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本邦のイールド・カーブ 変動パターンの測定 ⑵

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(1)

Ⅰ . は じ め に

 本稿は,金利リスク・ヘッジも視野に入れて,円(

JPY

),米ドル(

USD

) 金利スワップ市場と国債流通市場におけるイールド・カーブを計測し,主 成分分析の手法を活用することで,もとになる変動要因を集約する高橋

2017 a]での分析範囲を拡張する試みである。前号に続いて

1),円金利ス

ワップ市場の

ISDAFIX

データの利用可能な期間に注目してさらに追加的 な分析を試みるとともに,超長期国債に関する分析も行う。

 まず,前号では円金利スワップ市場との対比のために

2014

年1月

24

(実際には1月20日)以前までを対象としていた長期国債の流通市場でのイ ールド・カーブについても,

2014

年1月

24

日(実際には1月20日)までとそ

1

) 本稿で前号とは「本邦のイールド・カーブ変動パターンの測定 ⑴」『商学

論纂』第

59

巻第1・2号(

2017

年9月)

169

200

頁を指す。以下同様。

 435 商学論纂(中央大学)第

59

巻第3・

4号( 2018

年3月)

本邦のイールド・カーブ 変動パターンの測定 ⑵

── Were the Curves “Kinky” ? ──

高 橋 豊 治

   目   次

Ⅰ.は じ め に

Ⅱ.イールド・カーブ計測結果

Ⅲ.イールド・カーブの共通変動要因

Ⅳ.終わりに(次号に向けて)

(2)

れ以降,そして全期間とに分けて分析を行う。また,同じ国債の流通市場 であっても長期国債と超長期国債(20年)とでは,イールド・カーブの動 きが同じものなのかどうかについても同様の期間について分析を行う。

 前号では円金利スワップのイールド・カーブに関して,

ISDAFIX

とし ての円金利スワップのデータは2014年1月までしか利用できなかったが,

本号では

Bloomberg

の公表する金利スワップの指標データを利用して追

加的な検証を行う。期間は1996年4月1日から2016年11月11日まで,これ

をさらに

ISDAFIX

データの利用可能な2014年1月24日までとそれ以降と

に分けた検討も加える。さらに,通貨の違いがイールド・カーブにどのよ うに影響しているかを対比させるため米ドル金利スワップ市場のイール ド・カーブについても円金利スワップ市場のイールド・カーブ同様の手法 で,同じ期間を対象にして分析を行う。

 金利スワップ市場に関しては1996年4月から2014年1月までの期間につ いてイールド・カーブを計測,すなわち,6か月もの円

LIBOR

とスワッ プ金利のデータから,いわゆる

coupon stripping

によりディスカウント・

ファクターを推計し,得られたディスカウント・ファクターからスポッ ト・レートを推計する。これらのイールド・カーブの状況をグラフでとら えたのち,イールド・カーブの変動要因を測定するため,日次データによ る主成分分析を行っている。イールド・カーブの変動パターンの要因分析 によれば,イールド・カーブ変動の影響要因として3つのファクターが想 定されることに加え,0

. 5年とその他のスポット・レートは異なった動き

をしていると考えられることを確認した。3つのファクターについては,

第1のファクターはイールド・カーブの平行シフト要因と考えることがで きること,第2のファクターは,イールド・カーブの傾きを変える(緩や かにしたり,きつくしたりする)要因であると考えることができること,そ して最後に第3のファクターは,先行研究とは異なり,0

. 5年のスポット・

(3)

レートの変動要因と考えられることを発見している。一方,国債流通市場 に関しては,まず毎月20日(休業日の場合は翌営業日)のディスカウント・

ファクターを,ディスカウント・ファンクションとして3次の自然スプラ イン関数を想定することでスプラインのパラメータを推計する。その後,

得られたパラメータをもとに,3か月刻みのディスカウント・ファクター を推計し,イールド・カーブを構築する。こうして構築したイールド・カ ーブをもとに,長期国債については2006年1月から2014年1月まで半年刻 みのスポット・レートの変動を主成分分析に集約することで変動の特徴を 明らかにしている。

 本稿の構成は以下の通りである。まず,Ⅱ節において,実際のイール ド・カーブを計測しグラフによる観察から変動パターンを確認した後,Ⅲ 節で主成分分析により,それぞれの市場でのイールド・カーブの動きの特 徴を明らかにする。その際に,分析期間を2014年1月24日までとそれ以降 とに分けた場合,全体の期間を対象にした場合の3つのパターンで,イー ルド・カーブの動きに相違があるかどうかを明らかにする。最後にⅣ節に おいて,本号の分析結果とインプリケーションを簡単に述べる。

Ⅱ.イールド・カーブ計測結果

 以上の考え方に従い,国債流通市場と金利スワップ市場の金利の期間構 造,すなわち国債流通市場のイールド・カーブ(いわゆる

JGB

カーブ)と 金利スワップ市場のイールド・カーブ(いわゆるスワップ・カーブ)の比較 を試みる。推計に利用したデータは,日本証券業協会の公社債店頭売買参 考統計値である。図1は2006年8月21日における,公表されている国債種 類別の残存年数と平均最終利回りを図示したものである。この図からわか るように,われわれのディスカウント・ファクター推計のために必要な情 報をカバーしているのは,10年長期国債と20年超長期国債である。よりわ

(4)

かり易いようにこの2種類のみを図2に示しておいた。今回は10年長期国 債の銘柄属性と平均単価のデータを用いて,2006年1月から2016年10月ま での期間について,毎月20日(休日の場合は翌営業日)時点のイールド・カ ーブを構築した。

長期国債流通市場 超長期国債流通市場 日本円金利スワップ市場 米ドル金利スワップ市場

の4種類の市場についてイールド・カーブの計測を行った。国債流通市場 については,図1から図4の残存ごとの平均最終利回りの関係(利回り曲 線)をみても超長期国債の利回り曲線に瘤のような形状がみられること

(2006年では残存17年あたり),長期国債の利回り曲線が屈折していること

(2006年では残存7年あたり)が観察される。かつて長期国債流通市場に指標 銘柄が存在していた時代には,指標銘柄とその他の銘柄の取引に大きな違 いがあることから,利回りが連続しない現象がしばしば観察された。国債 流通市場でのイールド・カーブ計測にあたっては,できるだけ滑らかなイ ールド・カーブとなるように,3次の自然スプライン関数を利用してディ スカウント・ファクターの推計を行う2)。推計にあたって,前号(175‑177 頁)で述べたように,基準日でのディスカウント・ファクターが1という 制約を課した177頁の⑸式に従い,回帰分析によりスプラインのパラメー タを求める方法を採用した。また,スプライン関数の

Knot

には,0年,

0 . 5年,1年,2年,3年,4年,5年,7年,10年,12年,15年,20年

2

) Kinky Yield curveに関しては,Dai, Singleton & Yang [

2007 ],Knowles &

Bonnet [ 2014 ],Mohan [ 2006 ],Rebonato, Mahal, Joshi, Buchholz, & Nyholm

[ 2005 ]

などに指摘があり,対応策としてのディスカウント・ファクター推 計方法が様々検討されている。

(5)

図1 国債残存期間ごとの平均最終利回り(

2006

年8月

21

日)

2 . 5 2 . 0 1 . 5 1 . 0 0 . 5 0 . 0

30 25

20 15

10 5

0

中期国債⑵ 長期国債

中期国債⑷ 超長期国債

中期国債⑸ 長期国債⑹ 超長期国債

(%)

図2 国債残存期間ごとの平均最終利回り;長期国債と超長期国債    (

2006

年8月

21

日)

2 . 5

2 . 0

1 . 5

1 . 0

0 . 5

0 . 0

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20

長期国債 超長期国債

(%)

(6)

図3 国債残存期間ごとの平均最終利回り(

2007

年8月

20

日)

2 . 5 2 1 . 5 1 0 . 5

0 0 5 30

中期国債⑵

10 15 20 25

長期国債

中期国債⑷ 超長期国債

中期国債⑸ 超長期国債

長期国債⑹

(%)

図4 国債残存期間ごとの平均最終利回り;長期国債と超長期国債    (

2007

年8月

20

日)

2 . 5 2 1 . 5 1 0 . 5

0 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20

長期国債 超長期国債

(%)

(7)

を用いている。

 一方,金利スワップ市場でのイールド・カーブ計測にあたっては,今回 は半年ごとのスポット・レートの推計から構築されるイールド・カーブの 変動パターンの測定を行うことから,前号で紹介した手法のうち最も簡便 な,市場のスワップ金利を線型補間することで6か月ごとのディスカウン ト・ファクターを推計する方法を採用した。スポット・レート推計にあた っては,国債の場合と同様求めたディスカウント・ファクターから連続複 利表示のスポット・レートを推計した。利用したデータは,6か月もの

LIBOR

は英国銀行協会(

British Bankers Association

BBA

)並びに

ICE

の公

表する

LIBOR 6 mo

を,スワップ金利は国際スワップ・デリバティブ協会

International Swaps and Derivatives Association, Inc.

