202
米企業によ
る
海外不正支出
と
開示規制の動向
研 究 報 告
一
ウォーターゲイト・スキャンダルの余波として、米企業によ
る園内での違法政治献金、
更に海
外での不正支出が続々と明らかに
され内外の関心を集めた。例えば、エクソン社の五、六
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万ドル
を筆頭に、グラマン社の二、八
OO
万ドル、ロ
ッ
キード社の二五
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万ドル等々、全米で三
OO
余の企業が一九七
O
年から七六年に限
っただけでも、主として海外で四億ドル前後の不正支出をしたとい
わ
れ
る
。
その型態も多岐に亙り、チップやリベートの類から賄賂、政治献
金、コンサルタント料名義の支払、果ては政府転覆工作のための資
金援助まで含まれるという。
企業による海外賄賂のル
l
ツは東インド会社の時代にまで遡ると
されるが、今日では、更に政治献金その他の支払とも融合して複雑
化してい
る。支払方法は、通常、子会社利用による水増し詩求や
、
その運営資金名義で落として裏金へまわす、という風に粉飾処理で
作られた財源からなされる
。
ただ、コンサルタント料は本来、合法
かつ正当な支出であるが、これが賄賂や政治献金のかくれみのとし
て利用されることが間師団であっ除
。
中
原
俊
明
ニ
現行の園内法で直接不正支出に適用できるものがなく、そこ
で、連邦証券法と証券取引所法による規制の可能性が検討されてき
た。商法を貫く開示の法理の作用によって企業行動がチェックされ
うると考えられたからである
。
証券二法下で開示されるべき企業情
報は一応法定されているが、具体的に特定されていない事項であっ
ても﹁重要性﹂を媒介として開示義務の範囲に入りうる。この﹁重
要性﹂は、従来、純粋に経済的利潤追求に動機づけられたものとし
ての平均的投資家像を基準として判定され、内容の菌でも企業財務
に関係するか否かが尺度とされてきた
。
しかしこれは、近年、
企業経営の倫理的側面を重
視する倫理的投
資
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例にもその影響がみられる
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する投資家の視点も連邦証券取引委員会
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﹀によって肯定さ
れつつある
。
米企業による海外不正支出と開示規制の動向
かつてプラ
γ
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lグ(コネティカット大学﹀が予言した如く、純
粋に財務情報のみを墨守する時代は去り
‘
企業情報の開示が非財務
領域へ拡大していく傾向が看取される
。
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。
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極、中間の=一つの立場に大別できる
。
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自
体
、
完
全
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示
で
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く限定された事項につき開示させるというソマl元
委
員の考え方に
共通しており
、中
間説に近いとみ
ら
れる
。
S
E
C
は、証券二法の違反がないか否かとい
う
観点からこの問題
に取り組み、硬軟両様の対応措置をと
っ
た
。
いわゆるインフォlス
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。
後者を中心にふれると、これは問題企業
に自主的に、過去五年間の不正支出の実態
-調査を行わせ、重要な事
実につき最終報告書をまとめ
S
E
C
へ提出させるとともに、有価証
券登録届出書や年次、四半期及び月例報告書等でも開示させること
をねらったものである
。
この計画は文字通り任意であるが、ただ調
査も開示も行わない結果生じる危険は会社の負担となる
。
この場合
の開示も重要性が尺度となるが、
S
E
C
は経営適格性アプローチを
強調しつついくつかのファク
タ
ーごとに重要性にコメントしている
。
それは①会計処理、
②
支
払
金
額
、
①
支出の適法性、
@
受領者と支出
目的、等々である
。
とくに、最後の点に関連して、受領者の氏名が
重要か否かの問題がある。外国の政府高官が関係するとき、とりわ
203
け徴妙となる。
S
E
C
は原則的に重要でないとしているが、例外的
に重要とみて開示を求めた事例(ガルフ、ノ
l
スロップ、ロッキー
ド等)もある
。
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参加した企業は三五
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その大部分が不正支出の事実を認
めたとされる
。
それだけでも、自発的開示計画の成果はあったと評
価できようが、何よりも、
S
E
C
が七六年五月に出した報告書(後
掲﹀で一部企業の非行と軽くとらえたことへの疑問を感じさせる
。
もっと深刻で構造的な問題が横たわっているのではなかろうか
。
今後は、恐らく園内法の整備(例えばプロキシマイヤl法案な
ど)と同時に、グローバルな国際法的予防措置の確立が検討されて
いくと思われる
。
海外進出企業の多い日本も、無論、無関心ではお
れないはずである
。
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記 ﹀
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附
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