日本包装学会誌VOjL3」Vb、3α994)
一般論文
最適緩衝設計手法の応用
第1報:突起物を有する製品への適用
中嶋隆勝*寺岸義春*高田利夫、野上良亮*
AnApplicationoftheOptimumCushioningDesignMethod
forPackaging
(1)AnApplicationtoProductswithProtuberances
TakamasaNAKAnMA.,YOshiharuTERAGISIⅡ.,ToshioTAKADA.,RyosukeNOGAMI。
AnoptimumcushioningdesignmethodfOrmeducingthecushionvolumeandfOrpropeIly
designingthecushionshapehasbeendevelopedFi巧tly,thep1℃sentoptimumdesignmethodwasmodifiedtobeapplicabletopmductswith prbtubelnnce・Secondly,theeffectoftheprotuberancelengthontheoptimumshapeof cushionscalculatedbythisnewlydevelopeddesignmethodwasinvestigated
The1℃sultsa1℃summalizedasfbUows.
(1)Theprotuberancelengthshorterthanacertainvaluedoesnotaffecttheoptimumshape
ofcl1ghion
(2)Thethicknessandthevolumeofcushionaswellasthecostofpackagingmaterials
incX℃aselmearlywiththelengthofpmtubelance・Ontheotherhand,thestraindecreases linearlywiththelengthofprotubelance.(3)Thestmmofcushion”qui尼dfbrmmimizingitsvolumeislalgerthanthat泥qui1℃d fOrmaximizingitsthicknessFurthermoI℃,thea1℃aofcushionandthecostofpackaging
materialatmmimumvolumeissmaUerthanthoseatmaximumthicknessL(4)Theheightofpmductsdosenotaffecttheoptimumshapeofcushion・
KeYwords8Package,Optimumcushioningdesign,D1℃ppmgshock,Pmtubelance,Strengthof
product,Cushion,Envimnmentoftmnspoltation適正包装化を進めていくために、著者らは最適緩衝設計手:法を開発した。本研究では、その手法を改良 して、突起物を持った製品にも適用できるようにした。また、製品の突起物長さと緩衝材の最適な形伏の
関係などについても調べた。以下に、得られた主な結論を記す。(1)突起物が十分に短ければ、最適な緩衝材の形状は突起物の長さに影響されない。
(2)突起物の長さに対して、緩衝材の厚さ、使用量、包装材料費は単調増加し、緩衝材の最大ひずみは単調
栃抄する傾向が確認できた。(3)緩衝材の使用量を最小化した場合の方が、厚さを最小化した場合よりも、最大ひずみは大きな値とな
り、緩衝材の受け面積、包装材料費は小さな値となる傾向が確認できた。(4)緩衝材の最適形状は、製品の高さ(製品の受け面方向の寸法)には影響されない傾向が確認できた。
キーワード:包装、最適緩衝設計、落下衝撃、突起物、製品強度、緩衝材、輸送環境
・大阪府立産業技術総合研究所(〒550大阪府大阪市西区江之子島2-1-53):OsakaPrefecturalIndustrialTechnolo
gyResearchInstitute,2-1-53,EnokOjimaNishi-ku,Osaka-shi,Osaka,550
-141-
遍趨&混衝製溜ソ手法の応ソW蟻J鋤
1.緒言 本手法では、緩衝設計の自動化の基礎的な
部分を確立するため、緩衝材の形状や詳細な 寸法については特に考慮せず、最も緩衝特性 に影響を与える緩衝材の厚さと面積にのみ注 目した。すなわち、緩衝材の形状は直方体 で、設計変数は緩衝材の厚さtと面積Aの2変 数であるとした。
流通過程において重要な役割を果たす緩衝 材も、製品が消費者の所まで届けられると、
