真 宗
寺 院
に お け る
住
職
と
坊
守
の
役 割
一第
8
回
宗
勢 基 本調 査
からみ る
坊
守
の多
面
的 活
動
一窪
田
和
美
は
じ
めに ぼ う も り
2004
(
平 成16
)年
の秋
, 浄土真
宗 本 願寺
派で は ,「
坊
守」 に関
す る宗 門 法 規 の改正 が検 討された。 長 年にわ た り遵 守 された規 程に も,社会
の 変 化に即 して改
正す
べき時期
が 到来
し た とい うこ とで あろ うか 。坊
守 とい うの は, 多数
の仏
教
教 団がある中で ,真宗寺
院に特有
の呼 称で ある。 通 常, 住 職の 配 偶 者を さ し て い うが,実
際上は, 必ず
しも住 職の 配 偶 老だ け を坊守
としてい るわ けで は な い 。こ こ で取 り上 げる第
8
回 宗 勢 基 本 調査(
以 下, 「第8
回調 査」 とい う)
の結
果
が,宗 門
法 規の改
正に直接
的な影響
を与
え た と は言
え ない 。 しか し調査
結果
の 分 析を進め て い くう ちに 図らず
も,坊守
に関 する規 程の改
正 に 迫 られて い る とい う実態
を検証す
るこ とに な っ た 。改 正をめ ぐる社 会 的 背
景
に は , 少 子 高齢
社 会が進 行 する なか女 性の 活 躍 する機会
が拡
大 し, ジ ェ ン ダ ー意 識の 浸透
とも相 まっ て , 活 動的
な女 性が増 えて き た こ と があげ
られ る。他方
,核 家族化
が進
ん で,家族 規模
が縮小
した こ とも決
し て 見逃 す こ とがで きない 。 ま た, 経済
的に 豊か な社 会に 生 ま れ育っ た 成年層
では, 晩婚
化の 傾 向 も顕 著に な っ て ぎた 。 こ れ らの 現 象は現 代日本の 一般 的傾 向で あるが,寺
院 族 の周辺に もあて は ま る こ とが らであろ う。 こ の よ うな現 実社 会
に直面
し た 課 題に対 応しよ うとす る宗門
の姿勢
が, 「坊守
」 に関
する宗 門
法 規の 改正 に 結びつ い た もの と思わ れ る。変
化の すさ ま じい 現 代社 会に あっ て,今後
の 宗門
の 動 きに は ,注 目 して い きた い と考 える 。一
般的
に仏教 界
で は,寺
院 の代表
で ある住 職の 活動は, 公 的で あ り外
面的
だ と され て い る。 これ に対
して住
職の配
偶者
に は ,住
職を支
える とい う縁
の 下の 力持ち的イメ ージが強
く, 私的
,内面
的で, い わ ゆ る内助
の功
が尊
重さ れて き た よ うに 思わ れ る。 一一・118
一真 宗寺院に おける住職と坊守の役 割(窪田)
し か し
真宗寺
院に お い て は,開
祖であ
る親鸞
とそ の妻恵
信 尼 とい う 一組
の 夫 婦 が, 互 い に パ ー ト ナー と して宗 教 施設で ある道 場(
寺 院)
を拠 り所
に して , 教 化 活 動 を 展開
してき
た。 ま さ しく親鸞
と恵信
尼の よう
に夫婦
を核
とした宗教
活 動 こそ,真
宗教 団 と他の 仏教
教 団 との決
定 的な違
い で あろ う。とはい う もの の 中世 鎌 倉 期か ら
数
百 年を経て, 開 教 当初の よ うに夫 婦が 互 い に協 力
・協 同
して,寺 院護持
や教化 活動
を継
承でき
た時代
ばか りで は なか っ た。 宗 門とい えども, その時 代の流 れや外側
か らの 力に抗
え ない 時 期 もあっ た と考 え られる。 しか し, ジ ェ ン ダ ー意 識が拡 大 す る現 代 社 会に あっ て, 住職
と坊
守の宗教活動
が,単
純に 性 別役
割分
業の も とにある とは 言い 切 れな い 。 一寺
院の もとで 住職
と坊守
が 共に協
同して,寺院護 持
や教化活動
に専
心 し て い る実
態
は, 第8
回調 査を通 じて読み と るこ とがで きた。 しか もこ れ まで の 宗勢
基 本 調査
の結果
とは異 な っ た側面
を捉
えるこ とが で きたの であ
る。結
論 を 先取
りす れ ぽ,真
宗寺
院で は, 住職 と坊
守が ともに寺 院 護 持 と教 化活動
に 取 り組ん で い る様 子が実 証 された 。 さらに,第
8
回調 査の 結 果か ら坊 守の多面
的 な活 動 を 通 して, 社 会の変
化 を とらえる こ と も可能
で あっ た。 仏教の 他 宗他
派に は , 住 職 配 偶 者の 役 割 さえ 明確でな く, 生 涯を通 じ て 内 助の 功を 強 要 され る ケース もあるとい う。 こ の度
の浄
土真宗
本願 寺
派に お ける坊守
に関
する宗 門
法規
の改
正 は,社
会 意 識の変
化に対
応 して実
施された もの で あり, この よ うな動 きが漸
次,仏
教他宗
へ も拡が っ て い くこ とを期 待 し た い 。第
