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地域在住高齢者における社会活動の関連要因

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Ⅰ.研究の背景と目的

日本人の平均寿命は急速に延伸し、2000年 では男性が77.6歳、女性が84.9歳であったが、

2014年にはそれぞれ80.5歳、86.8歳となり、80 歳以上人口が初めて1000万人を超えた。また、

高齢者人口は3000万人を超え、総人口に占める 65歳以上の割合は26.7%となり、ともに過去最 高となった₁)。このような近年の超高齢社会の 進展に伴い、佐藤₂)は「従来の退職後の人生を その終末に向かう『老後』と捉える人生計画で はなく、活力ある後半期の人生の始まりとする 人生計画の下に生きる人々が増加すると考える ことが必要である」と述べている。

これは、1947年(昭和22年)から1949年(昭

和24年)に生まれた、いわゆる「団塊の世代」

が2012年から65歳となり、それ以降65歳以上の 人口が毎年100万人ずつ増加する等、高齢者層 の大きな比重を占めることになってきたことに もよると考えられる。これらの世代は高度成長 期に青年期を過ごした世代であり、佐藤₂)はこ の団塊世代の生きがいについて「団塊世代は、

同一年齢人口は膨大ではあるが、実は、同一の 階層、思想、経験からなる集団とは考えられな い」と述べており、彼らの生活体験や生活スタ イルの多様性を考慮すると、その退職後の生き がいの対象や概念は、彼らより年上の層以上に 多岐に広がる可能性があると示唆している。こ のように、これまでにつくられてきた「高齢者」

像に一層の変化が見込まれ、趣味等の個人的な

地域在住高齢者における社会活動の関連要因

――仙台市を事例として――

論 文

要旨:本研究の目的は、社会活動を行っている高齢者の参加に関連する要因を検討する こととした。調査方法は、仙台市において、無作為に抽出した65 〜 84歳の高齢者に対 し自記式調査票を用いた郵送調査を行った。分析対象者は、自立している222人(平均 年齢71.7歳)とした。社会活動は、橋本らの社会活動指標を参考に、「趣味」「スポーツ」

「学習活動」「ボランティア」の₄つの種別で捉え、各活動を活動状況別に基本属性、身 体的・社会的状況、活動認知状況等と比較・検討した。₄つの種別において活動群と非 活動群に有意差が認められた項目を独立変数とし、重回帰分析を行った結果、仙台市在 住の社会活動が活発な高齢者の特徴として、暮らし向きが普通以上であること、外出等 への誘いがあること、スポーツおよび学習活動への活動参加意向があること、の₄項目 が関連していることが明らかとなった。

キーワード:地域在住高齢者、社会活動、関連要因、重回帰分析

桂 理江子※1 佐藤 直由※2

※₁ 東北文化学園大学 医療福祉学部リハビリテーション学科理学療法学専攻

※₂ 東北文化学園大学大学院 健康社会システム研究科健康福祉専攻教授

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活動に楽しみや生きがいを感じる者がいる一方 で、社会とのつながりを求める者も増加すると 考えられる。

そのような中で2012年に定められた高齢社会 対策大綱₃)においても、これまでと同様、基本 施策のひとつとして高齢者の社会活動の促進が あげられ、高齢者が主体的に地域社会や福祉へ 参加することの意義が取り上げられている。先 行研究においても、社会活動を積極的に行うこ とは身体機能の維持や死亡率の減少に大きく寄 与することが明らかとなっており、James ら₄)

は社会活動を一定以上の頻度で行っている者は 移動能力などの障害発生のリスクが低下すると 報告している。また、岡戸ら₅)も社会活動の頻 度は、死亡に対する有意な予測因子であること を示している。

高齢者における社会活動という用語につい て、同義的に使用されるものとして、社会的活 動、社会参加活動がある。社会活動と社会参加 の関係については、社会活動を通じた地域社会 との関わりが社会参加₆)であり、社会活動性(社 会活動の程度)は社会参加の程度を反映したも ₆)との指摘がみられることに則り、本研究 では便宜的に社会活動という用語に統一して示 す。

