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パターンの認知と自由生成

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Academic year: 2021

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(1)Title. パターンの認知と自由生成. Author(s). 伊藤, 進. Citation. 北海道教育大学紀要. 第一部. C, 教育科学編, 29(1): 55-66. Issue Date. 1978-09. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/4761. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) . パター ンの認知と自由生成. 伊. 藤. 進. 要. 旨. 認知作用によっ て捉えられるものはすべてパターンだと言われるのと同様に, 創造作用によって 生み出されるものもまた基本的にはすべてパターンだと言える. そこ で本稿 では, 知覚から創造ま でをそれらの基礎過程を比較することを通して統一的に 理解しようとする 試みの一環と して, パ ターンを認知する過程とパターンをつくり出す過程とを比較 してみた. 筆者らはこれまでの一連の 研究から, パターン認知のために本質的な役割を演ずる内的情報処理過程を明らかにした 本稿 で . は, パターンがつくり出されるときにもまた, その パターン認知のための内的情報処理過程が基礎 過程として介在し,どのようなパターンがつくり出されるかに大きな影響を与えることを,実験デー タに基づいて示した. そのことから, パターン認知過程は, 創造活動を支えるとともにそれに制約 を与える基礎過程のひとつであることが示唆された.. 序 人間の活動は, 日常の習慣的な行為から科学や芸術における創造的な活動まで広い範囲にわたっ ている. それらの多様な活動を包括的に理解しようとするためには, それらの根底に共通によこた わる基礎過程を明らかにしなければならない, しばしば人間の 活動の中 で最高位に位置づけられる 創造の活動にしても, それを真に理解し, 万人のものとするためには, それを特殊視する前に, ご く日常的な行為との連続性の把握の上に立っ て, それを支える基礎過程を理解することが必要とな る. そしてそのためには, 何が創造性をもたらすかを知ることだけ でなしに, 人間活動の根底にあ る基礎過程がも つ性質のうちで, 何が創造性を制約する要因となるかを知 ることも重要 である. 筆 者は認知心理学の立場から人間活動 の基礎にある内的過程の研究を進めて来た. 本稿 では, 知覚か ら創造までをその立場から統一的に理解しようとする試みの一環として, 認知の基礎過程, およ び 創造と密接に関係する生成の基礎過程を対照して検討する. そのために, 認知と生成の働きの中 で 最も基礎的な役割をもつ パターンの認知と生成の過程をとりあげ,それらに焦点を絞っ て検討する. 認知は, 我々をとりまく広い意味での世界を知る活動 である. そして知る活動において最も基礎 的な働きとなっ ているのは, 事象を 「形」 あるいは 「パターン」 として捉えるパターン認知の働き である. なぜならすべての事象は本来きわめて多義的な姿, 多義的な構造をもち, そのまま放っ て おくなら世界は無意味な混沌でしかない, 従っ てそこに何らかの構造を見出すことが知る活動の前 提 と なり, そ れ を 行 う の が パ タ ー ン 認知 だか ら.であ る こ の こ と は パ タ ー ン 認 知 の 過 程 が 事 象 , , .. の姿をただ受け身にコピーする過程ではなく, 事象に何 らかの秩序を付与する能動的な過程である ことを意味する, 55.

(3) . 伊 藤. 進. 一方, 認知の基礎的側面がパターン認知だとすれば, つくり出す活動, 表現する活動 であるとこ ろの生成の基礎的側面は パター ン生成 である.例えばことばの聴取がパターン認知 であるとすれば, ことばを発することは パターン生成である, そのほか, 幼 児が片言をしゃ べっ たり絵を描いたりす ることから, 工業製品の生産, 芸術的な創造, あるいは都市の設計に到るまで, 人間があらわす生 成活動は基本的にはすべてパターンを生成する過程 である, この パターン生成には, それが習慣的 になされる場合や模倣としてなされる場合と, パターンやその生成手順を新たに創出しなければな らない場合とがある. いずれにしても多様なパターン生成の根底にはそれらに共通に関わる基礎的 な過程が存在すると考えられ, それはまた パターン認知過程と密接な関係をもっ ていると考えられ る.. 本稿の目的は, パターンの認知過程と生成過程は密接な関係に あるとの考えから, その関係を明 らかにするために両者を対照して検討することである. この2つの過程は, 上にも触れたように, 広範な人間活動を支える普遍的な過程 である. 従っ てその機序を解明する研究は, 人間の多様な活 動を理解するにあたっ て不可欠の研究であると考える. だが, 両過程ともきわめて動的な性格をも ち, 多くの場合きわめて迅速に進行する過程であるゆえに, それらを捉えることは決して容易では ない, パターン認知過程に関しては, 近年情報処理論的ア プローチによる数多くの研究がなされ, 様々 な理論化の試みがなさ れ て 来 た(例 え ば Lindsay & Norman,1972;Neisser ,1976;Reed , ,1967 1973 , 等を参照のこと) . 筆者らも数年来 パターン認知過程を探る 一連 の研究を行い, 独自の成果を パター i 得 て 来 た (lma ,b , な ど) ,b;伊 藤, 1975a ,1972 ,1977;今 井 ・ 伊 藤 ・ 伊 藤, 1976a . 他 方, 1 l B 9 3 2 G t t パ t ン 生 成 に 関 して は, 記 憶 し た タ ー ン の 生 成 に つ い て の 研 究 (例 え ば ar e , ; reeno &. imon S 74) や, 提示されたパターンから他の パターンを連想的に生成する場合についての研究 ,19 l& Garner (例 え ば Hande ,1966)が み ら れ る が, パ タ ー ン 生 成 の 基 礎 過 程 そ の も の を 捉 え よ う と し. た研究は多いとは言えない. 本稿 では, 筆者らの パターン認知研究の方法と成果を踏まえ, そこで 見出された パターン認知の基礎過程と照らし合わせながらパターン生成の基礎過程を検討し, それ らを統一的に理解することの可能性を探る. そのためにまず筆者らの パター ン認知研究を概観し, 次い でパターン生成について述べることにする. パターンの認知過程 はじめに パターン認知を研究するにあたっ て筆者らがとっ て来た基本的な立場と, 研究の対象と した認知課題について簡単に触れておく. まず, パターン認知の根底には 一連の内的情報処理過程が存在し, それを経て パターンが認知さ れると考える. 前述の通り パターン認知は多義的な構造をもつ対象のなかに特定の構造を見出し, そ れ を 形 す な わ ち パ タ ー ン と し て 捉 え る こ と であ る. い ま, 一 人 の ひ と が 眼 の 前に あ る 一 つ の 物 の. 形を認知したとしよう. その人が認知した形は, 常識的にはそこにある物に元々そなわっ ていた固 有の形だと考えられる. そこにあっ た形がただ眼に映っ たに過 ぎない. しかしこの常識的な考え方 はいわゆる多義図形 の例が端的に示してくれるように,正しいとは言えない,同じ一つの対象であっ ても, その姿は様々な捉え方が可能なのであり, その意味 で複数の形をもっ ていると言わねばなら ない. 従っ て, ある人が何か特定の形を認知したとすれば, その形は, その人の認知の働きをつか さ どる機構が, 対象が素材として提供する情報に対して一連の情報処理を加え, それによ っ て発見 された形 であると考えられるの である, この情報処理過程の機序を明らかにすることがパターン認 知研究の主要課題となる, 56.