1
章
第
8
回
宗
i
勢
基
本
調 査
の特 徴
第
1
節 宗勢基 本調査
の概 要
こ こで 示 す 「宗 勢
基
本 調 査」 とは , 浄土真
宗 本 願寺
派 が,宗
門の実勢
と諸
課 (1) 題 を定
期 的に把 握 し, 宗 門の充
実 振 興策
の 基 礎資
料を収 集 する こ とを 目標 とし て,1959
(
昭和
34
) 年
よ り数年
ご とに実
施して い る調
査である。第
8
回調 査の特徴
は,宗 門寺
院の 基 本 的な実
勢を把 握 する とい う従来
の 目的 だ けでな く, 国 〔2)内外
の伝道
を強
力に推進す
る ため に 必 要な基礎資料
を収集
, 分析
する こ とで あ っ た。具
体的
に は,(
1
)
寺
院の現
況,(
2
)
伝 道の 展開
,(
3
)
現 代社会
の 課 題 へ の取 り組み を把 握す る こ とを 目標とし て調査 票が作成 さ れた 。調 査
対象
は, 全 国の浄
土真宗
本 願寺派寺
院であ
る が, 悉皆
調査
では なく
一般
寺
院の約
30
% を教
区ご とに無 作為
抽 出して実施
するサ ン プル 調 査であっ た。 調査
は,2003
(平
成15)年
6
月
に抽
出した寺
院に調査 票
を送付
したう
え,同年
7
龍 谷大学論 集 一119
一月10
日を基準
日とし て,調
査票
の記
入 を依頼
した、今
回の 調 査票
回収率
は ,49
.6
%で あっ た 。 本 調査
の 回収率
は, 回 を重ね るた びに 低 下 し てい る (図表1
)。調 査回
収率
の 低 迷は,本
調査
に限
っ た こ とでは な く, む しろ現代社
会 の 傾 向 と言え よ う。特
セこ2003
年
に施 行 された 「個 入 情 報の保護 に関
す る法
律」 が その拍
車 をかけた よ うで, 一般 的
な住
民 感情
とし て は , 個 人 が特
定 され るこ とだ け でな く, 個 人の 意 見や考
えの表
明を忌避 す る傾 向 が強 く
な っ た よ うであ
る。 さ らに, パ ソ コ ンや携
帯電
話の普及
に伴
っ て ,多
量の 電 子個人情報
の 流出
事 故が多発
して い るた め か , 人々 の 個 人 情 報に対
する防 衛意
識が高
まっ て い る。 こ の 図表1
第1
回か ら第8
回の宗 勢基 本調 査 調 査 回実
施年 調 査 対 象 回収
率 (%) 調 査 報 告 第1
回 昭和34
年 (1959
) 全寺
院91
.5
企 画調査室「
末寺実態報告書」、 昭和37
年 第2
回 昭和39
年(
1964
>
全 寺 院95
.0
宗勢基本調査委員会「
第2
回宗勢基本調査報告」 「宗報」第32
号、第35
号、昭和40
年 第3
回 昭和45
年 (1970
) 全 寺 院97
。0
企画室 「第
3
回宗
勢基本 調査報告」
「
宗報」 第88
号、 昭和46
年 第4
回 昭和51
年(
1976)
全寺
院96
。3
宗勢総 合企画委員会事
務室「
第4
回宗勢基本 調査 報 告」 「宗報」 第152
号、 昭和52
年第
5
回 昭和58
年(
1983
)
寺 院 :2012
門徒 :2012
72
。6
宗勢実態基本調査実施セ ンター 「宗勢 実態基本 調査 報告」
「宗 報」第253号
、 昭和
61
年
第6
回 平成元年 (1989
) 寺院 :2072
門徒 :10360
64
,3
第6
回宗勢基本調査実施センター 「第
6
回宗勢
基本調
査報告」
「
宗 報」 第306
号、 平成3
年 第7
回 平成8
年
(
1996
) 全 寺 院 門徒:1
ヶ寺あたり男女各
1
名50
,6
第7
回宗勢基本調査実施セ ンター 「第7
回宗 勢基本 調査報 告」 「宗 報」第
380
号
、 平成9
年 第8
回 平成15
年
(
2003
)
寺 院 :2965
門徒:1
ヶ寺あたり男女各2
名49
.6
第8
回宗勢基本調査実施センター「
第
8
回宗
勢基本 調査報 告」 「宗 報」 第460
号、平成17
年
出典 :第 8回宗 勢基 本調査 実施セ ソ タ ー編 書』P.5 一 120 一 2005 年 『第8
回宗勢基 本 調査 報告 真 宗寺院に おける住職と坊守の役割(窪田)よ うな わけで , あらゆる調 査 の
実
施が, 非 常に困難 な 状 況に陥
っ てい る こ とも事 実
であ
る。被 調 査 者の
側
か らすれぽ, 一度
の 調 査票
の 回答
だけで , どこ まで実態
が判
明す
るのか とい う意
見が しばしぼ提
示 されるが, 現 状で は こ の よ うな質
問紙
調査
法
以外
に, 宗 門の実
勢 等 調 査の 目的を 果た す 手だて がない とい うの も, 現 実 的 〔3) な課題
で ある。第
8
回調 査で は ,2
つ の様
式で 調 査 票が 作 成 された。 一つ は ,「
寺
院 ・住 職 ・坊
