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臨港 道 路 桟 橋部 に作 用 す る揚圧 力 とそれ に及 ぼす空 気塊 の影 響

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Academic year: 2022

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(1)海 岸 工学 論 文集,第55巻(2008) 土 木学 会,861‑865. 臨港 道 路 桟 橋部 に作 用 す る揚圧 力 とそれ に及 ぼす空 気塊 の影 響 Uplift Forces. on Pier Deck of Coastal. 下 迫 健 一 郎1・Giovanni. Kenichiro. SHIMOSAKO,. Giovanni. Bridges. and the Role of Air. CUOMO2・. CUOMO. 高 橋 重 雄3. and Shigeo. TAKAHASHI. Recent failures of coastal bridges during extreme storm events have focused attention on the need for research on wave loading of coastal structures suspended slightly above the still water level. This paper presents findings from large-scale experimental work carried out in the wave basin. Measurements from physical model tests are used to gain insights on the dynamics of wave-loading of coastal bridges and to derive prediction methods for both quasi-static and impulsive wave loads. The effect of openings in the bridge deck is also discussed, and guidance derived for design purpose.. 1.. 2.. は じ め に. 水 面 付 近 の水 平 板 に作 用 す る揚 圧 力 につ い て は,古. く. か ら種 々 の研 究 が 行 わ れ て お り,桟 橋 の上 部 工 や 杭 式 ド. 実験方法. (1) 実 験 施 設 と実 験 ケ ー ス 実 験 は,国 土 交 通 省 関東 地 方 整 備 局 横 浜 港 湾 空 港 技 術. ル フ ィ ンの上 部 工 な ど,静 水 面 付 近 に あ り水 面 と ほ ぼ平. 調 査 事 務 所 所 有 の 三 次 元 平 面 水 槽 で行 った.図‑1は,水. 行 な 構 造 物 に は,条 件 に よ って は 衝 撃 的 な揚 圧 力 が 作 用. 槽 に お け る桟 橋 模 型 の レイ ア ウ トを示 した も ので あ る.. す る危 険 性 が あ る こ とが 知 られ て い る.た. 水 槽 の大 き さ は,長. (1967)は,水. とえ ば,合. 田. 平 板 に作 用 す る揚 圧 力 を,波 面 と板 と の衝. さ46.8m,幅34.6m,高. さ1.1mで あ. り,今 回 の 実 験 は,導 波 板 で 区 切 られ た幅25mの 部 分 で. ル. 行 っ た.桟 橋 模 型 は 曲線 形 状 を して お り,中 央 部 で の 長. マ ンの 理 論 か ら水 平 板 に作 用 す る重 複 波 に よ る揚 圧 力 の. さ は 約12.5mで あ る.実 験 は,呉 港 臨 港 道 路 桟 橋 部 周 辺. 算 定 式 を示 して い る.ま た,谷 本 ら(1978)は,同. を対 象 と して,模 型 縮 尺1/10で 現 地 を再 現 し,桟 橋 底 面. 