「日本型高齢化社会」における住生活(1) : 高齢者住居の現状と方向
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(2) . 「日本型高齢化社会」 における住生活( 1 ) -- 高齢者居住の現状と方向 --. 関. 1. 問. 題. 提. 谷. 嵐. 子. 起. 日本社会では, 人口の高齢化が急速に進行している, それは, 近い将来, 高齢者の扶養◎介護の費用 とサー ビスが重圧となって, 個人的にも社会的に. ものしかかってくる状況の到来を予知させるものである, またそれは, 高齢者を含む社会構造へと, 生活条件を変更していく必要性を示唆している.. 今日提言 されている多くの論の志向方向は, 高齢化社会における生活条件形成への総合的な政策 1 対応が, 緊急の課題であるという認識から出発している注 . ところで, 従来, わが国では, 北欧社会の老齢保障の歴史 が, 先行的なものとして研究対象にさ れ, また政策の範にされようとしてきた時期 が長い, 近年それは, 反省と批判をともなってきた,. その理由は, 一 つには, 北欧諸国における社会保障費負担の重圧 が問題化 しているが, 我 が国で も近い将来に, 同じ性質の問題 が発生することが予測され, それの回避が必要 になっ てきたからで あ る,. 他の理由 は, 北欧社会の 「老人の孤独さ」 への批判ともいえる. これは, 日本社会における ひと びとの老後 には, 北欧社会と別の生活形態への可能性 があるのではないか, という思し・いれであり,. それへの模索 は, おもに次の方向でおこなわれている. ヨーロッパ 諸国やアメリカでは, 高齢者の生活 は, 子世帯と, 経済的にも消費上も独立している. そのため, 日常生活や心理面で, 自立的ではあるが孤独な老人像が多数うまれ, それは, 制度や施. 設の完備というハー ド面での老人の生活保障が, 生活実態として問題を持 つのではないか, という 問題点を浮き上が らせた.. わ が国では特に, この自立の側面よりも, 「さび しそうな」側面が注目される傾向をもつが, それ は, 世論形成に際して取りあげられるだ けでない. 政策立案 における日本型高齢者対策の基本とし て, 「親孝行」 という好ましいイメージをとも なう 「同居」 が, 推進されるのである,. その際, 従来の行政調査の多く が結論としている高齢者の同居志向は, データとして絶対的な強 みをも って利用 される. すなわち, これからの家庭生活の型 は, 「多くの老人が希望する(から)子 どもとの同居」 が, 日本社会における高齢者対策の将来像の基本である, という直接的なむすびつ きで論じられる性格を持っ ている.. だが, 現代家族の変容のなかで, 従来型の価値意識によるそうした将来を展望出来るものかどう か, 問い直すことが必要である. このことは, 家計構造や, 家族問題や婦人の地位問題を少 しひも 65.
(3) . 関 谷 嵐 子. とけば, 不可避的な疑問点として浮かんでくる, その疑問点の一 つは, いうまでもなく, 日本社会での選択されやすい前提として, 高齢期同居が , 家制度における男系子同居の慣習 に依拠 した価値判断をともなっ ていることにある. これは 所得 , 能力の低い老人の経済的安定を充 たすものとして位置づ けられるとともに, 同居女性による家庭内 老人介護を当然とする規範的価値判断と, 直線的に結びついている. その際, 心情的にも, 諸国の 「孤独な老人」 への日本人的な批判感覚が, ストレートにこうした 同居 につながる世論を形成する.. 第二 は, この第一の点を主張するため に, 現代の家族の形である核家族を, 時にネガティ ブ に評 価する傾向が存在することである.. 現代の核家族の日常を, ことさらにそのマイナス面 につし・て, 判 断し批判 し, 現代女性の日常活 動や育児方法 への非難 にまで拡大 しやすいこの風潮 は, 教育論や家族危機論などの形での世論を, きわめて形成 しやすい. 第三 に, これらの 「同居」 政策 は, 社会保障制度財政の膨張の抑制手段と して推進される状況に あるが, これには, 新 しい総合的な政策の展開をともすれ ば消極的にする可能性がひそんでいる , と い える.. 現代家族で は, 子女の教育費用 の負担が不可避的に増大 し, そのなかで, 個別世帯が高齢者を支 え切ることは, 困難になっ てくるが, そこでは, 高齢者の生活保障 の手段として, また 高齢者の , 扶養義務を持 つ世帯を維持するために, 年金だ けでなく, 介護サー ビス供給などの面で 幾多の政 , 策を制度化 していくことも必要である. が, 高齢者対策の立案の基礎として, ともすれば従来の 在宅扶養的な家族機能 の存在が想定さ , れ, そこに 「財政難」 が加 わると, 政策を新たに総合的 に編成 しなおすことは不充分 になり また , これまでの政策 に新しいサー ビスを追加的に設定してゆくことも, 消極的になりやすい. 現在 はややもすれば, 経済能力や身体的自立能力 の低し・高齢者の在宅扶養 は, 本稿の後段で分析 するように, せいぜい住宅の老人 同居割増融資等を提供する形で, 個別世帯 にまかされており そ , れが生みだす世帯機能 の緊張や崩壊を阻止する条件の整備 は, 殆 どおこなわれていない,. しかし, 現実性のある提言として登場 している「日本型高齢化社会」論が, いずれも, 高齢者(が , そして, の) , 在定扶養と施設扶養を多様 に流動的に選択する型, あるいは, それまでの家族的な居 住関係を保ちなが ら加齢ニーズを社会的サー ビスで補完し充たしていく型 という方向を示唆 して , 2 い る こ と はあ き ら か で あ る注 ,. さて, こうした日本型高齢化社会 への模索の具体化の一 つとして, 今後, 高齢者の日常生活のう ち, 特にその場所である住状況に何が求められるか, というの が, 本稿の問題意識である. この問題 の中には, 上述 の施設扶養か在宅扶養か, といっ た選択の論もあり 同居と別居 につい , ての家族論や世 帯論からの問題提起もあろうし, 地域社会 における高齢者 (および高齢者を含む). 世帯を, 福祉行政や住宅行政のなかでどう位置 づ けるか, といういわゆるノーマライ ゼーショ ンの 問題もある, が, 住生活問題としては, 世帯の「いれもの」 , つまり, 住宅市場で提供され世帯が選択する住宅 ド ハー の諸状況とその利用のし方 (ソフト) の検討 が, まずある.. それには, 例 えば, 老人室と他 の空間との住関係, 廊下の幅, 内外の段差, 手すりの有無 車椅 , 子の使用の可能性, 日照などのさま ざまな問題があり, それらハー ドが, どのような経済的支出と. 経済的手段 において個々の世帯によって調達されるか, の問題がある, それ は, 住宅のソフト面である, 高齢者の住環境や住ま い方(生活行動や家族関係など) 家庭経 , 66.
