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中国における技術輸出入の管理活動

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 おはようございます。

 日本に来て皆様と交流できることを光栄に思 う。本日は中国の知的財産権ライセンシングに 関する法律制度と司法実務についてご説明す る。初めて美しい日本にやって来て、特にうれ しいのは東京で、満開の桜が見られたことだ。

経済産業調査会の招請に感謝する。 

 今回強く感じたのは、日本の弁護士や企業の

法務担当者、大学教授が中国の法制に強い興味を抱いていることである。中国の法 律に対する研究と理解の深さを、先日の大阪セミナーと今回の東京でも感じてい る。大阪での塚本先生、昨晩の中島弁護士や本日の黒瀬弁理士の中国の知財法、特 許法、契約法に対する知識には、驚かされた。このような精神は見習うべきだと思 う。

 今回の講演の出発点は、短い時間でできるだけ中国の知的財産権ライセンシング に関する法律制度、その重要な特徴と主な内容を紹介するということである。

1.中国の裁判所として、知的財産権ライセンシングに係わる紛争を処理する に際しての主な法的根拠は何か

 中国の裁判所としては、紛争処理の根拠は、全国人民代表大会及びその常務委員 会が制定した法律、国務院が制定した行政法規、中国が調印または加盟している国

中国における知的財産権のライセンシングに 関する法律制度及び司法実務

中国北京市高級人民法院高級法官 陳 錦川 江草 裕子(訳)

平成17年度中国知的財産セミナーより ①

1 (有)科技中文翻訳社 E-mail:[email protected]

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際条約、最高裁判所の司法解釈などである。

 ここでご注意いただきたいのは、中国の法律制度を理解するにあたって、中国の 基本的法律、例えば、全国人民代表大会及びその常務委員会が制定した法律以外 に、さらに重要視すべきは、国務院が制定した行政法規及び最高裁判所の司法解釈 であることである。中国の法律は厳格な規定がある。最高裁判所の司法解釈は、実 務において発生した問題に対し、法律に基づいて行った解釈である。司法解釈は、

実情に則した実用性あるものであり、

 中国の司法実務の中で非常に重要な役割を発揮している。一般に重要な法律ごと に、詳しい司法解釈が存在する。

 中国の裁判所が知的財産権のライセンシングにかかわる紛争を処理する主な法律 根拠は、次のように分類することができる。

⑴ 知的財産権のライセンシングに対し、普遍的に適用する法律・法規

 それらは、「中華人民共和国民法通則」、「中華人民共和国契約法」、最高裁判所の

「『中華人民共和国民法通則』を徹底実施することに関する若干の問題についての意 見」、「『中華人民共和国契約法』の適用に関する若干の問題についての解釈」である。

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⑵ 技術ライセンシングに適用される法律・法規

 まず、「中華人民共和国特許法」、「中華人民共和国特許法実施細則」がある。これ らには、特許権と特許出願権の譲渡、実施許諾に関する特別規定がある。

 次に「中華人民共和国技術輸出入管理条例」であるが、これは先程黒瀬先生が詳 しく紹介された。

 もう一つは、最高裁判所の「技術契約紛争事件の審理に適用する法律の若干の問 題に関する解釈」であり、これは技術契約紛争事件において具体的にどのように法 律を適用するかについての解釈である。

⑶ 商標の譲渡、ライセンシングに適用する法律・法規

 これには「中華人民共和国商標法」、「中華人民共和国商標法実施条例」がある。

これに対応する形で、最高裁判所の「商標民事紛争事件の審理に適用する法律の若 干の問題に関する解釈」がある。

⑷ 著作権のライセンシングに適用する法律・法規

 これには、「中華人民共和国著作権法」、「中華人民共和国著作権法実施条例」があ り、著作権の譲渡、ライセンシングに関し、特別の規定を置いている。

 中国では、コンピュータ・ソフトウェアも著作権法の保護対象となっている。国 務院が公布した「コンピュータ・ソフトウェア保護条例」は、「中華人民共和国著作 権法」に基づき、コンピュータ・ソフトウェアの特徴に鑑みて制定されたものであ り、特に章を設けて、ソフトウェアの著作権のライセンシングと譲渡について規定 している。

⑸ 技術の移転に関わるその他の法律

 「集積回路配置設計保護条例」、「中華人民共和国植物新品種保護条例」があり、そ れぞれIC配置設計専有権、植物新品種の出願権、品種権の譲渡及び使用について特 別に規定している。

 次に、中国における技術ライセンシングに関する法律制度を紹介する。

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2.中国における技術ライセンシングに関する法律制度

⑴ 中国の法律制度における技術契約の種類

 中国契約法第十八章「技術契約」には、技術開発契約、技術譲渡契約、技術コン サルティング契約、技術サービス契約の4種類の技術契約が規定されている。

 しかし、最高裁判所の司法解釈によると、コンピュータ・ソフトウェアの開発、

ライセンシング、譲渡、及び集積回路配置設計または植物新品種のライセンシン グ、譲渡などにかかわる契約については、まず、関係法律や先程紹介した行政法規 などを適用する。規定がない場合には、契約法総則及び契約法第十八章の特別規定 を適用する。

 中国の法律にはある特徴がある。私は日本の法律に詳しくないので、日本の状況 がどうかわからないが。中国の法律は、通常、冒頭に遵守すべき基本原則を掲げ る。それは、その法律を制定する際の指導的思想である。多くの条文がこの思想を 貫いている。裁判官としても、具体的事件を処理するに当たり、この指導思想を貫 く。

⑵ 技術契約法の主な原則

 契約法を貫く一連の基本原則は、平等の原則、自己意志の原則、公平の原則、誠 実信用の原則である。技術契約については、強調すべき以下の原則がある。

1.約定優先の原則

 中国契約法は、当事者の意思を尊重している。多くの条項は、権利義務の分担に ついて、まず当事者が決定すると規定しており、強制的な規定はない。よって、法 律に強制的規定がない限り、当事者が約定することができる。契約関連法規では、

強制的規定は非常に少ない。従って、当事者間に約定がない時にのみ、法律の権利 義務の分担に関する規定を適用する。例えば、技術開発契約について、契約法第338 条の規定によれば、契約を履行するリスク責任はまず当事者が約定する。約定がな い場合には、当事者が合理的に分担する。よって、契約法の多くの規定が、「当事者 の約定のない限りにおいて・・・」となっている。

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2.契約の効力をできるだけ維持すると同時に、知的財産権と取引における地位の 乱用を防止する。

 以前の法律、例えば、民法通則と比べると、「契約の効力をできるだけ維持する」

原則は中国契約法の中に十分に反映されている。中国民法通則と比較して、中国契 約法は契約無効の範囲を大幅に縮小した。以前であれば、契約無効となる状況で あっても、現在では、「変更することができる」、「取り消すことができる」となる場 合がある。

 例えば、当事者が特許を出願した技術に関し、特許実施許諾契約を結んだ場合、

契約無効とすべきでない。もし、許諾者に確かに詐欺的行為が存在し、これにより 被許諾者が真実の意思に背く結果となった場合、被許諾者は被害者として、契約の 変更または取消しを請求することができる。