守 用」 であ り, も う 一つ が 「門徒A
票
」 「門徒
B
票
」 で あっ た。前
者 は ,寺
院 住職
や坊守
が 回答
する こ とを 想定
し て い るが,後 老
の 調 査票
を二 通 り とし た の は,「現 在,
寺 院
の 護持
に 中心 的役
割をに な っ て お られる」門徒
と, (4) 「次の 世代
で寺
院の護 持
に中
心的 役割
をに な う予定
」 の門徒
とい うよ うに世代
に よ る意
識の違い を把 握 し よ うとした ため で ある。 本稿
で は, 「寺
院 ・住 職 ・坊守用
」 か ら得
られた 調 査結果
に もとづ き, 主 に住
職お よび 坊守
か らの調
査結
果を も とに 分 析を進
め てい くこ とにする。第
2
節寺
院 ・住職
・坊守
の 基 本 的属
性調
査結
果に よ る データ の読
み方
や分析
は, あ くま で も第
8
回調査か ら得
られ た デ ータ に もとつ くものであ
る。 したが っ て , 全 国の浄
土真宗
本願寺
派の寺
院 の すべ て に , こ の よ うな傾 向
があ
て は まるわけではな く,統計
デ ータか らの推
論にす ぎな
い 。 ま た , 調査
結 果の分析
に も とつ く本論
は , あ くまで も仮
説 の検
証結果
として の試 論で あるこ とを断 っ て お きた い 。 なお, こ の 節で は, 寺 院 ・ 住 職 ・坊
守の基 本 的デ ータだ けに触
れ る こ とに す る。 ぽ うさて住 職 とは,
寺
の 首 長で ある僧 侶 の こ とで あ り, 住 持ともい う。 し か し坊
もり守
とい う呼称
は,浄
土真
宗特有
の もの であ
る。真宗新辞典
に よる と, 「 一坊
の 留 守, また は守護を預か るべ き人の 意で , 寺 院 住職
の妻
女をい う。 すな わ ち常 (6) に寺
院に住し て住職
を内助
し て ,寺
院機能
を発揮す
べき
役割
の人」 となっ て い る。住 職 の 配 偶
者
に 坊 守 とい う呼称
が存在
する こ とが, 仏 教 他 宗と異な る部分
で ある。 その背景
に は,浄
土真宗
の開祖
であ
る親 鸞
とその妻
恵信
尼に よ る教 化活
動の 展 開に 由来する もの で ある。 中世 以 来, 道 場を住まい とする 一組の 夫 婦 の宗
教活動
か ら, 道場 を 「坊
」 と呼ん で, その 主 を 「坊
主」 と呼び, 主が留 守
中 に 道場 を守
る配
偶者
を 「坊守
」 と呼んだの が,坊守
の 起 源 と も さ れて い る。 し た が っ て真宗
で は,当初
か ら僧 侶の妻帯
を禁
じて い ない 。 龍 谷大学論集 一 121 一ところが
他宗
で は 明 治初年
以降
結婚
が 公 式に 認め られ た の で, 住 職の配
偶 者に対 する呼称
も定 まっ てい ない よ うで ある。 そ こ で , 住 職の 配偶 者は, 内助 の功
に徹す
る こ とが, その務
め だ と考 え られてい る。 こ の住
職 の配 偶 者の位
置 づ け や役割
を め ぐっ ての議
論 が, 近年
ジ ェ ン ダ ーに関わ る問 題 として とりあ げc7
) られた。 本 調 査 結 果に よれば,坊
守の 仕事
を して い るの は住職
の 配 偶者
が圧 倒 的に多
く,81
.9
% で あ り (図表2
), こ の こ とを確 認 して 先に 進め て い こ う。第
8
回調 査は,留
置 調 査 法を採用
した の で , 住職欄
は 住職
が, 坊 守欄
は坊
守 に記入 して も らうこ とを予
想 して質
問 項 目を作成
した 。 しか し各寺
院の事
情に よ り必ず
しもそ うで は な く,家族
の誰
か が代
わ っ て記
入 した とい うこ とも考
え られる。 全体
とし て は 住職 欄
は住職
が, 坊守欄
は坊守
が 記入 した こ とを前
提に 論 述 していく
こ とにする。 (9)ま
ず
,平 均年齢
は,住職
が59
,4
歳
で あ り,坊守
が57
.4
歳
であっ た 。 調 査 基 準 日が2003
年7
月
なので , 住職
,坊
守の 双 方 とも団 塊の世代
を中
心に ,戦後教
育 を受
けた人
た ちがその多
くを占
めて い るこ とに な る。前
回1996
年
の第
7
回宗勢
基 本 調 査(
以
下,「
第
7
回調査
」 とい う)
の結果
と比較す
る と, そ れ ぞ れの平
均年齢
は住
職が59
歳
坊
守が56
歳
で あっ た。 その 数 字は ほ とん ど変
わ らない が, 調 査 時 点(1996年)
の年齢
で あ っ た こ とを考
慮
する と, 世代
で は昭 和10
年
代の戦
前 生 まれの 住職 と坊 守が多か っ た と言え よ う。 それに対 し て, 第8
回調査
で は ,戦 中 も
し くは戦後
生まれ で戦 後教
育を受
けた人
た ちが回答
