厚岸湖 ・厚岸湾堆積物 中の脂質組成 と分布
近 藤 寛 *
*
長崎大学教育学部地学教室 (平成16年10月29日受理)Di s t r i but i o na ndLi pi dCo mpo undsi nSe di me nt s f r o m Ak ke s hiLa kea nd A kke s hiBa y
Hi r o s h iKo n d o *
*
DepartmentofGeology,FacultyofEducation,NagasakiUniversity(ReceivedOctober29,2004)
Abs t r a c t
SedimentsamplesfTromAkkeshilakeandAkkeshibaywereanalyzedformudcontents,CaCO3, organicC,N,a13Candlipidcompounds. Landderivedorganicmatterinthesedimentsareover 71% attherivermouthofAkkeshilake,35.3‑41.00/oatthebayheadofAkkeshibayand18.90/o attheopensea.
n‑Alkanesandn‑alcoholsinthesedimentsarerich,theseL/H aresmallandtheseCPIarehigh attherivermouthofAkkeshilakeandthebayheadofAkkeshibay.Theconcentrationsof dinosterol(a)aresmallatAkkeshilake,butthisislargeatthebayheadandmidbayofAkkeshibay.
Inatriangulardiagram ofC27,C28,C29‑SterOles,2sedimentsoftherivermouthofAkkeshi lakeareplottedonte汀eStrialandasedimentofAkkeshilakeisplottedonesharineorbay.Many sedimentsofAkkeshilakeandAkkeshibayareplottedonopenmarine.
Thedistributionpattem‑1;C/N ratio,a13C,n‑alkanes(fig/gC),cholesterol(G)(%)and B‑sitosterol(U)(%)aredecreasedwith increasing waterdepth and fartherseaward from the coast.Thedistribution pattem‑2;thehigherconcentrationsofn‑alkanes(FLg/g),n‑alcohols (fig/g)anddinosterol(FLg/g)arefoundinthesedimentsofbayheadandmidbayofAkkeshibay.
ThelipidcontentsinthesedimentsofAkkeshilakearesimilartothelipidcontentsattheOmura bay・ThelipidcontentsatAkkeshibayaresimilartothelipidcontentsattheTomiebay.
1 .はじめに
現世 の海底 堆積 物 に含 まれ る有機 物 は,堆 積環境 に応 じてその組 成 が特徴 づ け られ ,脂 質組 成 も堆積環境 に よ り特徴 づ け られ るで あろ う。堆積 物 中の有機 物 には陸起源 と海洋起 源 の ものが混在 してい るが, それ らの有機 物 が寄与す る割 合 に よ り脂 質組成 に違 いが生 じ る。有機 物 の内 どれ ほ どが陸起源 であ るか を推定す るには,有機炭 素 同位体比 613C値や有 機 分子 を トレーサー とす る方法 が あ る (石 渡,1995)。
厚岸湖 ・厚岸湾 の底質 と有機物 に関す る研究 には,粒 度組成 と鉱物組成 (塩沢,1969), 底質 中の有機物 (渡辺,1969)が あ るが,∂13C値や脂質組成 につ いての研究 はな され てい
ない。本研究 では厚岸湖 か ら厚岸湾 において,堆積物 の
61 3
C値 と脂質組成 を明 らかにして 陸起源有機物 と海洋起源有機物 の組成 と分布 を明 らか にす るこ とを 目的 とした。2.
