<論説>建設管理計画の瑕疵と補完手続
52
0
0
全文
(2) 近畿大学法学. setzung)を. 第58巻 第2・3号. 含 む もので あ り(建 設 法 典8条1項),原. 画 か ら展 開 され る(同 条2項1文)。. 則 と して 土 地 利 用 計. 建 設 管 理 計 画 の有 効 性 は,建 築 許 可 の. 取 消 訴 訟 等 に お け る前 提 問 題 と して 裁 判 所 に よ り審 理 され う る(付 随 統 制 (lnzidentkontrolle))(2)。建 設 法 典 の規 定 に よ り発 布 さ れ た条 例 は,上 級 行 政 裁 判 所 に よ る規 範 統 制(Normenkontrolle)の. 対 象 で もあ る(行 政 裁 判. 所 法47条1項1号)(3)。 建 設 法 典214条1項1文. は,建 設 法 典 の手 続 ・形 式 規 定 の違 反 の うち,土. 地 利 用 計 画 お よ び条 例 の 法 的 有 効 性 に と って 顧 慮 され る もの を 列 挙 して お り,衡 量 素 材 の 調 査 ・評 価 に 関 す る環 疵(1号),参 違 反(2号),理. 加 に つ いて の規 定 の. 由書 に つ い て の規 定 の違 反(3号),議. 関 す る報 疵(4号)を. 挙 げ て い る④。 同条2項. 決 ・認 可 ・公 示 に. は,地 区 詳 細 計 画 と土 地 利. 用 計 画 の 関 係 につ いて の 規 定 の 違 反 の う ち,建 設 管 理 計 画 の 法 的 有 効 性 に と って 顧 慮 され な い もの を 列 挙 して い る。 ま た 同条3項2文. 後 段 は,衡 量. 過 程 に お け る王 段疵 は,そ れ らが 明 確 で あ りか つ 衡 量 結 果 に影 響 を 及 ぼ した 場 合 に限 り有 意 で あ る と規 定 して い る(5)。 建 設 法 典215条1項1文 法 典214条1項1文1号. は,建 設. ∼3号 に よ り顧 慮 され る手 続 。 形 式 規 定 の違 反 や,. 衡 量 過 程 に お け る有 意 な 王 段疵 で あ って も,そ れ らが 土 地 利 用 計 画 ま た は条. (2)Vgl.FrankStollmann,OffentlichesBaurecht,5.AufL,2008,§9 Rn.4,6. (3)土. 地 利 用 計 画 は,従. 来 の 判 例 に お い て は,規. 範統 制 の 対 象 に な らな い もの と. さ れ て い た。Vgl.BVerwG,Beschl.v.20.7.1990,NVwZ1991,262(262). し か し 連 邦 行 政 裁 判 所2007年4月26日. 判 決 は,土. 地 利用 計画 に お け る風 力 発 電. 施 設 の 集 中 設 置 用 地 の 表 示 が 規 範 統 制 の 対 象 に な る こ と を 認 め た 。Vgl. BVerwG,Urt.v.26.4.2007,BVerwGE128,382(385). (4)建. 設 法 典214条1項(1文1号. を 除 く)に. 続 ・形 式 の 報 疵 」 近 法57巻4号(2010)105頁 (5)建. 設 法 典214条1項1文1号. (2009)124頁. 稿. 「建 設 管 理 計 画 と 手. 以下参照。. お よ び3項2文. 計 画 の 衡 量 統 制 に 関 す る一 考 察. つ い て は,拙. 後 段 に つ い て は,拙. 稿 「建 設 管 理. 衡 量 過 程 の 統 制 を 中 心 に 」 近 法57巻1号. 以下参照。. 374.
(3) 建設管理計画の理疵 と補完手続 例 の 公 示 か ら1年 は,顧. 以 内 に書 面 で 市 町村 に対 して 主 張 され な か っ た場 合 に. 慮 さ れ な くな る 旨 定 め て い る(6)。か つ て は ドイ ツ に お い て も,報. あ る 規 範 は 無 効 で あ る と 考 え ら れ て い た が(こ (Nichtigkeitsdogma)」. 疵. れ を 「無 効 の ド グ マ. と い う こ と が あ る)(7),少 な く と も こ れ ら の 規 定 が. 適 用 さ れ る 限 り に お い て,無 さ ら に 建 設 法 典214条4項. 効 の ドグ マ は 妥 当 しな い 。 は,「 土 地 利 用 計 画 又 は 条 例 は,暇. 疵の除去の. た めの 補 完 手 続 に よ って 遡 及 的 に発 効 させ る こ と もで き る」 と規 定 す る。 す な わ ち,土. 地 利 用 計 画 ま た は 条 例 の 有 す る 暇 疵 が 建 設 法 典214条1項. 3項 お よ び215条1項. に よ り顧 慮 さ れ る も の で あ っ た と し て も,当. を 補 完 手 続 に よ っ て(場 て い る 。 本 稿 は,こ. 合 に よ っ て は 遡 及 的 に)除. ∼. 該暇 疵. 去 す る こ とが 認 め られ. の よ う な 規 定 が い か な る 経 緯 で 設 け ら れ た の か,ま. た. そ れ が ど の よ う な 意 義 を 有 して い る の か を 明 らか に す る こ と を 目 的 と す る も の で あ る(8)。こ れ ら の 点 を 明 ら か に す る こ と は,日. 本 に お け る都 市 計 画. に 対 す る争 訟 の あ り方 を 検 討 す る に 当 た っ て も 有 益 で あ る と考 え られ る(9>。. (6)建. 設 法 典215条1項. に つ い て は,拙. 稿 ・前 掲 注 ④109頁. 以下参照。. (7)Vgl.FritzOssenbuhl,EineFehlerlehrefuruntergesetzlicheNormen,NJW1986,2805(2806-2807).東 2260頁(横 ち,基. 京 高 判 平 成21・1・29民. 浜 市 保 育 所 条 例 事 件 控 訴 審)は,「. 本 来,一. 本 的 事 項 を 定 め る 条 例 制 定 に つ い て は,そ. 般 的,抽. 集63巻9号 象的な内容を持. れ が違 法 で あ れ ば 当 該 条 例 は. 当 然 に無 効 と され るべ き」 と述 べ て い る。 この判 示 は. 「無 効 の ド グ マ 」 と 親 和. 的 で あ る。 (8)本. 稿 に 関 連 す る 先 行 研 究 と し て,竹. 維持手続. 之 内一 幸. 「ドイ ツ 建 設 法 典 に お け る 計 画. 補 完 手 続 を め ぐる 問題 点 を 中心 に」 武 蔵 野 大学 現 代 社 会 学 部 紀 要. 5号(2004)109頁. 以 下,高. 橋寿一. 「『計 画 保 全 規 定 」 の 意 義 と 機 能(1)(2・. ド イ ツ 建 設 法 典 の 都 市 計 画 策 定 手 続 と 司 法 審 査 」 横 国14巻2号1頁 3号31頁 2008)57頁 (9)大. 以 下(2005∼2006),大. 橋洋一. 『都 市 空 間 制 御 の 法 理 論 」(有. 完) 以 下, 斐 閣,. 以 下 等 が あ る。. 橋 ・前 掲 注(8)94頁. は,裁. 判 所 の判 決 に よ って計 画 が遡 及 的 に 消 滅 す る とす. れ ば,「 そ の 計 画 を 進 め て き た 行 政 担 当 者 に と っ て,非. 常 に ドラ ス チ ックな イ ン. パ ク トを 与 え る 」 こ と に な り,「 こ の よ う な 計 画 消 滅 に 伴 う ア フ タ ー ケ ア と い う/. 375.
(4) 近畿大学法学. 第58巻 第2・3号. 建 設 法 典214条4項. は2004年 の 改 正 で設 け られ た規 定 で あ る が,建 設 法. 典 に補 完 手 続 が 導 入 され たの は,1997年. の 改 正 に よ る もの で あ る。 ま た王 段. 疵 の 除 去 につ いて の 規 定 は,建 設 法 典 制 定 以 前 に お いて,そ の 前 身 で あ る 連 邦 建 設 法 に既 に設 け られ て い た。 そ こで 以 下 で は まず,1997年 典 改 正 以 前 の 状 況 を 概 観 した上 で(本 稿1),同 手 続 に関 す る規 定(建 設 法 典215a条)の 現 行 の 建 設 法 典214条4項 設 法 典(お. の建設法. 年 の 改 正 で 追 加 され た補 完. 検討 に 移 る(本 稿2)。 最 後 に,. を め ぐる 問題 を取 り上 げ る(本 稿3)。. な お,建. よ び連 邦 建 設 法)の 環 疵 の 除 去 につ いて の 規 定 は土 地 利 用 計 画. と条 例 に適 用 され る もの で あ るが,本 稿 は地 区 詳 細 計 画 以 外 の 条 例 の 環 疵 の 除 去 につ いて は検 討 しな い。 その 理 由 は,建 設 法 典 の 規 定 に よ る条 例 は 多 様 で あ り,そ の す べ て を 取 り上 げ る こ とが 困 難 で あ る た め,ま た他 の 条 例 に比 べ て 地 区 詳 細 計 画 の 有 効 性 が 争 わ れ る事 件 が 突 出 して 多 い た めで あ る。. 11997年. 建 設法 典 改正以 前. (1)連 邦 建 設 法155a条5項(1979年 (a)1979年. 改 正 後 の もの). の連邦建設法改正. 1979年 の 「都 市 建 設 法 に お け る手 続 の 迅 速 化 及 び投 資 事 業 案 の 容 易 化 に 関 す る法 律 」 に よ る連 邦 建 設 法 の 改 正 で,同 法 に初 めて 環 疵 の 除 去 につ い て の 規 定(155a条5項)が. 設 け られ た。1979年 改 正 後 の 同法155a条. の見. 出 しは 「土 地 利 用 計 画 及 び条 例 の 策 定 に 当 た って の 手 続 又 は形 式 規 定 の 違 反 」 と され,同 条1項. は,土 地 利 用 計 画 ま た は 同法 に よ る条 例 の 策 定 に 当. \ 問 題 」 が 出て くる と指 摘 して い る。 こ の点 に 関 して は,財 団 法 人 都 市 計 画 協 会 =都 市 計 画 争 訟 研 究 会 「都 市 計 画 争 訟 研 究報 告 書」 新 都 市60巻9号(2006)96 頁 以 下 も参 照 。. 376.
