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搭載モデルベースの誘導制御則と統計的ロバスト飛 行制御設計

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Academic year: 2021

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

搭載モデルベースの誘導制御則と統計的ロバスト飛 行制御設計

塚本, 太郎

https://doi.org/10.15017/1807032

出版情報:Kyushu University, 2016, 博士(工学), 課程博士 バージョン:

権利関係:Fulltext available.

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(様式2)

氏 名 塚本 太郎

再使用宇宙輸送システムの誘導制御則設計に関する研究

-搭載モデルベースの誘導制御則と統計的ロバスト飛行制御設計―

区 分

将来の再使用宇宙輸送システムはその繰返し運用の中で遭遇する多様な条件に対応して飛行する 能力が必要である.また,安全性,信頼性,柔軟な運用性の観点から,物理的に帰還可能であれば いかなる状況からでも帰還できる能力を持つことが望ましい.このため,誘導制御則は飛行中の大 きな特性変化に対応可能であると同時に,広い飛行領域に対して効率的に設計ができ,種々の異な るミッションに対して容易に再設計のできる設計方法が求められる.またその一方で,空力特性を はじめとする様々な不確定性に対する耐性が必要である.

本論文では,これらの要求を満たし,将来の再使用宇宙輸送システムへ適用可能な誘導制御則設計 手法として搭載モデルベースの誘導制御,すなわちオンボードの機体運動モデルを積極的に利用す る誘導制御則の適用を提案し,具体的な実証システムのモデルに適用して,課題を抽出し解決方法 を示した.また,不確定性を考慮した統計的設計について,計算負荷を低減しうる新たな手法の提 案を行った.

本論文は全 5章から構成されており,各章の内容は以下の通りである.

1章では,研究の背景と概要を記述した.

2章では,再使用宇宙輸送システムの広い範囲の飛行条件に対して,系統的に誘導制御系を設 計するための有効な手法として,搭載モデルベース制御,すなわち,オンボードの機体運動モデル を積極的に利用する誘導制御則を提案した.階層構造をもつダイナミックインバージョン制御は誘 導制御則に組み込んだ機体運動の逆ダイナミクスを用いて飛行条件による特性の変動を補償して所 望の応答を得るもので飛行領域全体にわたる設計作業の効率化を図ることができる.搭載機体モデ ルを用いるため,誤差の影響の補償が重要となるが,外乱オブザーバをもちいた誤差補償と組み合 わせることにより効果的に誤差を補償することができる.また,再使用宇宙輸送システムでは空力 舵面とスラスタ等の複数の制御デバイスを持つが,制御アロケーション技術により,これらを合理 的に組合せて使用することが可能となる.

3章では,搭載モデルベースの誘導制御の適用例として2つの実証システム,すなわち小規模 飛行実験機と有翼ロケット実験機を取り上げ,提案した誘導制御則を適用し,課題の識別と解決策 の検討を行った.前者は,小型の固定翼無人機であり,これに提案する搭載モデルベースの誘導制 御のうち階層構造化したダイナミックインバージョンベースの誘導制御構造を適用した誘導を適用 しての飛行実験を行い,これらのオンボードでの実装が十分可能であることを示した.また,ダイ ナミックインバージョンを用いた姿勢制御のロバスト性を高めるための手法として外乱オブザーバ 補償器との組合せ,および誤差を考慮した非線形シミュレーションによる最適化手法を適用し,シ ミュレーション解析でこれらの基本的な有効性を確認した.後者の有翼ロケット実験機は,垂直打

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上して高度 100km 以上に到達したのち滑空して帰還するタイプの有翼ロケット実験機であり,こ れに対して搭載モデルベースの誘導制御を試作し線形解析およびシミュレーションによる検討を行 った.ここでは階層構造を持つダイナミックインバージョン制御について設計の容易さを利用して 誘導制御の初期検討において適用し,姿勢制御を含めた機体の特性を把握し,操舵デバイスの構成 等のシステム検討に役立てることを提案した.一方,実装を考慮した場合のロバスト性を高める手 段として,縦の姿勢制御を例に特異摂動法を適用してトリム操舵分を分離し,逆ダイナミクスモデ ルに調整パラメータを持ち込むことで安定余裕を改善する方法を試み,有効であることを線形解析 およびモンテカルロシミュレーション評価により示した.

4 章では,誘導制御則における可調節パラメータによる制御性能向上について検討を行った.

宇宙往還機等の誘導制御系は空力特性をはじめとする様々な不確定性に対する耐性が必要であり,

モンテカルロシミュレーションを用いた統計的評価が設計結果の標準的な確認手段となっている.

さらに,このモンテカルロ評価結果を評価関数として制御パラメータを最適化する統計的最適化は,

信頼性の高い飛行制御系を設計する実用的な方法であるが,計算負荷が高いことが課題の一つとし てあげられる.ここでは,統計的設計を改良するための新しいアプローチとして,近年,機械学習 等の分野で開発されている確率推定に基づく手法の適用を提案した.確率密度比推定に基づく手法,

および確率的分類に基づく手法の飛行制御系設計への適用を試み,シンプルな縦姿勢制御の例題に 対して制御ゲインのチューニングに使用できることを示した.

5章では,各章の内容をまとめ結論とした.

参照

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