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加害者の処遇に対する有効性認知と更生支援活動参加意向の関係

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Academic year: 2021

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加害者の処遇に対する有効性認知と更生支援活動参加意向の関係

讃井知1・上市秀雄2

(筑波大学大学院1,筑波大学2

キーワード:更生支援,向社会的行動,行動意図

目的

罪を犯した者や非行少年(以降本稿では「加害者」と 呼称)の社会復帰を支援する活動に一般市民による更生 支援活動があるが,近年その重要性が高まっている。し かし,活動者の高齢化や人員の継続的確保が課題となっ ており,今後持続的な更生支援活動が行われるためには 国民の理解と協力を一層促す必要がある。

そのための具体的方策として,現在多様な情報提供が 行われている。しかし,その情報がどのような理解や行 動を促すかについての知見は十分ではない。

本研究では,加害者や更生支援に対するどのような認 識や評価が更生支援活動の参加意向の向上に影響するの かについて明らかにすることで,今後の理解促進方策を 探るための具体的な示唆を得ることを目的とする。

方法

調査概要 インターネット調査会社に登録している 全国の一般市民 1,060 名に対して調査を行った(20 代~

60 代,男女同数)。

変数 質問項目に対し因子分析を行い,各因子を得た

(最尤法,プロマックス回転)。因子名をそれぞれ 情報 接触 (犯罪に関する,ニュース,報道番組,新聞記事な どの閲覧および会話の程度を問う 4 項目(α=.84)), 知識 (保護司制度に関する知識を問う 5 項目(α=.90)),

更生可能性認知(適切な処遇をされれば更生することが できるかや更生の可能性の高さの見積もりを問う 3 項目 (α=.75)),社会内処遇有効性認知 (社会奉仕活動の重 要について問う 2 項目(α=.87)),施設内処遇有効性認 知 (社会内ではなく施設の中で更生を目指した方がよ いかについて問う 2 項目(α=.77)), 加害者(更生支援 対象者)に対する不安 (身近に加害者がいる際に感じる 不安の程度を問う 3 項目(α=.75),地域責任感 (地域 の問題をどれだけ自分達市民で解決しようとするかにつ いて問う 4 項目(α=.80)),更生支援活動参加意向 (更 生支援に関する諸活動への参加意向を問う 6 項目(α

=.92))とした。

結果と考察

更生支援活動参加意向に影響を及ぼす要因を明らか にするために,共分散構造分析を行った。なお,すべて の分析には SPSS Statics25,IBM SPSS Amos を使用した。

(GFI=0.092, RMSEA=0.051)(図 1)

図 1 更生支援活動参加意向に影響を与える各要因感の関係性

知識は直接的には参加意向を高めておらず,地域責任 感に弱い影響を与えていることが分かった。一方,情報 接触は地域責任感および参加意向を直接高めていること から,単なる知識ではなく,その知識や情報に日常生活 の中でいかに触れているかが重要であると考えられる。

処遇方法別に有効性認知の参加意向への影響をみると,

施設内処遇は加害者に対する不安感を介し,更生可能性 認知や参加意向を低めていることが分かった。逆に社会 内処遇の有効性認知は地域責任感を介し,参加意向を強 く高めていた。しかし,社会内処遇の有効性認知が地域 責任感を介さない場合は,逆に参加意向を低めており,

慎重な解釈が必要とされる。今回社会内処遇の有効性認 知は,社会奉仕活動の必要性について限定的に問うてい ることから,社会奉仕活動の必要性を認識しつつも,そ れを地域の中で行うことに対しては賛成ではない場合が 考えられる。

以上より,参加意向の向上には社会内処遇の有効性を 認知していることが重要だと考えられるがそれと同時に,

地域の問題として認識させる情報の提供が有効であるこ とが示唆された。

参照

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