(5) 建設管理計画の理疵 と補完手続 た って の 同法 の 手 続 ・形 式 規 定 の 違 反 は,そ れ が 土 地 利 用 計 画 また は条 例 の 公 示 か ら1年 以 内 に書 面 で 市 町 村 に対 して 主 張 され な か った 場 合 に は顧 慮 され な い こ とを 定 め た。 同条2項. は,土 地 利 用 計 画 また は地 区 詳 細 計 画. の 法 的有 効 性 は,建 設 管 理 計 画 へ の 市 民 参 加 に 関 して は,同 法2a条6項 (縦 覧)お. よ び7項(制. 限 され た参 加)に. よ る手 続 が遵 守 され た か否 か の. み に よ って 決 定 され る と定 め た。 同 法155a条3項. は,同 条1項. は土 地 利. 用 計 画 ま た は条 例 の 認 可 お よ び公 示 につ いて の 規 定 の 違 反 に は妥 当 しな い こ とを 定 め,同 条4項. は,土 地 利 用 計 画 ま た は条 例 の 認 可 の 公 示 に当 た っ. て は手 続 ・形 式 規 定 の 違 反 の 主 張 の た めの 要 件 お よ び法 効 果 が 指 示 され な けれ ばな らな い こ とを 定 め た。 最 後 に 同条5項. は,「市 町 村 が,土 地 利 用 計. 画 若 し くは条 例 の 認 可 及 び公 示 につ いて の 規 定 の 違 反 か ら生 ず る暇 疵,又 は この 法 律 若 し くは州 法 に よ る その 他 の 手 続 若 し くは形 式 の 暇 疵 を 除 去 す る場 合 に は,市 町 村 は土 地 利 用 計 画 又 は条 例 を 遡 及 効 を も って 再 び発 効 さ せ る こ とが で き る」 と規 定 した。 政 府 草 案 で は,暇 疵 の 除去 につ い て は,連 邦 建設 法155a条8項. と して,. 「市 町 村 が こ の法 律 又 は州 法 に よ る手 続 又 は形 式 の 報 疵 を 除 去 す る場 合, 市 町 村 は土 地 利 用 計 画 又 は条 例 を 遡 及 効 を も って 再 び発 効 させ る こ とが で き る。 この こ と は,土 地 利 用 計 画 及 び条 例 が 従 前 の 内容 で は再 び議 決 され 得 な いで あ ろ う と き に は,妥 当 しな い」 と い う規 定 を 置 くこ とが 予 定 され て い た。 この 規 定 の 趣 旨 につ い て 連 邦 政 府 は 次 の よ う に説 明 して い た 。 「この規 律 は,市 町 村 を,発 生 した報 疵 に直 面 して何 を行 い得 るか,例 え ば 条 例 の 新 発 布 が 合 目的 的 又 は必 要 で あ るか 否 か を 審 査 す る状 況 に置 くと い う,〔 連 邦 建 設 法155a条 て い る。 それ ゆえ8項. 〕1項. に お いて 同時 に追 求 され る 目標 に結 びつ い. は,自 己の 措 置 に よ って 発 布 時 へ の 遡 及 効 を も って. 手 続 又 は形 式 規 定 の 違 反 の 治 癒 を 招 来 す る と い う,市 町 村 の 可 能 性 を 保 障 す る こ と にな る。 ただ しその よ うな 遡 及 的 な 『治 癒 』 は,土 地 利 用 計 画 又 377.
(6) 近畿大学法学. 第58巻 第2・3号. は条 例 の 発 布 の た めの 要 件 が,市 町 村 が これ らを 再 び発 効 させ よ う と意 図 す る時 点 に お いて な お存 在 して い る と き,す な わ ち従 前 の 内容 を 有 す る土 地 利 用 計 画 又 は条 例 も再 び議 決 され 得 るで あ ろ う と き にの み 問 題 とな る。 2文 は,こ の こ とを確 保 す る もの で あ る⑩」。 こ こで 言 及 され て い る連 邦 建 設 法155a条1項. は,同 法 の手 続 ・形 式 規 定 の違 反 の 主 張 期 間 を定 め る も. の で あ るが,王 段疵 の 主 張 につ いて の 規 律 と王 段疵 の 除 去 につ いて の 規 律 の 関 連 性 が 語 られ て い る点 は注 目 され る。 も っ と も王 段疵 の 除 去 につ いて の 規 律 は,私 人 に よ る王 段疵 の 主 張 を 要 件 とす る もの で はな く,州 法 に よ る手 続 ・ 形 式 の 環 疵 を も対 象 と して い る。 他 方 で,実 体 的 環 疵 は環 疵 の 主 張 お よ び 除 去 につ いて の 規 律 の 対 象 外 とな って い る。 立 法 過 程 に お いて,王 段疵 の 除 去 につ いて の 規 定 は,若 干 の 修 正 を 受 け る と と もに,連 邦 建 設 法155a条5項. と して配 置 され る こ と とな った 。 この. 規 定 の 趣 旨 につ き,国 土 整 備 ・土 木 建 築 ・都 市 建 設 委 員 会 の 報 告 書 は次 の よ う に説 明 して い る。 「5項 は 伴い. 単 な る編 集 上 の(redaktionell)変. 内容 上 は 政 府 草 案 の155a条8項1文. 更を. に合 致 して い る。 当委 員 会. は,土 地 利 用 計 画 又 は条 例 の 遡 及 的 な 再 度 の 発 効 は 当初 の 内容 を 維 持 す る 限 りで の み可 能 で あ る と い う政 府 草 案 の8項2文. に含 ま れ る規 律 を,こ の. こ とが既 に一 般 的 法原 則 に合致 して い る こ と に鑑 みて,不 要 で あ る と判 断 し た(ll)」 。 政 府 草 案 にお け る連 邦 建 設 法155a条8項2文. の 規 律 は 削 除 され た. が,そ の 内容 が 誤 りで あ る と判 断 され たわ けで はな い点 に は留 意 が 必 要 で あ る。. (b)学. 説 に よ る評 価. 連 邦 建 設 法155a条5項(1979年. 改 正 後 の も の 。 以 下 同 じ)は,学. (10)BT-Drucks.8/2451,S.32. (11)BT-Drucks.8/2885,S.45. 378. 説 に.
(7) 建設管理計画の理疵 と補完手続 お いて も基 本 的 に 支持 され た⑫。 ベ ッカ ー(Boecker)は,「. 法律 の規定の. 遡 及 効 は原 則 に お いて 今 日 も はや 争 わ れ て お らず,そ の 場 合,憲 法 上 の 観 点 か ら決 定 的 な 指 標 は,行 為 義 務 ま た は負 担 の 予 測 可 能 性 と い う指 標 」 で あ る と主 張 し,「憲 法 が 基 本 法19条2項. との 結 合 に お け る基 本 法2条1項. に お い て(③,市民 が 行 為 義 務 ま た は負 担 を 計 算 に入 れ る こ との で きた 時 点 の 前 に遡 及 効 の 期 日を 移 す こ との 禁 止 を 含 む とす れ ば,土 地 利 用 計 画 また は条 例 が無 効 の 場 合 に,無 効 な 『規 範 』 を1979年 連 邦 建 設 法155a条5項 を 適 用 した治 癒 に よ り当初 意 図 され た発 効 の 時 点 また はそ れ よ りも遅 い時 点 で 発 効 させ る 〔こ と に対 して 〕 疑 義 は ほ とん ど存 在 しな いで あ ろ う」 と 述 べ て い る⑭。 た だ しベ ッ カ ー は,公 示 ・認 可 に つ い て の 規 定 の 違 反 が あ っ た場 合 に お いて も遡 及 的 発 効 が 可 能 と され て い る こ と,暇 疵 の 治 癒 の 方 式 が 法 律 で 定 め られ て いな い こ と に関 して は疑 問 を 呈 して い る⑮。 フ ォ ン ・ム テ ィ ウ ス/ヒ ル(vonMutius/Hill)は,「. 法 治 国 原 理 か ら導. か れ る遡 及 効 を 有 す る規 範 の 発 布 の た めの 一般 的 な 要 件 が 顧 慮 され な けれ ば な らな い」 こ と,「 法 的 安 定 性 お よ び 市 民 の信 頼 保 護 」 が 法 治 国原 理 の 本 質 的 な 要 素 に含 ま れ る こ とを 指 摘 しつ つ,「 計 画 の 有 効 性 ま た は適 法 性 が 手 続 ま た は形 式 の 王 段疵 で 破 綻 す る(scheitern)場. 合 に つ い て は,遡 及 的. な 治 癒 も,そ の 間 に 市 町 村 の計 画 策 定 の 意 図(Planungsabsicht)が. 変更. (12)Vgl.auchWilhelmSofker,ZueinigenFragenderRechtswirksamkeitvonBebauungsplanenimZusammenhangmitden lungsklauseln"der§ ⑱. 基 本 法19条2項. は 「い か な る 場 合 に お い て も基 本 権 は そ の 本 質 内 容 に お い て. 害 さ れ て は な ら な い 」 と 規 定 し,基 利 を 侵 害 せ ず,憲. Hei-. §155abis155cBBauG,ZfBR1981,60(62).. 本 法2条1項. は. 「い か な る 者 も,他. 法 に 適 合 す る 秩 序 又 は 道 徳 律 に 違 反 し な い 限 り,自. 者の権 己の人格. の 自 由な 発 展 を 求 め る権 利 を 有 す る」 と規 定 す る。 (14)BernhardBoecker,HeilungmangelhafterBauleitplaneundSatzungen-GedankenzudenneuenVorschriftender§. §155abisc. desBundesbaugesetzes,BauR1979,361(365). q5>Boecker(Fn.14),S.365-366.. 379.
(8) 近畿大学法学. 第58巻 第2・3号. され な か っ たの で あれ ば,市 民 が 思 慮 分 別 に従 って(vernUnftigerweise) 計 算 に入 れ な け れ ば な らな い も の の 範 囲 内 に 存 す る」 と述 べ る(⑥ 。なお フ ォ ン ・ム テ ィ ウ ス/ヒ ル は,立 法 政 策 上 の 提 案 と して,遡 及 的 治 癒 の 手 続 的 要 件(市 町 村 議 会 の 議 決,土 地 所 有 者 の 意 見 表 明 の 機 会 等)お. よ び政. 府 草 案 で 予 定 され て い た実 体 的 要 件(衡 量 結 果 の 変 更 が な い こ と)を 明 記 す べ き こ とを 主 張 して い る⑰。. (c)連 邦 行 政 裁 判 所1986年12月5日. 判決. 連 邦 建 設 法155a条5項. の 適 用 が 問題 に な った 重 要 判 例 と して,連 邦 行. 政 裁 判 所1986年12月5日. 判 決q8)が挙 げ られ る。 本 件 原 告 は,地 区 詳 細 計 画. に よ り指 定 され た週 末 住 居 地 区(Wochenendhausgebiet)内. に存 す る土 地. を所 有 して い た。1971年 に原 告 は 当該 土 地 で 増 築 を 行 っ た と こ ろ,当 該 増 築 が 地 区 詳 細 計 画 で 指 定 され た建 築 可 能 地 の 外 側 に あ っ た た め,1976年2 月24日 に原 告 は 当該 増 築 の 除 却 命 令 を 受 け た。 そ こで 原 告 は除 却 命 令 の 取 消 訴 訟 を提 起 して,当 該 除 却 命 令 は無 効 の 地 区 詳 細 計 画 に基 づ くもの で あ るか ら違 法 で あ る と主 張 した。 原 告 は第1審. ・控 訴 審 と も に敗 訴 し,本 判. 決 も上 告 を斥 け た。 本 判 決 は,連 邦 建 設 法155a条5項. の 合 憲 性 につ き,「 連 邦 憲 法 裁 判 所. は,有 効 で な い規 範 の 『存 続 』 に対 す る市 民 の 信 頼 が 保 護 に値 しな い場 合 に は,有 効 で な い規 範 が 遡 及 的 に有 効 な 規 範 に置 き換 え られ て 良 い こ とを 承 認 して き た」こ と,「形 式 上 な お存 在 す る法 規 範 が 有 効 で な い こ と に対 す る信 頼 は通 常 は保 護 に値 せ ず,特. に規 範 の 内容 が 適 切 で あ る よ う に思 わ. (16)AlbertvonMutius/HermannHill,DieBehandlungfehlerhafterBebauungsplanedurchdieGemeinden‐ZurInterpretationandNovellierunginsbesonderedes§155aAbs.5BBauG,1983,S.32-33. ⑰Vgl.vonMutius/Hill(Fn.16),S.71-72. (18)BVerwG,Urt.v.5.12.1986,NJW1987,1346.. 380.
