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サービスにおける場の理論

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(1)147 早稲田商学第393号. 2002年6月. 消費者行動からみた. サービスにおける場の理論. 竹 目. 田. 育. 広. 次. !、はじめに. 2,サービスの場に対するアプローチと先行研究 3,サービスにおける場の基李的フレームワーク. 4、消費者のサーピスの場に対する選択理論. 5.サービスの場の形成に関する企業の戦略的条件 6、結論. ユ。はじめに 本論文の目的は,消費者行動からみたサービスにおける場の理論を構築する ことにある昌サービスにおける場の理論的な基礎概念は,消費者のサービス消. 費と生産者のサービス提供からなる2つの主体行動とそれらを媒介する主体行 動の決定理論を般化したものである。なかでも,本論文では消費者行動から みたサービスの場の選択理論から理論構築を始めており,それを具体的にした. ものが,消費者行動からみたサービスにおける場の因果連鎮構造である(図3 および図4)⑪. サービスにおける場の因果連鎮構造は2つに分類される。第ユの構造的関係 は享主体行動と媒介プロセスとの閏に発生するものである。それは宝r消費者 !47.

(2) 148. 早稲田商学第393」号. によるサービスの選択行動→企業による消費者二一ズの把握→企業によるサー ビスの戦略的行動→消費者によるサービスの期待と評価」であらわすことがで. き,サ]ビス需給の基本的システムとして捉えることができる。第2の構造的 関係は,媒介プロセス間に発生するものである。さらにこの関係は,後述する. サ]ビスの場の定義を通じて,サービスの場に対する選択と形成に関わる2づ の本質的課題の分析へと発展するむ本論文では、後者の関係を分析対象として いる。. サービスにおける場とは,「消費者が直面している,企業によづて意昧付け されたサーピスの空間的状況」と定義される。この定義から,サービスの場に. 対する2づの課題を提起することができる。第1の課題は,消費者によるサー ピス消費の意味である。これは先の定義のうち「消費者が直面している」とい う部分から派生する課題であり,具体的には,消費者のサービスの場に対する. 選択理論を確立することである。これに対して第2の課題は,生産者のサービ ス・デリバリーの意味であり,定義では残りの部分に相当する。具体的には,. サービスの場の形成に関する企業の戦略的条件を決定することである。この条. 件は箏消費者のサーピスの場に対する選択理論を構成する要素間の関係から説 明されるものであり,緒果的には,生産者の論理よりも消費者の論理に沿った 戦略展開が,サービスの場合は重要であることを示している。. 消費者のサービスの場に対する選択理論は,どのような人が,提供された サービスを,どのような手段によって決済しているのか,というサーピス消費. の本質的意味を解釈するごとから始めており,以下の3つの構成要素が導出さ れる。. 第!に,サービスを提供する企業への対価の移動の有無である。サービスを 提供する企業へ対価を支払うことは、サーピスが市場で取引されていることを. 表していると同時に,実際にサ]ビスを体験する場面への支払いを意味してい る。例えば,テーマ・パークや映画館,カラオケボックスなどの娯楽サービス. 148.

(3) 消費者行動からみたサービスにおける錫の理論. ユ49. 産業では,アトラクション,大スクリーン,そして音響設備などの大型設備を. 必要とする場の中で,消費者はサービスを体験することになる。このような購 入基準は,消費者がサービスの「場面(Situation)」を消費しているという形. で一般化することができ,消費の経験的側面を主張することにもつながる。. 第2に,消費者本人による財の事前準備の有無である。これは,セルフサー ビスの存在および消費者関与と深い関係がある。近年の経済社会は,セルフ サービスエコノミ←(Self−Service. Ec㎝omy)(1)とも言われるように,サービス. 提供および生産プロセス全体を生産者に依存するフルサービスから,その一部 を消費者本人が関与する方向へと変化してきている。消費者関与の度合いは,. 消費者本人の経験から得た消費スキルに大きく左右され,消費スキルが高いほ ど,自分なりに高い満足を達成できるノウハウを蓄積していることをあらわし. ている。同様に,この購入基準は,消費者本人が自分なりにサービスの消費経 験の「文脈(C⑪ntext)」を設計することで,消費経験を一層豊かなものに仕上. げていることも意味している。最近では,このような消費スキルの高さは,惰. 報機器の操作という点で,かなり明確になってきている。このような消費形態. の変化を読み取った企業は,今までのように,すべてをセットにしたサービ ス・パッケージから,サービス品質を細かく分解し,ターゲットに合わせてそ れらを組み合わせたサービス戦略へと移行している。. 第3に,消費者がどのような社会的立場にあるかを示した「需要属性(At− tributes)」である。需要属性は,個人の社会的特性(S㏄ial. Character)とも言. い換えることができ,企業が提供するサービスを,まさに欲しいと考えている. 消費者へ確実に属くような,一対一の写像的関係で捉える点を考慮に入れた要. 素である、具体的には,性別,年齢,教育水準などの個人的属性,所得,家族 構成,世帯属性などの集団的属性呈あるいは地域別など地理的属性までを許容 する。. これら3つの簿成要素の要秦聞関係を運じて,企業のサービスにおける場の ユ皇9.

(4) ユ50. 早稲田繭・学第393号. 形成の戦略的条件を次のように決定することができる。. 第1は,場面と需要属性との関係から見出すことができるもので,サービス の場の「密度的価値(Value. of. Density)」と定義される。密度的価値は外部と. の遮断性を意味している。すなわち,場の中で行動する主体が,認識できる場 の範囲が狭くなるにつれて,非日常性を体感し,サービス経験が洗練されたも. のとなる。一つの場の中に,複数の小さな場が重なり合うような状況が消費者 に与える効果を,サ]ビスにおける場の「包含効果」と呼ぶことができる。例. えば,Bitner(1992)ば,サービスを取り巻<物的および社会的環境をサービ. スースケープ(Servicescape)と定義し,そのフレームワーク(図2)を通じ て,サービス・スケ』プの効果を明らかにしている。サービス・スケープのフ レームワークば,消費者を取り巻く環境要因に注目し,それら要因を統制,操. 作することで,反応としての消費者行動の変化を明確にする「行動修正アプ ローチ」を基礎においている。なかでも,刺激と反応を結合する過程である生 体を含めた「刺激一生体一反応」モデルに立脚している〔2)。Bitnerが着目する. 環境要因は,本論文のサービスにおける場の密度的価値に隈定されていると考 えられる。つまり,場のサイズや位置,場に付随する外装と内装の両方を含め. たデザイン,店内照明の明暗,音楽などのサービス品質だけを意味してい る〔3〕。. 第2は,文脈と需要属性の関係から見出されるもので,サービスの場の 「テ」マ的価値(Value. of. Theme)」と定義される。テーマ的価値とば,場に. 統一したテーマ性を持たせることである。統一したテーマによって消費体験が 物語に置き換えられ、場の非日常性を強めることができる。そのような場の中 での顧客は,演出された場を楽しむだけでなく,徒業員とも親密なる関係性を. 構築することができる。このように,場のテーマ的価値が,消費者と従業員を 含めた企薬との関係作りのインターフェースと=しての役割を果たすことで与え. られる効果を,サービスにおける場の「コミュニケーション効果」と呼ぶこと ユ50.