厚岸湖 ・厚岸湾の概要塩沢 (1969)による と厚岸湖 ・厚岸湾 の概要 は次の通 りである。厚岸湖 は北海道東部 の 南岸 に位置 し,東西約7km,南北約6km,周囲約25km,面積約35km2である。別寒辺牛用 な どによる陸水 の流入 がある。干満 によ り海水 の流入 が激 し く,カキの棲息 か ら全体 として は高槻水 をたたえた潟湖 である。水深 は湖 口付近 を除いてほ とん ど2m以残 であ り, アマ モが密生 しているので風浪の作用 はあま り大 き くない。厚岸湾 は南北約13km,東西約12km, 面積約120km2である。湾奥部 で幅約700m,最大水深約10mの水路 によ り厚岸湖 と連 なる.港 口部 は最大水深約10m (大部分 は5m以浅) である。湾 に流入す る大 きな河川 はな く,千 潮時 に厚岸湖 か らの流入水 で少 し薄 め られ る。湾 内にはコンプ,ホタテガイが生育 し,全 体の水質は海水 とほ とん ど変わ らない。海底地形は岸か ら湾央 に向けて しだいに深 くなる。
1992年8月25日の調査時 に厚岸湖 の水 はわずかに濁 っていた。厚岸湖 の湖 口付近 にはカキ 礁 がある。厚岸湖全域でアマモが観察 され た。別寒辺牛用河 口付近 には ヨシや アシが密生 した低湿地 がみ られ た。厚岸湾 の海水 はやや濁 りが認 め られ た。なお本論 では調査地域 を 堆積物の粒度分析の結果 も考慮 して,便宜的に厚岸湖 を河 口域rivermouth,厚岸湖lakeAkkeshi の2地域 に区分 した。また厚岸湾 は湾奥部bayhead,湾央部midbay,沿岸部baycoast,港
口部baymouth,外洋open seaの5地域 に区分 した。
3. 試料採取と分析方法
堆積物試料 は1992年8月25日に厚岸湖 か ら6試料 ,厚岸湾か ら20試料 をェ クマ ン ・バー ジ採泥器 によ り採取 した (第1表,第 1図)。得 られ た試料 は‑20℃の冷凍庫 で分析時 まで 保存 した。採取地点は厚岸湖では河 口域 (St.4,5),厚岸湖 (St.1,2,3,6)の 4地点, 厚岸湾 では湾奥部 (St.15,16,17,18,19,20),湾央部 (6,9,10,ll,14),沿岸部 (St.7,
8,12,13),湾 口部 (St.4,5),外洋 (St.1,2,3)の20地点である (第1表,第2図)0 粒度分析 は砂質部 を館分法 で行い,水備 によ り含泥量 を求 めた。貝殻 な どに由来す る炭 酸カル シュウムCaCO3量 は5%塩酸処理前後の重量 の差か ら求 めた。有機炭素C・有機窒素 Nは,塩酸処理後の試料 を長崎大学機器分析セ ンターの柳本製Cf刑コーダーによ り分析 したo 有機炭素 同位体比
6 1 3
C値 は,東京都 立大学理学部分析化学教室 にて測定 した。脂質の分析方法 は次の通 りである。湿試料11‑18g(乾重量6‑14g)にメタノール を数 回加 えて水分 を除去す る。 その後1NKOH/メタノール溶液 によ り70℃,3時間でケ ン化す る.ケ ン化液 か ら中性成分 をn‑‑ キサ ン/ ジェチルエーテル (9 :1)によ り抽 出 した。
中性成分 は薄層 クロマ トグラフィー によ り炭化水素,多環芳香族炭化水素 ・アルデ ヒ ド ・ ケ トン,脂肪族 アル コール
・4
‑メチルステ ロール,4 ‑
デスメチル ステ ロール の4つ に分画 した。脂質成分の定量 は,ガス クロマ トグラム (HewlettPackard社製,5890シ リーズⅡ)を用い た。カ ラムは
D B ‑
5(内径0.32mmx長 さ30m,微極性)である。昇温条件 は初期温度50℃
(2Tablel An alyticaldataofsedimentsfTrom LakeAkkesiandAkkesiBay
St.Depth CaCO。 C 〜 C/N 613C f t. hud Sediment. Area
(n) % % % %0 % % nane
lAIAIA紬alAoSoSoS加Bm曲BC馳畑止血馳B此BhmBhBhBhB
。。霊慧霊山山慧山紺紺
霊‰‰慧還謡蕊慧慧琵謡慧
OU86713662651691042379cc1682
977492150327185770095039377994741▲1666324516qV37321
3438.009J396.199671.99363390.16310683350404420718555163137021231329︼3333233333431
