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一方,トンネル覆工の劣化現象を①ひび割れ,②浮き・

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Academic year: 2022

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(1)6-123. 土木学会第63回年次学術講演会(平成20年9月). AHP による寒冷地のトンネル覆工における要求性能と劣化現象と相関関係について ○武蔵工業大学工学部都市工学科 正会員 須藤 敦史 (独)土木研究所寒地土木研究所 正会員 佐藤 京 (独)土木研究所寒地土木研究所 正会員 西 弘明. 1. はじめに 北海道では建設から30年以上を経過したトンネルの老. d) 美観・景観:壁面の必要輝度の確保,ひび割れ・錆汁 等による汚れ,視界の確保や心理的圧迫感の軽減. 朽化が進行してきており,今後改築や補強・補修などの. e) 耐久性能:供用期間中に要求性能を満足する性能. 対策が必要となるトンネルが増加するが,供用中のトン. 一方,トンネル覆工の劣化現象を①ひび割れ,②浮き・. ネルは様々な制約条件があるため補修・改修作業は難し. 剥離,③漏水,④目地ずれ・開き,⑤豆板・空洞,⑥遊離石. く,かつ効率的な予算管理が求められるようになる.. 灰の6つのトンネル覆工の点検項目とすると,トンネル覆. しかし,道路管理者がトンネル覆工における現状の健. 工の要求性能とそれらの関係は図.1のように分類される.. 全度を正確に把握して,その劣化予測と補修・改修の必 要性や対策工法の選定を的確に判断するためには,トン. 3. 階層化分析法(AHP). ネル覆工における要求性能と劣化現象の相関関係を定量 的に把握しておく必要があるが,トンネル覆工は多くの 機能が複合しているため非常に難しい1)など. そこで本論文は,寒冷地におけるトンネル覆工の要求 性能と劣化現象の定量的な評価を目的として,一般利用 者,道路管理者とトンネル点検技術者へホームページに よるアンケート調査を実施してAnalytic Hierarchy Process : A. 階層化分析法は, 1971年に T.L.Saartyが考案した,複数の 代替案から意思決定者によって最良な代替案を選択する ための手法 3)であり,複雑な思考や意思決定プロセスを階 層構造にブレークダウンして単純な言語の一対一比較を 基本として,これら判断を統合して全体としての優先順 位や配分率を決定することが可能な手法である.. HPを用いて考察したものである.. 2. トンネル覆工における要求性能と劣化現象 山岳トンネルの維持管理に際して,複合的な機能を要 求されているトンネル覆工における要求性能を明確に定 義することは非常に難しいのが現状であるが,文献2)など を参考にしてまとめると以下となる. a) 安全性能:耐荷性(施工後の付加外力を含む),耐震 性能,その他の安全性(構造物の転倒や滑動)など. 4. 山岳トンネルが必要とする要求性能と劣化現象 アンケート調査結果より求めた一般利用者(46名),道路 管理者(76名)およびトンネル点検技術者(60名)が考える山 岳トンネルが保有すべき要求性能(a.安全性能,b.使用性 能,c.第三者影響度に関する性能,d.美観・景観,e.耐久性 能)とトンネル覆工の劣化現象(①ひび割れ,②浮き・ 剥離,③漏水,④目地ずれ・開き,⑤豆板・空洞,⑥遊離石 灰)との相関関係を以下に示す.. b) 使用性能:道路として必要な内空断面の保持,高い防 水性の保持,供用時の機能性を満足,路面凍結により走行 安全性が損なわれない性能 c) 第三者影響度に関する性能:コンクリート片・目地 材等の落下,つらら・結氷・側氷の落下による危険性. 1) 安全性能と劣化現象の関係 トンネル覆工における安全性能と劣化現象との相関 関係では図2(a)となり,一般利用者は②浮き・剥離, ③漏水,④目地ずれ・開き,⑤豆板・空洞との関係を 重要視している.また道路管理者は②浮き・剥離と の関係が大きいと考え. トンネル覆工に必要な要求性能. (レベル1). ているが,トンネル点 検技術者は①ひび割れ. 安全性能. 使用性能. 第三者影響度に関する性能. 美観・ 景観. 耐久性能. (レベル2). との関係を大きいと考 えている. 2) 使用性能と劣化現. ひび割れ. 浮き・剥離. 漏水. 目地ずれ・開き. 豆板・ 空洞. 遊離石灰. (レベル3). 象の関係 トンネル覆工における使用. 図.1 トンネル覆工に必要の要求性能と点検項目の階層化. 能と劣化現象との相関関係. キーワード:寒冷地トンネル, アセットマネジメント,トンネル覆工,要求性能,AHP,劣化現象 連絡先(〒105-8488 東京都港区新橋 5-11-3 TEL03-3436-3176 FAX03-3438-4486 E-mail [email protected]. -245-.

