Title
茶に関する研究 第4報.茶葉の澱粉の含量
Author(s)
仲村, 実久
Citation
沖縄農業, 18(1・2): 15-18
Issue Date
1983-03
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12001/1210
Rights
沖縄農業研究会
茶に関する研究
第4報.茶葉の澱粉の含量仲村実久
(琉球大学農学部農芸化学科) SanehisaNAKAMURA:StudiesonteaⅣ、Thecontentofstarchintealeaves 抽出後,ヨウ素呈色法(水野ら,1963)およびアンスロ ン法により行った。 (6).アミロペクチン/アミロース比の測定 McCreadyらの定量原理(McCreadyetall950) に基づいて行った。すなわち,濃度が一定ならば澱粉の ヨウ素呈色度はアミロースとアミロペクチンの量的比率 によって増減する。あらかじめ分離したアミロースとア ミロペクチンの各種混合比溶液のヨウ素呈色度を測定, それらの混合比と吸光度との関係図を作成し,それから アミロペクチン/アミロース比(P/A)を求めた。 (7).水分測定 105℃乾燥による重量減をもって測定した。 1.緒言 前報で,著者はクワズイモ葉(仲村ら,1982)およびシー クヮーシヤ一葉(仲村,1982)澱粉の経時および季節的 変化を調べた。 一方,茶葉澱粉については水野らの報告51があるが, 沖縄産茶葉澱粉については行われてない。 本報では,茶葉澱粉を調製し,さらにアミロースおよ びミロベクチンに分別を行い,それぞれのヨウ素呈色液 の可視部吸収スペクトルおよびアミロペクチン/アミ ロース比を求めた。 2.材料および方法 3.結果 (1).試料緑葉 茶葉は1973年10月12日沖縄県農業試験場名護支場で採 取したものを使用した。品種は在来種である。 (2).緑葉澱粉の単離 前報(仲村ら,1982)同様,水野らの方法51(水野ら, 1963)に従って単離した。 (3).アミロースとアミロペクチンの分離 二国らの方法(二国ら,1962)に従って,前項で調製 した澱粉からアミロースとアミロペクチンを分離した。 (4).アンスロン法 供試液5Mに氷冷したアンスロン試薬(アンスロン 200,9/95%硫酸100M,測定前曰調製)10mlを加え, 100℃,75分間加熱後25℃まで急冷,反応液の呈色度を 分光光度計(630,m,日立UV-VIS)で測定,別に グルコース標準液について求めた検量線から求めた値に 0.9を乗じて澱粉,アミロースおよびアミロペクチン量 とした。 (5).緑葉粉の定量法 澱粉の定量は,コルクポーラーによる緑葉の打抜後, 80%エタノールにより不純物除去,過塩素酸により澱粉 (1).緑葉澱粉,アミロースおよびアミロペクチンの 収量 水野らの方法に従い1.0k9の茶葉から2.09の澱粉を得 た。収率は0.2%(対新鮮葉)であった。また1.009の 澱粉からアミロースおよびアミロペクチンそれぞれ 0.759および0.659得た゜なお,茶葉の水分は63.2%で あった。 585,m 050 □.。 0.20 0 Wavelengthmm) Fig.11odineColorationSpectrumofStarchof TeaLeaves Contentofstarch:500mg/20%HC104+0.01N エ2'0.2m’16 沖縄農業第18巻第1.2併号(1983年) (2).澱粉一ヨウ素液の吸収スペクトルおよび検且線 前項で調製した澱粉5,9を20%過塩素酸10Mに溶解, それに0.O1NI-KI液0.2Mを加え,可視部吸収スペ クトルを分光光度計で測定してFiglに示した。茶葉澱 粉の極大吸収波長は585,mであった。 さらに,澱粉20,9を20%過塩素酸液100Mに溶解,そ れを原液として種々の濃度の澱粉液を調製し,それぞれ に0.O1NI-KI液0.211W添加後585,mで吸光値を測定 の極大吸収波長は590,mであった。 さらに検量線を求めFig.4に示した。この結果から(2) 式を得た。 A〆g=47.389E590-0.4743(2) A:アミロース (4).アミロペクミンーヨウ素液の吸収スペクトルおよ び検且線 アミロペクチン_ヨウ素液の可視部吸収スペクトルを 測定してFig5に示した。この結果から(3)式を得た。 0.8 4 0 Epmmm)回 0.4 (C@の回) ロ○ 0.2 □.○ 0 20406080 Concentratin,19/1rnl CalibrationCurveofStarchof TeaLeaves  ̄0 Fig.2. してFig.2に示した。澱粉量と吸光値(E)との関係を 最小2乗法により求め(1)式を得た。 S/αg=93.2823E585-0.2607(1) S=澱粉 (3).アミロースーヨウ素液の吸収スペクトルおよび検 量線 澱粉から分離したアミロースについて前項同様可視部 吸収スペクトルを測定してFig3に示した。アミロース 0 05101520 Concentration,皿g/ml Fig、4.CalibrationCurveofAJnyloseor TeaLeaves 050 550,m /・L-へ 夕 / 、、 0.50 、 、、Q 、、、 、 、 、 、 、 、、 ' ノ □.○ / ′ / 020 / 590,m _L_ 、 ′ 、 O 、 ′ / 、 。 、 □○ 、 、 、 020 0 500 600 700 Wavelength(nm) Fig.5.IodineColorationSpectrumoEAJnylopectin ofTeaLeaves Contentofamylopectin:250mg/20%HC104+ 0.01N12,0.2m’ 0 500600700 Wavelength(nm) IodineCo10rationSpectrumofStarchof TeaLeaves Contento2amylose:100mg/20%HC104+0.01N 12,0.2m’ Fig.3.