(4) . 「日本型高齢化社会」 における住生活 ( 1 ). 済のかたち (消費における家計の共同と分担) , などの, 住生活の内容にも, 視野を集中させる, これらは, 高齢者住宅の供給の具体化 にあたって, ようやく論じ始められた事柄である, したがっ 3 て, 論としても政策の原点としても, まだ未確定である側面が少なくない注 .. そこで本稿 は, 高齢者を含む住生活 について, とりわ け, そのソフト面の現状の一端 について, 増改築や住宅ローンな ど, 住宅市場 における商品の購入の諸形態も含め, 問題点をあきらかにする. ことを課題とする, 住宅ハー ドそれ自体 は, 建築学における平面計画論的な研究の集積も出来つつあり, それらはさ 4 しあたり, 筆者の専門外であるから, 触れない注 .. 顔 分 析 の 起 点 高齢者の住生活の分析に際して は, 第一の軸を, 世帯の住宅所有関係別に, 第二の軸を, その住 宅所有関係の別と家族構成類型とを組合せた点に, おくことが必要である. その理由は, 一 つは, 一般的に住宅事情の分析には, 所有関係別の類型化が問題点の現状を最も きわ だ た せ る か らで あ る.. 二つには, 働きざかりの世帯が経済的にまたは介助介護の面で, 同居などの形で高齢者を含み得 るか どうか, あるいはその含み方 がどうであるか, を住宅平面を手がかりに考察することが, 第一 の点からの展開 として可能だからである,. 分析に入るに先立ち, 今日すでに予想されあるいは確認されている, 高齢者の住生活の問題状況. につ い て の べ て お く.. それらは, 次の諸点が複合してあらわれていることが多 い.. ◎住定の絶対的な狭さによるもの. 一住宅の平面面積が, 例えば4 0m2以下であっ たり,2室以下であるなど, 住宅そのものの機能が 絶対的な狭さのために限界に到達 しやすい場合. あるいは, 面積に比して家族員数 が多 かっ たり, 家族構成が複雑 な場合. ・ミだし」 やすい. これらの場合, 高齢者 は家族との住生活から, 実態的にも心理的にも, 「 ノ そこでは老人世帯と子世帯とが, 別の住宅で核家族化するか, その分化 が不可能で同居のまま家. 族関係の深刻 な緊張が継続するか, といっ た状況を発生しやすい. ◎高齢者の就寝空間などの不安定性. 狭小過密な住状況の場合, 同居しても, 高齢者の, 就寝空間や昼間いる場所が安定しない. 専用の老人室は確保出来ず, 家族の誰かと共用する就寝空間も, 不安定である, また特 に, 教育 期にある孫世代との, 空間の取りあいによる摩擦が発生しやすい. ◎老人室など老人空間の不適切性 老人室があっても, その空間 が, 広さ, 他の空間との位置関係の点で, 不適切なことが往々ある, 本来老人室として作られた部屋も, 長期的な年齢移行によって, 就寝室とトイレとの階差やトイ レ への距離な ど, 不適な状況 が大きくなる, また, 「寒い」 住宅や 「暑い」 住宅 は, 一般 に居住性 が低いが, 高齢者の場合それはとくに, 身体. 67.
(5) . 関 谷 嵐 子. 的な不適応を大きくする. 北海道 における, 居住歴の長い 高齢核家族 の住む老朽住宅は そうし , , た一例である. が, 他方で, 「日当りの良い快適な老人室」を整備 し十二分なサー ビスをおこなうことも 老人の , 心理的な自立性を失わせるきっ かけになる, という. し た が っ て, ジ ェ ロ ソ トロ ジ ー の 領 域 で は 住 宅 の ハ ー ドと ソ フ ト に お ける 「老 人 工 学 的」 (仮 , ,. 称)な, あるい は老人心理学的な研究 の展開が, 今後の課題の一 つなのであろう (但し本稿 はこれ . らに立ち入る予定 はない,) ◎住 宅内における生活機能の家族との共用 従来の同居 において は, 各種の生活設備を, 家族が一緒に利用する生活形態が一般的であっ た . 消費を分離すること は, 「水臭い」 とされた. が, 生活パターンの違う若い世代と 台所 風呂 洗面所 トイ レなどを共用することによる , , , , , 両者 からの不便と不満 は, 近年, 生活時間の使い方や消費手段 の選択の多様化 (すなわち生活の個 人化) がすすむにともなっ て, 大きく顕在化 してきた.. 今後, この傾向 はさらに強まるであろう. したがっ て, 同一家屋内でも, 老人の生活部分や生活機能は 相対的に分離したほうが 家族緊 , , 張は回避されうる し, 各世代の消費生活が充足する といえる. また その方が老人の日常自立力 , , は長く残る可能性を持 つ, ともいえる. その意味で, こうした機能 分離が可能であるような住宅 の平面量の確保が 高齢化社会にお ける , 住宅政策の一 つの必要条件 になることはあきらかである. ◎日常起居と危険 老人の身体事故の大半 は住宅内で発生している.. 階段 の昇降, 住宅内や外ま わりの段差, 床面や風呂場など 老人が けがをしやすい条件 をしやす の住宅 が , 少 なくない, これらの安全 への配慮だ けでなく, 車椅子の通行が可能であるような平面計画や 暖房や調理熱 , 源 の安全性の計画も, これか らの課題である. が, 個々の住宅 においてそれら は殆 ど無策 の状況で あ る.. ◎調理と食事 調理と食事の設備や献立 内容などの不満 は, 生活の個人化傾 向のなかでも特 に大きい . とりわ け, 若い世代が調理をする家族一緒の献立 は 老人にとっ ては不適な場合があり それが , , 不満を蓄積させることもある (逆 に, 老母が調理を担当すれば 若い世代の不満が蓄積される傾向 , がある) .. それらの緊張がなくとも, 老人が時 に自由に利用出来る生活設備 特 に調理設備などは 日常生 , , 活の自立性を長く残す手 段として, 必要 な条件の一 つであろう. 但 しこのこと は 常に子世帯との , 食事の分離が必要である, ということ には勿論ならない. ◎住 宅における介助機能や設備の不備. 住宅内の高齢者 の日常で は, 加齢ととも に徐々 に自立性が低下する 病気や けがを契機となって , 介助の必要 が増大することも多 い. 68.