ISDA

)並びに

ICE

の公表

する

ISDAFIX

である。

ISDAFIX

およびその継承としてのデータが利用で

きる期間,具体的には,

JPY

に関しては1998年10月8日から2014年1月24 日までの期間を分析対象とした。今回の分析対象期間全体にわたって利用 可能なスワップ金利は1年から10年までの1年刻みのものであることか ら,イールド・カーブ分析の対象として,0

. 5年から10年までの0 . 5年刻み

のスポット・レートとした。

長期国債流通市場

 こうして得られたイールド・カーブの動きを,まずはグラフにより確認 しよう。国債流通市場のイールド・カーブの計測結果は,1年,3年,5 年,7年,10年のスポット・レートの2006年から2016年までの期間につい て時系列的な推移を図5に示している。また,2006年から2016年までの期 間について毎年6月20日(休日等の場合は翌営業日)のイールド・カーブを 図6にグラフにした。

(8)

図5 国債流通市場のスポット・レートの推移(長期国債)

1YR 3YR 5YR 7YR 10YR

3.0 2.5 2.0 1.5 1.0 0.5 0.0

−0.5

2006 12

2007

2007 12

2008

2008 12

2009

2009 12

2010

2010 12

2011

2011 12

2012

2012 12

2013

2013 12

2014

2014 12

2015

2015 12

2016

(%)

図6 国債流通市場のイールド・カーブの推移(長期国債)

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

2006/6/20 2007/6/20 2008/6/20 2009/6/22 2010/6/21 2012/6/21 2013/6/20 2014/6/20 20152011//66//2220 2016/6/20

2.2

1.7

1.2

0.7

0.2

−0.4

(%)

(9)

 図6の国債流通市場のイールド・カーブの動きをみると,2006年から

2009年の平行シフトに近いような動きや,2010年から2015年までの傾きの

変化による動き,2015年から2016年の傾きの変化とともに水準が変化する

(傾きの変化と平行シフトの合成のような)動きが観察できる。

超長期国債流通市場

 超長期国債(20年物)流通市場のイールド・カーブの計測結果は,

1年,

3年, 5年, 7年,10年,15年,20年のスポット・レートの2006年から 2016年までの期間について時系列的な推移を図7に示している。また,

2006年から2016年までの期間について毎年6月20日

(休日等の場合は翌営業

日)のイールド・カーブを図8にグラフにした。

図7 国債流通市場のスポット・レートの推移(超長期国債)

3.0 2.5 2.0 1.5 1.0 0.5 0.0

−0.5

2006 12

2007

2007 12

2008

2008 12

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017 2009

12 2010

12 2011

12 2012

12 2013

12 2014

12 2015

12 2016

12

1YR 3YR 5YR 7YR 10YR 15YR 20YR

(%)

(10)

日本円金利スワップ市場

 円金利スワップ市場のスポット・レートの計測結果のうち,1年,3 年,5年,7年,10年のスポット・レートを1996年から2006年までについ て図9に示している。さらに図10に1998年から2013年までの16年間にわた って,毎年10月8日(休日等の場合は翌営業日)のイールド・カーブの状況 をグラフにした。

JPY

のイールド・カーブの動きは,1年ごとの動きをみ る限り,平行シフトというよりは傾きの変化を基調としているようにみる ことができる(いずれも10月8日前後の比較)。1998年から1999年の変化は2 年のスポット・レートを回転の中心にして傾きが急に(短期は低下・長期は 上昇),1999年から2000年の変化は6年のスポット・レートを回転の中心 にして傾きがやや緩やかになっている(短期の上昇が大きく,長期の下落は小 幅)。その後2001年には全体的な水準を大きく下げ,2001年から2002年は

0 . 5年のスポット・レートを回転の中心にして傾きが緩やかになっている

(短期の下落は小さく,長期の下げ幅は大きい)。その後は0

. 5年のスポット・レ

図8 国債流通市場のイールド・カーブの推移(超長期国債)

2 . 5 2 1 . 5 1 0 . 5 0

−0

. 5

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20

2006/12/20 2013/4/22 2013/11/21 2013/12/24 2014/11/20 2016/2/22 2016/10/20

(%)

(11)

図9 金利スワップ市場のスポット・レートの推移(JPY)

1.0YR 3.0YR 5.0YR 7.0YR 10.0YR 4.0

3.5 3.0 2.5 2.0 1.5 1.0 0.5 0.0

−0.5

1996 /4/1

1997 /4/1

1998 /4/1

1999 /4/1

2000 /4/1

2001 /4/1

2002 /4/1

2003 /4/1

2004 /4/1

2005 /4/1

2006 /4/1

2007 /4/1

2008 /4/1

2009 /4/1

2010 /4/1

2011 /4/1

2012 /4/1

2013 /4/1

2014 /4/1

2015 /4/1

2016 /4/1

(%)

10

 金利スワップ市場でのイールド・カーブの動き(JPY)

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

1998/10/8 1999/10/8 2000/10/9 2001/10/8 2002/10/8 2003/10/8 2004/10/8 2005/10/10 2006/10/9 2007/10/9

2010/10/8 2011/10/11 20122008//1010//98 20132009//1010//88 2.5

2.0

1.5

1.0

0.5

0.0

(%)

(12)

ートを回転の中心にして回転シフトしている。2002年から2003年は形状の 変化(より直線的に)も伴いながら傾きが急になり,2004年には4年のス ポット・レートまでは大きな変化はなくそれより長期のものは上昇した。

2005年は形状

(曲率)が変化している。2005年から2006年は上方に平行シ

フトしている。このように,比較的平行シフトに近いのは,2000年から

2001年の変化と2005年から2006年の変化のみで,あとは回転シフトが中心

とみることができそうである。

米ドル金利スワップ市場

 次に米ドル金利スワップ市場について金利スワップ市場のイールド・カ ーブの動きを確認しよう。米ドル金利スワップについても,円ドル金利ス ワップと同様,イールド・カーブの計測結果は,1年,3年,5年,7 年,10年のスポット・レート1998年から2006年までについて図11に示して いる。イールド・カーブについては,計測した日次のもののうち,1998年

11

 金利スワップ市場のスポット・レートの推移(USD)

1YR 3YR 5YR 7YR 10YR

8 7 6 5 4 3 2 1 0

1998 /10/7

1999 /10/7

2000 /10/7

2001 /10/7

2002 /10/7

2003 /10/7

2004 /10/7

2005 /10/7

2006 /10/7

2007 /10/7

2008 /10/7

2009 /10/7

2010 /10/7

2011 /10/7

2012 /10/7

2013 /10/7

2014 /10/7

2015 /10/7

2016 /10/7

(%)

(13)

12

 金利スワップ市場でのイールド・カーブの動き(USD)

0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4 4.5 5 5.5 6 6.5 7 7.5 8 8.5 9 9.5 10 8

7 6 5 4 3 2 1 0

1998/10/7

2003/10/7 1999/10/7 2000/10/6 2001/10/9

2004/10/7 2005/10/7 2006/10/6 2002/10/7

(%)

から2006年までの8年間にわたって,毎年10月7日(休日等の場合は翌営業 日)のイールド・カーブの状況を図12にグラフにしている。

 図12をみると,

1998年から1999年の移動は, 0 . 5年から3年のスポット・

レートの移動幅は小さいが,比較的平行移動に近い動きをしている。その

後0

. 5年から3年のスポット・レートが上昇し,2000

年には高い水準で水

平に近いイールド・カーブが観察されている。2001年から2005年までのイ ールド・カーブの動きは,10年のスポット・レートの動きが小さく固定さ れていて,短期のスポット・レートの動きが大きく上下しているように見 受けられる。