その大部分は廃棄物となり、環境保護、省資 源の観点から、多くの問題が発生する。その ため、緩衝材の特性を最大限に生かし、適正 包装化を進めていくことは、企業の利潤追求 の目的だけでなく重要な課題である。
著者らは、これまでに緩衝材の緩衝特性を 精度よく把握するための研究')2)及び従来の 緩衝設計手法s)を改良して緩衝材の厚さ、緩 衝材の使用量および段ボールを含んだ包装材 料費のうちのどれでも最小化できる緩衝設計 手法の開発。などを行ってきた。しかし、実 際には、突起物、段差などを含んだ複雑な形 状をした製品や重心の位置が偏った製品など がたくさん存在している。そこで、これらの 製品に対しても適用できるように最適設計手 法を改良する必要がある。
本研究では、突起物を含んだ製品を対象と し、製品が落下衝撃を受けたとき、突起物が 底突きせず、しかも、最適化が十分になされ る設計システムを考案した。そして、それに よって、製品の突起物が緩衝材の最適形状な どに及ぼす影響について検討した。
2.2最適化目標
緩衝材の厚さ、緩衝材の総使用量、包装材 料費(緩衝材と外装段ボールの材料費の和と した)を最適化の目標(目的関数)とし、こ れらのうち1つを選択できるようにした。
緩衝材の厚さの最小化は、従来の設計手法 でも採用されていたもので、この最小化によ って包装貨物の寸法が最小化される。また、
これによってコンテナへ積載できる貨物数の 増加や倉庫に保管するスペースの削減などが
もたらされる。
一方、緩衝材の総使用量の最小化は、緩衝 材の無駄使いを省き、廃棄物の量を削減する
という観点から重要である。しかし、使用体 積を最小化すれば、緩衝材の厚さの最小化が 実現できない。貨物寸法の増加に伴って増加 する段ボールの使用量を考えると、2つの目 的関数の相互関係について考える必要があ
る。そこで、これら2つの最適化の目標をそれ ぞれ適度に満足させるために、包装材料費の 最小化について考えた。これによって、緩衝 材と段ボールの使用量を同時に抑えることが 可能となった。また、コストという目的関数 は、緩衝材の種類を変えた場合にも通用する 関数である。このため、緩衝材の寸法だけで なく、緩衝材の種類も設計変数として含めた
2.最適緩衝設計手法2.1設計変数
実際に緩衝材を設計する際、まず、製品の 形状などに合わせて、コーナーパッド、サイ
ドパヅドなどの緩衝材の形式を決定し、次 に、輸送環境や製品の強度などから緩衝材の 詳細な寸法を決める。
-142-
日本包装学会鯵VbL3Ⅳu3(、94)
最適設計を行うことが可能となる。 ここで、(6)製品の外寸法及び(9)緩衝材、
段ボールの単価は、包装材料費を最適化する 際、包装材料費を算出するために用いた。
2.3設計仕様
本設計手法で考えた落下衝撃のモデルを
Fig.1に示す。ここで、本システムに入力が 2.4プログラムの概要
本システムでは、前報`)を改良して、最適 設計寸法を次のような手順で決定した。
まず、緩衝材の最大ひずみe、最大応力◎、
単位体積当たりの吸収エネルギーeがある値 に。,◎。,e・)になるような緩衝材の形状すな わち厚さと面積の組み合わせにどのようなも のが存在するかを調べる(Fig.2の①上のす べての点).次に、設計の制約条件を満足す る範囲を調べる(Fig.2の中の②~⑤の制約 条件が満たされる斜線の部分)。これらが重 なった部分が設計可能な寸法の集合となる (Fig.2の太線上)。
Fig.2で示した①~⑤の条件の内容は次の とおりである。
必要な仕様を以下のように設定した。
(1)輸送環境のレベル(落下高さ)
(2)緩衝材の特性(応カーひずみ線図)
(3)緩衝材の許容ひずみに。)
(4)製品の許容衝撃加速度(αoorG.)
(5)製品の受け部の強度(oJ
(6)製品の質量、外寸法(突起物を含む)
(7)突起物の長さ(X)
(8)製品の受け部の面積(AJ
(9)緩衝材、段ボールの単価
Product
⑤ ③
癖il1ljiiji鱸|篝■●CQ●Coo・●◆■b
Cushion
④
ProtubeTaTnce
十・・ く頁○三m。。」○口日く
②
① 謬
und
Thicknessofcushion1t
Fig.1 ⅢustrationofdropcolIisionmodeIing ofapackagedcargoofproductwith protuberance
Fig.2 Conditionofrest「aintsanddesigncurve
whe「ecushionstrainandstressarecoandoo.「espectiveIy.