(6) . 「日本型高齢化社会」 における住生活 ( 1 ). このような変化に応 じて, 既存住宅のハー ド部分 が次第に不適当になっ てくる, その際, 必要箇 所 に手 すりをつけるなどの簡単な設備の追加で, ニーズが充足される場合もある,. が, 同じ室内に介助者 が就寝したり, 立ち働く空間が必要になっ た場合, 室や廊下を拡張するこ とは面倒な事柄である, 多くの場合, 老人も介助者も, 不便な態勢のまま時間を経過 させていく傾 向にある, こうしたニーズの変化に対応する弾力性を, 住宅内のハー ドにあらかじめ組み入れた平面計画を 実現する経済的条件 は, こんにちの持家世帯の多くには存在しない, この点も, 今後, 住宅平面量 の最低限を上昇させる政策的必要を, 示唆するものである.. さて, 以上のような家族周期段階の移行によってうまれる平面計画の個別ニー ズや個別選択は, 特にそれらの追加や変更的なニーズは, どのような世帯状況において最も充足されやすいであろう か.. 通常, それは, 一戸建の持家世帯の場合に, 最も高い可能性を持つと考 えられる, 後述するように, こん にち, 高齢期世帯や老人を含む三世代世帯のかなりの割合 が持家層である から, その意味で老人を同じ住生活の内部に含 むことへの適応は, 一般的 にはさして小さくない, と い える かも 知 れ な い,. が, 持家の平均規模 は, 他の所有関係の住宅より大 きいが, その住宅の状況と家族関係の実状と をあわせて検討すると, 持家においてもニー ズの充足に限界のある世帯が多い, というべきであろ う.. それでも, 非持家群 が, 「住み続 けることが出来る」◎ 「住み続 けたい」 という安定感にも, 財産 形成の充足感にも欠 けている ばかりでなく, 加齢にともなってうまれてくる新たな住ニーズを充た しにくいことを考慮すれ ば, 持家層の老人層 に相対的な満足感 があるのは, あきらかである.. 1 住宅所有関係から見た高齢者の住 状況 1 1 世帯の住宅の所有関係 は, 大別して持家, 民間借家, 公共借家, 給与住宅に分類される. それは, さらに供給主体や構造や設備状況別に分 けられ, 世帯群はそれぞれ, 表1のような分布 にある (後段の資料分析のために, 「札幌中心市」 のデータを併記 した) .. 表1 によれ ば, 現在の日本の普通世帯のうち, 持家層 は約60%, 民間借家層 は約26%, 公営住宅 層 は約5%, 公団住宅層 は約2%, 給与住宅層 は約6%である,. 中心となる持家層のうち,9割近く が, 一戸建住宅であり, おそらくその多くは, 広狭 はあるにせ. よ, 庭付きである. 1のように, 世帯主の年齢 こうした住宅所有関係を, 世帯主の年齢別と家族構成別に見る と, 表1 が上昇するほど持家率が上昇し(特に40齢代以降) , 50歳以上世帯では, 全国では77%以上に到達. 1 1 ) から見る と,65歳以上の者のいる世帯は21 していることが指摘される,また, 世帯のかたち (表1 2%)で, 三世代世帯では,核世帯 に比較して持家率が高い傾向 にある.それぞれの所 %(札幌中心市1. 有関係別の, 世帯主夫婦を中心とした三世代同居の比率 は最小限にみつもっ て,平均で5 ,7%, 持家 8,5%, 公営住宅2%, 公団住宅1,4%, 民間借家 (木造設備専用)1.6%,民間借家(木造設備共用) 9%な どである. 2%, 民間非木造0.5%, 給与住宅1 0. .7%, 札幌中心市2. 以上の数字の限りでいえば, 高齢者の住宅問題の数的中心は, 持家の問題である. が, 数的に圧倒的に大きい ということは同時に, その内容が質的に多様であることも物語る, 平. 69.
(7) . 関 谷 嵐 子 表1. 住宅所有関係別世 帯概数 (%) 札幌中心 全国 世帯種類 概数(%) 市 (%) 同延面積 z 1 0 0 0 普通世帯 100.00 63.35r n .0 59.90 41.47 96.16 持 家 (52.60) うち一戸建木造 3.87 42.91 5.30 公営住宅 2.23 2.22 44.40 公団住宅 民間借家 (18.39 ) 30.38 43.09 木造・設備専用 17.09 木造・設備共用 ( 3 6 1 ) , 3.96 43.40 非木造・設備専用 ( 3, 68 ) 17.51 ( 0 ) 非木造・設備共用 25 . 5.67 給与住宅 7.71 58.28 0,36 同 居 0.40 その他 0.81. 総理府 『住宅統計調査』(昭和53年). 表1 1 年齢別住宅所有関数 (%) 年 持 公営公団 民 民 民間非設専 給与住宅 民間井 同 非 間 間 齢階 木 木設 住 住宅住宅 設 設 層 家 専 共 丑 居 宅 ^ )24 10 25~29 28 30^ )34 44 35( )39 58 40~44 67 45^ )49 73 50^ )54 77 55~59 79 60^ )64 78 65^ ) 76. 平. Q U1 1 39 り ′ ▲ ” 35 7 十▲ ” 25 に UQ リ 19 リリ ム r ヘ 15 ▲ ” n’ ム 12 ▲ ” ー’ ← 10 ▲ ” .せ ユ 10 ハ ーー ← 12 ハ ー. 十 14. 30 9 ’ 6 10 , 2 7 2 4 2 1. 2. I. I. 2. I. 2 上. に り ^ u1 J ←. 2. O J1 i O X1 U 1 だ 0ー. [ O ー A せー へ ‘ー. 2. 1 ← n ムー . ← ー .1 ・ ←. 1 I. 均 60 5 2 18 4 4. 1 ←. 6. 表1に同じ. 表1 1 1 世帯類型別特家率 (概数) 世帯の型(全国普通世帯) 計. 普通世帯 持 総数. 民借・木・ 民借・木・ 民 借・ 家 公営住宅 公団住宅 専 共 非 木 造 給与住宅 札幌中心市普通世帯 一世帯当 り畳数 1 0 0 0 0% 5 9 9 0% 5 0% 2 2 1% 3 6 3 3% 1 8 3 9% 3 6 8% 5 6 7% 1 0 0 0 0% 世帯平均 , , . , . , , . .. 