17 沖縄農業第18巻第1.2併号(1983年) ミロペクチンの値よりはいずれも低い値を示した。これ は測定の時期が異なることによるものと思われる。Mc Creadyらの測定原理に基づいて茶葉澱粉からヨウ素呈 色法によりアミロペクチ/アミロース比を求めたところ 7.13で高い値を示した。これはサンプル採取後冷蔵庫 へ3日間保蔵していたことによりアミロースの分解が選 択的に進行したことによるものと思われる。新鮮葉のア ミロペクチン/アミロース比は0.659/0.259=2.6で あった。この結果は水野らのそれとほぼ一致した。 0.4
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5.摘要 0 02040 Concentration(〃g/ml) Fig.6.CalibrationCurveofAInylopectin ofTeaLeaves Tablel.ContentofStarch andAmylopectin/AnDr1oseRatiointheLeavesofTea. 茶葉から澱粉を単離,さらにアミロースおよびアミロ ペクチンの分離を行いそれらの含量およびヨード呈色液 の可視部吸収スペクトルを求めた。 1.1.0k9の茶葉から澱粉2.09を得た。収率は0.2%(対 新鮮葉)であった。また1.09の澱粉からアミロースお よびアミロペクチンそれぞれ0.259および0.659得た゜ 2.澱粉,アミロースおよびアミロペクチンのヨウ素 溶液の可視部吸収スペクトルを測定したところ,極大吸 収波長はそれぞれ585,,,590nmおよび550,mであった。 終りに茶葉を提供していただいた沖縄県農業試験場名 護支場に感謝の意を表します。 Samp1ingDateStarchContent升StarchContent蒜 P/A升絲 0ct.12 0.56 1.51 7.13 升兜,forfreshmatter 絲泌,fordrymatter 鈴絲amylopectin/amylose. P〆g=101.2154E550-0.4610(3) P:アミロペクチン 5.茶葉澱粉のアミロペクチン/アミロース比 Tablelに実験方法5に従って調製した澱粉含量およ びアミロペクチン/アミロース比(P/A)を示した。 澱粉含量は新鮮葉に対して0.56%,乾燥葉に対して 1.51%であった。また,McCreadyらの定量原理に基 づいてP/A比を求めたところ7.13であった。 6.参考文献 1)仲村実久・名嘉山助成・田幸正邦クワズイモ葉の 澱粉,琉球大学農学部学術報告29:67~72 2)1982シークワーシヤ葉の澱粉, 同上29:61-663)水野卓・袴田勝弘1967柑橘類の炭水化学,農化,
41:534~539 4)二国二郎・桧作進・田村潤・酒井正生1962ヒ トの肉芽創から生産される澱粉粒,生化学34:28~ 325)水野卓・金兵忠雄1963茶葉の澱粉定量,食工誌,
10:216~2236)McCready,RM、andHassid,WZ1950Separa‐
tionandOuantitativeEstimationofAmyloseand
AmylopectininPotato,JAmChemSoc,65:1154
~1157 4.考察 水野らは茶葉粉の含量は7月(0.88%,対新鮮葉)に 最も多く,12月(0.16%)に最も少ないことを報告(水 野ら,1963)している。本実験においては10月のいわゆ る澱粉含量の比較的少ない時期に採取を行った結果,澱 粉含量は0.2~0.56%(対新鮮葉)であった。他の月に 採取を行ってないので比較検討が行えないが,水野らの 同期の結果(11月,0.18%,対新鮮葉)とほぼ一致した。 茶葉より単離した澱粉,さらに澱粉から分離したアミ ロースおよびアミロペクチンのそれぞれのヨウ素呈色液 の可視部吸収スペクトルを測定したところ,それぞれの 極大吸収波長は580,,,590,mおよび550,mで水野ら の600,m(澱粉),620nm(アミロース)および551nm(ア18 沖縄農業第18巻第1.2併号(1983年) 2.Theiodinecolorationspectrumofthestarch amyloseandamylopectinshowedthecharacteristicof theirownThemaximunofabsorptionoftheiodine colorationspectrumofthestarchamyloseandamy- lopectinwasobservedabout585,590and550nmre-spectively. Summary Contentsofstarch,amyloseandamylopectininthe leavesofteaweremeasured l・Starchwaspreparedfromtheleavesofteabythe yieldofO20%forthefreshtissuesAmyloseand amylopectinwaspreparedfromlOO9ofthestarchby theyieldof2596and6596,respectively.