(9) 建設管理計画の理疵 と補完手続 れ,か つ そ れ に形 式 的 な 性 格 の 疑 義 の み が 対 立 す る場 合 に は 〔 そ うで あ る〕」 こ とを 指摘 した上 で,次 の よ うに述 べ る。 「この 点 か ら 出発 す れ ば, 連 邦 建 設 法155a条5項. は憲 法 上 憂 慮 す べ き(bedenklich)遡. 及 効 を もた. らさな い こ とが 明 らか にな る」。 「そ こ に存 す る遡 及 効 は,計 画 に関 わ る者 の 保 護 に値 す る信 頼 に対 す る許 容 され な い侵 害 を もた らす もの で はな く, む しろ それ は,立 法 者 の 意 思 に よれ ば,ま さ に これ らの 人 か ら(暇 疵 の あ る)計 画 に寄 せ られ た信 頼 を 保 護 す る こ とを 意 図 す る」。 本 件 地 区 詳 細 計 画 は1968年2月21日. に条 件(MaBgabe)付. きの 認 可 を 受. け た もの で あ り,当 該 認 可 は市 町村 連 合 の加 入 市 町村(Ortsgemeinde)E に お いて は 同年5月24日. に,加 入 市 町 村Hに. お いて は翌 年4月25日. に公 示. され たが,こ れ らの市 町村 の議 会 は 当該 条 件 に つ い て 同意 議 決(Beitrittsbeschluss)を 行 って い な か った。 これ に 関 して本 判 決 は 「市 町 村 に よ り議 決 され た 内容 を 有 す る地 区 詳 細 計 画 が 認 可 庁 に よ り認 可 され ず,条 件 付 き で 認 可 され た計 画 が 認 可 の 公 示 及 び計 画 の 縦 覧 の 前 に市 町 村 に よ りそ の よ う に議 決 さ れ な か った 場 合,そ. の よ うな 地 区詳 細 計 画 は 有 効 とな り得 な. い」と述 べ,「 当該 地 区 詳 細 計 画 は少 な くと も1968年 に お いて は. い まだ. 有 効 とな らな か った 」 こ とを 認 めて い る。 そ の 後1983年 に市 町 村Eお よ びHの 議 会 は 当該 条 件 に 同意 す る こ とを 議 決 して,当 該 条 件 に合 致 す る 内容 を有 す る地 区詳 細 計 画 を 承 認 した。 郡 庁(Kreisverwaltung)は. この. 条 例 の 議 決 を 認 可 し,当 該 認 可 は地 方 に お け る通 常 の 方 法 で 公 示 され た 。 以 上 の 事 実 関 係 を 前 提 に して 本 判 決 は,「加 入 市 町村H及. びEが,当. 該地区. 詳 細 計 画 … … を,当 初 意 図 され た発 効 の 時 点 へ の 遡 及 効 を も って 今 や 発 効 させ る こ とを 妨 げ たで あ ろ う理 由 は,こ こで は見 当 た らな い」 と述 べ,本 件 地 区 詳 細 計 画 が 市 町 村Eに て は1969年4月25日. お いて は1968年5月24日. に,市 町 村Hに お い. に遡 及 して 発 効 した こ とを 認 め た。. な お本 判 決 は,「地 区詳 細 計 画 の遡 及 的発 効 は,法 的 根 拠 な く発 付 され た 381.
(10) 近畿大学法学. 第58巻 第2・3号. 除 却 処 分 を も 『治 癒 す る』」 と判 示 し,「 建 築 主 が 建 築 許 可 な しで,そ れ ゆ え に形 式 的 に建 築 法 に違 反 して 建 物 を 建 て,か つ 当該 事 業 案 が 地 区 詳 細 計 画 の 指 定 と矛 盾 し,そ れ が 有 効 で な い こ と が認 識 不 可 能 で あ った 場 合 に は,こ の 地 区 詳 細 計 画 が 有 効 で な い こ と に対 す る関 係 者 の 信 頼 は保 護 に値 しな い」 と述 べ て い る⑲。. (2)建 設 法 典215条3項(1997年. 改 正 前 の も の). (a)建 設 法 典 の 制 定 1986年 に連 邦 建 設 法 と都 市 建 設 促 進 法 を 統 合 す る形 で 制 定 され た建 設 法 典 は,そ の3章2部4節 (214条 ∼216条)に,土. 「有 効 性 要 件(Wirksamkeitsvoraussetzungen)」 地 利 用 計 画 お よ び条 例 の 策 定 に 当 た って の 規 定 の 違. 反 に 関 す る定 め を置 い た。1986年 制 定 時 の 建 設 法 典214条1項1文. は,建. 設 法 典 の 手 続 ・形 式 規 定 の 違 反 の う ち,土 地 利 用 計 画 お よ び建 設 法 典 に よ る条 例 の 法 的 有 効 性 に と って 顧 慮 され る もの を 列 挙 し,参 加 につ いて の 規 定 の 違 反(1号),説. 明報 告 書 ・理 由書 に つ い て の規 定 の違 反(2号),議. 決 ・認 可 等 に関 す る環 疵(3号)を. 挙 げて い た。 同条2項. は,地 区 詳 細 計. 画 と土 地 利 用 計 画 の 関 係 につ いて の 規 定 の 違 反 の う ち,建 設 管 理 計 画 の 法 的 有 効 性 に と って 顧 慮 され な い もの を 列 挙 した。 同条3項. は,衡 量 に と っ. て は建 設 管 理 計 画 につ いて の 議 決 の 時 点 に お け る事 実 ・法 の 状 況 が 基 準 と な る こ と(1文),衡. 量 過 程 に お け る王 段疵 は,そ れ らが 明 白で あ りか つ 衡. 量 結 果 に影 響 を 及 ぼ した場 合 に限 り有 意 で あ る こ と(2文)を 1986年 制 定 時 の 建 設 法 典215条1項. ⑲. そ れ に 対 して,地. は,前 条1項1文1号. 規 定 した。 お よ び2号. に. 区詳 細 計 画 が効 力 を失 って い る間 に 建築 主 が 建 築 許 可 を 得. た 場 合 は ど う な る の か と い う 問 題 が あ る。Vgl.MichaelUechtritz,in: WillySpannowsky/MichaelUechtritz(Hrsg.),Baugesetzbuch,Kommentar,2009,§214Rn。149.. 382.
(11) 建設管理計画の理疵 と補完手続 掲 げ られ た手 続 ・形 式 規 定 の 違 反 は土 地 利 用 計 画 また は条 例 の 公 示 か ら1 年 以 内 に,衡 量 の 環 疵 は7年 以 内 に,書 面 で 市 町 村 に 対 して主 張 さ れ な か っ た場 合 に は顧 慮 され な い 旨規 定 した。1986年 制 定 時 の 建 設 法 典215条 2項 は,土 地 利 用 計 画 お よ び条 例 の 発 効 に 当 た って は,同 条1項. に定 め る. 手 続 ・形 式 規 定 の 違 反 お よ び衡 量 の 環 疵 の 主 張 の た めの 要 件 な ら び に法 効 果 が指 示 され な け れ ば な らな い こ とを 定 め た。 最 後 に 同 条3項 村 は第214条 第1項. は,「 市 町. に掲 げ られ た規 定 の 違 反 か ら生 ず る報 疵,又. は州 法 に. よ る その 他 の 手 続 若 し くは形 式 の 王 段疵 を 除 去 す る こ とが で き,そ の 場 合 市 町 村 は土 地 利 用 計 画 又 は条 例 を後 続 の 手 続 の再 実 施(Wiederholung)に よ って 発 効 させ る こ とが で き る。 土 地 利 用 計 画 及 び条 例 は遡 及 効 を も って 再 び発 効 させ る こ と もで き る」 と規 定 した。 連 邦 政 府 は,建 設 法 典 の 政 府 草 案 理 由書 に お いて,次 の よ う に述 べ て い た。 「〔 建 設 法 典215条 〕3項. は,従 前 の連 邦 建 設 法155a条5項. 規 律 に 合 致 して い る。 新 規 定(Neufassung)に な 治 癒 』 の 手 続 が 明確 に さ れ る(2文 3項1文. 後 段 〕)。他 方 で3文. に含 まれ る. よ って,一 方 で 『事 後 的. 〔=1986年 制 定 時 の 建 設 法 典215条. 〔=1986年 制 定 時 の 建 設 法 典215条3項2文. 〕. に よ って,土 地 利 用 計 画 又 は 条 例 は 「今 か ら(exnunc)』. 又 は 「そ の 時 か. ら(extunc)』. 新た に. 発 効 させ る こ とが で き る とい う こ とが. か に され る⑳」。1986年 制 定 時 の建 設 法 典215条3項. 明ら. は,連 邦 建設 法155a条. 5項 と 同様 に,手 続 ・形 式 の 王 段疵 の 除 去 の み を 予 定 して い る。 これ に関 し て 国土 整 備 ・土 木 建 築 ・都 市 建 設 委 員 会 の 報 告 書 は,「 形 式 及 び手 続 の 暇 疵 の 場 合:〔建 設 法 典 〕215条3項. に よ る これ らの 環 疵 の事 後 的 な 除 去,. 実 体 的 な,例 え ば衡 量 の 暇 疵 の 場 合:新 た な 地 区 詳 細 計 画 の 検 討,場 合 に よ って は その 策 定 」 と述 べ,環 疵 の 除 去 につ いて の 規 律 は実 体 的 暇 疵. ⑳BT-Drucks.10/4630,S.157.下. 線 部 分 は原 文 イ タ リ ック体 。. 383.