1人世帯 6 5歳未満の単身 6 5歳以上の単身 2人 夫婦のみ その他 3人. 6 0 6 8 0 6 1 3 5 8 0 1 8 5 1 2 0 9 3 2 6 9 8 6 1 0 2 3 1 3 7 1 5 . , , . , . , , . 3 6 0 7 6 2 2 3 4 9 0 1 8 0 6 2 0 2 1 5 0 6 3 2 7 8 6 9 1 1 4 6 5 . . . . , . . . . 2 4 6 4 3 9 0 8 9 0 4 3 0 4 1 1 9 2 2 3 4 1 3 0 2 1 8 . , . . . . , , . 9 6 2 2 0 9 8 6 2 4 1 1 4 1 1 0 5 5 5 7 1 5 3 2 5 6 9 2 5 7 1 0 2 6 7 . . . . . . . , , 5 4 2 1 4 8 1 5 5 0 3 1 2 5 5 1 1 8 8 1 1 2 3 1 4 8 3 1 3 7 0 1 7 9 5 . . . . . , . , . 4 4 4 4 3 4 4 0 1 6 2 5 9 6 7 4 7 3 1 5 9 1 9 8 5 3 1 . . . . , , . , . 4 1 1 0 2 4 1 2 2 2 8 3 0 2 1 9 0 3 1 3 5 5 8 6 2 8 9 3 2 3 8 2 0 6 6 . . , . , . , , . 1 2 2 1 9 8 8 3 9 0 2 3 2 1 9 2 3 1 3 3 4 2 2 6 5 3 8 4 9 夫婦と6歳未満の者 7 . , . . , . . . . 夫婦と6~1 1 2 4 1 1 2 2 3 8 9 4 0 3 6 6 0 3 9 3 5 5 8 5 4 7歳未満の者 4 3 1 , . , . . . . . . 4 0 1 夫婦と1 8歳以上の者 0 8 5 4 1 2 3 6 8 1 6 8 3 5 3 8 0 0 3 7 6 6 5 7 5 . , . , . . . , , その他 1 2 2 2 2 0 2 2 1 2 5 6 0 9 7 7 6 0 0 3 9 0 9 5 2 1 6 , . . . . . . , , 4人 0 3 8 6 1 6 6 4 2 3 3 0 0 3 5 0 3 8 6 9 2 8 1 2 3 2 7 3 2 2 5 5 5 6 2 . . . . , , . . . 夫婦と6歳未満の者 2 4 4 0 3 6 6 6 1 0 1 6 1 3 1 5 9 8 9 4 1 1 9 1 9 7 5 0 3 , . . , , , , . . 夫婦と6~1 2 2 0 2 0 0 6 9 1 2 9 2 2 3 1 1 9 4 1 2 7 8 1 7歳未満の者 1 7 5 2 1 7 4 1 3 3 5 . . , , . , , , . 夫婦と1 2 4 8歳以上の者 0 6 2 3 3 6 4 0 0 1 3 5 2 5 4 3 5 0 3 7 7 1 2 1 7 6 . . . . . . . . . 夫婦と1 0 0 0 3 0 3 9 0 1 4 0 4 9 1 2 5 0 8 8 8歳未満及び6 5歳以上の者 5 7 0 3 4 0 6 5 . . . , . , , . . その他 1 0 2 6 0 0 0 5 5 0 5 8 1 3 6 0 1 4 3 5 9 3 6 7 0 9 7 . . . . . . , , . 1 4 6 0 4 6 6 6 1 1 2 8 1 1 5人 1 7 7 0 7 3 3 6 3 7 9 5 2 8 9 3 ‘ . . , . , , , . 夫婦と6歳未満の者 0 6 4 0 5 4 0 0 8 0 4 0 8 3 0 2 6 0 3 9 0 4 9 8 5 0 2 . . . . . , . , . 4 6 4 0 2 4 0 2 夫婦と6~17歳未満の者 4 5 3 7 8 0 6 8 1 5 2 1 7 6 0 2 3 5 5 . . , . , . , , . 夫婦と1 8歳以上の老 1 3 4 1 0 2 4 2 2 1 5 5 4 0 0 3 8 9 1 5 7 6 5 6 2 6 9 . . . . . . , , . 夫婦と1 6 0 1 1 0 4 1 6 2 8 8歳未満及び6 5歳以上の者 0 8 0 0 7 0 7 0 2 1 7 0 8 8 1 4 6 . . . , , . , , . その他 0 0 1 5 0 0 8 0 4 8 2 6 8 0 1 1 3 2 3 7 6 7 0 1 0 8 1 . . . . , , . , . 2 4 1 0 2 8 1 6人 2 2 9 1 1 1 0 4 8 8 1 5 8 0 8 7 1 8 9 3 8 7 . , . , . . . , . 夫婦と1 0 4 6 0 2 2 0 0 0 4 0 1 3 0 9 2 0 0 8歳未満及び6 5歳以上の者 6 8 3 0 4 3 0 8 1 . , , , , . . . . その他 8 2 8 1 1 8 4 0 89 0 4 2 2 3 3 0 7 2 7 5 1 4 6 3 0 6 5 . , , . , , , . .. 再掲. 1 8~6 4歳の者1人と1 8歳未満の者 1 4 5 , で構成 6 5歳以上の者のいる世帯 2 1 0 2 , ( 6 5歳以上の単身者を除く). 表1に同じ 70. 1 2 4 0畳 ・ 2 0 1 ,1 1 9 0 7 , 2 2 8 9 , 2 3 5 7 . 2 0 9 7 . 2 6 6 4 . 2 1 1 2 . 2 6 4 9 , 3 3 4 6 . 2 5 1 3 . 4 2 9 2 , 2 2 2 6 , 2 8 2 9 . 2 3 5 7 . 3 4 8 0 . 3 1 6 2 . 3 4 6 4 . 2 4 5 2 . 3 0 5 7 . 3 8 2 7 . 3 8 1 5 , 3 9 9 3 , 4 3 3 6 , 4 3 0 7 , 4 4 4 3 ,. 1 8 8 .. 1 6 1 9 .. 1 2 4 0 ,. 3 3 0 9 ,.