Ⅲ.イールド・カーブの共通変動要因

 グラフによるイールド・カーブの動きの直観的な理解ができたところ で,イールド・カーブの変動要因を測定するため主成分分析を行うことに しよう。イールド・カーブの動きについて,スポット・レート

r

jの変化

(14)

x

jをリスク・ファクターとして,drj

r

j

~ x

jを想定しているので,スポ ット・レート

r

jの変化率

x

j=─

dr

j

r

j に対する主成分分析を行う。

 長期国債市場のスポット・レートは10年までであること,円金利スワッ プ市場,米ドル金利スワップ市場のスポット・レートは0

. 5年刻みで推計

しているため,全体の市場の対比をはっきりさせるため,すべての市場に

ついて0

. 5年刻みのスポット・レートの10年のスポット・レートまでの変

動を取り出して分析した。

 まずは,スポット・レートの変化率の相関行列を求めた後,相関係数の 固有値λk,固有ベクトル

w

j,kを算出する。固有値をもとに各主成分の寄与 率(それぞれの主成分が全体のイールド・カーブの変動のうち,どの程度の変動を 説明できているか),および寄与率の集計である累積寄与率を明らかにする ことで,イールド・カーブの動きをどの程度の編集の動きに集約すること ができるかを検証する。市場や時期によってイールド・カーブの動きをど の程度集約できるかは異なるが,集約した主成分のもとのスポット・レー トに与える影響の違いを成分パターン・プロファイルとしてグラフ化す る。成分パターン・プロファイルでは,主成分のスポット・レートに与え る影響の違いを,横軸にスポット・レート,縦軸に相関係数をとること で,集約された成分ごとにスポット・レートの変化にどのようにかかわっ ているかをみることができる。先行研究では,第3主成分までをイール ド・カーブの変動パターンを決定する共通要因と考えるものが多いことか ら,今回は(累積寄与度の程度にかかわらず)いずれの市場についてもイー ルド・カーブの変動に対する第1主成分から第3主成分までの影響に限定 して因子負荷量を示している。第

j

期のスポット・レート変化率

x

jについ て,第1から第3主成分(F1

, F

2

, F

3)の影響を求める。具体的には,

   xj=aj,1

F

1+aj,2

F

2+aj,3

F

3+ej

(15)

について

a

j,k=㲋λk

w

j,kを求め図示している。それぞれについて,成分     

1〜3は,それぞれ,第1主成分,第2主成分,第3主成分であることを

意味している。

全期間を対象とした分析 長期国債流通市場

 表1に長期国債市場のスポット・レートの変化率の相関行列が示されて いる。後述の米ドル金利スワップ市場でも明らかなように,他の通貨の場 合,隣り合わせの年限のスポット・レートとの相関が高く,離れるほど相 関が低くなるのが一般的であるが3),表1の国債市場をみると,3年と3

. 5

年の相関係数0

. 7631や,0 . 5年と1 . 5年の0 . 7025,1年と2 . 5年の0 . 6883のよう

に比較的高いものもあるが,概して相関係数は低くマイナスとなっている ものも少なくない。

 ついで表2のスポット・レートの変化率の相関行列の固有値をみると,

長期国債については,第1主成分の固有値が8

. 34,寄与率が42%,第2主

成分,第3主成分は固有値がそれぞれ3

. 68,2 . 31,寄与率も18%,12%と

あまり大きくない。それでも,第3主成分までの累積寄与率が72%を占め ていることからすると,図13に示してある全体の傾向とあわせてみれば第

3主成分までをイールド・カーブの変動パターンを決定する共通要因とし

て考えてもよいだろう。

 図14のスポット・レートに対する因子負荷量(長期国債)全期間国債市 場のイールド・カーブ変動要因をみると,第1主成分は6年から9年への 共通変動要因を捉えているようだが,第2主成分,第3主成分は年限によ っての違いも大きいため,はっきりとした解釈をするのは難しそうだ。

3) 例えば,高橋[2017 a]などを参照。

(16)

 スポット・レートの変化率の相関行列(長期国債)全期間 0.51.01.52.02.53.03.54.04.55.05.56.06.57.07.58.08.59.09.510.0 0.510.00800.7025‑0.03310.04920.04770.0487‑0.0963‑0.14720.1365‑0.13840.11860.05990.03050.02040.01490.01070.0064‑0.00050.0083 1.00.008010.04970.15200.68830.11750.0626‑0.03340.0051‑0.00750.0074‑0.0103‑0.01160.00420.02800.04710.05720.05470.02730.0125 1.50.70250.04971‑0.06580.05830.03640.0476‑0.04820.0007‑0.01500.0130‑0.0282‑0.0516‑0.0604‑0.0645‑0.0650‑0.0606‑0.0463‑0.0114‑0.0230 2.0‑0.03310.1520‑0.065810.38160.27110.3154‑0.23380.0330‑0.08820.0810‑0.1398‑0.2190‑0.2112‑0.1741‑0.1377‑0.1075‑0.0763‑0.0276‑0.0197 2.50.04920.68830.05830.381610.35460.4426‑0.3672‑0.0230‑0.05760.0471‑0.1346‑0.2661‑0.2635‑0.2066‑0.1469‑0.0982‑0.0563‑0.0117‑0.0178 3.00.04770.11750.03640.27110.354610.7631‑0.6833‑0.0844‑0.07990.0574‑0.2413‑0.5390‑0.6039‑0.5742‑0.5157‑0.4432‑0.3331‑0.1169‑0.1055 3.50.04870.06260.04760.31540.44260.76311‑0.9314‑0.1489‑0.07360.0435‑0.2884‑0.6857‑0.7679‑0.7223‑0.6425‑0.5493‑0.4125‑0.1452‑0.1328 4.0‑0.0963‑0.0334‑0.0482‑0.2338‑0.3672‑0.6833‑0.931410.4876‑0.27870.3081‑0.05920.41000.54930.53550.48130.41330.31240.11560.0904 4.5‑0.14720.00510.00070.0330‑0.0230‑0.0844‑0.14890.48761‑0.97400.9806‑0.8988‑0.5865‑0.4232‑0.3764‑0.3506‑0.3186‑0.2512‑0.0840‑0.1071 5.00.1365‑0.0075‑0.0150‑0.0882‑0.0576‑0.0799‑0.0736‑0.2787‑0.97401‑0.99950.97470.75420.61350.56220.52290.47180.37090.13000.1435 5.5‑0.13840.00740.01300.08100.04710.05740.04350.30810.9806‑0.99951‑0.9673‑0.7333‑0.5889‑0.5378‑0.5001‑0.4512‑0.3547‑0.1235‑0.1389 6.00.1186‑0.0103‑0.0282‑0.1398‑0.1346‑0.2413‑0.2884‑0.0592‑0.89880.9747‑0.967310.88160.77150.71970.67010.60360.47530.17240.1718 6.50.0599‑0.0116‑0.0516‑0.2190‑0.2661‑0.5390‑0.68570.4100‑0.58650.7542‑0.73330.881610.97640.93710.87850.79360.62990.24260.2034 7.00.03050.0042‑0.0604‑0.2112‑0.2635‑0.6039‑0.76790.5493‑0.42320.6135‑0.58890.77150.976410.98520.94220.86680.70400.29230.2028 7.50.02040.0280‑0.0645‑0.1741‑0.2066‑0.5742‑0.72230.5355‑0.37640.5622‑0.53780.71970.93710.985210.98470.93230.78580.36330.1840 8.00.01490.0471‑0.0650‑0.1377‑0.1469‑0.5157‑0.64250.4813‑0.35060.5229‑0.50010.67010.87850.94220.984710.97930.86620.46030.1260 8.50.01070.0572‑0.0606‑0.1075‑0.0982‑0.4432‑0.54930.4133‑0.31860.4718‑0.45120.60360.79360.86680.93230.979310.94590.6036‑0.0060 9.00.00640.0547‑0.0463‑0.0763‑0.0563‑0.3331‑0.41250.3124‑0.25120.3709‑0.35470.47530.62990.70400.78580.86620.945910.8229‑0.2910 9.5‑0.00050.0273‑0.0114‑0.0276‑0.0117‑0.1169‑0.14520.1156‑0.08400.1300‑0.12350.17240.24260.29230.36330.46030.60360.82291‑0.7706 10.00.00830.0125‑0.0230‑0.0197‑0.0178‑0.1055‑0.13280.0904‑0.10710.1435‑0.13890.17180.20340.20280.18400.1260‑0.0060‑0.2910‑0.77061

(17)

表2 相関行列の固有値(長期国債)全期間

主成分 固有値 差 寄与率 累積寄与率

1 8 . 34 4 . 66 42

42

2 3 . 68 1 . 37 18% 60%

3 2 . 31 0 . 62 12

72

4 1 . 70 0 . 02 8% 80%

5 1 . 67 0 . 83 8

89

6 0 . 85 0 . 27 4% 93%

7 0 . 58 0 . 23 3

96

8 0 . 35 0 . 07 2% 97%

9 0 . 28 0 . 10 1

99

10 0 . 19 0 . 15 1% 100%

11 0 . 04 0 . 03 0

100

12 0 . 00 0 . 00 0% 100%

13 0 . 00 0 . 00 0

100

14 0 . 00 0 . 00 0% 100%

15 0 . 00 0 . 00 0

100

16 0 . 00 0 . 00 0% 100%

17 0 . 00 0 . 00 0

100

18 0 . 00 0 . 00 0% 100%

19 0 . 00 0 . 00 0

100

20 0 . 00 0% 100%

(18)

