緩やかな温暖化のために減速し、その結果、
突発的に寒冷化が起こることを想定している。
イギリスは 20 年以内にシベリア化し、ヨーロッパ等で再び大規模な移住が起こる。
温暖化の脅威は世界にとってテロリズムの比ではないと述べている。
(ky BP=kiloyear before present:現在より1000年 前
南極・ボストーク氷床コア分析結果
過去 1100 年間の北半球あるいは地球の表面の平均気温 の変化、過去 400 年間の気温変化については特に信頼性 が高い。
(米国ナショナルアカデミー、 2006)
水 食糧 健康 土地 環境
1 度
アンデス山脈の小氷河が 消滅。5000万人が水不足 に直面。
温帯地域の穀物生産量 が少量増加。
少なくとも年間30万人 が気候変動に関連す る病気(下痢、マラリ ア、栄養失調)で死亡 する。北欧や米国北 部では冬季の死者数 が減る。
カナダやロシアで永久凍 土が溶解し、住宅や道路 に損傷を与える。
少なくとも10%の種が絶 滅の危機に直面する。
豪州のグレートバリア リーフを含め80%のさん ご礁が白化する。
2 度
アフリカ南部や地中海な どの地域で利用可能な水 が20%~30%減少
熱帯の穀物生産量が急 減。アフリカでは5~
10%減。
アフリカで4000万~
6000万人がマラリア に感染する。
海岸沿いで毎年1000万人 以上が洪水の被害を受け る。
15~40%の種が絶滅の 危機に直面する。シロク マやカリブーを含めた北 極圏の生物で絶滅の恐 れが高まる。
3 度
欧州南部で10年に一度、
深刻な干ばつが発生。1 0億~40億人が水不足 に直面する一方で、10億
~50億人が洪水に見舞 われる危険性が高まる。
1億5000万~5億5000万 人が飢餓の危機に。高 緯度での食糧生産が ピークを迎える。
100万~300万人が栄 養失調のために死亡 する。
海岸沿いで年間100万~1 億7000万人が洪水の被害 を受ける。
南アフリカで25%~60%
のほ乳類、30%~40%の 鳥類、15%~70 %のチョ ウが、全世界では20%~
50%の種が絶滅の危機 に直面する。アマゾンの 熱帯林の崩壊が始まる。
4 度
アフリカ南部と地中海沿 岸で利用可能な水資源量 が30%から50%減少。
アフリカでの食糧生産 が15%~35%減る。豪 州の一部など生産がで きない地域が生じる。
アフリカで8000万人以 上がマラリア感染にさ らされる。
海岸沿いで年間700万~3 億人が洪水の被害を受け る。
北極圏のツンドラの半 分が消失する。世界の 自然保護区の半数が動 植物保護などの役割を 失う。
5 度
ヒマラヤ山脈の巨大氷河 が消滅の危機。中国人の 4分の1,インド人の数億 人の暮らしに影響を与え る。
海の酸性度が高まり、
海洋生態系が乱れる。
島しょ国、ニューヨークや ロンドン、東京などの主要 都市が海面上昇の危機に 脅かされる。
産業革命前より上昇した気温に応じた影響予測(スターン報告書より)
気候リスクを回避するための 気候ターゲット2℃
気温上昇を2℃以下に抑制する
リスクにさらされる何百万という人口
―気候ターゲット2℃設定の理由―
Millions at risk: defining critical climate change threats and targets Martin Parry et al, Global Environmental Change 11 (2001)181-183
結果
(1)リスクにさらされる人口は時間と共に一般的に急になる(増加)
2050年よりも2080年の方が多い。
気温、降雨量、海面上昇が大きいため。
2080年の水不足人口が多いのは、中国、インドの都市人口が急増するため。
飢餓人口→穀物の熱ストレスの増加のため
(2)どれだけ排出量を削減すべきか 550ppmvに安定すべきである。
450ppmvにするとリスク人口は大きく減少、しかしコストがかかる
(3)削減案(mitigation)だけでは解決できないだろう。
適応策(adaptation)も必要となる。
干ばつに対する予防、洪水に対する予防、水の効率的利用、
より良いマラリアコントロールなどはwin-winの戦略である。
リスクにさらされる人口 (100万人単位)
水不足リスク マラリアリスク
飢餓リスク
沿岸洪水リスク
水不足リスク(100万人単位)
飢餓、マラリア、洪水リスク(100万人単位)
Parryが指揮をとり、全球平均気温上昇が、水不足リスク、マラリアリスク、飢餓リスク 沿岸洪水リスクにさらられる人口にどのような影響を与えるかを調べた。1.5℃~2.0℃
付近で、急激にリスク人口が増加することが見て取れる。
産業革命以降の気温上昇値(℃)
気候ターゲット2℃突破の可能性
1) 2005年以降 排出ゼロ・・・・・・・・・・・・2℃突破は起こらない 2) 2005年の放射強制力一定の場合・・・2℃突破は起こらない
3) 排出量大幅削減の場合・・・・・・・・・・・・ 10~50%の確率で突破される 4) 排出量一定の場合・・・・・・・・・・・・・・・・・2℃は確実に突破される
•Source: B. Hare and M. Meinshausen, 2004:9
観測結果
産業化前の 平均気温
(1861-1890)
気温上昇[℃]
気候モデルによるシミュレーション
既に生じた 温暖化
① 排出量ゼロ
② 放射強制力一定
④ 排出量一定の場合
これから生じる 温暖化
どれだけ 温暖化するか
地球表面の平均温度
③ 排出量大幅削減の場合
地球の気候システムには熱的慣性がある!