-143-
P4
L
、 y///悪戸て、、対、、、、’〈、、』 /`//////
P
lP
2 j '////,//////
、
巳 己>>>:、、
浪迩、綴濁潔静ヲE法の応バァ鱈I熱
①上の点は、最大ひずみがeoとなる緩衝材
⑦の形状を表した点であり、緩衝材が吸収する 全エネルギーと落下エネルギーとが等価であ ることからその曲線が導き出される。その等 式は次式である。
⑥
b鰯、①凹一の
Ate=MgH 03
21びび
ここで、Aは緩衝材の面積、tは緩衝材の厚 さ、eは緩衝材の単位体積当たりの吸収エネ ルギー、Mは製品の質量、gは地球の重力加速 度、Hは落下高さである。
②~⑤は制約条件である。
②は製品に発生する衝撃加速度が製品の許 容衝撃加速度以下となる制約条件であり、次 式で表される。
-K「<α・
A◎③は緩衝材が座屈しないという制約条件で あり、次式P)で表される。
‘>(当姜t)‘
ただし、受け面の形状は正方形に近いもの とする。
④は緩衝材の面積が製品の受け部の面積以 下となる制約条件であり、次式で表される。
81 82e3
Strain,5
Fig.31Ilustartionofrest「aintsforcushionst「ain andstressaswelIasthereIationship betweenc,oande.
いう意味である。
これらの制約条件を満足する範囲の中で設 計の最適化目標を最も満足する点は、目的関 数を緩衝材の厚さまたは包装材料費とした場 合、点Pである。また、目的関数を緩衝材の 使用量とした場合、目的関数の値がFig.2の 太線上であればすべて同じ値となる。そのた め、第2の最適化目標を厚さの最小化と設定 し、点Pが最も最適化目標を満足している点 であるとした。すなわち、点Pは最大ひずみ がど。となるときの緩衝材の最適形状である。
以上の作業をFig.3のB,e2e3のようにど とびに対する制約条件(Fig3の⑥及び⑦)
を満足するすべての最大ひずみに対して最適 設計を行った結果、最も最適化目標を満足す る点が本設計仕様に対する緩衝材の最適形状 となる。
Fig.3で示した⑥及び⑦の制約条件は次の とおりである。
⑥は緩衝材に発生する最大応力が製品受け
A<A⑥⑤は製品の突起物が衝撃によって底突きし ないという制約条件であり、次式で表され
る。t(1-5)>X
ここで、t(1-e)は緩衝材が衝撃によっ て最も変形したときの厚さであり、それが突 起物の長さXよりも長くなければならないと
-144-
//
//
/
////////////////////
/
/
/
「////
日本包菱学会議VbL3jVU3a9g4)
部の強度◎。以下でなければならないという 制約条件である。
3.シミュレーション
本シミュレーションで用いたすべての設計 仕様を以下に示す。ここで、突起物の長さ が、最適設計によって決定された緩衝材の形 状や包装材料費などにどのように影響するか を調べるため、突起物の長さはさまざまな値 に変えてシミュレーションを行った。ただ し、ここでは、設計仕様の欄で記したように 突起物を含む外寸法を一定とした。そのた め、例えば、オーディオアンプのつまみのよ うに製品本体の寸法とは独立して突起物の寸 法が変化するものの場合、異なった傾向を示 す可能性がある。この場合のシミュレーショ
ン結果とその傾向に対する考察は4.7で詳し く記述する。
(1)製品の質量:40kg
(2)製品の外寸法:800x600x600mm (3)製品の許容衝撃加速度:588m/s2(60G)
(4)製品の受け部の面積:1200cm2
(5)製品の受け部の許容応力:LOMPa
(6)緩衝材:発泡ポリエチレン45倍
(7)緩衝材の許容ひずみ:75%
(8)落下高さ:60cm(底面落下)
(9)緩衝材の数:底面に4個
(10)コストを最小化する際、緩衝材、段 ボールの単価をそれぞれ3200円/m1,
100円/m2とした。
◎≦CQ
⑦は緩衝材の最大ひずみが緩衝材の許容ひ ずみ以下でなければならないという制約条件 である。
E≦Ba
これは緩衝材の劣化がひどくならないため に設定した条件である。
以上の手順をFig.4に示す。
lncrease6orograduaIIy
⑪>O・ロェ
Yes
Or
E>EBOⅡ
⑪>
O
E>
終了
LMo P2、P4、P5、Q CaICulateAat
(AP2.AP4・APS)
P=PiatApi=■in
NC
AP>AQ
lYe。_
esigngoaIatP)
CalculateSp(.