(4) . パターンの認知と自由生成. 次に, このパターン認知の根底にあ る情報処理過程は, 大部分人間の内部にかくされた認知系に おいて進行する. そこ でそれを研究するために, 一般に, パターン認知の対象を提示し それに つ , いての何らかの認知課題を被験者に課して その結果をみる. それを通して内的な情報処理過程を推 論するのである. その場合, 認知課題としては一般に パターンに ついての学習 記憶 分類 ある , , , いは認知判断などが取り上げられる. パターン認知の基礎過程そのものを探るには, パターン認知 にとっ て本質的な情報処理を反 映する認知課題を取り上げる必要がある そこで筆者らの研究 では . , パターン認知において基本的な重 要性をもつ課題として パターンの類似性判断と パターンの良さ , の判断を取り上げた (今井, 1977a;今井・伊藤,伊藤, 1 97 6b など) . 類似性判断は対象の同定や 分類あるいは概念形成等に密接に関係する認知判 断である また良さの判断は ゲシュ タルト心理 . , 学において重要な地位を占めて来たことからもわかるように, 対象のまとまりという・ ことと密接に 関係する重要な認知判断である. 従っ て, これらを支える情報処理過程を明らかにすることは パ , ターン認知の基礎過程の解明につながると考えた. さらに, 類似性判断と良さの判断は互 いに異質 な判断である,つまり前者がパターン相互間の関係についての判断であるのに対して 後者はパター , ンの個別的性質についての判断だからである. もしこれらのともに 重要 でしかも互いに異質な判断 に共通に関与する情報処理過程が見出されるなら, それは パターン認知そのものに普遍的に関わる 本質的な情報処理過程 であろうと筆者らは考えた (今井, 1 97 7a;今井・伊藤・伊藤, 1 97 6b) .以 下に み る のは こ のよ う な 考 え に 立 っ て 行 っ た 研 究 の 成 果 の 一 部 であ る .. 類似性判断 2 つ の パ ター ン が どのく ら い 類 似 し て い る か の 判 断は 個 々 の パ タ ー ン の 構 造 よ り は む し ろ 両 者 ,. の間の関係構造に依存すること, そしてその関係構造を認知す るための情報処理過程が必要だと考 えられる. パ タ ー ン の 類 似性 の 判 断 過 程 に つ い て lma i( 1972 ,1977)は 次 の よ う な モ デ ル を 立 て た : 類 似 性 ,. 判断においては, パターン対の間の相互 的な変換可能性が, 一組の変換に準拠してテ ストされる , このテストを通して関係構造が認知さ れ, 類似 性が判断される そして類似ィ性判断が 変換可能性 . , によっ て定義される関係構造す なわち変換構造に依存することをモデルか ら予測した 彼は4要素 . を単位とする3サイクルの空間的2値 パターン対を用 いて実験を行い その予測を支持する実験結 , 果, すなわち類似性評定値が変換構造に依存することを示した . iの実験 で示された類似ゞ性判断の変換構造依 存性だけでは モデルを実 これに対して筆者は,lma , 証するデータとして不十分 であると考えた(伊藤,197 5a) すなわち それだけでは変換構造が実 , , 際に被験者によっ て認知されたとは言えないから である そこで筆者は 変換構 造が実際に認知き . , れ, それに基づいて類似性が判断されるかどうかを明らかにするために, 類似ゞ性を判断する課題と 並行して変換構造そのものを認知する課題を被験者に課して実験を行っ た またそれに加えて lma . , i パ の実験 では1種類の ターンについてしかデ-夕が得られていないので, 他の種類のパターンにつ い て も モ デ ルの 予 測 が支 持 さ れ る か どう か を み る た め に 工ma iの 用 い た も の よ り 複 雑 な パ タ ー ン と ,. して, 8要素を単位とする2サイク ル2値 パターンを用い また空間的 パターンばかり でなく時間 , 的パターンも用いて実験を行った(伊藤,1 975 a) , 以 下に そ れに つ い て述 べる が モ デ ルの 説 明に ,. あたっ て は 筆 者 の 実験 の パター ン を例 に 用 い る .. 上記のモデルはまず, 類似性判断の対象となるパターン対のセッ トに対して特定の認知的変換の セ ッ ト を 仮 定 す る, パ ター ン 対 が 提 示 さ れ る と 認 知 系に お い て は 一 方 の パ タ ー ン に こ れ ら の 変 , , 換 を 次々 に 施 し て, 他 方 の パ タ ー ン に 一 致 さ せ る こ と が でき る か どう か の テ ス ト が実 行 さ れ る こ , 57.