(5) 消費者行動からみたサービスにおける場の理論. 15!. ができる。最近では,テーマ・パークはもちろんのこと,ショッピングセン タrやレストランなどでも統一したテーマを設定して,サービスの場を形成し ている事例を見かける. 4〕。. 以上のような2つの価値をうまく組み合わせることによって,実践の場に非 日常的な場を形成することが可能となり,新たな顧客を開拓することができ る。それぞれの価値は,具体的な戦略の中で,サービス品質のアイテムの選択 という形で取り入れられる。サービスの場の形成に圭ける価値と品質アイテム. の的確な選択は,消費者のサービスに対する期待と評価に直緒する。すなわ ち,消費者が付加価値と認識するような組合せをするためには,個人が一般的 に認知する感覚とは逆行するパターンをとるべきである。例外的な方法による. サービス品質戦略をとることが,競争相手との差別化を可能にし,顧客を満足 させることができるのである。. このような論理展開よる本論文の構成は,以下の通りである。2.では, サービスの場の分析アプローチについて,先行研究との関連で論じ,体系的に. 整理す乱3、では,サービスにおける場の理論に関する基本的なフレーム ワークを提示し,サービスの場の定義と基礎概念を通じて,全体の因果連鎖構. 造を提示している。4.では,3.で示したフレ←ムワークの中で始点となる 消費者行動からみたサービスの場に対する選択理論について,理論的プロセス. を経て,導出された構成要素を定義していく。5. では,消費者行動からみた. サービスにおける場の選択理論を通じて,企業のサービスに牟ける場の形成の. 戦瞭的条件について明らかにしている。6、では,結論を述べ,本論文の結び とする。. 2。サービスの場に対するアプローチと先行研究 本節では,サービスの場に対する理論的アプロHチを体系的に整理し葺本論 文における理論溝築との接点を規定している⑪また,サービスの場に対する理. 15!.

(6) ユ52. 早稲田商学第393号. 論的アプローチとして,関係性アプローチと消費者行動アプローチの2つを取 り上げている。関係性アプローチは,サービス・エンカウンタ」およびコミュ. ニケーションの場としてとらえることができ,消費者行動アプローチは,サー ビスの選択の場としてとらえることができる。これらのアプローチを先行研究. とともに体系的にまとめたものが図1である。関係性アプローチでは,サービ ス・マーケテイングおよび関係性マーケテイングの全体像を認識し,企業と顧 客問との関係性構築についてみていくことにする。一方,消費者行動アプロー チではヨさらに方向性が複数存在しているが,なかでも本論文の理論構築と関 わりが深いサービス・スケープとの接点について説明し,B1tnerのサービス・ スケープのフレームワ」クを提示することにする。. 2−1.関係性アプローチ 市場取引されるサービスは,顧客満足と陳腐化の連鎖関係によって規定され る。サ」ピス業において,顧客と企業の関係性の構築が重要であるという議論 は,ある意味で自明の理であって,特に新しいことでもない。しかし,この当 図1. サービスの場に対するアプローチと研究事例 Beny(1983),G]=o血roo冒(199⑪j,和田. コミュニケ]ション活動の 場としての関係性アプローチ. Peck,Payne,Chdstopher. Zeitha㎜1ヨ皿d. a血d. (1998〕,. CIaエk(1999),. Bitner(2000)。Gronroos(2000). B僅oker(1996),B㏄kef&M岬hy(2000〕. サ」ピスの場. 効用実現過程において規葎,文化などの社会的要 因が追加されても消費着は合躍的柾選択をする サービス選択の場としての 消費者行動アプローチ. K主h皿e㎜a血&Tversky(ユ979〕、Smomo皿ヨ皿d T∀ersky(1992),TTers吋伽d S1皿o皿son(1993). 文脈効巣によg一一種の消費行動のアノヤリーが発 生し中必ずしも合理的な選択を取らない. ⇔ (出所)筆者作成 ユ52. Bi血er(1992),W止e冠e1d㎜d Blo掌ett(1994〕, W目ke丘eld…md Blodgett(1996),B1tner(2000), W刮即e正(2000〕、Zeith血剋&Bitner(2000). サ」ビス・スケープ.

(7) 消費者行動からみたサービスにおける場の理論. 153. たり前のことがサービス組織の中で見直されてきている。関係性マーケテイン. グとは,Berry(1983)の中で初めて登場した表現であり,既存の顧客との関 係を維持し,高めていくことは,新規顧客を獲得することと同じくらい重要な ことであるというものである。関係性マーケティングは,従来の交換パースペ クティブと反対の立場をとっており,顕在的にあるいは潜在的に二一ズは存在 するということに批判的である。関係健マーケテイングの目指す基本スタンス は,企業と顧客が,それぞれ提供者(主体)と受容者(客体)という二分法を. 採用せず,交互作用的・双方向的コミュニケーション活動によって融合し,両 者が一体化して相互に働きかけることである(5)。いわば,関係佳マーケティン. グの申での顧客は,企業にとって一緒になって二一ズや間題解決の価値を実現 する共同バートナーであると言える{6)。この両者が同時に出会う場所がサービ. ス・エンカウンターであり,そこで顧客満足は実現される。サービスの中に は,レストラン,テーマ・パーク,ホテルなどで見られるように,サービスの. 実現おいて従業員から直接的に関係する場合や,もっとその距離が近づいてヘ アーサロンや病院のように,身体に触れるサービスも存在する。その一方で,. 銀行の自動支払機(ATM)に代表されるように,サービスの場に従業員が存 在しない完全セルフサービスのものや,電話やインターネットなどで従業員と 会話をしてはいるが,その姿は確認できずに離れているものなど,サービス・ エンカウンターのタイプも様々である{7〕。しかし,サービス・エンカウンター. がどのようなかたちであっても,顧客は企業へ払う対価に見合った,あるいは. それを超えるサービス価値を受け取らなけ汕其その企業へのロイ†ルテイは 発生せず,関係性を築くことはありえない。一方で,企業は常に顧客の観点か ら新たなサービス価値を創造していかなければならない。. 2−2.消費者行動アプローチ 消費者行動アプローチは、経済学およびマーケテイングの2つの専門領域を. !53.