(12) 近畿大学法学. 第58巻 第2・3号. を 対 象 と しな い と い う 立 場 を 示 して い た ⑳。. (b)判 例 の 展 開 連 邦 行 政 裁 判 所1989年5月24日 tigung)の. 決定⑫ ⇒は,地 区詳 細 計 画 の認 証(Ausfer-. 欠 如 が 建 設 法 典215条3項(1997年. 改 正 前 の もの。 以 下 同 じ). に よ り除 去 しう る王 段疵 で あ る こ とを 明 らか に した。 本 件 は,1985年12月9 日 に議 決 さ れ た地 区 詳 細 計 画 に つ き,翌 年2月28日 が,1988年8月25日 月8日. に認 可 が 公 示 さ れ た. に初 めて 市 町 村 長 の 署 名 に よ る認 証 が な され,同 年9. に改 めて 認 可 が 公 示 され た と い う事 案 で あ る。 建 設 法 典 は地 区 詳 細. 計 画 の 認 証 につ いて は規 定 して いな いが,本 決 定 は 「権 限 を 有 す る市 町 村 の 機 関 に よ る地 区詳 細 計 画 の 認 証 の 欠 如 と い う暇 疵 も,建 設 法 典215条3 項 の 意 味 に お け る 『州 法 に よ る その 他 の 手 続 若 し くは形 式 の 環 疵 』 に含 ま れ,市 町 村 に よ って 除 去 され 得 るの で あ り,後 続 の 手 続 区 詳 細 計 画 の 認 可 の 公 示(建 設 法 典12条1項)の. 本 件 で は,地. 再 実 施 に よ って 当該. 地 区 詳 細 計 画 を 発 効 させ る こ とが で き る」 と判 示 した。 本 決 定 は,地 区 詳 細 計 画 が 認 証 を 要 す る こ と は法 治 国 原 理 か ら生 ず るが,こ の 原 理 は州 レベ ル で の 国 家 活 動(市 町 村 の 条 例 制 定 を 含 む)に つ いて は各 州 憲 法 に お いて 規 定 され て い る た め,地 区 詳 細 計 画 の 認 証 も州 法 に よ り判 断 され るべ き形 式 上 の 有 効 要 件 の 問 題 で あ る 旨述 べ て い る。 連 邦 行 政 裁 判 所1993年5月6日. 決 定 ㈱ にお いて は,地 区 詳 細 計 画 が 認 証. の 欠 如 を 理 由 に規 範 統 制 裁 判 所 に よ る無 効 宣 言 を 受 け た後 で,市 町 村 が 当 該 報 疵 を 除 去 して 当該 地 区 詳 細 計 画 を 再 び発 効 させ る こ とが で き るか ど う か が 問 題 とな っ た。 規 範 統 制 裁 判 所 に よ る法 規 定 の無 効 宣 言 につ い て,. (2DBT-Drucks.10/6166,S.135. (22)BVerwG,Beschl.v.24.5.1989,NVwZ1990,258. (23)BVerwG,Beschl.v.6.5.1993,BVerwGE92,266. 384.
(13) 建設管理計画の理疵 と補完手続 1996年 改 正 前 の 行 政 裁 判 所 法47条6項2文 が 有 効 で な い(ungUltig)と. は,「上 級 行 政 裁 判 所 は,法 規 定. い う確 信 に至 る場 合,そ れ を無 効(nichtig). と宣 言 し,こ の 場 合 に お いて は,裁 断 は一般 的 拘 束 力 を 有 し,裁 断 の 文 言 (Entscheidungsformel)は. 被 申立 人 に よ り,当 該 法 規 定 が 公 示 され な けれ. ばな らな い場 合 と 同 じ方 法 で,公. に され な けれ ばな らな い」 と規 定 して い. た。 本 決 定 は,上 記 の 問 題 を 肯 定 した。 その 理 由 と して 本 決 定 は,① 建 設 法 典215条3項. は,土 地 利 用 計 画 や 条 例 が 実 体 的 に無 効 で あ る にす ぎ な い 場. 合 と,条 例 の 無 効 が 規 範 統 制 手 続 に お いて も確 定 した場 合 とを 区 別 して い な い,② 地 区 詳 細 計 画 が 無 効 で あ る とす る規 範 統 制 裁 判 所 の 裁 断 は,当 該 計 画 が 市 町 村 の 条 例 と して の 法 的 効 力 を 発 揮 しえ な い こ とを 意 味 す る に と ど ま り,問 題 の な い手 続 段 階 も再 実 施 され な けれ ばな らな い と い う結 果 を 招 来 す る もの で はな い,③ 市 町 村 は規 範 統 制 手 続 の 当事 者 と して 裁 判 所 の 裁 断 の 主 文 お よ び主 要 な 理 由 に拘 束 され るが,規 範 統 制 裁 判 所 の 無 効 宣 言 が 認 証 の 欠 如 を 理 由 とす る 場 合 に お い て,市 町 村 が この 暇 疵 を 除 去 す れ ば,も はや 規 範 統 制 裁 判 所 の 裁 断 の 拘 束 力 も 当該 地 区 詳 細 計 画 の 再 度 の 発 効 を妨 げ な い,④ 無 効 と宣 言 され た地 区詳 細 計 画 が建 設 法 典215条3項. に. よ り再 び発 布 され な い と い う こ と に対 す る信 頼 は保 護 に値 しな い,と い っ た点 を 挙 げて い る。. (3)部 門 計 画 法 にお け る法 発 展 連 邦 遠 距 離 道 路 法 や 航 空 運 輸 法 等 の 部 門 計 画 法 の 領 域 にお いて は,計 画 確 定 決 定 が 保 護 負 担(Schutzauflage卿 完(Planerganzung)に ⑳. を 欠 いて い る場 合 にお け る計 画 補. つ い て の判 例 が早 くか ら確 立 し,1993年 の 法 改 正. これ に関 して は,亀 田健 二 「ドイ ツ に お け る特 定 部 門計 画 確 定 決 定 で の 防 護 負 担 」 関 法44巻45号(1995)43頁. 以 下 も参 照 。. 385.
(14) 近畿大学法学. 第58巻 第2・3号. で,衡 量 の 王 段疵 を も対 象 とす る王 段疵 の 除 去 につ いて の 規 定 が 設 け られ る に 至 っ た。 連 邦 行 政 裁 判 所1978年7月7日. 判 決 は,フ ラ ン ク フル ト/マ イ ン空 港 の. 拡 張 の た めの 計 画 確 定 決 定 に対 して,航 空 機 の 騒 音 に よ る被 害 を 受 け る と 主 張 す る原 告 らが 取 消 訴 訟 を 提 起 した事 案 で,次 の よ うに判 示 した㈱。 「い か な る計 画 確 定 決 定 も,… …航 空 運 輸 法9条2項(26)(又 は他 の 計 画 策 定 法 の 比 較 可 能 な 規 定)の 要 件 の 下 で 必 要 な 保 護 負 担 を 命 じな けれ ばな らな い。 それ が な けれ ば,計 画 策 定 に よ り生 ず る利 益 衝 突 は未 解 決 の ま まで あ る。 その こ と は計 画 を その 限 りで 客 観 的 に違 法 にす る。 ただ しその よ うな 王 段疵 が 計 画 確 定 決 定 の取 消 しな い し一 部 取 消 しを 求 め る請 求 権 に 結 びつ くの は,暇 疵 が,そ れ に よ って個 々 の利 害 関係 者 が不 利 益 を受 け る だ け で な く, 全 体 的 な 計 画 策 定 な い し分 離 可 能 な 計 画 策 定 部 分 の 均 衡 性(Ausgewogenheit)が そ もそ も危 う くされ る程,計 画 策 定 決 定 全 体 に と って大 きな 重 要 性 を有 す る場 合 に限 られ る」。 「計 画 確 定 決 定 に お いて 命 じ られ て いな い保 護 負 担 を追 完 す る(nachholen)こ. とが可 能 な 場 合 で,そ れ に よ って 計 画. 策 定 の 全 体 構 想 が 本 質 的 な 点 に お いて 関 係 す る こ とが な く,計 画 策 定 の 諸 利 益 の 絡 み 合 い(lnteressengeflecht)の. 中で 今 度 は別 の 利 益 が 不 利 益 な 影. 響 を受 け る と い う こ とが な けれ ば,計 画 策 定 決 定 の 客 観 的 な 違 法 性 に対 応 す るの は利 害 関 係 者 の 計 画 取 消 しを 求 め る請 求 権 で はな く,計 画 補 完 を 求 め る請 求 権 の み で あ る」。 以 上 の判 示 を 整 理 す る と,必 要 な 保 護 負 担 を 欠 く計 画 確 定 決 定 は違 法 で あ るが,保 護 負 担 の 追 完(計 画 補 完)に. よ って 問. 題 が 解 決 され る場 合 に は,利 害 関 係 者 は その こ との み を 求 め う る,と い う. ㈲BVerwG,Urt.v.7.7.1978,BVerwGE56,110(133). (26)航. 空 運 輸 法9条2項. は,「 計 画 確 定 決 定 に お い て は,公. 共 の 福 祉 の た め に又 は. 危 険 若 し くは不 利 益 に対 して近 隣 の土 地 の利 用 を保 全 す る た め に 必 要 な 施 設 の 設 置 及 び維 持 が 事 業 者 に命 じ られ な けれ ば な らな い 」 と規 定 す る。. 386.
(15) 建設管理計画の理疵 と補完手続 こ と にな る⑳。 1993年 の 「交 通 路 の た め の 計 画 策 定 手 続 の 簡 素 化 に 関 す る法 律 」に よ り, 連 邦 遠 距 離 道 路 法 や 航 空 運 輸 法 等 は改 正 され,環 疵 の 除 去 につ いて の 規 定 が 設 け られ た。 政 府 草 案 で は,連 邦 鉄 道 法36d条6項,連. 邦遠距離道路法. 17条6c項,連. 客 運 送 法29条8. 邦 水 路 法19条4項,航. 空 運 輸 法10条8項,旅. 項 と して,「 事 業 案 に 関 係 す る公 的及 び 私 的 利 益 の衡 量 に当 た って の 環 疵 は,そ れ らが 明 白で あ りか つ 衡 量 結 果 に影 響 を 及 ぼ した 場 合 に限 り有 意 で あ る。 有 意 な 王 段疵 は,そ れ らが 計 画 補 完 に よ って 除 去 され 得 な い場 合 に限 り,計 画 確 定 決 定 又 は計 画 許 可 の 取 消 しを も た らす 」 と い う規 定 を 設 け る こ と が 予定 され て い た。 この 規 定 に 関 して 連 邦 政 府 は,「 行 政 裁 判 権 に よ り計 画 確 定 決 定 の 場 合 の 公 的 及 び私 的 利 益 の 衡 量 の 過 程 に も適 用 され た 諸 原 則 が 問 題 とな って い る。 一一 方 で は,衡 量 の 環 疵 は特 定 の 要 件 の 下 で の み 有 意 で あ る こ とが 規 律 され る。 有 意 な 王 段疵 の み が 行 政 裁 判 手 続 にお いて 計 画 確 定 決 定 又 は計 画 許 可 の 取 消 しを も た ら し得 る。 しか しな が ら,衡 量 の 王 段疵 の 治癒 を もた らす計 画 補 完 が取 消 しに優 先 す る こ ととな る」と述 べ て い た㈱。 上 記 の 規 定 の 内容 は,立 法 過 程 に お いて 修 正 され,最 終 的 に次 の よ う に な っ た。 「事 業案 に 関係 す る公 的及 び私 的利 益 の衡 量 に 当 た って の暇 疵 は, そ れ らが 明 白 で あ りか つ 衡 量 結 果 に影 響 を及 ぼ した 場 合 に 限 り有 意 で あ る。 衡 量 に 当 た って の 有 意 な 環 疵 又 は手 続 若 し くは形 式 規 定 の 違 反 は,そ れ らが 計 画 補 完 又 は補 完 手 続 に よ って 除 去 され 得 な い場 合 に限 り,計 画 確 定 決 定 又 は計 画 許 可 の取 消 しを もた ら し,行 政 手 続 法45条 及 び46条(29)並び (2のVgl.auchBVerwG,Urt.v.22.3.1985,BVerwGE71,150(160); BVerwG,Urt.v.14.9.1992,BVerwGE91,17(20). (28)BT-Drucks.12/4328,S.20. (29)こ. こ で 言 及 さ れ て い る 行 政 手 続 法45条. 癒 を 定 め る 規 定 で あ る 。 同 法46条. は,手. 387. は,行. 政 行 為 の 手 続 ・形 式 の 暇 疵 の 治. 続 ・形 式 の 暇 疵 の み を 理 由 と して 行 政/.