温度上昇をある温度以下に抑制しようとすると 早期対応が必要になる。
ある時点を越えると目標値が突破されてしまう。
この時点を Point of No Return と言う。
既に現われている “ 地球温暖化 ” の影響
• 山岳の氷河の縮小や後退
• 永久凍土の融解
• 河川・湖沼の結氷期間の短縮
• 中・高緯度地域の生長期間の延長
• 植物・動物生存域の極方向や高地への移動
• 植物・動物種の生育数の減少
• 開花時期、昆虫の出現、鳥の卵生の早期化
• 海洋の酸性化
• 海洋・淡水生態系への影響(サンゴ礁の劣化・消失、北大西洋の プランクトンの北上など)
• 人間社会・経済活動への影響
• 農業への影響(アフリカのサヘル地域の干ばつによる穀物収量 減少、ブドウ栽培への影響など)
• 人の健康影響(熱波の増加、生物触媒性・水媒介性感染症の
増加)
Acrobat文書
2007 年の異常気象
イギリスでの洪水
南ヨーロッパでの森林火災
東南アジアでの洪水 キリルによる暴風雨
台風セパン
IPCC 第 4 次報告書案の骨子
2007年1月19日 毎日新聞
・二酸化炭素 (CO
2) の大気中濃度は産業革命前の 280ppm(ppm は 100 分の 1) から 2005 年には 379ppm に上昇した。
・ 2000 ~ 2005 年の化石燃料から CO
2年平均排出量は 90 年代に比べ 12 %増加した。
・南極の氷床から得られた過去 65 万年のデータから、現在の CO
2や メタンの大気中濃度は、産業革命前に比べてはるかに高い。
化石燃料の使用、農業が主因。
・地球の平均気温の上昇、氷雪の融解の増加などから温暖化は明白
。
・ 21 世紀末の平均気温は20世紀末に比べ 1 ~ 6.3 度上昇と予測。
・ 21 世紀末の海氷面は 20 世紀末に比べて 19 ~ 58 センチ上昇と予測。
・温暖化で海水のp H は 0.14 ~ 0.35 下がり、酸性化が進む。
・氷河や氷の減少で、世界人口の 6 分の 1 が水不足に直面する。
・地球の平均気温が 1.5 ~ 2.5 ℃高まれば、 20 ~ 30 %の生物種が絶滅
する恐れがある。
現在の気温
※数値はいずれも予測の最大値
現在の 海面
+0.38 +0.43 +0.51 +0.59
+2.9 +3.8 +5.4 +6.4
(℃) (m)
高成長社会 シナリオ 多元化社会 シナリオ
持続発展型 シナリオ 地域共存型 シナリオ
気温上昇 海面上昇
高度成長シナリオ
高度経済成長が続き、新技 術や高効率技術が急速に 導入される社会
多元化社会シナリオ
人口は増え続けるが、経済 や政治はブロック化され、経 済成長率は低い。
地域共存型社会シナリオ 公平性や地域的な問題解決 を重視した社会で、経済発展 は中程度
持続発展型社会シナリオ 地域間格差が縮小し、経済 発展と環境保全の両立が 重視される
毎日新聞2月3日2007年
IPCC 第四次報告書によるシナリオごとの海面・気温上昇
温度上昇予測
1990年から の上昇温度
0 1 2 3 4 5℃
系水食糧海岸健康 生態
気温上昇による世界への影響予測
水不足被害 4~17億人 絶滅する 両生類増加 食糧危機最大 3000万人増
感染症の発生 地域が変化
10~20億人
20~30%の生物種 が絶滅の危機に
広範囲な生物種の 絶滅が世界中で発生 最大1億2000万人増
洪水の危機 最大300万人増
100~1500万 人増
熱波や洪水、干ばつによる死亡率 増加
化石燃料 型社会 省エネ 社会
2020年代 2050年代 2080年代
読売新聞2月3日2007年
IPCC 第四次報告書によるシナリオごとの気温上昇に伴う影響
温暖化の加速 温暖化の暴走?
今なら気候リスクを回避可能 コントロール不能
産業化前からの温度上昇
0.8 ℃ → 1.5 ℃ → 2 ℃ → 3 ℃
( 2004 年) ( 2016 年頃) ( 2028 年頃) ( 2052 年頃)
北極海氷の減少、グリーンランド氷床の全面融解 シベリア凍土から CH
4、 CO
2放出
海、森林の CO
2の吸収能力の減少
森林からの CO
2放出 土壌からの CO
2放出
海洋からの CO
2、 CH
4の放出 西南究極大陸氷床の不安定化
地球温暖化の暴走の懸念
北極海氷、衛星観測史上最小に
2007年8月16日海洋研究開発機構、宇宙航空研究開発機構
北極海は温暖化の加速器になっている(島田)、
チッピングポイントに達したかも知れない( Serreze )
北極海氷の面積 これまでの最少記録 2005年9月22日 531.5万k㎡ 今回の記録 2007年8月15日 530.7万k㎡ 1日に21万k㎡ 融解した日もあったという。
海氷減少は9月中旬まで続き、記録を更に更新する見込み
これはIPCC第四次レポートの中で予測した 30~40年後の北極海の状態に近く、
予測モデルが不十分であることの表れであると考えられる。
理由(1)沿岸域の薄く、脆く溶けやすい氷が北極海内部へ侵入
(2)海氷融解で海洋の温暖化が進み、海氷融解が加速化
(3)北極海からの海氷流出の増加(風と海流で)
今年の夏は海氷面の水温も氷点下0.8~0.6℃と2000年以降最高
2004年12月から2005年12月までに夏でも融けない永久氷が14%減少
The Independent 17 2007 ,by steve Connor, Science Editor Dr.Serreze (National Snow and Ice Data Centre,USA)
大きな問題は Tipping point まであと 10 年か 20 年あるか、それとも既
に到達したか。私の直観では我々はすでに到達したかも知れない。
9 月の北極海氷面積 ( 最小値 ) の年次変化
コロラド大学, 米国雪氷データセンター, NASA
2007 年 9 月 16 日に 413 万 km
2を記録し、過去の最小記録 を更新した。
北極海氷はチッピングポイント を越えて、ランナウェイ融解を 続け、 2030 年夏にも消滅する との説も提案されている。
Source:
National Snow and Ice Data Center
北極海氷の面積、観測史上の最小値を更新
米国国立雪氷データセンター
1979-2000年の9月の海氷の最小面積の長期間平均値は674万k㎡である。
2007年は1950年代、1960年代の9月の海氷面積の50%までに減少した!
