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印刷産業における化学物質排出処理装置の 導入に関する調査研究

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(1)

平成 17 年度

印刷産業における化学物質排出処理装置の 導入に関する調査研究

報告書

平成 18 年 3 月

社団法人 日本印刷産業連合会

(2)

ごあいさつ

環境問題への取り組みは、産業界として社会的に期待されているところであり、印刷産 業においても環境負荷低減に向けて積極的に取組んできています。

平成16年5月には、浮遊粒子物質(SPM)及び化学オキシダントの原因物質である 揮発性有機化合物(VOC)の排出を抑制するために大気汚染防止法が改正され、規制と 事業者の自主的取組のベストミックスでVOC排出量を平成22年度までに、平成12年 度比30%削減を目指すという目標が設定されました。

このような状況のもと、印刷産業は印刷インキをはじめとして化学物質を多く使用して いる産業であり、化学物質に関しては、その排出を抑制するため処理装置の導入等が強く 求められていますが、特に改正大防法により、中小印刷業も含めVOC排出抑制策を講じ ることが緊急の課題となってきました。

本調査研究事業では、大手印刷会社から中小印刷会社まで手がけている特殊グラビア印 刷のうち低価格、省スペースの装置の開発と普及が絶対条件とされている中小印刷会社を 中心に調査研究を行いました。

中小の特殊グラビア印刷企業におけるVOC排出実態の調査及びVOC排出処理装置の 希望仕様に関する調査を実施し、この調査結果をもとに処理装置メーカーに対して対応可 能性についての調査を行いました。

以上の調査研究の結果から、中小の特殊グラビア印刷企業がVOC排出処理装置を導入 するための課題と提言を取りまとめました。

この課題と提言には印刷業界、印刷機械業界、処理装置業界、エンジニアリング業界等 の関連産業界が今後解決すべき課題と対応すべき方策を示唆しておりますので、中小の印 刷企業が導入可能なVOC排出処理装置の研究開発に役立てば幸いです。

本調査研究事業の実施にあたり、ご指導、ご協力を賜りました経済産業省、日本自転車 振興会、学識経験者、委員各位並びにアンケート調査、ヒアリング調査等の本調査にご協 力いただきました関係各方面の皆様に厚く御礼申し上げます。

平成18年3月

社団法人 日本印刷産業連合会 会 長 藤 田 弘 道

(3)

化学物質排出処理研究委員会名簿

学識経験者

◎1 岩崎好陽 (社)におい・かおり環境協会 副会長

印刷分野

1

千本雅士 印刷工業会(大日本印刷㈱ 環境安全部 シニアエキスパート)

2

須田治樹 印刷工業会(凸版印刷㈱ 生産・技術・研究本部 部長)

3

本田城二 印刷工業会(共同印刷㈱ 環境管理部 部長)

4

佐々木毅 全印工連(㈱光文社 社長)

5

風巻磊士 フォーム工連(光ビジネスフォーム㈱高尾工場 製造本部長)

6

青木俊樹 ジャグラ((社)日本グラフィックサービス工業会 専務理事)

7

小島 勲 全日本製本(㈱新英紙工所 社長)

8

湯沢清巳 全日本シール(全日本シール印刷協同組合連合会 専務理事)

9

田口 薫 全国グラビア(大日本パックェージ㈱ 社長)

10

安永研二 全国グラビア(東包印刷㈱ 社長)

11

藤野和夫 全国グラビア(全国グラビア協同組合連合会 専務理事)

12

吉田 弘 全日本スクリーン(㈱吉田製作所 社長)

13

宮下和幸 全日本光沢化工(㈲ミユキ化工 社長)

関連分野

1

西秀 樹 日本ポリエチレンラミネート製品工業会(藤森工業㈱研究所 担当部長)

2

宮田栄一 インキ工業会(ザ・インクテック㈱技術第3本部 本部長補佐)

3

山口春雄 インキ工業会(大日精化工業㈱川口製造事業所グラビアインキ技術本 部品質保証部品質保証課 課長心得)

4

越智宗男 日印機工(富士機械工業㈱ 常務取締役)

5

井上善也 処理装置メーカー(熱技術開発㈱技術部 課長)

6

高田義之 処理装置メーカー(㈱日立インダストリイズエンジニアリング営業本部 エンジニアリング営業部

7

富原道晴 処理装置メーカー(サカタインクス㈱ 事業開発推進本部 事業推進部長)

<役職は委員委嘱時><◎=委員長>

(4)

化学物質排出処理研究委員会 WG 名簿

印刷分野

◎1 田口 薫 全国グラビア(大日本パックェージ㈱ 社長)

2

千本雅士 印刷工業会(大日本印刷㈱ 環境安全部 シニアエキスパート)

3

須田治樹 印刷工業会(凸版印刷㈱ 生産・技術・研究本部 部長)

4

本田城二 印刷工業会(共同印刷㈱ 環境管理部 部長)

5

佐々木毅 全印工連(㈱光文社 社長)

6

安永研二 全国グラビア(東包印刷㈱ 社長)

7

伊藤眞道 全国グラビア(㈱東京ポリエチレン印刷社 社長)

8

竹内康夫 全国グラビア(㈱カナオカ埼玉第二工場ISO担当 主事)

9

藤野和夫 全国グラビア(全国グラビア協同組合連合会 専務理事)

10

吉田 弘 全日本スクリーン(㈱吉田製作所 社長)

11

宮下和幸 全日本光沢化工(㈲ミユキ化工 社長)

関連分野

1

西 秀樹 日本ポリエチレンラミネート製品工業会(藤森工業㈱研究所 担当部長)

2

山口春雄 インキ工業会(大日精化工業㈱川口製造事業所グラビアインキ技術本 部品質保証部品質保証課 課長心得)

3

越智宗男 日印機工(富士機械工業㈱ 常務取締役)

4

井上善也 処理装置メーカー(熱技術開発㈱技術部 課長)

5

富原道晴 処理装置メーカー(サカタインクス㈱ 事業開発推進本部 事業推進部長)

<役職は委員委嘱時><◎=WG座長>

(5)