 また、当事者の一方が技術移転の名目ですでに公知の技術を提供した場合、また は技術移転契約履行の過程において、契約の対象である技術が公知となった場合に おいて、技術の提供側が技術指導を行い、技術の知識を伝え、相手方の特定の技術 課題を解決することが約定した条件に合致しているときには、技術サービス契約と して処理する。この時、約定していた技術移転費は、技術サービスを提供した報酬 及び費用とみなすことができる。ただし、当該費用が明らかに不合理であるとき は、当事者の請求に従い合理的に定めることができる。

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 もう一つ、先程黒瀬先生が契約無効に関し提起された件がある。それは、契約法 329条「違法に技術を独占し、または技術の進歩を妨げ、または他人の技術成果を侵 害する技術契約は無効である」の一つに該当し、契約無効となる場合、全てが無効 となるのか、それとも一部無効となるのか、という問題である。司法実務の精神か ら言うと、やはり「できるだけ契約を維持する」という原則を堅持するべきである と考える。契約法329条を適用して技術契約を無効と認定する際、単純に契約の全部 を無効にする処理をすべきでない。契約を一部無効にして他の部分に影響しないと きは、他の部分はなお有効とする。これが実務上の基本精神である。しかし、契約 法329条にいう「他人の技術成果を侵害する」場合、技術契約は無効である。そもそ も「他人の技術成果を侵害する」技術契約は、その取引自体が他人の権利への侵害 行為の上に成り立ったものであるから、すでに適法性を喪失している。このような 場合は、契約無効とみなされる場合が多い。

 中国契約法における知的財産権と取引地位の乱用を防止する規定は、329条の「違 法に技術を独占し、または技術の進歩を妨げ、または他人の技術成果を侵害する技 術契約は無効とする」である。最高裁判所の「技術契約紛争事件の審理に適用する 法律の若干の問題に関する解釈」第10条は、契約法の精神に則って「違法に技術を 独占し、または技術の進歩を妨げる」という特別な無効理由の6つの場合を列挙し ている。また、技術輸出入管理条例29条では、これら特別な無効理由の具体的状況 を詳しく規定している。司法解釈と管理条例に規定する状況には若干の違いはある が、基本精神は同じであり、裁判所が紛争事件を審理する際の法的根拠となってい る。

3.技術契約の対象である技術の特性を反映するという原則

 契約法と司法解釈は、技術契約を調整する際に、契約の技術的要素を重視強化 し、技術の特色を反映させ、技術契約の対象の特徴に基づき、一連の規定を設け た。例えば、職務上の技術成果の認定に関し、契約法326条2号では、「企業の業務 を執行することにより、または主に企業の物質的技術条件を利用することにより完 成した技術成果は、職務上の技術成果に属する」と規定している。「主に企業の物質 的技術条件を利用」という点に関し、司法解釈は、技術成果の技術的要素をより重 視し、物質的貢献の要素をより小さく考えている。また、司法解釈では「企業の物 質的技術条件」について、「従業員が『全部または大部分』において企業の物質的条 件を利用したのみならず、かつ『これら物質的条件が該技術成果の形成に実質的影 響を有する』場合においてのみ、職務上の技術成果と認定される」としている。こ

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のほか、技術契約の無効、取消しの後の法的結果の面でも、また契約違反の処理に 関しても、技術的特性を反映する規定となっている。例えば、契約法58条は、契約 無効または取消し後の処理に関する規定であるが、それによると、無効または取消 し後、契約により取得した財産は返還しなければならない、となっている。しか し、実務上は、技術契約の特徴により、単純に返還規定を適用できない場合があ る。技術媒体や金銭は一般の財産と同様に返還するが、特に注意すべきは、技術の 実施の停止及び秘密保持義務規定の利用である。これに関する事例としては、北京 の華光探傷機廠事件がある。

 これは、被告は約定通りに原告に完全な技術資料を提供しなかったため、原告は その資料だけでは合格製品を製造できなかったというものである。判決は、契約解 除、解除後原告は被告に技術資料を返還し、該技術の使用を停止する、と判示され た。

 次に、契約法におけるいくつかの重要な契約を紹介するが、その前に実務上注意 すべき点だけを述べる。各種契約の定義、内容については詳述しない。

  

 注意点:技術成果の帰属をどのように決めるか。

 これは、主には、職務上の技術成果の確認の問題である。契約法326条に、職務技 術成果の認定条件が規定されている。すなわち、「職務上の技術成果とは、法人また はその他組織における業務上の任務の執行により、または主として法人またはその 他組織の物質的技術条件を利用して完成させた技術成果をいう」。これを理解するに は、法律は、まず「当事者間の約定を優先」という原則を尊重しているという点に 注意すべきである。最高裁判所の司法解釈の2条2項では、「法人またはその他組織 とその従業員との間において、従業員が在職期間中または離職後に完成した技術成 果の権利について約定のある時は、その約定に従う」と規定している。この規定を 特許法の関連規定と照らし合わせると、表面的には若干違うように見える。特許法 の6条では、「主に所属企業の物的技術条件を利用して完成した発明である場合の み、権利の帰属は当事者の約定に従う」と規定されている。しかし、司法解釈では、

単に「所属企業の物的技術条件を利用」したのみならず、「企業の任務の執行の結果 なされた発明」も当事者の約定に従うことができる、としている。当事者の間に約 定がない場合は、「企業またはその他組織における業務上の任務の執行により、また は主として企業またはその他組織の物質的技術条件を利用して完成させた技術成果」

であるかどうかという点に基づき、判断がなされる。では、「企業の業務上の任務の

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執行」とは何か。二つの場合がある。一つは、企業における職場の職責の履行であ ること。すなわち、従業員が所属する企業の職場の仕事の任務と責任範囲になけれ ばならない。二つ目は、企業が従業員に与えた具体的な技術開発任務であること。

職務上の技術成果とは何か、については、先程の「技術契約の対象の特性を反映」の 項で詳述したので、ここでは繰り返さない。

3.技術開発契約

 いくつか注意すべき点がある。

⑴ リスク責任の分担

 技術開発契約の履行中に、克服できない技術的困難に遭遇し、研究開発全体また は一部が失敗した場合、リスク責任はどのように分担するか。

 契約法第338条によれば、このような状況は契約違反行為に該当しないので、契約 違反の責任の問題は存在しない。技術開発のリスク責任は当事者が契約の中に約定 すべきである。当事者間に約定がなく、または約定が明確でないか確定できないと きは、当事者が合理的に分担する。実務上、研究開発の失敗をリスク責任であると 見るか、について、裁判所の考えは次の通りである。まず、検討するのは、その研 究開発プロジェクトが国内外の従来技術の水準からみて十分な難度を有しているか である。次に、開発者が研究開発の過程において主観的な努力をなしたか、主観的 積極性を十分に発揮したか、獲得した実質的進歩はどれほどか、を判断する。三 に、その分野の専門家から見てその失敗が合理的な失敗であるかを考慮する。

⑵ 技術成果の帰属と持ち分

 原則は「当事者の約定優先」である。すなわち、権利の帰属と分配は約定に拘束 される。約定がない場合は、契約の具体的内容に従って処理する。

1.委託開発が完了した発明について

 契約に約定がない場合、特許を出願する権利は研究開発者が有する。ただし、委 託者は以下のようなメリットを享受できる。つまり、研究開発者が特許権を取得し たとき、委託者はその特許を無償で実施できる。研究開発者がその発明の特許出願

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権を譲渡しようとする場合、委託者はその権利を優先的に譲り受けることができ る。