高齢者の社会参加の定義について、わが国の 先行研究においては「社会と接触する活動、家 庭以外での対人活動」と規定されているものが

多く₆)〜₉)、仕事、社会活動、学習活動、個人

活動の₄側面から捉えている。そのうえで橋本 ₈)は、「社会活動性指標」を作成したが、研 究者によってはこれを基本としながらも若干の 変更を加えて使用している例もある₆)10)11)。本 研究においては、岡本12)が述べている「家族や 親族を超えた他者との対人活動、団体や組織に 参加して行う活動、地域における活動の場への 参加といった、高齢者が空いた時間を活用して 自主的に行う活動の総体」という定義に沿い、

「ボランティア」「学習活動」「主にグループや 組織に参加して行う集団的な活動」の₃つの活 動を設定した。ただし、「主にグループや組織 に参加して行う集団的な活動」は、野辺13)が指 摘するように、集まりには自治会のようなある 地域に住めば自動的に加入することが期待され

ている集団とそうでないものがある。本研究で は、先述したとおり自らの興味や関心を実現す るために自発的に加入する集団に着目したた め、「町内会・自治会」は社会活動の項目から 除外した。また、「主にグループや組織に参加 して行う集団的な活動」の一部に含まれる自発 的に加入する集団について「趣味の講座やサー クル・クラブ活動等」と「スポーツ教室やサー クル活動・スポーツジム」を区別して捉えるこ ととした。さらに同項目に含まれると考えられ る「仕事」についても除外した。その理由は、

内閣府の調査14)において、「生涯学習を行って いない理由」として60代では「仕事が忙しくて 時間がない」(40.8%)が最も多いことから、「仕 事」は社会活動の一側面というより社会活動を 継続・展開するために必要な経済的基盤として の位置づけになると考えられるため、基本属性 の一項目として加えることとした。

以上の手続きを経て、本研究において定義す る社会活動の項目は、①趣味の講座やサークル・

クラブ活動等(以下、趣味とする)、②スポー ツ教室やサークル活動・スポーツジム(以下、

スポーツとする)、③学習活動、④ボランティ アの₄つとした。

社会活動の関連要因を検討した実証的な研究 では、その定義がさまざまであるため単純な比 較はできないが、年齢、性別、学歴、配偶者の 有無、暮らし向き、居住年数、親しい友人・知 人の数、情報認知、活動能力、自己効力感、ソー シャル・サポート、地域共生意識などが関連要 因として報告されている₆)10)11)15)16)。しかしな がら、高齢者の生活全体を捉えようとした視点 をもって、基本属性のほかに、身体的、心理的、

社会・環境的な状況を検討要因として設定し、

かつ他の要因の影響を統計学的に取り除いたう えで、社会活動の関連要因を多角的に検討した 研究は多くない12)。また先述のとおり、高齢者 が社会活動を行うことは、健康の維持や向上の ほか、高齢期の生活の充実、地域や社会の活性 化があげられるが、調査地域の特徴によって社 会活動との関連要因が異なるため、地域の違い による結果を蓄積し、その地域における社会活 動の促進・阻害要因を分析していくことが求め られる。そこで本研究の目的は、仙台市在住の

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社会活動を行っている高齢者がどのような特性 を有しているのか、つまり社会活動の参加に関 連する要因を検討することを目的とした。

Ⅱ.方法

₁.調査方法と対象者

調査方法は、自記式調査票を用いた郵送調査 である。対象者は、仙台市の₅区(青葉区、宮 城野区、若林区、太白区、泉区)に居住する65

〜 84歳(2015年₄月₁日現在)の高齢者500人 であり、その抽出は、住民基本台帳を用いて各 区の人口割合に基づいて無作為に抽出した(表

₁参照)。調査期間は、2015年₈月24日〜 ₉月 10日であり、回収率55.6%(278 / 500人)であっ た。

本研究ではこのうち性、年齢、居住区に欠損 がなく、また地域で生活していくために必要な

能力が概ね自立している者を分析対象とした。

そのため、分析対象者を抽出する際に用いた条 件は、老研式活動能力指標17)の手段的日常生活 動 作(Instrumental Activity of Daily Living:

