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焼却施設解体工事における管理区域内の負圧管理について

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Academic year: 2022

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焼却施設解体工事における管理区域内の負圧管理について

戸田建設株式会社 正会員 ○西山桂司 柳楽 毅

1.はじめに

焼却施設の解体工事では、作業員のばく露を防止とともに、ダイオキシン類を含んだ粉じんを周辺に拡散さ せることなく施工することが重要となる。平成13年に発令された基発第401号1)及び解体マニュアル2)によ り、解体作業場所ごとに密閉養生して周囲から隔離した「管理区域」を設置し、その中で除染(洗浄)作業や プラント設備解体作業を行うことが義務付けられている。管理区域には換気集塵機を設置し、管理区域内部を 常に大気圧より負圧に保つことで、ダイオキシン類による汚染の周辺への拡散を防止する。管理区域内の負圧 管理は、差圧計を用いて作業前に目視で負圧状況(差圧計がマイナス値になっていること)を確認する方法が 一般的である。今回、連続的に管理区域内の負圧データを取得し、負圧が確保できなくなった場合には警報を 発令するシステムを適用して工事を実施した。本文では、その施工内容について報告する。

2.管理区域の構築方法

焼却施設は、焼却炉等のプラント設備を屋外に設置している場合と、建屋内に設置している場合がある。前 者は比較的小規模な焼却炉が多く、プラント設備全体を覆う仮設構造物で管理区域を新しく構築する必要があ る。構造は枠組足場や単管で骨組みを構築し、その周りを防炎シートで囲って、屋根を設置して密閉養生する 場合が多い。一方、後者は管理区域に建屋を利用し、窓や給排気口の開口部をシート等で目張りをして密閉養 生する。管理区域内を負圧にするために設置する換気集塵機は、プレフィルター・チャコールフィルター・

HEPA フィルターを装着したダイオキシン類対応型で、大気環境基準値 0.6pg-TEQ/m3以下の清浄な空気を排 気する。焼却施設解体工事に用いる換気集塵機の能力に規定はないが、アスベスト対策工事と同様に適用され ている、「換気容積に対して1時間あたり4回換気できる能力」が一つの目安となる。ただし、解体物を管理 区域から積み出す時には、一時的に開口部が出来てしまうため、負圧

を連続的に確保することは困難である。そのため、管理区域に隣接し て積出室(前室)を設け、出入口を2重ゲート構造にすることで、常 時負圧を確保し、汚染の周辺への拡散を防ぐ。

3.実施工

3.1 管理区域の構造

今回の工事で解体する焼却施設は、屋外に設置され建屋がないタイ プで、プラント設備を仮設構造物ですべて覆い、管理区域を構築して 解体作業を行った。管理区域の構造は、屋根がビームテント、外周を 枠組足場と防炎シートとし、テープで目張りを施して密閉養生した。

全景を写真-1に示す。管理区域のサイズは B29.3m×L19.3m× H23.0m で、手前に見えるのが積出室(B10.0m×L7.3m×H10.3m)で ある。出入り時には2箇所の密閉式シートゲートのどちらか1方を必 ず閉めることで、管理区域内の負圧を確保する。

写真-1 管理区域の全景

3.2 換気集塵機

換気集塵機は屋内設置型で、集塵能力120m3/minの機種を使用した。

積出室を含む管理区域の容積13,758m3に対して、1時間あたり4回換

気より、設置台数は全体で8台とした。設置状況を写真-2に示す。 写真-2 換気集塵機(屋内型)

キーワード ダイオキシン類,焼却施設解体,管理区域,負圧管理

連絡先 104-8388 東京都中央区京橋1-7-1 環境ソリューション部 TEL03-3535-1613 土木学会第64回年次学術講演会(平成21年9月)

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3.3 負圧の管理方法

現場事務所 管理区域

積出室(前室) 差圧計 警報ランプ

警報ランプ 通信

集塵機 管理区域内の負圧は差圧

計を用いて連続観測し、値が マイナス値であることを、事 務所にてモニタリングする。

サンプリング間隔は可変で、

今回は 30 秒で設定した。負 圧 管理 は一次 管理 値を-3Pa とし、管理値以下になると警 報が作動するシステムであ る(図-1)。

図-1 負圧常時観測・警報システム

3.4 負圧データの考察

図-2に負圧データの一例として 2007年11月20の差圧データを示す。

作業を開始した9時頃から約1時間は、

換気集塵機を8台稼働させ、10時過ぎ から7台稼働とした。これは、過度な 負圧状態による、シート等の破損を防 止するためで、当現場では-30Pa 程度 を保つように換気集塵機の運転台数 を管理した。また、積出室開閉の影響 は10Pa程度であることがわかる。

8台 7台

換気集塵機稼働台数

一次管理値 -3Pa

負圧データ

図-2 負圧データ

積出室開閉

図-3 風速データ(気象庁アメダス)

時刻

負圧

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

8:52 9:52 10:52 11:52 12:52 13:52 14:52 15:52 16:52 17:51 時刻

(m/s)

強風の発生

図-3は現場近傍で観測された気 象庁の風速データである 12 時頃から 風速5m以上の強風が吹き、負圧デー タのばらつきが発生した。これは、テ ント構造の仮設構造物で管理区域を 構築しているため、シートの動きが風 に追随した影響であると考えられる。

従って、このようなテント構造の管理 区域では、風の影響による負圧のばら つきを考慮した管理が必要で、積出室 開閉の影響を考慮して、初期負圧は

-30Pa を保つことが重要であることが

わかった。

4.おわりに

今回、管理区域内の負圧管理方法を考案し、汚染の周辺への拡散防止確認を連続負圧データにて実証した。

今後は粉じん測定機能を付加し、ダイオキシン類濃度の管理もあわせて実施できる総合的な管理区域モニタリ ングシステムとして改良して、現場に適用する予定である。

参考文献

1)厚生労働省労働基準局:「廃棄物焼却施設内作業におけるダイオキシン類ばく露防止対策要綱」,2001.4 2)厚生労働省労働基準局化学物質調査課:「廃棄物焼却施設解体作業マニュアル」,2001.5.24

土木学会第64回年次学術講演会(平成21年9月)

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参照

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