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Academic year: 2022

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氏 名 授 与 し た 学 位 専攻分野の名称 学 位 授 与 番 号 学位授与の日付 学位授与の要件

学位論文の題目 論 文 審 査 委 員

横山 薫 博 士 工 学

博乙第4394号 平成25年 3月25日 博士の学位論文提出者

(学位規則第5条第2項該当)

γ線計測による放射性廃棄物収納容器中のウラン 238 の定量評価手法に関する研究 教授 鈴木 和彦 教授 五福 明夫 教授 柳瀬眞一郎

学位論文内容の要旨

トレンチ処分対象廃棄物中に含まれるウラン放射能評価への適用を想定し,ドラム缶等の廃棄物収納容器に入った廃棄 物中に含まれる放射能を,パッシブγ線によりウラン分布や廃棄物密度の偏在等に依らず定量評価することが可能な手法 の理論体系を構築した。このため,最初に廃棄物密度が均一の状態でウラン線源分布が不均一な場合を考察し,廃棄物収 納容器を対向位置で測定したデータを用いて,ウラン線源分布とγ線計数率を線形関係で結ぶ評価式を導出した。

線源位置を表わす物理量は,ウラン系列で放出される1001keVと766keVの2つのエネルギーでのγ線ピーク計数率の 比R(1),R(2)と,2つのエネルギーの放出率の比kから,1/{ln(k/R(1))×ln(k/R(2))}で与えられる。この計算式で1001keV

と766keVのエネルギーの違いは減衰率の違いとなるため,2つのエネルギーでのγ線ピーク計数率の比を計算すること

で,廃棄物による遮へい効果を定量できる。遮へい効果は測定されるγ線計数率を決定する。したがって,線源位置を表 わす物理量と対向位置で測定されるエネルギー1001keVのγ線計数率の幾何平均na間には相関関係がある。この関係を,

ウラン量は固定して,シミュレーションを用いて検証した。その結果,1/{ln(k/R(1))×ln(k/R(2))}を横軸(対数表示)とし naを縦軸としてプロットするとプロット点は直線上に分布することを示した。

次に,廃棄物密度が均一の状態でウラン線源分布が不均一な場合に導出した線源位置を表わす物理量を発展させて,密 度不均一,線源分布不均一の放射性廃棄物が入った廃棄物収納容器へ適用できる物理量を導出した。廃棄物密度が均一の 状態では,対向位置での測定で線源位置を評価することができた。しかし,密度が不均一な場合,測定位置に依って遮へ い効果が変化するため,多方向からの測定を行い,密度を均一化することが必要になる。そのため,密度が不均一な廃棄 物容器のγ線計測を廃棄物容器の中心から等しい距離の3次元位置(球面)において多数点測定し,計測値を幾何平均し て,密度不均一の放射性廃棄物から近似的に密度均一の状態を作り出す方法を考案した。この方法により,密度が不均一 の状態であっても,ウラン238の子孫核種から放出される2つのエネルギーのγ線計数率の幾何平均の比Ra及び放出率 の比kから定義される1/{ln(k/Ra)}2と,1001keVのγ線計数率の幾何平均naの相関関係を示した。

廃棄物密度が不均一な場合の線源位置を表わす物理量を用いて,廃棄物密度が不均一でウラン線源分布が不均一な場合 のウラン238の定量が可能であることを実証するため,廃棄物密度を不均一にし,ウラン量は固定して,ウラン線源分布 を変えた模擬廃棄物をいくつか作成して試験を実施した。ウラン量を固定した模擬廃棄物の外部からγ線測定を実施し,

1001keVと766keVの2つのエネルギーでのγ線ピーク計数率を計算し,廃棄物密度が不均一な場合の線源位置を表わす

物理量1/{ln(k/Ra)}2と1001keVのγ線計数率の幾何平均na を評価した。その結果,1/{ln(k/Ra)}2を横軸(対数表示)とし na を縦軸としてプロットすると,誤差20%以内で直線上に分布することを示した。

既存の測定方法では,廃棄物密度が不均一でウラン線源分布が不均一な場合,ウラン線源からγ線検出器までの遮へい 効果の考慮が不十分なため,測定される計数率はウラン線源位置などに依り大きく変化する。本研究で示した評価式を用 いることで,廃棄物収納容器内部の廃棄物密度分布やウラン線源分布の偏在に対する影響を考慮することが可能になり,

ウラン量の定量誤差を改善することができた。

(2)

論文審査結果の要旨

トレンチ処分対象廃棄物中に含まれるウラン放射能評価への適用を想定し,ドラム缶等の廃棄物収納 容器に入った廃棄物中に含まれる放射能を,パッシブγ線によりウラン分布や廃棄物密度の偏在等に依 らず定量評価することが可能な手法の理論体系を構築した。このため,最初に廃棄物密度が均一の状態 でウラン線源分布が不均一な場合を考察し,廃棄物収納容器を対向位置で測定したデータを用いて,ウ ラン線源分布とγ線計数率を線形関係で結ぶ評価式を導出した。次に,廃棄物密度が均一の状態でウラ ン線源分布が不均一な場合に導出した線源位置を表わす物理量を発展させて,密度不均一,線源分布不 均一の放射性廃棄物が入った廃棄物収納容器へ適用できる物理量を導出した。廃棄物密度が均一の状態 では,対向位置での測定で線源位置を評価することができた。しかし,密度が不均一な場合,測定位置 に依って遮へい効果が変化するため,多方向からの測定を行い,密度を均一化することが必要になる。

そのため,密度が不均一な廃棄物容器のγ線計測を廃棄物容器の中心から等しい距離の3次元位置(球 面)において多数点測定し,計測値を幾何平均して,密度不均一の放射性廃棄物から近似的に密度均一 の状態を作り出す方法を考案した。

廃棄物密度が不均一な場合の線源位置を表わす物理量を用いて,廃棄物密度が不均一でウラン線源分 布が不均一な場合のウラン

238

の定量が可能であることを実証するため,廃棄物密度を不均一にし,ウ ラン量は固定して,ウラン線源分布を変えた模擬廃棄物をいくつか作成して試験を実施した。既存の測 定方法では,廃棄物密度が不均一でウラン線源分布が不均一な場合,ウラン線源からγ線検出器までの 遮へい効果の考慮が不十分なため,測定される計数率はウラン線源位置などに依り大きく変化する。本 研究で示した評価式を用いることで,廃棄物収納容器内部の廃棄物密度分布やウラン線源分布の偏在に 対する影響を考慮することが可能になり,ウラン量の定量誤差を改善することができた。

以上のように,本論文では,東日本大震災後の除染作業,ウラン濃縮プラントの廃止措置などに必要

とされる放射性廃棄物処理に必要とされるウラン

238

定量化の手法を新たに開発し,実設備でその有用

性を実証した。この放射性廃棄物中のウラン

238

定量化は,今後の福島地域の復興,原子力産業の将来

に向けて必須の技術であり,これらの研究成果は,工学的に価値あるものである。これより,学位審査

委員会は,学位論文の内容,参考論文等を総合的に判断し,博士(工学)の学位に値するものと判定し

た。 また,英語の能力についても確認した。

参照

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