2007 年 9 月 16 日(年最小値)
413 万 k ㎡
2005 年 9 月 21 日(年最小値)
532 万 k
㎡北極海氷の減少 , 予想より早い
Geophysical Research Letters 34, L09501(2007)
観測値 ( 赤線 ) は IPCC 第 4 次レポートの予測平均 ( 実線 ) より急速に減少 , モデルが温室効果ガスによる放射強制力を過小評価したため .
Julienne Stroeve et al 米国立雪氷データセンター
北極海氷の消失と北アメリカの降雨量
Fig. 降雨量差 (FARC-MARC)
(cm)a) 12, 1, 2月平均 a) 年間平均
◆FARC:気候シミュレーション、氷床、及び古気候データを統合した新モデル
◆MARC:従来型の気候シミュレーションモデル
北極海氷の消失により、特に北アメリカ大陸西海岸で 降雨量の減少(乾燥化)が予測される。
ロッキー山脈
Ref : Jacob O. Sewall and Lisa Cirbus Sloan ,
Disappearing Arctic sea ice reduces available water in the American west(2004)
夏の北極海氷は消滅に向かっているか?
2007 年の劇的減少!
2007年9月16日に413万Km2まで減少、衛星観測史上最少記録(NASA) IPCC-AR4の平均的予測を40年前倒しで減少している。
2030年夏には完全消滅(Serreze, NASA)
独、ポツダム研究所は北極海氷はティッピングポイントを越えたと判断
5 年以内に消滅か?
2013年夏にも完全消滅(Maslowsky ら, US Naval Post graduate School) 2012年にも消滅(Jay Zwally, NASA)
2010~2015年の間にも消滅(Louis Fortier, カナダ)
今年の夏 (2008 年 ) にはどうなる?
さらに100万Km2融解する恐れがある(CNRS, フランス)
昨年の記録を上回って減少する(Rigor, ワシントン大,米国)
北極点から海氷が無くなる(島田浩二, 海洋研究開発機構, 日本)
2007年夏の劇的減少には温暖化のみならず自然変動の効果もあるので、
今年は若干元へもどる(Gascard,ピエール・マリーキュリー大、フランス)
今年の夏に昨年同様大幅な減少があれば北極海氷はティッピングポイントを 越えたという説がより現実味を帯びることになる。
ティッピングポイント (The Tipping Point)
あるアイディアや流行もしくは社会的行動が、敷居を越えて一気に 野火のように広がる劇的瞬間のこと
How little things can make a big difference by Malcolm Gladwell
“ この言葉は、そもそも 1970 年代に普及した言い回しで、アメリカ北東部の 比較的古い都市に住む白人の市外への脱出を指す言葉だった。
ある特定の区域に住み着いたアフリカ系アメリカ人の数が
一定数 ( ほぼ 20%) に達すると、その地域に残っていた白人がほぼいっせいに 町から出ていくこと、それを社会学者は町が傾く (tip) と称した。 ”
“急に売れ始めるにはワケがある”
マルコム・グラッドウェル著(高橋啓訳)ソフトバンク文庫
地球システムにおけるティッピングポイント
グリーンランド氷床不安
塩分バルブ 定 永久凍土
メタン噴出
塩分バルブ 大西洋深層水形
成 気候変動に起因した
オゾンホール
メタンクラス レート不安定
海洋炭素循 環の機能低
下
アマゾン熱帯 雨林の崩壊
サハラの植生 の双安定
ボデレ低地の 砂や土埃の移動変
化
インドモンスーン変容 チベットのアルベド変化
エルニーニョ南方 振動の引き金作用
南極オゾンホール
南洋富栄養化/南極深層水形成 西南極大陸氷床不安定
Professor Tim Lenton (University of East Anglia)
英国・レントン教授
Professor Hans Joachim Schellnhuber (Potsdam-Institut für Klimafolgenforschung)
ドイツ・シエルンフーバー教授
ティッピングポイント研究のリーダー
各ティッピングエレメンツが全球表面温度の気温上昇に伴ってティッピングポイントに達する。
白から黄の変化はティッピングポイントに達する低いレベルの境界を示し、黄から赤の変化は より深刻な境界を示している。色変化が不確定さを示している。
ティッピングポイントと気温上昇
Data Source: Timothy M. Lenton et al. 2007 Nature Reports Climate Change H
1丁目 夏季の北極海氷の消滅 既に越えた?