2230283一6411754432027555951nU1470001010011112111111ヽ⊥222222222222り山222222222222一一一‑一一IL一一一一一一I7一‑‑]lir一1
1.1.4.4.0..1.6一〇18840900704.3916387780V2652755666652566464531
18161311311807一160812131404070811030412190714070604
00000000000∧UOOOOOOOOOOOOO
2818090471093L325769759024484855082077193485323211111310000000000000100000
893281.71.52283.804442.394.8.1.6.190765188102792ワ山14829OUO791=Ol11l12111111
32222308CO8509396721173784465422211111
1234561234567CO901234567891..U
nean 14 10.6 0.76 0.11 6.1 ‑21.5 34.4 45.9 L' 2 8.5 1.57 0.18 8.4 ‑22.5 46.4 73.6
A.‥ 18 11.3 0.50 0.09 5.4 ‑21.2 30,6 37.6
̀:LakeAkkeshi H :AkkeshlBay lA:工AkeAkkeshl h :rivermouth Bh:bay head mB:midbay Bc.‑bay coast Bn:TRY mout,h oS:open sea
Fig・1 Bottom topography and sampling Fig.2 ArealclassificationofLakeAkkesiand locations AkkesiBay
分),120℃ まで30℃/分,310℃ まで6℃/分,保持時間は30‑40分である。脂質成分の同 定 はFinniganmatINCOS‑50GC/MSによ り行 った。カラムはDB‑5,昇温条件 は初期温度 60℃ (1分),120℃ まで30℃/分,310℃ まで6℃/分,保持時間40分である。
4.
結果と考察4‑ 1 粒度組成
,C a C O 3
量,C ・N
量含泥量 (第1表) は,厚岸湖 の別寒辺牛用河 口St.4で44.7%,湖 口のSt.6で42.3%であ り泥質砂 である。他の4試料 は含泥量が79.1%以上の泥である。厚岸湾では含泥量が50%を
越 えるのは湾奥部 のSt.15,17,湾央部のSt.6,ll,14,湾 口部のSt.4,5である。沿岸 部や外洋 では含泥量が低い。
炭酸カル シュウムCaCO3量 (第1表 )は,厚岸湖 の別寒辺牛用河 口で低い。厚岸湖 の4試料 は厚岸湾湾奥部のCaCO3量に近い。厚岸湾では湾央部か ら湾 口部ではCaCO3量はやや高 く10.2‑
12.4%である。沿岸域 はSt.7が27.3%で最大である。湾奥部 と外洋の多 くはCaCO3量が10%
以下である。
有機炭素
C
(%)は厚岸湖の6試料 で1.04‑3.71% と多いが,厚岸湾ではSt.15以外 は0.90%以下である。有機窒素
N
(%) も厚岸湖 でやや多い。炭素率C/ N
比 (第3
図) は,厚岸湖 の別寒辺牛用河 口St. 4
が9.5,St.5が12.0と大 き く湖 口付近 にむけて徐 々に小 さくなる。厚岸湾 では
C/ N
比 は厚岸湖 よ りも小 さい。湾奥部 と沿岸部ではC/ N
比 は小 さく,2.7‑6.4 である。C/ N
比が厚岸湖 で大 きいのは,植物破片な ど陸起源有機物 の寄与が多い ことを示 してい る。厚岸湾の湾奥部 と沿岸部でC/ N
比が小 さいのは,プランク トンな ど海洋起源 の 有機物 によるもの と考 え られ る。4‑2
有機炭素 同位体比813C
有機炭素同位体比613C (%o)(第1表,第4図) は,厚岸湖 の別寒辺牛用河 口域で最 も 小 さく‑27.2‑‑24.0%Oである。河 口付近 で613C値 が小 さい ことは,堆積物 中の有機物の 多 くが植物破片な ど陸起源有機物であることを示 している。厚岸湾 において613C値 は, 港 奥部 で‑21.5‑‑21.9%。である。湾 口部か ら外洋 では∂13C値 はわずかに大 き く‑21.4‑‑
20.1%。である。外洋 ではSt.1が大 き く‑20.3%。となってい る。