以下 IADL とする)の項目を参考にした。しか し、自家用車の運転と食事の用意については性 差の影響が大きいと考えられたため、本来は₅ 点満点であるが、日用品の買い物、預貯金の出 し入れ、バスや電車の利用という₃項目にすべ て「できる」と回答した₃点満点の者とした。

そのため本研究の分析対象者は222人であった。

倫理的配慮として、調査対象者に対しては、

協力依頼文書にて協力ができない場合は回答せ ずによいこと、回答されたデータは統計的に処 理し、個人を特定することはないことを示した。

協力が得られる場合は、調査票を無記名で返送 するよう依頼した。なお、本研究は東北文化学 園大学研究倫理審査委員会の承認を得て実施し た(文大倫15−07号)。

₂.分析方法

₁)基本属性等

基本属性は、年齢、性別、学歴、仕事の有無、

居住年数、暮らし向きについて尋ねた。年齢は 後期高齢者(75 〜 84歳)に₀、前期高齢者(65

〜 74歳)に₁を付与したダミー変数を用いた。

性別は男性に₀、女性に₁を付与したダミー変 数を用いた。学歴は、中学校(旧制小中学校・

新制小中学校を含む)卒業に₀、高等学校卒業 以上に₁を付与したダミー変数を用いた。仕事 については、現在収入のある仕事の有無を尋ね、

仕事ありに₀、仕事なしに₁を付与したダミー 変数を用いた。居住年数は、20年未満に₀、20 年以上に₁を付与したダミー変数を用いた。暮 らし向きは「ゆとりがある」「普通」「苦しい」

の₃択で回答を求め、「苦しい」に₀、「ゆとり がある」と「普通」の回答に₁を付与したダミー

変数を用いた。

身体的状況は、外出時のからだのつらさと主 観的健康感を用いた。外出時のからだのつらさ は「少しつらい」と「かなりつらい」に₀、「つ らくない」の回答に₁を付与したダミー変数と した。主観的健康感については₅段階(「とて も良い」「まあ良い」「普通」「あまり良くない」

「良くない」)を統合し、「普通」以上に₁を、「あ まり良くない」以下に₀を付与し、₂段階とし た。

社会的状況について、外出や活動参加への誘 い(以下、外出等への誘いとする)は「何かの 催しもの(イベント)や活動に一緒に参加しま せんか。と誘われることはありますか」という 質問文を用いて₄段階で尋ね、「よくある」と「ま あある」の回答に₁、「あまりない」と「まった くない」に₀を付与し、₂段階とした。友人・

知人の数については、「いない」に₀、「一人以

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上いる」に₁を付与したダミー変数を用いた。

また、情報認知状況を把握するために、友人 への連絡手段および市の福祉サービスについて の情報収集手段を問う設問を設定し、それぞれ 複数回答可とした。

社会活動に対する考えについては、活動への 参加意向、参加したい活動、生きがいづくりに 必要だと思われる支援について尋ねた。活動意 向については、その活動を行っているかどうか に関係なく、その活動をしたいと思うかどうか を₄段階で尋ね、「とてもそう思う」と「まあそ う思う」の回答を「活動参加意向あり」、「あま りそう思わない」と「まったくそう思わない」

を「活動参加意向なし」とした。その他の設問 については、複数回答可とした。また、本研究 においては社会活動と定義しなかったが、他の 活動状況として把握するため、自治体・町内会 の役員経験と老人会参加の有無について尋ね た。自治体・町内会の役員経験については「今 まで役員についたことがない」の回答に₀、「役 員をしている」と「過去に役員をしたことがあ る」の回答に₁を付与したダミー変数とした。

老人会参加の有無については「していない」の 回答に₀、「している」の回答に₁を付与した ダミー変数とした。

₂)社会活動の測定について

社会活動は、活動の種別ごとに、次の₂つの カテゴリーを作成した。それは調査時点で活動 している者(以下、活動群とする)と活動して いない者(以下、非活動群とする)である。また、