2丁目 グリーンランド氷床の全面融解 2016年頃
3丁目 寒帯の森林の枯死 2050年頃までに
4丁目 西南極大陸氷床の崩壊 〃
5丁目 アマゾン熱帯雨林の枯死と砂漠化 〃
6丁目 サハラ緑化及び西アフリカのモンスーン崩壊 2100年頃 7丁目 エルニーニョ南方振動の振幅増大 〃
8丁目 大西洋の深層海洋循環の崩壊 〃
最悪の場合どうなるか?
“ 温暖化地獄 ” の進行予想
ティッピング要素
( 気候システムのアキレス腱 ) 臨界点を越える予測時期
地球の表面温度上昇に敏感なのは、専門家の判定によれば、グリーンランド氷床、
西南極大陸氷床、アマゾンの熱帯雨林、大西洋の深層海洋循環の順である。
Ref. Timothy Lenton and Hans Schellnhube Nature Reports Climate Chan
Vol.1,P97,December 20
地獄番地
Dr. James E. Hansen (NASA)
ジェームス・ハンセン博士
今世紀中に海面上昇 5 mもあり得る。
石炭火力発電所に CCS 設立を。
バイオマス発電+ CCS( カーボンマイナス発電 ) も。
前の間氷期の海面水位は 現在より 4 ~ 6m 高かった。
21 世紀の氷床融解と海面水位の上昇も従来考えられている よりも早く、大きい可能性がある。
J.T. Overpeck et al, Science 311, 1747 (2006) B.L.Otto-Bliesner et al,Science 311, 1751(2006)
2100 年に北極、南極の気温は 130,000 ~ 127,000 年前と同
程度になる。そのときの海面水位は現在の水位より数 m 高
かった。グリーンランド氷床と南極大陸の一部の氷床は温暖
化に対して脆弱であるかも知れない。
0.5 ℃ /320ppm キャップの提唱(カーボンマイナス)
target practice by David Spratt and Philip Sutton,Nov.2007
(1)100万分の1のリスクを適用する(日常使用しているリスク値を気候リスクへ適用する)
(2)産業化前と比較して0.5℃以下に温度上昇を抑制(現在より0.3℃冷やす)
(3)温暖化ガスの濃度を320ppmCO(total)まで減少させる。
現在値370ppmなので50ppm減少させる必要がある。
(4)気候変化の速度は0.1℃/10年以下に抑制する。
現在値は0.2℃/10年で生物は等温線の移動速度に追いて行くのが困難な状況。
もし0.4℃/10年で温度が上昇すると、等温線は極方向へ100~120km/10年で移動し、
ほとんどの生物種は追随不能となる。
夏季北極海氷の消滅をどう防ぐか
(1)温暖化ガスの排出を減少に転じさせる。正のフィードバックによりわずかの寒冷化 生ずる。
北極海氷はそれに敏感に反応するはず(Hansen Cooling) (2)マクロエンジニアリングによる手法(?)
危険な気候変動を回避するための CO
2濃度ターゲット
by Jim Hansen, 29 January 2008
CO
2濃度ターゲット( ppm)
1 .北極海氷 300 ~ 325
2 .氷床 / 海面水位 300 ~ 350
3 .気候帯の移動 300 ~ 350 4 .アルプスの水供給 300 ~ 350 5 .海洋の酸性化の回避 300 ~ 350
最初の CO
2濃度ターゲットは 350ppm
ただし CH
4,O
3, 黒いススは減少することを前提として
現在の CO
2濃度は 385ppm
気候安定化のための3つのシナリオ
(1)
3 ℃ /550ppm シナリオ
Stern報告書(2006) 450~550ppmCO2e RITE(2007) 550ppmCO2
IPCC-AR4(2007) 535~710ppmCO2ですべての地域で悪影響
(2)
2 ℃ /450ppm シナリオ
Baer-Mastrandrea (2006)‘90年比で2050年までCO2を70~80%削減,
他のガスについても厳しく削減
Mainshausen (2006)CO2eを‘90年比で2050年までに50%削減 Rive,Torvager et al (2007) 2050年までにCO2eを80%削減 UNFCC報告書 (2007) 445~490ppmCO2e
(3)
0.5 ℃ /320ppm シナリオ
Spratt-Sutton(2007) 北極海氷守るために0.3℃の気温低下必要、
320ppmCO2e
Hansen (2007) 350ppmCO2を当面の目標にすべきである。
(注)CO2e=CO2換算で表わした温暖化ガスの大気中濃度
2 ℃シナリオを採用して直ちに全面的な予防対策を実施せよ 同時に必要な適応策を取れ
3 ℃ /550ppm シナリオは気候リスクが高過ぎる
*夏の北極海氷は消失、グリーンランド氷床や西南極大陸氷床の大規模融解 などが生じてしまう可能性大
2 ℃ /450ppm シナリオ実現には膨大な努力を必要とするが やれないことは無い。
*北極海氷が守れるかどうかは科学的不確実さを考慮してギリギリの所。
0.5 ℃ /320ppm シナリオでは政治的、経済的に合意が困難。
*大気中よりCO2を除去するためのCCS付きバイオマス発電所の大量建設等が必要
*北極海氷、グリーンランド氷床の全面融解の開始などのティッピングポイントは 回避できると考えられている。
450ppm(2 ℃ ) 安定化シナリオ
世界の温室効果ガスの排出量 (226 億トン、 2000 年 ) を 2050 年まで に半減を目標、 2030 年に延長線シナリオでは 420 億トンへ、代替 政策