者の 大半
を占
め て い る。 こ の こ とが,後述
する意識
の変
化や価値 観
の変容
に影響
を与
えて い る と思わ れる。そ れに仏
教他 宗
とは 異な り,真
宗
寺
院に おける住職
が代
々世 襲
制で ある こ図表
2
坊守の 仕事を し てい る人 (複数回答) 住職の配偶者 前 住職の 配偶者 住職後継者の配偶
者
住 職 その他 い ない0
10
20
30
40
50
60
70
80
90
% 灘 } ’ 写 藻 ℃許丼 ザ 、灘 蒹靆麟 灘 糶 吊糶 装’嵐 ^ヒ 脚 鴨譲、 韓 灘 簸 一122
一 真宗寺院における住職と坊守の役割(窪田)と, 住 職 の 地 位は生 涯
住
職であ り続
ける こ とか ら,実際
の寺務
が住職後 継者
に委
ね られて い る 場 合 も 充 分 予 測され るところで ある。 つ ま り, 世襲制
の 採用
は, 住 職後 継
者 が養
子縁
組や婿
入 り婚
に よ り決
ま るこ とも想
定でき
る。 ま た住 職は他
の 職業
の よ うに, そ の地 位を後
継者
に譲
っ て悠
々自適
とい う例は み られ ない 。 し た が っ て住職が高
齢や病 気療養
中と な れ ぽ, 住 職後
継 者が住 職に代
わ っ て寺
務に専 念す
るの が現実
であ
る。 こ の よ うな場 合を考慮
す れ ば,住
職後
継 者の意思
がそ の結 果
に反 映
さ れ てい るこ と も推 測
さ れ る。次
に,寺
院に おける住職
と住 職の 配偶
者の 割 合で は, 両 者が揃
っ て い る寺
院 は,84
.3
% で あっ た (図表3
)。 住 職 はい るが住 職の 配 偶 者がい ない寺
院は10
.7
%,住
職はい ない が住職
の配偶者
がい る寺院
は1
.3
%であ
っ た。配偶 者
がい な い とい う住職
の年齢
で高
い割 合
を示
した年代
は40
歳未満
で32
.9
%であ
っ た。 こ の 中に は未婚
だ けでな く,離
別や死別 も含
ま れ て い る であろ うが, 結 婚 年 齢が 高 くなっ て い る とい う傾 向は, 国勢
調査 の結
果 同様, 本 調 査か らも指 摘で きる の で ある。それで は , 住
職 配偶者
が い ない寺
院で は ,実
際に坊守
の仕事
を し て い るの は, 誰であ
ろ うか。 かつ て の家
父 長 制 家 族の 時 代に は, 住職
の き ょ うだい の 誰 か が坊
守の 役 割を果たす こ とも考 え られる。 し か し図表
4
に よれ ぽ40
歳代
と,40
歳 未 満の 住 職の きょ うだ い の平 均 値は2
.5
人で あ り, あま りあて に で きない。 と,す
れぽ住
職配
偶者
がい ない寺院
は,前住
職の配偶者
つ ま り住職
の 母 が坊
守 の 仕事
をする の が通
例であるが, そ の 母 がい ない と な れ ば, 住 職自
身が坊守
の役
割まで果
た さざる を得
ない こ とに なる。 そ うな ると住
職 が坊守
との 一人二役
を引 き受
ける こ とに な り,多 忙
である と共に ひ じ ょ うに心許ない こ とに なる。 つ ま り寺
院は危機的
状 況を迎えて い る こ とに な る と言
え ない だろ うか 。 図表3
住 職 と住職配 偶者 が い る寺 院の割合 (%) 図表4
住 職の きょ うだい 住 職の 配 偶 者 合計 い る い ない い る84
.3
10
.7
95
。0
住 職 いないL3
3
,7
5
.0
合 計85
,514
.5100
.0
出典 :図表1
に同 じp,17
住 職 の 年 齢 40歳未満 40歳代50
歳 代60
歳 代70
歳 以上 き ょ う だ い (人 ) 2.52 .53
.24
.24
.3
全 体 出典 :図表1
に同じp .18
3
.6
龍谷大学論集 一・123
・一図表5 寺院居住者の 人数 人 数
0
1
2
34
5
6
78
人以上 第3
回 (%)2
。82
.38
.312
.318
.223
.318
.99
.04
.7 第 4 回 (%)1
.62
.311
.514
.118
.621
.717
.511
.63
.2 第7
回 (%)4
.016
.719
.219 .3
]L4
.813
.77 .64
,6
第8
回 (%)3
.618
.418
.514 .016 .615
.69
.34
.1
さ らに
図表
5
で寺院居住者
の人数
を み る と, こ の調
査の 回 を重ね る ごとに,寺
院居住者
が減 少
して い る。第
8
回調 査の寺
院居
住老
の 平均 人数
は4
.・3
人で あ り, 数字
だけ
か ら判断
する と寺
院 も 一般家
族 と同様 , 小 規模 家
族の傾
向を 示 し て い る。 し か し今
回 調 査の結 果
を居
住 者人数
の 割合
で み る と, もっ と も高
い の は3
人
,次