活動の種別に関わらず、一つでもしている活動 がある者を「活動群」、全く活動していない者 を「非活動群」とし、全体の活動状況として用 いた。

₃)統計解析

活動群と非活動群の特性の違いを、カイ二乗 検定を用いて検討した。比較する変数は、身体 的状況、社会状況を示す各変数、情報認知状況 に関する各変数、社会活動に対する各変数、統 制変数としては、基本属性を投入した。

次に₄つの活動に共通して有意差が認められ た項目を独立変数とし、従属変数には全体の活

動状況を投入してステップワイズ法による重回 帰分析を行った。分析にあたっては統計解析ソ フト IBM SPSS Statistics 23.0J を用いた。なお、

有意水準は₅%とした。

Ⅲ.結果

₁.分析対象者の特性

分析対象者の特性は、表₂および表₃に示し たとおりであった。基本属性については、性別 は、男性107人(48.2%)、女性115人(51.8%)、

平均年齢は71.7±5.2歳であった。学歴について は高等学校卒業が最も多く54.1%であった。ま た、現在就労している者は全体で、26.1%であっ た。居住年数は20年以上住み続けている者が最 も多く、74.3%であった。暮らし向きについて

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は、「普通」以上(「普通」、及び「ゆとりがある」)

と回答した割合は88.3% であった。

身体的側面については、分析対象者を IADL が₃点以上の者としたが、外出時のからだのつ らさを感じている者は28.8%いた。また、主観 的健康感については「普通」以上が83.3%を占 め、「よくない」と回答した者は16.7%であった。

社会的側面については、親しい仲間や友人 の数が「普通(₃ 〜 ₄人)」と答えた者が最 も多く、31.5%で、次いで「たくさん(₇人以 上)」29.3%であった。また、外出等への誘い は61.7%が「あり」と回答した。

表₄より、情報認知状況に関しては、友人へ の連絡手段として、「固定電話」(71.6%)と「携 帯電話」(69.8%)と回答した割合が高く、次い で「直接会う」(38.3%)であった。また、福祉 サービスの情報収集手段としては、「市の広報 誌」(71.6%)と回答した割合が最も高く、次い で「回覧板」(45.0%)、「新聞」(41.9%)と、情 報収集には紙ベースの媒体を利用している割合 が高かった。

表₅より、社会活動状況に関してはいずれの 活動も活動群は30 〜 40%であった。また現在 の活動状況に関わらず、活動への参加意向はい ずれも50%程度であった。

表₆より、社会活動に対する考えのうち、

参加したいと思う活動として「興味がある内 容の活動」(56.3%)「参加が自由である活動」

(52.3%)が半数を超えており、高齢者の生きが いづくりに必要だと思われることとしては「共 通の趣味や友達をつくる場の提供」(69.8%)と 回答した割合が高かった。また、自治体役員経 験については、およそ₇割が「経験あり」と回 答していたが、老人会へ参加している割合は₁ 割程度に留まった。

(6)

₂.活動種別における活動群の参加要因

活動種別における活動群の参加要因につい て、表₇-₁ 〜表₇-₃に示した。趣味、スポーツ、

学習活動、ボランティアの₄つの活動において、

共通して活動群と非活動群に有意差がみられた 項目は、基本属性に関して「暮らし向きが普通 以上」の₁項目、身体・社会的状況に関して「外 出等への誘いがある」の₁項目、情報認知状況 においては、友人への連絡手段のうち「直接会 う」の₁項目、福祉情報入手手段のうち「地域 包括支援センター」の₁項目、社会活動状況に おいては活動意向があるとした「趣味」「スポー ツ」「学習活動」「ボランティア」の₄項目、社 会活動に対する考えにおいては、参加したい 活動として「癒される活動」「自宅で一人でも できる活動」「移動が便利なところでできる活 動」の₃項目、他活動状況に関して「自治体役 員経験あり」「老人会参加あり」の₂項目の合 計13項目であった。次に活動群の参加要因を検 討するために、全体の活動群、非活動群を従属 変数に、有意差がみられた全ての項目を独立変 数とし、重回帰分析を行った結果を表₈に示し た。活動群の要因として「暮らし向きが普通以 上」「外出等への誘いがある」「活動参加意向あ り(スポーツ/学習活動)」の₄項目に有意差