(8) 154. 単稲田商学第393号. 有しており,特に,経済学では,関係性アプローチが重視する社会的な相互作. 用の理論が追加されたとき,消費者個人の選択は合理的㈱,あるいは非合理 的(9〕になるという両方のケースが存在している。. 先にも述べたように,市場取引されるサービスは,顧客満足と陳腐化の連鎖 関係によって規定される。このようなサービスのプロダクト・ライフサイクル を,主体の具体的な行動レベルに置き換えた場合,顧客満足ということは,消. 費者がそのサービスを買っている,消費者行動論的に言えば,そのサービスに 接近していることである。反対に,サービスが陳腐化しているということは,. 消費者が,そのサービスを買わなくなる,あるいはそのサービスから逃避する ことを指している。プロダクト・ライフサイクルは,市場取引されるものすべ てに共通するものであり,企業側にとってみれば,いかにしてそのサイクルを 長くするか,または消費者を維持できるかが課題となる。特に,サービスは,. そのかたちを事前に確認することもできなければ,手で触って感覚を得ること もできない。しかも,消費者個人の価値観に基づく多様な二一ズをはじめとし. て,季節,景気など循環的要因に大きく左右される性質を持っている。した がって,サービスが継続して消費者に支持されるためには,サービスの品質を. 代理するような物的証拠,いわば代理変数を消費者に提示することで,刺激を 与えつづけることが求められてくる。ここに,サーピスの場の存在意義が生じ てくる。この作業は,実際のサービスが決済される場の設定を通じて,サービ スの一部を表象することを意味している。代理となる証拠内容の品質は,消費 者のサービスの場に対する選択理論によって規定されるのである。. サーピスの全体像を代理的に表象するような物的証拠を,サービス・スケー プとして分析体系を構築したのはBitner(1992)である㈹。サービス・スケー. プとぱ,サービスを取り巻く物的および社会的環境の構築と定義されてい るω。こうしたサービス・スケープ,もしくはサービスの環境設定が,サーピ. スの諸側面に果たす役割は大きく,例えば,消費者の期待形成,企業にょる. 154.

(9) 消費者行動からみたサービスにおける場の理論. 155. サービスの拳別化,顧客および従業員目標の容易化,消費経験の性質に影響を 及ぼしている⑫。Bitnerの議論自体は,あくまでサービス・スケープが与える. 消費者目標への影響に限定され,サービス・スケープの範囲も,サービス経 験,取引・イベントを取り巻く物的,社会的環境までとなっている。. Bitnerのサービス・スケープのフレームワーク(図2)は,消費者を取り巻 く環境要因に注目し,それらの要因を統制,操作することで,反応としての消. 費者行動の変化を明確にする「行動修正アプローチ」を基礎においている。な かでも,刺激と反応を結合する過程である生体を含めた「刺激一生体一反応」. モデルに立脚している。図2のうち,刺激に対応するものが,物的環境の範囲 である。これらの環境要因は,消費者の認知に対して,単独で,または他の要 因と相互的に作用する性質を持つ。刺激と反応を結合する生体は,従業員およ. び顧客の内部反応が相当する。反応のタイプは,認知的,感情的,生理学的に. 分かれており,反応に対応する行動へ影響を与える。しかし,実際の議論で は,反応としての行動から始まっている。行動には接近と逃避が存在し,接近. する行動は環境条件の認知によって影響される。また,サービス・スケープ は,顧客と企業の社会的相互作用にも影響し,非言語的コミュニケーションと も言えるものである鯛。. Bitnerをはじめとした,サービス・スケープの研究は,その後,適用範囲を 自然,文化,政策的環境など,徐々に広がりを見せ,様々なかたちでのサービ. ス・スケープが論じられるようになった。その中でも,本論と同じような分析 を試みている先行研究として,サービス・スケープの美的価値(Esthetic. Val−. ue)のモデルが存在する⑱。その研究によれば,サービス・スケープの美的価 値が重要となる理由として,次の3つが指摘されている。. 第1に,サービスは形がないため,サービス晶質に関する情報を提供するよ うなサーピス・スケープのデザインに,消費者は頼らなければならない。. 第2に,消費者は,サービスがいつ提供されるのかという前提に立っている 155.

(10) 寅凶Q串繁. ート忙猟§冨走. 紅腿 二薫似 綱羅・悼髪 R塑岬tc榊一血. 賢ξ同要留邪お Qp匿蝋報薄刈蜘慶. 麹慈温粒亙. 寿蜜. 畢録 竣鍵 畠琳勲剖. 鯉歓霊母姪. 哀喧Q黒籍 繁 殺 仁鵠Q冨祐 ⊥へ木⊥弐〃n. 拳魯 唆運. 呂朴験剖. ﹂念奨. 長. 禅菱寮蝋 黒畿 盤梨. 仁. 憲. 頚. 超誰 工iく. 控凶約懸. 迫以域撚翠. 錆. 越謹 父﹈く 霊寧鐘. 凶. 当艇温蓮聯 ミJ弍勺トや 鍬楓. £. 童糎霊塾聯 ミー饒勺ト畏 鍬蝋. 謂. 覇. コ. コ. コ. 灘鰹 ﹂長喧熱慶. 翻羅. 羅. 長瞳唖鍬﹂導. 灘. 壁買叫一塞2︶. トー尽K・K㌔−余 迎£抑暴鵯. 翼制. へ−いく−△卜Q ﹁トi尽K・K勺−余﹂ 心汽︺二昌一缶 ㎝図. べ︑;畠自雷癌王︶. ミ︑込茂Q鐘蝋. 傘幅. 姐舶︺□gく里. 蜆挑H・鍾嚇・φ鴨. 鴫撃 撃隠. ⊥心ト︑ム. 二無リ. 蕪恥 靭蝿. 蟄嬉. 漣冬Q帳割. 闘握s墾艦霊繭寒. 156. 早稲田商学窮393号. 156.

(11) 消費者行動からみたサービスにおける場の理論. 157. ことが多いため,サービスの環境デザインの中に,またはデザインそれ自体 に,楽しさの要因が備わっていなければならない。. 第3に,美的価値は,サービス経験に関する消費者の全体的満足度を高める ことになる閑。. 美的価値は,以上の3つの理由からサービス・スケープの重要性を主張する ものであるが,後述するように,サービスの場の密度的価値にとどまっている と考えられ,美的価値を持ったサービス・スケープが消費者に与える効果は, 限定的であると言えよう。. 3.サービスにおける場の基本的フレームワーク 本節では,表題となっている消費者行動からみたサービスにおける場の理論 を構築する前段階として,サーピスの場を構成する基本的フレームワークを明. らかにしている。その具体的内容は,第1に,サービスの場を定義すること と,サービスの場の基礎概念を明らかにすることである。第2に,その定義と 基礎概含を通じて,消費者および供給者が,サービスの場の中でどのように場 を選択し,または形成するかというサービスの場の中での行動と決定理論を一. 般化し,因果連鎖構造という形であらわすことである。その因果連鎖構造につ. いて,一般的なサービス需給システムを示したものが図3であり,媒介プロセ ス間の関係性を含めた構造内部の関係を詳細に示したものが図4である。. /1〕サービスの場の定義と基礎概念. 本論文では,サービスの場を以下のように定義している。. サービスの場とは,「消費者が直面している,企業によって意昧付けされた. サービスの空問的状況」を表してい私 以上のように定義されたサーピスの場の基礎概念は,消費者のサービス消費. と生産者のサービス提供からなる2つの主体行動と,それらを媒介する決定理. !57.