目 次

1

章 調査研究の概要...1

1-1

目的

...1

1-2

内容

...1

1-3

調査研究フロー

...2

1-4

調査研究方法

...3

2

章 印刷企業における

VOC

使用・排出実態

...7

2-1

日印産連傘下企業における

VOC

使用・排出状況の推計結果

...7

2-2 VOC

濃度規制への対応... 11

3

章 グラビア印刷企業における

VOC

処理装置のニーズ

...19

3-1 VOC

処理装置の設置状況

...19

3-2

グラビア印刷企業が望む

VOC

処理装置のスペック

...20

3-3 VOC

処理装置導入にあたって重要視する項目

...24

3-4

グラビア印刷企業における先進事例

...25

4

章 国内

VOC

処理装置メーカーの動向

...29

4-1 VOC

処理装置メーカーの動向

...30

4-2

印刷機メーカーの動向...39

4-3

海外における

VOC

関連動向

...41

5

章 グラビア印刷企業の

VOC

処理装置導入に向けた課題...43

5-1 VOC

処理装置の仕様等に関する課題

...43

5-2

グラビア印刷企業における

VOC

対策の取組みに関する課題

...45

5-3

その他の課題

...46

6

章 グラビア印刷企業の

VOC

処理装置導入促進に向けた提言...47

6-1

グラビア印刷企業向けの

VOC

処理装置の開発促進

...47

6-2

印刷企業における

VOC

処理装置導入準備の促進

...49

6-3

その他の重要な取組み...50

巻末資料 1 委員会活動の経過

巻末資料 2

VOC

使用・排出状況の推計 巻末資料 3 アンケート調査票

巻末資料 4 アンケート集計結果 巻末資料 5 海外事例調査結果詳細

(6)

第1章 調査研究の概要

1-1 目的

2004

5

月に浮遊粒子状物質(SPM)及び光化学オキシダントの原因物質である揮発性有機 化合物(VOC)の排出を抑制するため、大気汚染防止法(以下、「大防法」という。)が改正され た。これに伴い、「法規制」と「自主的取組」の適切な組合せ(ベスト・ミックス)により、2010 年度(平成

22

年度)までに

VOC

排出量を

2000

年度(平成

12

年度)比で

30%程度削減するこ

とが目標とされた。

一方、印刷産業はインキ・溶剤をはじめ各種の化学物質を使用している産業であり、事業活動 が環境に対して与える負荷は小さくない。企業の社会的責任として環境保全への取組みが不可欠 であるなか、前述の大防法改正もあいまって、VOCをはじめとする化学物質排出抑制策を講じる ことが印刷産業における緊急のテーマとなっている。

そこで本調査研究は、印刷産業における

VOC

の使用・排出実態を把握するとともに、特に大 気環境に関する課題が多い特殊グラビア印刷を対象に、あるべき

VOC

処理装置の仕様の明確化・

提言を通じて開発・導入を促進し、環境保全及び機械工業の振興に寄与することを目的とする。

1-2 内容

① 印刷企業における

VOC

使用・排出実態の把握

印刷企業における

VOC

の使用・排出実態について把握する。

② グラビア印刷企業における

VOC

処理装置ニーズの把握

グラビア印刷企業における

VOC

処理装置のニーズ・スペック等について把握する。

VOC

処理装置メーカーの実態の把握

グラビア印刷を対象とした

VOC

処理装置に関するメーカーの実態について把握する。

④ 印刷機メーカーの実態の把握

上記調査結果を踏まえた上で、VOC 処理の観点からみた印刷機械開発の状況や

VOC

処理装置メーカーとの共同開発に関する意向について把握する。

⑤ 先進印刷企業の事例調査

VOC

処理に関して先進・積極的に取組んでいる印刷企業の実態について調査する。

⑥ 海外事例調査

海外諸国における

VOC

処理装置の事例について調査する。

⑦ 印刷企業における化学物質排出・処理に関する現状と課題の整理

上記調査結果に基づき、中小企業向けの

VOC

処理装置の開発・普及に関する課題を整 理する。

⑧ 調査結果とりまとめ及び提言

調査結果を取りまとめ、処理装置メーカーや関連団体等に対して、提言を行なう。

(7)

1-3 調査研究フロー

本調査研究の実施フローを図 1-1に示す。

印 刷 企 業 に お け る VOC使 用 ・ 排 出 実 態 の 把 握

VOC処 理 装 置 メ ー カ ー の 実 態 把 握

印 刷 機 メ ー カ ー の 実 態 把 握

先 進 印 刷 企 業 の 事 例 調 査

海 外 事 例 調 査

現 状 及 び 課 題 の 整 理

提 言 計 画 ・ 準 備

グ ラ ビ ア 印 刷 企 業 に お け る VOC処 理 装 置 ニ ー ズ の 把 握

図 1-1 調査研究フロー

(8)

1-4 調査研究方法

本調査研究における調査方法は表 1-1に示すとおりである。

なお、アンケート調査に用いた調査票は巻末資料

2

に掲載した。

表 1-1 調査方法・調査項目

調査方法 項目

印刷企業における

VOC

使用・排出実態の把握

グラビア印刷企業における

VOC

処理装置のニーズの把握 アンケート調査

VOC

処理装置メーカーの実態の把握 印刷機メーカーの実態の把握

ヒアリング調査

先進印刷企業の事例調査 資料調査 海外事例調査

(1)アンケート調査

① 印刷企業における

VOC

使用・排出実態の把握

印刷企業における

VOC

使用・排出実態の把握は、日印産連傘下団体に加盟する企業延べ

840

社を調査対象とした。調査の概要及びアンケート調査票の発送・回収状況は表 1-2及び 表 1-3に示すとおりである。

表 1-2 印刷企業におけるVOC使用・排出実態把握のアンケート調査概要

区 分 内容

調査対象

日印産連傘下団体の会員企業延べ

840

全国グラビア協同組合連合会(グラビア)………176社 印刷工業会(工業会)………107社 全日本印刷工業組合連合会(全印工連)………223社 全日本スクリーン印刷協同組合連合会(スクリーン)………121社 全日本光沢化工紙協同組合連合会(光沢)………213社

設問の概要

① 大防法改正の認知状況

VOC

排出抑制に関する取組み状況

VOC

使用・排出状況

④ その他(自由意見など)

(9)

表 1-3 印刷企業におけるVOC使用・排出実態把握のアンケート調査 発送・回収状況 グラビア

印刷用

オフセット 印刷用

スクリーン

印刷用 光沢加工用 合計 区 分

発送 回収 発送 回収 発送 回収 発送 回収 発送 回収 グラビア

176 64

- - - - - -

176 64

工業会

29 43 91 89 3 2 3 11 126 145

全印工連 - -

223 46

- - - -

223 46

光沢 - - - - - -

121 16 121 16

スクリーン - - - -

213 35

- -

213 35

合 計

205 107 314 135 216 37 124 27 859 306

注1:グラビアの回収数には、集計対象外の2件(全グラ1件、工業会1件)を含まない

注2:発送は企業単位、回収は事業所単位で実施している。

注3:複数の印刷を実施している企業に対しては複数の調査票を発送している。そのため、調査対象とした企業 数と調査票の発送数は一致しない。

② グラビア印刷企業におけるVOC処理装置のニーズ

グラビア印刷企業における

VOC

処理装置のニーズ把握は、日印産連傘下の全国グラビア 協同組合連合会に加盟する全会員企業(176社)を調査対象とした。

調査の概要及びアンケート調査票の発送・回収状況は表 1-4及び表 1-5に示すとおりであ る。

表 1-4 グラビア印刷企業におけるVOC処理装置ニーズのアンケート調査概要

区 分 内容

調査対象 全国グラビア協同組合連合会(グラビア)………176社 設問の概要

① 希望する

VOC

処理装置のスペック

② 導入可能な

VOC

処理装置の価格

③ その他(自由意見など)