伽
SopL>Sp
Yes
4.結果と考察
Renewtheopti■uBdesigndata SoDt=Sp・Ao。《=Apotopt=tP
Renewtheopti■u SoDt=Sp・Ao。《=」
4.1小さな突起物の場合について
Fig.5及びFig.6より突起物の長さがおよ そO~1cmの範囲では、突起物の長さに関係 なく緩衝材の形状は一定となる傾向が確認で
Fig.4AIgorithmforfindingtheoptimum designsizeofcushion.
-145-
週2難題i製詳手法の応用「
(蕊I熱
10 OOl
801
30(
10[
8642O
5lmpo這、。。』◎四m①旦・這い “日。白○冨召・も呵臼く
0
1234Protuberancelength,c、
0
1234Protuberancelength,c、
5
Fig.5 ReIationshipbetweenthethicknessof
cushiontandthep『otuberancelengthXcaIcuIatedfromthesimuIationresuIts.
Fig.6 Relationshipbetweentheareaofcushion
Aandtheprotube「anceIengthXcaIcuIatedf「omthesimuIation「esuIts.
きた。この理由は以下のとおりである。
突起物がない製品に対して最適な形状の緩 衝材が落下衝撃によって変形した時の厚さの 最小値をaとする。この時、製品にaより短い 突起物が付いていても、製品の底突きは起こ らない。このため、緩衝材の形状は変化しな
い。
ここで、本設計仕様でのaの値は、使用量、
包装材料費を最小化した時、約1cmで、厚さ を最小化した時、約1.3cmとなっており、緩 衝材の形状が変化し始める時点とよく一致し
ている。
また、緩衝材の厚さがaよりも小さい範囲 では、緩衝材の形状が変化しないため、緩衝 材の使用量、緩衝材の最大応力、最大ひずみ は一定の値を保ち(Fig.7~Fig.9参照)、包 装材料費は突起物が長くなるにつれて単調に 減少する(Fig.10参照)。包装材料費がこの 範囲内で単調に減少する理由は以下のとおり
である。
製品の突起を含んだ外寸法が一定であるた め、突起物が長くなれば製品の受け面は奥に 入る。また、緩衝材の厚さは一定である。そ のため、包装貨物としての外寸法は小さくな り、必要となる段ボールの量は減少する。よ って、緩衝材の材料費は一定で、段ボールの
材料費が減少するため、包装材料費は減少することになる。
以下、4.6までは、突起物の長さがaよりも 大きい場合を中心として考察を進める。
4.2緩衝材の厚さについて
Fig.5より、緩衝材の厚さは突起物が長く なるにしたがって単調に増加する(以下、一 部で「緩衝材の厚さは単調増加する」と表現 する)という傾向が確認できた。さらに、厚 さを最小化した場合と体積を最小化した場合 について見ると、緩衝材の厚さから突起物の
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日本包蕊学会誌VbjL3」Vb・aag94)
長さを引いた値(Fig.5の斜線を引いた部分 は突起物の長さ分を表している。すなわち、
各プロットから斜線部分までの長さがこの値 に相当する。)はあまり変化しないという傾 向が確認できた。これより、突起物の長さが 増加しても包装貨物の外寸法はあまり変化し
ないという傾向が予測できる。
厚さを最小化した場合、緩衝材の厚さが単 調増加する理由は次のとおりである。
突起物が長くなれば突起物が底突きしない という制約条件はより厳しくなる。一方、そ の他の制約条件及び衝撃エネルギーの等価 式、目的関数は変化しない。すなわち、Fig.