(12) 158. 早稲田商学第393号. 図3. 消賓者行動からみたサーピスにおける場の理論の基礎概念. 消費者のサー. ビスの場に対. する逮択理論 サーピスの期待と評価. 」」. サ]ビスの選択行動. サ」・ビス消費. サーゼス提供. 潴費者二一ズの抱擢. サ]ビスの戦略酌行動. サービスの場の形成に関す る企業 の戦略的条件. (出所)筆者作成. 」論を一般化したものから構成される(図3)。分析に関する理論的基礎は,前. 節でも示したような,消費者行動アプローチに基づいている。ただし,図3に. 見られるような因果連鎖構造は,サービス消費の本質的意味を解釈するアプ ローチ蝸を採用している点で,Bitnerのフレームワークとは異なっている。. さらに,図3の内部構造を詳しく示した図4では,サービスの場において, 主体の決定プロセス蘭の因果連鎖関係を含めた理論が提示されている。因果連 鎖システムは,顧客關拓,顧客満足,そしてリピーターへと発展していくため. に必要なサービスの価値創造のプロセスを表している。すなわち,消費者の サービスにおける場の選択理論を通じて,サーピスの場を形成する企業の戦略 的条件が規定.され,消費者が付加価値として感じる新たなサービスの機能的価. 値と効果が見出される。これらは,企業に実践の場での投資基準を与え,明確 な事業計画の構築を含めたマーケティング・ミックスが可能となり,既存顧客 の維持と新たな顧客を開拓する連鎖的な関係が構築できるのである。. ユ58.

(13) 159. 消賓者行動からみたサービスにおける場の理論 薗醐仁 1ト黒簸Qぺ山︐古. 忙 黒 簸. 聰 製. 館 渓. Q. Q. ×. ぺ !. ぺ 山. j. H. , 本. , 古. 湘 撫 誕. ^一肖. 冒. 9. 廻6壕昌. 墜 抹. 潟2 ト← 1ち 1ト昌Q. 1;. 蕪≧ ぐ. 心. 紅. 」?o. 〕. {. 蟻. } 目. o壇. e絹 K髄 山薫. 腎輩議繁. ゆ. 哀. ト. 聾sn〃一1i尽一心m、覇昧. 一. く. ). 1駿 奉. 塑 嘆 激 誰. Q. 湘 細 襲. 聾s阜佃慈映. 山. 」 奉. ^ 鯉ξ. 導竃 霊8鋼一類:e一⁝. 期軽覇瑚映図Q聾心む鵯︼×〜1余々ぐ小粂漏仁恥館渓. ■. 壇. 寸国. ○喧. ^ 碧. 鄭タ. 雪. ). 、岩碗. ) 幅 黙. s. 吠 山. j {. 掻阜佃謝︵疾ヨ︶. 刮. 担 懸. 轟t婆幾鎧e氏㌔1奉. 導巖刮担懸s吠山−余. 導 巖. 轟. 塾 瑠 映. 勾 三. 奈. t婆 幾 鎧. s 氏. ㌔. I. 159.

(14) 160. 早稲田商学第393号. (2)サ』ビスにおける場の因果連鎖構造. 図4で示された消費者行動からみたサービスにおける場の因果連鎖構造に は,以下のような2つの構造的関係が存在している。. 第1の構造的関係とは,墓礎概念で明らかにされたように,消費者と企業の. それぞれの主体行動と,それらの媒介プロセスとの問に介在する4つの関係性 である。それは,「消費者によるサービスの選択行動→企業による消費者二」 ズの把握→企業によるサービスの戦略的行動→消費者によるサービスの期待と 評価」であらわすことができ,一般的なサービスの需給システムとして捉える ことができる。. 第2の構造的関係とは,消費者と企業のそれぞれの意思決定プロセス間に発 生するものである。さらに,この関係はサービスの場に対する定義を通じて,. 以下のような課題へと発展していく。第1の課題は,消費者のサービスにおけ る場の選択理論と,理論が導出されるまでのプロセスを遣究することである。. 第2の課題は,企業のサービスにおける場の形成に関する戦略的条件の構築で ある。サービスの場は,一般的な空間とは異なり,あらかじめ密度が濃い空間 であることが多い㈹。そのため,実践でのサービスの場の形成を念頭に置いた. 戦略的条件が要求され,密度の濃い場を作るための手段や,その場に繰り広げ. られる機能的価値を見出すことが具体的な課題となる。以上,2つの課題を サービスの場に対する定義に照らし合わせてみると,第1の課題は,「消費者が. 直面する」に,第2の課題は,残りの定義部分にそれぞれ対応している。. 第ユの課題は,消費者のサービスの場に対する選択理論の構築である。特 に,サーピス産業を分析する場合は,供給者の事業計画や戦略などの定義をす る前に,顧客の価値観を背景とした二一ズを供給側が的確に把握することが,. サービス・マーケテイング鞍略において重要であるとされている。消費者の サービス消費に対する選択プロセスを,経済学的基準に基づいて,消費者行動 の場の理論として構築している。. 160.

(15) 消費者行動からみたサーピスにおける場の理論. 16ユ. 第2の課題は,サービスの場を形成する企業の戦瞭的条件を構築することで ある。この条件は,第1の課題から規定され,図4に示されるように,意思決 定のプロセス問における因果連鎖構造となっている。また,この条件は,消費 者のサービスの場に対する選択理論の構成要素となる場面,文脈,需要属性の. 3つを手場面と文脈という場の性質を決める要素と,需要属性という消費者の 性質を決める要素とに分類し,場面と需要属性,文脈と需要属性の要素間関係. から,企業が実践の場で取り入れる新たなサービスの機能的価値と消費者に フイードバックされる戦略的効果を規定するものである。. 結果として,サービスの場は,全体的なサービスの需給システムという因果. 連鎖システムの中に,主体の意思決定プロセス間の因果連鎖システムが内在 し,消費者のサービスの場に対する選択墓準が,企業の実践の場での創造すべ き付加価値と投資基準を決定している。これらを実現したサービス業は,消費. 者ヘフイードバックされる戦略的効果を通じて,顧客満足と新たな顧客開拓を 達成」しているのである。. 4.消費者のサービスの場に対する選択理論 本節では,前節において第2の構造的関係として定義された主体行動の媒介 プロセスのうち呈第1の課題である消費者のサービスの場に対する選択理論の. 構築を試みる。以下では,理論的プロセスを提示し(図5),導出された構成 要素の定義を行う。. (ユ〕理論的プロセスと定義. 選択理論の構成要素を規定するにあたり,導出までの理論的プロセスを段階. 的に明らかにすることから始めたい。図5は,消費者のサービスの場に対する 選択理論が導出されるまでの理論的プロセスを図示したものであり蓼分析対象 である消費者のサービス消費行動を起点として,その本質的意味を解釈する方 16!.