(5) . 伊 藤. 進. れらの認知的変換に対する変換可能性のテストを通して パターン対間の関係構造が認知され, それ に 基づいて類似性が判断されると仮定する, こう して, パターン対間の関係構造は, これらの認知 的変換に対する変 換可能俊によっ て定義される. このように定義される関係構造は パターン間変換 構造と呼ばれる. 次にそれらの数例を示す,. 変 換構造. 類似性. a. 000◎◎◎◎◎000◎⑩◎◎◎ ◎◎◎◎◎000◎◎◎◎◎00O. M or P. b. 00◎0◎◎◎◎00◎0◎◎◎◎ ◎◎◎◎0◎00◎⑩◎◎0◎0O c。 000◎0◎◎◎000◎0◎◎◎ 0◎0◎◎◎000◎0◎◎◎0O. M. 7.3 6.2. P. 5.6. d. 00◎0◎◎◎◎00◎0◎◎◎◎ 0◎00◎◎◎◎0◎00◎◎◎◎ e。 0◎○⑩○◎○◎○◎○◎○⑩○◎ ◎◎◎◎◎◎⑩◎◎◎◎◎◎◎◎◎. M & P. 5.4 2.ア. パター ン対の タイ プ. E. 評定値. 図1 パターン間変換構造と類似性評定値 (伊藤, 1975aより抜粋) 例えば図1の パターン対bにおいては, 一方のパター ンの構成要素の配列順序を逆転させること によ っ て他方の パターンに一致させることができる. すなわちパターン対bは鏡映変換Mによっ て 変換可能な構造をもつ. 次にパターン対cは, 一方の パターンの位相をずらすことにより, すなわ ち位相変換Pにより他方のパターンに 一致させ ることが可能な構造をもつ. また, パターン対aは, Mによ っ てもPによっ ても変換可能な構造をもつ. 他方, パターン対dは, MによってもPによっ ても変換不可能であるが, MとPとを重ねて加えることによっ て変換可能となる構造をもつ. これ らに対して, パターン対eは, 上のいずれ )変換によっ ても変換不可能な構造をもつ. 以上のように定義される変換構造を用 いて, 類似性判断が次のような変換構造への依存性を示す ことをモデルをもとに予測 した 1 )認知的変換T,とT2のいずれでも変換可能な構造の パターン対 は, それらのいずれか一方の変換でのみ変換可能なパターン対より類似性が高い. また,( 2 )後者は, T,とT2を重ねて加えなければ変換可能 でない構造の パターン対より類似性が高い.そして,( 3 )いず れの認知的変換によっ ても変換不可能な構造のパターン対は, 上の どの場合よりも類似性は低い. i(1 この予測は, lma 972 977) の実験と同様, 筆者が用いた空間的パターン対および時間的パ ,1 ターン対の双方について, それを支持する結果が示された(伊藤,1 975 a;ま た, 安 井 ・ 今 井, 1971 も参照) 図1に結果の一部を示した 数値はI L点法による類似性の平均評定値 である. . . また筆者の研究では, 上述の通り, 類似性を判断する課題とは別に, 類似性判断に先立っ て変換 構造そのものを同定する課題を被験者に与えて実験を行っ た. その結果, 類似性判断は単に刺激の 有する変換構造に依存するの ではなく, 被験者が実際に認知 した変換構造に依存する事実が示され た, これによっ て, 類似性判断の過程 で変換構造が実際に認知されることが明らかとなっ たの であ る. i が立てたモ デルからの予測は 彼の実験に続いて筆者の実験においても支持され こ う して,lma , ,. 被験者の主観的判断である類似性判断が, 客観的に定義される変換構造に系統的に依存することが 示された. また単にそれだけ でなく, 類似性判断においては変換構造が実際に認知されること, そ 58.