2の⑤だけが右に移動し、制約条件を満足す る範囲が一部失われ狭くなってしまう。その 上、その他の設計条件が同じであるため、設 計の最適化目標の達成度合いが低下するのは 明らかである。よって、最小化目標である緩 衝材の厚さは単調増加する。
上記と同様に考えて、緩衝材の使用量を最 小化した場合、緩衝材の使用量が単調増加す ることが予測できる。このことはFig.9より 確認できる。
材の厚さは大きく、緩衝材の使用量は小さく なるのは自明である。緩衝材の面積は緩衝材 の体積を緩衝材の厚さで割ったものである。
よって、緩衝材の使用量を最小化したときの 方が緩衝材の面積は小さくなる。
4.4緩衝材の最大ひずみについて
Fig.7及びFig.8より、落下衝撃時に発生 する緩衝材の最大ひずみ及び最大応力は突起 物が長くなるにつれて単調に減少するという 傾向が確認できた。
緩衝材の使用量を最小化した場合、緩衝材 の最大ひずみ及び最大応力が単調減少する理 由は以下のとおりである。
落下エネルギーの等価式の中で、MgHが一 定の値に設定されていることから考えて、緩 衝材の使用量の最小化は緩衝材の単位体積当 たりの吸収エネルギーの最大化と同等であ る。また、突起物が長くなれば、突起物が底 突きしないという制約条件は厳しくなり、そ れ以外の設計条件は変化しない。このことか ら考えて、目的関数すなわち緩衝材の単位体 積当たりの吸収エネルギーは単調減少するこ
とがわかる。ここで、緩衝材の最大ひずみ、
最大応力、単位体積当たりの吸収エネルギー の間にはすべて-対一対応の関係がある。よ って、緩衝材の最大ひずみ及び最大応力は単 調減少する。
Fig.7及びFig.8より、緩衝材の使用量を 最小化した場合の緩衝材の最大ひずみ及び最 大応力(Fig.7及びFig.8の△)の方が、緩 衝材の厚さを最小化した場合の緩衝材の最大 ひずみ及び最大応力(Fig.7及びFig.8の
□)よりも、大きな値となるという傾向が確 認できた。この理由は以下のとおりである。
4.3緩衝材の受け面積について
Fig.6より、緩衝材の厚さを最小化した場 合、緩衝材の面積は突起物が長くなるにつれ て単調に増加する傾向が確認できた。
また、緩衝材の使用量を最小化した場合の 緩衝材の面積(Fig.6の△)の方が、緩衝材 の厚さを最小化した場合の緩衝材の面積 (Fig.6の□)よりも小さな値となる傾向が確 認できた。この理由は以下のとおりである。
緩衝材の使用量を最小化した場合の方が、
緩衝材の厚さを最小化した場合よりも、緩衝
-147-
」職蕊竃0裂胃ソ手法の」i胡ワ蟻」鈎
100 500
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1,1□Minimizatiomofthickness
0 1234 0
Protuberance1engtLcm
0 012345
Protuberancelength,cm Fig8Relationshipbetweenthest『essofcush‐
ionoandtheprotuberanceIengthX calcuIatedfromthesimuIationresuIts.
Fig.7 Relationshipbetweenthestrainofcushion candthep「otuberancelengthXcaIculated fromthesimuIationresuIts.
緩衝材の使用量の最小化は、緩衝材の単位 体積当たりの吸収エネルギーの最大化と同等 である。また、緩衝材の最大ひずみ、最大応 力、単位体積当たりの吸収エネルギーの間に 一対一対応の関係が存在することから、緩衝 材の最大ひずみまたは最大応力の最小化とも 同等である。よって、緩衝材の使用量を最小 化した場合、緩衝材の最大ひずみ及び最大応 力が最大化され、緩衝材の厚さを最小化した
ときよりも大きな値となる。
緩衝材の厚さを最小化した場合の包装材料費 (Fig.10の□)より小さな値となる傾向が確 認できた。この理由の1つとして、緩衝材の 単価と段ボールの単価の比率が影響したので はないかと考えられる.