表 1-5 グラビア印刷企業におけるVOC処理装置のニーズ 発送・回収状況

発送 回収 有効回答率

有効回答 無効回答

176 60 59 1 34%

(10)

③ VOC 処理装置メーカーの実態把握

国内の

VOC

処理装置メーカーにおけるグラビア印刷企業向けの

VOC

処理装置開発状況等 の実態把握は、産業環境管理協会資料及び

VOC

処理装置メーカーからの情報提供に基づき

109

社を選定して調査対象とした。調査の概要及びアンケート調査票の発送・回収状況は表

1-6

及び表 1-7に示すとおりである。

表 1-6 VOC処理装置メーカーに対するアンケート調査の概要

区 分 内容

調査対象 国内の

VOC

処理装置メーカー109社

設問の概要

① 製造している

VOC

処理装置の種類

② グラビア印刷用

VOC

処理装置のスペック(法規制 対象、規制対象外)

③ グラビア印刷用

VOC

処理装置の納入実績

④ 今後のグラビア印刷用

VOC

処理装置の開発・販売 に対する考え

⑤ 印刷企業、印刷機メーカー等への意見・要望

VOC

処理装置導入以外の

VOC

対策のアイデア

⑦ 自由意見

表 1-7 発送・回収状況

発送 回収 有効回答率

有効回答 無効回答

109 31 27 4 24.8%

(11)

(2)ヒアリング調査

① グラビア印刷企業におけるVOC処理装置のニーズ

印刷企業に対するアンケート調査結果を踏まえ、

VOC

処理の観点からみたグラビア印刷機 の開発状況や

VOC

処理装置メーカーとの共同開発に関する意向についてヒアリング調査を 実施した。

表 1-8 印刷機メーカーに対するヒアリング調査の概要

区 分 内容

調査対象 グラビア印刷機メーカー

1

調査内容

①グラビア印刷機の小風量・高濃度化について

②VOC処理装置内蔵型印刷機の開発について

③溶剤の単一化、規格化について

④今後のグラビア業界における

VOC

対策の方向性につ いて

⑤VOC処理装置の共同開発について

② 先進印刷企業の事例調査

グラビア印刷企業に対するアンケート調査結果を踏まえ、中小規模のグラビア印刷企業の うち

VOC

処理装置の導入に積極的に取組んでいる企業に対し、処理装置導入の経緯やメリ ット、デメリット等に関するヒアリングを実施した。

表 1-9 先進印刷企業の事例調査

区 分 内容

調査対象 グラビア印刷企業

D

社、K社

調査内容

①VOC処理装置導入の経緯

②導入のメリット・デメリット

③課題

(3)既存資料調査

海外における

VOC

処理装置の現状把握については、米国及び欧州諸国を対象とし、Web検索 による既存資料調査を実施した。

表 1-10 海外事例調査の概要

区 分 内容

調査対象 米国及びEU 調査内容

①VOC規制に関する法律等の概要

②VOC規制に対する印刷業界の対応

③VOC処理装置メーカーの状況

(12)

第2章 印刷企業における VOC 使用・排出実態

2-1 日印産連傘下企業におけるVOC使用・排出状況の推計結果

日印産連傘下企業のグラビア印刷、オフセット輪転印刷∗)を実施している事業所における主な

VOC(トルエン、酢酸エチル、メチルエチルケトン(以下、「MEK」という。)、イソプロピルア

ルコール(以下、「IPA」という。)、キシレン、高沸点石油系溶剤)の使用・排出状況をアンケー ト調査結果に基づき推計した。

なお、VOC使用量等の推計方法は巻末資料

2

に掲載した。

(1)全体像

国の

VOC

削減目標の基準年である平成

12

年度においてグラビア印刷、オフセット輪転印刷実 施事業所の

VOC

使用量は約

19.3

万トン、大気への排出量は約

11.4

万トン(排出率

59%)、平成 16

年度における

VOC

使用量は約

18.7

万トン、大気への排出量は約

8.8

万トン(排出率

47%)

であった。

平成

12

年度から平成

16

年度にかけて使用量はほぼ横ばい、大気への排出量は

2.6

万トンの減 少となっている。排出率(大気への排出量÷使用量)が

12

ポイント低下しているが、この理由と して、大手企業における

VOC

処理装置の導入が進んだことが挙げられる。

188,458 193,996

88,145 114,232

0 50,000 100,000 150,000 200,000

平成12年度 平成16年度

年度

VOC使用・排出量(t/年)

使用量 大気への排出量

排出率=59%

排出率=47%

注1:全国グラビア、印刷工業会、全印工連に加盟する事業所の推計値である。

注2:グラビア印刷、オフセット輪転印刷を実施している事業所の推計値である。

図 2-1 日印産連傘下企業におけるVOC排出量 使用量

5,611トン

(H1297%)

排出量

-26,050トン

(H1277%)

(13)

(2)印刷方式別のVOC使用・排出状況

VOC

使用量の印刷方式別構成比は平成

12

年度及び平成

16

年度ともにグラビア印刷が最も多

80%強、オフセット輪転印刷が残りの 20%弱となっている。

大気への排出量に関し、オフセット輪転印刷はグラビア印刷と比較して

VOC

処理装置(脱臭 装置)の設置が進んでいるため排出量が少なく、処理装置の導入が比較的進んでいないグラビア 印刷の排出割合が高くなっている。

グラビア 83%

オフセット

(輪転)

17%

グラビア 94%

オフセット

(輪転)

6%

【使用量】 【排出量】

図 2-2 VOC使用・排出の印刷方式別内訳(平成12年度)

グラビア 82%

オフセット

(輪転)

18%

グラビア 93%

オフセット

(輪転)

7%

【使用量】 【排出量】

図 2-3 VOC使用・排出の印刷方式別内訳(平成16年度)

193,307

トン

114,040

トン

187,696

トン

87,990

トン

(14)