い で2
人
とな っ て い る。 さ らに5
人
,6
人 と続
い てい るが, これ ま で の第
3
回 ,第
4
回,第
7
回 調 査 と比較
す
る と,寺院居 住者
人数
は2
人 とい う寺
院の 割 合が増 加 しつ つ ある。図
表
5
の 第3
回調 査は1970
(
昭和
45
)
年
に実
施 されて い るが, こ の と きの寺
院
居 住 者は最
も高い 居 住者
人数
の 割 合が5
人
, 次い で6
人で ある。寺
院 居 住 者 も次第
に減少傾
向を示 し,核家
族 もし くは夫 婦 家 族 とい うよ うに 一般 家 族に 近 いパ タ ー ン を示し て い る よ うで , 居 住 人数だけか らみ る と,危
機 感を抱か ざる を得
ない結 果
で ある。要 約 す れ ば 次の よ うな こ とが指
摘
で きる。 平均年齢
か ら推察す
る と住職
坊守
の世代
は戦後生
まれ が 圧倒的
であっ た が,傾
向 として は若年
層よ り高齢
者 層 が 高 くな っ てい る。今
回の 調査対
象 者の うちで 住職
と坊
守とい う 一 組の 夫 婦が揃
っ て い る寺院
は,全 体
の84
.3
%であ
り, 住職
はい る が住職
配偶
者の い ない 寺 院は10
.7
%で あっ た (図表3
)。 寺 院の 居 住人
数 も これまで の 調 査 と比 較 す れ ば,減少
傾 向を辿
っ て い る。 こ の よ うなこ とか ら住 職だ けでな く,寺
院で は, 一人
がい くつ もの役
割を遂 行せ ざるを得
ない とい う多忙
かつ危機 的状況
だと言
える よ うで ある。 一124
一真宗寺院における住職 と坊守の役割 (窪田)
第
2
章
寺 院
に おけ
る坊 守
第 1 節
宗 門 法 規にみ る坊守
の 位 置づけ坊
守
につ い て,宗 門法規
に は どの よ うに規定
されて い るの か を みて い くが, その前に, 宗 門 法 規の構 造 と住 職につ い て も確 認し て お きたい 。 浄 土 真宗 本願 (1)寺
派の 宗 門 法 規で は ,「こ の 宗 門の 最
高
の 規 則は,宗制
及び宗
法とする」 と さ れて い て, 国の 場合に お きか える と, これは最高
法 規である 「憲
法」 に該 当
す る。 した が っ て, あ らゆ る規 程は, すべ て こ の 「宗 制
」 と 「宗
法」 の 規程に反
す るこ とは認め られ ず, むし ろ拘 束とい うイ メ ー ジに近い もの で あろ う。さて ,
寺
院規
程 に よれ ぽ,「住
職
とは, 一般寺
院の 住職
及 び宗 教 法 人た る教
会
の 主管者
をい う」 と されて い る。 つ ま り 一般
寺 院の 中 心 的 な存 在で あ り , 全 体の管
理老の役
目を果たす とい うの で ある。 住 職の任 務
に つ い て は, 次の よ う に 記され て い る。 住 職は,寺 務
を 主宰
し, 教 義 の宣布
, 法 要儀式
の 執 行及 び門 徒の教 化育
成に 努め, 所 属する 僧 侶 及び 寺 族の 教 導に 当た らなけ れ ぼ な らな (3) い 。 こ こ で も寺 院を中心 的に運 営 す る と同時に教 義を広め ,法 要や儀 式を執 行 し,門徒
の教
化 と育 成に携
わ り,自身
の家
族 親 族に も教
義を伝
える とい う, も っ と も責 任の ある 地位に置
か れて い る。これ に
対
し坊守
は,寺
族の うち, 住職
の 配偶
者 及び住 職で あっ た者の配 偶 者 又は住 職が適 当 と認め た20
歳 以上 の 寺 族で, 寺 院 備 付の 坊守
名簿
に登 録さ れた 者で あり, その 職務
は,住
職を補 佐
し,教
化の任
に当
た り,坊守式
を受け
なけ
れ ばな らない 。 そ して 所定の 研 修を経なけ れ ば, 坊 守式を 受 ける こ とがで きな (4) い と寺 族 規 程に よ り定め られてい る。文
言 通 りに解
釈 す れ ば,坊
守は 住職
の 配偶
者 もし くは前 住 職の 配 偶 者(
住職 の 母)
, ある い は 成 年であ り住 職が適 当だ と認め た 者(
きょ うだい や親 族)
で ,坊
守 名簿
に登 録を 要 す る。 坊守
の仕
事は ,住職
の補
佐役
であ
り, 坊守式
を受
け る こ とが義 務
づ け られて い る。職 務
が住 職の 補 佐だ とい う表 現は, 少な くとも内助
の功
に は あた らない と考 える。 住 職を支 える とい う意 味 合い で は ある が, 公 的で外 面 的な住 職を支 えな が ら坊守
と して の 人 格を認め た うえで の補
佐 役と い う と らえ方が望 ましい と思 わ れる。上記の 寺 族 規 程に み える 「
寺
族 」 に つ き,少
し説 明 を 加 えて お きた い 。 「寺
族 とは,僧 籍