(6) . パターンの認知と自由生成. れに基づいて類似性が判断さ れることが筆者の研究から明 らかにされた これらの研究結果は モ , , デルの妥当性を示すものであり, パターンの類似性が判断される過程において 認知的変換の情報 , 処理が実行されることを示すもの である. 良さの判断 上記の認知的変換の情報処理は, 類似性の判断過程 のみに関与するもの であろうか それともパ . ターンを認知することそのものに関与する基礎的な情報処理であろうか もしそれがパターン認知 , の基礎的段階そのものにおいてなされる情報処理であれば, 個々のパター ンの重要な属性に ついて の認知判断もまた, 認知的変換への何らかの依存性を現わすこと が考えられる このような考えか . ら, 筆者らは個別パターンの重要な属性としてパター ンの良さを取り上げ 良さの判断 が認知的変 ,. 換に 対して依存性を現わすかどう かを検討した (今井・伊藤・伊藤, 1976a,. b;今 井, 1977 a,. b) . そのために, 良さの判 断が個別的なパターンの内部構造の性 質についての認知判断であること から, 上のような考えをもとに, パターンの内部構造を認知 的変換を用いて定義することを試みた , 次にそれを述べる. 筆者らは パターンの内部構造を単に客観的な性質, 外的な性質とはみなさない それは動的な認 , 知過程を経て 見出される構造だと考える 例えば, 図2のaは左右対称なパターンであるが 筆者 . , らは対称性が認められるための認知過程に注目する そして次のように仮定する すなわち パター . , . ンに鏡映変換という1つの認知的変換が加えられ, その結果そのパターンが他のパターンへと変化 してしまうか, それとも不変のまま であるかがテストされる このとき不変性が保たれるならば , , その パターンは鏡映変換に対して不変だという特別の内部構造を有することになる このように考 , えて筆者らは, パターンの内部構造を認知的変換に対する不変性によっ て定義した このように定 , 義される構造を, パターン間変換構造と対比させて, パターン内変換構造と呼 ぶ 以下にその数例 . に つ い て 述 べ る.. 良さ の. パター ンのタイ プ. 変. a. 0◎◎00◎◎O. M. P. P&R. 5.7. b・ o◎○◎◎。◎○. M. 幽. P&R. 5・I. C. 00◎○◎◎。◎. -. 胴 M&p p&R. 3J. 換. 構. 造. d. ◎◎000◎0◎ 図2. 評定値. 2.6. パターン内変換構造と良さの評定値 (今井, 伊藤, 伊藤, 1976bより抜粋). まず, 例えば図2のタイ プbの パターンは, 鏡映変換Mと変換P&Rに対して不変性を示す構造 をもつ (Rは白黒反転変換を表わす) . それに対して, タイ プaの パターンは, MとP&Rばかり で なく位相変換Pに対しても不変性 を示す. つまりタイ プbよりも不変性が高い また, タイ プc の . パターンは, P&Rに不変性を示す点では同じだが, MにもPにも不変性を示さず MとPを重ね , て加えたときにはじめて不変性を示す, 従っ てタイ プbよりも不変性が低い, そして, タイ プdの 59.

(7) . 伊 藤. 進. パターンは, どの変換にも不変性を示さず, 不変性は最も低い. もつ 筆者らは, パターン認知過程において基本的な役割を果すと仮定される認知的変換に対して・ 不変性が, パターンの良さを決定する主要因 であり, 不変性の高いものほ ど良い バターンと判断さ 1 )認知 的変換TIとT2の双方に不変性を示す パ ター れると考えて, 次のような作業仮説を立てた;( 2 )その後者は, ンは, そのうち一方だけに不変性を示す パターンよりも良いと判断される, 次に,( T,とT2を重ねて加えたときにはじめて不変性を示す パターンより良いと判断される.そして,( 3 )い .良くないと判断される. ずれの変換にも不変性を示さないパターンは, 上のどの場合よ りも 976 a) この仮説は, 2次元配置の ドッ ト・ パターンを用いた実験 (今井・伊藤・伊藤,1 , ま た, 1次元配置の白黒楕円パターンを用いた実験 (同上, 1976b) などによっ ていずれもそれを支持す る結果が示された. 図2に実験結果の一部を示しておいた (数値は7点法による良さの平均評定値 である) . なお, 良 ・さと同様, 個別 パターンの重要な属性 である複雑さの判断の場合にも, 認知的変換 への 976 b;伊 藤, 1975 b) 系統的な依存性が確認された(今井・他, 1 , さらに, 良さの判断が認知的変 パ 換によ っ て定義される ターンの全体的構造に大きく依存するのにく らべ, 複雑さの判断は全体的 構造ばか, り でなく, パターンを細分化する分節的な構造にも依存するという興味ある事実が, あわ せ て 明 ら か・に さ れ た.. 以上の結果に基づいて, 個別 パターンの認知判断においても認知的変換の情報処理が行われるこ とが結論された. パターン認知と認知的変換 先に見たように類似性判 断は, 認知的変換に対する変換可能性として定義される パターン間変換 構造に系統的に依存すること, また, 類似性判断において変換構造が実際に認知され, それに基づ いて類似性判断がなされるという事実が示された, それに続いて, 良さの判断もまた, 認知的変換 に対する不変性として定義される パターン内変換構造に系統的に依存する事実が示された, 類似性 が依存するのは パターン間変換構造,良さ が依存するのは パターン内変換構造という違いはあるが, それらはいずれも共通の認知的変換によ っ て,.またきわめて類似の形式 で定義される構造 である. また, 以上に述べて来たことからわかるように, 類似性判断が現わした変換構造への系統的な依存 性と, 良さの判断で見出されたそれとは, 形式的に全く対応している. このような事実を考えあわせると,その帰結として,認知的変換の情報処理がパターン認知にとっ てきわめて基本的な役割を演ずる情報処理であることが理解 できる. つまりそれは特定の認知判断 だけに個別的に関与するもの ではなく, パター ンを認知することそのものに関与する情報処理だと. 考えられるの である (今井・他, 1976 a,. b ;今 井, 1977 a ;伊 藤, 1975b) , な ぜ な ら, 類 似 性判. 断と良さの判断は, 前述の通り, いずれも広く パターン認知において基本的な重要性をもつ認知判 断である. しかも前者は パターン相互間の関係についての, 後者は パターンの個別的性質について の判 断であり, 互いに異質な認知判断 である. そして双方とも, 認知的変換によっ て定義される構 造に対して系統的な依存性を示したの である, このように いずれも重要で互いに異質な2種の認知 判断が, ともに認知的変換に依存し, さ・らにその依存性が同形 であるという事実からは, 認知的変 換の情報処理が特定の認知判断だけに個別的に関わるものとは考えにくい. むしろそれは, それぞ れの認知判断の前提として共通に要求される パターンを認知することそのものの段階で実行される 基礎的情報処理だと考えられるの である. こ の こ と に 基 づ い て パ タ ー ン 認 知 過 程 を 推 論 す る な ら, 次 の よ う に 考 え る こ と が でき る. パ タ ー 60.