突 に よ る運 動 量 の 急 変 に起 因 す る力 で あ る と考 え,カ. 平 板 に作 用 す る揚 圧 力 を算 定 す る方 法 を,ワ. 様 な水. グ ナ ー の理. 論 に基 づ い て 示 して い る.一 方,伊 藤 ら(1967)は,桟. に作 用 す る揚 圧 力 を 測 定 した.. 橋. お よ び デ タ ッチ ド ピア上 部 工 に作 用 す る揚 圧 力 に つ い て, 模 型 実 験 に基 づ い た算 定 式 を 示 して い る.ま た,室 田 ら (1966),永. 井 ら(1966),堀. 川 ら(1967),椹. 木 ら(1988)も,. 桟 橋 に作 用 す る揚 圧 力 に つ い て 実 験 的研 究 を お こな って い る.さ. ら に,Cuomoら(2007)は,桟. 橋 に作用す る揚圧. 力 に つ い て,地 形 変 化 や 構 造 物 の影 響 によ る波 浪 変 形 な ど も考 慮 した 算 定 式 を,二 次 元 水 理 模 型 実 験 の結 果 に基 づ い て 提 案 して い る. た だ し,実 際 の構 造 物 の 底 面 は必 ず しも平 坦 で は な い 場 合 も多 く,そ う した 詳 細 な形 状 に 対 応 した研 究 は あ ま 図‑1. り行 わ れ て い な い.本 研 究 は,臨 港 道 路 の 桟 橋 部 に 作 用 す る 揚 圧 力 につ い て,桟 橋 部 の平 面 的 曲 線 お よ び 底 面 の. 桟 橋模 型 の レイア ウ ト. 本 論 文 中 に お け る物 理 量 は,原 則 と して 現 地 換 算 値 で. 複 雑 な 形 状 を再 現 した 模 型 を用 い て,大 縮 尺 の三 次 元 水. 示 す もの とす る.水 深 は,桟 橋 の 陸 側 取 付 部 でCDL‑2.3. 理 模 型 実 験 を行 い,桟 橋 に作 用 す る揚 圧 力 の特 性 と そ れ. mで あ り,沖. に 及 ぼ す 空 気 塊 の 影 響 につ い て 明 らか にす る と と も に,. る.実 験 は 規 則 波 を用 い,潮 位 を3種 類,周. こ う した揚 圧 力 の 算 定 法 を提 案 す る こ と を 目 的 と した も. 波 高 に つ い て は周 期 ご と に3段 階 変 化 さ せ た.た. の で あ る.. 縦 断 方 向 の 揚 圧 力 に つ い て は,波 高 は各 周 期 で のHmax相. に 向 か っ て 約1/200の 海 底 勾 配 と な っ て い. 当 の1ケ ー ス の み と して い る.表‑1は,実 浪 条 件 一 覧 で あ る.こ 1正 会 員 2PhDロ. 博(工)港 湾 空 港 技 術 研 究 所 ー マ大 学. 海 洋 ・水 工 部. 3フ ェ ロー. 工博. 研究主監. 港湾空港技術研究所. 期 を4種 類, だ し,. 験 に お け る波. こ に示 して い る波 高 は,桟 橋 模 型. の 中 央 付 近(取 付 部 か ら約50mの. 位 置)に お け る波 高 を 基. 準 と し,造 波 可 能 な 最 大 波 高(砕 波 限 界 波 高)をHmaxと 定.

(2) 862. 海. 岸. 工. 学. 論. 文. 集. 第55巻(2008). 義 して い る.Hmaxの 値 は 潮 位 お よ び周 期 に よ って 異 な り, 1.53〜2.38m程 度 で あ る.実 験 にお け る有 効 波 数 は5波 と し,同 じ波 高 を2回 繰 り返 し行 い,2回 を 用 い て 整 理 した.な. の デ ー タ の平 均 値. お,本 論 文 で は,単. 合 は こ こ に 示 し た波 高 を 表 し,Hsと. にHと した 場. 記 述 した 場 合 に は. 揚 圧 力 の各 測 点 にお け る 波 高 を 表 す もの とす る. 表‑1. 波 浪条件 一覧. 図‑2. 波圧 計取 付位 置 の分 布. な お,床 版 部 と梁 部 とで 高 さ が異 な るだ け で な く,桟 橋 全 体 が 護 岸 と の取 付 部 か ら沖 側 に 向 か っ て徐 々 に 高 く な っ て い る.