2.共同開発が完了した発明について

 特許を出願する権利は共同開発の当事者が共有する。当事者の一方が共有の特許 出願権を譲渡しようとする場合、他の当事者らはその共有の特許出願権を優先的に 譲り受けることができる。当事者の一方が共有の特許出願権を放棄すると宣言した 場合、他の当事者が単独で出願し、または他の当事者らが共同で出願することがで きる。出願人が特許権を取得したとき、特許出願権を放棄した当事者はその特許を 無償で実施できる。

3.委託開発または共同開発が完了したノウハウについて

 これは上記と若干状況が異なる。

 当事者はすべて使用と譲渡の権利を有すが、委託された研究開発者は、委託者に 開発の成果を引き渡す前に、その成果を第三者に譲渡してはならない。

 上述の「当事者はすべて使用と譲渡の権利を有する」とは、契約法の規定である。

しかし、司法解釈はこれに対し、一定の制限を加えている。すなわち、「使用と譲渡 の権利」には、当事者が相手方の同意を得ずに自ら使用でき、または通常実施許諾 の方式で他人にノウハウの使用をライセンシングすることが含まれる。当事者の一 方が譲渡権を他人に譲渡し、または、独占的または排他的実施許諾の方式で他人に ノウハウの使用をライセンシングした場合、相手方当事者の同意または追認を得て いなければ、その譲渡または実施許諾は無効である。

4.技術譲渡契約

 注意すべき点は以下の通りである。

⑴ 譲渡した技術の実施が他人の権利を侵害した場合の責任の分担

 契約法の規定によると、技術譲渡契約の譲渡人は自らが当該技術の合法的所有者 であることを保証し、譲受人が契約の約定に従って特許を実施しまたはノウハウを

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使用することが第三者の合法的な権益を侵害しないことを保証しなくてはならな い。譲受人が契約の約定に従って特許を実施しまたはノウハウを使用する行為が第 三者の合法的な権利を侵害する場合、その侵害の責任は譲渡人が負う。ただし、契 約中に侵害の責任の分担について約定がある場合には、契約の約定に従う。このよ うに責任分担においても「約定優先」の原則が貫かれている。しかし、契約法と技 術輸出入管理条例24条の規定とが、必ずしも一致していないことに注意しなくては ならない。技術輸出入管理条例24条によると、「技術輸入契約の譲受人は、契約の約 定に従い譲渡人が提供した技術を使用することによって他人の合法的権利を侵害し た場合、譲渡人が責任を負わねばならない」。ここには、当事者間の約定があった場 合、侵害責任をどちらが負うかについての規定はない。契約法と技術輸出入管理条 例の差異に関し、契約法355条によると「法律、行政法規に技術輸出入契約について 特段の定めがあるときは、その規定に従う」となっており、これにより、技術輸出 入管理条例の規定は、契約法の授権によって成り立っていることがわかる。よって 特別法を優先適用するという原則に基づき、技術輸出入契約についても技術輸出入 管理条例を適用すべきである。以上をまとめると、次のようになる。契約の履行に 伴って発生した侵害の責任分担は、技術譲渡契約においては、通常、譲渡人が責任 を負う。ただし、別途約定のある場合はこの限りでない。しかし、技術輸入契約に おいては、法定責任主体は明確であって、譲渡人のみが責任を負う。当事者が別途 約定することはできない。

⑵ その後に改良された技術成果の帰属と持ち分

 技術譲渡契約の譲渡人も譲受人も譲渡した技術成果を改良する権利がある。改良 された技術成果は、同様に、まず技術譲渡契約の約定に基づき、帰属と持分を決定 する。契約に約定がなく、または約定が明確ではないか確定できないときは、一方 が改良した技術成果に対し、他の当事者は持ち分の権利がない。

5.特許権譲渡契約

 特許権譲渡契約について注意すべき点を紹介する。

⑴ 特許権譲渡契約の内容

 契約に関し、「特許の実施と実施許諾の状況」の部分の内容について特に注意する 必要がある。最高裁判所の「技術契約紛争事件の審理に適用する法律の若干の問題

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に関する解釈」第24条の規定は、「特許権譲渡契約または特許出願権譲渡契約を締結 する前に譲渡人がすでに自ら発明を実施している場合、契約が効力を生じた後に、

譲受人がその実施の停止を要求した時には、譲受人の要求が満たされるべきであ る。ただし、当事者間に別の約定がある場合は除外される。特許権譲渡契約または 特許出願権譲渡契約は、契約成立前に譲渡人が他人と締結した関連特許の実施許諾 契約またはノウハウ譲渡契約の効力に影響を及ぼさない。よって、当事者が特許権 譲渡契約の仲に、譲渡人が実施を続けてよいか、既に締結された特許の実施許諾契 約の権利と義務をどのように移転するかという問題について明確に記載すること が、非常に重要である。

⑵ 特許権譲渡契約の成立

 中国特許法とその実施細則に特別の規定がある。

 特許法第10条により、特許権を譲渡する場合、当事者は書面により契約し、国務 院特許行政部門に登録しなければならない。国務院特許行政部門はこれを公告す る。特許権の譲渡は登録の日より効力を生じる。よって、特許権譲渡契約は当事者 が書面による契約に署名または捺印する時から成立し発効するものの、特許権譲渡 の効果を生じさせるには、国務院特許行政部門への登録を要する。

 「中国の単位」すなわち企業・機関・組織、または個人が特許権を外国人に譲渡す る場合、国務院の関係主管部門の認可を受けなければならない。この「中国の単位」

には、中国の法律に基づき設立された中外合弁企業、中外合作経営企業及び外国の 独資企業が含まれることに注意する必要がある。

6.特許実施許諾契約

 特許実施許諾について注意すべき点

 契約においては「検収の基準と方式」の条項をできるだけ明確に、具体的に記載 すべきである。私の経験によれば、この条項の不明確さによって生じる紛争が比較 的多く、処理がかなり難しい。司法実務において、技術の検収の基準と方式の条項 の不明確さまたは約定していないことが原因で紛争が生じ、かつ他に解決の方法が ない場合、通常、裁判所は双方とも責任があるが、譲渡人が主要な責任を負うと認 定する。

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7.中国における知的財産権ライセンシングにかかわる紛争の訴訟手続き

⑴ 紛争の解決方法

 中国の法律によると、当事者は契約中に紛争の解決方法を約定できる。契約にお いて仲裁を約定してあるとき、または紛争後双方が仲裁によると決めた場合は、司 法管轄を排除することができる。当事者が仲裁条項を約定せず、または仲裁合意が 無効である場合、裁判所に訴訟を提起できる。法的効力が発生した判決、仲裁裁決 は、裁判所に執行を請求できる。

⑵ 訴訟の管轄

 これについては、少し詳しく説明する。

 級別管轄:中国の裁判所は4つの級に分かれており、二審制となっている。すな わち第二審が最終審である。最下級の裁判所(法院)は「基層法院」、次に「中級法 院」、「高級法院」、「最高法院」である。