(3)物質別のVOC使用・排出状況

VOC

使用量の物質別構成比は、平成

12

年度は、グラビアインキに使用される酢酸エチル及び トルエンが

26%、オフセット輪転インキに含まれる高沸点石油系溶剤が 15%などとなっている。

平成

16

年度は、酢酸エチルが

30%、トルエンが 20%、高沸点石油系溶剤が 17%などとなって

いる。

平成

12

年度と比較して平成

16

年度におけるトルエンの使用割合が減少し、酢酸エチルの使用 割合が増加しているが、これはノントル化の取組みによりトルエン代替として酢酸エチルを使用 するケースが増加していることによる。

酢酸エチル 26%

トルエン MEK 26%

13%

IPA 10%

キシレン 0%

高沸点石油 系溶剤

15%

その他 10%

酢酸エチル 34%

トルエン 29%

MEK 14%

IPA 13%

キシレン 0%

その他 8%

高沸点石油 系溶剤

2%

使用量 排出量 図 2-4 VOC使用・排出の化学物質別内訳(平成12年度)

酢酸エチル 30%

トルエン MEK 20%

14%

IPA 10%

キシレン 0%

高沸点石油 系溶剤

17%

その他 9%

酢酸エチル 39%

トルエン 22%

MEK 15%

IPA 13%

キシレン 0%

その他 高沸点石油 8%

系溶剤 3%

使用量 排出量 図 2-5 VOC使用・排出の化学物質別内訳(平成16年度)

193,307

トン

114,040

トン

187,696

トン

87,990

トン

(15)

表 2-1 VOC使用・排出状況一覧

酢酸エチル トルエン

区分 使用量 排出量 排出

割合 使用量 排出量 排出 割合 H12 51,726 38,978 75% 48,507 31,236 64%

グラビア

H16 56,582 33,831 60% 36,940 18,991 51%

オフセット H12 1,353 1,300 96%

(輪転) H16 460 428 93%

H12 51,726 38,978 75% 49,860 32,536 65%

合計 H16 56,582 33,831 60% 37,400 19,418 52%

MEK IPA

区分 使用量 排出量 排出

割合 使用量 排出量 排出 割合 H12 24,643 15,999 65% 15,761 10,966 70%

グラビア

H16 26,196 13,508 52% 16,478 8,525 52%

オフセット H12 3,747 3,660 98%

(輪転) H16 3,044 2,658 87%

H12 24,643 15,999 65% 19,508 14,625 75%

合計 H16 26,196 13,508 52% 19,522 11,184 57%

キシレン 高沸点石油系溶剤

区分 使用量 排出量 排出

割合 使用量 排出量 排出 割合

H12

グラビア

H16

オフセット H12 33 31 94% 28,135 2,411 9%

(輪転) H16 38 33 89% 31,072 2,710 9%

H12 33 31 94% 28,135 2,411 9%

合計 H16 38 33 89% 31,072 2,710 9%

その他 合計

区分 使用量 排出量 排出

割合 使用量 排出量 排出 割合 H12 19,401 9,461 49% 160,039 106,640 67%

グラビア

H16 16,887 7,306 43% 153,083 82,162 54%

オフセット H12 33,268 7,401 22%

(輪転) H16 34,613 5,829 17%

H12 19,401 9,461 49% 193,307 114,040 59%

合計 H16 16,887 7,306 43% 187,696 87,990 47%

注 :網掛け部分は調査対象外の物質である。

(16)

2-2 VOC濃度規制への対応

アンケート調査に基づく、大防法による

VOC

濃度規制対象施設の保有状況や規制への対応状 況を以下に述べる。

(1)VOC濃度規制対象施設の保有状況

① グラビア印刷施設

アンケート回答事業所におけるグラビア印刷機保有台数は合計

460

台であった。このうち、

VOC

濃度規制対象外(乾燥施設の送風能力

27,000m

3/時未満)の施設が

53%、VOC

濃度 規制対象(同

27,000m

3/時以上)の施設が

47%となっている。

従業員規模別の保有状況をみると、従業員規模の増加に従って規制対象施設の保有率が高 くなる傾向が見られる。

規制対象外

(27,000m3/時 未満)

243台 53%

規制対象

(27,000m3/時 以上)

217台 47%

図 2-6 グラビア印刷施設の保有状況(台数ベース)

37%

58%

77%

90%

53%

63%

42%

23%

10%

47%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

100人以上 50~99人 20~48人 1~19人 全体

業員規模

グラビア印刷機の台数 規制対象外

(27,000m3/時未満)

規制対象

(27,000m3/時以上)

460

(17)

② オフセット輪転印刷施設

アンケート回答企業におけるオフセット輪転印刷機保有台数は合計

439

台であった。この うち

VOC

濃度規制対象外(乾燥施設の送風能力

7,000m

3/時未満)の施設が

82%、 VOC

濃 度規制対象(同

7,000m

3/時以上)の施設が

18%となっている。

従業員規模別の保有状況に大きな違いは見られず、VOC 濃度規制対象機の保有率は

20%

程度となっている。

規制対象

(7,000m3/時以 上)

81台 18%

規制対象外

(7,000m3/時未 満)

358台 82%

図 2-8 オフセット輪転印刷機の保有状況(台数ベース)

83%

70%

84%

83%

82%

17%

30%

16%

17%

18%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

100人以上 50~99人 20~48人 1~19人 全体

従業員規模

オフ輪の台数 規制対象外

(7,000m3/時未満)

規制対象

(7,000m3/時以上)

図 2-9 オフセット輪転印刷機の保有状況(従業員規模別)

439

(18)

③ ラミネーター

アンケート回答企業におけるラミネーター保有台数は合計

162

台であった。このうち

VOC

濃度規制対象外(乾燥施設の送風能力

5,000m

3/時未満)の施設が

18%、VOC

濃度規制対

象(同

5,000m

3/時以上)の施設が

82%となっている。

従業員数

1~19

人の階級を除き、従業員規模別の規制対象施設保有状況に大きな違いは見 られず、保有率は

80%程度となっている。

規制対象

(5,000m3/時以 上)

133台 82%

規制対象外

(5,000m3/時未 満)

29台 18%

図 2-10 ラミネーターの保有状況(台数ベース)

17%

19%

20%

0%

18%

83%

81%

80%

100%

82%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

100人以上 50~99人 20~48人 1~19人 全体

業員規模

ラミネーターの台数 規制対象外

(5,000m3/時未満)

規制対象

(5,000m3/時以上)

図 2-11 ラミネーターの保有状況(従業員規模別)

162

(19)