シナリオで 340 億トンに下げる
革新的技術導入で更に 230 億トンまで減少させる。
代替政策シナリオからの必要削減量 110 億トン
(1)CCS 23.1億トン(21%)
累計460基(年間31基)程度の設置が必要
処理コスト等に課題があり、本格的導入は2015年以降 (2)原子力 17.6億トン(16%)
累計235基(年間11基)程度の新設が必要
現在の原子力発電所439基、直近5年間の平均新設数3.2基/年 ピーク時26.4基/年
(3)省エネ 44億トン(40%)
毎年約2%程度のエネルギー効率改善(省エネ)が必要 世界全体で0.9%/年(1971~2004年)の実績
(4)再生エネ 20.9億トン(19%),バイオ燃料 4.4億トン(4%)
IEA(World Energy Outloook2007) 日立総研 坂本尚史氏の講演資料より
「 450ppm 安定化 (2 ℃ ) シナリオ」における 再生可能エネルギー発電 シェア
TWh % TWh % TWh % TWh %
Hydro 2922 16.1 6608 22.5 4842 13.7 5403 17.3 Biomass 231 1.3 2056 7 840 2.4 1166 3.7 Wind 111 0.6 2464 8.4 1287 3.6 1800 5.8 Goetherma 52 0.3 219 0.7 173 0.5 190 0.6 Solar 3 0 406 1.4 161 0.5 352 1.1
Tidal/wave 1 0 28 0.1 12 0 24 0.1
Total 3 3 2 1 8 . 2 1 1 7 8 1 4 0 . 2 7 3 1 5 2 0 . 7 8 9 3 5 2 8 . 6 Alternative Policy Scenario 2030
2005 450 Stabilisation case
Reference Scenario
資料:IEA(国際エネルギー機関)「World Energy Outlook」(2007) (日立総研)作成
シナリオ別 再生可能エネルギー発電量 ( 世界計 )
■再生可能エネルギーによる発電量は、「延長線シナリオ」でも2030年の総発電量の20.7%
までやや増加するが、「450ppm安定化シナリオ」では、40.2%まで倍増。
(再生可能エネルギー導入が進んでいるEUの現時点での2020年目標値が20%)
■特に、水力発電、風力発電、バイオマスの比率が高い。
■IEA分析によると、「分散型」(風力、地熱、太陽光、潮波)による発電構成比率は、最大で15~30%
が適切と想定。「450ppm安定化シナリオ」での2030年の分散電源による発電構成比率は10.6%
総発電量に占める再生可 能エネルギーの構成比率
(注)( )内数値は総発電量 に占める「分散型」比率
分散型
IEA分析によると、「分散 型」による発電構成比率 は、最大で15~30%が適 切と想定(*)
(*)詳細は、IEAにて加盟国共同で 2008年までスタディ中
3320TWh
再生可能エネルギーによる発電量内訳(世界計)
資料:IEA「World Energy Outlook 2007」を基に(日立総研)作成
Nicholas Stern
スターン報告書 (The Economics of Climate Change)
直ちに確固たる対策を取れ!
Stern Review:
The Economics of Climate Change
*直ちに確固たる対応策をとれば、気候変動の悪影響を回避する 時間は残されている。
*対応策を講じなかった場合の気候変動のリスクと費用の総額は現在 および将来における世界年間GDPの 5 %強に値し、より広範囲の
リスクや影響を考慮に入れれば損害額は少なくともGDPの 20 %に 達する可能性がある。
*これに反し、気候変動の最大要因である温室効果ガスの排出量を 削減するなど、対応策を講じた場合の費用は、世界年間GDPの 1 % 程度で済むであろう。
*ここ 10 ~ 20 年間における投資が、 21 世紀後半と 22 世紀の気候を大き く左右することになる。現在およびこの先数十年間における人間の 行為が、経済と社会行動に大混乱をもたらし得る。そのスケールは、
2 つの大戦および 20 世紀前半の世界恐慌に匹敵する。いったん起き
た変化を元に戻すことは、非常に困難もしくは不可能である。
既に商業化された技術 2050年までに商業化されそうな技術 削減可能量(億トン/年)
エネルギー 供給
石炭からガスへの燃料転換、原子力発電、
再生可能なエネルギー(太陽光、風力など)
ガス、石炭を燃料とする発電所でCCS
(地中貯留技術)、先進的な原子力発電 24~47
運輸 公共交通網の整備、燃費向上、
バイオ燃料、ハイブリット車 省エネ航空機、先進的な電気自動車 16~25
建築 暖房、冷房、換気の効率化、外断熱、
白熱灯から蛍光灯への転換 高度な太陽光発電、電力御制 53~67
産業 熱や電力の回収、材料の再利用や代替、
省エネ機器の導入、CO2以外の温室効果ガスの管理 鉄鋼やセメントでのCCS導入 25~55
農業
土壌炭素貯留量を増やすための作物 耕作や土地管理、メタン発生を減らす
コメ栽培技術の改善
バイオ燃料植物の遺伝子技術、
食糧生産の改善 23~64
林業 新たな植林、森林の適正な管理、森林破壊抑制 生産性の高い樹種への改良 13~42
廃棄物 焼却に伴うエネルギー回収、有機廃棄物の准肥化 メタンを最適に酸化させる技術 4~10
削減量は二酸化炭素換算
IPCC報告書が例にあげた主な削減技術
2007.5.5 新聞各紙の報道より
世界は低炭素経済へ向けて
急速に動き出した!