 知的財産権の紛争事件は通常、中級以上の裁判所が管轄する。最高法院に指定さ れた一部の「基層法院」も、一部の知的財産権事件を管轄することができる。しか し、特許(実用新案と意匠を含む)権にかかわる紛争事件は、最高裁判所が指定し た中級裁判所が管轄しなければならない。つまり、すべての中級法院が特許権紛争 事件を審理できるわけではないため、特許権譲渡契約、特許出願権譲渡契約に関す る紛争は、最高裁判所が指定した中級裁判所に提訴しなければならない。その他の 知的財産権(商標権、著作権)の譲渡またはライセンシングの紛争の場合、民事訴 訟法に定める管轄権を有する裁判所に提訴する。

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 協議管轄:外国が関与する契約の当事者は、協議により裁判管轄地を決めること ができる、その条件は、管轄地が紛争と実際の関係がある地域であることであり、

中国の裁判所を選択する場合、民事訴訟法に定める級別管轄と専属管轄の規定に違 反してはならない。

⑶ 適用法の選択

 外国が関与する契約の当事者は、契約の紛争の処理に適用する法律を選択でき る。当事者が選択しなかった場合は、契約と最も密接な関係がある国の法律を適用 する。後述の二つのケースは、この適用法選択の問題に関連している。

 第一のケース:日本のある会社と北京のある会社の技術契約において、双方は紛 争時の適用法を約定していなかった。審理を担当した法院は、一方が中国の法人で あり契約の履行地が北京であるので、中国が本契約と最も密接な関係がある国と認 定し、中国の商標法によって本事件を審理することとした。

 第二のケース:中国の会社、米国の会社の双方は契約中に紛争時に適用する法律 を約定していたが、訴訟になってから双方はさらに協議の上、中国の法律を適用す ることに同意した。中国の法院は、両社のこの選択を尊重した。

   

 ここで時間が尽きた。このように短い時間では完全な説明は尽くせなかった。黒 瀬先生のようにうまく時間のコントロールができなかった。不適切な点はお許しく ださい。

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         陳  錦川 

         中国北京市高等裁判所 高等裁判官

         1986 年に西南政法学院を卒業、法学士を取得し、

         1989 年に中国政法大学法学部研修課程を修了、 

         法学修士を取得した。1993 年から知的財産権訴訟          に関する業務に携わり、1996 年から北京市高級裁          判所知的財産権廷の副裁判長を務めた。1998 年          から 1999 年までフランスパリ商業裁判所で研修を受 けた。現在、北京市の裁判所における知的財産権についての訴訟の監 督と指導に携わる。

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 皆様、こんにちは。

 先ず、この機会を借りて経済産業調査会のご 招待に対し感謝の意を申し上げる。お蔭で、13 年ぶりにまた桜が満開の美しいこの国に来るこ とができた。私は、実は13年前の平成五年に日 本で半年の研修を受けた。招いてくださったの は、日本プラント設備協会で、受け入れ先は神 戸製鋼東京本部営業企画課と神鋼商事であっ た。半年という短い期間で合ったが、大変楽し

く過ごすことができた。今はもう余り日本語を話せなくなっている。当時、自分が それほど努力しなかったので、日本語をマスターできなかった。今日は通訳を通じ て話すのでお許し願いたい。昨日、東京に来てなつかしい町並みをながめ、なつか しい地下鉄の名前を耳にした。銀座には多くの人がいて、昔のように賑やかだっ た。とてもなつかしく思う。まるで第二の故郷に帰って来たかのようだ。今御在席 の中には、黒瀬先生のように以前からの知り合いもいらっしゃるが、多くは新たな 友人である。日本の習慣に従い、「初めまして、どうぞ、よろしくお願いいたしま す。」と申し上げたい。

 日本は中国の一衣帯水の隣国であり、両国は長い交流の歴史を有している。長 年、日本は一貫して中国の技術輸入の主要な相手国の一つであり、中国の技術輸入 において非常に際立った地位にある。中国は、日本のさまざまな分野から技術を輸 入しており、伝統的な産業からハイテク産業、重工業、軽工業から農業にいたるま で、すべての分野に広がっている。中国は各種分野において日本から多くの技術を 取り入れ、それを基礎に知識を消化吸収し、技術の改良と二次革新を行ってきた。

中国の鉄鋼、自動車、農業等の伝統産業、ハイテク産業、エネルギー、環境産業は

中国における技術輸出入の管理活動

呉 智君 江草 裕子(訳)

平成17年度中国知的財産セミナーより ②

1 (有)科技中文翻訳社 E-mail:[email protected]

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急速な発展を遂げ、産業技術レベルが向上し、競争力も高まって、産業構造の最適 化が加速しつつある。日本からの技術は、中国の経済成長に貢献してきたと言えよ う。本日、この機会を借り、中国における技術輸出入管理の状況についてご紹介す る。

中国の技術輸入の概況

 ご存知のように、中国の技術輸入は1950年代から始まった。当時は、地政学的影 響により、主に旧ソ連から技術を導入していた。1960、70年代になると、日本、西 欧等の国及び地域から、技術と設備を輸入するようになった。1978年時点で、中国 の対外技術輸入契約は累計2000件以上に達し、契約総額は148億ドルとなった。この 時期は、主にプラントの輸入と、大型企業の新設が中心であった。

 改革開放実施以降、中国の技術輸入は大きな成果を挙げた。1979年から2004年末 まで期間、中国の対外技術輸入契約は67,562件に達し、契約金額は947億ドル以上と なった。1979年から1991年の期間において、中国の技術輸入の主体は、政府から徐々 に企業に移ってきた。すなわち、技術輸入は企業が自主的に行い、政府は技術輸入 に関してはマクロ管理を強化するように変わったのである。技術輸入の形式も多様 化し、設計、製造、生産技術等を主とするもの比重が大幅に増えた。

 1992年以降、中国は社会主義市場経済体制を採り、世界経済のグローバル化と国 内市場の国際化、WTOへの加盟等につれ、中国の技術輸入の枠組みが大きく変化し てきた。その具体的な表れとしては、技術輸入という単一の輸入モデルから複合型 輸入モデルに転換し、外国企業の直接投資が技術輸入の重要な方式になってきたこ とがある。

 中国商務部の業務統計によれば、2005年に中国で登録された技術輸入契約は合計 9902件であり、前年比では15.1%の増加となった。契約総額は190.5億ドルに達し、こ れは前年比37.5%のプラスである。そのうち技術料は118.3億ドルであり、契約総額の 62.1%を占めている。2005年は技術輸入契約の数と金額において、最高記録となっ た。

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2005年における中国の技術輸入の特徴

1.技術輸入が引き続きかなりの急成長を遂げ、契約数と金額が前年同期比で大き く伸びた。

2.技術輸入方式は、プラント、重要設備及び生産ライン導入、ノウハウ実施許諾 と技術コンサルティング、技術サービスが主体となっている。以上の3種類が、技 術輸入総額の79.6%を占めている。

3.技術輸入における技術提供国または地域は更に多様化し、計68の国または地域 にわたっている。しかし、主にはEU、日本、米国の等の先進国に集中している。

 2005年、中国はEUと90.7億ドルの技術輸入契約を締結した。これは、技術輸入 契約の総額の47.6%を占める。うち、ドイツが中国の最大の技術提供国であり、中 国・ドイツ間で調印された技術輸入契約は50億ドルに達した。日本と中国との技術 輸入契約金額は38.5億ドルで、第二位である。米国は第三位、中国との技術輸入契 約総額は34億ドルであった。