(7)

が認められた。つまり、社会活動をしている人 の特徴として、暮らし向きにある程度の余裕が あり、外出へ誘い合うような周囲との人間関係 を築いていることのほか、スポーツや学習活動 への参加意向があることが明らかとなった。

Ⅳ.考察

₁.本研究の対象地域における社会活動状況

仙台市在住の高齢者222人を対象に、社会活 動に関する自記式質問調査を行った結果、現在 活動している者の割合は、各活動とも全体の30

〜 40%であり、最も高いものは趣味で41.3%、

低いものはボランティアで31.2%であった。活 動意向に関しては、40 〜 50%の者が活動の意 向を示しており、趣味以外の活動では「意向あ り」が「意向なし」を上回る結果となり、本研

究の対象者の活動参加意向の高さが伺える結果 となった。

₂.社会活動の参加要因

重回帰分析の結果、本調査対象地域の高齢者 の社会活動には、暮らし向きが普通以上である こと、外出等への誘いがあること、スポーツお よび学習活動への活動参加意向があること、の

₄項目が関連していることが明らかとなった。

暮らし向きが普通以上であることに関して、

藤原ら17)は所得や暮らし向きの違いが抑うつ や将来への不安感の増悪と関連があることを示 し、高齢者の心理的健康を維持するうえで、経 済状況を考慮することの重要性を述べている。

本研究においては、心理的健康指数は変数に用 いていないものの、「外出等への誘い」におい て関連が認められることから、活動群は他者と つながりをもつような社会関係を築けているこ とが伺える。本研究は横断研究であるため、因 果関係を明らかにすることはできないが、ある 程度の生活のゆとりが家庭外の活動への興味関 心をもつ一因になっていることが推察される。

また金ら₆)による中高年者を対象として社会活 動指標を使用した研究によると、学歴が高く暮 らし向きにゆとりがあると答えた人ほど、趣味 活動やスポーツ(金らの研究では個人活動)が 活発であったとしている。本研究では、学歴と は有意差は認められなかったものの、スポーツ への活動参加意向が活動要因として関連してい

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たことから、スポーツのような余暇活動は社会 経済水準を反映しやすい活動であると考えられ る。

外出等への誘いがあることに関して、岡本18)

は「他者との結びつき」「活動情報へのアクセ ス」「活動へ結びつく後押し」の₃つが社会参 加の促進要因であるとあげており、これらが互 いに関係し合いながら活動に至ることを指摘し ている。換言すると、友人・知人の数そのもの より、活動情報へのアクセスを助け、活動へ結 びつくきっかけをつくってくれるような他者と の関係が、活動参加に関連していると考えられ る。本研究においても、友人・知人の有無は、

スポーツを除く₃種別の活動群・非活動群にお いて有意差はなかったにも関わらず、外出等へ の誘いは他の要因を調整しても、活動群の関連 要因として有意差が認められたことから、他者 とどのような関係性を築いているかは、社会参 加と密接な関連があることが示唆された。また、

岡本12)は都市部₃地域の高齢者に共通する社 会活動への参加要因を検討し、学習活動が活発 な者の特性として、活動情報の認知の程度が高 いことを挙げている。本研究において、福祉情 報の情報入手手段として様々なツールを選択肢 として挙げたが、最終的な関連要因には至らな かった。このことからも、活動群は外出等への 誘いがあるような他者との関係性の中で活動情 報に触れる機会が多くなり、学習活動への意向 が高まっていったのではないかと考えられる。

本研究では、橋本らの社会活動指標を参考に、

社会活動を「趣味」「スポーツ」「学習活動」「ボ ランティア」の₄つの種別で捉え、各活動を活 動状況別に基本属性、身体的・社会的状況、活 動認知状況等と比較・検討した。そして、すべ ての種別において、活動群と非活動群に有意差 が認められた項目を独立変数とし、重回帰分析 を行った結果、仙台市在住の社会活動を行って いる高齢者の特性として、暮らし向きが普通以 上であること、外出等への誘いがあること、ス ポーツおよび学習活動への活動参加意向がある こと、の₄項目が社会活動の参加に関連してい ることが明らかとなった。

