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第18回聖路加看護学会学術大会:シンポジウム 「生ききる」を支える -さまざまな看護実践の場からの提言-

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Academic year: 2021

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(1)【第18回聖路加看護学会学術大会:シンポジウム】. 「生ききる」を支える ―さまざまな看護実践の場からの提言― 座長:井上 智子1),吉田 千文2) 本シンポジウムは,人びとが最期のそのときまで,自. たる看護実践を紹介した.そのなかで,身体機能の低下. 分の人生を「生ききる」ことを支えることは,看護が社. が進行する状況下で「生ききる」を支えるには,療養者. 会に対して果たす責務であるという本学術集会の強い. が人間として存在し,家族が共に生活できる療養環境を. メッセージのもとで企画された. 「生ききる」とは,そし. 創出することの重要性を述べた.また,療養者の「手」. て「生ききる」を支えるとはどういうことなのか,クリ. となって身体の果たす機能を支えるケアの大切さを語っ. ティカルケア看護,在宅看護,そしてがん看護の,異な. た.. る看護領域において専門家として実践・研究を積み重ね. 会場を交えた討論での意見の概要は以下のようにまと. ておられる3人のシンポジストの提言をもとに,参加者. められた.「生ききる」とは,必ずしも生を完了するとい. がいっしょになって討論を深めた.. うことではなく,さまざまな場で「生ききる」というこ. 北村氏は,クリティカルケアでの「生ききる」を支え. とがあると気づき,より概念が広がった.いまそのとき. るについて,生死の分岐点にいる患者に対する生還に向. をその人らしく「生きる」という連続,それを時間軸で. けたケア,つまり身体が力を出せるように働きかけるケ. とらえたときに,「生ききる」といえるのではないか.. アの重要性を強調した.そして,不確実で侵襲的な治療. 「生ききる」を,「ある限りを出して生きる」ととらえる. に伴う心理的・実存的苦悩に対するヒューマンケアリン. と,意志,強さを感じる.「生ききる」を支えるとは,ケ. グが,患者と家族の双方に必須と述べた.. アの相手の全体性をとらえて,命を紡いでいくプロセス. 山内氏は,まず, 「生ききる」の概念について言語学的. に, 「ケア」としてかかわり続けること.とくに,心理社. 検討をもとに「ある限りを出して生きる」と提示した.. 会的なかかわりとともに,身体に直接働きかけるケアと. そして,声を喪失した頭頸部がん患者の研究をもとに,. 希望を支えるケアは「生ききる」ことを支えるために重. 「生ききる」 とは患者が本来有する関係性についての欲求. 要ではないか,ということである.. を基盤に,粘り強く努力する一連の過程と時間軸の視点. シンポジウムは,参加者の多くを深い思索に導き,多. を示した.そして「生ききる」を支えるとは,患者が欲. 様な状況にあって生きる人びとへの畏敬の念と,その命. 求をエネルギーに転換する好機を見極めて,より力を発. にかかわる看護の価値への認識を新たにするものになっ. 揮できるようにすることと述べた.. たと考える.. 長沢氏は,難病の自宅療養者とその家族への長期にわ. 1)東京医科歯科大学大学院,2)聖路加看護大学. − 20 −.

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