4.外資企業、国有企業が依然として中国の技術輸入の主体であるが、集団制企業 と民営企業の技術輸入が急速に増加している。

 国有企業の技術輸入額は、2005年初めて外資企業の輸入額を上回り、技術輸入増 大の主役となった。2005年における国有企業の技術輸入総額は92.2億ドルと、全国 の技術輸入総額の半分近くを占めている。外資系企業の技術輸入は82.7億ドルで、

全国の技術輸入総額の43.4%を占める。集団制企業と民営企業の技術輸入も同期比 で大幅に成長したが、金額から見ればまだ極めて小さく、それぞれわずか1.3%、

1.8%に過ぎない。

5.技術輸入における業種分布:ここ数年は、鉄道建設プロジェクトが増えており、

鉄道部門が相当高額の電気機関車及びその製造技術を導入した。鉄道輸送業は電子 情報産業を追い越し、中国の技術輸入の最重要業種になった。2005年、鉄道輸送業 は全体で29億ドルの技術を輸入し、全業種の技術輸入総額の15.2%を占めるに至っ た。同年、電子・通信設備製造業は21.1億ドル、11.1%、第二位となり、製鉄・圧 延加工業が19.6億ドル、10.3%、第三位であった。

 主要なプロジェクト:上海鉄道局の時速300キロの機関車プロジェクト、北京鉄道 局の大出力交流電気機関車購入及び技術導入プロジェクト、青蔵鉄道会社の青蔵線

(19)

交流ディーゼル機関車購入プロジェクト等がある。1993年、日本滞在のおり、日本 の電車、鉄道輸送に大きな感銘を受けたが、13年後の現在、鉄道網がさらに密にな り、効率が向上したように感じる。中国は今後都市間と都市域内の交通を整備し、

地下鉄も作っていくので、是非日本企業にご協力願いたい。中国は政府も企業も、

「近きを捨てて遠きを取る」ことは望まない。よって、中日企業協力の強化を望む。

 その他、電子・通信設備制造業は依然として2005年の中国技術輸入の重要業種の 1つであり、登録された技術輸入契約は計1,373件、契約金額は21.1億ドルであっ た。

6.技術輸入の地域分布は不均衡であり、主に中国東部の経済発展地域に集中して いる。契約金額の上位5位は、順に上海、北京、浙江省、安徽省、江蘇省で、これ ら地域の登録契約金額が全国の73.1%を占める。以上は2005年の特徴だが、ここ3 年は同様の傾向である。

中国の技術輸出入関連法規制定の状況について

 WTOに加盟前、中国には技術輸出入に関する主要な法規として、1985年5月24日 に国務院が公布した「中華人民共和国技術輸入契約管理条例」、1987年12月30日に国 務院が認可し、1988年1月20日に当時の対外経済貿易部が公布した「中華人民共和 国技術輸入契約管理条例実施細則」、及び1990年5月25日に国務院が認可し、対外経 済貿易部と国家科学委員会が共同で通達した「技術輸出管理暫定弁法」があった。

 WTO加盟後は、新たな情勢に対応するため、中国は技術輸出入関係法規を改正し た。現在、2つの主要な法律がある。「対外貿易法」(2004年7月1日より施行)と「中 華人民共和国技術輸出入管理条例」(2002年1月1日より施行)である。その外、「技 術輸出入管理条例」に対応する「技術輸出入契約登記管理弁法」、「中国への輸入を 禁止または制限する技術目録」、「輸入を禁止または制限する技術の管理弁法」、「中 国からの輸出を禁止または制限する技術目録」、「輸出を禁止または制限する技術の 管理弁法」を公布した。これらの法規は「技術輸出入管理条例」と共に、2002年1 月1日から施行された。その他、国外から先進的、実用的な技術の輸入を促進する ため、「中国の輸入奨励技術目録」の制定が考慮されている。

 先日の大阪のセミナーで、「対外貿易法、技術輸出入管理条例、管理弁法の関係は どうなっているのか」との質問を受けた。これに対する答えは、「対外貿易法を憲法

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にたとえるなら、その他の条例や弁法はそれを具体的かつ詳細の規定したものとい うことができる。外国との経済、貿易、協力に関わる弁法や規定も同様である」。

WTO加盟後の中国の技術輸出入管理方式の変化

 WTO加盟後、中国の技術輸出入管理方式は、次のように変化した。

1.企業の技術輸出入における主導的な地位を完全に確立した。社会主義市場経済 下において、企業は技術輸出入の主体として、市場の需要に基づき、公平な競争の 原則に従い、技術輸出入の決定権、投資権及び収益権を持ち、同時にそれらに伴う リスクも負うようになった。

2.政府または業界管理部門は、過去の許認可による管理から立法、マクロ指導、

情報サービス、法執行による監督、行政執行に移行して来た。現在、技術輸出入に おいて絶対的多数を占める自由類の技術貿易契約については登録のみで、許認可手 続きが不要となった。

3.技術輸入管理と技術輸出管理の関連法規を合体したことにより、公開性と透明 性が増した。「中華人民共和国輸出入管理条例」は、技術を、自由に輸出入できる 技術、輸出入を制限する技術、輸出入を禁止する技術に区分した。国は、「対外貿 易法」において輸出入禁止類と制限類の技術に関し、前記目録に基づき管理を行 う。輸出入禁止類と制限類の目録は、国務院の対外経済貿易主管部門がその他関連

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部門と共同で策定、調整、公表する。禁止類の技術は輸出入を禁ずる。制限類の技 術については、許可証による管理を行い、許可証のない場合、輸出入できない。国 務院の対外経済貿易主管部門とは、主に商務部である。その他関連部門とは、国家 発展改革委員会と科学技術部である。

4.政府部門の技術輸出入管理の業務効率が大幅に向上した。

 「技術輸出入管理条例」の規定によれば、国務院の対外経済貿易主管部門は技術 輸出または輸入申請を受理してから、3執務日以内にその契約を登録し、「技術輸 出または輸入契約登録証」を交付しなければならない。以前の条例では、60執務日 以内に契約を生産許認可すると規定されていた。

技術輸出入管理機関の設置と業務分担 1.技術輸出入管理機関の設置

 現在、中国の技術輸出入は3つの級別の機関に管理されている。すなわち、

 1級:国家商務部(科学技術司);

 2級:各省・自治区、直轄市、計画単列市の商務庁(局);

 3級:各省・自治区、直轄市、計画単列市の商務庁(局)が権限授与した1級下 の対外経済貿易主管部門。(注:計画単列市=行政上は省の下に属すが、省レ ベルの経済活動が認められている大都市である。商務庁の名称は、一部地方 では旧称の対外経済貿易庁となっている場合もある。)

 商務部は、国の技術輸出入主管部門として、主に各省・自治区、直轄市の 商務庁(局)の技術輸出入契約登録業務に対し指導を行う。

2.技術輸出入管理部門の業務分担

⑴ 輸出入自由類の管理

 商務部(科学技術司)は、重大プロジェクトに属する技術輸入契約に対し、登録 による管理を行う。重大プロジェクトとは、①その資金源に国家財政予算の資金、

外国政府の借款、国際金融機関の借款を含むプロジェクト、②国務院が立ち上げか つ認可したプロジェクトを指す。例えば、「三峡プロジェクト」等。

 各省・自治区、直轄市の商務庁(局)は、重大プロジェクト以外の技術輸入契約

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に対し、登録による管理を行う。

⑵ 輸出入制限類の管理

 商務部(科学技術司)は、制限類の技術輸出入に対し、審査許認可を行う。商務 部が中国国際電子商取引ネットワークに開発委託した「中華人民共和国技術輸出入 契約管理システム」(URL:http://info.ec.com.cn)が、2002年1月1日に運営開始し た。技術輸出入を行う企業は、このウェブサイトにログインすると、ネット上で認 可申請することができる。