④ コーター

アンケート回答企業におけるコーター保有台数は合計

46

台であった。このうち

VOC

濃度 規制対象外(乾燥施設の送風能力

10,000m

3/時未満)の施設が

41%、 VOC

濃度規制対象(同

10,000m

3/時以上)の施設が

59%となっている。

コーターは規模の大きい事業所が保有しており、小規模事業所の保有はない。

規制対象外

(10,000m3/時 未満)

19台 41%

規制対象

(10,000m3/時 以上)

27台 59%

図 2-12 コーターの保有状況(台数ベース)

42%

0%

0%

0%

41%

58%

100%

0%

0%

59%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

100人以上 50~99人 20~48人 1~19人 全体

従業員規模

コーターの台数 規制対象外

(10,000m3/時未満)

規制対象

(10,000m3/時以上)

図 2-13 コーターの保有状況(従業員規模別)

46

(20)

参考:大防法によるVOC濃度規制対象施設(印刷関連)

対象施設

区分 関連する印刷工程

規制対象となる 施設の能力

排出基準

(ppm-C)

印 刷の用に供す る乾燥施 設

(グラビア印刷に係るものに 限る。)

グラビア印刷 送風機の送風能力が

27,000 m

3

/時

以上

700

印 刷の用に供す る乾燥施 設

(オフセット輪転印刷に係る ものに限る。)

オフセット輪転印刷 送風機の送風能力が

7,000 m

3

/時

以上

400

印刷回路用銅張積層板、粘着

テープ若しくは粘着シート、

はく離紙又は包装材料(合成 樹脂を積層するものに限る。) の製造に係る接着の用に供す る乾燥施設

ラミネ-ター 送風機の送風能力が

5,000 m

3

/時

以上

1,400

塗 装の用に供す る乾燥施 設

(吹付塗装及び電着塗装に係 るものを除く。)

コーター 送風機の送風能力が

10,000 m

3

/時

以上

600

(21)

(2)VOC濃度規制の認知状況

アンケート回答事業所のうち、大防法改正による

VOC

濃度規制に関して「よく知っている」

事業所は全体の

50%、

「聞いたことはあるが具体的にはほとんど知らない」事業所が

37%程度と

なっている。

VOC

濃度規制の認知状況は従業員規模に比例して高まる傾向が見られる。また、規制対象施設 を有している事業所と保有していない事業所では、「よく知っている」割合に

20

ポイント程度の 開きが見られる。

印刷方式別ではグラビア印刷の認知度が最も高く、全体の

70%程度が「よく知っている」と回

答している。

50.0%

27.3%

52.2%

44.3%

64.7%

100.0%

65.7%

44.7%

20.0%

70.3%

41.5%

59.3%

18.9%

36.7%

54.5%

33.3%

38.6%

27.5%

0.0%

25.0%

40.7%

0.0%

20.8%

41.5%

33.3%

64.9%

5.7%

5.5%

7.2%

8.6%

2.9%

0.0%

3.7%

6.5%

20.0%

0.0%

9.6%

3.7%

8.1%

7.7%

12.7%

7.2%

8.6%

4.9%

0.0%

5.6%

8.1%

60.0%

8.9%

7.4%

3.7%

8.1%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

合計(n=300)

1~19人(n=55)

20~49人(n=69)

50~99人(n=70)

100人以上(n=102)

無回答(n=2)

規制対象施設 有り(n=108)

規制対象施設 無し(n=123)

無回答(n=5)

グラビア(n=101)

オフセット(n=135)

光沢(n=27)

スクリーン(n=37)

よく知っている

聞いたことはあるが、具体的にはほとんど知らない このアンケートで初めて知った

無回答

図 2-14 大防法によるVOC濃度規制の認知状況

(22)

(3)VOC規制への対応状況

① グラビア印刷実施企業

グラビア印刷企業における

VOC

濃度規制への対応状況は、全体では「規制対象施設を保 有しており、これから対応の準備を行う予定」が最も多く

41%、次いで「規制対象施設を保

有しており、既に対応済み」が

16%などとなっている。

規制対象施設を保有している事業所のうち、

VOC

濃度規制への対応が済んでいる事業所は 大規模事業所に多く見られ、中小規模の事業所においては、「これから対応の準備を行う予定」

としている事業所が多い。

VOC

削減に向けた自主的な取組みに関しては、従業員数

20

人以上の事業所においては積 極的な姿勢が見られるが、1~19 人の事業所においては「特に準備はしていない」と回答し た事業所の割合が多い。

15.9%

14.3%

10.7%

31.0%

11.2%

2.9%

10.7%

27.6%

41.1%

21.4%

54.3%

46.4%

31.0%

2.8%

2.9%

6.9%

12.1%

42.9%

8.6%

10.7%

3.4%

7.5%

28.6%

11.4% 2.9%

8.4%

7.1%

21.4%

0.0% 0.0% 0.0%

0.0% 0.0%

0.0%

0.9%

0.0%

0.0%

0.0%

2.9%

0.0%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

全体

1~19人

20~49人

50~99人

100人以上

従業員規模

規制対象施設を保有しており、既に対応済みである

規制対象施設を保有しており、既に具体的対応策に着手している 規制対象施設を保有しており、これから対応の準備を行なう予定である

規制対象施設を保有してないものの、既に自主的に具体的対応策に着手している 規制対象施設を保有してないものの、これから自主的な対応を行なう予定である 規制対象施設を保有してないため、特に準備はしていない

その他 無回答

図 2-15 VOC濃度規制への対応状況(グラビア印刷)

(23)

② オフセット印刷実施企業

オフセット印刷企業における

VOC

濃度規制への対応状況は、全体では「規制対象施設を 保有していないため、特に準備はしていない」が最も多く

36%、次いで「規制対象施設を保

有していないものの、既に自主的対応策に着手している」が

16%などとなっている。

従業員規模別の取り組み状況にはバラつきが見られるが、

1~19

人の事業所においては「特 に準備はしていない」と回答した事業所の割合が多く、53%となっている。

12.6%

6.7%

18.2%

10.8%

13.3%

3.0%

10.8%

10.4%

13.3%

9.1%

8.1%

11.7%

15.6%

22.7%

13.5%

18.3%

10.4%

13.3%

18.2%

5.4%

10.0%

35.6%

53.3%

22.7%

37.8%

35.0%

2.2%

5.0%

10.4%

13.3%

9.1%

13.5%

6.7%

0.0%

0.0%

0.0% 0.0%

0.0%

0.0%

0.0%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

全体

1~19人

20~49人

50~99人

100人以上

従業員規模

規制対象施設を保有しており、既に対応済みである

規制対象施設を保有しており、既に具体的対応策に着手している 規制対象施設を保有しており、これから対応の準備を行なう予定である

規制対象施設を保有してないものの、既に自主的に具体的対応策に着手している 規制対象施設を保有してないものの、これから自主的な対応を行なう予定である 規制対象施設を保有してないため、特に準備はしていない