有機炭素同位体比613C (%。)(第1表)が陸起源有機物 と海洋起源有機物 で大 き く異な ることを利用 して,陸起源有機物 の割合が求め られ る。陸起源有機物 の割合である寄与率 ft(%)は,613C値 として陸起源有機物‑26%O,海起源有機物‑19%Oを用いて算出 した (石
Fig.3 DistributionofC/N ratio Fig.4 Disttibutionof613cvalues
漢,1988)。厚岸湖 の別寒辺牛用河 口域の泥〜泥質砂 では,陸起源有機物の寄与率ft (%) は,St.4が71.3%,St.5が100%以上 である。河 口か ら3km離れ た湖央部 のSt・1では寄 与率 は31.3%‑ と減少す る。厚岸湾では陸起源有機物が 占める寄与率 は,湾奥部では35.3‑
41.0%程度であ り,湾 口部 に向けて徐 々に低下 してい る。外洋 のSt.1では寄与率が18.9%
となってい る。
4‑3
脂肪族炭化水素厚岸湾
S
t.5
試料 の脂肪族炭化水素nア ルカ ンのガス クロマ トグラムは第5
図 に示 した。nァ ル カ ンはC14‑ C35が検 出 され た。n‑アルカ ンはC29,C27,C31な どが高い奇数炭 素優位性 を示 している。C17のあ とにpristane,C18のあ とにphytaneが認め られ る。第5図 にはC21の前後 に不飽和炭化水素の高い ピー クが見 られ るが,その起源 は不明である。C33 の後 には陸起源 とされ るdiploptene (hop‑22(29トen) (prahl,1985)が確認 された。
nァ ルカン量 (
〝g / g )(
第6図) と有機炭素Cで規格化 したnア ルカ ン量 (〃g
/gC)(第 7図) は,厚岸湖 では別寒辺牛用河 口域のSt.4,5,厚岸湖 のSt.3では,他 の3試料St・1
,2
,6
と比較 して含有量が高い (第20 30
Retentiontime/爪in.
40 50
Fig・5 Gaschromatogram ofhydrocarbonfraction
2表)。厚岸湾ではn‑アルカン量が大 きい試料 は,厚岸湖湖 口か ら湾奥〜湾 央部 にみ られ る。湾奥部St.15,17のn‑
アルカン量 (
〃g / g
,〃g / g C )
は,厚岸 湖 に近い量 である。 このほかの地点 の nア ルカ ン量 は厚岸湖 の試料 よ りも少 ない。n‑アルカ ン量 は,湾奥部〜湾央 部の砂泥〜泥の堆積物 に多い。湾奥部,Fig.6 Distributionofn‑alkanes(〝g/g) Fig.7 Distributionofn‑alkanes(〝g/gc)
Table2
Hy d
rocarbonsofsedime n
tsfromlake
A
kkesiandAkkesiBa y
St・ n
‑ a l
kanes PrP
h ̲壁 FLg/giLg / g C
L/H CPI Peaks FL富/gF L 岳
/g Ph977513616067071208伯84495216722357
1
4166280248620048224542222
222 2 2 2 ∩ ム2 1 2 2 2 ウ︼
22210255488075194383▲▲76538012811上20011211⊥l11t011121111111100000000000000000000000000
9301572977900〇一3197335512338879382020990912949150
33
・・123ATりんーl11111111111l122りん217796人0795ウ一り一261206604392090043842034419103987125475282223402000101100000012ハU20001234561り山34567890†⊥ワリ3456789∩りl一IE一一l1111111l12
27,29,25 27,29,25 29,25,27 29,27,31 27,29,25 29,
2 7 , 3 1
29,
3 1 , 2
721,
2 9 , 2
229,
2 7 , 3
129,
3 1 , 2
729.
2 7 , 3
127,
2 1 , 3
129.
2 7 , 3
1 29,2 7 , 3
129,
2 7 , 3
129,
2 7 , 3
129,
2 7 , 3
1 22,2 9 , 3
129,
2 7 , 3
127.