(8) . 「日本型高齢化社会」 における住生活 ( 1 ). 均で見れ ば, 持家居住者の住水準 は高いが, それ は全 て の 持 家 が す ぐれ て い る こ と を 意 味 す る も の. で は な い,. 1で 述 べ たよ う に, 高 齢 持 家 群 に お い て も 本 稿1. 者 居 住 の 状 況 の 検 討 と, 不 適 切 な諸 点 の 指 摘 が, ま ず 必 要 で あ る,. し か し, 少 数 群 と して 存 在 す る非 持 家 群 (諸 借. 家 層) の 高 齢 者 居 住 に は, どう い う 問 題 が ある か は, よ り 切 実 な予 想 を含 む. 民 間 借 家 の 場 合 と, 公 共 借 家 の 場 合 と, そ れ ぞ. れ 問 題 の所 在 が 異 な る 点 も 多 い が, 総 じて 借 家 居. 住 に お い て は, 持 家 と別 個 の 問 題 点 が存 在 して い る と い え る.. 表I V 住宅所有関係別1人当り畳数 (普通世帯) 住宅所有関係 総数 総数 持家 借家 公 営住 宅 公営住宅. 公団住宅 民借o木・専 民借o木・専 民借o木o共 民借。木。共 民借o非o専 民借。非。専 民借・非・共 給与住宅 同居. 札幌中心 全国 札幌中心市 ・市 札幌大都市圏 7.78. 8.45. 8.53. 8. 90 39 5.. 1 1 9 0. 6 81 .. 1 19 0, 6, 75. 4. 89. 5 83 ,. 5, 73. 4. 97 40 6.. 6 57 , 8, 08. 6, 59 8, 14. 4,64 4,39. 4,96 5.95 4.65. 4.93 7,13. 6, 61 6, 63 99 5 .. 5,14 7.14. 6, 60 6, 65 89 5 .. 表1に同じ. おそらく, その問題の一端は, 貧困や孤独や要援護の問題とつながっ ているといえる. また, これら借家世帯 における三世代同居 と, 高齢者のみの居住とでは, それぞれ持家層の場合. と異なる問題点が存在することもあきらかである, 借家居住の三世代同居世帯の場合, 予想される問題 は, きびしい狭小過密居住と, 重い家賃負担 であろう.. 狭小過密居住の状況は, 表IVから指摘出来る, 0~5 0m2未満 が中心であるから(表1参照) 非持家群の住宅規模は, ほぼ4 , それは, 本来三世代 同居を拒否する平面的な大きさである. そこでの同居 は当然なが ら, 食寝分離や夫婦寝室の確立, 子供の学習空間, 老人室などの家族員. の住ニー ズを充たすことが不可能な狭小過密状況と, それによる家族緊張をひきおこす. また, 国民生活センタ ーの調査によると, 東京では高齢者の木造賃貸住宅居住には, 一部屋◎設. 備共用型が多く, 低所得層が多い, といわれている. こうした世帯の住条件 は, 高齢者の身体機能 5 を別 にしてもそれ自体, 劣悪な状況が多いという傾向にある注 , 借家居住の高齢者世帯の問題 は, 稿をあらためて分析する.. IV 事例研究 ◎ 老人同居世帯における増改築 これにともなっ て新 家族 は, その経年的な流れのうちにライフサイクルの段階移行をおこない, これに がう たな生活ニーズ まれてくる. ニ ー ズ は最 も拡 大 す る, そ の ニー ズ それを住宅 について見る と, 子供の教育期の後半の段階で, ニーズは最も拡大する 6 は, 多くの場合, 持家化によっ て住平面と部屋数を拡充する形で充足される注 ,. この教育期後期の段階は, また同時に世帯主の親の高齢期でもある. 核家族であれ ばある程 こうしたライフサイクル段階の世帯 が, 三世代同居をおこなう場合には, 核家族で. 度容易に充足される住ニーズも, 老人のために少なくともさらに一部屋という形で, 面積や機能の 追加が必要 になってくる, そして, その追加ニー ズの充足 は, 既存の住平面のままで達成されることは少なく, 何らかの加 工が必要 になってくる,. 71.
(9) . 関 谷 嵐 子. すでに持家化している世帯では, それは住々, 増改築のかたちで対応される. また, 核家族世帯 へ老人を引き取る, いわゆる途中同居の必要が発生すると その場合もとりあ , えず増改築によって, 必要な空間を確保する行動を発生させる. 近年, 公的住宅金融 において, 老人との同居のための割増融資や 老人居室 の整備を目的とした , 資金貸付が成立 している.. それは, さきに触れた 「同居」 政策の推進の一環として整備されてきた制度ともいえる . 本章 は, こうした住宅融資 の一つである, 地方自治体 による 「老人居室整備資金貸付事業」 の資 料をもとに, 高齢者同居をめぐる住宅の増改築の諸状況を分析する. 資料 は, 19 84年度における札幌市 の 「老人居室整備資金貸付」(一件133万円) を受 けた99世帯 を 整 理 し た も の と, さ ら に, そ れ ら世 帯 に つ い て 住 状 況 の 実 態 を ア ン ケ ー トで 補 っ たも の で あ る .. ( 1 ) 老人居 室整備資金貸付資料の分析 対象世帯数 は, 99である.. 資料の性格上, その全部の住宅が集合住宅以外の持家 (いわゆる 一 戸建が大半) である. これら世帯の特徴 は老人と同居中, または増改築によっ て同居を 開始するものである. すなわち, 住宅所有関係 の特性としては, 高齢者の住む 多数 派型. の「一戸建持家」 世帯群である. ◎世帯類型. 世帯の類型化の方法 は, 本来その調査対象の特性によっ て決定さ れる が, 本稿 は基本的には中鉢正美編 『高齢化社会と家族周期』 に 7 お ける分類を念頭においた注 . そして具体的には, 老人が世 帯主 (夫婦) のいずれの側の親族で あるかによっ て, 夫方◎妻方 の同居の別を確認する方法をとっ た. この居室整備資金融資 の申請時に, 老人と同居中 の世帯 は6 9 ,増 改築の完成後同居を予定している世帯 は30である. 同居中の%, 同居予定の溺強の世帯が, 夫方 同居であっ た. そ の状 況 は表 V の よ う で あ る,. ◎世帯員数 同居中世帯の世帯人員 は, 4人が8( 12%) 32%) , 5人が22( ,6 人が29世帯 ( 4 2%) , などである, 同居予定世帯の現在の員数 は, 3人4( 13%) 50%) , 4人15( ,5 人7世帯(23%) , などである. 同居することによって前者と同様 の 規模となるであろう.. ◎世帯主と老人の年齢(表V I ) (うち女世帯主 は5名) 世帯主の年齢 は,35~39歳層が20( 30%) 3 6%) ,40~44歳層25( , 72. 表V 家 族 類 型 家 族 類 型 同居中 a 夫方 親夫婦 父親のみ 母親のみ b 妻方 親夫婦 父親のみ 母親のみ c 双方 母親のみ d 直系四世代 夫方母 妻方母 e 母子世帯 f 父子世帯 g. そ の他. 姉妹 完成後同居予定 a 夫方 親夫婦 母親のみ b 妻方 親夫婦 父親のみ 母親のみ d 直系四世代 妻方 g. そ の他. 祖母と孫 叔母と. 計. 世帯 内訳 69 46 18 5 23 15 7 I 7 2 2 2 I I 2 I I I 30 16 8 8 11 4 2 5 I 1 2 I 1 99.
