ロープウェイセンターに たどり着いた登山者
センターロビーの様子 下山者が利用したヘルメット ⑷ 下山者の輸送
徒歩で下山した登山客をさらに 麓まで運ぶため、六合目~御岳 ロープウェイ鹿ノ瀬駅間をマイク ロバスでピストン輸送し、うがい 用飲料水を配布のうえ、負傷者は 木曽病院へ救急車や公用車で搬送 しました。また、下山者待機所と して開放した三岳交流促進セン ターへも回送を行っています。石 室山荘からの最終グループが六合 目に到着したのは、午後7時50 分を過ぎていました。
⑸ 下山者名簿の作成
御岳ロープウェイ鹿ノ瀬駅にお いて下山者名簿(氏名・住所)を 作成し、問い合わせがあった場合 の確認に備えるとともに、送迎バ ス乗車時も再度確認を行いました。
御岳ロープウェイ事務所内での対応
御嶽山噴火災害活動記録誌
9月27日15時32分、三岳支所 近くの三岳交流促進センターを待 機所として開設し、下山者や家族 関係者に休憩場所と食事の提供、 帰宅希望者は木曽福島駅まで回送、 宿泊希望者には入浴と食事・布団 を手配するなどの対応にあたりま した。また、田の原に駐車してい たドライバーからは鍵を預かり、 王滝村役場に届けるようにしまし た。
翌28日20時00閉設。待機所は 役場本庁及び木曽福島管内の公共
施設へ移設しました。 地元ボランティアも参加しての炊き出し準備
三岳交流促進センターでの対応
受付では下山者名簿記入のお願いをした
中継車等報道陣の車
横になれたのは午後11時過ぎだった 翌朝マイクロバスに乗車する帰宅者
御嶽山噴火災害活動記録誌
〔9月28日からの対応〕 ⑺ 遺体安置所の確保
ご遺体の収容場所は、閉校と なっていた旧上田小学校の体育館 を使用することとし、施設の設営 や維持管理、受付やご家族への説 明、ご遺体の搬送、夜間の警備に あたりました。悲しみにくれる多 くのご家族に接し、職員にとって も精神的に疲労が重なる日々が続 きました。
和室は家族控室とした
焼香台も準備された 待機場所案内
・家族支援(待機所設置本庁第1会議室) 町職員 (仮眠所)杭の原集会所 町職員 中部公民館 町職員 農業者トレーニングセンター
町職員
・家族支援(食事サービス) ・道路交通規制、入山規制 ・救援物資受付
・ボランティア受付
・心の相談室、医療支援 長野県職員・保健師 各待機所(仮眠所)
木曽町災害対策本部
木曽町役場(0264-22-3000) 木曽町消防団
長野県災害対策本部 木曽地方事務所
・被災者安否確認
・被災者対応 捜索・救護 警備全般
・検死班 医 師
長野県警 木曽警察署
全国からの支援警察官
・捜索、救護 木曽広域消防本部
消防支援隊・救護隊
・捜索、救護 自衛隊
・道路、河川の防災対策 国土交通省
中部地方整備局
・心の相談室 日本赤十字社
(DMAT)
御嶽山噴火に関する対応組織図(平成 26 年9月 29 日)
木
曽
町
本
庁
に
詰
め
て
い
る
団
体
御嶽山噴火災害活動記録誌
⑻ ご家族への対応
連日待機しているご家族の宿泊 場所として、町有施設である農業 者トレーニングセンターを開設し、 地区管理である杭の原集会所と中 部公民館をお借りしてご家族に利 用していただきました。
また、町内のホテルや旅館から は入浴施設や個室の提供をいただ くなど、地域の方々のご協力をい ただきながら対応することができ ました。
農業者トレーニングセンター
御料館宿舎
トレーニングセンター内部
宿舎内部
中部公民館 公民館内部
宿泊日 身元判明 杭の原集 中部公民 農業者トレ 御料館 計 家族数
9月28日 4人 -
9月29日 8人 31 人 11 人 15 人 57 人 - 9月30日 0 人 28 人 17 人 11 人 56 人 - 10月 1日 35 人 19 人 14 人 18 人 51 人 14 人 10月 2日 0人 17 人 13 人 閉鎖 30 人 8 人 10月 3日 - 閉鎖 10 人 10 人 7 人 10月 4日 4人 27 人 27 人 8 人
10月 5日 - 閉鎖 0 人 0 人
10月 6日 - 0 人 0 人
10月 7日 3人 8 人 8 人 4 人
10月 8日 1人 5 人 5 人 2 人