(16) 近畿大学法学. 第58巻 第2・3号. に対 応 す る州 法 の 規 定 は依 然 と して妥 当 す る」。 この 規 定 の 第2文. に関 し. て,交 通 委 員 会 の 報 告 書 は次 の よ う に述 べ て い る。 「権 利 保 護 の保 障 は あ らゆ る事 例 に お い て 計 画 策 定 決 定 の 取 消 しを 要 求 す る もの で は な い が, 個 々人 は,適 式 な 手 続 に基 づ き法 律 上 定 め られ た形 式 を 顧 慮 して 成 立 した 決 定 に よ って の み 自 己の 権 利 が 制 限 され る こ とを 求 め る請 求 権 を 有 す る。 手 続 規 定,例 え ば参 加 権 につ いて の 規 定 の 違 反 が あ っ た場 合,こ れ は補 完 手 続 に お いて 解 消 され 得 る。 同様 に形 式 規 定 の 無 視 も,利 害 関 係 者 の 権 利 を侵 害 す る こ とな く,事 後 的 に治 癒 され 得 る⑳」。 部 門 計 画 法 に お け る環 疵 の 除 去 につ いて の 規 律 は,衡 量 の 環 疵 を も対 象 に して い る こ と に加 え て,計 画 補 完 と補 完 手 続 を 区 別 して い る点 で 特 色 を 有 す る。 上 記 の 立 法 経 緯 に鑑 み る と,計 画 補 完 は衡 量 の 環 疵 を 対 象 と し, 補 完 手 続 は手 続 ・形 式 の 環 疵 を 対 象 とす る と い うの が 立 法 者 意 思 で あ っ た よ う に も思 わ れ る。 しか し連 邦 行 政 裁 判 所1996年3月21日 距 離 道 路 法17条6c項2文(2006年. 判 決 は,連 邦 遠. 改 正 前 の もの)の 解 釈 と して,有 意 な. 報 疵 が補 完 手 続 に よ って 除 去 され うる 場 合 に は,「 裁 判 所 は計 画 確 定 決 定 が 違 法 で あ る こ との み を 言 い渡 さな けれ ばな らず,王 段疵 の 除 去 まで それ は 執 行 不 可 能 で も あ る と い う効 果 を 伴 う」と述 べ,「攻 撃 され て い る計 画 確 定 決 定 が 有 意 な 衡 量 の暇 疵 の ゆ え に違 法 で あ る と い う言 渡 しを す る た め に は,補 完 手 続 に お け る環 疵 の 除 去 の 具 体 的 な 可 能 性 が 存 在 す る こ とで 十 分 で あ る」と判 示 した⑳。 こ の判 決 は,衡 量 の 環 疵 が 補 完 手 続 に よ って 除 去 さ れ う る と い う前 提 に立 つ もの で あ る勧。 \ 行 為 の 取 消 しを 求 め る こ とが で きな い場 合 を 定 め て い る。 (30)BT-Drucks.12/5284,S.35. ⑳BVerwG,Urt.v.21.3.1996,BVerwGE100,370(372-373). (32」1996年 条1a項. の. 「許 可 手 続 の 迅 速 化 に 関 す る 法 律 」 に よ り追 加 さ れ た 行 政 手 続 法75. は,「 事 業 案 に 関 係 す る 公 的 及 び 私 的 利 益 の 衡 量 に 当 た っ て の 蝦 疵 は,. そ れ ら が 明 白 で あ りか つ 衡 量 結 果 に 影 響 を 及 ぼ し た 場 合 に 限 り 有 意 で あ る 。 衡 量 に 当 た っ て の 有 意 な 環 疵 は,そ. れ ら が 計 画 補 完 又 は 補 完 手 続 に よ っ て 除 去 さ/. 388.
(17) 建設管理計画の理疵 と補完手続. 2建. 設 法 典215a条(2004年. (1)1997年. 改 正 前 の も の). の法改正. 建 設 法 典 は,1997年8月18日. の 「建 設 法 典 の 改 正 及 び国 土 整 備 法 の 新 規. 制 に 関 す る法 律 」 に よ り改 正 さ れ た(1998年1月1日 正 で,建 設 法 典3章2部4節(214条. ∼216条)の. よ り施 行)。 この 改 表 題 が 「計 画 維 持 」 に変. 更 さ れ た。 王 段疵 が 顧 慮 され るか 否 か に 関 す る建 設 法 典214条,暇 につ い て 定 め る建 設 法 典215条1項. 疵 の主 張. ・2項 は,そ の基 本 構 造 に お い て は 変. 更 を 受 けて いな い。 それ に対 して,王 段疵 の 除 去 につ いて 定 めて いた 建 設 法 典215条3項. は 削 除 され,新 た に建 設 法 典215a条. 建 設 法 典215a条(2004年 手 続 」 と さ れ,同 条1項. が設 け られ た。. 改 正 前 の もの。 以 下 同 じ)の 見 出 しは 「 補完 は,「 第214条 及 び第215条 に よ り顧 慮 され な い も. の で はな く,か つ 補 完 手 続 に よ って 除 去 され 得 る条 例 の 暇 疵 は,無 効 を も た らさな い。 環 疵 の 除 去 まで 条 例 は法 的 効 力 を 発 揮 しな い」 と規 定 した 。 ま た 同条2項. は,「 第214条 第1項. に お いて 掲 げ られ た 規 定 の 違 反 又 は州 法. に よ る その 他 の 手 続 若 し くは形 式 の 環 疵 の 場 合,土 地 利 用 計 画 又 は条 例 は 遡 及 効 を も って 再 び発 効 させ る こ と もで き る」 と規 定 した 。 「建 設 法 典 の 改正 及 び 国土 整 備 法 の新 規 制 に 関 す る法 律 」は,上 級 行 政 裁 判 所 に よ る規 範 統 制 につ いて 定 め る行 政 裁 判 所 法47条 の 改 正 を も含 む もの で あ った。1997年 改 正 前 の行 政 裁 判 所 法47条5項. は,「 上 級 行 政 裁 判 所 は. 判 決 に よ って 又 は,口 頭 弁 論 を 要 しな い と認 め る場 合 に は決 定 に よ って 裁 断 す る。 上 級 行 政 裁 判 所 は,法 規 定 が 有 効 で な い と い う確 信 に至 る場 合,. \ れ 得 な い場 合 に 限 り,計 画 確 定 決 定 又 は計 画 許 可 の取 消 しを もた らす 」 と規 定 す る。 こ こで は,計 画 補 完 と補 完 手 続 が い ず れ も衡 量 の 暇疵 の み を 対 象 と して い る。. 389.
(18) 近畿大学法学. 第58巻 第2・3号. それ を無 効 と宣 言 し,こ の 場 合 に お いて は,裁 断 は一般 的 拘 束 力 を 有 し, 裁 断 の 文 言 は被 申立 人 に よ り,当 該 法 規 定 が 公 示 され な けれ ばな らな い場 合 と同 じ方 法 で,公. に され な けれ ば な ら な い。 裁 断 の効 力 に つ い て は 第. 183条 が準 用 され る(33)と規 定 して い た 。1997年 の 改 正 で は,同 項4文. とし. て,以 下 の規 定 が 追 加 さ れ た。 「建 設 法 典 の 規 定 に よ り発 布 さ れ た条 例 又 は法 規 命 令 の 確 認 され た暇 疵 が,建 設 法 典 第215a条. の 意 味 に お け る補 完. 手 続 に よ って 除 去 され 得 る場 合 に は,上 級 行 政 裁 判 所 は 当該 条 例 又 は法 規 命 令 を王 段疵 の 除 去 まで 効 力 を有 しな い(nichtwirksam)と. 宣 言 し,第2. 文 後 段 が 準 用 され る」。. (2)計 画 維 持 の 原 則 連 邦 政 府 は,建 設 法 典3章2部4節. の 表 題 を 「計 画 維 持 」 に変 更 す る こ. と に関 して,「 新 た な 〔 建 設 法 典 〕215a条. の挿 入 に よ って計 画 維 持 の 法 原. 則 の具 体 化 が な され る こ と に な る」 と述 べ て い る剛。 ま た政 府 草 案 理 由書 にお いて は次 の よ うな 記述 もみ られ る。 「建 設 法典 の215a条. にお い て… … 予. 定 され た,環 疵 の 除 去 の た めの 補 完 手 続 を 実 施 す る可 能 性 に よ って,都 市 建 設 上 の 条 例 の 存 続 力 が 高 め られ る こ と にな る。 特 に,そ の 策 定 に お いて 非 常 に時 間 と人 手 を 費 や す 地 区 詳 細 計 画 は,そ れ らが 根 本 的 な暇 疵 を有 し て お らず,そ れ ゆ え に実 施 済 み の 準 備 作 業 を 利 用 しな が ら修 正 され 得 る場 合 に は,こ の方 法 で それ らの 存 続 が 維 持 され る こ とに な る㈹」。 連 邦 政 府 が 補 完 手 続 を 計 画 維 持 の た めの 重 要 な 手 段 と して 位 置 づ けて い る こ と は明 ら. (33)行. 政 裁 判 所 法183条. は,州. 言 した 場 合 に お い て も,無. の憲 法 裁 判 所 が州 法 また は州 法 の 規 定 の無 効 を 宣 効 と宣 言 さ れ た規 範 に基 づ く行政 裁 判 所 の もは や 争. い え な い 判 決 ま た は 決 定 は,州 な い こ と,そ. の法 律 に よ る特 別 の 定 め が な い 限 り影 響 を 受 け. の よ うな 判 決 また は決 定 の 執 行 は許 され な い こ とを 定 め て い る。. ③DBT-Drucks.13/6392,S.73. ㈲BT-Drucks.13/6392,S.38.. 390.