(10) . 「日本型高齢化社会」 における住生活 ( 1 ). 表V I 世帯主と老人の年齢 年齢階層 世 帯 主 ~ 29. 2. 30 ~ 34. 13. 35 ~ 39. 20. 40 ~ 44. 25. 45 ~ 49. 17. 50 ~ 54. 14. 55 ~ 59. 7. 60 ~ 64. 1. 同居老人 同居予定 総 計 男子 女子 男子 女子 男子 女子 計. 1. 2. 3. 3. 23. 28. 9. 19. 28. 10. 17. 27. 2. 15. 65 ~ 69. 7. 12. 2. 7. 70 ~ 74. 7. 16. 3. 1. 75 ~ 79. 9. 11. 2. 6. 11. 17. 28. 80 ~ 84. 3. 5. 3. 3. 6. 8. 14. 85 ~. 1. 4. 1. 1. 2. 5. 7. NA. I. 92. 136. 計. 99. 30. 3. 8. 5. 1 64. 14. 28. 44. 1. 25%) 4世帯 ( 20%) である. 45~49歳層 が17( , 50~54歳層 が1 最年長 は同居中世帯では57歳, 同居予定世帯では50歳である, 最年少 は28歳 (同居中o同居予. 定とも に) である, また対象となっ た老人の数 は, 13 6名(うち男子44 )で, 6 0~7 9歳層にほぼ均等に分布 , 女子92 して い る,. 8歳, 完成後同居予定の最年少 は53歳 (いずれも女性) である, 同居中の女性の最年少 は5 ◎世帯の職業 会社員も銀行員 など民間企業勤務者が56( 81%) , 公務員およ び公社員o公的な外郭団体などが 1 23%) 自営業1 2( 1 % ) 教員4世帯などである 6( 7 , , , 無職の妻は, 同居世帯では4 5名(同居世帯の65%) 50%) , 完成後同居世帯では15名( , である, あ と の 妻 は有 業 で あ る が, フ ル タ イ マ ー かパ ー トタ イ マ ー か は, 記 述 が 不 明 瞭 で あ る.. 無職の妻の割合が比較的多い, と推定してよいであろう. これが現在のところ, 老人同居の条件 になることはあきらかである,. 老人と同居中の男子世帯主の世帯のうち, 妻のないものが3あり,1 は世帯主 の妹が,2は老母が 家庭管理をおこなっ ていると推定される. ◎老人の健康状況 特記 してあるもの以外 は不明である が, 入院中7名(うち同居中男子3 , 女子2 , 同居予定男子1 , 女子1名) であっ た.. また, 寝たきり は1 , 病弱1 , 身体不自由1 , 車椅子1 , など, 介助の必要な例が散見された, 車 椅子の必要な世帯 においては, 住宅内を車椅子で利用出来るような, 全面的な改築がおこなわれた. ◎老人の職業状況 同居中の男子老人の%, 同居予定の男子老人の大半 は無職である. 男子老人のうち, 会社員2 ,目 73.
(11) . 関 谷 嵐 子. 営業2 , 自由業1 , パ ー ト1 , 女子老人のうち, 会社員2である (いずれも同居中) . ◎世帯の収入 世帯の一年間収入の月平均金額 は, 平均40 1千円であるが, これ は, 税込と手取りの別が不明な ので金額の精度 は低い取扱いとする,. この金額には同居 および同居予 定者 の年金 が 算入されている場合もある (年金受給 の記入 は7. 例) . ◎増改築資金 増改築 に際しての申告された一世帯の資金総額 は, 平均409万円, 自己資金の平均 は12 9万円で. あ る.. 自己資金比率 は32%で, ローンへの依存率 は約70%である, ◎ ロー ンの状況. 増改築 に際して, 各種の住宅融資が利用されている. 市の老人居室整備資金 (最高限度133万円) を99世帯 (全数) が利用 しているほかに, 住宅金融 公庫住宅改良資金30( 30%) 6%) 2%) , 市の住宅断熱改修資金6( , 年金転貸2( , 勤務先や共済の 住宅貸付11( 11%) 6%) , 民間金融機関ローン6世帯 ( , などである. これらさま ざま な 「借金」 の件数 は, 一世 帯あたり1 .6件で, 金 額の平均 は公庫316万円, 年金 転貸 は600万円と15 0万円, 共済等は224.7万円, 銀行等 は157 .2万円である.. また, 親族 (親きょ うだい) や友人からの借入れ は11世帯 ( 11%) である. 親族からの借金 は近年 一般的に減少 しているが, この資料 において は同居世帯においては, 世帯 主 のきょ うだいなどから, 同居予定世帯 において は同居予定親族からの, 資金の提供が見られた.. この個人的借金の平均 は, 7 3.4万円である, 親からの資金の提供の中に は, 返済を要 しない種類のものも含まれている(「返却不要」の記述) .. これら増改築のために新たに借金を した世帯のうち, 69世帯 ( 39%) は, 現在返済中の住宅その 他のローンを既 に持 っている. その金額 は, 一世帯平均 7,800円 (月 返済額) である. この上 に, 重ねてローンをして, 増改築をおこなうわ けであ る. こ の 重 ね て ロ ー ン を す る 世 帯 の う ち,1980 年 代. に建築 した住宅 は3 97 5年~79年 に建築 したも ,1. の は 25 ,1970~74 年 に建 築 し たも の は21 で あ る.. 住宅の建築後10年以内に増改築をする例 が,比較. 的多いのが特徴的である. 重ねてローンをする世帯のうち, 金額が明記さ れている世帯について見たのが, 表V Iである. 月 I. 額10万円以上のローンを背負うこと になる例 が いくつも存在する, ◎増改築の状況 増改築では, 一挙にいくつかのニーズを満たそ 74. 表WI 毎月 のロー ン返済例 (千円) 年 齢 平均月収. 新. 規 既. 存. ロ ー ン計. 32. 380. 30. 80. 110. 33. 250. 8. 59. 67. 35. 430. 10. 75. 85. 39. 290. 20. 40. 60. 42. 375. 22. 6. 28. 45. 400. 20. 75. 95. 46. 690. 16. 63. 79. 47. 585. 45. 35. 80. 51. 500. 17. 135. 152. 55. 440. 20. 42. 62. 60. 400. 20. 90. 110.