(8) . パターンの認知と自由生成. ン認知の基本課題は対象の パターン構造を見出すこと である. それは認知系において, 認知的変換 のテストを実行することによっ てなされる. すなわち, 対象が認知的変換に対して如何なる振舞い を現わすかによっ てその構造が抽出される. そして個々のパターンの構造は, 認知的変換に対して もつ不変な性質として認知さ れる,このために不変性の高いものほ ど安定したパターン,良いパター ンとして認知される. また, パターンの間の関係構造は, 認知的変換に対する変換可能性として認 知される. そのために変換可能性の高いものほど互いに等価なパターン, 類似性の高いパターンと して認知される. 以上で筆者らのパターン認知研究の概観を終え, 次に パターン生成過程の検討に移る. パターンの生成過程 はじめに, パター ン生成過程を研究するために研究対象として取り上げた生成課題について述べ て おく,. 本稿の目的は, パターンの認知過程と生成過程を対照して検討し, それらの 基礎過程を探ること であっ た. そしてここ での目的は, 様々な パターン生成に普遍的に関与すると考えられる基礎的な 過程を明らかにすることである, そのためには, 研究の対象として, パターン生成における基礎過 程の性質を最も純粋に反映するような 生成課題を取り上げることが必要となる. パターン生成の課題は, 一般に, 次の2つに大別される, ( 1 )見本や典型となる パターンが提示されて, それをもとに パターンを生成する場合. ただし, 生 成の時点でパター ンが提示されなくとも, それが以前に提示され, その記憶にもとづいて生成する 場合もこれに含める.これらはさらに, 提示される パターンそのものを模写する場合と, 他の パター ンを生成する場合とに分かれる. ( 2 )見本や典型となる パターンは一切提示されず, 利用可能な素材を用いてパターンを自由に生成 する場合. 2 )の自由生成課題を研究対象として取り上げ 筆者は最も基礎的な パターン生成課題として, 上記( た. そ の 理 由は 主 に 2つある 第1に, 上記( 1 )の課題すなわち提示される パターンをもとにパター . ンを生成する場合には, 生成する過程ばかりでなく, その前段階として, 提示されるパターンを認 知する過程が介入して来る, 従っ てこの課題について得られるデータは, 生成過程の影響ばかり で なく, それとともに, 提示されるパターンを認知する過程の影響を受け, データからその2つを区 別することは困難となる. 従っ て パターン生成過程そのものを探るための課題としては適当ではな 2 )の自由生成課題においてこそ, パター ン生成にとっ て本質的な過程がよりよく 反映き い, そして( れると考えたのである, また, 自由生成課題 で得られるデータは, それゆえに, 他の生成課題につ いてのデータを理解する際にも, その基礎データと して利用 できると考えたからである, パター ンの自 由生成課題 お巽んだ第2の理由は, それが創造活動と密接に関連すると考えたから である, 既に述べたように, 本稿は知覚から創造ま でを統一的に理解しようとする試みの1つのス テッ プである. そして, 創造の活動のひとつの基本的な特徴は, 与えられていないものを新たにつ く り 出 す と いう こ とに あ る, そ こ で, 提 示 さ れ る パ タ ー ン に・ も と づ い て 生 成 す る 課 題 よ り は, パ タ ー. ンを自由につくり出す課題の方が, 創造活動と密接に関連する, そしてまた, この課題について得 られるデータは創造過程を理解するための1つの手がかりになるだろうと考えて, 自由生成課題を 選 ん だ の であ る.. 977 ) このような考えをもとに, 以下に述べる実験を行っ た (伊藤・伊藤・今井, 1 , 実験 では, 上 61.