 企業が技術輸入契約を登録申請するには、対外経済貿易主管部門に以下の文書を 提出する必要がある。①技術輸出入契約登録申請書、②技術輸出入契約副本、③契 約双方の法的地位の証明書類。

輸出入制限類の技術に対する国の管理手順

⑴ 輸入制限類の技術に対する国の管理手順

 輸入制限類の技術に対する国の管理は、主として「輸入を禁止または制限する技 術の管理弁法」及び「輸入を禁止または制限する技術の目録」に拠る。技術を導入 する企業は、「輸入制限のある技術の輸入申請書」を商務部に提出する。商務部は貿 易面の審査を担当し、商務部と国家発展改革委員会が技術面の審査を担当する(以 前は国家経済貿易委員会が担当)。商務部は申請から30執務日以内に輸入許可するか 否かを決定する。許可の場合、「中華人民共和国技術輸入許可意向書」を交付する。

企業はこの「意向書」を取得しないと、技術輸入契約を締結することができない。

 輸入制限類の技術に対する貿易審査の主な内容は、①中国の対外貿易の政策に合 致しているか、中国の対外経済技術協力の発展に益するか、②中国の国際的義務コ ミットメントに合致しているか、である。また、技術審査は、①国家の安全または 社会公共の利益を脅かさないか、②人の生命、健康に危害を及ぼさないか、③生態 環境を破壊しないか、④国の産業政策及び経済社会発展戦略に合致するか、中国の 技術進歩と産業の成長を促進し、経済技術の権益を守ることに有利か、が主な内容 である。

 技術輸入企業は、技術輸入契約を締結した後、「技術輸入許可意向書」、契約の副

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本と付属書、契約双方の法的地位の証明書類を商務部に提出し、「技術輸入許可証」

を申請する。商務部は10執務日以内に技術輸入契約の真実性について審査し、許可 と決定したら「技術輸入許可証」を交付する。技術輸入契約はその時点で有効とな る。

⑵ 輸出制限類の技術に対する国の管理手順

 国は「輸出を禁止または制限する技術の管理弁法」及び「輸出を禁止または制限 する技術の目録」に基づき、輸出制限類の技術輸出に対し管理を行う。技術輸出企 業は「輸出制限のある技術の輸出申請書」を商務部に提出する。商務部は貿易面の 審査を担当し、科学技術部は技術面の審査を担当する。商務部は30執務日以内に許 可するか否かを決定する。許可の場合、「中華人民共和国技術輸出許可意向書」を交 付する。有効期間は通常1年〜3年であるので、企業は意向書取得後、遅くとも3 年以内に契約を締結する。期限を超えた場合は、再申請する。

 中国の技術輸出企業は技術輸出契約を締結した後、「技術輸出許可意向書」、技術 輸出契約の副本、提供する技術資料リスト、設備輸出リスト及び関係製品リスト、

契約双方の法的地位を証明する書類を添えて、商務部に「技術輸出許可証」を申請 する。商務部は15執務日以内に技術輸出契約の真実性について審査し、技術輸出に ついて許可するか否かを決定する。許可の場合、「中華人民共和国技術輸出許可証」

を交付し、技術輸出契約はその時点で有効となる。自由類の場合は、契約日が発効 日となる。すなわち、登録が契約発効の要件ではない。

中国における企業の技術輸入奨励政策及び措置  

 現在、国は主に外国企業の所得税を減免することにより、中国企業への先進技術・

設備の移転を奨励している。関連する政策としては、国家税務総局と商務部が共同 で通達した「技術輸入企業所得税減免の審査認可手続きに関する通知」(国税発[2005]

45号)がある。本政策は2005年3月17日から正式施行された。本政策の目的は、外 国企業に優遇条件を与えて、中国企業への先進技術移転を奨励することであり、本

「通知」の中で外国企業所得税の減免手続きをさらに明確化し整備した。実は、1982 年から財政部に類似の政策があったが、不明瞭だった。また、地方の商務部門や税 務部門が政策を執行する基準も不統一であった。昨年、これを整理、明確化して、

本通知が通達された。

(24)

 この政策によれば、所得税減免の申請人は外国企業であるが、中国の技術導入先 に手続きを依頼することができる。申請人は技術輸出入契約登録の主管部門に対 し、中国の機関が発行する「企業所得税減免に関する提案書」を提出しなければな らない。

 通常、中国の企業が外国企業に代わり所得税の減免を申請する際には、以下の資 料を提出しなければならない。

 1.技術輸入契約の副本、

 2.技術輸入契約の登録証書、

 3.技術輸入契約のデータ表、

 4.外国企業が提出する所得税減免申請書、

 5.中国の技術輸入企業に減免手続きを依頼する旨の外国企業の委任状、

 6.外国企業の委託を受けて中国の技術輸入企業が提出する所得税減免に関する 申請書。

 「企業所得税減免に関する提案書」を発行する資格を有する部門は、技術輸出入契 約の登録手続きを行う商務部(主に科技司、一部は外国投資管理司)、各省・自治区、

直轄市及び計画単列市(=2級の管理部門)の商務主管部門である。

 商務主管部門は技術輸入契約に以下の3つの状況の1つがある場合、原則として 提案書を発行しない。

 1.制限類の技術を輸入する場合、

 2.契約の条項に「中華人民共和国技術輸出入管理条例」に違反する内容、例え ば強い制限条項等がある場合、

 3.ロイヤルティ方式により特許・商標・ノウハウ等使用許諾料を支払い、その 比率が5%を上回る場合。

 商務部は「提案書」を発行する権限はあるが、認可決定権はないことに注意され たい。

 所得税減免は最終的に国家税務総局に申告して、認可を得る。国家税務総局は地 方の商務主管部門が発行した提案書について疑問がある場合、商務部に再確認を請 求することができる。

(25)

  所得税の減免の対象となる所得は、以下に該当しなければならない。

 外国企業が提供する技術が、「中華人民共和国の外国投資企業及び外国企業所得税 法」第19条第3項第⑷号及びその「実施細則」第66条に列挙された「専有技術」=ノ ウハウに該当し、その技術が先進的である、または優遇条件で提供される場合の使 用許諾料である。すなわち、科学研究、エネルギー開発、交通事業の発展、農林牧 畜業の生産及び開発等の重要技術に対しノウハウを提供することにより得られた使 用許諾料である。

 上記に該当すれば、国務院税務主管部門の認可を経て、所得税の10%減税措置を受 けることができ、特に先進的な技術、または優遇条件であれば、所得税免除とな る。

 最後に、もう少し時間を割いて、日本企業が中国に技術譲渡する際に注意すべき 問題についてお話しするが、午前中、黒瀬先生と陳裁判官が詳しく説明したので、

重複するものは説明しない。

 日本企業が中国企業に技術を譲渡する際には、以下の点に注意していただきた い。

 1.日本が中国企業に技術を移転する際は、必ず中国の現段階の経済状況に基づ いて行う。中国経済には、エネルギー不足、深刻な環境汚染という厳しい現実が ある。日本は資源不足型の国として、産業発展の過程において特に省エネ技術、