温室効果ガス2050年までに世界で半減
首相表明、米中印などに提唱
5月25日,2007年日経など
(1)世界全体の温暖化ガス排出量を2050年に半減
(2)排出量削減のための「革新的技術開発」と「低炭素社会づくり」
(3)「京都議定書」後の枠組みづくりへ「すべての主要排出国の参加」、
「各国の事情に配慮した多様性」、「環境保全と経済発展の両立」の原則
(4)環境対策に意欲のある途上国支援のための新たな資金拠出メカニズム
(5)「一人一日一キログラム」の排出削減に向けた国民運動の展開
サミット閉幕
温暖化ガス削減へ決意、
ポスト京都枠組み作り、中印参加促す
メルケル首相は「各国が長期目標の必要性で一致した」
と発言。 2050 年までに主要国が温暖化ガスを半減させる ことが不可欠だと訴えた。
日経 6 月 9 日、 2007 年
地球温暖化問題をめぐる今後の外交日程
2007 年 9 月 第 62 回国連総会 ( ニューヨーク )
今秋 温暖化ガスの主要排出国による会合 11 月 IPCC 総会 ( スペイン・バレンシア )
12 月 COP( インドネシア・バリ島 )
2008 年 1 月 京都議定書の約束期間スタート 7 月 日本・ G8 ・洞爺湖サミット
年末 「ポスト京都」に向けた行動計画の策定期限
世界の排出量 2050 年半減の意味
世界の排出量 2050 年半減のためには、先進国は半減以上の削減が必要
《 IPCC 第4次評価報告書における記述》
● 450-550ppm - CO2eq. のためには、先進国は 2050 年までに 90 年比で 40-95 % 減、
2020 年までに 10-40 %減が必要( WG3 Technical Summary )
● 450ppmv - CO2eq. のための削減シナリオ例として、先進国は 2050 年までに 90 年
比で 80-95 %減、 2020 年までに 25-40 %減( WG3 Ch.13 )
各国の温室効果ガス排出量削減目標の動向
先進国では概ね60%~80%の2050年削減目標を表明
●各国の2050年削減目標
➢ 英国 :1990年比60%削減(気候変動関連法案審議中・80%削減も検討中)
➢フランス :1990年比75%削減(エネルギー政策法[2005年7月])
➢ ドイツ :1990年比80%削減(長期エネルギー需給計画[2002年9月])
※ EUは1990年比世界全体で50%削減、先進国(EU含む)で60~80%削減について合意(EU首脳会議[2007年3月])
➢オーストラリア :2000年比60%削減(ラッド首相がCOP13にて宣言[2007年12月])
➢カナダ :2006年比60~70%削減(ハーパー首相施政方針演説[2007年10月])
➢米国 :ヒラリー・オバマ両候補⇒ 1990年比80%削減
:マケイン候補⇒1990年比60%削減(マケイン・リーバーマン法案)
:リーバーマン・ウォーナー法案⇒ 2005年比63%削減
●各国の中間削減目標
➢EU :2020年1990年比20%削減(EU首脳会議合意[2007年3月])
➢米国 :2025年までに伸びをゼロにする(ブッシュ大統領が第3回MEMで表 明)
リーバーマン・ウォーナー法案⇒ 2020年2005年比19%削減
(各種資料から経済同友会事務局作成)
「クールアース推進構想」 (1月
26日、ダボス会議) の概要
● ポスト京都フレームワーク
➢世界の温室効果ガス排出を今後10~20年にピークアウト、2050年までに少なくとも半 減。
国連にその方策の検討を要請。
➢温室効果ガス削減に向けて主要排出国とともに国別総量削減目標を掲げて取り組む。
➢目標の策定に当たっては、削減可能量を積み上げ、削減負担の公平さを確保する。
● 国際環境協力
➢世界全体で2020年までに30%のエネルギー効率を改善する目標を世界で共有。
➢100億ドル規模の新たな資金メカニズム(クールアース・パートナーシップ)を構築し、
途上国の温暖化対策を支援する。
● イノベーション
➢革新技術の開発と低炭素社会への転換。
➢環境・エネルギー分野の研究開発投資を重視し、今後5年間で300億ドル程度の資金を 投入する。
(外務省資料等から経済同友会事務局作成)
「低炭素社会・日本」をめざす福田ビジョン
2008 年 6 月 9 日 長期目標 現状より
60%~
80%の削減
中期目標
2009年に発表
2020
年までに現状より
14%の削減(
90年比
20%削減)
が可能であるという見通しを発表済み
革新技術の開発 「環境エネルギー国際協力パートナーシップ」を 提案する。
太陽光発電
2020年までに現状の
10倍、
2030年には
40倍に引き上げる。
そのために世界最大級のメガソーラー発電の全国展開、
新築持家住宅の
7割以上が太陽光発電を採用しなければ ならない計算
白熱電球の省エネ電球の切り換え、
2020年までに 排出量取引
2008年秋より国内統合市場の試行的実施
税制改革 環境税の取り扱いを含め、税制のグリーン化を進める
環境モデル都市
10程度を選び、大胆な革新的な取り組みを進めてもらう
エコイノベーション / エコビジネスによって
地球温暖化へ立ち向かえ!