13

 固有値,寄与率,累積寄与率(長期国債)全期間

8 6 4 2 0

20

0 5 10 15

比率 累積

固有値

0 5 10 15 20

1 . 0 0 . 8 0 . 6 0 . 4 0 . 2 0 . 0

比率

主成分 主成分

スクリープロット 説明される分散

図14 スポット・レートに対する因子負荷量(長期国債)全期間

1 . 0

0 . 5

0 . 0

0 . 5

−1

. 0

相関行列

変数

r0050 r0100 r0150 r0200 r0250 r0300 r0350 r0400 r0450 r0500 r0550 r0600 r0650 r0700 r0750 r0800 r0850 r0900 r0950 r1000

1

成分 2 3

(19)

超長期国債流通市場

 超長期国債市場でのスポット・レートの変化率の相関行列は表3に示し てある。表3の相関係数をみると,表1の長期国債市場の相関行列と同 様,マイナスとなっているものも少なくなく概して相関係数は低い。この ことは,この期間の国債流通市場のスポット・レート変動は共通の要因に よって生じているとみるのは難しいことを示しているのではないかと推察 される。

 ついで表4のスポット・レートの変化率の相関行列の固有値をみると,

第1主成分の固有値が6

. 83,寄与率が34%,第2主成分,第3主成分は固

有値がそれぞれ2

. 97,2 . 40,寄与率も15%,12%と,長期国債流通市場の

場合よりもさらに低くなっている。第3主成分までの累積寄与率も61%し かないので,各主成分の固有値の推移と,寄与率,累積寄与率を示した図

15からみても第3主成分までをイールド・カーブの変動パターンを決定す

る共通要因というのは苦しい解釈になる。

 図16のスポット・レートに対する因子負荷量(長期国債)全期間国債市 場のイールド・カーブ変動要因をみると,第1主成分は3年が−

1,3 . 5年

がゼロ,4年が+

1と,この部分のイールド・カーブの傾きを変化させる

変動要因と解釈できるかもしれない。第2主成分,第3主成分はより複雑 な変動を捉えているようだ。しかし,長期国債市場と同様,超長期国債市 場も共通要因がどのようなものかについて,はっきりとした解釈をするの は難しそうだ。

(20)

 スポット・レートの変化率の相関行列(超長期国債)全期間 0.51.01.52.02.53.03.54.04.55.05.56.06.57.07.58.08.59.09.510.0 0.510.0312‑0.0593‑0.01580.01130.02940.0002‑0.0292‑0.0243‑0.0293‑0.0273‑0.0027‑0.0351‑0.0327‑0.0282‑0.0050‑0.0148‑0.0169‑0.0054‑0.0086 1.00.03121‑0.1249‑0.0549‑0.0686‑0.02090.0108‑0.0214‑0.0248‑0.0303‑0.0288‑0.0086‑0.0442‑0.0309‑0.04420.0060‑0.0323‑0.0453‑0.0150‑0.0223 1.5‑0.0593‑0.124910.74380.74220.60850.0488‑0.3048‑0.2256‑0.2685‑0.25000.0132‑0.3945‑0.2541‑0.2334‑0.0018‑0.0972‑0.1169‑0.0174‑0.0745 2.0‑0.0158‑0.05490.743810.70300.63430.0570‑0.4487‑0.3821‑0.4367‑0.4126‑0.0979‑0.4677‑0.3203‑0.3071‑0.0276‑0.1630‑0.1864‑0.0362‑0.1057 2.50.0113‑0.06860.74220.703010.92680.0936‑0.7312‑0.6533‑0.7162‑0.6905‑0.3034‑0.5467‑0.3837‑0.3713‑0.0353‑0.2035‑0.2347‑0.0512‑0.1231 3.00.0294‑0.02090.60850.63430.926810.0894‑0.8240‑0.7501‑0.8184‑0.7910‑0.3799‑0.5727‑0.4082‑0.3972‑0.0458‑0.2247‑0.2559‑0.0586‑0.1326 3.50.00020.01080.04880.05700.09360.08941‑0.0619‑0.0421‑0.0383‑0.0343‑0.0121‑0.0091‑0.00540.0099‑0.00610.01590.02450.00970.0098 4.0‑0.0292‑0.0214‑0.3048‑0.4487‑0.7312‑0.8240‑0.061910.99110.99300.99290.80950.17980.21170.23370.01540.13760.16060.04620.0728 4.5‑0.0243‑0.0248‑0.2256‑0.3821‑0.6533‑0.7501‑0.04210.991110.98670.99350.87570.07650.15040.18750.00390.11060.13530.04830.0545 5.0‑0.0293‑0.0303‑0.2685‑0.4367‑0.7162‑0.8184‑0.03830.99300.986710.99810.79200.23100.23010.27790.01010.16760.20650.07520.0881 5.5‑0.0273‑0.0288‑0.2500‑0.4126‑0.6905‑0.7910‑0.03430.99290.99350.998110.82580.18030.19740.25590.00110.14580.18640.07310.0761 6.0‑0.0027‑0.00860.0132‑0.0979‑0.3034‑0.3799‑0.01210.80950.87570.79200.82581‑0.3863‑0.1358‑0.0721‑0.0426‑0.0679‑0.05950.0043‑0.0525 6.5‑0.0351‑0.0442‑0.3945‑0.4677‑0.5467‑0.5727‑0.00910.17980.07650.23100.1803‑0.386310.43150.56090.01830.28580.38130.13140.2064 7.0‑0.0327‑0.0309‑0.2541‑0.3203‑0.3837‑0.4082‑0.00540.21170.15040.23010.1974‑0.13580.431510.6835‑0.06920.19280.30680.12750.1355 7.5‑0.0282‑0.0442‑0.2334‑0.3071‑0.3713‑0.39720.00990.23370.18750.27790.2559‑0.07210.56090.68351‑0.4514‑0.20390.06330.12430.0383 8.0‑0.00500.0060‑0.0018‑0.0276‑0.0353‑0.0458‑0.00610.01540.00390.01010.0011‑0.04260.0183‑0.0692‑0.451410.46080.38420.10360.1197 8.5‑0.0148‑0.0323‑0.0972‑0.1630‑0.2035‑0.22470.01590.13760.11060.16760.1458‑0.06790.28580.1928‑0.20390.460810.78040.36770.1574 9.0‑0.0169‑0.0453‑0.1169‑0.1864‑0.2347‑0.25590.02450.16060.13530.20650.1864‑0.05950.38130.30680.06330.38420.780410.7430‑0.0772 9.5‑0.0054‑0.0150‑0.0174‑0.0362‑0.0512‑0.05860.00970.04620.04830.07520.07310.00430.13140.12750.12430.10360.36770.74301‑0.6696 10.0‑0.0086‑0.0223‑0.0745‑0.1057‑0.1231‑0.13260.00980.07280.05450.08810.0761‑0.05250.20640.13550.03830.11970.1574‑0.0772‑0.66961

(21)

表4 相関行列の固有値(超長期国債)全期間 主成分 固有値 差 寄与率 累積寄与率

1 6 . 83 3 . 86 34

34

2 2 . 97 0 . 57 15% 49%

3 2 . 40 0 . 67 12

61

4 1 . 73 0 . 40 9% 70%

5 1 . 32 0 . 31 7

76

6 1 . 01 0 . 03 5% 81%

7 0 . 98 0 . 09 5

86

8 0 . 89 0 . 33 4% 91%

9 0 . 56 0 . 05 3

94

10 0 . 51 0 . 20 3% 96%

11 0 . 31 0 . 07 2

98

12 0 . 25 0 . 15 1% 99%

13 0 . 10 0 . 04 1

99

14 0 . 06 0 . 02 0% 100%

15 0 . 04 0 . 03 0

100

16 0 . 02 0 . 01 0% 100%

17 0 . 01 0 . 00 0

100

18 0 . 00 0 . 00 0% 100%

19 0 . 00 0 . 00 0

100

20 0 . 00 0% 100%

(22)

1 . 0

0 . 5

0 . 0

0 . 5

1 . 0

相関行列

r0050 r0100 r0150 r0200 r0250 r0300 r0350 r0400 r0450 r0500 r0550 r0600 r0650 r0700 r0750 r0800 r0850 r0900 r0950 r1000