(19) 建設管理計画の理疵 と補完手続 か で あ るが,「 計 画 維 持 の法 原 則 」 の性 質 お よ び 内容 は 明確 で は な い。 計 画 維 持 の原 則 につ い て,ホ. ッペ(Hoppe)は,1994年. に発 表 され た 論. 文 で次 の よ う に主 張 して い た 。 「建 設 管 理 計 画 の場 合 の 衡 量 の報 疵 を 解 消 して 治 癒 す る た め に,計 画 確 定 法 律 で は今 や 立 法 実 務 にお け る流 行 の 文 言 とな っ た,計 画 補 完 の 可 能 性 が 建 設 法 典 に受 け継 が れ るべ きで はな いか 。 /計 画 補 完 は計 画 を 維 持 す る手 段 で あ り,そ れ は,疑 わ しき場 合 に は衡 量 の 環 疵 が あ って も計 画 策 定 の 全 体 構 想 の 保 持 を 要 件 に計 画 策 定 は有 効 と認 め られ るべ きで あ る と い う,原 則 的 な 計 画 維 持 の 原 則,原 理 また は要 請 が 定 立 され るべ きで はな いの か と い う問 題 を 提 起 す る。 この 原 則 は,再 度 計 画 を 策 定 す る場 合 の 時 間 の 喪 失 と い う利 益 と,計 画 を 維 持 す る場 合 の 時 間 の 節 約 と い う利 益,つ. ま り 『時 間 』 の 要 素 を 衡 量 の 観 点 と して 考 慮 す る こ. とを も可 能 にす る(36)。 ホ ッペ/ヘ. ンケ(Henke)は,1997年. の建 設 法 典 改正 後 に発 表 され た 論. 文 で,立 法 者 は 建 設 法 典 改 正 に あ た り,「 拘 束 的 な 計 画 維 持 の要 請 」 の 導 入 を放 棄 し,「 計 画 維 持 とい う開 か れ た(offen)法 価 して い る⑳。 ホ ッペ/ヘ. 原 理 」 を 承 認 した と評. ンケ に よ る と,開 かれ た法 原 理 とは,「 指 導 的 な. 法 思 想 の 性 格 を 有 し,そ こか ら個 別 事 例 の 判 断 が 直 接 導 出 され る こ と はな く,つ ま り規 範 の 性 格 を授 け られ て い な い 」 もの で あ り,「 司 法 ま た は 立 法 に よ る形 成 を 通 じて 初 めて 拘 束 的 な 規 律 とな る㈱」。 そ こで,計 画 維 持 と い う開 か れ た法 原 理 を 承 認 す る こ と に いか な る実 際 的 意 義 が あ るの か が 問 題 と な る が,ホ. ッペ/ヘ. ンケ は次 の よ うに 述 べ て い る。 「あ る規 範 の 背 後. (36)WernerHoppe,DasAbwagungsgebotinderNovellierungdes Baugesetzbuches,DVBI.1994,1033(1041).下. 線 部 分 は 原 文 イ タ リ ッ ク 体 。. eのWernerHoppe/PeterHenke,DerGrundsatzderPlanerhaltungim neuenStadtebaurecht,DVBI.1997,1407(1409). (38)Hoppe/Henke(Fn.37),S.1408.. 391.
(20) 近畿大学法学. 第58巻 第2・3号. に あ る一般 的 な 法 思 想 に立 戻 る こ と は,つ ま り規 範 の いわ ゆ る 『客 観 的 ・ 目的 論 的 解 釈 』 と い う手 段 の 一一 部 で あ る。 あ る規 範 が 一一 定の法思想の表現 とみ な され う る要 素 を 認 識 させ る場 合 に は,そ れ は その 解 釈 に と って 重 要 な 示 唆 を 提 供 しう る。 この 背 景 の 前 で は,建 設 国 土 整 備 法 に よ って 付 加 さ れ た 『計 画 維 持 』 と い う表 題 の 意 義 は,整 理 上 の,表 題 を 付 け られ た規 定 の 内容 を 要 約 す る機 能 の み に あ るの で はな い。 それ だ けで な くむ しろ 『計 画 維 持 』 と い う語 は,規 定 の 解 釈 が 方 向 を 定 め な け れ ば な らな い照 準 点 (Richtpunkt)の. ひ とつ で もあ るG明。. (3)補 完 手 続 の 概 念 建 設 法 典215a条1項. は,条 例 の 暇 疵 を 除去 す る手 続 を 補 完 手 続 と呼 ん. で い る。 部 門 計 画 法 に お け る環 疵 の 除 去 につ いて の 規 定 は計 画 補 完 と補 完 手 続 を区 別 して い るが,建 設 法 典 は計 画 補 完 の 語 を 採 用 しな か っ た。 これ に関 して ホ ッペ/ヘ. ンケ は,部 門 計 画 法 に お いて は,計 画 補 完 の 場 合 に は. 「裁 判 所 に よ る王 段疵 の治 癒 の義 務 付 け」が な さ れ る の に対 して,補 完 手 続 の 場 合 に は 「裁 判 所 の 裁 断 は… … 攻 撃 され て い る計 画 確 定 決 定 が 違 法 で あ る こ との 確 認 と それ が 執 行 不 可 能 で あ る こ との 命 令 に限 定 され る」 との 理 解 を前 提 に,「特 に,建 設 管 理 計 画 ま た は その 他 の 建 設 法 上 の 条 例 を 特 定 の 計 画 策 定 要 素 で 補 完 す る こ とを 裁 判 所 が 義 務 付 け る こ と は,建 設 計 画 法 上 の 権 利 保 護 の 体 系 と は両 立 しえ な い。 それ ゆえ 建 設 国 土 整 備 法 が 計 画 補 完 と 補 完 手 続 の 区 別 を 放 棄 した こ と は,十 分 に理 解 で き る よ う に思 わ れ る」 と. (39)Hoppe/Henke(Fn.37),S.1408-1409.計 理 」 で あ る と の 理 解 を 支 持 す. 画 維 持 の 原 則 が る 説. 「開 か れ た 法 原. と し て,vgl.UlrichBattis,in:Ulrich. Battis/MichaelKrautzberger/Rolf-PeterLohr,Baugesetzbuch,Kommentar,11.Aufl.,2009,Vorb§ ら 切. §214-216Rn.8.そ. り 離 さ れ た 不 文 の 計 画 維 持 原 則 は 存 在. Uechtritz,in:Spannowsky/Uechtritz(Fn.19),§214Rn。1.. 392. れ に 対 し て,実. し な い と 主 張 す る 説. 定 法 か. と し て,vgl..
(21) 建設管理計画の理疵 と補完手続 述 べ て い る㈲。 ヴ ァグ ナ ー(Wagner)は,部. 門 計 画 法 にお け る計 画 補 完 を. 「〔 計 画 確 定 決 定 を 〕 審 理 す る裁 判 所 に よ る」 もの,補 完 手 続 を 「計 画 確 定 庁 に よ る」 も の と し て 理 解 した 上 で,「 地 方 公 共 団 体 の 計 画 策 定 高 権 (Planungshoheit)に. 鑑 み て,条 例 を 審 理 す る裁 判 所 に よ る直 接 的 な 暇 疵. の 治 癒 の 可 能 性 は受 け継 が れ ず,規 律 が 市 町 村 に よ る補 完 に限 定 され た 」 と評 して い る(41)。 建 設 法 典215a条2項. は,手 続 ・形 式 の 暇 疵 を有 す る土 地 利 用 計 画 また. は条 例 の 遡 及 的 発 効 につ いて 規 定 して い るが,土 地 利 用 計 画 の 暇 疵 を 除 去 す る手 続 と補 完 手 続 の 関 係 が 問 題 とな る。 これ に関 して 政 府 草 案 理 由書 に は次 の よ うな 記 述 が み られ る。 「補 完 手 続 を 建 設 管 理 計 画 手 続 に 限定 す る こ とを 当初 予 定 した委 員 会 の 提 案 と は相 違 して,今 後 は さ ら に他 の 都 市 建 設 法 上 の 条 例 も補 完 手 続 に よ って 治 癒 され 得 る こ と にな る。 そ れ に対 して 土 地 利 用 計 画 に は そ の よ うな 手 続 は必 要 な い。 なぜ な らそ れ らは行 政 裁 判 所 法47条 に よ り裁 判 所 に よ って無 効 と宣 言 され る こ とがな い か らで あ る陶 。 この 記 述 に鑑 み る と,連 邦 政 府 の 見 解 で は,土 地 利 用 計 画 の 暇 疵 を 除 去 す る手 続 は補 完 手 続 に は含 まれ な い こ と にな る⑬。. (4)「 無 効 」 の条 例 と 「効 力 を有 しな い」 条 例 1997年 の法 改 正 に よ って,無 効 の 条 例 とは 区 別 さ れ る,「 効 力 を有 しな い」 条 例 の存 在 が 承 認 さ れ た。 建 設 法 典215a条1項. (40)Hoppe/Henke(Fn。37),S.1410-1411.下. は,条 例 に有 意 な 暇. 線 部 分 は 原 文 イ タ リ ッ ク体 。. (41)JorgWagner,Bauleitplanverfahren‐Anderungendurchdie BauGB-Novelle1998,BauR1997,709(719). (42JBT-Drucks.13/6392,S.74. ⑬. そ れ に 対 し て,建. 設 法 典215a条2項. に よ る土 地 利 用 計 画 の 暇 疵 の 除 去 手 続. を 補 完 手 続 の 一 種 と し て 理 解 す る 説 と し て,vgl.Wagner(Fn.41),S.721.. 393.