(9) . 伊 藤. 進. 記の理由により, パターンの自由生成課題を採用した. ただし, 被験者に全く自由に パターンを生 成させたならば, 著しく 多様なデータが得られることが予想され, その多様性ゆえに データの分析 は困難になる であろう, そこ で, パターンをつくるために使用するエレメントを定め, それを用い て自由に生成するとの課題を採用 した. そしてこの課題においてどのようなパター ンが生成される かを分析し,そ れにもとづ いて パターン生成の基礎過程を検討する.もしパターン生成過程がパター ン認知過程と密接な関係をもつならば, パターン認知過程において本質的な役割をもつ認知的変換 の効果が, パターンの自由生成のデータにも何らかの形 で現われることが予想される. 実. 験. 男女それぞれ5 0名, 合わせて10 0名の大学生を被験者とし, 8要素2値 パターンを自由生成する 課題を与えた.各被験者に8個の輪郭線楕円を横一列にならべて印刷したカー ドを提示し,8個の楕 0 円のうちいずれか 4個を鉛筆 で黒くぬりつぶして白黒 パターンをつくるように求めた. カー ドは1 0個の パターンをつくることとした. 実験開始にあたっ ては, 各自 枚綴じに してあり, 各被験者が1 すきなように パターンをつくるように教示し, 他の制限は一切与えなかっ た. 結. 果. 100 名 の 被 験 者 に よ っ て 総 計 1000 個 の パ タ ー ン が 生 成 さ れ た が, どの よ う な パ タ ー ン が生 成 さ れ. ただろうか, 実際に生成された パター ンについてみる前に, 実験の課題条件のもと では どのような パ タ ー ン を つ く る こ と が 可 能 であ っ た か を み て お く .. まず, 白楕円と黒楕円それぞれ4個ずつをエレメントとして用いることにより生成することが可 能 な パ タ ー ン は, 総 計 70 通 り であ る. 従 っ て, 実 験 で どの よ う な パ タ ー ン が 生 成 さ れ た と して も, そ れ ら は こ の 70 通 り の パ タ ー ン の どれ か であ る, さ ら に, こ れ ら 生 成 可 能 な 70 通 り の パ タ ー ン は,. その内部構造を, 変換に対する不変性によっ て定義することが可能である. ここ で, 生成可能な70 通りの パターンの内部構造を, 先にパターン認知の項で述べたのと同様の仕方 で定義しておくと, まず,6種の変換すなわち, 鏡映変換M, 位相変換P, 反転変換R, およ びそれらの結合変換M&P, M&R, そしてP&Rを関連する変換と仮定す ・る (Rは, 白楕円を黒楕円に, 黒楕円を白楕円に変 える変換である) , そしてこれらの変換に対する不変性によっ て パターンの内部構造を定義すると, 図3に示した8種の構造が区別された. 換言すれば, 生成可能な70通りの パターンは, その パター ン内変換構造に関して, 図3のaからhまでの8タイ プに分かれる (図3には, 各タイ プに属する パ タ ー ン を 1例 ず つ あ げ て お い た) .. では次に, 実際に どのような構造の パターンがどのような割合で生成されたかをみることにしよ 図3には, 各タイ プに属する パターンが, 1 000個中に何回出現したかの値を, タイ プ毎に平均し て示した, すなわち, 各タイ プの パターンの生成度数をタイ プ毎に集計し, それを, そのタイ プ で は何通りの パターンが実現したかの通り数で除した値である(1例をあげると, タイ プaの場合には 2 通 り の パ ター ン が 合 わ せ て 119 回 生 成 さ れ た, 図 3 の 値 59.5 は 1 通 り の パ タ ー ン 当 り の 平 均 度 数. である. なお, 生成可能なパターンが等確率 で生成されると仮定したときの期待度数は, どのタイ プ に 属 す る パ タ ー ン に つ い て も す べ て 14.3 と なる) .. 図3から明らかなように, 平均生成度数は,8つのタイ プのあいだで大きく異っている. さらに, それらを詳細に比較してみると,生成度数とパターン内変換構造のあいだに,ひとつの系統的な関係 が認 め ら れる. 次 に そ れ を 述 べ る, 62.

(10) . パター ンの認知と自由生成. タイプ 慾 さりあ例. 変. 51。5. P&R. 3ア寺. -. 一 間&P 図&R P&R. 31。o. 一. 鑓 M&P. 12。9. b. oo◎◎◎◎0O. M. 四. c. 0樽0◎○◎○⑩. -. P. d. 0000◎◎◎◎ e・ ooo◎◎◎◎0. g.. 000◎鱒0◎◎. h.. 00◎0◎◎◎0. 平均生成度数. P&R. P. 000◎○◎◎◎. 造. 59.5. M. f.. 構. P&R ・. 0◎◎00⑩◎O. a.. 換. 鐙 図&P M&R. -. P&R. 綿&R 顕. -. 団&P. ア。1 6.3 5。8. 図3 パターン内変換構造と平均生成度数 まず, 例えば, タイ プaとbを比較してみよう, 双方とも変換Mおよ びP&Rに不変性を示す点 では共通であるが, タイ プaの パター ンはそればかり でなく変換Pに対しても不変性を示す. つま りタイ プaはタイ プbよりも不変性が高い. そしてタイ プaはbよりも高い割合で生成された, 次に, タイ プbとタイ プeを比較する. 双方ともP&Rに不変性を示す点では共通である. だが, タイ プb がMに不変性を示すのに対して, タイ プeはMには不変性を示さず, MとPとを重ねて加 えなければ不変性を示さない. つまりタイ プbはeより不変性が高い. そしてタイ プbはeよりも 高い割合で生成された. さらに, 上にあげたタイ プa, b, およ びeの パターンは, どの変換にも不変性を示さないタイ プhよりも, いずれも高い割合で生成された. これらと同様の関係は, 上にあげた例だけでなく, このような比較が可能なすべてのケー スにお い て 示 さ れ た. こ の こ と を 一 括 し て 表 現 す れ ば, 次 の 通 り であ る.. 任意の変換をTfで表わすと, ( 1 )変換T, と T 2の双方に不変性を示す パ ターンは, それらのうち一方 だけに不変性を示す パ ターンより高い割合で生成された (a > b;c > d > e > g ; c > d > f) , ( 2 )その後者は, T,とT2とを重ねて加え ることによりはじめて不変性を示すパターンより高い 割合で生成された (a > c, d, e, f, g; b > d, e, f, g). ( )そして最後に, どの変換にも不変性を示さないパターン (タイ プh) は, 以上のどの場合より 3 も生成された割合は低かっ た. こうして,パターンの自由生成において,パターンの生成度数とパターン内変換構造のあいだに密 接な関係が示され, 認知的変換に対して 高い不変性をもつ構造のパターンほ ど高い割合 で生成され る事実が明らかにされた,そして上に記した生成度数 の変換構造に対する系統的な依存性は,パター ンの個別的性質の認知判断に ついて見出されたそれと, 全く同一の軌跡を描くものである。. 63.