変数

1

成分 2 3

16

 スポット・レートに対する因子負荷量(超長期国債)全期間 図

15

 固有値,寄与率,累積寄与率(超長期国債)全期間

固有値

主成分 主成分

スクリープロット 説明される分散

比率

6

4

2

0

1 . 0 0 . 8 0 . 6 0 . 4 0 . 2 0 . 0

比率 累積

0 5 10 15 20 0 5 10 15 20

(23)

円金利スワップ市場

 円金利スワップ市場については,表5に,スポット・レートの変化率の 相関行列が示されている。表5の相関係数は,2014年1月24日までの計測 結果と比べて,大きく低下しマイナスの相関係数も多くみられる。このこ とから,円金利スワップ市場の共通の変動要因の影響は小さくなってい る,それぞれのスポット・レートの独自の動きが増えているのではないか と推察される。

 円金利スワップ市場におけるスポット・レート変動についての相関行列 の固有値を表6,図17に示しておいた。表6の固有値をみると,2014年1 月24日までの計測結果と比べて,第1主成分の寄与率が37%と大きく低下 している。第2主成分の寄与率7%はほぼ同じ,第3主成分の寄与率6%

はわずかに上昇している。その結果,第3主成分までの累積寄与率は50%

でしかない。累積寄与率が70%を超えるのは第7主成分まで含めた場合 と,それぞれのスポット・レートの変動の動きの共通要因が低下している ことを示している。

 図18の因子負荷量をみると,第1主成分は1

. 5年から5 . 5年までに影響を

与えているが,その他の期間への影響は小さいことがわかる。第2主成分 の影響は5

. 5年までの期間について3 . 5年を境にプラスとマイナスの影響と

なっており,5

. 5年までの期間のイールド・カーブの傾きへの影響要因と

考えられる。いずれにしても表6,図17に示されている通り,第3主成分 までの影響力が小さくなっているので,イールド・カーブの変動要因が複 雑になっていることが予想できる。

(24)

 スポット・レートの変化率の相関行列(

JPY

)全期間 0.51.01.52.02.53.03.54.04.55.05.56.06.57.07.58.08.59.09.510.0 0.51‑0.0142‑0.0442‑0.0441‑0.0437‑0.0426‑0.0469‑0.0506‑0.0456‑0.0529‑0.0653‑0.02330.0040‑0.02860.1409‑0.04270.0440‑0.00080.01850.0180 1.0‑0.014210.08420.08300.07430.06680.06140.05600.05070.04650.0286‑0.0174‑0.04420.04060.00410.01090.00110.00170.00490.0025 1.5‑0.04420.084210.94960.93410.90840.88190.84800.72170.61560.52410.08640.13910.0436‑0.03780.06680.01720.02500.03690.0242 2.0‑0.04410.08300.949610.98860.96550.94270.91030.77080.64380.55680.12160.09690.0493‑0.02190.07470.02090.03690.05000.0319 2.5‑0.04370.07430.93410.988610.99360.97900.95320.80260.67670.60510.14590.08240.0507‑0.02390.06460.02740.04420.04730.0328 3.0‑0.04260.06680.90840.96550.993610.99230.97220.81430.69120.63690.16450.06620.0498‑0.02520.05320.03230.04910.04290.0324 3.5‑0.04690.06140.88190.94270.97900.992310.99350.84760.71850.67180.17240.04520.0458‑0.03750.03060.03240.04500.02570.0254 4.0‑0.05060.05600.84800.91030.95320.97220.993510.87440.73060.69270.17530.01830.0386‑0.04980.00560.03140.03910.00670.0172 4.5‑0.04560.05070.72170.77080.80260.81430.84760.874410.55500.56200.1356‑0.01820.0161‑0.0554‑0.02500.02080.0217‑0.02110.0008 5.0‑0.05290.04650.61560.64380.67670.69120.71850.73060.555010.55720.1155‑0.0598‑0.0038‑0.0682‑0.05440.01480.0088‑0.0461‑0.0129 5.5‑0.06530.02860.52410.55680.60510.63690.67180.69270.56200.557210.0622‑0.1483‑0.0463‑0.1014‑0.11060.0065‑0.0142‑0.0950‑0.0368 6.0‑0.0233‑0.01740.08640.12160.14590.16450.17240.17530.13560.11550.06221‑0.1068‑0.0285‑0.0450‑0.05060.0016‑0.0091‑0.0376‑0.0149 6.50.0040‑0.04420.13910.09690.08240.06620.04520.0183‑0.0182‑0.0598‑0.1483‑0.106810.0576‑0.01280.00840.01150.01120.01630.0089 7.0‑0.02860.04060.04360.04930.05070.04980.04580.03860.0161‑0.0038‑0.0463‑0.02850.05761‑0.0786‑0.04760.0064‑0.0048‑0.0238‑0.0078 7.50.14090.0041‑0.0378‑0.0219‑0.0239‑0.0252‑0.0375‑0.0498‑0.0554‑0.0682‑0.1014‑0.0450‑0.0128‑0.078610.07820.02470.02390.04400.0226 8.0‑0.04270.01090.06680.07470.06460.05320.03060.0056‑0.0250‑0.0544‑0.1106‑0.05060.0084‑0.04760.078210.07390.02590.02780.0194 8.50.04400.00110.01720.02090.02740.03230.03240.03140.02080.01480.00650.00160.01150.00640.02470.07391‑0.0310‑0.0509‑0.0143 9.0‑0.00080.00170.02500.03690.04420.04910.04500.03910.02170.0088‑0.0142‑0.00910.0112‑0.00480.02390.0259‑0.03101‑0.01650.0033 9.50.01850.00490.03690.05000.04730.04290.02570.0067‑0.0211‑0.0461‑0.0950‑0.03760.0163‑0.02380.04400.0278‑0.0509‑0.016510.0602 10.00.01800.00250.02420.03190.03280.03240.02540.01720.0008‑0.0129‑0.0368‑0.01490.0089‑0.00780.02260.0194‑0.01430.00330.06021

(25)

表6 相関行列の固有値(JPY)全期間

主成分 固有値 差 寄与率 累積寄与率

1 7 . 46 6 . 14 37

37

2 1 . 33 0 . 14 7

44

3 1 . 19 0 . 10 6

50

4 1 . 09 0 . 03 5

55

5 1 . 06 0 . 03 5

61

6 1 . 03 0 . 01 5

66

7 1 . 02 0 . 05 5

71

8 0 . 97 0 . 03 5

76

9 0 . 95 0 . 06 5

80

10 0 . 88 0 . 01 4

85

11 0 . 87 0 . 07 4

89

12 0 . 81 0 . 34 4

93

13 0 . 47 0 . 05 2

96

14 0 . 42 0 . 12 2

98

15 0 . 30 0 . 19 2

99

16 0 . 11 0 . 08 1

100

17 0 . 03 0 . 03 0

100

18 0 . 01 0 . 01 0

100

19 0 . 00 0 . 00 0

100

20 0 . 00 0

100

(26)

17

 固有値,寄与率,累積寄与率(JPY)全期間

固有値

主成分 主成分

スクリープロット 説明される分散

比率

8 6 4 2 0

1 . 0 0 . 8 0 . 6 0 . 4 0 . 2 0 . 0

比率 累積

0 5 10 15 20 0 5 10 15 20

1 . 0

0 . 5

0 . 0

0 . 5

相関行列

r0050 r0100 r0150 r0200 r0250 r0300 r0350 r0400 r0450 r0500 r0550 r 0600 r0650 r0700 r0750 r0800 r0850 r0900 r0950 r1000

変数

18

 スポット・レートに対する因子負荷量(JPY)全期間

1

成分 2 3

(27)

米ドル金利スワップ市場

 米ドル金利スワップ市場におけるスポット・レート変化率の相関行列を 表7に示してある。0

. 5年と他の年限のスポット・レートの変化率の相関

係数は最大で0

. 4678と低く,それ以外の年限相互の相関係数は年限の差が

開くにつれ低くなるが1年と10年の間でも0

. 4888と0 . 5年のスポット・レー

トとの相関係数に比べると非常に高いことが示されている。

 米ドル金利スワップ市場におけるスポット・レート変動についての相関 行列の固有値を表8,図19に示しておいた。表8の固有値をみると,2014 年1月24日までの計測結果と大きな違いはない。第1主成分の寄与率が85