2 9 , 3
129.2
7 , 2
527,2
9 , 3 1
29.
2 7 . 3 1
29,
2 7 , 3 1
27,
2 9 , 3 1
27,
2 9
,2 5
61とU323065200132496ロ
ム2
81956cc449 51 43 29 鵜 40
も610 30 16 31 19 7 12
17172634 5‑ 21 59
71510
亡U108636767ー0074226ー94590U665847365345906622318705480581328也4131185716745123ll1⊥5 13994.4‑277429467671351177017.dtAt1265573ウ山5000233・4一94017601XLB.e} 4a‥n 10..6246
2 1 9 7 0 5
00..112432..6764.86
1 6 1
0.15 2.31 667067...6871 4 2 9 3 5
...075 321...268927沿岸部,外洋の砂で
は
少ない。
nア ルカンのL/
H
(L≦C
20,H≧C21)について, 別寒辺牛
用 河
口域のSt.4, 5は,陸上 の高等植物起
源 と
され る炭素数 が多 い C27,C29, C31な ど
のアルカンに富むのでL/Hが小さい。厚
岸 湾
では湾奥部のSt.17,18,19もL/H
が小 さ く
,厚岸湖St.1,2の値 に近い。L/
Hが 小
さい ことは,陸起源有 機物 の割合 が高 いこ と
を示 してい る。nア ルカ ンの CP
I 値
は,厚岸湖の別寒辺牛用河 口域のS
t . 4 , 5 ,
厚岸湖St.3では最 も大 きい。厚岸
湾で は C P I
値 は湾奥部のSt.15,17,湾 口部のSt
. 4 , 5な どで大 きいo n17
ル カ ンのCPI値が大
き い
ことは陸起源 であるとともに,有機物が
新 鮮
であること (Br a y
andEvans,1965) を
示 し
ていると思われ る。
別寒辺牛用
河
口域か ら
厚岸湖 は,nア ルカン量 (
〝g / g
,〝g/gC) が 高く, L/H は小さく ,CPI値 が大きい。厚 岸
湾 では湾奥部 において
n‑アルカ ン量 (〃g/ g
,〝g/g C
)が多
く, L/Hは小 さく,CPI値が 大
きい。 これ らは厚岸 湖 と厚岸湾湾奥 部では陸起源有機物 に富む ことを示す。4‑4
脂肪族アル コール厚岸湾st
. 5
の脂肪族 アル コール のガス クロマ トグラムは第8
図に示 した。n‑アル コー ル はC 14‑ C 32‑アル コール が確認 されたon‑アル コール はC22,C 16,C 26,C 28な ど の ピー クが高い偶数炭素優位性 を示す。C 18の後 には植物 プランク トンな どの葉緑素 に由 来す るphytol(Didyketa1.,1978)の高い ピー クがある。C 28‑アル コールの前 には人 な ど 噂乳動物 の腸 内で コレステ ロール か ら生成 され るコプ ロスタノールがある (小椋,1983)0 また,C 28‑アル コールの後 には4‑メチルステ ロール があるが,dinosterol( a )
の ピー クが最 も大 きい。n‑アル コール量 (〝g/g)(第3表,第9図) について,厚岸湖 では別寒辺牛用河 口域 (St.4,5)お よびSt.1,2,3はn‑アル コール量が高 く12.95‑72.86〝g/gである。
厚岸湾 ではn‑アル コール量 は,湾奥部St.15,17の泥 に多い。厚岸湖の殆 ん どの地点 で, n‑アル コール量 は厚岸湖 よ りも少 ない。
n‑アル コール のL/H (L≦ C 20,H≧ C 21) (第 3表) については,厚岸湖 の別寒辺 牛用河 口域 (St.4,5),厚岸湖St.1,2,3はL/Hが小 さい。 また厚岸湾 の湾奥部St.15, 17もL/Hが小 さい。 これ らL/Hが小 さい試料 は,陸起源有機物 の寄与が大 きい ことを示 してい る。
n‑アル コールのCPI値 (第3表) についても,厚岸湖 の別寒辺牛川河 口域 (St
. 4
,5) で大 き く10.24‑12.09である。厚岸湾 では湾奥部St.15,17でCPI値 が大 きい。植物 の葉緑素 に由来す るphytolの量 (〃g/g)(第3表) は,厚岸湖 の別寒辺牛用河 口域
20 30 40 50 RetentionI,ine/凪in.