(16) ︒ゆ二︶﹂絹棉誰集灼二︶土cu一 却相心︵心へ心亀矩如姻娯寵Q鐘誰無変 一勾猫岬ト志諮佃隻材︺暮々や伽︶q坦. 螢糎量賦将s撫渓K山−余. 露蜘.糧榊む無旦K皐ロト纏謝QK幻−令. 幽套心↑畑糧︐リ和蓮遵︺山−冬\<ロ トペ山−舎舶送剣×㌔−舎︑堂如黙心↑ 冷睡艮橿騨挺七雨ニレ﹂暗拙二φ毯Q峰. ^礁繍餐撃し睾雲−. ^辻. 礁塁嵩1i︺る鵡埠榔麺P二彩. ︑レニ無リ鵯鍬eぺ幻﹈舎§︸. J︑る心ト︵巽畢︶掴氏︸o 遺型鰍萄如養雨紅紅忘裟余価. ^逢媒轟患1︺る. Q旧挑﹂︶串挑燦︺山和具章似 ψ︷.黛〜一るs岬薫孫曲亀寂. リKb−舎岬臭型血蜜韓拒. <搬ぐ約ト遂製如哀や︑﹂挨. ω國. 辻徽Q窯騒く蟄. KギロトQ縫闘︑黒熱刈如煮り一聾Q×勺−舎Q撫翻契. 織哀史ぐ. 蜜阜細報︵痘壬︶. 素墨霊鄭終e. 整烹㌔−舎. 62. ユ. 早稲田商学第393号. 162.

(17) 消費著行動からみたサービスにおける場の理論. ユ63. 向へと展開されている。. 本質的な意味を問う段階では,消費者のサービス行動は,どのような人が,. 提供されたサービスを,どのような手段によって決済しているのか,という疑 問へと発展する。一般に,経済成長過程の中で位置付けられる消費活動の最大 の目的は,不足の解消であった。それが経済発展とともに,意味や生きがいを. 求めるものへと変化していったことは,周知のとおりである。サービスヘの支 出は,いわば,無くても済むものへの支出でもあり,その意味の本質を遣求す ることは,人間行動を理解するうえで極めて重要なことである。本質的意味の. 解釈に対する疑問点が明らかになった次の段階では,消費者個人が直面してい る状況に応じて,サービスを購入するときの選択手段の問題へと移行する。消 費者が,サービスの決済の手段をどのように決めているか,そのプロセスはこ. れまで以上に複雑になっている。そこで,3つの条件に分けて,購入手段の設 定をしてみたい。. 一次的条件は,市場取引されているサービスについて,企業へ対価を支払う. のか,それとも支払わずに済ませてしまうのかである。一次的条件だけで成立 するサービスは,サーピス・プロセスの全てを生産者に依存するフルサービス の場含である。しかしながら,近年では,サービス・エンカウンターの形態も. フルサービスに限らず,セルフサービスを融合している場合がほとんどであ る。すなわち,一次的条件は,サービス消費における場面の購入を意味してお. り,「場面」と定義される。それは,遼ぶ場所(テーマ・パ』ク,カラオケ ボックス,ゲームセンターなど),食べる場所(レストラン),旅行する場所を. 含めたサービスを提供する施設をあらわし,場の密度も含めた要素である。ま た,場面は実際の消費経験のうち,空間的部分を規定する要素である。. 二次的条件は,一次的条件から派生的に,あるいは補足する形で要求される もので,サービスの実現において,自分の手元に所有する胸財を必要に応じて 用意(使用)するか,しないで済ませるかということである。二次的条件は,. 163.

(18) 164. 早稲田商学第393号. セルフサービスと消費者関与に深く関係する。セルフサービスの観点から見れ ば,ハードに対するソブト的な面を自己投資で賄い,サービスの消費を家庭に. 内部化していることにつながる。換言すれば,サービスの生産プロセスに関与 していることになる。このような消費者ば,自分なりに消費の文脈を設計して いることになり,消費者自身が消費経験を一層満足できるものへと仕上げるノ. ウハウを身につけているのである。この性質は,「文脈」と定義される。文脈 は,サービスの中身を決める要素であると同時に,消費者のサービスにおける. 場の選択に対するノウハウの蓄積という意味を持っている。消費者が文脈志向 であるということは,消費者本人が,サービスの場の選択において,自己投資. する割合を高め,生産プロセスの一部に関与していくことを示している。文脈 は,フルサービス形態では,場面と一体化していたが,セルフサービスの登場. で独立した要素となり,現代のサービス消費の選択形態を観察するうえで,極. めて重要な要素となってい乱 三次的条件は,どのような人が消費しているか,という消費者の属性に関す る条件である。この条件は,「需要属性(Attributes)」と定義される⑲。需要. 属性とは,消費者の杜会的特性を指している。具体的には,性別(男女),年 齢(子供・学生,若年層,熟年層,高齢者層),教育水準などの個人的属性と,. 所得(年収),家族構成,世帯属性などの集団的属性がある㈱。. 5。サーピスの場の形成に関する企業の戦略的条件 本節では,サービスにおける場の因果連鎖構造を表した図4のうち,サービ スの場の形成に関する企業の戦略的条件について明らかにする。この条件は,. 前節で構築した消費者のサービスの場に対する選択条件の構成要素間の関係か. ら導出される。それは,密度的価値とテーマ的価値という2つのサービスの機 能的価値である。以下では,これらの価値を実現するための具体的な戦略的手 段と、消費者にフイードバックされる戦略的効果について明らかにしている。. 164.

(19) 消費者行動からみたサービスにおける場の理論. ユ65. (ユ〕密度的価値と包含効果. .図4をもとに,まず場面と需要属性の関係から見ていくことにしよう。この 関係は,消費者と場における関係性を規定している。サービスの場は,サービ スが提供されている揚所,という意味での地理的構造体であり,許容する範囲 は極めて広くなる。地理的構造体の範囲は,現象学的な空間論と照らし合わせ ると明確になる。. 空間論では,空間は動かない容帯の一種である刎とし,空間が幾何学的に 「創られた」のか,それとも長い時間をかけて人間の生活が営まれてきた蓄積 に基づいて現実的に「体験されてきた」鯛のか,によって区別される。. 創られた場は,まさに数学的な場と同じであり,場の中はどの点も等質的で ある。都市計画によるリゾート開発は,設計図面上の幾何学的な場の形成であ る。そのような場の申で,差別化されたサービスを展開していくためには,等. 質的な場の内都に意図的に外都と遮断された断絶的空聞を作るζとが求められ る。その異質的空聞は,大きな空間の中で連続的に重なるかたちで存在するρ. したがって,内側に重なる場は,消費者が認知できる範囲も必然的に狭くな り,結果として体感するサーピスの密度も濃くなる。サービスの場は規模に よって区別されている。例えば,サービスが提供される施設全体は客観的構造 体となり,消費者が実際に体験しているサービス自体は,主観的構造体となる のである。. これに対して,体験されてきた場では,商店街や盛り場といった商業集積に おいて見られるように鱗,そこに居住する人々の生活を通じて,自然と独特の. 雰囲気を持った場が形成されてきたといえる。ただ,誰にでも心地よく茗生活 リズムを促進する場とは隈らず,人によっては,息苦しく感じられ,かえって. 窮屈に感じることもある。したがって,そこに集まる人々の属性はいつのまに か固定化するようになる。. その一貞では,創られた場は、まだ人間が場の中で行動を起こしていないため. !65.