%,第2主成分の寄与率9%,第3主成分の寄与率4%で,第3主成分ま での累積寄与率は98%となっている。また,第3主成分の固有値が0

. 80と 1に比較的近い数字となっており,第3主成分までが大きな共通変動要因

と考えることができるだろう。

 図20の因子負荷量をみると,円金利スワップ市場ほどではないものの,

全般的に,各ファクターの0

. 5年のスポット・レートに対する影響と1年

以上のスポット・レートに対する影響とが異なっている。特に,第1と第

3のファクターについてこの傾向がよりはっきりしている。この点は,表 7のスポット・レートの相関が0 . 5年のスポット・レートと他の年限のス

ポット・レートの相関が低いことからも予想されたことである。0

. 5年以

外のスポット・レートに対する因子負荷量に注目すると,次のような特徴 がみられる。まず第1のファクターは,0

. 5年以外のスポット・レートに

対して0

. 87〜1 . 0で,円金利スワップ市場と同様5年が最大でその前後の期

間では影響が小さくなっている。非常に大雑把にみれば各スポット・レー トでほぼ同一であるから,この要因の変動はイールド・カーブの平行シフ ト要因と考えることができる。第2のファクターは,4年を境に短期のス ポット・レートほどプラスで,長期のスポット・レートほどマイナスの影

(28)

 スポット・レートの変化率の相関行列(

USD

)全期間 0.51.01.52.02.53.03.54.04.55.05.56.06.57.07.58.08.59.09.510.0 0.510.46780.42190.37160.34700.31540.31460.30530.29920.29040.28910.28610.28160.27590.26900.25980.26560.27070.26100.2490 1.00.467810.94980.87330.81640.74750.72770.69330.66800.64000.62660.61110.59390.57530.54970.52040.53690.55240.52220.4888 1.50.42190.949810.98130.94300.88370.87500.84820.82420.79690.78140.76360.74390.72260.69550.66440.68180.69800.66610.6305 2.00.37160.87330.981310.97520.92490.92480.90490.88360.85880.84280.82450.80420.78220.75590.72560.74250.75830.72720.6923 2.50.34700.81640.94300.975210.98600.97770.94610.92810.90590.89310.87790.86070.84170.81520.78450.80150.81740.78590.7503 3.00.31540.74750.88370.92490.986010.98650.94800.93330.91380.90400.89190.87780.86210.83630.80620.82280.83830.80750.7724 3.50.31460.72770.87500.92480.97770.986510.98720.97820.96360.95600.94590.93350.91910.89640.86900.88420.89810.87010.8375 4.00.30530.69330.84820.90490.94610.94800.987210.99620.98630.98060.97220.96140.94850.92900.90490.91830.93040.90580.8764 4.50.29920.66800.82420.88360.92810.93330.97820.996210.99690.99340.98690.97790.96650.95090.93030.94180.95200.93120.9053 5.00.29040.64000.79690.85880.90590.91380.96360.98630.996910.99830.99350.98600.97600.96390.94690.95660.96490.94760.9253 5.50.28910.62660.78140.84280.89310.90400.95600.98060.99340.998310.99840.99400.98690.97740.96260.97110.97810.96320.9429 6.00.28610.61110.76360.82450.87790.89190.94590.97220.98690.99350.998410.99850.99440.98710.97450.98190.98780.97500.9568 6.50.28160.59390.74390.80420.86070.87780.93350.96140.97790.98600.99400.998510.99860.99360.98310.98940.99410.98350.9672 7.00.27590.57530.72260.78220.84170.86210.91910.94850.96650.97600.98690.99440.998610.99710.98860.99380.99740.98880.9744 7.50.26900.54970.69550.75590.81520.83630.89640.92900.95090.96390.97740.98710.99360.997110.99720.99941.00000.99730.9886 8.00.25980.52040.66440.72560.78450.80620.86900.90490.93030.94690.96260.97450.98310.98860.997210.99920.99681.00000.9971 8.50.26560.53690.68180.74250.80150.82280.88420.91830.94180.95660.97110.98190.98940.99380.99940.999210.99920.99930.9933 9.00.27070.55240.69800.75830.81740.83830.89810.93040.95200.96490.97810.98780.99410.99741.00000.99680.999210.99700.9880 9.50.26100.52220.66610.72720.78590.80750.87010.90580.93120.94760.96320.97500.98350.98880.99731.00000.99930.997010.9970 10.00.24900.48880.63050.69230.75030.77240.83750.87640.90530.92530.94290.95680.96720.97440.98860.99710.99330.98800.99701

(29)

表8 相関行列の固有値(USD)全期間

主成分 固有値 差 寄与率 累積寄与率

1 17 . 10 15 . 40 85

85

2 1 . 70 0 . 90 9% 94%

3 0 . 80 0 . 55 4

98

4 0 . 26 0 . 18 1% 99%

5 0 . 07 0 . 02 0

100

6 0 . 05 0 . 04 0% 100%

7 0 . 01 0 . 00 0

100

8 0 . 01 0 . 01 0% 100%

9 0 . 00 0 . 00 0

100

10 0 . 00 0 . 00 0% 100%

11 0 . 00 0 . 00 0

100

12 0 . 00 0 . 00 0% 100%

13 0 . 00 0 . 00 0

100

14 0 . 00 0 . 00 0% 100%

15 0 . 00 0 . 00 0

100

16 0 . 00 0 . 00 0% 100%

17 0 . 00 0 . 00 0

100

18 0 . 00 0 . 00 0% 100%

19 0 . 00 0 . 00 0

100

20 0 . 00 0% 100%

響を与えている。つまりこのファクターの変動はイールド・カーブの傾き を変える(緩やかにしたり,きつくしたりする)要因であると考えることがで きる。第3のファクターは,第2のファクターに比べれば影響は小さいも

のの,0

. 5年以外のスポット・レートについて,逆の影響を与えている。

ただし,このファクターは0

. 5年のスポット・レートに対する影響が0 . 81と

非常に大きいものであるから,イールド・カーブの傾き等の形状に与える

(30)

19

 固有値,寄与率,累積寄与率(USD)全期間

固有値

主成分 主成分

スクリープロット 説明される分散

比率

15

10

5

0

1 . 0 0 . 8 0 . 6 0 . 4 0 . 2 0 . 0

0 5 10 15 20 0 5 10 15 20

比率 累積

1 . 00

0 . 75

0 . 50

0 . 25

0 . 00

0 . 25

相関行列

変数

20

 スポット・レートに対する因子負荷量(USD)全期間

r0050 r0100 r0150 r0200 r0250 r0300 r0350 r0400 r0450 r0500 r0550 r0600 r0650 r0700 r0750 r0800 r0850 r0900 r0950 r1000

1

成分 2 3

(31)

影響要因というよりは,0

. 5年のスポット・レートの独自の変動要因と考

えるべきであろう。この点も円金利スワップ市場の場合と同様である。

2014年 1

月24日以前の変動パターン 長期国債流通市場

 表9の長期国債の相関行列をみると,0

. 5年のスポット・レートと他の

年限のスポット・レートの相関が,0

. 5年と1 . 5年のスポット・レートの相

関係数が0

. 7548と高いのを例外として,すべてマイナスと低い相関を示し

ていることがわかる。2

. 5年以降のスポット・レートの変化率の相関係数

は比較的高く,この年限以降の動きには共通要因があるかもしれない。

 表10の固有値スポット・レートの変化率の相関行列の固有値をみると,

長期国債については,第1主成分の固有値が14

. 42,寄与率が72%,第2

主成分,第3主成分は固有値がそれぞれ2

. 10,1 . 65,寄与率も10%,8%

と,第1主成分の影響が大きく,第3主成分までの影響が91%であること から,各主成分の固有値の推移と,寄与率,累積寄与率を図示した図21と あわせてみると第3主成分まででイールド・カーブの変動パターンをほぼ 説明できると考えてよいだろう。

 図22の因子負荷量をみると,各ファクターの2年までのスポット・レー トに対する影響とそれ以降の年限のスポット・レートに対する影響とが異 なっている。第1主成分は2年から3年の負荷量は少し低いもののその後 は,かなり1に近く全体的に同様の影響を与えているとみることができ る。一方,第2主成分と第3主成分は2年までのスポット・レートへの効 果は同じような傾向であるのに対し,2年以降は5

. 5年から6年あたりを

境にして第2主成分はマイナスからプラスへ,第3主成分はプラスからマ イナスへと負荷量が推移している。つまり,これらの主成分はイールド・

カーブの傾きに影響を与える共通要因と考えられるが,その影響の方向が 全く逆になっているという複雑な変化を示している。

(32)

 スポット・レートの変化率の相関行列(長期国債)