Fig.8 Gaschromatogram ofalcoholsfraction
Table3 AIcoholsofsedimentsfrom Lake AkkesiandAkkesiBay
n‑alcohols PhytoI SedlZnentS St. FLg/どmg/8‑C i/H CPI peaks FL富/ど ng/E‑CTLaLneS Area
1 16.36 1.28 0.27 8.09 26,28,24
2 13.49 1.14 0.40 7.83 22,24,26
3 12.95 1.19 0.36 6.08 22,24,26
4 28.21 2.71 0.1712.09 24.22,26
5 72.861.96 0.3010.24 26,22,24
6 0.33 0,03 0.65 7.89 22,24,16
1 1.92 0.49 0.66 4.95 16,26,24
2 2.70 ‑ 0.87 7.66 22.16.24
3 2.46 0.771.05
4 2.14 0.38 0.70
5 5.91 0.86 0.58
6 7.09 0.95 0.44
7 3.78 0.42 0.80
8 1.07 0.45 0.65
9 2,87 0,60 0.63
10 2.67 0.56 0.77
11 2.13 0.39 0.88
12 0.43 0.54 1.91
5.36 16,14,22 7.55 22,16,24 8.06 22,16,26 7.51 22,26,24 6.31 22,16,24 7.35 22,16,24 6.66 22,16,24 7.30 22,16,24 6.61 16,22,24 7.73 18,16,22
13 1.41 0.71 0.60 6.ll 22,16,26
14 5.21 0.68 0.83 7.72 22,16,24
15 11.29 0.95 0.36 9.23 26.28,22
16 4.33 1.27 0.78 6.66 16,22,26
17 17.01 0.20 0.48 8.94 22,26,24
18 2.49 0.78 0.60 7.52 22,24,16
19 2.62‑0.82 0.53 7.31 22,24,26
20 0.53 0.35 0.82 6.32 22.16.24
lAIAIA触alAos瓜os払B山馳払出山地馳馳瓜BhBhBh馳BhB
血慧慧慧血m‑山血V■
.・:霊・{E.!≠1=;蒜:5'i':;TF.山.㍊:.・=7=E。:帆.;.・7.‑・E.;・・.=.
599り64594496359988439556435064542一255165676385287173010ー000101ー00∧UOOOOll12ー00
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九ean 8.63 0.82 0.65 7.50
L.暮 24.03 1.39 0.36 8.70 B/' 4.00 0.64 0,74 7.14
7.04 0.95 ll.14 0.79 5.80 0.76
̀:LakeAkkeshiH:AkkeshlBay lA:lakeAkkeshiRJn:riverTbOuth tlh:bayhead nB:midbay Bc:bayc凪St Bm:baytBOuth oS:o【治nSea
Fig.9 Distributionofn‑alcoho仙 g/g) Table4 SterolsofsedimentsfTrom
LakeAkkesiandAkkesiBay
St. 4‑desmethysterols dinosterol coprostanol iLg/g mg/g‑C iLg/g.pg/g‑C fig/g FLg/g‑C
認諾㍑竺㍑2.27㍑0.‑8謂1・‑ll.031.‑42一。。㍑1.。4認1 6‑・5m31・861・01‑I7⁝。・4警ー‑・03‑・57‑i38‑・45‑・821・351・84‑・02‑・72‑I88‑・33‑i74‑i28‑・471・74。・97‑・32‑ 5002862435
29734・4000
5997406∩ム8
173434000
734536111
0139170008日Hr:
5・.・'JEZT山nE]