(20) 166. 早稲田商学第393号. に,自由に属性を設定し,それに見合った場を形成することができる。例え ば,近年の傾向として,娯楽サービス業が提供する場は,盛り場という体験さ. れた場を残しつつも,その大半は広範な土地に,小さな施設を整然と並べてい くような場の形成へと変化している。大規模な場の中に連続的に小さな場を作. ることで,サービスの場は外部との遮断性を備えた魅力あるサービス・スケー プヘと進化し,非日常性を強めるような新たな価値を創出する方向へ向かって いるといえよう。サービスの場の密度的価値とは,外部から遮断された場所,. あるいは狭い場面の中に,デザイン性のある設備を複合的に配置することに よって,顧客の動線を狭くするようなサービスの付加価値である。. 以上のような場面と需要属性間の関係によって創出された,サービスの場の 密度的価値を実践の場で活かすことによって,消費者にフイードバックされる 戦略的効果を,サービスの場における「包含効果」と定義することができる。. (2)テーマ的価値とコミュニケーション効果. 同様にして,文脈と需要属性の関係についてみていくことにする。この両者 の関係の中で,個人が果たす役割は,非常に複雑である。場面と需要属性との. 間で想定されていた個人は,与えられた情報としての場を受動的に処理するだ けで積極的関与の余地を有していなかった。しかし,この関係での個人は,あ る程度,自分なりに満足できるノウハウを身につけており,選択のポートフォ. リオをより多く持っていると想定される、それだけに,サービスを見る選択眼 は極めて巌しいものになっている。. 2.でも述べたように,顧客と企業の相互作用的パートナー関係で,顧客と のコミュニケ」ションがビジネスの存在基盤である場合に,個人と場の問で成 立する場のレトリックは,顧客との関係性の構築,および維持,拡大に関する 観点から設計されなければならない。これをサービスの場の形成からみれば,. 密度的価値を実現した場を一層賑やかなものにするために,場の全体を統一し. 166.

(21) 消費者行動からみたサービスにおける場の理論. 167. たテーマで演出し,場にドラマ(ストーリー)性を与えて顧客が体感できるよ. うにすることである。これは,サービスの場のテーマ的価値と定義され,既述 の場の密度的価値とともに,新たなサービスの付加価値として認識されるもの である。. 以上のような文脈と需要属性間の関係によって創出された,サービスの場の テーマ的価値を実践の場で活かすことで消費者にフイードバックされる戦略的. 効果を,サービスの場における「コミュニケーション効果」と定義することが できる。. (3)サービスの場と晶質戦略の関係. 密度的価値とテーマ的価値,そしてそれぞれの価値に基づく包含効果とロ ミュニケーション効果は,サービス晶質のアイテムと関連してくる。サービス 品質は人問の五感に何らかのかたちで影響を与えている。密度的価値に基づく. 包含効果は,外装,内装の両方を含めたデザイン性,店内照明の明暗,音楽な どのサービス品質と密接に関わってくる。これに対して,テーマ的価値と対応. すえサーピス品質は,従業員の接客サービスや制服,営業時問中のショー㈱を 含めたテ』マ性である。テ」マ性は,前者のサービス晶質とも関連し,デザイ ン・音楽などに統一したテーマを設定することである。これらのサービス品質 は,「芙感覚(Synesthesia)㈱」という個人能力を利用したレトリックによっ. て,実践の場に取り入れられている。「共感覚」とは,「ある感覚刺激を本平の. 感覚以外に別の感覚としても知覚できる能力㈱」であり,いわば五感の間での 貸借関係的である。このような共感覚が起きる感覚の組合せには,順序付けさ れた方向が定められている。それは,「触覚から味覚,そして味覚から嗅覚」. へと進む関係と,「視覚から聴覚」への関係の2つのタイプからなる。前者の 関係が,後者の関係へ貸与されていくことが一殺的であり,その逆は例外とし て扱われている鯛(図6)。これをサービスの場と照らし合わせてみると,止企. 167.

(22) !68. 早稲田商学第393号. 業の戦略的条件である密度的価値とテーマ的価値は,後者の関係を利用した戦 略であり,共感覚を経験した消費者は,包含効果とコミュニケーション効果と. いう戦路的効果を通じて,実際のサービス体験の期待と評価を形成しているの である。. 図6. 共感覚のメタファ』. ご. 視覚材聴覚. (出所)瀬戸(ユ995)pp.60より引用. 6。結論 本論文では,消費者によるサービス消費と生産者によるサービス提供からな. る2つの主体行動と,主体行動を媒介するサービスの場に対する選択および戦 略的形成のプ1コセスを基礎概念として,サービスにおける場の理論の構築を試. みた。理論構築では,特に,消費者のサービスの場に対する選択理論を起点と. し,その一連の体系は,消費者行動からみたサーピスにおける場の因果連鎖構 造として提示することができた。. サービスにおける場の因果連鎖構造は,主体行動と媒介プロセスの間に発生 する構造的関係と,媒介プ1ゴセスの間に発生する構造的関係に分けられ,とり. わけ本論文では,後者の構造的関係に着目して論理展開を進めてきた。まず,. サービスの場を,「消費者が直面している,企業によって意味付けされたサー ビスの空間的状況」と定義し,これを通じて得られる課題に対して,理論的フ レームワークを構築した(図3および図4)。. まず,消費者によるサービス消費の意味の解明は,消費者のサ」ビスの場に 対する選択理論の構築をすることでもある。理論的なプロセスとして,どのよ うな人が,提供されたサービスを,どのような手段によって決済しているか,. という視点から購入基準を定め、具体的な行動から一般化へと進化する過程. 168.

(23) 消費着行動からみたサービスにおける場の理論. 1a9. で,次の■3つの構成要素を導出することとなった。一. 第1は,場面の購入である。この要素は,サービス企業への対価の移動の有 無という行動基準を一般化したものである。例えば,テーマ・パークに代表さ. れる娯楽サービス業では,企業への支払いは,サービスを体験する場面への支 払いを意味し,その場を消費するために消費者は串かけていくと考えられる。. 第2は,文脈の設計である。この要素は,消費者本人による財の事前準備の 有無という行動基準を一般化したものである。この行動基準は,セルフサーピ. スの存在と消費者関与が深く関係しており,消費者は消費体験を重ねること で,自分なりに消費プロセスを設計することを覚える。すなわち,サービス活 動を家庭に内部化し,消費の文脈を本人が決めることを意味するものである。. 文脈は、フルサービス形態では,場酉と山体化していたが,セルフサービスの. 登場で独立した要素となり,現代のサFピス消費の選択形態を観察するう.え で,極めて重要な裏素となっている。. 第3は,需要属性の設定である。これは,個人の社会的特性とも言い換える ことができ享企業が提供するサービスを欲しいと思う消費者へ確実に届くよう. な写像的関係を考慮して設定したものである。また,企業のサービスにおける. 場の形成に関する戦暗的条件の組合せによって,顧客満足を実現するととも に,新たな需要属性を闇拓すること1ができる。. 以上の,3つの要素のうち,場面と需要属性の関係から場の密度的価値が, 文脈と需要属性の関係から場のテーマ的価値が,企業の戦略的条件として創出 される。それぞれの価値は,場の非日常性を強め,サービスの消費経験を豊か. にする役割を果たす。サービスの場の密度的価値は茗外部との遮断性を意味 し,実践の場にこれを取り入れることによって,消費者の感覚に包含効果とい. う戦略的効果を与えている。一方,場のテーマ的価値は,場を特定のテ←マで. 統一することであり,実践の場にこれを取り入牝ることによって,ユミュニ ケーション効果という戦瞭的効果を与え,消費者満足を実現している鶯具体的 !69.