2014

24

日以前 0.51.01.52.02.53.03.54.04.55.05.56.06.57.07.58.08.59.09.510.0 0.51‑0.07940.7548‑0.2348‑0.0807‑0.0440‑0.0445‑0.0424‑0.0395‑0.0362‑0.0330‑0.0299‑0.0274‑0.0264‑0.0273‑0.0292‑0.0309‑0.0317‑0.0308‑0.0272 1.0‑0.07941‑0.03310.04730.07060.06830.05070.03910.03800.03810.03430.02910.02430.02020.01650.01280.00850.0033‑0.0032‑0.0113 1.50.7548‑0.03311‑0.3695‑0.1485‑0.0936‑0.0984‑0.0954‑0.0899‑0.0856‑0.0835‑0.0811‑0.0784‑0.0768‑0.0771‑0.0780‑0.0782‑0.0770‑0.0732‑0.0657 2.0‑0.23480.0473‑0.369510.90190.84520.80770.75250.73350.71110.67180.62750.58970.56420.55160.54570.54150.53580.52520.5047 2.5‑0.08070.0706‑0.14850.901910.98440.90770.82680.81340.79550.74530.68410.62990.58980.56320.54390.52680.50850.48590.4546 3.0‑0.04400.0683‑0.09360.84520.984410.95320.88470.87340.85680.81050.75260.69950.65870.63030.60840.58830.56690.54110.5066 3.5‑0.04450.0507‑0.09840.80770.90770.953210.98220.97070.95200.92270.88550.84760.81600.79210.77200.75200.72970.70270.6662 4.0‑0.04240.0391‑0.09540.75250.82680.88470.982210.99400.97810.96030.93560.90660.88020.85880.83960.81970.79740.77040.7341 4.5‑0.03950.0380‑0.08990.73350.81340.87340.97070.994010.99440.98070.95590.92540.89780.87620.85750.83850.81720.79110.7555 5.0‑0.03620.0381‑0.08560.71110.79550.85680.95200.97810.994410.99340.97190.94290.91620.89550.87790.86000.83970.81460.7797 5.5‑0.03300.0343‑0.08350.67180.74530.81050.92270.96030.98070.993410.99200.97330.95320.93620.92040.90320.88310.85810.8231 6.0‑0.02990.0291‑0.08110.62750.68410.75260.88550.93560.95590.97190.992010.99430.98300.97090.95730.94090.92070.89530.8599 6.5‑0.02740.0243‑0.07840.58970.62990.69950.84760.90660.92540.94290.97330.994310.99680.98960.97870.96360.94390.91850.8827 7.0‑0.02640.0202‑0.07680.56420.58980.65870.81600.88020.89780.91620.95320.98300.996810.99760.99020.97770.95980.93530.8996 7.5‑0.02730.0165‑0.07710.55160.56320.63030.79210.85880.87620.89550.93620.97090.98960.997610.99730.98900.97460.95250.9178 8.0‑0.02920.0128‑0.07800.54570.54390.60840.77200.83960.85750.87790.92040.95730.97870.99020.997310.99700.98750.96940.9371 8.5‑0.03090.0085‑0.07820.54150.52680.58830.75200.81970.83850.86000.90320.94090.96360.97770.98900.997010.99650.98410.9567 9.0‑0.03170.0033‑0.07700.53580.50850.56690.72970.79740.81720.83970.88310.92070.94390.95980.97460.98750.996510.99520.9756 9.5‑0.0308‑0.0032‑0.07320.52520.48590.54110.70270.77040.79110.81460.85810.89530.91850.93530.95250.96940.98410.995210.9920 10.0‑0.0272‑0.0113‑0.06570.50470.45460.50660.66620.73410.75550.77970.82310.85990.88270.89960.91780.93710.95670.97560.99201

(33)

10

 相関行列の固有値(長期国債)

2014

年1月

24

日以前 主成分 固有値 差 寄与率 累積寄与率

1 14 . 42 12 . 32 72

72

2 2 . 10 0 . 45 10% 83%

3 1 . 65 0 . 66 8

91

4 0 . 99 0 . 61 5% 96%

5 0 . 38 0 . 14 2

98

6 0 . 24 0 . 15 1% 99%

7 0 . 09 0 . 02 0

99

8 0 . 07 0 . 03 0% 100%

9 0 . 04 0 . 03 0

100

10 0 . 01 0 . 01 0% 100%

11 0 . 00 0 . 00 0

100

12 0 . 00 0 . 00 0% 100%

13 0 . 00 0 . 00 0

100

14 0 . 00 0 . 00 0% 100%

15 0 . 00 0 . 00 0

100

16 0 . 00 0 . 00 0% 100%

17 0 . 00 0 . 00 0

100

18 0 . 00 0 . 00 0% 100%

19 0 . 00 0 . 00 0

100

20 0 . 00 0% 100%

(34)

21

 固有値,寄与率,累積寄与率(長期国債)

2014

年1月

24

日以前

固有値

主成分 主成分

スクリープロット 説明される分散

比率

15 . 0 12 . 5 10 . 0 7 . 5 5 . 0 2 . 5 0 . 0

1 . 0 0 . 8 0 . 6 0 . 4 0 . 2 0 . 0

0 5 10 15 20 0 5 10 15 20

比率 累積

1 . 0

0 . 5

0 . 0

0 . 5

相関行列

変数

r0050 r0100 r0150 r0200 r0250 r0300 r0350 r0400 r0450 r0500 r0550 r0600 r0650 r0700 r0750 r0800 r0850 r0900 r0950 r1000

1

成分 2 3

22

 スポット・レートに対する因子負荷量(長期国債)

2014

年1月

24

日以前

(35)

超長期国債流通市場

 表11の長期国債の相関行列をみると,2年までのスポット・レート相互 の相関が低い値を示していることがわかる。2年以降のスポット・レート の変化率の相関係数は比較的高く,この年限以降の動きには共通要因があ るかもしれない。

 ついで表12のスポット・レートの変化率の相関行列の固有値をみると,

第1主成分の固有値が14

. 07,寄与率が70%,第2主成分,第3主成分は

固有値がそれぞれ3

. 78,1 . 04,寄与率も19%,5%であり,第3主成分ま

での累積寄与率も94%なので,各主成分の固有値の推移と,寄与率,累積 寄与率を示した図23からみても第3主成分までをイールド・カーブの変動 パターンを決定する共通要因と考えてよいだろう。場合によっては第2主 成分まででも十分かもしれない。

 図24の因子負荷量をみると,70%と最も寄与率の高い第1主成分は1

. 5

年以降が0

. 5を上回っており,3 . 5年以降にほぼ同じような影響があること

がわかる。第2主成分は1

. 5年以降の年限に関して5 . 5年から6年あたりを

境にしてマイナスからプラスに転じていることから,5

. 5年あたりを中心

にイールド・カーブの傾きに影響を与える要因と考えることができる。第

3主成分は,0 . 5年のスポット・レートに1近い影響を与えているものの,

その他の年限への影響は大きくないことから,0

. 5年のスポット・レート

の変動要因と考えることができる。

(36)

11

 スポット・レートの変化率の相関行列(超長期国債)

2014

24

日以前 0.51.01.52.02.53.03.54.04.55.05.56.06.57.07.58.08.59.09.510.0 0.51‑0.0785‑0.0854‑0.1010‑0.0377‑0.01180.01190.02270.01910.01700.02060.02620.03090.03330.03330.03190.03000.02840.02810.0297 1.0‑0.07851‑0.5604‑0.5501‑0.5772‑0.4950‑0.3721‑0.3165‑0.3151‑0.2920‑0.2443‑0.1985‑0.1607‑0.1285‑0.0978‑0.0661‑0.03250.00280.03830.0713 1.5‑0.0854‑0.560410.98740.97750.90790.73060.60800.61550.61050.54430.46070.38840.33310.28950.25010.21050.16930.12730.0872 2.0‑0.1010‑0.55010.987410.98670.93760.79830.68840.69200.68210.62140.54620.47990.42820.38640.34760.30770.26520.22130.1791 2.5‑0.0377‑0.57720.97750.986710.97030.82280.69780.70450.69900.63580.55510.48420.42940.38620.34720.30790.26660.22420.1835 3.0‑0.0118‑0.49500.90790.93760.970310.91820.80550.80880.80200.74830.67800.61340.56280.52360.48890.45410.41700.37810.3402 3.50.0119‑0.37210.73060.79830.82280.918210.96920.95670.93140.90180.86570.82640.79150.76250.73540.70620.67320.63700.6009 4.00.0227‑0.31650.60800.68840.69780.80550.969210.98790.95740.94140.92270.89600.86930.84590.82310.79760.76760.73370.6994 4.50.0191‑0.31510.61550.69200.70450.80880.95670.987910.98970.97540.94900.91440.88270.85800.83610.81250.78480.75310.7204 5.00.0170‑0.29200.61050.68210.69900.80200.93140.95740.989710.99170.96320.92480.89110.86670.84650.82550.80070.77190.7417 5.50.0206‑0.24430.54430.62140.63580.74830.90180.94140.97540.991710.98870.96300.93750.91830.90170.88340.86060.83340.8044 6.00.0262‑0.19850.46070.54620.55510.67800.86570.92270.94900.96320.988710.99240.97860.96600.95300.93660.91480.88800.8595 6.50.0309‑0.16070.38840.47990.48420.61340.82640.89600.91440.92480.96300.992410.99640.98950.97980.96520.94440.91830.8905 7.00.0333‑0.12850.33310.42820.42940.56280.79150.86930.88270.89110.93750.97860.996410.99790.99150.97950.96090.93660.9103 7.50.0333‑0.09780.28950.38640.38620.52360.76250.84590.85800.86670.91830.96600.98950.997910.99770.98960.97480.95390.9306 8.00.0319‑0.06610.25010.34760.34720.48890.73540.82310.83610.84650.90170.95300.97980.99150.997710.99710.98740.97150.9523 8.50.0300‑0.03250.21050.30770.30790.45410.70620.79760.81250.82550.88340.93660.96520.97950.98960.997110.99660.98670.9725 9.00.02840.00280.16930.26520.26660.41700.67320.76760.78480.80070.86060.91480.94440.96090.97480.98740.996610.99670.9881 9.50.02810.03830.12730.22130.22420.37810.63700.73370.75310.77190.83340.88800.91830.93660.95390.97150.98670.996710.9973 10.00.02970.07130.08720.17910.18350.34020.60090.69940.72040.74170.80440.85950.89050.91030.93060.95230.97250.98810.99731