10月 9日 - 2 人 2 人 1 人
10月10日 0人 2 人 2 人 1 人
10月11日 1人 7 人 7 人 2 人
10月12日 0人 0 人 0 人 0 人
10月13日 - 0 人 0 人 0 人
10月14日 - 0 人 0 人 0 人
10月15日 0人 4 人 4 人 1 人
10月16日 0人 26 年捜索打切り 閉鎖 10月23日 1人
合計 57 人 95 人 92 人 44 人 28 人 259 人
待機室とした1階会議室 公共施設宿泊の利用者
10月5日・6日、10月13日・14日は台風接近に伴い捜索が一時中断されたため利用者なし (人数)
第一会議室での状況説明 御料館敷地内は関係者以外立ち入り禁止とした
・家族待機場所の確保と提供
御嶽山噴火災害活動記録誌
⑼ 報道機関への対応
各社の報道陣が集まり、対応に 追われることとなりました。報道 陣待機室は第三会議室としました が、各社とも現地におもむく記者 や町内に取材に行く者など相当数 の取材陣が集まり、初日からしば らくは町内のコンビニエンススト アや商店から食料品が底をつく状 態となっていました。
松原運動場中継車の様子 宿泊所でも目隠しをした
裏通りも遠慮していただくことに
中継車も陣取る
報道陣と家族の車で満車となった本庁駐車場
報道関係者は事務室等への入室は遠慮していただく
第三会議室での記者会見の様子 報道陣と家族の駐車場を分けた
御嶽山噴火災害活動記録誌
⑽ 役場本庁の対応 ・記者会見
発災当初は、全国から安否確認 の問い合わせ、公的機関からの情 報伝達、報道陣からの取材等が相 次ぎ、電話が鳴りやむことはあり ませんでした。こうした事態から 必要な情報収集や通常業務に支障 をきたしたため、緊急情報以外は 1日3回程度(全39回)の記者
・情報収集、整理
総務課内にテーブルを増設し、 長野県警や消防署職員が常駐し、 第二会議室には気象庁や多治見砂 防国道事務所職員が常駐し、情報 収集や整理を行いました。また、 日本赤十字社長野県支部からも派 遣があり、ご家族への心のケアを していただきました。
DMAT 仮事務所として提供した第二会議室 待機中の報道陣
記者会見の様子
ホワイトボードに書き出された情報 家族待機状況
関係機関職員との連携 書出された情報はパソコンに入力
御嶽山噴火災害活動記録誌
果物類 ・炊出し、救援物資
・届けられた救援物資
事務室での炊出し
飲料水 待機家族用に用意された食料品等
・災害見舞金
救援物資が届くと同時に、見舞 金も町内及び全国からたくさん寄 せられました。平成26年度から 28年度までに14,505千円が木曽 町に寄せられました。今後この見 舞金は、王滝村とも協議しながら 慰霊碑の建立や維持管理等に活用 させていただきます。
NTTより貸出し提供があった携帯電話 寄せられた応援メッセージ
ゴーグル
御嶽山噴火災害活動記録誌
⑾ 降灰対策 ・降灰の処理
地元住民から初めに寄せられた 要望は、降灰による粉塵問題の解 消でした。最初は湿気のある灰で も舗装された道路上ではすぐ乾燥 し、車が通ると舞い上がって視界 を悪くします。また、車のキャブ レターを詰まらす危険性もあり、 木曽建設事務所の路面清掃車や町
の散水車が出動しました。 湿った灰でスリップをした車
集塵装置のブラシ 各地から集まった路面清掃車
タイヤドーザーでは対処しきれなかった
作業中粉塵が舞い上がる様子
町所有の6.5t給水車は散水車として使用した 散水調節をする岡崎からの派遣車
各所に集められた火山灰
御嶽山噴火災害活動記録誌
⑿ 土石流対策
火山灰は50cm以上堆積されて おり、豪雨があった場合には土石 流に発展する恐れがありました。 その対策として、満杯状態である 砂防堰堤の土砂を撤去し、砂防能 力を回復しておく必要があります。 また、堤防の低い所や土砂が溜ま りやすい場所では堤防嵩上げの必 要があり、これらは木曽建設事務 所が主体となって取組み、10月 2日からは湯川砂防ダム能力回復 工事が着手されました。町は、周 辺用地の所有権の確認や県への情 報提供、地権者との連絡調整を行 いました。