(22) 近畿大学法学. 第58巻 第2・3号. 疵 が あ って も,当 該 環 疵 が 補 完 手 続 に よ って 除 去 され う る場 合 に は,当 該 条 例 は無 効 と はな らず,当 該 王 段疵 が 除 去 され る まで 法 的 効 力 を 発 揮 しな い と定 め る。 ま た行 政 裁 判 所 法47条5項(2004年. 改 正 前 の もの)に. よれ ば,. 上 級 行 政 裁 判 所 は,法 規 定 が 有 効 で な い との 確 信 に至 る場 合 に は,当 該 法 規 定 の 無 効 を 宣 言 す るが(2文. 前 段),建 設 法 典 の 規 定 に よ る条 例 ま た は法. 規 命 令 の 確 認 され た環 疵 が,補 完 手 続 に よ って 除 去 され う る場 合 に は,当 該 条 例 ま た は 法 規 命 令 は 当該 環 疵 の 除 去 ま で 効 力 を有 しな い と宣 言 す る (4文 前 段)。 これ に関 して政 府 草 案 理 由書 は,「 裁 判 所 に よ る無 効 宣 言 又 は廃 止 を も回 避 す る こ と に よ って,市 町 村(又 庁)に,条. は権 限 の あ る その 他 の 行 政. 例 又 は法 規 命 令 の 確 認 され た環 疵 を 補 完 手 続 に お いて 除 去 す る. 可 能 性 が 与 え られ る こ と にな る。 市 町 村 が 行 動 を 起 こ さな い場 合 に は,条 例 又 は法 規 命 令 は いつ ま で も(aufDauer)効. 力 を 有 しな い ま ま で あ る」. と述 べ て い る幽。 前 掲 連 邦 行 政 裁 判 所1993年5月6日. 決 定 は,地 区 詳 細 計 画 が 形 式 の 環 疵. を理 由 と して 規 範 統 制 裁 判 所 の 無 効 宣 言 を 受 け た場 合 に お いて も,市 町 村 は 当該 環 疵 を 除 去 す る こ と に よ り当該 地 区 詳 細 計 画 を 遡 及 的 に発 効 させ る こ とが で き る 旨判 示 して い た。 それ ゆえ 従 前 に お いて,規 範 統 制 裁 判 所 の 無効宣言が王 段疵 の 除 去 に対 す る障 害 にな って い たわ けで はな い。 上 記 の 改 正 の意 義 に つ い て,シ. ュ ミ ッ ト(Schmidt)は,規. 範統制裁判所 の判決 ま. た は 決 定 の主 文 で王 段疵 の 除去 可 能 性 が 示 され る こ と に よ って 「市 町村 に と って は,局 部 的 にす ぎな い環 疵 の 除 去 を した場 合 に,新 たな 規 範 統 制 手 続 に お いて,そ の よ うな 形 式 の 治 癒 は不 可 能 で あ る との 理 由の み で 挫 折 す る(Schiffbrucherleiden)と. い う リス クが 取 り除 か れ る」 と述 べ て い る㈲。. 幽BT-Drucks.13/6392,S.92. ㈲J6rgSchmidt,M6glichkeitenundGrenzenderHeilungvonSatzungennach§215aBauGB,NVwZ2000,977(983).. 394.
(23) 建設管理計画の理疵 と補完手続 リー ガ ー(Rieger)も,「 所 法47条5項4文. それ 〔=建 設 法 典215a条1項. との 相 互 作 用 に お いて. 〕は. 行政裁判. 規 範 統 制 裁 判 所 に,… … 確 認. され た(有 意 な)王 段疵 が 補 完 手 続 に お いて 除 去 され う るか 否 か につ いて 熟 慮 す る こ とを 強 制 し,こ れ に関 して な され る裁 断 に よ って 市 町 村 は,そ の 計 画 策 定 を 固 守 した いの で あれ ば いか な る措 置 を と らな けれ ばな らな いの か につ いて 明 確 性 を 得 る」 と い う点 を 指 摘 して い る㈲。 訴 訟 手 続 上 の 論 点 と して,条 例 が 効 力 を 有 しな い とす る規 範 統 制 裁 判 所 の 宣 言 に不 服 が あ る 申立 人 が これ を 争 い う るか と い う問 題 が あ る。 連 邦 行 政 裁 判 所2002年12月11日. 決 定 は,地 区 詳 細 計 画 が 効 力 を 有 しな い こ との 宣. 言 に代 え て その 無 効 宣 言 を 求 め る 申立 人 の 上 訴 は原 則 的 に許 容 され る との 立 場 を示 して お り,次 の よ う に述 べ て い る。 「そ の よ うな な い こ と(の み)の 宣 言 に代 わ る. 効力 を有 し. 言 渡 しに よ って,申 立 人 の 地 位 は少. な くと も事 実 上 の 理 由か ら改 善 され るで あ ろ う。 と い うの も,… … 申立 人 は,も. しも それ 〔=係 争 の 地 区 詳 細 計 画 〕 が 除 去 不 可 能 な 暇 疵 を 有 して い. る こ とが 規 範 統 制 手 続 に お いて 確 認 され た とす れ ば,そ の 後 で 彼 に と って 不 利 益 な 規 律 を 被 申立 人 が 新 たな 地 区 詳 細 計 画 にお いて 繰 り返 す と い う こ とを,少 な くと も通 常 の 場 合 に お いて は も はや 計 算 に入 れ る必 要 が な いか らで あ る。 その よ うな 事 実 上 の(も の にす ぎな い)利 点 は,権 利 保 護 の 利 益 を 基 礎 づ け るの に十 分 で あ る㈲」。. (46)WolfgangRieger,BedeutungundRechtsfolgenderRegelungin§ 215aAbs.1BauGBfiberdaserganzendeVerfahrenzurBehebung vonSatzungsmangeln,UPR2003,161(164). ㈲BVerwG,Beschl.v.11.12.2002,BVerwGE117,239(242).本. 決 定 は,. 地 区 詳 細 計 画 の 無 効 宣 言 に代 え て そ れ が効 力 を 有 しな い こ との 宣 言 を 求 め る市 町 村 の 上 訴 も原 則 的 に許 容 され る と述 べ て い る。. 395.
(24) 近畿大学法学. 第58巻 第2・3号. (5)補 完 手 続 に よ り除 去 可 能 な 暇 疵 建 設 法 典215a条1項. は,条 例 の 報 疵 の 中 に,補 完 手 続 に よ り除去 され. う る もの が あ る こ とを 前 提 に して い る。 も っ と も,具 体 的 に どの よ うな 王 段 疵 が これ に該 当す るの か は規 定 の 文 言 上 明 らか で な い。 これ に関 して 連 邦 行 政 裁 判 所2003年9月18日. 判 決 は 次 の よ うに 判 示 して い る。 「補 完 手 続 を. 通 じて 除 去 可 能 な王 段疵 は,原 則 的 にす べ て の顧 慮 さ れ る条 例 の 暇 疵 で あ る。 除 外 され て い るの は,計 画 上 の 全 体 構 想 を 危 う くす る こ と に適 して い る修 正 の み で あ る。 建 設 法 典215a条1項1文. は,計 画 策 定 を そ の基 本 的. 特 質 に お いて 修 正 す る た めの 手 が か りを 与 え な い。 地 区 詳 細 計 画 又 は その 他 の 条 例 の 同一一 性(ldentitat)が 条1項1文. 害 され て はな らな い … … 。 建 設 法 典215a. は,こ の 限 界 が 守 られ て い る こ とを 前 提 とす るが,そ の 他 の 点. で は特 定 の 環 疵 の 種 類 に よ る区 別 は して いな い。 手 続 及 び形 式 の 環 疵 と並 ん で 実 体 法 上 の 環 疵 も除 去 可 能 で あ る嫡 。 この判 示 は,補 完 手 続 の 適 用 は 報 疵 の 種 類(実 体 的 環 疵 か,手 続 ・形 式 の 環 疵 か)に. よ って 制 限 され な い. こ と,他 方 で 補 完 手 続 に よ る計 画 の 修 正 に は限 界 が あ る こ とを 示 す もの で あ るが,後 者 に関 して は学 説 の 批 判 もみ られ る。 以 下 で は,衡 量 の 王 段疵, その 他 の 実 体 的 環 疵,手 続 ・形 式 の 環 疵 の 除 去 に関 す る連 邦 行 政 裁 判 所 の 判 例 を紹 介 した上 で,計 画 修 正 の 限 界 を め ぐる問 題 を 取 り上 げ る。. (a)衡 量 の 環 疵 「建 設 法 典 の 改正 及 び 国土 整 備 法 の新 規 制 に 関 す る法 律 」の 公 布 後 ・施 行 前 に お いて,連 邦 行 政 裁 判 所1997年11月7日. 決 定qgは,「 地 区 詳 細 計 画 の 除. 去 可 能 な 実 体 的 環 疵 に,建 設 法 典214条3項2文. の意 味 に お い て有 意 な,衡. 量 過 程 に お け る環 疵 も含 まれ る。 それ らも原 則 的 に新 たな 正 しい衡 量 決 定 (48)BVerwG,Urt.v.18.9.2003,NVwZ2004,226(228). (49)BVerwG,Beschl.v.7.11.1997,NVwZ1998,956. 396.
(25) 建設管理計画の理疵 と補完手続 及 び それ に続 く手 続 の 再 実 施 に よ って 除 去 され 得 る」 と判 示 した 。 た だ し 本 決 定 は,「先 行 した手 続 の再 実 施 を放 棄 す る こ と は,既 にそ れ さえ も暇 疵 に 『感 染(infizieren)』. して い る場 合 に は,許 され な いで あ ろ う」 と述 べ,. 「『王 段疵 の感 染(Fehlerinfektion)』 疵 の み な らず,(例. が あ る場 合 に は,衡 量 に 当 た って の 暇. え ば)参 加 手 続 に お け る環 疵 も既 に存 在 した の で あ り,. その 結 果 参 加 手 続 も再 実 施 され な けれ ばな らな い」 と指 摘 して い る。 本 件 で は,計 画 策 定 に関 す る資 料 に誤 りが あ っ た た め に,市 町 村 議 会 の 構 成 員 の 事 実 に関 す る認 識 が 誤 って い た と い う王 段疵 が 問 題 と な った が,本 決 定 は,「 そ こ に存 す る衡 量 の 報 疵 の 除 去 の た め に は,当 該 資 料 の み が 訂 正 さ れ,そ れ か ら市 町 村 議 会 が 正 しい前 提 を 認 識 しつ つ その 計 画 策 定 を 固 守 し て,同. 内容 の 新 たな 条 例 の 議 決 を す る こ と(そ. して 後 続 の 手 続 を 再 実 施 す. る こ と)で 十 分 で あ る」 と述 べ て い る。 連 邦 行 政 裁 判 所1998年10月8日. 判 決6①は,既 存 の 機 械 製 造 業 の 事 業 地 拡. 大 を 内容 とす る地 区 詳 細 計 画 の 変 更 に対 して 規 範 統 制 の 申立 て が な され た 事 案 に関 す る もの で あ る。 規 範 統 制 裁 判 所 は,当 該 事 業 地 へ の 進 入 路 が 狭 く,当 該 事 業 地 に お け る車 両 の 転 回 が 困 難 で あ る こ と に起 因 す る迷 惑 の 増 加 を 被 申立 人 は そ も そ も考 慮 して お らず,そ れ ゆえ に これ らの 迷 惑 を 減 少 ま た は抑 止 す る た めの 措 置 を 講 ぜ ず,問 題 を 他 の 方 法 で 克 服 す る こ と も し な か っ た と して,衡 量 過 程 お よ び衡 量 結 果 に お け る暇 疵 を 認 定 し,当 該 地 区 詳 細 計 画 の 変 更 を無 効 と宣 言 した。 そ れ に対 して本 判 決 は,「 当該 衡 量 の 暇 疵 は建 設 法 典215a条1項. の 意 味 に お け る補 完 手 続 に よ って 除去 され. 得 る」と述 べ,当 該 変 更 計 画 は効 力 を有 しな い もの と した。 本 判 決 は ま ず, 「建 設 法 典215a条1項. の適 用 可 能 性 の た め に は,補 完 手 続 にお け る暇 疵 の. 除 去 の 具 体 的 な 可 能 性 が 存 在 す る こ とで 十 分 で あ る。 そ の こ と は,除 去 さ れ る王 段疵 が,全 体 と して の 計 画 策 定 を 最 初 か ら危 う くす るか,計 画 策 定 の (50)BVerwG,Urt.v.8.10.1998,NVwZ1999,414.. 397.
