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札幌コミュニティドームにおける屋根雪の滑雪特性について

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Academic year: 2021

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(1)

北 海道の雪氷 No 16(1997)

札 幌 コミュニティドームにお け る屋 根 雪 の 滑 雪 特 性 につ いて

○苫米地

 

,細

 

和彦

,山

 

英治

,伊

 

敏幸

 (北

海道工業大学)

1  

は じめ に

膜 構 造 建 築 物 に用 い られ る膜 材 (四ふ っ化 エ チ レ ン樹 脂 コ ーテ ィ ング ガ ラス繊 維 布

)は

,

可 視 光 範 囲 の透 過 率 が 高 く明 るい空 間 を創 り 出 す こ とが で き る。 多 雪 地 域 の膜 構 造 建 築 物 は

,こ

の 膜 材 の特 徴 を有 効 に活 用 す る た め,

膜 面 裏 面 に温 風 を 吹 き 付 け る な ど熱 エ ネ ル ギ ー を与 え て 「融 雪 と滑 雪 」 と を併 用 した 屋 根 雪 処 理 (以 下, この屋 根 雪 処 理 方 法 を 「融 滑 雪 」 と い う。

)を

行 い 屋 根 面 に雪 が 残 らな い よ うな 工 夫 を行 って い る 。 しか し

,こ

れ らの 多 くは

,積

極 的 に屋 根 雪 処 理 を行 わ な い 建 築 物 と同 等 の荷 重 評 価 を行 っ て い る の が 一 般 的 で あ る。 この原 因 は

,こ

れ ま で 多 雪 地 域 に膜 構 造 建 築 物 の 実 績 が 少 な く屋 根 雪 の 処 理 方 法 に 関す る有 効 性 が十 分 に把 握 され て いな いた め と考 え る。

本 研 究 で は

,膜

構 造 建 築 物 の合 理 的 な 屋 根 上 積 雪 荷 重 の評価 を行 う こ と を 目的 に

,札

幌 市 に建 設 さ れ た 札 幌 コ ミ ュ ニ テ ィ ドー ム を 対 象 に滑 雪 状 況 に 関す る連 続 的 な 観 測 を行 った 。

礼 幌 コ ミ ュニ テ ィ ドー ム を 対 象 と した 滑 雪 状 況 の 観 測 方 法

札 幌 コ ミ ュ ニ テ ィ ドー ム は

,二

重 膜 構 造 で 外 膜 と内 膜 と の 間 に温 風 (温 風 の 吹 き 出 し温 度 約 60℃

)を

送 風 して 屋 根 雪 を融 滑 雪 お よ び 融 雪 処 理 す る 計 画 とな っ て い る 。 滑 雪 状 況 の 連 続 観 測 は

,図

1に示 す よ う に ドー ム か ら約

50m離れ た 集 合 住 宅 の8階か らタ イ ム ラブ ス ピデ オ を用 いて 行 った 。 観 測 した 屋 根 面 は, 図 に示 す よ う に冬 期 間 の 主 風 向 の 風 下 側 で 南 東 に位 置 す る 部 位 で あ る 。 観 測 期 間 中 の 気 象 条 件 は

,同

ドーム に 隣 接 す る丘 珠 空 港 の気 象 観 測 資 料 (1996年 12月 16日 〜1997年 3月 21日)

を用 いて 整 理 した 。 この 観 測 期 間 中 の 1997年 2月 14日 〜 27日 の 間

,図

中 に 示 す8点の 膜 面

裏 面 温 度 を 10分 ご とに熱 伝 対 を用 いて 測 定 し た 。 な お

,観

測 期 間 中は

,温

風 が 送 風 さ れ て い な い状況 で あ った。

札 幌 コ ミ ュニ テ ィ ドーム を 対 象 と した 滑 雪 状 況 の 観 測 結 果

タ イ ム ラ プ ス ピデ オ に よ る 滑 雪 状 況 の 観 測 結 果 を み る と

,屋

根 雪 の 滑 雪 現 象 は 95回 観 測 され た 。 これ らの 滑雪 状況 を時 刻 ご とに 整 理 す る と

,滑

雪 現 象 の発 生頻 度 は屋 根 勾 配 の差 異 に よ りや や 異 な って い る 。 屋 根 勾 配30° の 部 位 で は6時〜 10時 の 間 に集 中 し

,屋

根 勾 配

20° の 部位 で は 10時 〜 14時 の 間 に集 中 し

,屋

根 勾 配 の大 き い 部 位 で 早 い 時 刻 に滑 雪 現 象 が 発 生 して い る 。 こ の状 況 を外 気 温 の 推 移 に対 応 させ る と

,外

気 温 の 上 昇 に伴 つ て 滑 雪 現 象 の発 生 が 多 くな って いる。 この 傾 向 は屋 根 勾 配20・ にお い て 顕 著 で 日最 高気 温 に達 す る時 刻 に 発 生 頻 度 が 最 も多 い 傾 向 を 示 し, 日最 高 気 温 が 滑 雪 現 象 の 発 生 を示 す 一 つ の 指 標 に な

り得 る と考 え る 。

図2に滑 雪 時 の 外 気 温 と 日降 雪 深 との 関 係 を示 す 。 外 気 温 は1時間 毎 の観 測 の た め

,滑

雪 現 象 が 発 生 した 時 間 に最 も近 い 時 間 の 値 と した 。 図 の よ う に

,両

者 の 関 係 は 大 き な バ ラ ツ キ を持 って い る が

,図

中 に示 した 実 線 が そ れ ぞ れ の 屋 根 勾 配 にお け る滑 雪 現 象発 生 の境 界 値 と考 え る こ とが で き る 。 屋 根 勾 配20° の 境 界 値 をみ る と