そ の た め,静 水 面 か ら桟 橋 底 面 ま で の ク リ ア ラ ンスc1は 場 所 に よ って 大 き く異 な る.図‑3は,静. 水. 面 か ら揚 圧 力 測 定 点 ま で の 距 離 の分 布 を 示 した もの で あ る.梁 部 に つ いて は,取 付 部 に近 い位 置 で は桟 橋 底 面 が 水 面 下 とな る場 所 も あ る.. (2) 実 験 模 型 と計 測 内 容 桟 橋 は,4×11本. の杭(直 径1.5m)で 支 持 さ れ た梁 部 材. の上 に床 版 が 載 っ て い る構 造 で あ り,底 面 か ら見 る と, 梁 の部 分 と梁 部 材 に 囲 ま れ た床 版 部 分 とが あ る.写 真‑1 の左 側 は,桟 橋 模 型 底 部 の 状 況 を示 して い る.床 版 部 は 梁 部 に比 べ て 水 面 か らの 位 置 が 高 く,波 作 用 時 に 空 気 が 閉 じこ め られ る形 状 とな って い る.図‑2は,桟. 橋模 型底. 面 に お け る波 圧 計 の取 付 位 置 の分 布 を 示 した もの で あ る. ただ し,波 圧 計 の 個 数 の 制 約 か ら,実 験 で は桟 橋 縦 断 方. 図‑3. 静 水面 か ら揚圧 力測 定点 まで の距離 の分 布. 向 の 揚 圧 力 分 布 と横 断 方 向 の 揚 圧 力 分 布 に分 け て計 測 を 行 っ た.揚 圧 力 デ ー タ の サ ンプ リ ング は,作 用 時 間 の 短 い 衝 撃 的 な 波 力 も測 定 で き る よ う に1000Hzと た,図. した .ま. に は示 して い な い が,写 真‑1の 右 側 に あ る よ うに,. 3. 実 験 結 果 (1) 波 浪 変 形 と揚 圧 力 の 分 布. 梁 部 に 囲 ま れ た 床 版 部 分 の 中 央 の 一 部 に,幅1.5cm,長. a) 最 大 水 位 の 分 布. さ12cm(模 型 量)の 開 口部(空 気 抜 き)を 設 け て お り,開. 波 が 沖 か ら岸 に伝 播 す る際 に は,水 深 の変 化 お よ び構. 口部 の 有 無 に よ る揚 圧 力 の比 較 も行 っ た.さ. らに,こ の. 造 物 の 影 響 に よ って 波 高 が 変 化 す る.図‑4は,各. 測点 に. 開 口 部 お よ び桟 橋 の 側 面 に容 量 式 波 高 計 を 設 置 し,波 高. お け る最 大 水 位 ηmaxを波 高Hで 無 次 元 化 した 値 を,開. お よ び 波 面 上 昇 速 度 も計 測 して い る.. 部 あ り と開 口部 な しに 分 けて,す. 口. べ て の 実 験 ケ ー ス につ. い て平 均 した 結 果 の 分 布 を 示 し た もの で,No.30が. 陸側. 取 付 部 に最 も近 い点 で あ る.左 側 が 開 口部 あ り とな しを す べ て平 均 した デ ー タで あ り,中 央 が 開 口部 な しの み, 右 側 は 開 口部 あ り の み の デ ー タで あ る.最 大 水 位 は 陸 側 に近 づ くに した が っ て小 さ くな っ て い るが,取 付 部 の と こ ろで は や や 大 き くな って い る.こ れ は,陸 側 か らの 反 射 波 の影 響 に よ る重 複 波 的 な 水 位 の上 昇 と考 え られ る. ま た,開. 口部 あ りの ほ うが 開 口部 な しに 比 べ て 全 体 的 に. 最 大 水 位 が低 くな って お り,開 口部 の影 響 に よ っ て波 高 写 真‑1. 桟橋 模型 の底 面 およ び開 口部. の 減 衰 が 促 進 され た も の と考 え られ る..