(26) 近畿大学法学. 第58巻 第2・3号. 基 本 的 特 質 に関 係 す る(建 設 法 典13条61)参 照)よ. うな 性 質 及 び重 大 性 を も. たな い こ とを 前 提 とす る」 と判 示 す る。 その 上 で 本 判 決 は,規 範 統 制 手 続 に お いて 被 申立 人 が,新 作 業 所 の 設 置 予 定 地 を 変 更 して,新. 旧作 業 所 の 間. に転 回 場 を 設 け,旧 作 業 所 を 将 来 的 に は荷 積 み 場 と して 利 用 す る との 代 替 案 を提 示 した こ とを 指 摘 して,「 そ の よ うな,計 画 策 定 の 基 本 的 特 質 に関 係 しな い計 画 変 更 は適 正 な 衡 量 に合 致 して お り,建 設 法 典13条 に よ る簡 素 化 され た手 続 に お いて 実 施 され 得 る」 と述 べ て い る。 本 件 は,補 完 手 続 を 実 施 して 地 区 詳 細 計 画 の 内容 を 変 更 す る こ とを 連 邦 行 政 裁 判 所 が 是 認 した初 めて の 例 と して 注 目 され る。 衡 量 の 環 疵 が 除 去 不 可 能 と され た例 と して,連 邦 行 政 裁 判 所2000年3月 16日 決 定 励 が挙 げ られ る。 本 件 は,計 画 地 区 の 一 部 を,農 業 が 禁 止 され る 「制 限 され た村 落地 区」に指 定 し,そ れ 以 外 の 部 分 を 村 落 地 区 に指 定 す る地 区 詳 細 計 画 に対 して,村 落 地 区 内で 農 業 を 営 ん で い る 申立 人 が 規 範 統 制 の 申立 て を した事 案 で あ る。 規 範 統 制 裁 判 所 は,問 題 の 「制 限 され た村 落 地 区 」 は事 実 上 一般 住 居 地 区 で あ る と認 定 し,排 出源 で あ る 申立 人 の 農 業 に 隣 接 す る場 所 に一般 住 居 地 区 を 指 定 す る こ と は適 正 な 衡 量 の 要 請 に違 反 す る 旨述 べ,さ. らに 当該 環 疵 は衡 量 の 基 本 構 想 に関 わ る た め修 正 不 可 能 で あ. る と判 示 した。 本 判 決 は,「確 認 さ れ た暇 疵 が,衡 量 決 定 の 核 心 に関 わ る程 重 大 で あ る場 合 」 に は,補 完 手 続 に よ り除 去 可 能 な 環 疵 は存 在 しな い と判 示 し,「規 範 統 制 裁 判 所 が,そ の よ うな衡 量 結 果 に お け る環 疵 の場 合 に は, 補 完 手 続 に お け る… … 計 画 策 定 の 再 実 施 は不 可 能 で あ る と判 断 して い る こ と は,是 認 で き る」 と述 べ て い る。. 61)建. 設 法 典13条(2004年. 改 正 前 の も の)は,建. 設 管 理 計 画 の 変更 ま た は 補 完 が. 「計 画 策 定 の 基 本 的 特 質 」 に 関 係 し な い 場 合 に は,市 続 を 簡 素 化 し う る こ とを 定 め て いた 。 (52)BVerwG,Beschl.v.16.3.2000,ZfBR2000,353.. 398. 民 お よ び公 益 主 体 の 参 加 手.
(27) 建設管理計画の理疵 と補完手続 (b)そ の 他 の 実 体 的 環 疵 連 邦 行 政 裁 判 所1999年12月16日. 判 決53)は,地 区詳 細 計画 「G108市. 中. 心 部 西 」 の 第8次 変 更 に対 して 規 範 統 制 の 申立 て が な され た 事 案 に関 す る も の で あ る。 当 該 地 区 詳 細 計 画 は 当初,K.-Th.通. りの 東 側 を 一 般 住 居 地. 区 に指 定 して い た。 第2次 変 更 で は,当 該 地 区 が 中 心 地 区(Kerngebiet)に 指 定 され る と と もに,西 側 に 隣 接 す る 住 居 地 区 を 騒 音 か ら保 護 す る た め に,高 さ2.5mの. 防 音 壁 の設 置 の ほか,中 心 地 区 の西 側 境 界 線 に つ い て 昼. 間50デ シベ ル ・夜 間35デ シベ ル の 基 準 値 が 遵 守 され るべ き こ とが 定 め られ た。 第8次 変 更 は 当該 中心 地 区 の 北 西 部 分 を 対 象 とす る もの で あ り,こ れ に よ って 連 邦 道 路 へ の 出入 口が 指 定 され た。 本 判 決 は,第8次 性 は第2次 変 更 の 適 法 性 に依 存 す る との 立 場 か ら,第2次. 変更の適法. 変更の適法性を. 審 査 し,中 心 地 区 の 境 界 線 につ いて 騒 音 の 基 準 値 を 定 め る指 定 は建 設 法 典 9条 に よ って も建 設 利 用 令1条4項. に よ って も許 さ れ な い と判 断 した 融。. 他 方 で 本 判 決 は,「中心 地 区 と住 居 地 区 の並 存 は,そ こか ら生 ず る十 分 な 騒 音 防 止 と い う問 題 と と も に,別 の 指 定,例 え ば 〔 防 音 〕 壁 に代 わ る防 音 土 塁(Larmschutzwall)の. 指 定 に よ って 解 決 され 得 るの で あ り,そ れ ゆ え に,. 第2次 及 び第8次 変 更 の 全 計 画 内容 が,全 体 と して 新 た な 地 区 計 画 策 定 手 続 の 対 象 に され る必 要 はな い」 と述 べ,確 認 され た暇 疵 が 補 完 手 続 に よ っ て 除 去 され う る こ とを 認 め た。 連 邦 行 政 裁 判 所2002年3月6日. 決 定 飼 は,工 業 地 区 を 指 定 す る地 区 詳 細. (53)BVerwG,Urt.v.16.12.1999,BVerwGE110,193. 励. 建 設 法 典9条1項. は,地. 区 詳 細 計 画 に お い て 指 定 す る こ と が で き る も の を,. そ の 各 号 に お い て 列 挙 す る 規 定 で あ る 。 建 設 利 用 令1条4項1文 ∼9条. に 掲 げ られ た 建 設 地 区(一. 容 さ れ る 利 用 の 種 類 に 応 じ て,ま. は,同. 般 住 居 地 区 ・村 落 地 区 ・中 心 地 区 等)を. 令4条 ,許. た は事 業 お よ び施 設 の 種類 な らび に そ れ らの. 特 別 な 必 要 お よ び特 性 に応 じて 区 分 す る こ とを 認 め る規 定 で あ る。 岡BVerwG,Beschl.v.6.3.2002,NVwZ2002,1385.. 399.
(28) 近畿大学法学. 第58巻 第2・3号. 計 画 に対 して 規 範 統 制 の 申立 て が な され た事 案 に関 す る もの で あ る。 規 範 統 制 裁 判 所 は,計 画 地 区 に お け る小 売 業 の 制 限 に関 す る指 定 が 内容 上 明 確 で な い こ とを 認 め たが,計 画 地 区 に お け る小 売 業 を 制 限 す る に 当 た って の 明 確 性 要 請(Bestimmtheitsgebot)の. 無 視 は計 画 策 定 の 基 本 的 特 質 を 危 う. くす る もの で はな く,言 葉 の 表 現 にの み 関 係 す る とみ て,当 該 違 反 は補 完 手 続 に お いて 治 癒 可 能 で あ る と判 断 した。 本 決 定 は,次 の よ う に述 べ,規 範 統 制 裁 判 所 の 上 記 判 断 を 是 認 した。 「確 認 さ れ た 暇 疵 が,計 画 策 定 の 基 本 的 特 質 に関 係 す る,な い しは衡 量 決 定 の 核 心 に関 わ る程 に重 大 で あ る場 合 に は,建 設 法 典215a条1項. の 意 味 で 補 完 手 続 に お いて 除 去 され得 る地. 区 詳 細 計 画 の 環 疵 は存 在 しな い… … 。 しか しその こ と は逆 に,計 画 策 定 の 全 体 構 想 に 関 わ る環 疵 の み が地 区詳 細 計 画 の 無 効 を 引 き起 こ し得 る の で あ って,個. 々的 な 修 正 に よ って 除 去 され 得 る王 段疵 は そ うで はな い こ とを 意. 味 す る… … 。 それ ゆえ に通 常,明 確 性 又 は規 範 明 晰 性(Normenklarheit) の 要 求 に対 す る違 反 は,計 画 策 定 が 効 力 を 有 しな い こ とを も た らす にす ぎ な い㈱」。 前 掲 連 邦 行 政 裁 判 所2003年9月18日. 判 決 は,主 と して 一一 般住居地区を指. 定 す る地 区 詳 細 計 画 に対 して 規 範 統 制 の 申立 て が な され た事 案 に関 す る も の で あ る。 当該 計 画 地 区 の 大 部 分 は地 方 国 土 整 備 計 画 で は農 業 の た めの 優 先 地 区 と され て お り,申 立 人 は,当 該 地 区 詳 細 計 画 は地 方 国 土 整 備 計 画 に 違 反 す る た め無 効 で あ る と主 張 した。 それ に対 して 規 範 統 制 裁 判 所 は,地 方 国 土 整 備 計 画 に お け る農 業 の た めの 優 先 地 区 に関 す る規 律 は,拘 束 的 な 国 土 整 備 の 目標 の 性 格 を 有 す る もの で はな い 旨述 べ,地 区 詳 細 計 画 の 無 効 の 主 張 を 斥 け た。 本 判 決 も,規 範 統 制 裁 判 所 の 上 記 判 断 を 是 認 した。 他 方. (56)建. 設 的 利 用 の 種 類 に つ い て の 指 定 が 不 明 確 で あ る こ と を 理 由 と し て,地. 細 計 画 は 効 力 を 有 し な い と の 判 示 が な さ れ た 例 と し て,vgl.BVerwG,Urt. v.18.9.2003,BVerwGE119,45.. 400. 区詳.
関連したドキュメント
北区都市計画マスタープラン 2020 北区住宅マスタープラン 2020
・本計画は都市計画に関する基本的な方 針を定めるもので、各事業の具体的な
令和2年度 令和3年度 令和4年度 令和5年度
北区無電柱化推進計画の対象期間は、平成 31 年(2019 年)度を初年度 とし、2028 年度までの 10
担 当 箇 所 原案提出・調整 承認手続 計 画 表 配 布. 総
接続対象計画差対応補給電力量は,30分ごとの接続対象電力量がその 30分における接続対象計画電力量を上回る場合に,30分ごとに,次の式
接続対象計画差対応補給電力量は,30分ごとの接続対象電力量がその 30分における接続対象計画電力量を上回る場合に,30分ごとに,次の式
計画 設計 建築 稼働 チューニング 改修..