(11) . 伊. 藤. 進. パターン生成と パターン認知 先に見た パターン認知に続いて,パターン生成もまた変換構造に依存することが明らかにされた. しかも パターン生成が変換構造に対して現わした系統的な依存性は, パターン認知の場合に見出さ れたそれと, 形式的にきわめてよく対 応している. このような事実に基づく ならば, パターン生成 青報処理が行われると考え ざるを得ない. においてもまた, 認知的変換 の1 パターン認知についての項で述べた通り, 筆者らは一連の研究結果から, 認知的変換の情報処理 は パターン認知そのもののための情報 処理 であると結論した. この結論に従うならば, 認知的変換 の情報処理がパターン生成にも関与するということは, 次のこと を意味することになる. すなわち, パターン生成過程の何らかの段階 でパターン認知 が生ずる. しかしこれは, ここ で扱っ ている生成課題が自由生成課題 であることを考慮すると, 一見きわめ て奇妙 である. その課題が, 見本や典型となる パターン事例が提示され, それをもとに パターンを 生成する課題 であっ たならば, パターンを認知する過程が介在したとしても何ら不思議でない, む しろ当然である. しかし, 自由生成においては認知の対象となる パターンは 一切提示されないので ある, 自由生成過程に パターン認知過程が介在するにしても, その対象となる パターンは どこに存 在するのか? 実験結果として得られた事実を もとに, またそれが示唆していることを理解するために, 筆者は 次のように考える:自由生成過程において 行われる パター ン認知の対象は, 被験者がいわば内的イ メ ー ジ と して 想 定 す る パ タ ー ン で あ る と. す な わ ち, あ る ひ と つ の パ タ ー ン が 実 際に 外 部 に 表 出 さ. れるときには, それに先立っ て, 生成過程内部 で何らかの パターンが試行的に生成される, そして, それに対して認知的変換が加えられ パターン認知が行われると考えるの である. この考えをもう少し説明すると以下のようになる. 1 パターン生成過程は次のような3つの段階からなる:( )内的イメージとして パター ンを試行的に パ ( ) ターンを表出する段階である. 3 実際に ( 2 そして 生成する段階, )それを認知する段階, 第 1 の 段 階 は, パ タ ー ン を つ く る の に 利 用 でき る 素 材 に 準 拠 し て, 実 現 可 能 な パ タ ー ン ま た は パ. ターンの一部を試行的に生成してみる段 階である, ちょ う ど,1枚の絵を描くときに, まずあれこれ 下絵を描いてみる, それと類似のことが内的過程で行 われると考えればよい. 試 しに 描 い て み た 下 絵 を な が め て, こ れ でよ い か どう か, あ る い は こ の 糠 は い ら な い の では な い. かなどと吟味するのに相当するのが, 次の第2の段 階である, 第2段階では, 試行的に生成された パター ンに認知 的変換を加え, それに対してどのような振舞いを現わすかをテストして パターン構 造を認知する. また必要に 応じて認知判断を行う. そしてここ で, ある基準にかなった パター ンが, 第3段階として実際に表出される. この場合の第2段階として認知的変換の情報処理が介在する ゆ えに, どのよ う な パ タ ー ン が 生 成 さ れ る か と い う こ と に, 認 知 的 変 換 の 影 響 が 重くあらわれる. そ )まとまりの良い バター して自由生成の場合には,認知的変換に対して不変性の高い パターン,つま1 ンと判断されるものが高い割 合で生成される, このように考えるならば, 先の実験事実と, それが示唆していることを理解することができるの であ る.. こう して パター ンの認知過程と生成過程とを統一 的に理解 すること が可能 であること が示され た. 2つの過程は, それを支える基礎過程において密接に結びつき, パターン認知のための基礎過 程が パターンの生成の基礎過程と しても介在し, 生成に対して大きな影響を及ぼすことが示された の であ る.. 最後に, 以上の研究 結果が, 他の種の パターン生成課題, さらに, 創造活動一般に対して示唆し 64.