(37)

12

 相関行列の固有値(超長期国債)

2014

年1月

24

日以前 主成分 固有値 差 寄与率 累積寄与率

1 14 . 07 10 . 29 70

70

2 3 . 78 2 . 74 19% 89%

3 1 . 04 0 . 45 5

94

4 0 . 58 0 . 31 3% 97%

5 0 . 27 0 . 15 1

99

6 0 . 12 0 . 03 1% 99%

7 0 . 09 0 . 03 0

100

8 0 . 05 0 . 05 0% 100%

9 0 . 01 0 . 00 0

100

10 0 . 00 0 . 00 0% 100%

11 0 . 00 0 . 00 0

100

12 0 . 00 0 . 00 0% 100%

13 0 . 00 0 . 00 0

100

14 0 . 00 0 . 00 0% 100%

15 0 . 00 0 . 00 0

100

16 0 . 00 0 . 00 0% 100%

17 0 . 00 0 . 00 0

100

18 0 . 00 0 . 00 0% 100%

19 0 . 00 0 . 00 0

100

20 0 . 00 0% 100%

(38)

23

 固有値,寄与率,累積寄与率(超長期国債)

2014

年1月

24

日以前

固有値

主成分 主成分

スクリープロット 説明される分散

比率

12 . 5 10 . 0 7 . 5 5 . 0 2 . 5 0 . 0

1 . 0 0 . 8 0 . 6 0 . 4 0 . 2 0 . 0

0 5 10 15 20 0 5 10 15 20

比率 累積

24

 スポット・レートに対する因子負荷量(超長期国債)

   

2014

年1月

24

日以前

1 . 0

0 . 5

0 . 0

0 . 5

相関行列

変数

r0050 r0100 r0150 r0200 r0250 r0300 r0350 r0400 r0450 r0500 r0550 r0600 r0650 r0700 r0750 r0800 r0850 r0900 r0950 r1000

1

成分 2 3

(39)

円金利スワップ市場

 相関行列の固有値の推計結果を表13に示しておいた。表14と図25の固有 値をみると,第1主成分と第2主成分では固有値にかなりの違いがあるも のの,第3主成分までが1に比較的近い数字となっており,加えて寄与率も 第1主成分が84%,第2主成分が7%,第3主成分が4%を占め,第3主成 分までの累積寄与率が96%を占めている。このことから,第3主成分までを イールド・カーブの変動パターンを決定する共通要因と考えてよいだろ う。

 図26の因子負荷量をみると,円金利スワップ市場でのスポット・レート 変化については,全般的に0

. 5年のスポット・レートに対する因子負荷量

が,他の年限のスポット・レートに対するものと大きく異なっている。つ まり,各ファクターの0

. 5年のスポット・レートに対する影響と1年以上

のスポット・レートに対する影響とが異なっている,別の視点からみると

0 . 5年とその他のスポット・レートは異なった動きをしているということ

もできるだろう。これは図10に示した1年ごとのイールド・カーブの動き も,すべての期間ではないが0

. 5年のスポット・レートを軸に回転してい

る場合があったことと無関係ではないだろう。また,表5のスポット・レ ートの変化率の相関行列(

JPY

)のスポット・レートの相関が0

. 5年のスポ

ット・レートと他の年限のスポット・レートの相関が極端に低いことから も,考えられることであろう。

 図26の0

. 5年以外のスポット・レートに対する因子負荷量に注目すると,

次のような特徴がみられる。まず第1のファクターは,

5年が最大でその前

後の期間では影響が小さくなっているものの,特に1

. 5年以降のスポット・

レートに対して0

. 8〜1 . 0で,非常に大雑把にみれば各スポット・レートでほ

ぼ同一であるから,この要因の変動はイールド・カーブの平行シフト要因 と考えることができる。第2のファクターは,

4 . 5年を中心に短期のスポッ

(40)

13

 スポット・レートの変化率の相関行列(

JPY

)

2014

24

日以前 0.51.01.52.02.53.03.54.04.55.05.56.06.57.07.58.08.59.09.510.0 0.510.18370.16710.14330.12100.10330.09050.07930.07040.06240.05550.04910.04550.04140.04250.04210.04170.04120.04100.0402 1.00.183710.78140.71210.69980.67950.64840.61940.61820.61180.60100.58920.54250.49650.54090.57340.57460.57300.54520.5176 1.50.16710.781410.92490.91060.88630.85590.82480.81050.79180.77390.75560.72370.68330.70550.71080.70570.69790.68010.6585 2.00.14330.71210.924910.98560.95970.93710.91050.89050.86620.84490.82360.80100.76460.77620.76690.75850.74730.74040.7265 2.50.12100.69980.91060.985610.99330.97960.95950.94500.92480.90620.88690.86330.82510.83920.83080.82200.81020.80150.7855 3.00.10330.67950.88630.95970.993310.99280.97770.96740.95050.93420.91670.89300.85420.86970.86210.85310.84100.83130.8142 3.50.09050.64840.85590.93710.97960.992810.99580.98740.97220.95910.94430.92390.88690.90230.89310.88500.87370.86650.8511 4.00.07930.61940.82480.91050.95950.97770.995810.99350.97990.96960.95710.93920.90370.91910.90920.90190.89130.88580.8716 4.50.07040.61820.81050.89050.94500.96740.98740.993510.99620.99020.98120.96320.92770.94800.94230.93390.92200.91510.8996 5.00.06240.61180.79180.86620.92480.95050.97220.97990.996210.99750.99150.97350.93810.96220.96020.95120.93870.93060.9143 5.50.05550.60100.77390.84490.90620.93420.95910.96960.99020.997510.99820.98210.94810.97510.97540.96750.95600.94860.9329 6.00.04910.58920.75560.82360.88690.91670.94430.95710.98120.99150.998210.98550.95300.98220.98440.97760.96700.96020.9449 6.50.04550.54250.72370.80100.86330.89300.92390.93920.96320.97350.98210.985510.99050.99580.97440.96700.95600.95560.9456 7.00.04140.49650.68330.76460.82510.85420.88690.90370.92770.93810.94810.95300.990510.98590.94630.93880.92770.93170.9256 7.50.04250.54090.70550.77620.83920.86970.90230.91910.94800.96220.97510.98220.99580.985910.98690.98200.97320.97370.9647 8.00.04210.57340.71080.76690.83080.86210.89310.90920.94230.96020.97540.98440.97440.94630.986910.99770.99120.98730.9749 8.50.04170.57460.70570.75850.82200.85310.88500.90190.93390.95120.96750.97760.96700.93880.98200.997710.99790.99330.9802 9.00.04120.57300.69790.74730.81020.84100.87370.89130.92200.93870.95600.96700.95600.92770.97320.99120.997910.99480.9810 9.50.04100.54520.68010.74040.80150.83130.86650.88580.91510.93060.94860.96020.95560.93170.97370.98730.99330.994810.9956 10.00.04020.51760.65850.72650.78550.81420.85110.87160.89960.91430.93290.94490.94560.92560.96470.97490.98020.98100.99561

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