(24) 170. 早稲田商挙第393号. な戦1略では,これらの2つの価値はサービス晶質のアイテムと整合する。企業 の戦略的条件である密度的価値とテーマ的価値,そして消費者ヘフィードバッ クされる包含効果とコミュニケーション効果を体現するよ.うな場のレトリック. は,共感覚のメタファーが規定する例外現象である。. 結果として,サービスの場は,全体的なサ]ビスの需給システムという因果. 連鎖システムの中に,主体の意思決定プロセス間の因果連鎖システムが内在 し,消費者のサービスの場に対する選択基準が,企業の実践の場での創造すべ き付加価値と投資基準を決定している。これらを実現したサーピス業は,消費. 者ヘフィードバックされる戦略的効果を通じて,顧客満足と新たな顧客開拓を 達成しているのである。. 溢1)Gers㎞ny. J.(1978)pp.7!−91を参照、. (2〕阿都(200!)より引用.. (3〕W劃gn虐r(2000)は,空間のデザインや設傭などのサービス晶質をサービス・スケープにおけ る美的価値と定義している.. (4〕好例として,テーマレストランがある、「テーマレストラン」とは「店舗の外観、インテリ ア,内装,従業員のユニフォーム,メニューにわたって,一つのテーマに基づき表現されたレス トラン」である.しかし,最近では国内資本の企業によるテーマレストラン開発も目立ってきて いる.. 15〕和田(ユ998)を参照、. (6〕Gr㎝roos(2000)pp−26を参照. 17〕Ze肚ham1邊nd. Bit皿er(2000)pp88を参照.. 18)図2におけるBeむker(1996〕およびBecker&M口rphy(20CC).. 19)図2におけるKahne皿m&TΨersky(1979工Sim㎝sonandTvers止y(1992)、Tversky加d S㎜o皿・o血(ユ993工. 11Φサービス・スケーブのフレームワークは,その後のBltner(2000)及び互eitham1日nd. Bltne・. (2000)でも明示されている. む1〕. 仁2. Bitner(1992),(2000〕. Bitner(2000工. 鱒Z直itha皿i1&Bitner(2000工pp263より引用.. ωW日騨r(2000工 蝸W註餌er(2000工. ㈹阿部(2001)によれば,1960年代に本格的に始まった消費者行動の研究は3つの分析アプ ローチを有している.「行動修正アプローチ」,「情報処理アプローチ」,「解釈アブローチ」がそ. れである.解釈アブ1ゴーチは自然主義的アブローチ,体験的アプローチ,人文主義的アブローチ. などの総称であり、消費者行動に込められている意味を理解したり,解釈したりすることを主目. 170.

(25) 171. 消費者行動からみたサービスにおける場の理論. 的としたものである.本論文では「解釈アプローチ」にもとづいてモデルの簿築がなされてい る.. 帥. 「場」というものは,空間に密度が加わったものとみることもできる.. ㈱ ハイデガーは『存在と時剛の中で,手元にあると言う概念は人間の空間性という観点からす れば,有効に選択されたものであるとしている.なぜなら手元にあるということは,それ自身は じめから一つの空閻を指示していることになるからである. ⑲ 一般に,消費者行動分析で利用される「多属性分析」は,商品およびサーピスの属性,すなわ ち商品・サーピスの客観的(物的)特性であり,商晶の組成,構造,機能に関する情報である. このように見ると,一般に使われる嘱性」の意味は,場面と文脈のほうが近くなる, 吃◎極端なケースとして,ブランドロイヤルな個人(グループ),デイズニー中毒な個人(グルー プ)も需要属性に加えても良いであろう. ㈱. Bollnow. O且(1963)(大塚・池川・中村訳(1978))より引用.. ㈱体験されてきた空問のことを「ホトロジー空間」と呼んでいる、 ㈱ このような盛り場を扱った資料として,吉見俊哉(ユ987)がある.. ㈱代表的なのがデイズニーランドやデイズニーシーのパレードである.この他レストランでも音 楽演奏やダンスショーなどがおこなわれているところも最近多く見られる. ㈱最もよく知られている例として,「聴覚から色覚が生じる色聴」が挙げられる.この他,「甘い 香り」のように,においから色や形を感じるなど,異種の感覚様絹閥でさまざまな共感覚の事例 が知られている.. ㈱. 中島義明編r心理学辞典』宥斐閣ユ999p183より引用、. ㈱. 瀬戸(ユ995)pp60より引用.. 鯛. 同上,. 【参考文献】. Barwlse. J・and. Perry. J(!983)・∫姐伽㎞肋λ鵬別伽. MlT. Press,(ニヒ屋・鈴木編(!992)『状況と. 態度』産業図書).. B㏄k・・αS,(ユ996)λむむ舳伽亙伽伽眺Ha・v・・dU・i…sityp・… Becker. Berry. G,S一刮Ild. Ml1rphy. L.L、(!983).. E榊惚伽g Bエtner. K,M、(2000}. Re1割t1on冨11ip. 力. m. M.J。(2000}. The. S僅rvio直scap虐in. M−J一(!992工Servicescapel. Swartz. PubhcatIon. The. Harvard. Berry. P鮒豊伽o細ω舳∫碗児む埋」M研海流瑚圧Amerlcan. 〃岨r毘{漉捌厚&且4口碗刮厚舳榊且=S割ge. Bit皿er. ∫鮒加{Eω冊α帆な且. M呂rketi口g. T,A. L. Marketi皿g a皿d. University. L,Shos㎏ck. G. Press,. L,and. Up邊h. G.D.(e吐工. Assoclatio皿.Ch虻ago.. Iacobu㏄i. D.(ed),施〃あoo晃ψ∫召〃伽. I口c.. Impa〔t. of. Physioal. Surroundings. on. Custom色rs. and. Emp1oyee乱. ㎜{ぴ〃鮒細鋭捌島〃血乱5aλ抑ら助,57−7!,. Bol1皿⑪w. O.瓦(ユ9繊猟㈱肋ぴ切肋鮒W.Kohlhammer. GmbH,(大塚・池川・中村訳(ユ978)『人閻. と空剛せりか書募), Bratma皿M−E㌔(!987〉. ∫絨鰍サ鵬P地犯邊励ハ㏄fな刮;遍召固8倣^. Harvard. U皿iversity. Press,(門脇・高橋訳. (1994〕『意図と行為一合理性,許画,実践的推論』産業図書)、 α孤ke工. 劃nd. Schmidt尺入(1995)。. Beyon壼the. Ser椚c直scape=The. 玉芭畑初腕温砲棚C㎞批瑚鮒∫納誓軌{地!.2jV乱3抄. e五p虐ri筍皿ce. o正plac巳. ∫. ㎜〃昭;ψ. 149_6Z. C伽eτ(1995工伽桃伽刑細閉切一プ♪肋s伽伽閉肋伽伽細雌燃,猟㏄滅㈱・励沢柳・紛 如f肌P巴n馴i皿Books,(土屋賢二監訳(2001)r心は穣械で作れるか』動箪書房). Grq皿rogs. C,(2000工S諺械遵榊批弔亙榊捌f担幼必螂γ知ξ伽&λC帆5勿鮒表超細主㈱毘砂批螂卿g舳蛙λ榊蜘九. 鋤棚肋砿奴JobnWi1ey&So皿s.Ltd. 工7!.