を有す
る老
を含
み,次
の 一つ に該
当す る者で ,寺
院 備 付の寺
族名簿
に 登録
さ れた者を い う。住 職又 は住 職で あっ た 者 と同じ戸 籍にある者,
住 職の 直
系
血 族一親 等の 者及び これと同 じ戸籍
に ある者,住
職の親
族で住
職 龍 谷大 学論集 一 125 一と同居 す る者,
こ の 他 住
職
及び住職
で あっ た者の 親 族 並び に住 職 とな るべき
(5)者及
びその親 族
で ,責任役 員
の過 半数
の同意
を得
た者
」 を さ して い う。 一 般 的 に は, 住職
の 親 族で あるが, 同居
家族 だ けに 限 らず 同居親
族 や住 職 後 継 者の親 族等
も想定
されて い よ う。すで に述べ た とお り ,
2004
(
平成
16
)
年
11
月に宗 門の 定 期 宗 会の議
決を もっ て,「宗 則 第
ll号
」,「宗 則 第
12
号」, 及び 「宗 則 第17
号」 が 発布
さ れ ,坊守
に 関す る規 程に 大幅
な 改正 が 示された。第
8
回調 査の 調 査 基 準 日が2003
(
平成15
)
年
7
月であ
っ た が,調
査結果
が 公表
さ れ る以 前に,坊 守に 関 する改
正 の動
きが あっ た の で , こ の 調 査 結 果 が改
正の動 きに影響
し た とい うわけで は ない 。しか し
男女共
同参
画社会
基 本 法の 施 行や女
性の社
会 進 出が盛ん となっ た こ と 等 諸 般の社 会 的 状 況か ら判 断す れ ば,宗
門 法規に お ける これ まで の寺
族や坊
守 に関
する規 程が現状
と合
わ な くな っ て きた こ とは事実
で あ り, その こ とが 宗 門 とし て坊守
の位置
づ け を見直
す時期
に来
て い る, と判
断さ れ改
正 に結
びつ い た もの と思わ れる。 した がっ て ,第
8
回 調査 実 施 段階
で は 予 測して い な か っ た が,2004
年
ll
月の坊
守に 関 する規 程の改
正 は, ま さ しく時 期 が 到来
し た もの と言
え る。 そ して 本論で は,改
正 の 要 因を提
示す
る こ と となっ たの で ある。そ れで は,
坊
守に関
わ る主な改
正点
を概 観
し て いく
こ とにす
る。 まず,「
宗
(6) 則 第11
号」 では,寺
族 と坊
守に関す
る基本的事
項 が,厂
寺
族規
程」 に よ り定
め られる こ とにな っ た, と してい る。 ま た 「宗 則 第12
号」 は,坊
守 式に関す る基本的事項
を定
め た もの で , これまで の 「坊守式規程
」 を廃
止 し て ,新
た に規程
された。 さ らに 「宗
則第17
号」 で は,「
寺
院 規 程」 の 一 部が変
更された の で あ る。そ の
改
正 の意
図は, これ まで あい まい に さ れて い た坊 守の役 割につ き寺
族 規程
の中
で 明確
な定義
づけ がな された。す
なわ ち寺族規程
で は ,用語
の意義
とし て寺
院, 住職 住 職代 務
が示 さ れ ,次い で寺
族 ,坊守
,寺
族代
裹 者に関
して も明文
化された 。寺 院規程
で は,第
3
節寺族
及び門徒総代等
を規 定す
る条項
が大き
く改
正され た。 こ れ まで寺
族代表
者の条
項と して寺
院 規程第
25
条で は,「
寺
院に は寺
族 代 表 老を一人 置 き, 坊 守が これに当た る(
改正前の 第25
条 )」 となっ てい た。 つ ま り寺
族代表
者は坊
守に確
定さ れて い た のであ
るが,改
正後
の第
25
条
で は ,寺
族, 坊守
,寺
族代表
者を規定
する条 項が25
条 と さ れた。 そ し て文 言 も「寺 院 に,
寺 族
, 坊守及
び寺族 代表 者
を置 き, その選 定
方 法 な どにつ い て は, 別に定
め る」 とな っ た。 すな わ ち,坊
守は,寺
族や寺
族代表老
と並 列的に 位 置づ け ら 一126
一真宗寺院に おける住職と坊守の役割(窪田)
れた。
寺
院規
程第
25
条
に よれ ば,寺
院に は当
然, 坊守
が置
か れ るべ きだ と解釈
で きる。これ まで
寺
族名簿
の 登録
ま た は削除
は,住職
の権 限
で な されて い たが, こ の 条項 (第
26
条)
自体が 削除 された 。 坊 守は寺 院 備 え付 けの寺 族 名 簿に 登 録され る と共に ,坊
守 名 簿に も登録
される。 また , 従 来坊
守名
簿は寺
院が整 備すべ き 帳簿
には含
ま れて い なか っ た(改
正前の 寺 院 規 程 第30
条1
項第
3
号)
が,改
正後
は , 寺 院が備えて お く帳
簿 とし て寺
族名
簿及 び坊
守名簿
とい うよ うに 明文 化 された。ま た,
坊
守式
規 程は, 従来
の 規 程をすべ て廃