環境技術の向上に尽力してきた。よって、中国と日本の企業は、エネルギーや環 境等の分野で協力を強化すべきであろう。

 2.日本企業は技術の提供側であるので、中国企業との技術移転交渉において明 らかに優位な立場にある。しかし、日本企業はEUに比べて、中国企業への技術 移転にあまり積極的ではないという中国企業からの声が聞かれる。日本企業に対 しては、中国側と技術協力する際、マイナスの印象を与えないよう注意すること を期待する。技術移転プロジェクトの成功は、Win-Winの関係を作れるかどうか にかかっている。従って、中国企業に技術を譲渡する際には、「中国技術輸出入 管理条例」及び関連法規をよく研究されるよう希望する。

 3.日本企業、特に中日合弁企業、中国における日本独資企業は、中国での工場

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建設の過程において、現地のコミュニティに融け込み、コミュニティの改善のた め、できる範囲内のことをしたほうがよいと考える。これは、日本企業が中国で 成功するために、非常に有益である。

 昨年末、私は改革開放が進んでいる広東省東莞市に調査研究に行き、韓国独資 企業である東莞サムスン視界有限公司が現地のコミュニティのために多くの有益 なことをしていると感じた。現地政府はその貢献を認め、サムスンの経営も現地 政府の支持を得るに至った。この面において、中国における韓国企業の行動は、

日本の企業の参考に値するのではないか。

 説明はここまでとする。以上は個人的な見解で、政府の考えを代表するものでは ない。もし不適切なところがあれば、ご指摘いただきたい。ここで述べたデータは 完全な統計に拠るものではなく、公的に発表されていないものもある。皆様の参考 にとどめていただくようお願いする。

 ご清聴感謝する。

(27)

         呉  智君 

         中国商務部科技発展及び技術貿易司 副処長          1988 年上海外貿学院を卒業し、経済学士を取得し          た。1988 年 8 月から中国対外経貿部輸出入司(商          務部の前身)の役員として、技術輸入契約の許可          に関する業務に携わる。1994 年から、中国対外経          貿部科学技術司の役員として、技術輸入契約の許          可と対外技術協力に関する業務に携わり、1995 年 5 月から、米国シカゴの中国領事館商務副領事を勤めた。1998 年から商 務部科学技術司の副処長を勤め、技術貿易に関する法規の制定及び技 術貿易の管理に携わる。

(28)

黒瀬:時間も迫っているので、まず私からお話しする。まず、事前に提出された質 問事項に答えるが、その前に講演内容について確認したい。

 特許保証の問題。

 午前、陳氏から約定優先の話が出た。契約法353条に、本来はライセンサーが責 任を負うが双方が別途約定することができる旨の規定がある。それに従えば、特許 保証に関し、双方が責任を負うとか、逆にライセンサーは責任を負わないとか、あ るいはライセンサーが責任を負うとしても保証の限度は受領したロイヤリティを上 限とする、あるいは中国国内の侵害事件に限るとか、いろいろの条項を付けること が可能であると思うが、それが技術輸出入管理条例の24条3項ではそうではなく、

必ずライセンサーが責任を負うということになっている。両規定は衝突しているよ うにも見える。では、契約法と技術輸出入管理条例のどちらが優先するのか?

 私の個人的意見は、契約法は内外人平等に適用されるものであって、中国企業が 互いに契約を結ぶ場合には、そういう約定をすることが可能であるにもかかわら ず、外国との契約ではそれが認められないというのは、WTOの精神に反するので

質疑応答

平成17年度中国知的財産セミナーより ③

(29)

はないかと感じる。これに関し、公式見解をいただくのは難しいかもしれないが、

陳先生の解釈を伺いたい。

陳:いいご質問だ。まず、この問題にどのように法律を適用するか、ついてお答え する。

 中国契約法355条に、「法律、行政法規は、技術輸出入契約または特許、特許出願 契約に別途規定のある場合には、その規定に従う」とある。この条項からわかるよ うに、技術輸出入管理条例は契約法の下位にあるが、契約法はこの条項において特 別の授権を行っていると考えることができる。すなわち、技術輸出入管理条例に対 し、別途規定を設ける権限を与えている。よって、契約法と技術輸出入管理条例が 不一致の場合は、技術輸出入管理条例を適用すべきである。

 では、技術輸出入管理条例はなぜこのような特別規定を置いたのか?

 呉氏にも補足してもらうが、私の理解は次の通りである。これには、当時の状況 が関係している。中国は現在も技術輸入大国であるが、当時も技術導入が主であっ たので、このような規定ができたのだと思う。もちろん、黒瀬先生のおっしゃるよ うに、この規定は合理的か、TRIP s  の要求に合致しているか、さらに研究する必 要があるだろう。

黒瀬:よって日本の実務家は、ライセンサーが責任を負うという条項を入れるにし ても、青天井で入れるのは危険なので、中国における特許侵害には責任を負うとい

(30)

う条項は入れるが、例えば米国で起きる侵害までは責任を持ちたくないという考え である。もう一つは、損害賠償を支払うという段階になったときに、自分たちがも らっているロイヤリティよりも大幅に高額であれば困るので、ロイヤリティの額を 賠償額の上限とする条項を入れたいと考える。このようにすれば、技術輸出入管理 条例24条3項の趣旨から見て、契約無効の事由にならないか?

陳:技術輸出入管理条例に特別規定があっても、契約無効の条項と衝突しないと考 える。

呉:一般的に言って、技術を相手方に譲渡しようとするならば、まず譲渡側がその 技術の所有権を有していなければならない。それを基礎にはじめて処分権が存在す る、すなわち他人に譲渡することができる。しかし、その技術の所有者が誰かとい うことを、譲受人は知る術がない。一方、譲渡側は所有権を誰が持っているかにつ いては、明瞭である。よって、条例24条の規定は、弱者保護の観点に立っていると いうことができる。この技術が輸入自由類の技術であって、双方は契約において約 定をなした場合、後に問題が起こったとき、約定条項の有効性を確認する必要があ る。無効と判断される可能性がある。

 日本の技術導入の初期にも、企業の保護のため同様の発想があったのではない か? 我われは、日常業務の中で、WTOのTRIP s 協定のグループとよく接触する が、このような条項がTRIP s 協定に違反しているかについて、TRIP s グループか ら提起されたことはない。

魏:補足する。その当時、私はこの法律の立法に参加した。この条文に関する議論 は激しいものがあった。保証条項を入れるべきか否か、相対立する意見があった。

結果として、入れるべきだという意見が多数となった。理由と経緯は以下の通り。

 外国の会社が中国の会社に技術を移転する場合、この外国の会社はこの技術を突 然開発したということではなくて、何十年も開発を継続して来たのであるから、こ の技術については一番詳しい。中国の会社は詳しくない。あるいは、この技術に関 してはライセンサーが一番詳しい。このような場合に、中国の会社に対し、「世界 中でこの技術について調査しろ」といっても無理である。

 率直に言って、法律は自国の利益を守るためのものである。日本の法律も、中国 の法律も同様である。その当時制定された中国の法律は、中国の会社の利益を守る

(31)

のが主な目的である、将来はわからないが。よって、特許保証や、特許技術完全性 の保証等の条項は、このような理由で作られたと思われる。

 その時までに、悪質な例があったのである。例えば、ある外国の会社が技術を提 供し、ABCDの技術すべて自社が開発したと言ったが、実際はABしか開発してお らず、CDは他社のものだった。あるいは、別のケースとして、外国側はABCDの み提供したが、実際はEの技術も持っていた。わざとEを提供しなかったのであ る。後に、実施してみてEが必要であることがわかった。

 外国の会社が良い会社ばかりであればいいが、ルールを守ってくれない会社も あった。中国政府はこのような状況に鑑み、自国の会社の利益を守る必要があっ た。

 当時の考えは以上の通りで、今も基本的に変わっていないが、今後10年経っても 変わらないということではない。

黒瀬:確認したいことは、24条の3号が強行規定であって、ライセンサーが責任を 負うことはいいとして、これを前提として、我われが考える場合に、①中国の特許 侵害にだけ責任を負うのか、それともすべての国においても責任を負うのか。②保 証する損害賠償には限界がないのか、つまり青天井なのか?