(12) . パターンの認知と自由生成. て い る 点 に つ い て 簡 単 に 述 べ て お こう.. 本稿 で扱っ たパターン生成課題は, パターンを生成する過程そのもの の性質を反映するきわめて 基礎的な課題である. 従っ て, 上で明らかにされた生成過程の特質は, 他の種の生成課題において も強い効果をもっと考えられ, それらについてのデータを解釈する際には, このことを十分考慮す l& Garner (1966) は サ ン プ ル と な る パ タ ー ン が 提 る 必 要 が あ る と 考 え ら れ る, 例 え ば, Hande ,. 示され, それから他の パターンを連想的に生成する課題において, 提示された パターンより良いパ ターン, 不変性の高い パターンが生成されやすいことを示している. このことも, 生成の基礎過程 として認知的変換の情報処理過程が介在するという上述の考えを支持するものであり, またそう考 えることによってそのデータをよりよく解釈できる.また筆者らは, 提示される パターンを記憶し, 後にそれを生成するいわゆる記憶再生の過程も, 本稿 で示した事実と考えにもとづく ならよりよく 977 ) 理解されることを, 既に実験を通して明らかにしている (伊藤・南川・山中, 1 . さらに, パターンを自由につくり出すという課題は, 前にも述べたように, 創造の活動の基本的 側面と密接に関係する, 従っ て本稿で自由生成について示した研究結果は, 創造活動を理解しよう とする際にも基礎事項のひとつとして考慮に入れる必要があると思われる. 特に, パターンを自由 につくり出すという過程がパターン認知のための基礎過程の影響を大きく受けるということ, そし て, 自由につくるという条件 であるにもかかわらず, 多くの被験者が, 認知的変換に対して不変性 の高い パターンを高い割合 で生成するということは, パターン認知過程は創造活動を支える過程 で あるとともに, 創造活動を規制する過程でもあることを示唆している . 結. 論. 筆者らはこれま での一連の研究から, パターン認知にとっ て本質的な内的過程として, 認知的変 換の情報処理過程が存在することを示した. 本稿 ではさらに, パターンの自由生成もまた, 認知的 変換によっ て定義される パターン構造に依存し, その系統的な依存性は パター ン認知の場合のそれ ときわめてよく対応する事実を明らかにした. この事実は, パターン生成の-段階として パターン を認知する情報処理過程が介在することを強く示唆する, これをもとに筆者は, パターン生成が次 2 1 )内的イメージとして パターンを試行的に生成する段階,( )その パ の3段階からなると考える:( 3 )実際に パターンを表出する段階である. ターン構造を吟味し確認する パターン認知の段階,そして( そして, 第2の段階に認知的変換の情報処理過程が介在するゆえに, 自由生成においては, 認知的 変換に対する不変性の高いまとまりの良い パターンが高い割合で表出される. これらのことは, パターンを認知するための 基礎過程が, パター ン生成に対しても大きな影響を 及ぼす過程であることを意味し, さらにそれは, 創造活動を支えるとともに創造活動に制約を与え る基礎過程のひとつであることを示唆していると結論する. 文. 献. i lpsycho l idge idge iment l 鎚l d soc Ba l 2 t t 1 93 ) 尺の粥川粥川?g A s亡udyinexper a a ogy : Cambr r et .Cambr .C.( ,F ive i Un t s r s ypr es ・ i ヒメ 尺例 腐り imon,H.A.( Gr 1 97 4 ) Processesforsequence product z on eeno yのめg . .Ps ,81 .G. ,187一198 ,J ,& S f i l ▽ R T h i 1 d d Hande S & G t t t t t t t 1 9 6 6 ( ) r z& r n e r es r u c u r eo v s u a a e na s s o c a e sa n a e r ng o o n e s s a p p ,FBだβp加害 ,. , , .. Fs ’ 力んJ sたs i℃産o . ,1 ,33一38 f f i imi l i inea lma i S.( 1972 t t t t t t tyjudgement ) Ef e rn a r rpa ectofint e r ‐ er nt rans orma ons ructur esupons sofl pa , 65.

(13) . 伊 藤. 進. / 【 165 r i s β edmg s 可′ ? 〃 XX助 力z gr im”o〃〆 Co i ? s e s げ Ps pa ‐ gr も Tokyo y該餌咽) .Pmc , ,164 lma i S 1 9 P i i l i i i 7 7 d f ( ) t t t i A 代 t t t 如 物〆 た a e r ns m r n a c o n v e r a n s r o ma o n c ya g ) 僻 仏 41 ,, . , ,433一447. 今井四郎 (1 977a) パターン認知と認知的変換 数理科学, No 65 8 .1 , 14一1 . ′ 今井四郎 (1977b) パターンの良さについての諸学説 品嫌々”〆 fse〆 r e i z c e 尺β o日8腐り中川‘ &! Por 〃 s 月 袋のめ′の’ 2 e i z , No 2 . .. 今井四郎・伊藤智啓・伊藤進(1 97 6a) 良さの判断におよぼすパターン内変構造の効果 心理学研究,47 0 2- ,2 210 .. 今井四郎・伊藤進・伊藤智啓 (197 6b) パターンの良さと複雑さの判断におよぼすパターン内変換構造とラン数 9 7 一 4 の効果 心理学評論, 1 7 9 , , 伊藤進 (1 5a) パターンの間の変換構造の認知と類似性の評定 心理学研究, 46 97 0一1 8 ,1 . 伊藤進 (1 97 5b) パターンの複雑さの認知 北海道心理学会第2 1回大会研究発表抄録, 2 . 伊藤進・伊藤智啓・今井四郎(197 ) パターン生成において利用される構造( 7 2 ) 日本心理学会第4 1回大会発表論 文 集, 630一631 .. 伊藤進・南川則子・山中友子 (1 97 7 ) パターンの自由生成と記憶再生 北海道心理学会第24回大会研究発表抄 録, 10一11 . Lindsay 1972 ) 荏mm・ rman ’凝り脆r ; ’ ?研か2Pr oc s馴れg e :Academi cPr ess ,P.H. ,& No ,D,A.( . New York . Ne i 1967 ね〆啄y ) G l ton s ser t rk;App e ‐Century ‐Cr (増可なりgps of s γc , New Yo ,U.( .. r i ぞ ′ Ne 1 9 ・ 7 6 )C昭雄ゑ r o i 7 s s e B Sのzdz m〆デm”の2 sげc唯’粥物gp s ,鰯d だのみ′P形態P )物α咽y .San Fracisco: W,H, ,U,( Fr d Comp eeman 雄ー zmy , Reed S K 1 9 3 r ( ) 脅覚ん〆唯にメ メ叱e s s総 力 2卿Z “〆 g 〆 e c曙増加〃 . , . , 7 , New York:A鞭demic Press. 安井康雄・今井四郎(1 ) 時間的パターン対の類似性と変換構造 北海道心理学会第1 971 7回大会研究発表抄録, 13 . (本 学講 師・ 札 幌 分校). 66.

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参照

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