10月5日には台風18号の接近 により火山灰を含む土石流の発生 が心配されたため、町では三岳の 屋敷野・荻ノ島・栩山・井原・倉 本、開田の柳又の計6地区71人 に避難準備情報を発令し、9世帯 14人が自主避難しました。
着工当時の湯川
御岳ロープウェイ駐車場臨時雨量計
火山灰で濁る王滝川(小島付近) 赤岩橋付近の仮堤防
白川沿いの嵩上げ工事(赤岩巣橋付近)
監視カメラ用ライト 臨時監視カメラ
火山灰で濁る西野川(猿橋付近) 冷川ワイヤーセンサー
重機による袋詰作業
太陽の丘公園付近の堤防嵩上げ 整備された砂防堰堤
御嶽山噴火災害活動記録誌
⒀ 水道施設への影響 ・北部簡易水道原水汚濁
河川の汚濁による水道原水の濁 りを監視していたところ、10月 2日、鹿ノ瀬配水池の水源に濁り が認められたため、止水すること としました。町有タンク車3台に より配水池へ補水を行いましたが、 水量が間に合わず水位が下がって しまうため、長野県水道協会中信 ブロック幹事の松本市に連絡して 給水車の応援依頼をしました。ま た、台風18号が上陸する可能性 があったため、あわせて急速ろ過
・台風18号による原水汚濁
10月5日には台風18号が接近 し、鹿ノ瀬水源地では24時間体 制で監視をしていたところ14時 過ぎに屋敷野簡易水道のポンプが 故障し、給水先の最上部が断水と なり、給水車2台による補水作業 に入りました。
16時31分大雨注意報が発令さ れ台風が最接近しました。鹿ノ瀬 原水のろ過装置設置を急ぎました が、22時過ぎに原水が濁り出し、 取水停止となってしまいました。 早速、町の大型給水車による補 給作業に入りましたが、再度県水 道協会へも応援要請の連絡を入れ、 深夜にもかかわらず駆けつけてい ただきました。
装置を手配しました。深夜に松本 市・塩尻市・安曇野市より給水車 が到着し、配水池への補水を支援 していただきました。作業は徹夜 で行われ、朝方までかかりました。 この水道水は、木曽温泉・小 奥・オリンポス三岳から井原まで を給水する重要な施設で、計画給 水人口は900人と比較的多く、職 員及び応援隊の懸命な作業で断水 事態にならないよう努めました。
町有の1.5tタンク車
塩尻市から駆けつけた給水車 原水汚濁による夜間給水作業2tタンク
町有の6.5t給水車 翌6日の深夜1時30分から補
・急速ろ過装置の仮設
10月4日に導水管の途中に急 速ろ過装置を設置することにし、 御岳ロープウェイに通じる町道鹿 ノ瀬線を夜間通行止めにして配管 作業を実施しました。台風が接近 していたため、装置の設置と配管
凍結防止用の暖房設備 冬季間の凍結防止用に囲んだ建屋
バリケードで保護された施設
道路横断した配管工事 ろ過装置(130㎥/時)
配管工事状況
ろ過器周辺の配管 夜間作業による道路掘削作業
接続を休む間もなく実施しました が、その後すぐに通水することは できません。原水に合わせたろ過 装置機種の選定、ろ過砂の配合、 ろ過水を飯田市まで運んでの水質 検査等に1日近くを要しました。
御嶽山噴火災害活動記録誌
⒁ 再捜索でのヘリコプターの洗浄
行方不明者の再捜索は、翌年7 月28日から王滝村おんたけ2240 スキー場の施設内に県対策本部を 設けて開始され、木曽町からも連 日職員が派遣されました。 捜索範囲は火口に近いお鉢めぐ りルートを重点的に行うとのこと
着陸装置洗浄の様子 ヘリコプター脚部の洗浄
ポンプ車からの加圧送水
消火栓から木曽町給水車への補給
給水車から自動車ポンプへの直結給水 ヘリポート水槽への補給
から、自衛隊大型ヘリコプターが 山頂部へ仮設のシェルターを空輸 します。その際、ヘリコプターは ぬかるんだ火山灰の上に着陸する ため、脚部を水洗浄することが求 められました。そこで、町職員が 給水車で水を輸送し、消防ポンプ
第4章
噴火後
の
復興
をめざして
1. 調査登山の状況
2. 復興に向けて
3. 献花台の設置
4. 追悼式の開催
御嶽山噴火災害活動記録誌
冬場に壊れてしまった看板
⑴ 噴火警戒レベルの推移
噴火発生直後から噴火警戒レベ ル3となり、火口から概ね4km が入山規制され、木曽町では油木 美林入口・木曽温泉前交差点・ 開田登山道口で交通規制を実施 し、緊急車両以外の車両や登山者 の入山を禁止しました。その後も 気象庁で発表される入山規制範囲 に応じて、3km・2kmと縮小し、 ゲートや看板を整備して対応しま した。