その他 無回答

図 2-16 VOC濃度規制への対応状況(オフセット印刷)

(24)

第3章 グラビア印刷企業における VOC 処理装置のニーズ

本章は、グラビア印刷企業(全国グラビアの会員企業)を対象として実施した

VOC

処理装置 のニーズに関するアンケート調査結果(59社が回答)の概要を述べる。

なお、全国グラビアには

VOC

処理装置の導入が進んでいる大手印刷会社は加盟しておらず、

以下に述べる調査結果は、中小規模のグラビア印刷企業の実態である。

3-1 VOC処理装置の設置状況

アンケートに回答したグラビア印刷企業(59社)のうち、現在

VOC

処理装置を設置している 企業は

8%(5

社)、設置していない企業が

84%(49

社)であった。

設置してい る 8%

設置してい ない

84%

無回答 8%

図 3-1 グラビア印刷企業におけるVOC処理装置の導入状況

(25)

3-2 グラビア印刷企業が望むVOC処理装置のスペック

前節で述べたとおり、調査対象としたグラビア印刷企業の

84%が VOC

処理装置を導入してい ない企業であるが、工場に

VOC

処理装置を設置することを仮定した場合に支払ってもよいと思 う最大のコスト及び希望するスペック等について整理した。

(1)導入可能な本体価格及びランニングコスト

本体価格の有効回答数は

48

件であり、平均値は

38.2

百万円、最小値は

2

百万円、最大値は

100

百万円であった。

最も多かった価格帯は

10

百万円~30百万円(19社)であり、全体の

40%程度を占めている。

次いで回答の多かった価格帯は

50

百万円~100 百万円(約

30%、14

社)であった。なお、50 百万円~100百万円の価格帯を回答した企業の多くが、50百万円と回答している。

ランニングコストの有効回答数

46

件であり、平均値は

228

万円/年、最小値は

5

万円/年、

最大値は

1,000

万円/年であった。

最も多かった価格帯は

100

万円~300 万円(18 社)であり、全体の

40%程度がこの価格帯を

導入可能なランニングコストとして回答している。次いで回答の多かった価格帯は

500

万円~

1,000

万円(約

22%、10

社)であった。

0 100 200 300 400 500 600 700 800 900 1000 1100

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 本体価格(百万円)

ランニングコスト(万円/年)

平均 227.5 平均 38.2

図 3-2 グラビア印刷企業が導入しても良いと考える VOC処理装置の本体価格及びランニングコスト

(26)

表 3-1 グラビア印刷企業が導入しても良いと考えるVOC処理装置の本体価格

本体価格 区分

事業所 平均値

(百万円)

最小値

(百万円)

最大値

(百万円)

中央値

(百万円)

1千万円 未満

1千万円

3千万円

3千万円

5千万円

5千万円

1億円

1億円~

3億円

3億円~

5億円

5億円~

10億円 10億円

以上

48 38.2 2 100 30 3 19 6 14 6 0 0 0

100% 6.3% 39.6% 12.5% 29.2% 12.5% 0.0% 0.0% 0.0%

12 20.2 2 55 10 2 6 2 2 0 0 0 0

1~19

100% 16.7% 50.0% 16.7% 16.7% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0%

19 34.4 8 100 20 1 10 2 5 1 0 0 0

20~49

100% 5.3% 52.6% 10.5% 26.3% 5.3% 0.0% 0.0% 0.0%

17 55.3 10 100 50 0 3 2 7 5 0 0 0

50

以上 100% 0.0% 17.6% 11.8% 41.2% 29.4% 0.0% 0.0% 0.0%

注:従業員階級別に最も回答の多い価格帯に網掛けをしている。

表 3-2 グラビア印刷企業が導入しても良いと考えるVOC処理装置のランニングコスト

ランニングコスト 区分

事業所 平均値 最小値 最大値 中央値 10万円

未満

10万円

30

30万円

50

50万円

100

100万円

300

300万円

500

500万円

1000 万円

1000 円以上

46 228 5 1,000 100 2 2 2 7 18 4 10 1

100% 4.3% 4.3% 4.3% 15.2% 39.1% 8.7% 21.7% 2.2%

10 144 25 500 100 0 1 0 2 5 1 1 0

1~19

100% 0.0% 10.0% 0.0% 20.0% 50.0% 10.0% 10.0% 0.0%

19 218 5 600 120 2 0 1 3 7 2 4 0

20~49

100% 10.5% 0.0% 5.3% 15.8% 36.8% 10.5% 21.1% 0.0%

17 287 20 1,000 120 0 1 1 2 6 1 5 1

50

以上 100% 0.0% 5.9% 5.9% 11.8% 35.3% 5.9% 29.4% 5.9%

注:従業員階級別に最も回答の多い価格帯に網掛けをしている。

(27)

(2)設置可能な面積

作業場内に

VOC

処理装置を設置可能と回答した企業は

11

社であり、設置可能面積は

1~4

㎡ が最も多く

5

社が回答している。屋上に設置可能と回答した企業は

16

社あり、設置可能面積は

16

㎡が最も多く

6

社が回答、次いで

1~4

㎡が多く

5

社が回答している。屋上以外の屋外に設置 可能と回答した企業は

25

社であり、最も回答の多い面積は

16

㎡で

11

社が回答している。

表 3-3 グラビア印刷企業が導入可能なVOC処理装置の底面積

設置可能な処理装置の底面積 区分

1~4 4~9 9~16 16㎡以上 合計

作業場に設置可能 5 3 1 2 11

屋上に設置可能 5 2 3 6 16

屋上以外の屋外設置可能 3 4 7 11 25

その他 0 1 1 1 3

(3)希望するVOC処理装置の能力

① 処理風量

希望する処理風量は、VOC 濃度規制に対応可能な処理風量となる

450m

3/分以上∗)

23

(77%)、450m3/分未満が

7

件(23%)であり、多くのグラビア印刷企業が大風量の

VOC

処 理装置を求めている。

450m

3/分以上の内訳としては、1,000~1,500m3/分が

7

件で最も多い。

3

4 4

5

7 3

3 1

0 1 2 3 4 5 6 7 8

250未満 250~450 450~700 700~1,000 1,000~1,500 1,500~2,000 2,000~2,500 2,500~3,000

VOC処理装置の風量(m3 /分)