(12) . 「日本型高齢化社会」 における住生活 ( 1 ). うと努力するのが通常である. したがっ て, 一 つの資金からの融資目的が, そのまま直接的に具現 され る こ と は な か な かむ ず か し い,. 前述のように, ローンの借入れが複数であるから, 老人居 室整備に必ずしも増改築の中身が集中. して い る わ けで は な い.. 多し・のは, 老巧家屋 の防寒改修, 屋根のスノーダクト化, 部屋の一般的な増設, トイ レや水まわ りの改修などであり, 住宅の形が変る全面改修も多い, そうした一連の工事の中で, 新たに老人室を設置したり, 既存の老人室の面積が拡大される. 増改築の理由として は, 住宅の老朽化, 老人同居 の必要の発生, 老人自身 の希望, 等が記入され. ていることが多い. また, 子供の成長 による住宅機能の拡大のニーズに触れている場合 が多し・ 「子 ( 供 が部屋を要求するので」 など) , ◎老人室の有無 既存の老人室 は, 同居中6 9世帯のうち37世帯に明記されており, 室のない世帯 は9世帯であっ. た. ◎老人室の拡大と変化 増改築内容には, 老人室の新設, 既存の老人室の拡大, 二部屋化, 防寒改修, 部屋の位置の変更, 2階から1階に移動, 1階から2階に移動, 1階部分の段差をなくす工事, などがある. 全般の資料 におし・て, 老人室 に工事 が加 えられている, ◎生活機能の分離状況 増改築によっ ても, トイレや台所などの生活機能 を, 若い世代の家族と分離する傾向 は殆 ど見 ら. れ ない,. 老人室の位置を中心 に, 子世帯とやや分離している傾向にある若干例を類型化すると, いずれも 同一家屋 内である が, 2階個室型 (生活設備共用) , 2階独立型 (別玄関◎生活設備専用) , 1階独立. 型 (生活設備専用) , 1階別室型 (生活設備共用) などが指摘出来る. したがって, 本稿の対象世帯の大半 は, 従来型の同居を目指 して, 増改築を実施した世帯である と い える.. ( 2 ) 同資料についてのアンケー ト分析 同資料にたいして, アンケートを郵送 し, 44枚を回収した (回収率4 4%) , アンケー トは次稿 に 掲載する, アンケート時点の同居形態(増改築完成後) は, 夫型同居28( 親 64%)( (親夫婦1 0 , 父のみ2 , 母の ぐ ) 妻型同居1 3( 3 0%)(親夫婦6 み16, ) ある, 妻型同居の回答者が , 母のみ7 , 双方1 , その他2である 比較的多い。 以下, 家族の特性 は基本的に前述( 1 )と同様である. ◎世帯員数 世帯員数 は4人9 3 , 5人12 , 6人16 , 7人4世帯などであり, 世帯規模が大きい(一 世帯平均5,. 人) .. これら世帯の老人は, 6 2人 (男子1 9 ) である , 女子43 75.
(13) . 関 谷 嵐 子. また, 一世 帯における老人の数 は, 1人が26 , 2人が18世帯である. ◎世帯主と老人の年齢 世帯主の年齢 は40歳層 に集中しており, 老人の年齢 は, 65~79歳層が中心である. ◎老人の職業 老人の大半 は無職で (57人, 92%) , 5人 が職業による収入を持 っている.. したがっ て, その大半が年金以外 にとりたてて収入を持たない被扶養型のほぼ 「完全同居老人」. で あ る と い える.. ◎健康状態 健康状態の記入 は41名 について見られる が, うち, 入院5( 12%) 15%) , 身体障害3(7%) , 有病6(. などである. 寝たきり は1名である. 既存資料の時期 とアンケートの時期 には約半年の開きがある が, その間に入院, 骨折などの変化が数例発生している. ◎老 人 室. アンケー トの全数の世帯が老人室を持 っ ている. そのうち,9世帯では2室が使用されていた, 単身の場合 は6畳の部屋が代表的であるが, 夫婦の 場合 は8畳や2室使用 の例 が かなり見出された, また, 2階に老人室があるもの(申請書類上ではなく現にそのように使用 している場合)は, 1 0世 帯あっ た. そのうち, トイレへの往復に階差のあるものが5世 帯であっ た (後述) . ◎住 み 方 アンケートでは, 老人世帯だ けの居住か同じ住宅内で子供の世帯と共同で生活しているか分離し ているかなどを質問 した. 増改築申請の図面でも知られたように, 35世帯( 80%)が, 「同じ住宅内 で子供の世帯と共同で生活 している」 という, 従来型の完全同居の形式をとっ てい,た. その35世帯のうち, トイレや台所などの生活機能が全く一緒 のもの が25 , トイ レだ け別10 , 台. 所も別2である. 1階と2階に世帯分離をした住 み方のように見 えるものも, 設備を共用 している場合が少 なくな. し・ .. 設備施設の分離状況は表V I I Iのようである.. テ レ ビ を 2 台 置 く こ と が 多 い ほ か は, 共 用 の 傾 向 が強 い.. ◎安全の設備 動作の安全をおぎなう手段として, 通常, 老人病院や老人ホームで は, 廊下やトイレや風呂に手 すりを取付 ける. これは, 住宅内の追加設備としても, 安価で簡単 な施工が可能である, しかし, 本調査の世帯では増改築の機会を得ても, これらはほとんど考慮されていない. トイレ 表V m 子世帯と別個の施設設備 (世帯数) 玄 関 台 所 食 堂 居 間 洗面所 3. 76. 6. 4. 10. 6. 風 呂. トイ レ. 、 テ レビ. I. 7. 24. 冷蔵庫 洗濯機 電 話 9. 3. 6.