革新的な環境技術の成長予測
ドイツ、ローランド・ベルガー社( 2007 年)
企業 1500 社と研究機関 250 社に対するアンケート調査 (1) 世界の市場規模 1 兆ユーロ(~ 180 兆円) 2005 年
1.3 兆ユーロ 2010 年
2.2 兆ユーロ(~ 400 兆円) 2020 年 成長率予測 5.4%/ 年
( 2 )分野別 EU の市場占有率
エネルギー効率 4500 億ユーロ 35 % サステナブル水管理 1900 億ユーロ 30 % サステナブルモビリティ 1800 億ユーロ 35 %
発電 1000 億ユーロ 40 %
物質効率 400 億ユーロ 10 %
廃棄物処理とリサイクル 300 億ユーロ 50 %
拡大する環境ビジネス市場
環境白書(2008)より 世界の環境ビジネス市場規模=6920億ドル(2006年)
米国 Environmental Business International 社推 計
1996年からの10年間で約 1.4 倍に成長 成長率 4.7 %( 2006 年)
日本の環境ビジネスの市場雇用規模
環境省による OECD 分類による調査
30 兆円( 2000 年)→ 45 兆円( 2006 年)
環境ーイノベーションー雇用
ヨーロッパのエコロジカルな産業政策の要素
Working Paper to the informal Meeting of Environment al Ministers in
Essen. 1st-3rd June,2007
EU
政策におけるリーダーシップ
(1)単独でも2020年までに’90年比で温暖化効果ガスを20%削減、
他の先進国も同調するなら30%削減
(2)エネルギー効果を20%向上、20%再生可能エネルギー(10%はバイオ燃料)導入 EU
エコプロダクツ世界市場の⅓を占め、グリーンな市場のリーダーである
ヨーロッパの市場占有率
発電 40%、エネルギー効率 35%、資源効率及び自然資源 10%、 サステナブル水管理 30%、サステナブルモビリティ 35%、
廃棄物処理及びリサイクリング 50%
当初、エコビジネスの市場規模は85億ユーロ(1998)から220億ユーロ(2010)に 成長すると教えられていた。実際には2004年にこの予測は達成された。
エコテクノロジーは急速な成長市場である。
EU
各国はエコテクノロジーとエコ・イノベーションに力を入れ始めている
ドイツではエコテクノロジーのシェアは4%(2005)から16%(2030)に4倍に成長すると予測。
“ 環境 - イノベーション - 雇用 ” に関する
EU, 環境 大臣の非公式会合
6
月
1ー
3日
2007年、ドイツ・エッセン
エコ・イノベーション推進のための政策
1. ヨーロッパのトップランナーの導入 EUP 指令の政正等
2. 経済的手段
市場に基づいた push and pull, より強力なテクノロジカルシフトを 起こすため環境コストの内部化 (“getting the prices right ”)
3. 排出権取引
4. 環境技術行動計画
Environmental Technology Action Plan(ETAP)
5. グリーンな公共調達 (Green Public Procurement=GPP) GPP は EU の GDP の 16% を対象とする
6. グリーンな指導的な市場作り (green lead market)
7. サステナブルエネルギー技術
Cool Earth- エネルギー革新技術計画
経済産業省、資源エネルギー庁、3月5日、2008年 発電・送電部門
1.高効率天然ガス火力発電 2.高効率石炭火力発電
3. 二酸化炭素回収・貯留(CCS) 4. 革新的太陽光発電
5. 先進的原子力発電 6. 超電導高効率送電 運輸部門
7.高速道路交通システム(ITS) 8.燃料電池自動車
9.プラグインハイブリッド自動車・電気自動車 10.バイオマスからの輸送用代替燃料製造
産業部門
11.革新的材料製造・加工技術 12.革新的製鉄プロセス
民生部門
13.省エネ住宅・ビル 14.次世代高効率照明 15.定置用燃料電池
16.超高効率ヒートポンプ
17.省エネ型情報機器システム
18.HEMS/BEMS/地域レベルのEMS 部門横断的な技術
19.高性能電力貯蔵
20.パワーエレクトロニクス 21.水素製造・輸送・貯蔵
主に需要部門の対策主に供給部門の対策
CO2削減量は2000年排出量(342MtC(炭素換算百万トン))からの削減量を示している
国立環境研究所 : 2050年における日本のCO2排出量の70%削減を実現する対策の検討
2050 年家庭のCO 2 排出量 現行対策で 4 割減
日本建築学会の試算によれば、国内の全家庭から排出 される二酸化炭素量はすでに実施している温暖化対策を 続けるだけでも 2050 年には 1990 年比で 44% 減ることが分 かった。人口減少や省エネ家電の普及などが進むため。
太陽光発電の推進といった追加対策を講じれば同 61% の 削減も見込めるという。
日経、 2007 年 3 月 26 日
まとめ:建築物起因の CO 2 排出量の抑制
1.需用者と供給者との協調が大切 2.需用者:
①新築建物: 30 ~ 50 %の抑制も不可能ではない
②既築建物: 10 ~ 15 %の抑制に留まるか?