回答企業数

図 3-3 希望する処理風量

法対応可能な風量

(28)

② 希望する除去処理率

希望する除去処理率は

90%以上~99%未満が最も多く 14

件、次いで

80%以上~90%未満が 6

件であった。

回答企業数

34

件のうち、約半数の企業が除去処理率

90%未満で良いと考えている。この「除

去処理率

90%未満」という能力に関し、VOC

処理装置そのものの除去処理率なのか、工場全

体としての

VOC

処理率(工場から発生する

VOC

ガス全量に対する

VOC

処理装置に送り込ん で処理するガスの割合)を指しているのかは不明である。

2 3 1

4

6

14 4

0 2 4 6 8 10 12 14 16

50未満 50~60 60~70 70~80 80~90 90~99 99以上

除去処理率(%)

回答企業数

図 3-4 希望する除去処理率

(29)

3-3 VOC処理装置導入にあたって重要視する項目

実際に

VOC

処理装置を導入する場合は、風量、原ガスの濃度・成分・温度、処理方法、コス ト、設置スペースなど各種の条件を詳細に検討していく必要があるが、グラビア印刷企業におけ る

VOC

処理装置に対するニーズの全体的な傾向を捉えるために、VOC処理装置の導入にあたっ てグラビア印刷企業が「コスト」「処理能力」「本体の大きさ」の

3

項目のうち、どの項目を重要 視するかを整理した。

3

項目の比較は、図 3-5に示すとおりであり、重要視する順序は①コスト、②大きさ、③能力 であることが明らかとなった。

①大きさと能力の比較では、大きさを重視(よりコンパクトなほうが良い)

②コストと能力の比較では、コストを重視(より安価なほうが良い)

③大きさとコストの比較では、ややコストを重視

図 3-5 VOC処理装置のコスト・能力・大きさの比較

コスト重視 能力重視

大きさ重視

平均:2.95

平均:

2.89

平均:

3.51

1 6

除去処理率…「90%以上」

を望む企業が53%、「90%

未満」で良いと考えている 企業は47%)

風量は1,0001,500/ を望む事業所が多い 設置可能な面積(最多回答)

作業場………1~4 屋上………16㎡以上 屋上以外の屋外…16㎡以上

印刷企業が支払っても良いと考える最大のコスト 本体価格平均:3,800万円

ランニングコスト平均:228万円/年

(30)

3-4 グラビア印刷企業における先進事例

中小規模のグラビア印刷企業における

VOC

処理装置導入の先進事例として、軟包装グラビア 印刷企業

D

社及びドライラミネート企業

K

社の取組み状況についてヒアリングを実施した。

(1)軟包装グラビア印刷企業の事例

① VOC処理装置導入の経緯

D

社は東京都内にて操業していたが、平成

14

3

月における埼玉県への工場移転の際に新 工場の設計当初から

VOC

排出対策について検討を重ねてきた。

当時は

VOC

処理に関する十分な情報、知見が得られなかったこともあり、新工場稼動時に は

VOC

処理装置の導入には至らなかった。しかしながら、新工場が所在する埼玉県において は、平成

14

4

月から埼玉県生活環境保全条例によってVOC排出規制が実施されるとともに、

工場周辺の臭気対策が必要なことから

VOC

処理装置の検討を急ぎ、平成

14

8

月に触媒燃焼 式脱臭装置の導入を決定、同年

12

月末に設置した。

② VOC処理装置の選定条件

VOC

処理装置の導入にあたっては、悪臭防止法及び埼玉県条例をクリアするだけでなく、工 場周辺住民の生活環境の保全に向け、スペックの検討を行った。

具体的には、以下の条件を検討し、「溶剤ガス濃度コントロールシステム」+「触媒燃焼式脱 臭装置」の導入を決定した。

1)印刷機

4

台、乾燥機

29

ユニットすべての排ガスを処理できること。

2)各ユニットの排ガス濃度には大きな差(数

10ppm~3,000ppm

)があり、総風量は

2,178m

3/分と、いわゆる低濃度大風量である。この低濃度大風量の排ガスを効率よ

く、安全に濃縮できること。

3)重量、設置面積が小さく、コンパクトな装置であること(屋外設置スペースがなく、

機械室へ設置できること。

4)イニシャルコスト、ランニングコスト(省エネなど)が安価であること。

5)安全かつ無公害なシステムであること

6)操作が簡単でメンテナンスが簡単であること。

7)印刷品質に悪影響を及ぼさないこと。

処理方式 :「溶剤ガス濃度コントロールシステム」+「触媒燃焼式脱臭装置」

処理風量 :最大

460N m

3/分

本体寸法 :4.2 m(W)×13 m(L)×2.1 m(H)

除去処理率:99%以上

(31)

③ VOC処理装置導入のメリット

【悪臭防止等】

1)

VOC

処理装置の導入以前に測定した臭気濃度は

980

であったが、処理装置稼動後は大 幅な改善効果が見られ、条例による許容限度を大きく下回っている。

表 3-4 VOC処理装置導入の効果

区 分 臭気濃度 許容限度

処理装置排気口

41 300

局所排気口

98 300

敷地境界線

10

未満

10

【間接的効果】

1)VOC処理装置の導入(平成

14

12

月)に続き、ISO14001の活動を推進した結果(平 成

15

12

月認証取得)社員の環境意識も高まり、会社に誇りと自信が持てるように なった。

2)平成

15

2

月、報道機関及び業界関係者に工場及び

VOC

処理装置を公開し、説明会 を実施した。小規模なグラビア印刷工場の

VOC

処理システムのモデルとして同業者 の参考になればと考えた。今日まで約

70

150

名以上の人々が見学に訪れている。

3)雑誌等への投稿、講演などを通じて当社の

PR

となった。また、得意先の信頼感が高 まり売り上げ増大につながった。

4)周辺住民に対して、

VOC

の使用量・排出量、臭気調査結果(年2回測定)などを開示 して平成

16

7

月第

1

回住民説明会を実施した。以後毎年7月に行っている。

5)「溶剤ガス濃度コントロールシステム」を導入し、低

VOC

濃度の熱風をリサイクル再 利用することにより、乾燥用蒸気ボイラーの

LPG

使用量が大幅に減少し、省エネ効果 が得られるようになった。

④ VOC処理装置導入のデメリット

1)設備投資金額が高く、減価償却負担が大きい。

2)設備のメンテナンスに加え、白金触媒の洗浄費用が高価である。平成

16

8

月に洗浄 したが、その後どの程度まで保持できるか不明である。

⑤ グラビア印刷企業における VOC 対策に向けた助言

1)グラビア印刷企業において

VOC

対策を進めていく上では、まず工場の

VOC

使用排出 実態を把握するのが第一である。すなわち、各施設(1台ごと)が大防法の規制対象 施設に該当するか否か。また事業所における

VOC(種類別)の使用量、排出量を把握

する必要がある。

2)処理装置の導入などの

VOC

対策を講じる際には、自社の施設の現状と将来を見通し て最適な対策を立案する必要がある。その際、グラビア印刷に精通したエンジニアリ

(32)