(3) 臨港 道路桟 橋部 に作 用 す る揚 圧力 とそれ に及ぼ す空気 塊 の影響. 図‑4. 863. 無次 元最大 水位 の分 布. b) 揚 圧 力 の 分 布 揚 圧 力 につ い て は,1波. 中 の最 大 揚 圧 力(ピ ー ク値)Pmax. だ け で な く,ピ ー ク後 の や や 作 用 時 間 の 長 い準 静 的 揚 圧. 図‑7(a) 床版 部 にお け る最 大水位 と揚 圧力. 力(腰 掛 け部 の 値)Pqs+に つ い て も解 析 を 行 った.図‑5は, Pmaxお よ びPqs+と,後 述 す る最 大 揚 圧 力 の 立 ち上 が り時 間 trにつ い て,実 測 波 圧 の 例 で そ の 定 義 を 示 した も の で あ る.な お,図 か ら分 か る よ う に波 圧 波 形 に は細 か い 変 動 が あ る た め,実. 際 の 解 析 に お い て は,wavelet変. 換 を用. い て値 を 算 定 して い る. 図‑6は,Pmaxお. よ びPqs+を水 の 密 度,重. 力 加 速 度gお よ. び測 定 位 置 に お け る波 高Hsと で 無 次 元 化 した 値Pmax*およ びPqs+*につ い て,図‑4と. 同様 にす べ て の実 験 ケ ー ス につ. い て 平 均 した 結 果 の分 布 を示 し た もの で あ る.No.10付 近 とNo.30付 近 に お い て,無 次 元 揚 圧 力 が や や 大 き くな っ て い る が,こ. れ は,No.10付. 近 が 通 過 波 に よ る揚 圧 力 の. ピー ク,取 付 部 に近 いNo.30付 近 が 重 複 波 の 作 用 に よ る. 図‑7(b) 梁 部(縦 断方 向)に おけ る最 大水 位 と揚圧 力. 揚 圧 力 の ピー ク と考 え られ る.. 図‑5. Pmax,Pqs+,trの. 定. 義. 図‑7(c) 梁部(横 断 方向)に お け る最 大水位 と揚 圧 力 (2) 準 静 的 揚 圧 力 の 特 性 Cuomoら(2007)に. よ れ ば,無 次 元 化 した 準 静 的 揚 圧 力. Pqs+は,無次 元 化 した局 所 的 な静 水 圧 水 頭 η*(=(ηmax‑cl)/d) の 関 数 で 表 す こ と が で き る.こ 水 深 で あ る.図‑7は,床. こ に,dは. 当該地点 で の. 版 部 お よ び 梁 部 に作 用 す る揚 圧. 力 に つ い て これ らの 関 係 を 表 した もの で,実 験 結 果 の 回 帰 式(実 線)と,Cuomoら(2007)の て い る.今 回 の 実 験 結 果 で は,開. 算 定 式 も合 わ せ て 示 し 口部 の 有 無 でPqs+の値. に ほ とん ど差 が な か っ た た め,測 点 ご と に開 口部 あ り と な し両 方 の す べ て の ケ ー ス の値 を平 均 して プ ロ ッ ト した. 図‑6. 無次 元揚 圧力 の分 布. な お,床 版 部 分 は梁 部 材 に囲 ま れ た 空 間 と な って い る た.

(4) 864. 海. 岸. 工. 学. 論. 文. 集. 第55巻(2008). め,横 軸 が0よ り小 さ い と き(波 面 が 床 版 に届 か な い状 態). か る よ うに,相 対 的 に揚 圧 力 の 小 さ い範 囲 で ば らつ きが. で も,水 面 が 梁 部 材 ま で 到 達 す る と空 気 が 閉 じ こめ られ て 揚 圧 力 が 作 用 す る.一 方,梁 部 の場 合 は,波 面 が部 材. 見 られ る もの の,比 較 的 実 験 結 果 を よ く再 現 して い る. 一方 ,梁 部 に つ い て は,縦 断 方 向 の 場 合 に は3次 関 数 で. に届 か な い 状 態 で は揚 圧 力 は作 用 しな い.. 表 す こ と に よ って か な り相 関 係 数 が 高 くな って い る が,. 床 版 部 の場 合,揚 分 に わ け ら れ る.す. 圧 力 と静 水 圧 水 頭 の 関 係 は3つ の 部. 横 断 方 向 の場 合 に は デ ー タの ば らっ き が大 き く,相 関係. な わ ち,η*<0の. 数 は低 くな って い る.. 範 囲 で はPqs+*は0. か ら0.4程度 ま で 急 激 に増 加 して い る.0<η*<0.4の. 範. 囲 で はPqs+*は0.4〜0.5程 度 で ほ ぼ一 定 と な っ て い る.0.4 <η*<0.65の. 