(26) 172. 早稲田商学第393号. Groエコroos. C. (ユ999〕,. Relationship. Marketing:Cha11enges. for. the. Orgamzatiom、. ∫ω仰㎜二むグ2畑{地≡∫∫. 亙鮒ωπ砲.物1,46.榊.327_35. Gronroos. C、(ユ998)一. M自rketing. Servlces1The. Ca竃e. of. a. Miss1エ1g. Product、. ∫伽. ㎜. oヅB趾ヨ{榊舳盈. J〃鮎ま初;〃血f毘埋f初吾,〃o1.13,^b.4/5,〃.322_38,. Groエユroos. C,(1996工. 棚乱34.〃o. Gronroos. Re1a血onsh1p. Marketing. Strategio. and. Tac正ioa1正mpllc劃tions.M皿㎜雛伽〃D直o必勿刷,. 3、抄.5_14.. C(ユ994).Fro皿Marketing. Mlx. to. Relahonship. Marketing. Towards. a. Paradigm. Shift. in. M・・k・ti・g一仰惚渤㎜止D㈱榊田。1・32ハ・2・抄4−2α Gummesson. 亘.(1998〕.Productivity,Quality. ∫弛三伽壬㎞1∫伽↓舳. G鮒shu血y. J(1978). PRESS. K宜bnem邊n. and. Re1目tio加ship. Marketing. oヅ0o冊姥〃一柳岨η亘os伽肋〃り〃藺蜆口g舳蜆克口o1.!0,No. in. Service. Operations、. j,妙.4_!5二. λ∫肋∫〃伽防伽;∫血σ{{妙:丁肋五仰鮒g伽g∫直1ゲー3〃脇邊Eo舳皿. THE. MACMILLAN. LTD. D−and. Twrsky. Eω脆舳炉あ軌田σ王4Z. Ko訂鉗P.,H盆ider. A. (1979〕.Prospect. Theoryl. An. Ana1ysis. of. Decision. Under. Risk,. jVo.2,幼.263_9/.. D一,Rei口I.(1993).. 〃鮒肋拘地g. 洲醐,∫滅醐,口制d吻肋伽、Free. P肋む芭∫j〃肺㏄〃㏄ぎ{伽控3肋酬己{刎伽まη,皿捌ヨ=舳η∫伽地. Press、(井関監訳;前囲.千野、丼関訳(1996)r地域のマ. 一ケ. テイング』東洋経済新報社)、 Menon. S,a皿d. I(自hn. B.E(ユ995)The1皿pact. ○チC伽刎珊鮒R郷芭o叱危、四〇. Norm…m. R.(200C). .22,jVo.3,D直. on. Con旋xt. on. Var肥ty. Seekmg. in. Product. Choice. /肋仰刎. .妙.285_96.. ∫邊㈹な召〃口刎碁召伽昭〃.∫姉蜆地盈フロ〃Lωd〃s免ψt珊∫直㈹㏄召B仏∫伽直∬一丁. γd. Ed推閉.Joan. Wi1ey&Sons,Ltd. Pinen. B. J.and. Gilmr呂J.亘.く1999).丁加E尤卿加雌芭&㎜弘く電通「経験経済」研究会訳(2000)『経. 験経済」流通科学出版). Rava1d. A.aエld. Gronroos. C,(1996)、The. Va11ユe. Concept. a血d. Relationsh1p. Marketi皿g,E〃ψω制J例{舳. び. 〃竈油直κ冊g,仙o1.30,No.2,助.!9_30.. Scbm帥皿er. R. W、(1986〕一How. Can. S帥ice. Business. Surw色and. Prosper?∫lo伽脆㎜解舳げω{刎,. ∫μ醐g,砂.21_32.. Simonson. I−and. Tversky. A,(1992),Choice. in. Cont跳t.Tradeoff. Colltrast. aIld. Extremeness. Aversion.. ∫o側榊α王ぴM刮r馳売伽g〃3{岨叱庖,〃〇三.工4,λ刎g肌sエ,〃.281_95,. Stell. R.and. Donoho. C,L,(ユ996〕.C1assifyillg. Servlces. from. a. Co皿s1mer. PerspectiTe.. 丁伽伽閉血1げ. S〃伽σ直〃o油助棚圧、仙o1.10,No.6、抄、33_44.. Tversky. A.、帥d. Si血onso血L(1993〕一Context_Dependent. Preference.〃o㎜雛伽舳f∫o{舳ω一伽139,」〃o,. /0,妙.1/79−89.. Wagner. J.(2000〕.A. Model. o{Aesthetlc. Value. m㎞e. Servicescape. {ピd.)。亙皿閉3肋o昆oデ∫〃伽2』4皿γ細〃何亙&〃o伽星舳刑t. Walker Wθ. J,L(1995)、Servコce. Encomter. Sage. in. Swar[z. T. A. a皿d. I宜cobucci. D.. Pllblic且tion1正■c,. Sat1sfacti㎝:Conceptua1ized.伽㎜岨1oヅ∫舳伽吻伽κ昭,刎.g. /、抄、5−14,. Wake丘eld底一L加d ユエlte皿tions. Blodgett in. Leisl1re. J.G.(1996)The Service. Settings−. Effect. of. the. Servi㏄scape. on. C皿stomers. Beh包viora1. 丁加∫o伽仰肥!of∫鮒㎞8〃血τ伽尻珊思、仙o工10,N〇一ε〃.45−61.. Wak畳fie]dK,LandB1odgettJ−G.(1994).TheImportanceofServlcescapesinLelsureServi亡eSe廿i口gs. J閉}吻1oゾ∫〃榊邊ハ伽肋切伽&Φo工8,州〇一3,1抄.66_76. Zeith刮加1V,A.加d ∫尼60肋E4{加o閉. 阿部. 172. B1士ner. M.J.(2000〕. ∫2榊㏄. 〃〃肋f舳gj. 蛇g7脇昭C郷肋榊乃㎝5λ㎝螂嚇ま加F伽皿. 1例用帆〃むG■o砒」1{一〃.. 周造(2001)「消費者行動研究の方法論的基礎」(阿部周造編著r消賓者行動研究のニューディ.

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