③更なる CO
2排出抑制に向けての重要課題
◆再生可能エネルギーの導入促進
◆ IT の活用等によるマネージメントの徹底・促進
3.指標の転換:「省エネ」から「省エネ/省 CO 2 」へ
㈱ 日建設計総合研究所 松縄 堅
74
▲
▲34.1億kWh
・タイマーで不使用時の電源を自動「入・切」
・一括SW付きタップで、主機器の電源OFFを検知 して自動的OFF
・待機時消費電力1W以下未達成機器の買替え
・住宅用補助金制度復活による100万軒超世帯普及へ
(2010年目標 約100万軒⇒125万軒)
【07年3月の提案例】
家庭部門における削減ポテンシャル項 目 (1) 家庭用エアコン
(2) 家庭用冷蔵庫
(3) 白熱電球の電球形蛍光 ランプへの切替え促進
(4) 蛍光灯器具の Hf化率向上
(7) 待機時消費電力の削減 (後付け配線器具の普及)/
待機時消費電力低減 機器の普及促進
内 容 削減ポテンシャル(年間)
・14年以上使用品の優先的買換え促進
(国内CO2排出権買取制度、特別クレジット制度)
家庭部門の
▲2.21%
・14年以上使用品の優先的買換え促進
(国内CO2排出権買取制度、特別クレジット制度) ▲2.20%
・全世帯1個の買替え
‥国家的PR、率先垂範運動、エコマネーの活用
・チームマイナス6%キャンペーン、「あかりの日」の活用
・率先垂範活動として、
電機メーカ社員/公務員(500万世帯)の買換え
▲0.77
・省エネ法特定機器のトップランナー基準見直しに よるHf化率向上
…照明器具の60%をHf化交換時期8~10年 レベルとする。
安全点検時期提案・啓発等実施
▲0.25
・補助金額拡大による普及促進;世帯普及率15%
(2010年目標を、520万台⇒690万台) ▲2.26
(6) 太陽光発電 (5) エコキュート
(燃料電池でもカバー)
(8) 気づきの省エネ/
電力消費モニタリング
・家電アドバイザー制度活用の「電気製品総合診断 資格制度」‥電気製品の省エネ診断(家庭のエネ ルギー消費実態の測定と診断)、古い製品の買替 えのお勧め
▲
▲111億kWh ▲3.76M㌧CO2
▲110億kWh ▲3.73M㌧CO2
▲38.5億kWh
※500万世帯では
▲4.1
▲1.31M㌧CO2
※500万世帯では、
▲0.14M㌧CO2
▲12.6 億kWh ▲0.43M㌧CO2
▲113億kWh ~▲3.85M㌧CO2
▲0.68 ~▲1.16M㌧CO2
▲ ▲α
▲ ▲β
総計:13~14Mt-CO2
松下電器産業㈱ 芝池 成人
14年前のエアコンを
使い続けた場合 新しいエアコンに 買い換えた場合 CO2排出量(t-CO2)
4
2
5年間使用時の
CO2 5年間
使用時の CO2
新しいエアコンの 製造時のCO2
古いエアコンの リサイクル時のCO2
1.5t-CO 2 削減
省エネ製品への買い替えによるCO
2排出量の削減 エアコンの事例 (10 畳相当)
3.3
1.8
0.15 0.05 1.6
電気代で
8-10万円程度節約
松下電器株式会社による
76
ファクター 5 を達成
2006年度経営方針発表会
温室効果ガス排出量 0.40倍
松下電器株式会社による
77
温室効果ガス排出量削減要素
製品合計
製品-製品間相乗効果
製品-建物間相乗効果
製品の省エネルギー など 給湯と食器洗い乾燥機
HEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)
建物の断熱 建物の断熱
温度差利用の換気 給湯配管の工夫
創エネルギー太陽光発電
: エアコン
(人感センサなど含む)
: 電気カーペット
: 換気扇
: 給湯機
松下電器株式会社による
松下電器株式会社による
家まるごとの相乗効果
製品のみ
(家庭用電気製品 住宅用設備製品)
建物(住宅)を含む
製品と建物(住宅)の相乗効果を考慮
製品の積み上げ
79
温室効果ガス排出量削減の内訳
9.9 t
▲4.6 t
▲2.5 t
3.9 t
1990年 2007年
+0.6 t +0.5 t
製品の 新規追加など
太陽光発電(生産段階など)、
HEMS(生産段階など) 製品の 省エネなど
創エネ、
相乗効果など
0. 40倍
<1年あたりの温室効果ガス排出量>
松下電器株式会社による
世界の都市の動向
■カリフォルニア州
□ 100 万戸太陽光発電計画( 2007-2017 )
□カリフォルニア州 地球温暖化対策法
→ 2020 年までに 1990 年レベルに削減
■ロンドン市
□ロンドン気候変動アクションプラン
→ 2025 年までに 1990 年比▲ 60 %、住宅の断熱改修補助
■ニューヨーク市
□グリーナー、グレーターニューヨークプラン
→ 2030 年までに 2005 年比▲ 30 %、電気料金へ上乗せ ハイブリッド車減税、ロードプライシング
■パリ市
□パリ市気候計画
→ 2050 年までに温暖化ガス 1/4 に削減
参照:岡部明子<資料>欧州における自治体レベルのCO2削減に向けた取組み
そして東京は、、、
「カーボンマイナス東京 10 年プロジェクト」
□ 2020 年までに温室効果ガス排出量を 2000 年比▲ 25 %
□「東京都気候変動対策方針」
→「カーボンマイナス東京 10 年プロジェクト」の基本方 針
□東京が先駆的な施策を提起することで日本をリード
□意義
東京の一人当たり CO2 排出量は、ニューヨークやロンドンに 比べ、 2 ~ 3 割低く、先進国の大都市の中ではエネルギー効 率が高い都市であるが、さらに大幅な CO2 排出量の減少を 目指す取り組みを開始することで、世界の大都市の気候変 動対策を牽引していく。
参照:東京都「カーボンマイナス東京10年プロジェクト」基本方針
九州における
地球温暖化抑制の取り組みについて
~九州における地球温暖化抑制
のための行動憲章の提案~
平成20年5月
九州経済同友会 企画委員会
82