St.4,5,厚岸湖St.2,厚岸湾 の湾奥部st.15,17にある泥では最 も多い。 また,湾奥部 St・14,湾 口部st.5の砂質泥 もphytolが多い。
厚岸湖 の別寒辺牛川河 口域や,厚岸湾湾奥部の堆積物 は,アル コール,phytolの含有量が 大 き く,L/H比が小 さ く,CPI値 が大 きい。従 って, これ らの堆積物 は陸起源有機物 の寄 与が大 きい こ とを示 してい る。
4‑5
4 ‑
メチルステ ロール4 ‑
メチルステ ロール はC 28‑アル コールの後 にみ られ る。dinosterol(a)の ピー クが高い (第 8図)。 このdinosterol(a)は植物 プランク トンである渦鞭毛藻類起源の有機物の寄与 を知 る生 物指標化合物 とされ てい る (DeLeeuw eta1.,1983;Robinson eta1.,1984)0 dinosterolの量 (〝g/g) (第4表)は,別寒辺牛用河 口域 と厚岸湖の泥には少ない。一方,厚岸湾ではdinosterol (a)量 は,湾奥部〜湾央部 に多 く,湾岸部 では少 ない (第10図)。 これ らの ことか ら厚岸湖 は 渦鞭毛藻類 に適 した湖水環境 でない こと,厚岸湾 は湾奥部〜湾央部 において,渦鞭毛藻類 起源 の有機物が細粒 な泥 とともに堆積す るためにdinostero1(a)が多い もの と考 え られ る。4‑6 4‑デスメチルステ ロール
ステ ロイ ド骨格 の4位 にメチル基 がない
4 ‑
デスメチル ステ ロール (ステ ロール) は主要 な18種 が確認 され た。第11図は厚岸湖St.4,第12図は厚岸湾St.5のガス クロマ トグラム である。厚岸湖St.4では45分す ぎにはC32‑ hopanolの ピースが大 きい。堆積物 中の主要 なステ ロール は厚岸湖 で動物 プランク トンな どに多いcholesterol(G),陸上の高等植物起源 と され るbrassicasterol(Ⅰ)や β‑sitosterol(U)であ る。厚岸湾 で はC26‑ステ ロール であ る24‑norcholesta‑5,22E‑dien‑3β‑ol(A),24‑morcholesta‑22E‑en‑3β‑ol(B)が多 くなっている。
これ らC 26‑ステロールは海洋堆積物を特徴づけるものである。また,22‑dehydrocholesterol(E), cholesterol(G),brassicasterol(Ⅰ),24‑methylcholesta5,24(28トdien‑3β‑01(1),campesterol(M) が多い。陸上の高等植物起源 とされ る β‑sitosterol(U)は,厚岸湖 よ りも低 くなっている (第 ll,12図)0
主要 な10種 のステ ロール含有量 (〝g/g) (第6表) について,厚岸湖 で多いステ ロール は ,cholesterol(G),cholestanol(H),brassicasterol(I),stigmasterol(Q), β‑sitosterol(U), stigmastanol(V)である。厚岸湾では24‑norcholesta‑5,22E‑dien‑3f卜ol(A)が多い.ほぼ同 じ 含 有 量 は ,22‑dehy血ocholesterol(E),24‑methylcholesta‑5,24(28ト dien‑3β‑ol(1), campesterol(M)である。
ステ ロール含有量 (〝g/g) (第4表) は,厚岸湖 では別寒辺牛用河 口域St.5が最大 で27
〃g/gである。有機炭素Org.Cで規格化 したステ ロール量 (mg/gC)は,厚岸湖湖 口St.6で 最 も大 きい。厚岸湾 では,湾奥部St.15,湾央部St.6,9,14,沿岸部St.7,外洋St.2 な どでステ ロール量 が大 きい。
動物 プランク トンな ど動物 に多いch。lesterol(G)(%)の分布 (第13図) は,厚岸湖湖 口付 近 と厚岸湾 の湾 口付近 の沿岸部,外洋 の炭酸カル シュウムが多いやや粗 い堆積物 で高い。
これ らの海域 は,動物質の有機物 が多い と考 え られ る。次 に陸上 の高等植物起源 とされ る