翌年6月に噴火警戒レベルは2 に引き下げられ、入山規制が概ね 1kmとなりましたが、町では段 階的に規制を解除しました。 噴火警戒レベルは平成29年8 月21日にレベル1になりました が、入山規制緩和は頂上の避難小 屋整備(シェルター)や登山道整 備が整うまで規制を継続すること とし、災害対策基本法※に基づき
入山規制1kmは継続しました。
1. 調査登山の状況
警戒レベル3
平成 26 年 9月27日 ~気象庁発表~
入山規制範囲を火口から概ね4㎞とする
王滝八海山、油木美林入口、神王原、鹿ノ瀬駅、開田口封鎖 平成 27 年 1月19日 火口から概ね3㎞を入山規制
2月26日 田の原駐車場まで可 3月31日 火口から概ね2㎞を入山規制 5月23日 田の原大黒天まで可 6月5日 七合目行場山荘まで可 6月20日 田の原遥拝所まで可 警戒レベル2
平成 27 年 6月26日 ~気象庁発表~
入山規制範囲を火口から概ね1㎞とする 7月1日 八合目女人堂までを解除
7月10日 開田口を三ノ池、油木美林遊歩道を解除 8月11日 百間滝から中の湯間を解除
9月19日 九合目石室山荘、三ノ池ルート 1,000 mまで(二ノ池裏第2雪渓通過不能) 10月 8日 五の池から摩利支天乗越しまでを解除 10月19日 九合目上分岐から二ノ池手前 500 mを解除
11月13日 「木曽町御嶽山噴火災害対策本部」を警戒本部に切り替え 平成 28 年 6月28日 九合目上分岐から二ノ池・賽ノ河原を解除
9月17日 王滝八合目避難小屋までを解除
9月24日 王滝九合目避難小屋までを解除田の原遥拝場、金剛童子、白龍小屋までを解除
警戒レベル1
平成 29 年 8月21日 ~気象庁発表~
活発な噴気孔から概ね 500 mを注意が必要な範囲とする 入山規制範囲は火口から概ね1㎞を維持する
木曽町御嶽山噴火災害警戒本部廃止 ※ 災 害 対 策 基 本 法 第63条 で は「 災
⑵ 情報看板の整備
段階的な入山規制の変更に伴い 規制看板の位置を移動し、説明図 を修正する作業が必要となります。 また風の強いところは毎年破損が 著しいため、春先になると町職員 を派遣して実態を把握し、その後 山小屋関係者や案内人等により看 板の修理を行っています。
開田口は翌年7月まで入山規制された 黒沢口の規制看板
規制区域の変更による修正作業
八合目半の距離表示板
九合目上の規制看板 県道に設置された看板
規制当時の石室山荘上
御嶽山噴火災害活動記録誌
⑶ 最初の山小屋調査
山小屋の被害状況調査は、平 成26年10月18日から4日間にわ たって実施されました。被害状況 を把握するとともに、建物が降灰 や雪の重みに耐えられるよう補強 し、荷物を麓へおろす必要があっ たからです。町では、ガスマス ク・ヘルメット・無線機等を貸与 し、気象庁からの情報提供を受け ながら町職員を同行させ、入山を 許可しました。
山小屋の外壁は噴石が直撃し、 トタン葺き屋根には厚く灰が積も り、あちこちに大きな穴がいくつ も開いて室内は灰だらけです。梁 には割れが入るなど、今回の噴火 の恐ろしさを伝えていました。 頂上の祈祷所の壁を見ると、東 側の建物正面は被害が少ないもの の、火口に面した西側は大きく破 損していました。地獄谷の岩肌 も、やはり西側に被害が集中して います。しかし、なかには岩にぶ つかった火山弾が跳ね返って壁に ぶつかっている箇所も見受けられ、 必ずしも火口側だけが損壊を受け たわけではないことも分かってき ました。
施 設 名 被 害 状 況
御嶽神社祈祷所 屋根被害大、窓全壊、裏側壁被害大 御嶽神社社務所 屋根被害大、窓全壊
剣ヶ峰山荘 屋根被害大、窓全壊
頂上山荘 屋根被害大、窓全壊、玄関側被害大 二ノ池新館 数箇所屋根に噴石による穴 二ノ池本館 便所廊下屋根 2 箇所噴石による穴 覚明堂 損傷なし
石室山荘 ひさし一部損傷 女人堂 損傷なし
頂上付近各施設の給水タンク全壊
御嶽山頂上付近位置図
二ノ池新館
二ノ池本館
覚明堂
石室山荘
社務所屋根の被害 剣ヶ峰の様子
壁に刺さった噴石
祈祷所正面の様子