(2)ドライラミネート企業の事例

① VOC処理装置導入の経緯

K社はドライラミネーターとグラビア印刷機を保有しており、平成

14

年夏より既存施設の増 強を目的として、同じ工業団地内への移転計画を進めてきた。埼玉県条例及び過去、近隣の工 場からの臭気苦情の経験などもあって環境対策を目的として平成

16

5

月の新工場稼働と同時 にドライラミネーターから排出される酢酸エチルの回収精製装置の導入を決定した。

② VOC処理装置の選定条件

K

社は埼玉県条例をクリアするだけでなく、利益を生む

VOC

処理装置を目指し、ドライラ ミネート業界では先進的となる「活性炭吸着回収装置」に酢酸エチルと水分を分離する「精製 装置」を組合せ、酢酸エチルを大気に排出せずに原材料として再使用が可能なクローズドシス テムを前提に検討を行った。具体的な検討条件は以下の通りである。

1)回収された酢酸エチルは工場内で原料として再使用が可能なこと。

2)ドライラミネーター3台を処理対象とすること。

3)設置面積に制約がありコンパクトな装置であること。

4)イニシャルコスト、ランニングコストが安価であること。

特に設備の低コスト化、省スペース化をクリアするためドライラミネーターの高濃度排気 のみを処理する方式を採用した。一般的にドライラミネーターは乾燥ゾーンが

2~3

ゾーンに 分かれており、実機で濃度測定を実施し高濃度であることが明らかであった第

1

ゾーンを処 理の対象とした。

処理方式 :「繊維状活性炭吸着回収装置」+「溶剤精製装置」

処理風量 :210Nm3/分

本体寸法 :12m(W)×11m(L)

×〔吸着回収装置〕4.6m,〔溶剤精製装置〕8.5m(H)

除去処理率:90%以上

③ VOC処理装置導入のメリット

【法・条例規制への対応】

1)埼玉県生活環境保全条例(炭化水素類の排出規制)の規制値を満足することができた。

(条例の規制値

50%以下に対して 44%)

2)同工場で保有するグラビア印刷機は大防法による

VOC

濃度規制の非該当機であるた め、ドライラミネーターの

VOC

処理を行うことで大防法もクリアすることができた。

【経済的効果】

約2年の運転実績において7割以上の酢酸エチルの購入費用を削減することができた。以

(33)

1)酢酸エチル購入費の削減(設備導入後の平均実績)

酢エチ単価@120円/kg×29ton/月= 348万円/月

2)運転コスト(VOC処理装置の運転コスト)

項 目 運転費(月間

500

時間)

電気代 36万円 (窒素・圧縮空気代を含む)

冷却水代 12万円 蒸気代 75万円 合 計 123万円/月

3)メンテナンスコスト(活性炭交換費含む3年間の平均)

メンテナンス代 25万円/月

4)運転コスト+メンテナンスコスト合計 運転・維持費 合計 148万円/月

5)VOC処理設備導入による経済効果

(収入) (支出)

348

万円/月-148万円/月=200万円/月

※収入とは、VOC処理装置導入により削減した酢エチ購入費である。

④ VOC処理装置導入のデメリット

1)長期的には設備投資費の回収は可能であるが設備投資金額が大きい。

2)吸着回収装置、精製装置を運転するための蒸気、冷却水などの付帯設備が必要となる。

3)回収酢酸エチルの品質を維持するために定期的なメンテナンスが必要であり、燃焼方 式などと比較すると維持費がかかる。

⑤ 中小ドライラミネート企業におけるVOC対策に向けた助言

1)今回採用した高濃度のゾーンのみを処理する方式により処理装置を小型化、低コスト 化することが可能となった。他のドライラミネート企業においても現状の排気濃度の 調査及びダクトの切離し等の改造について検討を行い、同業界に精通している

VOC

処理装置メーカーと相談するのが効果的と考えられる。

2)

VOC

処理は長年に渡って稼働させるものであるので、処理装置の設備費、運転費及び 維持費は当然のことながら、ドライラミネーターなど設備の将来の増設計画なども含 めて、十分に検討し中長期的な経営計画に盛り込む必要がある。

表 1-3  印刷企業におけるVOC使用・排出実態把握のアンケート調査  発送・回収状況  グラビア  印刷用  オフセット 印刷用  スクリーン 印刷用  光沢加工用  合計  区  分  発送  回収  発送  回収  発送  回収  発送  回収  発送  回収  グラビア  176 64  - - - - - - 176 64 工業会  29 43 91 89 3 2 3 11 126 145 全印工連  - - 223 46 - - - - 223 46 光沢  - - - - - - 121 1
表 2-1  VOC 使用・排出状況一覧  酢酸エチル  トルエン  区分  使用量 排出量 排出  割合  使用量 排出量  排出 割合  H12  51,726 38,978 75% 48,507 31,236 64%  グラビア  H16  56,582 33,831 60% 36,940 18,991 51%  オフセット  H12  - - - 1,353 1,300 96%  (輪転)  H16  - - - 460 428 93%  H12  51,726 38,978 75% 49,860
表  3-1   グラビア印刷企業が導入しても良いと考える VOC 処理装置の本体価格 本体価格  区分  事業所 数 平均値  (百万円) 最小値  (百万円) 最大値 (百万円) 中央値 (百万円) 1 千万円未満  1 千万円~  3 千万円 3 千万円~ 5千万円 5千万円~1億円 1 億円~ 3億円  3億円~ 5億円  5 億円~10億円  10 億円以上  合  計  48  38.2 2  100 30 3 19 6 14 6 0 0 0  100% -  -  -  - 6.3% 39.6
表 4-4  メーカー提案による濃度規制対応の VOC 処理装置のスペック  企業 NO.  処理方法  装置の大きさ  重量 (t/㎡) 区分  詳細  本体 価格  (万円)  風量 単価  (万円/㎥)  除去処理率 (%) W  m  D  m  H m  重量t  W × D ㎡  W × D × H㎥  4  燃焼  蓄熱燃焼法  5,000 11 95 28 8 10 50 224  2,240 0.22 5  燃焼  蓄熱燃焼法  7,000 16 95 12 5.3 6 40 64  38
+5

参照

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