陳:外国における侵害をどう見るかという問題は、知的財産権の地域性に関わって くると思う。知的財産権とその法律には、地域性があることはご承知の通りであ る。ある国の知的財産権はその国内においてのみ効力が発生する。その国の法律に 基づいて取得した知的財産権は、該国においてのみ有効である。もしも、中国以外 の国で侵害行為が発生したら、その国の法律を適用し、侵害かどうかの認定をすべ きである。

 しかし、双方の契約においてどのように約定されているかも、考えなければなら ない。

黒瀬:日本から移転する場合の契約の中に、特許侵害の賠償は中国国内の侵害に限 るという条項を入れることが認められるか?

呉:多分認められないと思う。中国側が相手方の提供する技術を使用し、中国国外

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であるいは中国国内で、他人にそれは自分の技術であると訴えられた場合、政府部 門の立場からいうと、中国国内での問題についてはさほど心配しない。心配なの は、その訴えが国外から起こされた場合である。現在、大多数の中国企業が外国の ことについては、余りよく知らない。よって、国外から起こされた訴訟において は、譲渡人に全責任を負ってほしいと考えている。譲渡人が中国企業と技術移転契 約を結ぶ場合、一定のリスクは負うべきである。そうでなければ、中国で収益をあ げることはできないだろう。よって中国に技術移転をする側は、中国の法律が許す 範囲において、ビジネスを行い利益を上げてほしいと考える。

黒瀬:それでは、もう一つの問題の賠償責任は上限がないと考えるべきか?

呉:上限がないと考えるべきだと思う。というのは、我われは、技術の譲渡人が自 らの権利でないにもかかわらず冒険的に幸運を狙うことを奨励するものではない。

それは、正当な取引きではない。

黒瀬:この問題は長らく議論されてきた。ここで明確な回答をしていただけたこと に感謝する。

 ただ、ひとつだけ申し上げたいのは、先程から、日本からの技術導入を奨励す る、特に環境技術導入を大いに奨励するという意向を述べられた。しかし、今、中 国が技術を導入して、製品を作り、それを海外に輸出して利益を得ているという状 況とこの問題を合わせて考えると、日本企業としては、とても恐ろしくて出て行け ない。契約を結ぶ際に、この技術を使って製品を作ったら一切海外には輸出しない でほしいというような制限条項でも付けなければ、日本企業は出て行けない。

(33)

 よって、今後、奨励技術について検討し発表するのであれば、この条項を緩和し てほしい。さもなければ、日本企業がますます進出しなくなるという懸念を抱いて いる。これは重要な問題で、日本の特許業界、ライセンシング業界で議論が続いて きた。会場からの意見を聞きたい。

太陽誘電:この問題は、我われにとって重要な条項である。例えば、明らかにすで にさまざまな特許があり、すべての機能がわかっているような場合、この条項をど う解釈すべきか?例えば、A社、B社、C社が、中国と全世界において基本特許を 有しているとする。それを承知の上で、その改良について契約する場合、どのよう に解釈すればよいか?

 つまり多くの企業が基本特許を出している状況である。例えば、このマイクロホ ンで言うと、多くの部分に基本特許がある。改良はその中の一部の技術に関する改 良である。例えば、スイッチに関する技術であれば、それはマイクロホン全体にか かわるのか、それともスイッチの部分だけに関する技術として取り扱われるのか、

それは特許のクレームの範囲に関するのか、このような疑問がある。

 聞きたいのは、このスイッチに関する技術を中国側に移転、すなわち輸出する場 合、特許保証はどこまで考えるべきか。つまり、この例で言うと、特許保証がマイ クロホン全体に係わるのか、スイッチだけに限られるのか、ということである。

(34)

呉:スイッチ自体にも基本特許があるという前提か?

太陽誘電:スイッチの基本特許は他社が持っており、我が社がスイッチの改良特許 を持っているという前提である。その改良特許を中国に輸出する場合、我が社はど こまで特許保証すべきか。

陳:中国にも同様の状況がある。すなわち、他人が有している特許を基礎に、自ら の発明により従属特許を獲得した。この従属特許の実施許諾は、まず基本特許権者 の同意を前提とする。もし、同意なくして従属特許を実施したら侵害を構成する。

よって、この場合、まずその従属特許を許諾する権利の有効性を保証しなければな らない。

魏:基本特許が他社で、御社が改良特許を持っている場合の改良特許に関し、中国 企業とライセンシング契約を結ぶ場合は、中国側にこう聞くと良い。「この改良特 許だけでは、マイクロホンは作れない。他社の基本特許もライセンスしてもらわな ければならない。中国側としてはどうしたいか?」

 弁護士としては、もし、侵害になった場合、一部の改良特許しか持っていない側 が侵害の全責任を負うのは、理不尽だと思う。こうした場合は、中国側にどうすべ きか交渉するとよい。前に私が関与したケースでは、以下のようであった。

 製鉄所の技術についてのケース。この技術はオーストリアが進んでいて、オース トリア、日本、中国三者間で契約を結び、基本特許、改良技術を一本の契約にし た。これにより、事業は順調に推移した。これも一つの方法であろう。

 もう一つ、侵害に対し責任を負わねばならないのは、太陽誘電さんがおっしゃっ たケースではない。つまり、自分が技術を持っていて、他人は持っていないという ケースにおいて、保証しなければならない、と規定されているのである。

 太陽誘電さんがおっしゃったのは、基本特許は他人が持っていて、御社が改良技 術を持っているケースなので、この場合は中国側が調査しなければならないと考え る。つまり、20年前ならいざ知らず、現在の中国企業は、基本特許がどれでどのく らいあり、改良技術との関係はどうかということについて、ある程度調査はでき る。実際に中国のかなり大きな会社は、技術を導入する際に、特許公報を調査して ある程度わかっている。

参照

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前条により個別契約が解除された場合には、借入者は、解除された個別契約のすべて

〜30%,大腸 10%,食道 10%とされ る  1)   .発育進 展様式として壁内発育型,管内発育型,管外発育 型,混合型に分類されるが,小腸の

C)付為替によって決済されることが約定されてその契約が成立する。信用

ハ 契約容量または契約電力を新たに設定された日以降 1

(1)

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翻って︑再交渉義務違反の効果については︑契約調整︵契約