止 して ,新
たに規
程 された。坊
守 式 の 受 式の 義 務 執行
, 受 式 者 名簿
, 坊 守 式研修
な ど手続
きに 関して は, き め細か く規 程 されて い る。 ま た こ れまで は み られ なか っ たが, 坊守
式研
修の免
除に関
する規 程が新たに 設け られ た。 こ れは 進学率
の上昇
か ら高
等 教 育を受 け る坊守
が増
加 して きた こ とを示して い る と言え よ う。浄
土真 宗
本願寺
派宗法
,寺族規
程,寺
院規程
, 坊守
式 規 程を改
正する こ と で ,坊
守が規 程上 も明確に位置
づけ られ た こ とは,宗門
が社会
の 変化に 即座に対
応 し てい る とみ るべ きであ
ろ う。 つ ま り, 女 性の活躍
する機会
が拡
が っ た こ とに加えて, 寺 院護 持
, 教 化 活 動を して い く うえで , そ の 仕 事は住 職 を支 える だ けで , な く坊守
とい う地 位 と役割
は寺
院にはな くては な らない存
在で ある こ とを 示 した もの で ある。後
述する よ うに寺
院に お ける坊 守の 仕 事 内容が多岐
に渡
り, また多様化
し て い る と同時に,近年
の 一般的傾 向
で もあ
る家族 人数
の減
少に伴 っ て , 住 職だけでな く坊
守に も複 数の役 割が期 待 されて い る と推 察 され る。坊
守の 地 位 と役 割が規 程上 明 らか に された こ とで ,実 際
の寺
院に お ける坊
守 の役
割が 明確に され, 次の よ うな期待
も掛か る ところである。 まず
, 仕 事 内容 に 関し て は, 一定
の責
任 ある態 度が要 求される。住
職の陰
で, 内助
の功
とい う イ メ ー ジか ら連
想されるあい まい な役
割で は な く,坊
守が 一つ の職務
として認 識 されて い る の で ある。 そ し て坊
守に は , 今後
主体的
に寺 院護持
を教
化活動
と い う職務
に取
り組む宗教 人 とし て の 態度
が期 待 されて い る と言 えよ う。第
2
節 調査結果
か らみ る坊守
の イメ ー ジ上述の 通 り,
宗
門 法 規の改
正 を経て ,坊
守は宗 門の 中で 明確に された。 し か しこ の こ とは , これ まで の あい まい さ を払 拭 す る とい うだ けで な く,寺
院 居 住 人数
の 規模 が 小 さ くな っ た現代
に お い て , 役 割分 担を 強 く打ち出して い て は寺
龍 谷大 学論 集 一・127 一院経 営が
果
たせ ない との危機
感を含
ん で い る よ うに 思わ れ る。 しか し現 実の寺
院 活 動のなか で は , 法 規に 関わ り な く, 寺 院の坊
守は実に さ まざまの役
割を担 っ て い るの であ
る。 そ れで は, 第8
回調
査の結
果か ら明 らか に な っ た坊守
像を考
え るこ とに しよ う。 図表6
住 職の配偶 者 (坊守)の年代の割合20
歳代30
歳代40
歳 代50
歳代60
歳代7Q
歳代80
歳代0
5
10
15
20
25
30
35
% 國 第7
回 圏 第8
回 まず
,平均 年齢
は,56
.5
歳
であ
っ た。年代
別に みて み る と,50
歳代
が最
も多
く30
.7
%, 次い で60
歳 代
が27
.3
% と な っ て い る (図表 6 )。 図表
6
の グ ラフ で 図表7
坊守の 出 自31
.5
% 在家 一128
一 真宗寺 院に おける住 職 と坊守の役 割 (窪田)は, 前回
第
7
回調 査 との 比 較を表 してい るが, 全 体 的に は高齢 者世 代の 割 合が高
くな っ て い る。次
い で坊守
の 出身
は,在
家 が40
.3
%, 次に 本 派他寺
院が31
.5
%, 当該寺
院の 出身は13
.7
% と なっ てい る (図表7
)。年齢
別で み る と,40歳 未
(9)満
で は在 家 出 身の 坊守
が50
% 以上で あっ た。在
家出身
の 坊守
が多
い教 区
は ,東北
(
72
.7
%)
,宮 崎 (
60
.0
%)
, 和歌
山(
57
.9
%)
, 新潟 (57
.1
%)
で あっ た。 若 年 層で 在家
出身が 増 加 し て い る こ と が, 近年
の特
徴 と言え る。第
7
回 調査
の 報告書
に よれ ば, 「坊
守の 出身
に つ い て , 当 該寺
院が約15
%, 本 派寺 院が約30
%, 在 家が 約40
%で あ り, 従 来の 調 査で は ,寺
院 と在
家の 割合
が ほ ぼ6
:4
の 割合
で推移
してい て こ の 割合
は,今
回 図表8
−1
坊守 が得度 を受 けて い る割合 無回答7
.6
% 受 けて46
.9
受けてい ない46
.5
% 図表8
−2
坊守が教師資格を持つ 割合 無回答7
.5