範 囲 で はPqs+*は再 び0.7程 度 ま で 増 加 して. い る.ま た,梁 部 につ い て も,比 較 的 似 た よ うな 関係 が あ り,図. 中 の 回 帰 式 は3次 関 数 と して 以 下 の よ う に表 す. こ とが で き る.. (1) こ こ に,a〜dの. 係 数 お よ び 相 関 係 数 は,表‑2に. 示すと. お りで あ る.ど の 部 材 も相 関 係 数 は か な り高 く,回 帰 式 は実 験 結 果 を よ く再 現 して い る. な お,図 に は示 して い な いが,開 口部 あ り とな しの デ ー タを 別 々 に平 均 し た場 合,全. 体 的 に見 る と開 口部 あ りの. ほ うがPqs+*の値 が や や 小 さ く な る傾 向 に あ る.た だ し, 図‑8. 開 口 部 あ りの場 合 に は床 版 部 分 で の最 大 水 位 も上 昇 す る. 最 大揚 圧力 と準 静的揚 圧力 の関係. た め,必 ず し も揚 圧 力 の絶 対 値 が 減 少 す るわ けで は な く, 逆 に 波 面 が 直接 作 用 す る こ と に よ って 揚 圧 力 が 大 き くな. 表‑3. る場 合 も あ る.. 表‑2. 最大 揚圧 力算 定 にお ける係数. 準静 的 揚圧 力算定 にお ける係数. b) 最 大 揚 圧 力 と 作 用 時 間 の 関 係 一般 に ,衝 撃 的 な最 大 揚 圧 力 の 値 が 大 き くな る ほ ど, そ の作 用 時 間 は短 くな る.こ. こで は,最 大 揚 圧 力 と そ の. (3) 最 大 揚 圧 力 の 特 性. 立 ち 上 が り時 間trの関 係 に つ い て 検 討 す る.立. a) 最 大 揚 圧 力 と準 静 的 揚 圧 力 の 関 係. 時 間 は,図‑5に. 図‑8は,床. 版 部 に 作 用 す る揚 圧 力 につ い て,無 次 元 化. ら最 大 値 に な る ま で(桟 橋 底 面 が 静 水 面 下 に あ り揚 圧 力. した 最 大 揚 圧 力Pmax*と準 静 的 揚 圧 力Pqs+*の関 係 を 示 した. が 負 の 値 も取 る場 合 に は0に な って か ら最 大 値 に な る ま. もの で あ る.実 験 結 果 は,図‑7と. で)で 定 義 し,最 大 揚 圧 力 と立 ち 上 が り時 間 と の 間 に以. 同 様 に測 点 ご と にす べ. て の 実 験 ケ ー ス の 値 を 平 均 して プ ロ ッ ト して い る. Cuomoら(2007)に. 下 の関 係 式 を 仮 定 す る.. よ れ ば,Pmax*とPqs+*の は ほ ぼ 比 例 関 係. (3). に あ り,Pmax*は 最 大 でPqs+*の2.5〜3倍程 度 に な る と され て い る(図 中 の太 実 線)が,今 に示 す よ う に,よ. 回 の 実 験 結 果 を も と に,以 下. り一 般 的 な 関 係 式 を 求 め た.. (2) こ こ に,a'〜d'の. ち上 が り. 示 した よ う に,揚 圧 力 が 増 加 し始 め て か. 係 数 お よ び 相 関 係 数 は,表‑3に. 示. 今 回 の 実 験 結 果 を も と に,す べ て の デ ー タ の包 絡 線 を 表 す よ うに αお よ び βの 値 を求 め る.図‑9は,左. か ら順. に床 版 部,梁. 段 が開. 部(縦 断 方 向),梁. 部(横 断 方 向),上. 口部 な し,下 段 が 開 口部 あ り の実 験 結 果 を表 して い る. な お,図. 中 の 揚 圧 力 お よ び 立 ち上 が り時 間 の値 は模 型 量. す と お りで あ る.な お,紙 面 の都 合 で 図 は示 せ な い が,. で あ る.図 中 の 包 絡 線 を 表 す α お よ び βの 値 は,表‑4に. 表 中 に は縦 断 方 向 お よ び横 断 方 向 の 梁 部 の結 果 に つ いて. 示 す と お りで あ る.. も合 わ せ て 示 して い る.床 版 部 に つ い て は,図‑8か. らわ.