Ⅴ.今後の課題

本研究の限界と課題として以下の₄点が挙げ られる。

第一に、調査対象者数が500人であったの に対し、回収率は55.6%、分析対象者は222人

(44.4%)であった。一般に郵送調査の回収率は それほど高くならないといわれているが、その 中では比較的高かったといえる。しかし得られ た回答は、心身の状態が比較的良好な高齢者に よるものが多いことが推察され、健康状態が思 わしくないとの理由で調査協力が得られなかっ た高齢者の存在が考えられる。また、当然なが ら、本研究の目的に関心が薄かった者の協力は 得られなかったであろう。郵送調査の限界とし て考えられることとして、質問内容に対する回 答の仕方がわからない場合、無回答箇所とした り、調査自体に全く協力を得られなかったこと などが推測され、また代理回答の可能性も考え られる。さらに、本調査は65歳〜 84歳の男女 を対象として実施されたものであり、85歳以上 の在宅高齢者は含んでいないことから、地域在 住高齢者の状況をそのまま反映しているとはい えないことに留意し、本研究の結果を解釈する 必要がある。

第二に、本研究の対象者は、仙台市在住の65 歳〜 84歳の高齢者を対象に検討したものであ る。周辺は農村地域も多く、高齢化・過疎化が 進んでいる地域も少なくない。他の地域におい ても、本研究の結果が該当するかどうかは不明 であるので、他の地域で同様の研究を行い、高 齢者の社会活動に関する知見の蓄積が必要であ ると考える。

第三に、本研究では、調査票紙面の制約があ り、地域在宅高齢者の社会活動の意向に関連す る要因が十分に明らかにできたとはいえない。

また、活動意向に関する質問項目は、岡本ら10)

や内閣府14)の質問項目を参考に用いたが、高齢 者の社会活動を正確にとらえているか検討が十 分であったとはいい難い。今後は、インタビュー 調査にて高齢者自身が考える社会活動とは何か を精緻にとらえ、社会活動を把握するために分 析を深めていくことが必要であると考える。

第四に、本研究は横断分析であることから、

(9)

今後はデータを追跡し、縦断分析を行うことで 因果関係を明確にする必要がある。

引用文献

₁)総務省統計局「高齢者の人口」.[2015-12- 16 入手 ].入手先:http://www.stat.go.jp/

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10)岡本秀明,岡田進一,白澤政和:大都市居 住高齢者の社会活動の関連する要因−身 体、心理、社会・環境的要因から−.日本 公衛誌,7:504-514,2006.

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阻害要因の検討−独居・要介護・在日韓国 人高齢者へのインタビュー調査から−.社 会福祉学,(48)4:146-160,2007.

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Primary Factors in Elderly Local Area Residents’

Participation in Social Activities

―Sendai as a Real-World Example―

Abstract

The purpose of this study is to examine the primary factors related to participation of the elderly in social activities. The method used was a self-reporting questionnaire sent by mail to a randomly-selected group of Sendai city residents aged 65–84 years. Results were analyzed for the 222 survey respondents (average age:

71.7 years ) . For the purpose of the study, social activities were divided into four different categories ( hobbies, sports, learning activities, and volunteer work) based on the index figures defined by Hashimoto, et al (1997) . For each activity and activity condition, we considered and compared factors such as the fundamental category, physical and social conditions, and the activity awareness conditions. We performed a multiple regression analysis with the significant differences between activity and inactive activities within the four categories as an independent variable. The results revealed four separate factors with a clear relationship to participate in many social activities among elderly residents of Sendai: living in circumstances that are better than average, receiving invitations such as to go out with friends, and so having an interest in participating in sport, and having an interest in participating in learning activities too.

Key word : participation of the elderly, randomly-selected group, multiple regression analysis

Rieko KATSURA, Naoyoshi SATOU

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