• 検索結果がありません。

2018年度 国際文化情報学会 各部門最優秀賞・奨励 賞

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "2018年度 国際文化情報学会 各部門最優秀賞・奨励 賞"

Copied!
5
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

2018年度 国際文化情報学会 各部門最優秀賞・奨励

著者 法政大学 国際文化学部

出版者 法政大学国際文化学部

雑誌名 異文化. 論文編

巻 20

ページ 1‑110

発行年 2019‑04‑01

URL http://hdl.handle.net/10114/00021672

(2)

インスタレーション部門

「アフリカおじゃまします」

粟飯原文子ゼミ

末 久 笑 子   仲 田 佳 央   岩 井 渉   岡 島 春 紀   加 藤 幹 大   喜 多 瞭 介 齋 藤 く ら ら   牧 野 美 咲   西 田 比 奈   伊 藤 拓 海   岡 田 祐 多

奥 山 香 帆   川 島 康 太   川 村 ジ ェ シ カ ア ド   櫻 井 み な み 高 橋 亮 河   舘 咲 奈   中 西 智 美

奨励賞

ケニア人アーティスト、ワヌリ・カヒウは「アフロバブルガム」という呼称で、これまでに ないアフリカ・アートのあり方を提唱してみせた。アートは社会に多大な影響を与える媒介の ひとつであり、言語や信仰、国籍を超えた重要なコミュニケーション・ツールのひとつでもあ る。アフリカ大陸のアート作品の多くでは、政治的主張、歴史的含蓄、社会や共同体との関連

▲発表後の全体写真

(3)

性が重んじられる傾向にあり、またそれが期待されもする。カヒウによれば、このようなこと は当然ながら重要であるにしても、一方で、ただ想像力のためのアート、アートのためのアー ト、「楽しく、力強く、突拍子もない」、「バブルガムみたいに飛んでいきそうな」、軽妙なアー トが存在してもいいのではないか、とのことだ。

こうしたカヒウの見解にインスピレーションを受け、わたしたちは、おそらくほとんどの 人が思いもよらないような「アフリカ」をひとつの部屋によって表現してみたいと考えた。

アフリカ大陸といえば、貧困、戦争、HIV エイズ、独裁政治など、いまだに否定的なイメー ジで語られがちである。確かにそれは決して看過できない事実ではあっても、アフリカには 豊かで美しく、楽しくも感動的な、さまざまな側面があることは強調してもし過ぎることは ない。

それを明らかにするために、わたしたちがアフリカを多角的に学ぶなかで出くわした、「お しゃれ」で「かっこいい」、「ポップ」なアフリカを、わたしたちなりに表現することを試みた。

まさに、カヒウをはじめ、近年活躍する若手アーティストたちが――作品に込められた意図 はさまざまであるにせよ――そのとっておきの「かっこよさ」をわたしたちに教えてくれた。

「部屋」自体を作品とする方法は、国 際的に著名なナイジェリア人アーティ スト、インカ・ショニバレのインスタ レーションからヒントを得ている。こ の「部屋」の内部にも、アフリカ大陸 各地のさまざまな形態の「アート」を 散りばめた。

たとえば、床には東アフリカ、タン ザニア製のカンガという布を敷き詰め、

ソファや棚などにはアフリカ全域で使 用されているワックスプリントを用い

て彩を添えた。こうして鮮やかな色彩と図柄が特徴的なアフリカの布を多用したことには明 確な意図がある。カンガには一枚一枚異なることわざやメッセージがスワヒリ語で記されて おり、所有者の自己表現の役割を担ってもいるのだ。

また、ワックスプリントの装飾に加えて、

アフリカの布を縫い上げたナイジェリアの ドレスを展示するとともに、「部屋」を案 内するわたしたち自身もタンザニア、ルワ ンダ、ブルキナファソ、ギニアなどで作ら れたシャツ、スカート、ワンピースを着用

(4)

した。布の使用はアフリカの日常に潜むアートの一形態とみなせるということ、そして、ア フリカ大陸の名も無きお針子さんたちは、まさしく、日常と密接に結び付いたアーティスト であるということを伝えたかったためである。

「部屋」のスクリーンには、「アフリ カ映画の父」と呼ばれるセネガルのセ ンベーヌ・ウスマン監督の『母たちの 村(原題モーラーデ)』(2004 年)を 映し出した。本作品では、西アフリカ のとある村の日常生活が細やかに描か れており、女性たちが色鮮やかな衣服 を身にまとっていることがうかがえる。

さらに、来場者に体全体で「かっこ いい」アフリカを感じてもらうため、

ナイジェリアのフェラ・クティをはじ め、アフリカ各地から選んだ複数のミュージシャンの音楽を流した。美しい光と色彩、独特 のリズムとメロディをアート作品としての「部屋」に重ねていくことで、スタイリッシュな アフリカが一層際立ったことだろう。

「部屋」の壁全体には若手アーティス トたちによる絵画や写真などを掲げた。

そのなかで中心を占めたのはカヒウに よる「アフロバブルガム」のモチーフ である。ひとつのアート作品である「部 屋」のなかに個々のアート作品が展示 され、「アフロバブルガム」モチーフの なかにも実にありとあらゆる作品がモ ザイク状に組み込まれている――全体 を俯瞰すると、まさにアフリカ・アー トの入れ子構造が表現されていること

が見て取れる。また、モザイクアートという形をとることで、アフリカに多様性豊かな人び とや国が存在すること認めつつもアフリカをひとつの巨大な共同体として構想するパンアフ リカニズムの精神と理想へのオマージュを表現してもいる。モザイクアートは未完であり、

来場者の協力のもとで完成する。このように参加型アートとして提示することで、来場者に アフリカのアートを身近に感じて、記憶にとどめてもらうことを狙いとした。

アーティストたちの多様な思いが込められた作品の数々が詰まった「部屋」をとおして、

(5)

アフリカとは、さまざまな人びと、さまざまな声、

さまざまな色、さまざまなアイデア、希望、夢……

によって形作られているということを表現し、まっ たく別様の「アフリカ・イメージ」をたちあげたい、

そして、来場者を「かっこいいアフリカ!」への旅 に誘いたい――これこそ、アフリカゼミで学ぶわた したちがいまもっとも表現したかったことである。

▲ワックスプリントで装飾した棚とケ ニア産のバラ

参照

関連したドキュメント

昨年の2016年を代表する日本映画には、新海誠監督作品『君の名は。」と庵野秀明監督作品『シ

「自然・くらし部門」 「研究技術開発部門」 「教育・教養部門」の 3 部門に、37 機関から 54 作品

界のキャップ&トレード制度の最新動 向や国際炭素市場の今後の展望につい て、加盟メンバーや国内外の専門家と 議論しました。また、2011

前回ご報告した際、これは昨年度の下半期ですけれども、このときは第1計画期間の

今年度は、一般競技部門(フリー部門)とジュニア部門に加え、最先端コンピュータ技術へのチ ャレンジを促進するため、新たに AI

1着馬の父 2着馬の父 3着馬の父 1着馬の母父 2着馬の母父

優越的地位の濫用は︑契約の不完備性に関する問題であり︑契約の不完備性が情報の不完全性によると考えれば︑

優良賞 四国 徳島県 鳴門市光武館道場 中学2年 後藤彩祢 恵まれた日々 敢闘賞 北海道 北海道 砂川錬心館 中学2年 土田亮 ウイルスとの共存 敢闘賞 東京