(5) 865. 臨港道 路桟 橋部 に作 用す る揚圧 力 とそ れ に及 ぼす 空気 塊 の影 響. 図‑9. 最大 揚圧 力 と立 ち上 が り時 間の 関係. す で に述 べ た よ う に,開 口部 の 有 無 に よ る揚 圧 力 の特. 実 際 の設 計 にお い て は,た. と え ば流 れ 関 数 法 な どを 用. 性 は,部 材 や ク リア ラ ンス に よ って 異 な る.床 版 部 につ. いて 任 意 の 地 点 に お け る波 高 と最 大 水 位 を 計 算 し,こ れ. い て は,開 口部 が な い 場 合,空 気 塊 の ク ッ シ ョ ン効 果 に. らの値 と ク リア ラ ンス か ら,最 大 揚 圧 力 を 求 め る こ とが. よ っ て,立. で き る.た だ し,床 版 に 開 口部 を設 け る こ と に よ る揚 圧. ち上 が り時 間 の や や 長 い 場 合(0.03s程 度)に. 比 較 的 大 き な揚 圧 力 が 作 用 して い る.一 方,開. 口部 が あ. る場 合,波 面 が 直 接 ぶ つ か る こ と に よ り,立 ち 上 が り時 間 の 短 い場 合(0.02s以 下)に 大 き な揚 圧 力 が 作 用 して い る.ま た,梁 部 に つ いて は,開 口 部 が な い場 合 の ほ うが,. 力 の変 化 に つ いて は,動 的 応 答 効 果 も含 め た さ らな る検 討 が 必 要 で あ る. な お,本 研 究 に お け る水 理 模 型 実 験 は,広 島港 湾 空 港 技 術 調 査事 務 所 お よ び 横 浜 港 湾 空 港 技 術 調 査 事 務 所 に よ. 立 ち上 が り時 間 の 短 い場 合(0.01s以 下)に 大 き な揚 圧 力. り実 施 され た も の で あ り,関 係 各 位 の ご協 力 に よ り貴 重. が 作 用 して い る こ とが 多 い.. な デ ー タを ご提 供 い た だ い た.ま た,実 験 デ ー タの 整 理 に 当 た って は,(株)エ. 表‑4. 最 大揚 圧力 と作 用時 間 の関係 にお け る係 数. コ ー の宮 里 一 郎 氏 ほ か の ご協 力 を. 得 て い る.こ こ に記 して 深 甚 な る感 謝 の意 を表 す る次 第 で あ る.. 参. 4.. ま と め. 本 研 究 に よ り,臨 港 道 路 桟 橋 部 の よ う に陸 か ら海 へ 延 び る構 造 物 に作 用 す る揚 圧 力 に つ い て,実 験 結 果 に 基 づ い て最 大 揚 圧 力 お よ び 準 静 的 揚 圧 力 を 算 定 す る手 法 が 提 案 さ れ た.こ. う した構 造 物 に作 用 す る揚 圧 力 は,形 状 や. ク リア ラ ン ス に よ って 大 き く変 化 す るが,今. 回の算定式. は波 高 の ほか に最 大 水 位 と ク リア ラ ン ス をパ ラ メ ー タ と して取 り入 れ て お り,こ れ ま で広 く用 い られ て い た 入 射 波 高 の み を パ ラメ ー タ とす る簡 単 な 算 定 式 に比 べ て 揚 圧 力 を よ り精 度 よ く推 定 で き る もの と考 え られ る.. 考. 文. 献. 伊 藤 喜行 ・竹 田英 章(1967): 桟 橋 に作 用 す る波 の揚 圧 力, 港 研報 告, 6巻, 4号, pp.37‑68. 合 田良実(1967): 構 造 物 に働 く波 力, 1967年 度 水 工 学 に関 す る夏 期研 修 会講義 集 海 岸 ・港 湾 コース, 土木 学会 水 理 委員 会, pp.B‑16‑1‑B‑16‑25. 椹 木 亨 ・後 野正 雄(1988): 桟 橋 床 版 に作 用 す る揚 圧力 の 水 理模 型 実験 にお け る相似 則 に 関す る一 考察, 海 岸工 学 論 文集, 第35巻, pp.677‑681. 谷 本 勝 利 ・高 橋重 雄 ・和 泉 田芳 和(1978): 桟橋 に作 用 す る 波の揚 圧力, 港 研報 告, 17巻, 2号, pp.3‑47. 永 井 荘七 郎 ・久保 直 ・時川 和 夫(1966): 桟橋 に働 く揚圧 力 に関す る研 究(そ の1), 第13回 海 講講 演集, pp.112‑119. 堀 川 清 司 ・中尾忠 彦 ・矢 島 昭弘(1967): 桟 橋 に働 く揚 圧力 に関 す る実 験 的研究, 第14回 海講 講演集, pp.148‑153. 室 田 明 ・古 土 井光 昭(1966): 桟 橋床 版 に作用 す る揚 圧力 につ い ての実 験 的研 究, 第13回 海 講 講演集, pp.120‑125. Cuomo G., Tirindelli M. and Allsop N.W.H. (2007): Wave-indeck loads on exposed jetties, Coastal Engineering, doi: 10.1016/j. coastaleng. 2007.01.010..

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