(14) . 「日本型高齢化社会」 における住生活 ( 1 ). に手すりのある世帯 は6 , なし・世帯は34である.. 風呂場の手すりは, 更に少なく4世帯のみ にあり, 38世帯ではついていない. 手すりをつけてい る世帯には, 重度身障者 (車椅子) や半身麻癖者が居住している, 一方, 老人室とトイレとの階差 は5世帯にあり, 35世帯では 「ない」 と答えている. ◎食事の分離 従来型の同居の特徴の一 つは, 世帯内での食事の未分離である. 本稿の対象では, 30世帯 ( 68%) が, 殆ど常に「若い者 が作 り一緒 に食べ る」 形式をとっている. 6世帯で、 「老人が作りみんなで一緒 に食べる」 が, そこでは大半の妻が有職化 してし・る. 8世帯で, 子世帯 と別個の調理と食事の形式がとられている, 専用の台所 は, 分離型の平面 において若干存在するのみであるから, こうした食事の未分離傾向. は必然的である, ◎生活費の分担. 生活費 は, 子世帯 と 「全く一緒」 の形が23世帯, 「一部別」 が1 2世帯, 「全く別」 が9世帯であ 「 一緒 に食べる」3 が高く 若い者が作りみんなで 0世帯 る. これは, 食事の共同の状況と極めて相関 ,. のうちに, この生計費の未分離の23世帯 が含まれる. 「全く別」 の9世帯には, 食事を分離した世 帯の全て が含まれる, ◎孫世代との居住関係. 増改築の結果, 全てに老人の老人室 が提 供され, いわ ば, 老人室の個室化が進んだ. 増改築にい たる前段で, 孫からの個室要求 が出ているが, 以上の限りででいえば, 孫世代との空間関係の緊張 は, あまり表面化 しない状況に到達 したところと いえよう.. 増改築後の孫世代の住状況は, 全員個室が30 , 「きょ うだいで共用のものもある」 が6(うち親と が が ( 学齢未満の子供だ けである, など) である. の共寝1 ) 非該当 7世帯 子供 いない , , 増改築 は家族員の住ニー ズを以上 のような形で, ほぼ充たす役割を果たしたと推定出来る. が, 共用の子供室 に住む孫たちの中に, 小学校高学年期から中学生期の年齢層 が多いから, 子供. 室の分離ニーズが遠からず課題 にの ぼることばあきらかである, また, 学齢未満の子供だ けの世帯では, 子供室 が成立していないので, そこでも数年後にはニー ズが発生すると予想される.. V. む. す. び. 本稿で取り上 げた三世代同居世帯の住生活では, いわゆる 「べっ たり型同居」 が主流をなしてい る。 それは, 住平面のかたちと消費行動のかたちから明瞭 に指摘出来る, 増改築直後のこれら世帯では, 当面の住ニー ズ は充足された, ところで, どのような世帯 においても, 家族員の住ニーズはある時点で一応充足されても, 追い かけて次のニーズが発生する, 家族員数が多く, 構成 が複雑な三世代家族では, 特に住ニー ズの変 転 が は げ しい と い え る.. それ ば老人の身体や精神機能の変化 と, 成長ス ピー ドの早い孫世代のなかで新た にうま れる二一 77.
(15) . 関 谷 嵐 子. ズとの競合である, そして, それはふたたび住関係 の緊張を短期間のうちに表面化させてくる . 家計的には, その世帯が住宅ローンを払いきらないうちに, 当面の住ニーズが緊急 になってくる . これら世帯では教育費支出のただなかにおいて, 住宅ローンをふたたび重ねざるをえない. こうした, 三世代同居の住緊張の内容 は, 一 つは住平面の適不適の問題であり 他 は住宅費用負 , 担 の問題である. 高齢化社会 においては, 次代再生産の費用 は高齢者扶養の費用 ととも に増大する傾向を持 つと予 想される. それらを全て個別的 に世帯機能の中で充足することは無理が大きい. その意味で, 三世代同居を主眼とした住 宅政策の推進や それの個人的な選択 は 当該世帯の維 , , 持と安定にとっ ていくつかの限界があるということになる, 他方, 高齢者の少数群である非持家層の場合, 住ニーズの変転 にともなう日常生活 の充足 は殆 ど 不可能であるから, そこでは厳 しい家族緊張の発生か同居からの分解が不可避的 になりやすい そ . うした家族限界への逢着 は持家層よりも はるかに早いであろう. この点についての分折 は別稿の課題となる.. 注1 経済企画庁総合計画局編 『活力ある高齢社会を目指して--高齢社会への課題と対応--』( 1 98 4・1 1 ) , 注2 「高齢化社会へのソフトランディ ング」 を副題とする, 松原治郎編 『日本型高齢化社会』(有斐閣 19 )は , 81 そうした提言の一つである, 注3 小川格子・豊田裕子「老人世帯むけ住宅施設の現状と今後の方向(上)(下)」(日本住宅協会雑誌『住宅』VO I . 33 9 . , No ,10). 注4 住宅ハー ドの具体的決定には, 当然その使用の内容である 「住み方」 が 実態的にまた指導理念として措定 , される必要がある. それが, 従来ともすれば, 観念的に整理されていた憾みがあるが 近年 ソフト面への立 , , ちいった分析に裏打ちされた平面計画論が登場している. 例えば, 二世代住宅研究所の一連の 『親子同居と住 ま い方 の シンポ ジ ウム』 な どがそ れ で ある,. 注5 国民生活センター編 『住宅と生活--大都市の持家取得をめぐって--』(光生館 1 98 2 ) 注6 拙稿 「後期教育期世帯 における子供の私的空間」(北海道教育大学紀要 第一部 B 35巻1号) 注7 中鉢正美編 『高齢化社会の家族周期』(至誠堂 1 97 8 ) (本 学教 授 ・札 幌 分校). 本稿 は, 北海道高齢者問題 研究協会の昭和5 9年度研究費によりおこ なっ た共同研究『北海道 にお ける高齢者 の住宅と住生活 の実情』(研究代表者 関谷嵐子 共同研究者 魚住麗子の飯村しのぶ)の , 研究成果 の一部である。 補記 論文の執筆後, 総務庁 『住宅統計調査』(昭和58年) が刊行されたが 本稿の資料として , 利用することが出来なかっ た.. 78.
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