緩衝材の単価を段ボールの単価よりも非常 に高く設定した場合、緩衝材の厚さを最小化 すれば、必要となる段ボールが最小に抑えら れるが、緩衝材の使用量の最小化は行われな い。そのため、単価の高い緩衝材の使用量が 増加し、包装材料費は、緩衝材の使用量を最 小化した場合よりも大きくなる。
4.5緩衝材の使用体積について
Fig.9より、緩衝材の使用量は突起物が長 くなるにつれて単調に増加するという傾向が 確認できた。
4.7製品寸法が及ぼす影響について
これまでのシミュレーションでは、突起物 を含んだ製品の外寸法を一定としていたた め、突起物が長くなれば突起物を除いた製品 の寸法は小さくなる。一般的に、製品の脚や つまみを設計する際、突起物の寸法は製品本 4.6包装材料費について
Fig.10より、緩衝材の使用量を最小化し た場合の包装材料費(Fig.10の△)の方が、
-148-
日本包装学会i鯵
VnL3jVb. aa994)
20000 420
000843
戸①湯.、[呵冒①]口日切目田口巽。⑪ロ
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町(畔減魎 063}。』、○○5000
▼▼▼▼▼
12345 340
Pmtuberancelength,c、
0 0 1 2 345
1ength,c、
Protuber2nCe Fig.9 ReIationshipbetweenthetotalvoIumeof
cushionsandthep「otuberancelengthX caIculatedfromthesimulation「esuIts.
Fig.10
Relationshipbetweenthecostofpack- agingmaterialsandtheprotube「anceslengthXcaIculatedfromthesimuIation
resuItswhe幅thesizeofp「oductwiththepTotube『anceisconstant.
体の寸法とは独立して決定することができ る。このことから、ここでは突起物を除く製 品の寸法を一定とし、突起物の長さが変化し たとき、緩衝材の最適形状がどのように変化 するかについて検討した。
シミュレーションの結果より、外寸法を一 定にした場合と製品本体の寸法を一定にした 場合を比較すると、緩衝材の最適形状、緩衝 材の最大ひずみ、最大応力などに差は現れ ず、包装材料費、段ボールの使用量のみ異な
った値となる傾向が確認できた。
包装材料費と突起物の長さの関係をFig.
11に示す。Fig.11より、突起物の長さが約 1cm以下の範囲では、突起物を含む製品の外 寸法が増加しているにもかかわらず包装材料 費は一定の値を保つという傾向が確認でき た。この理由は、4.1の説明と同様、この範囲 では緩衝材が最大限に変形したときの厚さa が突起物の長さよりも大きく、緩衝材を含ん
1--●J
r』
宮①湯・的司恒①』⑪日切日函呵昌:。ぢ←の。。
LIU
0 1234
Protuberancelength,c、
5
Fig.11
ReIationshipbetweenthecostofpack- agingmaterialsandtheprotuberanceIengthXcalculatedfromthesimuIation
resuItswherethesizeofproductwith-outprotuberanceisccnstant.
-149-
オ麺離離臓畷チ手法`a応バワ顔I熱
だ貨物の寸法が変化しないためである。ま た、同様の理由で、緩衝材の形状も同じ形状 となる。
Fig.11の突起物の長さが約1cm以上の範 囲では、包装材料費は突起物が長くなるにつ れて単調に増加している。この傾向は、突起 物が大きくなることによって、使用する段 ボール及び緩衝材が増加することを考えると 自明である。
緩衝材の使用量及び厚さを最小化した場 合、製品外寸法の設定方法によって緩衝材の 最適形状、最大ひずみ、最大応力に差が現れ
なかった理由は次のとおりである。
製品の寸法が変化すると、段ボールの使用 量、包装材料費は変化するが、目的関数であ る緩衝材の使用量や緩衝材の厚さ、また、制 約条件式や落下エネルギーの等価式などは変 化しない。そのため、得られる緩衝材の最適 形状、最大ひずみ、最大応力も変化しないこ
とになる。
一方、包装材料費を最小化した場合、製品 外寸法の設定方法を変えると、段ボールの使 用量が変化し目的関数の値が変わるため、緩 衝材の最適形状、最大ひずみ、最大応力が変 化する。
シミュレーションによって、製品の外寸法 を変化させたとき包装材料費を最小化した場 合の緩衝材の最適形状がどのように変化する かについて検討した。その結果、製品の高さ (突起物がある面の方向)が変化しても緩衝 材の最適形状は変化せず、製品の幅または長 さが変化すれば緩衝材の最適形状も変化する という傾向が確認できた。その変化の様子を Fig.12に示す。製品の幅または長さが増加 すれば、包装材料費を最小化した場合の緩衝
700 600 500 400
X=5cm
X=4cm/x薑3.,尺
㈲日○・く$局
L=2,W=2m
:300
X=2c
=
8200
L=2,W=lm-
L=lmW=1m X=0cm
L=80cm W=60cm L=50cm 100
W=50cm
24681012 optimumthicknesst,c、
Fig.12Relationshipbetweentheshapeofcush・
ionandtheshapeofproduct.