(2) 6-123. 土木学会第63回年次学術講演会(平成20年9月). は図2(b)となり,一般利用者は②浮き・剥離,③漏水,⑤豆 ②浮き・剥離,③漏水,⑤豆板・空洞との関係が大きいと. する研究発表会,pp.191-194,2003. 2) 土木学会 :トンネルの維持管理トンネル・ライブラリ ー第14号,丸善,pp.27-31,2005.. 考えているが、トンネル点検技術者は①ひび割れ, ③漏. 3) Saaty, T. L.:The Analytic Hierarchy Process, McGraw-Hill,1980.. 板・空洞との関係を重要視している.また道路管理者は. 水との関係を重要視している. 3) 第三者影響度と劣化現象の関係. ひび割れ 0.4. トンネル覆工における第三者影響度と劣化現象との相 関関係は図2(c)となり,一般利用者および道路管理者は②. 0.3 遊離石灰. 0.2. 浮き・剥離,③漏水,⑤豆板・空洞との関係を重要視して. 0.1. いる.トンネル点検技術者は②浮き・剥離,③漏水に加え. 0. 浮き・ 剥離. 一般利用者 道路管理者 土木技術者. て①ひび割れ,⑤豆板・空洞との関係を重要視している. 4) 美観・景観と劣化現象との関係. 空洞. 漏水. トンネル覆工における美観・景観と劣化現象との相関 関係は図2(d)となり,一般利用者および道路管理者は②浮 き・剥離,③漏水,⑤豆板・空洞との関係を重要視してい る.トンネル点検技術者は②浮き・剥離,③漏水に加えて. 目地. 図.2(b). トンネル覆工の使用性能と劣化現象. ①ひび割れ,⑤豆板・空洞との関係を重要視している.. ひび割れ 0.4. 5) 耐久性と劣化現象との関係. 0.3. トンネル覆工における耐久性能と劣化現象との相関関. 遊離石灰. 0.2. 係は図2(e)となり,一般利用者は②浮き・剥離,③漏水,⑤. 0.1. 豆板・空洞との関係を重要視している.また道路管理者. 0. 浮き・ 剥離. 一般利用者 道路管理者 土木技術者. は②浮き・剥離,③漏水,④目地ずれ・開きとの関係,ト ンネル点検技術者は①ひび割れ,④目地ずれ・開き,⑤豆. 空洞. 漏水. 板・空洞との関係を重要視している. 目地. 5.ま と め 寒冷地のトンネル覆工における要求性能と劣化現象を. 図.2(c). トンネル覆工の第三者影響度と劣化現象. 把握する目的で,アンケート調査を実施し,AHPを用いて 考察した結果,一般利用者,道路管理者,トンネル点検者 は各要求性能に対して若干異なった劣化現象を着目して. ひび割れ 0.4 0.3 遊離石灰. いることが判明した.今後も寒冷地トンネル覆工におい. 空洞. 1) 須藤敦史,三上隆,岡田正之,河村巧,角谷俊次:寒冷地トン ネルにおける二次覆工コンクリートの長寿命化に関す る一考察,土木学会第21回建設マネジメント問題に関. 空洞. 一般利用者 道路管理者 土木技術者. 0. 【参考文献】. ひび割れ 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1 0. 浮き・ 剥離. 0.1. て様々な検討を実施していく予定である.. 遊離石灰. 0.2. 漏水. 目地. 図.2(d). トンネル覆工の美観・景観と劣化現象 ひび割れ 0.25 0.2. 遊離石灰. 浮き・ 剥離. 0.15 0.1. 一般利用者 道路管理者 土木技術者. 0.05. 一般利用者 道路管理者 土木技術者. 0. 空洞. 漏水. 浮き・ 剥離. 漏水. 目地. 目地. 図.2(e) トンネル覆工の耐久性能と劣化現象. 図.2(a) トンネル覆工の安全性能と劣化現象. -246-.

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