,外

気 温 が 低 くな る に伴 い 日 降 雪 深 が 大 き くな っ て い る こ とか ら

,滑

雪 現 象 の 発 生 は外 気 温 の他 に降 雪 深 に も依 存 して い る と言 え る。 屋 根 勾 配30・ の 境 界値 を み る と, 5℃前 後 の 滑 雪 現 象 は 日降 雪 深 の 大 小 に 関 わ らず 発 生 して い る こ とか ら

,滑

雪 現 象 の 発 生 は 屋 根 勾 配 に依 存 して い る と言 え る 。

図3に屋 根 勾 配20・ の 部 位 にお け る外 気 温 が マ イ ナ ス の 範 囲で の滑 雪 時 の外 気 温 と膜 面

‑31‑

(2)

北海 道 の雪 氷 No.16(1997)

裏 面 温 度 との 関 係 を示 す 。 図 の よ う に

,滑

雪 時 の膜 面 裏 面 温 度 は0〜

‑12℃

の 範 囲 に分 布

,外

気 温 の 上 昇 に伴 い膜 面 裏 面 温 度 も比 例 的 に上 昇 す る傾 向 を示 す 。 これ ま で の 筆 者 ら の室 内実 験 にお いて も

,本

観 測 で 得 られ た 滑 雪 時 の膜 面 裏 面 温 度0〜‑1.2℃の 範 囲 で 分 布 し

,外

気 温 の 上 昇 に伴 い膜 面 裏 面 温 度 も 比 例 的 に上 昇 す る傾 向 を示 す 。 これ ま で の 筆 者 ら の 室 内 実 験 にお いて も

,屋

根 葺 き 材 と屋 根 雪 との 界 面 に発 生 す る滑 雪 抵 抗 と して 最 も大 き な 影 響 を及 ぼす 到 着 現 象 は 本 観 測 で 得 られ た 滑 雪 時 の 膜 面 裏 面 温 度 と 同 様 の 温 度 範 囲 で 不 安 定 な 状 況 とな る結 果 が 得 られ て い る1)。 ま た,95回の 滑 雪 現 象 を滑 雪 時 の外 気 温

(t)

別 にみ る と, 0℃

<tで

29回,‑2℃

<t≦

0

℃ で 30回, t≦‑2℃ で 36回 発 生 し, 0℃以 下 で 全体 の69%を 占 め て い る 。 従 っ て

,本

ドー ム の よ うに十 分 な 屋 根 勾 配 を持 っ て い る場 合 に は外 気 温 お よ び膜 面 裏 面 温 度 が マ イ ナ ス の 範 囲 で も滑 雪 現 象 が 十 分 に発 生 す る と言 え る。

4.ま

と め

本 研 究 で は

,膜

構 造 建 築 物 の 屋 根 上 積 雪 荷 重 の 適 正 な 評 価 を行 こ と を 目的 に

,札

幌 市 に 建 設 さ れ た 札 幌 コ ミ ュ ニ テ ィ ドー ム を対 象 に 滑 雪 状 況 に 関 す る連 続 的 な 観 測 を行 っ た 。

そ の 結 果

,膜

構 造 建 築 物 は

,屋

根 雪 処 理 が 有 効 に作 用 して い るた め

,制

御 積 雪 荷 重 を用 い る こ とが 十 分 に可 能 と考 え る2)。 融 滑 雪 に よ る 制 御 で は

,融

雪 装 置 の 信 頼 性 の 関 わ る作 動 性 能 と管 理 運 用 計 画 を十 分 に検 討 す る こ と で

,制

御 積 雪 荷 重 を用 い る こ とが 可 能 と考 え る。 自然 滑 雪 によ る制 御 で は

,屋

根 勾 配20°

以 上 で あ れ ば外 気 温 お よ び膜 面 裏 面 温 度 が 0

℃ 以 下 で も 自然 滑 雪 が 発 生 して い る こ とか ら,

各 建 設 地 の 日最 高気 温0℃以 下 の 連 続 日数 を 基 に増 分 積 雪 深 の再 現 期 待 値 を制 御 積 雪 荷 重 と して 設 定 す る こ とが 可 能 と考 え る。

【参 考 文 献 】

1)苫米 地 司 ほか:屋根 上積 雪 荷重 に関す る基 礎 的研 究,

日本雪 氷 学 会誌「雪氷」56巻 3号 ,pp 215‑222,19949 2)(社)日本 建 築学 会 編:建築 物 荷 重 指針 。同解 説,

pp 197‑200, 1993 6

札 幌 コ ミ ュニ テ ィ ドー ム にお け る観 測 方 法 の 概 要

屋根勾配20° の場合

□ は滑雷領域

・・ ° o ↓  ・

  '.

・ 卜■

│■

0       5

外気温(℃)

日降 雪 深 との 関 係 1

︲0

滑 雪 時 の 外 気 温 と 外気温X(℃)

3 に

度 囲 温

> 範 面 合 の 裏 場 ス 面 の ナ 膜

︒ ィ と 20 マ温 配 が 気 勾 温 外 根 気 の 屋 外 時

雪 滑 係 る 関

︵p

︶>撻 颯目 暉目 饉   け の

・1            

・2 お と

屋根勾配30° の場合 は滑彗領域

●● ●

  ●● 

 

P:´

││

Y=0 280X‑0 211 R=0 69

‑32‑

参照

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