□:Minimizationofthickness
△:Minimizationofvolume
。:Mmimi型tionofcost X:Thelengthofprotuberance L:Thelengthofproduct W8Thewidthofproduct
材の最適形状は緩衝材の厚さを最小化した場 合の最適形状に近づき、減少すれば、緩衝材 の体積を最小化した場合の最適形状に近づ
く。この傾向の理由は次のとおりである。
緩衝材の厚さが変化すれば、使用する段 ボールの量が変化する。そして、その変化す る割合は段ボール箱の周辺長によって決定さ れる。周辺長が長ければ少しの緩衝材の厚さ の増加でも段ボールの使用量は大きく増加す る。このため、段ボール箱の幅または長さが 大きくなれば、緩衝材の厚さを十分に薄くし なければ包装材料費の最小化ができなくな る。よって、製品の幅または長さが増加する と、緩衝材の最適形状は厚さを最小化した場 合の最適形状に近づく。
-150-
日季包鐵学会灘リノbL3ノVbL3Q994)
一方、製品の幅、長さが一定であれば、製 品の高さにかかわらず、緩衝材の厚さが変化 したときの段ボールの量が変化する割合は一 定である。すなわち、緩衝材の厚さの変化に よる包装材料費の変化する割合は製品の高さ にかかわらず一定である。また、製品の高さ が変化しても、制約条件、落下エネルギーの 等価式等が変化しないことから考えて、緩衝 材の最適形状は変化しない。よって、製品の 外寸法の設定方法が変わっても、緩衝材の最 適形状は変化しない。
つれて単調に減少する傾向があった。
(3)緩衝材の使用量を最小化した場合の方 が、緩衝材の厚さを最小化した場合よりも、
最大ひずみ、最大応力、単位体積当たりの吸 収エネルギーは大きな値となり、受け面積、
包装材料費は小さな値となる傾向があった。
ただし、包装材料費に関しては、段ボール及 び緩衝材の単価がこの傾向に影響する可能性 がある。
(4)製品の幅及び長さは、包装材料費を最小 化したときの緩衝材の最適形状に影響を及ぼ すが、製品の高さは緩衝材の最適形状に影響 を及ぼさないことがわかった。
5.結論
突起物を有する製品に対して最適な緩衝材 の形状を決定する設計手法を開発することが できた。また、製品の突起物が包装設計にど のように影響するかを木手法によるシミュ レーションを行うことによって確認した。そ の結果、得られた主な結論を以下に記す。
(1)突起物の長さがa以下の場合、最適な緩 衝材の形状は突起物の長さに影響されない。
ここで、aとは突起物がない製品に対して最 適な形状の緩衝材が落下衝撃によって変形し た時の厚さの最小値である。
(2)突起物の長さがa以上の場合、緩衝材の 厚さ、使用量、包装材料費は突起物が長くな るにつれて単調に増加し、緩衝材に発生する 最大ひずみ、最大応力、緩衝材の単位体積当 たりの吸収エネルギーは突起物が長くなるに
<引用文献>
1)中嶋隆勝、野上良亮、寺岸義春、高田利夫、材 料、41(460),28(1992)
2)中嶋隆勝、野上良亮、寺岸義春、高田利夫、日 本包装学会誌2(2),85(1993)
3)豊田実、“新包装技術便覧1”(星野茂雄ら編)、
日本生産性本部、pl267(1971)
4)中嶋隆勝、野上良亮、寺岸義春、高田利夫、日 本機械学会論文集C編,59(558),624(1993)
5)Hanis,C,HandC泥。e,CE.,”Shockand VibrationHandbook3",McGIaw-Hill,p、
41-39(1961)
(原稿受付1994年1月17日)
(審査受理1994年5月31日)