% もっ て い る10
.0
% い ない .5
% 龍 谷大学 論集 一 129 一図表
9
住職と坊守が仏教 ・浄土 真宗教育を受 けた ところ (複 数回答) 教 育 機 関 住 職 (%)防
守 (%) 中央 ・東 京 ・地方 仏 教学院な ど 中央仏 教学 院の通信教 育 龍 大短大 部 ・旧制専 門部 ・九州 龍短 など その他 宗門関係短大 ・旧制専門学校な ど 龍 大 ・龍大大学院など その他の宗門関係大学 ・大学院など 他宗派関係の短大 ・大学大学院な ど 上記 以外の学校 学校で は仏教 ・浄土 真 宗教育は受 けて い ない19
.810
.511
.61
.151 .51
.31
.513
.76
.031
.94
.87
.82 .75
.32
.39
.038 .4
出典 : 図表1
に 同じ p ・21
(
第7
回 調査)
も変わ らない 」 と記 述 されてい るが, 第8
回調 査で は , 在 家出 身の 割 合がや や高
くなっ た 。 これは か つ て の よ うに 「寺 院に生 まれた 女 子に は 坊 守に なる た め の 教 育 を」 との言説
が有効性
を持
た な くな り, 同時
に配
偶 者選択
に際
して 当事者
の意志
が 尊 重 さ れ る よ うに な っ た か らであろ うか。 確か に, 坊守
が 在 家 出身
で あっ て も,真宗
, 仏 教 教 育を 受 ける機
会が拡 大 され,寺務
に関す
る場面
で はパ ソ コ ン や携 帯
電 話 等 発 達した情
報 通 信機
器 を活 用 する こ とで , これ まで とは異な っ た寺院 経営
の 可能性 もあ
る と思わ れ る。次に
坊
守 歴の 平 均 年 数を みて み る と22
.6
年
で あ り,得
度を受
けた坊守
は,45
。9
%で ある (図表8
−1
)が, 教師資格
を持っ て い る坊
守は多 くは ない とい う結果
であっ た。 (図表8
− 2 )。 こ れに 対し第
7
回 調査に あ げ られた 僧籍
を持
つ 坊守
は , 約38
%で あり,第 2
回調 査(1964 (
昭 和39
)
年 実施)
以 降, 第7
回調 査 ま で は坊
守で 僧籍
を持っ て い る割
合は, 調 査の た び に着
実に増
加 して い た 。さ らに,
「学 校で は 仏 教 ・浄土 真 宗 教 育を受 けてい ない 」 とい う坊 守は
38
,4
%で あるが,「中央 仏 教 学 院の 通 信 教 育」 で 仏 教 ・
浄
土 真宗教
育を受
けた坊
守 は, 他の教
育機
関 よ りも断然
高 くて31
,9
% を 占め て い る (図表9 )。 これ は教 育機
関を利
用 した坊 守の 半数
以 上 が, 通 信 教 育で仏 教 ・浄
土真宗
を学んだ こ と に なる。就 業に 関する調 査 結 果か らは, 以下の こ とが
判
明した。 まず 坊守
就任
以前に 自坊
以 外の職 業を 経験
し てい る割 合は , 約75
% で ある。 在 家 出身 者が増
加 して い るこ とを併せ て 考え ると当然の 結 果だ と言え よ う。 その 職 種で は, 「 一般学
一 130 一 真宗寺院に おける住職と坊守の 役割 (窪田)図表
10
坊守就任前 後の職業 職 種 就 任前 (%) 就任後 (%) 農林漁業 商工 自営業 会社員 ・団体の職員 宗門 関係学校の教 職 員 一般学校 ・福祉関係の教職員 官公庁 職員 自由業 (医師 ・弁護士 ・著 述業な ど) 宗門機 関の職員 他の寺院の寺務 ・法務職 員 その他 従事し た こと は ない 1 .01 .823
.74 .132
.08
.01
.53 .41
.33
.624 .766613672432
10519300026
1
6
出典 :図表 1 に 同じ p .25
図表11
坊 守会 (寺族婦人 会)へ の 参加まったく出席しない
無 回答
65
% めった に出席 しない7
.0
% ときどき 出席する25
.1
% つ も出席 する53
.5
% 校 ・福祉 関
係職
員」 が もっ とも多
く,次
い で 「会社
員 ・団体
の職員
」 で あっ た (図表 10)。そ れ で は,
坊
守 就 任後
の就
業は ど うであ
ろ うか 。自坊
以外
の職 業
に 従事
し て い る坊
守は,35
%弱であ
っ た。 その 職 種は坊守
就任
前 と同様
で, 「 一般
学校
・ 福 祉 関 係 職員
」で ある。 坊 守 就 任 後, 職 業に従 事し て い ない とい う割合 は ,66
.2
% を示し て い る (図表10)。坊
守に な っ て ,寺
院に か かわ る仕事
が多
い た め坊
守 との兼
職が条件
的に 困難で あるの か , あるい は職 業に従事
し た くて も地域 性 の問
題で就業機会
を見
つ ける こ とが難 しい のか , さま ざ ま な 理由が ある と思わ 龍 谷大 学論集 一131
一れる。 ま た